JP3225415B2 - 転写成形品の再生処理方法 - Google Patents

転写成形品の再生処理方法

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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被転写体となるプラス
チック基材のリサイクルに適した転写成形品の再生処理
方法に関する。詳しくは、転写された後のプラスチック
基材表面から転写物を取り除くことができ、混ざり物の
ないプラスチック基材樹脂として再利用できるようにし
た転写成形品の再生処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック成型品に絵柄を転写
したものは、一般に、成型品表面に転写により転移する
転写層の樹脂成分と、プラスチック基材の樹脂成分が異
なることが多い。また、転写層のみを成型品表面から溶
解除去する方法がないために、成型品が不要となり成型
品基材のプラスチックを再利用しようとする時は、成型
品を粉砕、溶融などして転写層の樹脂との混合樹脂とし
て再生利用してきた。さらには、樹脂成分の異なる転写
層のみを成型品基材から分離して、基材樹脂成分のみを
回収再利用しようとしても、転写層のみを除去できなか
った。すなわち、強力な溶解力をもつ溶剤によって、た
とえ転写層が溶解除去できたとしても、基材樹脂までが
溶解除去してしまった。また、成形品基材をフッ素樹脂
のような通常の溶剤では溶解しないプラスチックを用
い、転写層の樹脂分(ベヒクル)としては、逆に比較的
溶剤に溶け易いプラスチック、例えば、ポリスチレン、
硝化綿などを用いることも考えられるが、この様な組合
せだと、転写層と成形品基材との間の接着性が出ないた
め、転写そのものが出来ないか、あるいは出来たとして
も転写済みの成形品基材から容易に転写層が剥離するた
め、使用に耐えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の方
法では、基材をリサイクルする際に転写層を成型品基材
と分離することができず、よって再利用される樹脂には
転写層樹脂分による不純物の混入が避けられなかった。
このため、再生樹脂は混合樹脂となり、不純物の混入度
合が再生の都度変化し一定しないために、物性や色調が
その都度バラツキ、利用価値の低い複合再生原料として
しか使用できなかった。そこで、これらの再生利用の用
途としては、植木鉢、フェンスなどの美観をさほど必要
とせず、かつ物性要求も高くない低級の樹脂成型品、あ
るいは燃焼による熱量回収程度の用途と限られていた。
さらには、再利用されないものは廃棄処理とされ環境問
題の一因となっていた。このように、基材樹脂をより有
効に再利用するために、不純物の混入しない原料として
基材樹脂単体での分別回収を可能にすることが不可欠で
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記課
題を解決し目的を達成するために、離型性フィルム上
、転写層のうち少なくとも被転写体である成形品と接
する層がメタノール可溶性のアクリル樹脂とした転写箔
から、スチレン系樹脂の成形品に転写層を転写すること
によって転写成形品を得る。そして、その転写箔が転写
された転写品が不要となった際には、成品が不溶
であるが転写層中の接着剤層等の少なくとも成形品と接
する層が可溶性の性質のあるメタノールを主体とする溶
液と接触させることで、成品に転写された転写層のみ
を脱落除去させて、転写層樹脂が不純物として含有しな
い成品樹脂のみを再利用ができるようにすることで、
前記課題を解決した。
【0005】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
1は本発明に係わる一実施例を示す転写箔の縦断面図で
ある。図1に示すように本発明の転写箔1は、基材フィ
ルム3と離型層4からなる離型性フィルム2上に、剥離
層6、絵柄層7、接着剤層8からなる転写層5が積層さ
れたものである。なお、離型性フィルム2は基材フィル
ム3のみでもよいが、このように必要に応じて離型層4
を積層してもよい。また、転写層5としては、最低限、
絵柄層7があれば良いが、必要に応じ、剥離層6、接着
剤層8を形成する。
【0006】以下、本発明に係わる転写箔の各層につい
て詳述する。基材フィルム3は、転写層5を別の被転写
体に転移させる印刷法において、転写層5の支持体とな
るフィルムである。該基材フィルム3としては、転写層
5の樹脂との関係で剥離性がよい場合には離型層4なし
でも使える。基材フィルム3は5〜200μm程度の厚
みのフィルムを用いる。材料としては例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等
のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ
化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレ
ン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ
化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニ
ルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロ
ン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等
のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリ
メタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹
脂のフィルム又はシートの単層体又は複数の積層体を用
いる。
【0007】さらに、必要に応じて離型層4を、転写層
5と基材フィルム3との離型性を促進するために基材フ
ィルム3上に設けてもよい。また、離型層4の表面に凹
凸模様を形成して、転写層表面に該凹凸模様に対応した
凹凸模様を転移させ、表面意匠を表現することもでき
る。離型層4として、フッ素系樹脂、各種ワックス、シ
リコーン等の離型剤を公知のベヒクルたとえば、アクリ
ル樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等に添加した
塗料の塗膜を形成したり、離型性の樹脂たとえば、フッ
素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、電離放射線硬化性の多官能のアクリレート、ポ
リエステル、エポキシ等の樹脂を塗工、エクストルージ
ョンコート等で製膜したものを用いる。
【0008】剥離層6は、離型性フィルム2と剥離性を
有し、かつ転写終了後は転写層の表面保護層として作用
するものであり、所望の表面物性を有する樹脂組成を選
定する。特に、表面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性を
要する場合は熱硬化性樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂
が通常よく用いられる。又、膜厚も所望の物性等により
選定するが、通常は0.1〜10μmである。剥離層6
に用いる樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂としては、
硝酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリスチレン
などのスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポリメタク
リル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニルなど
のビニル重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂などロジン
エステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂など
の天然又は合成樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂として
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノア
ルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、
ポリシロキサン樹脂などがある。なお、接着剤層8がな
く且つ絵柄層7が部分的の時は、剥離層6はメタノール
可溶性のアクリル樹脂とする必要性がある。
【0009】絵柄層7は、全面に設けても部分的に模様
状に設けても良く、模様としては木目、石目、布目など
の天然物の意匠、文字、図形、記号、各種抽象模様のい
ずれでもよい。インキとしては、ベヒクルに必要に応じ
て、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定
剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものを用
いる。ベヒクルとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、電離放射線硬化性樹脂などの中から、用途、必要な
物性、印刷適性に応じて適宜選択する。熱可塑性樹脂と
しては、たとえば、エチルセルロース、硝酸セルロー
ス、酢酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロ
ース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレンな
どのスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸
エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル重合
体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フ
ェノール樹脂、重合ロジンなどのロジンエステル樹脂、
クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂な
どの天然又は合成樹脂が挙げられる。なお、接着剤層8
がなく、かつ剥離層6がメタノール可溶性でない時に、
絵柄層7のベヒクルはメタノール可溶性のアクリル樹脂
とする必要がある。
【0010】接着剤層8は、転写層5を被転写体に転
移、接着させるための層で、感熱接着剤又は溶剤活性型
接着剤の中から用途に応じて選定する。なお、絵柄層
7、剥離層6などの接着剤層8以外の転写層自身が十分
な接着性を有する時は、接着剤層8を省略することもで
きる。ただし、この場合には、基材樹脂と接触する層
は、メタノール可溶性であることが必要である。
【0011】
【表1】 ※1:全面ベタ柄 ※2:部分柄 層構成 ○:該当層あり。 /:該当層
なし ◎:該当層あり、且つメタノール可溶アクリル 転写層の性能 ○:良 △:可 ×:不可
【0012】感熱接着剤は加熱によって接着性が発現す
るものであり、通常は熱可塑性樹脂、アイオノマーなど
が用いられる。樹脂としては、一般的な用途の通常の転
写箔においては、たとえば、エチルセルロース、硝酸セ
ルロース、酢酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセ
ルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどの
セルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチ
レンなどのスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアク
リル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル
重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変
性フェノール樹脂、重合ロジンなどのロジンエステル樹
脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹
脂などの天然又は合成樹脂、各種アイオノマー、あるい
は上記2種以上の混合物などが用いられる。しかし、こ
れら樹脂の中でも、本発明の目的とするところのもの
は、メタノール可溶性の樹脂である。それは例えば、ア
クリル系樹脂で、中でもメタアクリル酸ブチル・メタア
クリル酸メチル共重合体、メタアクリル酸メチル重合
体、メタアクリル酸エチル重合体、アクリル酸メチル重
合体、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル又は
メタアクリル酸エステルの単独又は共重合体、さらに、
好ましくは、メタアクリル酸ブチルとメタアクリル酸メ
チルの共重合物が適している。さらにその分子量は好ま
しくは5万〜7万のものである。分子量が5万未満であ
ると転写した絵柄層の高温条件での密着が不十分となり
又耐薬品性も弱くなり、7万を越えるとメタノールによ
る脱落除去がしにくくなる。メタアクリル酸ブチルとメ
タアクリル酸メチルの共重合比は、1:9ないし9:1
の範囲が好ましい。これらの樹脂を単独または2種以上
を用いてもよい。
【0013】剥離層6、絵柄層7、接着剤層8などの転
写層5の形成方法としては、公知の印刷法によればよ
い。たとえば、グラビア、グラビアオフセットなどの凹
版印刷、活版印刷、フレキソなどの凸版印刷、平版オフ
セットなどの平版印刷、シルクスクリーンなどの孔版印
刷、ダイリソ印刷、静電印刷、インキジェットプリント
などが挙げられる。
【0014】本発明にて被転写体の基材として、用いる
ことができるスチレン系樹脂とは、たとえばポリスチレ
ン、アクリル−スチレン共重合体などのスチレン共重合
体などである。
【0015】本発明に係わる転写箔をプラスチック成形
品の表面に転写するには、公知の射出成形同時絵付転写
法などを用いればよい。すなわち、射出成型の際、雄雌
金型間に挿入した転写フィルムを注入樹脂と一体化さ
せ、形成体表面に転写絵付けする方法である。転写フィ
ルムの接着剤層は、注入樹脂の熱圧により接着力が発現
し、金型により冷却固化する注入樹脂の表面に接着す
る。注入樹脂が冷却固化後、転写箔の離型性フィルム2
を剥離すれば、接着層と一体となった転写層が転移し
て、かくして絵付けされたプラスチック成型品が完成す
る。なお、本発明にて適応できる被転写体を得る方法
は、上記の方法以外にも、ホットスタンプ法による転写
法などでもよく、転写方法に限定されるものではない。
【0016】絵付けされたプラスチック成型品から転写
層を除去するには、メタノール溶液と接触させればよ
い。該溶液はメタノール単体でも良いが、転写層の除去
性能とスチレン系樹脂基材への溶解・膨潤の防止との均
衡をとるため、必要に応じ、他の溶剤を適量添加しても
良い。他の溶剤の例としては、ジメチルホルムアミド、
イソプロピルアルコール、エチルアルコール、シクロヘ
キサノンなどである。成型品を該溶液に接触させる方法
としては、たとえば、溶液をノズルで転写層に吹きつけ
るとか、溶液を満たした浴槽に成型品を浸すとか、ノズ
ル吹き付けと併用するとか、あるいは、超音波振動子を
使った超音波洗浄を併用したり、さらには機械的にブラ
シッングによる補助手段を設けたりしてもよい。このよ
うにして、転写層が溶解あるいは膨潤して脱落するまで
転写層の除去処理を行う。なお、溶液の液温は室温が作
業上は好ましいが、接着剤層の溶解を促進する意味で、
加温あるいは予めメタノール蒸気に接触させておいても
よい。なお、溶液に浸漬する際にプラスチック成型品を
そのままの形で処理するのではなく、浴槽に入りやすい
大きさ、あるいは小片にしてから、処理してもよい。再
利用しようとする成型品の各種大きさの形状を適度に大
きさの揃った小片にすることで連続処理がしやすくな
る。
【0017】
【作用】本発明に係わる転写箔は、転写により成型品表
面に転移する転写層のうち少なくとも成形品に接する部
分がメタノール溶液に可溶性である。このため、成型品
樹脂は溶けずに、転写層のみを成型品表面から除去でき
る。転写層の中で、剥離層や絵柄層がメタノール溶液に
可溶性でなくても、成型品樹脂との間に介在している接
着剤層が該溶液に可溶性であれば、溶液は剥離層や絵柄
層を通して浸透して接着剤層を溶解し、結果として、転
写層全体を成型品から除去できる。もちろん、転写層を
構成する全層がメタノール可溶性ならば溶解除去も早い
が、このような場合には、表面絵付け層としての転写層
の耐溶剤性、耐擦傷性などの各種表面物性を満足でず、
実用的とはいえない。したがって、内部の接着剤層のみ
がメタノール可溶性となる構成が実用上最も好ましい。
(表1の組合せ例1)そこで、転写層の脱落除去方法に
おいては、メタノール溶液に成型品を浸漬して転写層を
除去する際に、スプレー、ブラッシング、超音波、加
熱、蒸気などの補助手段を有効的に用いることで、接着
剤層へのメタノール溶液の到達を促進させて、除去時間
を短縮できる。
【0018】
【実施例】
《実施例1》転写箔として、まず、基材フィルムに厚さ
25μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを用い、これ
に、順に、メラミン樹脂系の離型層をコーティングして
離型性フィルムとした。ついで、この離型性フィルムに
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂系の剥離層および
絵柄層、メタアクリル酸ブチルとメタアクリル酸メチル
共重合物で共重合比(前者/後者)が1/1で、平均分
子量6万、ガラス転移点Tg50℃のアクリル樹脂系の
接着剤層をグラビア印刷により膜厚2μmに形成し、所
望の転写箔を形成した。次いで、該転写箔を用いて、プ
ラスチック基材原料としてポリスチレン樹脂を用いて射
出成型同時絵付転写を行い、絵付けされたプラスチック
成型品を得た。次いで、該成型品を100%メタノール
溶液(液温25℃)に1時間浸漬して再生処理をしたと
ころ、該成型品上の転写層は成型品との間で完全に剥離
した。一方、基材である成型品の物性には、なんら影響
はみられなかった。
【0019】《実施例2》実施例1において、接着剤層
として、メタアクリル酸ブチルとメタアクリル酸メチル
との共重合物で平均分子量が6万、ガラス転移温度Tg
50のアクリル系樹脂を用い、プラスチック基材原料と
しはアクリル−スチレン共重合体樹脂を用いて、その他
は同様におこない成型品を作成し、再生処理をしたとこ
ろ、該成型品上の転写層は成型品との間で完全に剥離し
た。一方、基材である成型品の物性には、なんら影響は
みられなかった。
【0020】《比較例1》実施例1で得られた絵付け成
型品を用いて、メタノール濃度のみを10%として、そ
の他は同様に行った。その結果、転写層は十分に脱落剥
離しなかった。
【0021】《比較例2》実施例1において、接着剤層
のみをアクリル−スチレン共重合体(平均分子量6万5
千、ガラス転移温度Tg105℃)として、その他は同
様に行った。その結果、転写層の十分に脱落剥離しなか
った。
【0022】《比較例3》実施例1において、接着剤層
を塩酢ビ系樹脂(平均分子量2万1千、ガラス転移温度
Tg60℃)として、プラスチック基材原料はアクリル
−スチレン共重合体樹脂として、その他は同様に行っ
た。その結果、転写層の表面は変色したが脱落除去はさ
れなかった。
【0023】
【表2】 ○:完全に剥離 △:十分な剥離がされていない ×:剥離せず
【0024】
【発明の効果】本発明に係わる転写箔によれば、転写基
材樹脂と転写層のうち少なくとも接着剤層のメタノール
可溶性が、前者は不溶性、後者は可溶性と相違する。こ
のため、転写された成型品が不要となり、基材樹脂をリ
サイクルして再利用する時に、基材成型品樹脂になんら
影響することなく転写層の除去ができるので、再生樹脂
原料に異種樹脂となる転写層樹脂が不純物として混入す
るのを防止できる。よって、純度が高く利用価値の優れ
た再生原料が得らる。したがって、理想的なリサイクル
ができる成型品の製造が可能となり、もって地球環境保
護に積極的に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写箔の一実施例を示す縦断面図
【符号の説明】
1 転写箔 2 離型性フィルム 3 基材フィルム 4 離型層 5 転写層 6 剥離層 7 絵柄層 8 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 1/165 - 1/17 B29B 17/00 ZAB

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性フィルム上に、少なくとも被転写
    体である成形品に接する層がメタノール可溶性のアクリ
    ル樹脂から成る転写層が形成された転写箔を用いて
    チレン系樹脂の成形品からなる被転写体に転写層を転写
    することによって転写成形品を得、そして該転写成形品
    を、メタノールを主体とする溶液と接触させることによ
    り、該スチレン系樹脂成形品上から該転写層のみを脱落
    除去する転写成形品の再生処理方法。
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