JP3224576B2 - 帯電装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は帯電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真複写機のような電子写真
装置においては、一般に図５及び図６に示されるような
コロトロン帯電装置が一般に使用されている。このよう
な帯電装置は、断面がほぼコの字形をなすシールドケー
ス４０の両端部に絶縁ブロック４１を設け、この絶縁ブ
ロック４１の間に、上記シールドケース４０のほぼ中央
に位置するように放電電極としての放電ワイヤ４２を張
設した構造を有する。そしてこの放電ワイヤ４２には４
０００〜８０００Ｖの高電圧が印加され、それにより電
荷受容体である静電潜像支持体としての感光体などのド
ラム８との間でコロナ放電が生じ、それにより発生した
イオンがドラム８に付着してこれを帯電するようになっ
ている。

【０００３】また、放電ワイヤ４２を囲むシールドケー
ス４０は、放電ワイヤ４２との間に一定の空間距離を維
持することにより、放電ワイヤ４２の表面に形成された
電界を強く、かつ安定化させる機能を有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このコ
ロトロン帯電装置は、次のような欠点を有している。ま
ず、機械的強度の低く細いワイヤを張設するため、放電
による振動などによりワイヤが切れ易く、また、その交
換に手間が掛かるなどの不都合がある。

【０００５】また、放電時にドラム以外にシールドケー
スにも電流が流れるため、帯電に寄与しない放電電流が
余分に流れ、その結果、高電圧源が大型化して価格が高
くなると共に、放電電流が多いためにオゾンの発生量も
多くなって、周囲環境汚染の原因となるという不都合も
ある。

【０００６】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、ワイヤを必要とせず、また放電
電流が電荷受容体である静電潜像支持体以外に余分に流
れることやオゾンの発生を防ぐことができ、電極の形状
を任意に設定できる帯電装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１の帯電装置は、可撓性の絶縁シートの一面
に半導電性層を、電極を介さずに直接形成して成り、そ
の半導電性層の露出面が静電潜像支持体と対向して設け
られた可撓性の半導電性シート状電極と、前記半導電性
シート状電極の半導電性層の露出面に接触するように設
けられた供給電極と、前記供給電極に接続され、前記半
導電性層の露出面と前記静電潜像支持体との間で放電さ
せるための電源とより成る。また、請求項２の帯電装置
は、請求項１の構成に加え、前記半導電性シート状電極
の前記静電潜像支持体に対する対向部分を移動更新する
更新手段を更に有したものである。

【０００８】

【作用】上記の構成を有する請求項１の帯電装置におい
て、電源により供給電極に放電用高電圧が供給され、可
撓性の半導電性シート状電極の半導電性層の露出面に放
電用高電圧が供給される。そして半導電性層と静電潜像
支持体との間で放電が起こり、静電潜像支持体が帯電さ
れる。また、請求項２の帯電装置では、更新手段により
前記半導電性シート状電極の静電潜像支持体に対する対
向部分が移動更新される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【００１０】まず図３を用いて本発明の帯電装置を用い
た電子写真プロセス装置について概略を説明する。図３
において、帯電装置２４は、本発明を具体化した帯電装
置であり、感光ドラム８を帯電させるための装置であ
る。

【００１１】原稿台２１上に置かれた原稿２０が照明ラ
ンプ２２により照明され、レンズ２３を通して感光ドラ
ム８に画像が結像し、露光されることにより、静電潜像
が形成される。この静電潜像に現像機２５により現像剤
を付着させて可視像を形成させる。そして用紙カセット
３２から送られた用紙３１を感光ドラム８に重ね、転写
用帯電装置２６でイオンを与えることにより現像剤が用
紙３１に転写される。続いて剥離用帯電装置２７で用紙
３１の電荷を除電して用紙３１を感光ドラム８から剥離
する。現像剤は定着装置２８で用紙３１に定着され、複
写画像となる。感光ドラム８上の電荷は、除電用帯電装
置２９により除電され、定着後に残った感光ドラム８上
の現像剤はクリーナ３０によりクリーニングされる。

【００１２】次に図１及びと図２を用いて帯電装置２４
について詳細に説明する。

【００１３】図２に示すように放電電極を形成する可撓
性の半導電性シート状電極３（以下、単に電極３とす
る）は、可撓性の絶縁シート２上にチッ化タンタル等の
高抵抗の半導電性層１を設けて形成される。そしてこの
電極３は供給リール４と巻取りリール５の間に巻回さ
れ、供給リール４から送り出され、電極支持体７で支持
された後、巻取りリール５で巻取られる。供給リール４
には、図示しないブレーキ装置が設けられ、電極３が緩
むことが防止される。巻取りリール５は、図示しない回
転駆動装置により供給リール４のブレーキ装置と共に電
極３に張力を加えながら巻取る。

【００１４】２個の供給電極６ａ，６ｂが電極３の半導
電性層１側（半導電性層の露出面）に接して設けられ、
更に供給電極６ａ、６ｂは高電圧源９に接続されてい
る。

【００１５】電極支持体７は感光ドラム８に所定間隔を
開けて対向して設けられており、電極３の形状を維持さ
せる。この時、電極３の半導電性層１の露出面側が感光
ドラム８に対向配置されている。

【００１６】次に作用を説明する。

【００１７】高電圧源９により供給電極６ａ、６ｂに放
電用高電圧が供給され、電極３の半導電性層１に放電用
高電圧が供給される。そして半導電性層１と感光ドラム
８の間で放電が起こり、感光ドラム８が帯電される。

【００１８】電極３は巻取りリール５に巻取られ、感光
ドラム８と対向する電極３は常に更新される。尚、供給
リール４、巻取りリール５により、電極３は巻き取られ
ていき、電極３の感光ドラム８に対向する部分は順次移
動更新させられていく。供給リール４、巻取りリール５
が本発明の更新手段に該当する。

【００１９】以上、詳述したことから明かなように、本
実施例の帯電装置２４では、ワイヤを必要とせず、また
放電電流が電荷受容体である感光ドラム８以外に余分に
流れることやオゾンの発生を防ぐことができる。

【００２０】また可撓性の半導電性シート状電極３を用
いているため、簡単な構造であり、電極の形状を任意に
設定できる。

【００２１】更に半導電性シート状電極３の更新が容易
であり、電極の劣化による帯電ムラの防止が図られる。

【００２２】尚、本発明は、上記実施例に限定されるも
のでなく、その趣旨を逸脱しない範囲の変更は可能であ
る。電極支持体は、円筒に限らず、図４に示す電極支持
体１７のように平面形状でもよい。また、半導電性シー
ト状電極３に張力を加えるために、供給リール４と巻取
りリール５により張力を発生させていたが、図４に示す
ように供給電極６ａ，６ｂと駆動ローラ１０とにより半
導電性シート状電極３を挟み張力を発生させてもよい。
さらに供給電極は１つでもかまわない。

【００２３】

【発明の効果】以上、詳述したことから明かなように、
請求項１の帯電装置では、従来のように放電用のワイヤ
を必要とせず、また放電電流が電荷受容体である静電潜
像支持体以外に余分に流れることやオゾンの発生を防ぐ
ことができる。

【００２４】また可撓性の半導電性シート状電極を用い
ているため、簡単な構造であり、電極の形状を任意に設
定でき耐久性が増して取扱が容易となる利点がある。

【００２５】また、請求項２の帯電装置では、請求項１
の効果に加え、更新手段により前記半導電性シート状電
極の静電潜像支持体に対する対向部分が移動更新される
ので、長期にわたる使用が可能となり、大変実用的であ
る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の帯電装置を示す構成図である。

【図２】半導電性シート状電極の断面図である。

【図３】本実施例の電子写真プロセス装置の構成図であ
る。

【図４】帯電装置の変形例を示す構成図である。

【図５】従来のコロトロン帯電器の斜視図である。

【図６】従来のコロトロン帯電器の断面図である。

【符号の説明】

１ 半導電性層 ２ 絶縁シート ３ 半導電性シート状電極 ６ 供給電極 ８ 感光ドラム ９ 高電圧源

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性の絶縁シートの一面に半導電性層
   を、電極を介さずに直接形成して成り、その半導電性層
   の露出面が静電潜像支持体と対向して設けられた可撓性
   の半導電性シート状電極と、 前記半導電性シート状電極の半導電性層の露出面に接触
   するように設けられた供給電極と、 前記供給電極に接続され、前記半導電性層の露出面と前
   記静電潜像支持体との間で放電させるための電源とより
   成ることを特徴とする帯電装置。
2. 【請求項２】 前記半導電性シート状電極の前記静電潜
   像支持体に対する対向部分を移動更新する更新手段を更
   に有したことを特徴とする請求項１に記載の帯電装置。