JPS5911909B2 - 電子写真複写装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子写真複写装置に関し、特に２回転方式の電
子写真複写装置に関するものである。

一般に電子写真法により複写画像を形成するには、光導
電性感光層を有するシート状感光体に静電潜像を形成し
、これをトナー現像及び定着してそのまま感光体上に複
写画像を形成する方法と、感光体ドラムに静電潜像を形
成し、これをトナー現像したる後転写紙上にトナー像を
転写し、これを定着して複写画像を形成する方法とが知
られている。本発明は後者の方法を用いて複写画像を形
成する電子写真複写装置に関するものである。

ところで後者の場合は普通紙を複写紙として用いうるこ
と、複写紙の目方が軽く多数枚のコピーを行つたときで
も取扱いが簡便であること及び多数枚のコピーを高速で
短時間に作成できるなどの点から広く実用に供せられて
いる。

他方当該複写装置においては、感光体を反復使用に供す
るため複写の度毎にその表面をクリーニングして電子写
真性能を原形に近く復元することが要請され、かかる要
請を充分満足しうる条件を見出すことは複写装置設計上
の最も困難な課題の１つとなつている。

即ち感光体上の静電潜像に対応して形成されたトナー像
は転写紙上に全部転写されろものではなく、必ずその一
部を残留せしめる。

しかもこの残留トナーは電荷を担持しているので感光体
とは物理的のみでなく電気的にも結びついた状態で付着
しているので単なる機械的クリーニングでは不充分であ
つて、例えば除電器などにより除電するなどの前処理が
必要とされている。さらに又感光体上には前記静電潜像
の残像が存在し、これがトナーのクリーニングを阻害す
ると共に新に形成される像の品質を低下せしめるため例
えばクリーニングランプを照射して残像を消去すること
が必要とされている。前記クリーニングランプ、除電器
、クリーニング装置などの作用により感光体の電子写真
性能が復元し得たとしても、なお残留トナーのクリーニ
ング装置自体にも多くの難点が残されていて充分満足し
うるものは得られていない。即ち（１）電子写真感光体
の表面は一般に外力により損傷をうけ易い、（２）クリ
ーニングされたトナーは軽い微粉末であつて雰囲気中を
飛翔し易く、画像形成に参画する機能、特に帯電器、転
写器などの放電電極を汚染し損傷し、その機能を失墜せ
しめる、（３）クリーニング装置のクリーニング材とし
て用いられるものは通常獣毛又は人工毛が使われ、これ
らは機械的耐用度が少なく、入手及び加工がむづかしく
、かつ安定製品が得がたい、（４）クリーニング装置は
複写装置内の大きなスペースを専有するため設計上の制
約をうけ、さらに高速で運転されるための装置の振動及
び雑音を発生し複写装置の耐用度を低下し、複写画像の
品質を低下する、（５）クリーニングして得られたトナ
ーの回収処理が容易でない、など多くの難点をかかえて
いる。

そこでこれらの難点のいくつかを解決する方法として２
回転方式の電子写真複写装置が提案された。この複写装
置においては、１回転目には感光体上に帯電、像様露光
、現像転写が順次行なわれて複写像が形成され、２回転
目にはクリーニングランプ照射と除電とからなる前処理
及びクリーニングが行なわれ、好ましくは、当該クリー
ニングはトナー現像装置により行なわれる。かくして別
途にクリーニング装置を複写機内に装備する必要がなく
、雑音及び振動が少なく、しかもコンパクトな複写装置
を設計することができる。

しかして前記２回転式複写装置の前処理及びクリーニン
グ装置は従来の電子写真複写装置の慣例に基いて、クリ
ーニングランプと除電器とからなる前処理装置を帯電器
の前又は後に配置したものが実用に供せられている。

しかしながらかかる構成の２回転式電子写真複写装置は
複写回数を重ねるにつれて、感光体ドラム周辺の機材に
トナーが付着し、特に帯電器（Ｖ）及び当該帯電器近傍
に設けたその他の目的の機材、例えば感光体表面への湿
気の露結防止板などにトナーが付着し、それが落下して
感光体を汚染したり、または後述する如くそれが感光体
交換の操作の際に手がふれ易い場合には、取扱い者の手
や衣類に付着して汚染したりするなどの障害がある。

特に樹脂中に鉄粉などの強磁性体を分散して作成される
磁性トナーを用いて現像する場合にはトナー付着による
障害がより大である。本発明の目的は、前述したような
りリーニング時の前処理上の不都合による、帯電器の寿
命低下及び感光体ドラム廻りの物体のトナー汚損を防止
した電子写真複写装置を提供することにある。

本発明の他の目的は従来用いられているような高速で運
転されるクリーニング装置を不用とし、機械の振動、雑
音及び画像の乱れを防止した電子写真複写装置を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は高速で多数回
の複写を行つたときでも複写装置を損傷することなく、
かつすぐれた画質の複写をうることのできる電子写真複
写装置を提供することにある。

本発明によれば、前記の目的は、磁性トナーを用いる電
子写真複写装置において光導電性感光層を表面に有する
感光ドラムの複写操作に伴う第１回転目には、該感光ド
ラムの周囲に順次配設した帯電手段、露光手段、クリー
ニング手段兼用現像手段、転写手段を動作させた後、複
写されるべき原稿画像に対応するトナー画像を転写紙上
に転移させ、分離手段をもつて該転写紙を前記感光ドラ
ムから剥離し、該感光ドラムの第２回転目には、前処理
手段として、前記帯電手段と分離手段との間に設けたク
リーニングランプと、前記帯電手段と前記現像手段との
間に配設した除電電極と前記現像手段とを動作させ、転
写工程終了後の感光層の残留電荷と該感光層上の残留ト
ナーの電荷とを除去することによつて達成される。

前記本発明の現像に用いられる材料は磁性トナーが主と
して用いられるが、このトナーには導電性又は絶縁性の
磁性トナーがあり、そのいづれであつてもよい。

又帯電器、転写器、除電器等はコロナ放電器が好ましく
用いられ、特に除電器は交流コロナ放電器が用いられる
。又クリーニング装置としては現像装置の他に例えば磁
気ブラシクリーニング装置又はペーパークリーニング装
置などを設けてもよいが、好ましくは現像装置をクリー
ニング装置と兼用にすることが経済的な見地から好まし
い。特に本発明においては現像に用いられる材料として
磁性トナーが用いられるので、クリーニング装置によっ
て回収されたトナーがそのまま現像に使用できるため極
めて好適である。又本発明においては電子写真複写装置
に関して説明しているが光導電性感光層を用いて静電記
録を行う静電記録装置にも当然適用しうるものであるこ
とを付言する。次に本発明を具体的実施例をもつて以下
に説明するが本発明の実施の態様がこれにより限定され
るものではない。

本実施例においては感光体として光導電性酸化亜鉛（以
下単に酸化亜鉛と称する）をバインダー樹脂中に分散含
有せしめて作成される酸化亜鉛感光紙を使用し、現像剤
としては絶縁性の磁性トナーを使用する。

第３図及び第４図において、機体１の上部には往復移動
型原稿台２が設けられ、当該原稿台２の直下に位置する
機体１には露光ランプ３が配置され、当該露光ランプ３
により照明された原稿像はミラー４，５及びレンズ６か
ら構成される露光光学系により感光体ドラム７の周面に
投影される。

感光体ドラム７は１コピー毎に矢印Ａ方向に２回転され
、はじめの１回転目には帯電、像様露光、現像、転写及
び分離のプロセスを、引継く２回転目には前処理及びク
リーニングのプロセスを行う。感光体ドラム７の周面に
は、機体１の上部に枢軸８で枢支された開閉蓋９を開放
することにより取り換えることができる酸化亜鉛感光紙
１０が巻付けられる。前記感光体ドラム７の外周には、
機体１にそれぞれ固定されかつ矢印Ａ方向に順次隣合せ
て、負極性の帯電器１１、磁気ブラシからなるクリーニ
ング装置兼現像装置１２、転写電極１３が配置される。

したがつて感光体ドラム７の１回転目に、帯電器１１の
放電により感光層の表面全体に負イオンが付着して帯電
され、露光光学系よりの像様露光により感光層表面に負
極性の静電潜像が形成される。次に磁性トナーＪを収容
した現像装置１２を通過する間に前記感光層の静電潜像
が現像されてトナー像が形成される。

当該トナー像は転写電極１３を通る際に、給紙装置１４
から供給された転写紙Ｂと密着され転写電極１３の作用
で転写紙Ｂ上に転写される。前記トナー像を担持した転
写紙Ｂは緊張ワイヤー１５及び分離ローラー１６から構
成された分離装置によつて感光体ドラム７から引離され
、定着器１７によつてトナー像を定着した後、機外へ排
出される。また前記感光体ドラム７の外周には、本発明
により特徴づけられる位置にクリーニングランプ１８及
び除電電極１９が設置される。

即ち第４図に示されるように前記分離装置と帯電器１１
との間に配置される前記クリーニングランプ１８は、前
記開閉蓋９との間に排風通路２０を形成しかつ感光体ド
ラム７の上部を覆つて当該ドラム７に対する湿気の露結
を防止するために設置された第５図に示される如き仕切
板２１の左端寄りの下面に固定される。また第４図に示
される如く帯電器１１と現像装置１２との間に位置され
た除電電極１９は、第６図に示されるように、機体フレ
ーム２２に固定された案内レール２３に摺動的に挿入さ
れるアーム２４の先端に支持される。前記除電電極１９
の背面には窓２５が形成され、当該窓２５の背後には補
助ランプ２６が位置されるが、本発明においては当該補
助ランプは必須ではない。以上の説明から明らかなよう
に本発明は種々の利点を有するものであるが、前記前処
理装置を帯電器Ｖの前後に配置する従来技術と対比して
その利点の生ずる理由を以下に説明する。本発明者等は
この原因を種々検討した結果、例えば磁性トナーを用い
て現像した場合では次のような理由によるものであろう
との推論に達した。

即ち（イ）前処理装置が帯電器の前に配置されたときは
第１図にもとづいて下記の如く説明される。負の静電潜
像を担持した感光層ＰＣはトナー現像されて正の電荷を
もつたトナー像が形成され、これが転写工程を通過した
ときは転写電極の負の放電電場の作用でトナー像の大半
が転写紙上に転写される。しかしながらａ図に示される
如く必ず一部のトナーＪが感光層ＰＣ上に残留し、転写
電極の負の放電に基くイオン化の影響で残留トナーは負
に帯電している。当該負帯電残留トナーＪを担持した感
光層ＰＣは前処理工程を通過するときｂ図に示される如
く感光層ＰＣの残留潜像電荷はクリーニングランプ照射
により消去され、残留トナー電荷は除電器の放電により
消去される。

このようにして中性１となつた残留トナーＪを担持した
感光層ＰＣは休止中の帯電器ｖの下を通過するが、この
ときｃ図に示される如く、当該帯電器Ｖには負の電位が
高圧電源の残留電位によつて保有されており、このため
その電場の作用で感光層ＰＣから磁性トナーＪの導電性
部分へ正の電荷が注入されるに到る。

この様な状態となつた磁性トナーは前記帯電極の負の電
場の作用をうけて電極上に吸引され付着され、汚染とな
る。なお帯電極Ｖは一般に、両端の絶縁性の支持板にタ
ングステンなどの材料を用いた数本の放電ワイヤーを張
設し、これを導電性ケースに固定して形成されるが、こ
れがトナー粉Ｊなどで汚染されると放電効率が低下し、
特に放電ワイヤーにトナー粉Ｊが数ケでも付着すればそ
の部分は確実に放電不良を生じ、ただちに画質に重大な
影響を与えるものである。このようなことから帯電器ｖ
がトナーＪで汚染されるということはその機能を失墜せ
しめる結果となる。次に（口）前処理装置が帯電器の後
に配置された場合に生ずる機材汚染の理由については第
２図に基いて下記の如く説明される。

即ち残留トナーＪを担持した感光層ＰＣは第１図ａの如
き電荷配置をとつて帯電極Ｖの方向に送られるがその過
程で感光体ドラムに近接して導電性の遮蔽板などが存在
した場合、通常感光体の露結防止板Ｍなどが配置される
ことが多く、このような場合、当該露結防止板Ｍには感
光層ＰＣ上の負電荷の電場の作用をうけて、正電荷が誘
起される。

かくして露結防止板Ｍ上に誘起された電場の作用により
負のトナーＪは吸引されて前記防止板Ｍの下面に付着し
、時にトナーＪは機械の振動などにより感光体土に落下
して感光層ＰＣ上に形成される画像の品質を低下させた
り、感光体交換時に手がふれるものであれば操作者の手
又は衣類を汚染するに到る。

本発明の場合はこれに対して下記の如くして障害が除去
されているものと推察される。

すなわち、転写紙Ｂの分離後、クリーニングランプ１８
の照射光により感光層の負の電荷が消去され、トナー電
荷とは逆極性放電電圧又は交流放電電圧が印加される除
電電極１９の作用で消去される。

次いで電荷を失つたトナーＪはクリーニング装置兼現像
装置１２により感光層ＰＣよりクリーニングされる。前
記の如く本発明においては従米と異つてクリーニングラ
ンプ１８が帯電器Ｖの前に位置され、除電電極１９が帯
電器Ｖの後に位置される如く配置されているため感光層
ＰＣ上に残留したトナーが帯電器や、その周辺の複写機
機材に付着して障害を及ぼすことがなく、くりかえし複
写の過程で複写機の機能が低下せず従つて多数回の複写
画像が常に鮮明であるなどの多くの利点を有することが
できる。

即ち第７図ａは現像転写後、クリーニングランプ１８を
通過して感光層ＰＣの電荷は既に消去された状態におけ
る電荷配置を示している。

即ちトナ一のみの負電荷と等価の正の電荷が感光体の導
電層ＣＢと露結防止板Ｍとにその静電容量に応じて配分
されて蓄積される。即ち感光体の静電容量Ｃ１と感光層
ＰＣ一空隙Ａ一露結防止板Ｍの静電容量Ｃ２とに対応し
て正電荷が蓄積される。従つて前回の第２図ａの場合に
比して感光層ＰＣの保有電荷が消去されている現状では
露結防止板Ｍに誘起される正電荷がはるかに少なく、従
つて又当該正電荷の電場の作用でトナーＪを吸引する力
が極めて弱く露結防止板をトナーＪで汚染するには到ら
ないのである。他方第７図ｂの如く帯電器Ｖの直下に到
着したときもトナーＪが負に帯電しているため帯電器ｖ
の保有する負の電荷に反撥されてトナーＪが帯電器Ｖに
付着されることがなく汚染してその性能を失墜せしめる
ことがないものと推察される。いい換えると、本発明に
よれば、使用する磁性トナーで早期に汚染されていた感
光体ドラム廻りの物体のトナー汚損を防止することがで
き、特に重要な機能を担う帯電器の寿命を延長すること
ができるので、複写装置の耐用年数が増大し、かつ常に
安定した複写画像を提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のクリーニング前処理工程の説
明図、第３図は本発明を施された電子写真複写装置の外
観図、第４図は当該複写装置の断面図、第５図はクリー
ニングランプ取付け廻りの斜面図、第６図は除電電極取
付け廻りの斜面図、第７図は本発明によるクリーニング
前処理工程の説明図である。 １・・・・・・機体、２・・・・・・原稿台、７・・・
・・・感光体ドラム、１０・・・・・・酸化亜鉛感光紙
、１１・・・・・・帯電器、１２・・・・・・クリーニ
ング装置兼現像装置、１３・・・・・・転写電極、１８
・・・・・・クリーニングランプ、１９・・・・・・除
電電極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光導電性感光層を表面に有する感光ドラムの複写操
   作に伴う第１回転目には、該感光ドラムの周囲に順次配
   設した帯電手段、露光手段、クリーニング手段兼用現像
   手段、転写手段を動作させた後、複写されるべき原稿画
   像に対応するトナー画像を転写紙上に転移させ、分離手
   段をもつて該転写紙を前記感光ドラムから剥離し、該感
   光ドラムの第２回転目には、前記帯電手段と分離手段と
   の間に前処理手段として設けたクリーニングランプおよ
   び前記帯電手段と前記現像手段との間に配設した除電電
   極と、前記現像手段とを動作させ、転写工程終了後の前
   記感光層上の残留電荷を除去したのちに該感光層上の残
   留トナーの電荷を除去するように構成するとともに、使
   用する現像剤を磁性トナーと定めたことを特徴とする電
   子写真複写装置。