JP3223004U - 介護用ベッド - Google Patents

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Abstract

【課題】ベッドから自力で起き上がるのが困難な被介護者を介護する介護者の負担を軽減できる介護用ベッドを提供する。【解決手段】介護用ベッド100は、マット部2と、マット部2を支える支持構造体である本体部1と、マット部2の上で横になる被介護者の臀部を持ち上げるためのリフト部3と、を備える。そして、マット部2が、臀部および頭側のマットパーツ21、22と、これから分離可能に構成された足側のマットパーツ23と、を備え、足側のマットパーツ23が分離されることでオプションユニットOP1、OP2、OP3が現れるように構成されている。【選択図】図5

Description

本考案は、介護用ベッドに関する。
ベッドから自力で起き上がって歩行するのが困難な被介護者に対して、例えば排泄介助を行う場合、介護者は、ベッドで横になっている被介護者を抱き起こし、抱き上げて、トイレまで運んで、その便座に座らせなければならない。また例えば、このような被介護者に対して車いすへの移乗介助を行う場合、介護者は、やはり、ベッドで横になっている被介護者を抱き起こし、抱き上げて、車いすのところにまで運んで、その座面に座らせなければならない。同様に、このような被介護者に対して入浴介助を行う場合も、介護者は、ベッドで横になっている被介護者を抱き起こし、抱き上げて、お風呂まで運んで、その浴槽内に座らせなければならない。
いずれの介助も、介護者にとっての負担は大きい。また、負担が大きいがゆえに介護者がこれらの介助に対して消極的になると、被介護者の自立が妨げられたり、被介護者の尊厳が傷つけられたりする虞がある。
例えば特許文献1では、ベッドから車いすへの移乗介助の負担を軽減するべく、一部を車いすとして分離できるベッドが提案されている。ここに開示されているベッドは、左右の片半分が他方から分離可能に構成されており、分離されたベッドの片半分を、車いすに変形できるようになっている。このベッドを車いすとして使用する場合、介護者は、まず、ベッドで横になっている被介護者を、ベッドの片半分に寄せてここで仰向けにならせる。そして、被介護者が横になっているベッドの片半分を、他方の片半分から分離させるとともに車いす姿勢に変形させる。これによって、被介護者が車いすに乗った状態となる。
特開2012−61200号公報
特許文献1の構成によると、介護者は、ベッドで横になっている被介護者を抱き上げて車いすの座面に移乗させる必要がないので、移乗介助の負担がある程度は軽減される。しかしながら、ベッドの真ん中で横になっている被介護者をベッドの左半分に寄せてここで仰向けにならせるためには、介護者は、前かがみの姿勢で被介護者を抱きかかえて身体の位置をずらさなければならず、介護者の腰等に大きな負担がかかってしまう。また、ここでは、ベッドの片半分がそのまま車いすを構成する。このような車いすは、当然、通常の車いすに比べて大きく重い。したがって、このような車いすで気軽に外出することは難しい。また、いうまでもなく、特許文献1の構成では、排泄介助や入浴介助に係る介護者の負担を軽減することはできない。
このように、特許文献1の技術は、ベッドから自力で起き上がるのが困難な被介護者を介護する介護者の負担を十分に軽減できるものとはいえず、さらなる技術が必要とされている。
本考案は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ベッドから自力で起き上がるのが困難な被介護者を介護する介護者の負担を軽減できる技術の提供を目的としている。
本考案は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
本考案に係る介護用ベッドは、
マット部と、
前記マット部を支える支持構造体である本体部と、
前記マット部の上で横になる被介護者の臀部を持ち上げるためのリフト部と、
を備え、
前記マット部が、
臀部および頭側のマットパーツと、
これから分離可能に構成された足側のマットパーツと、
を備え、
前記足側のマットパーツが分離されることでオプションユニットが現れるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、マット部の上で横になっている被介護者の臀部をリフト部によって持ち上げ、この状態で介護者が足側のマットパーツを取り去ると、オプションユニットが現れる。そうして、リフト部を用いて被介護者の臀部を下ろして(あるいは、リフト部によって被介護者の臀部が持ち上げられた状態のまま)、オプションユニットを用いて必要な介助を行うことができる。このときに、介護者は、マット部の上で横になっている被介護者を抱きかかえて持ち上げる必要がないので、介護者の負担が軽減される。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記オプションユニットとして、車いすユニットを備え、
臀部側のマットパーツが、前記車いすユニットの座部を構成し、
前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記座部に座った状態になるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、リフト部を用いて被介護者の臀部を持ち上げ、足側のマットパーツを取り去ってから、再びリフト部を用いて被介護者の臀部を下ろすと、被介護者は車いすユニットの座部に座った状態となり、そのまま車いす移動することができる。したがって、移乗介助にかかる負担が低減される。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記オプションユニットとして、トイレユニットを備え、
臀部側のマットパーツが、前記トイレユニットの便座部を構成し、
前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記便座部に座った状態になるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、リフト部を用いて被介護者の臀部を持ち上げ、足側のマットパーツを取り去ってから、再びリフト部を用いて被介護者の臀部を下ろすと、被介護者はトイレユニットの便座に座った状態となり、そのまま用を足すことができる。したがって、排泄介助にかかる負担が低減される。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記オプションユニットとして、バスユニットを備え、
前記本体部の少なくとも一部が、前記バスユニットの浴槽の少なくとも一部を構成し、
前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記浴槽の内部に導入されるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、リフト部を用いて被介護者の臀部を持ち上げ、足側のマットパーツを取り去ってから、再びリフト部を用いて被介護者の臀部を下ろすと、被介護者はバスユニットの浴槽の内部に導入され、ここで入浴することができる。したがって、入浴介助にかかる負担が低減される。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記オプションユニットとして、車いすユニットと、トイレユニットと、を備え、
臀部側のマットパーツが、前記車いすユニットの座部を構成するとともに、前記トイレユニットの便座部を構成し、
前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記座部あるいは前記便座部に座った状態になるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、リフト部を用いて被介護者の臀部を持ち上げ、足側のマットパーツを取り去ってから、再びリフト部を用いて被介護者の臀部を下ろすと、被介護者は車いすユニットの座部あるいはトイレユニットの便座部に座った状態となる。したがって、移乗介助にかかる負担と排泄介助にかかる負担の両方が低減される。特にここでは、臀部側のマットパーツが、車いすユニットの座部を構成するとともに、トイレユニットの便座部を構成するので、構造が簡素化されるとともに部品点数が抑えられる。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記オプションユニットとして、バスユニットをさらに備え、
前記本体部の少なくとも一部が、前記バスユニットの浴槽の少なくとも一部を構成し、
前記車いすユニットおよび前記トイレユニットが、前記浴槽の内部に相当する空間に収容されており、
前記車いすユニットおよび前記トイレユニットが該空間から搬出されている状態で、前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記浴槽の内部に導入されるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、リフト部を用いて被介護者の臀部を持ち上げ、足側のマットパーツを取り去るとともに、車いすユニットおよびトイレユニットを浴槽の内部から搬出してから、再びリフト部を用いて被介護者の臀部を下ろすと、被介護者はバスユニットの浴槽の内部に導入される。したがって、移乗介助にかかる負担および排泄介助にかかる負担に加え、入浴介助にかかる負担も低減される。特にここでは、車いすユニットおよびトイレユニットが、浴槽の内部に収容されているので、スペース効率を有効に利用して複数種類のオプションユニットを配置することができる。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記臀部側のマットパーツが、
中央パーツ部分と、
その両側に回転自在に連結された一対の横パーツ部分と、
を備え、
前記中央パーツ部分が、前記座部を構成し、
前記一対の横パーツ部分の各々が、前記中央パーツ部分に対して立ち上げられた姿勢で固定されることにより、前記中央パーツ部分に着座している着座者の肘置きが形成される、
ことを特徴とする。
この構成によると、被介護者は、車いすユニットの座部に座った際に、肘を肘置きに乗せることで、安全かつ快適な使用感を得ることができる。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記中央パーツ部分の下方に設けられた箱状の脚体部、
を備え、
前記脚体部の後面を構成する後板が、上辺において回転自在に連結されており、前記後板が、前記中央パーツ部分に対して立ち上げられた姿勢で固定されることにより、前記中央パーツ部分に着座している着座者の背凭れが形成される、
ことを特徴とする。
この構成によると、被介護者は、車いすユニットの座部に座った際に、背凭れに背をあずけることで、安全かつ快適な使用感を得ることができる。
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記バスユニットが、
長尺の板状部材であって、前記浴槽の底面に設けられた、導入板、
を備え、
前記導入板が、一端を前記底面に当接させつつ他端を前記リフト部によって持ち上げられている状態で、被介護者が前記導入板の前記他端側に跨がって座った状態とされ、この状態から前記リフト部によって前記導入板の前記他端が下ろされることで、前記被介護者が前記浴槽内に座った状態になるように構成されている、
ことを特徴とする。
この構成によると、リフト部を用いて導入板の端部を持ち上げ、被介護者をここに跨がるように座らせてから、再びリフト部を用いて導入板の端部を下ろすと、被介護者は浴槽内に座った状態となり、そのまま入浴することができる。したがって、入浴介助にかかる負担が特に有効に低減される。
本考案によると、ベッドから自力で起き上がるのが困難な被介護者を介護する介護者の負担を軽減することができる。
介護用ベッドの全体構成を模式的に示す図。 本体部の構成を模式的に示す図。 マット部の構成を説明するための図。 被介護者の臀部を持ち上げる態様を説明するための図。 足側中央パーツ部分を取り外す態様を説明するための図。 車いすユニットに係る構成を抽出して示す図(a)、および、その分解図(b)。 車いすユニットの組立ての途中段階を示す図(a)、および、組立てが完了した状態を示す図。 車いすユニットの使用の態様を説明するための図。 車いすユニットの使用の態様を説明するための図。 車いすユニットの使用の態様を説明するための図。 介護用ベッドが備える要素のうち、トイレユニットに係る構成を抽出して示す図。 トイレユニットの使用の態様を説明するための図。 トイレユニットの使用の態様を説明するための図。 バスユニットとしての使用状態を示す図。 図15の一部を切り欠いて示す図。 バスユニットの使用の態様を説明するための図。 バスユニットの使用の態様を説明するための図。 バスユニットの使用の態様を説明するための図。 バスユニットの使用の態様を説明するための図。 被介護者のおむつ交換を行う態様を説明するための図。 変形例に係る導入板の構成を示す図。 変形例に係る導入板の構成を示す図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。 変形例に係る導入板を用いて被介護者を浴槽内に導入する態様を説明するための図。
以下、本考案の好適な実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
<1.全体構成>
実施形態に係る介護用ベッドの構成について、図1〜図4を参照しつつ説明する。図1は、介護用ベッド100の全体構成を模式的に示す図である。図2は、本体部1の構成を模式的に示す図である。図3は、マット部2の構成を説明するための図である。図4は、被介護者Pの臀部を持ち上げる態様を説明するための図である。
以下の説明において、介護用ベッド100の上で横になる被介護者Pの足側を、介護用ベッド100の「前方」と呼び、被介護者Pの頭側を、介護用ベッド100の「後方」と呼ぶ。また、前後方向と直交する水平方向を「左右方向」と呼ぶ。
介護用ベッド100は、本体部1と、本体部1の上に配置されたマット部2と、マット部2の上で横になる被介護者Pの臀部を持ち上げるためのリフト部3と、を備える。
(本体部1)
本体部1は、マット部2およびその上で横になる被介護者Pを支える支持構造体である。図2に示されるように、本体部1は、上面が開口した箱状の躯体部11と、前方側に配置された直方体状の前ブロック体12とに分離可能に構成されている。
躯体部11は、平面視長方形状の底板111と、その後辺および左右辺から立設された3方を囲む側壁112と、底板111の面内から立設された複数の仕切り板(第1仕切り板113、および、一対の第2仕切り板114,114)と、を備える。
第1仕切り板113は、躯体部11を前後に区画する仕切りであり、マット部2に一般的な体格の被介護者Pが横になったときに、その腰部に相当する位置を想定した境界線(第1境界線)D1に相当する位置に設けられる。一方、一対の第2仕切り板114,114は、第1仕切り板113によって区画される前方の空間を左右に3分割する仕切りであり、中央の空間の左右幅が、左右側の各空間の左右幅の2倍程度となるような位置に、設けられる。各第2仕切り板114と側壁112との間の空間は、蓋板115および前板116によって塞がれている。
(マット部2)
マット部2は、この上で横になる被介護者Pを支える部分であり、本体部1の上に、これを覆うように配置される。図3に示されるように、マット部2は、互いに分離可能に構成された複数のマットパーツ(頭側マットパーツ21、臀部側マットパーツ22、および、足側マットパーツ23)を備える。
各マットパーツ21,22,23はいずれも平面視矩形状であり、強度のあるベース板上に、弾力性のあるクッション部材が配設された構成を有している。
頭側マットパーツ21は、第1境界線D1の後方に配置され、臀部側マットパーツ22は、第1境界線D1と第2境界線D2の間に配置され、足側マットパーツ23は、第2境界線D1の前方に配置される。ただし、第2境界線D2とは、マット部2に一般的な体格の被介護者Pが横になったときに、その太ももの付け根付近に相当する位置を想定した境界線である。つまり、頭側マットパーツ21は、主として被介護者Pの上半身(腰部より上側の部分)を支えるものであり、臀部側マットパーツ22は、主として被介護者Pの臀部(腰部より下側であって太ももの付け根よりも上側の部分)およびその近傍を支えるものであり、足側マットパーツ23は、主として被介護者Pの足(太ももの付け根よりも下側の部分)を支えるものである。
頭側マットパーツ21は、第1仕切り板113および側壁112によって四辺を下方から支持されている。また、頭側マットパーツ21は、その前辺において、第1仕切り板113に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、略水平に横たわった姿勢(図1)と、後端に近づくにつれて上方に向かう傾斜姿勢(図4)と、をとることができる。
臀部側マットパーツ22は、左右側の両端部付近において、蓋板115によって下方から支持される。また、臀部側マットパーツ22は、中央に配置されるパーツ部分(臀部側中央パーツ部分)221と、その左あるいは右に配置されるパーツ部分(臀部側横パーツ部分)222と、に3分割されている。
臀部側中央パーツ部分221および各臀部側横パーツ部分222は、いずれも平面視矩形状であり、臀部側中央パーツ部分221の左右幅は、一般的な体格の被介護者Pの臀部の幅に所定の余裕幅を見積もった寸法とされている。また、各臀部側横パーツ部分222は、臀部側中央パーツ部分221に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、臀部側中央パーツ部分221と平行となって略水平に横たわった姿勢(図1)と、臀部側中央パーツ部分221に対して立ち上がった姿勢(図9等)と、をとることができる。
足側マットパーツ23は、一対の第2仕切り板114,114に相当する位置において、中央に配置されるパーツ部分(足側中央パーツ部分)231と、その左あるいは右に配置されるパーツ部分(足側横パーツ部分)232とに3分割されている。
足側中央パーツ部分231および各足側横パーツ部分232は、いずれも平面視矩形状であり、互いに分離可能に構成されている。足側中央パーツ部分231は、左右側の両端部付近において、一対の第2仕切り板114,114によって下方から支持される。一方、各足側横パーツ部分232は、蓋板115上に載置されてこれに支持される。各足側横パーツ部分232は、足側中央パーツ部分231側の辺において、蓋板115に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、略水平に横たわった姿勢(図1)と、左右方向の外側に近づくにつれて上方に向かう傾斜姿勢(図14等)と、をとることができる。
(リフト部3)
リフト部3は、対象物の上げ下ろしを行うための機構であり、門型の支持枠31と、これに設けられたウインチ機構32とを備える。
支持枠31は、左右方向に本体部1を挟むようにして立設された一対の支柱部311,311と、一対の支柱部311,311の上端の間に架け渡された梁部312とを備える。支持枠31は、第2境界線D2よりも後方、好ましくは、第1境界線D1の近傍に配置される。
ウインチ機構32は、吊りワイヤー321の巻き取りおよび繰り出しを、回転ハンドル322の操作に応じて行う機構である。ここでは、回転ハンドル322は、一方の支柱部311に設けられており、吊りワイヤー321は、該支柱部311から梁部312の内部(あるいは側面)を伝わされて、梁部312の略中央から下方に垂下される。吊りワイヤー321の該垂下された端部には、バー部材323が連結される。バー部材323は、強度のある棒状の芯部材と、その周囲に巻回された弾力性のあるクッション状の部材とを備えており、軸方向の中央において、吊りワイヤー321と連結される。
このような構成のリフト部3を用いて、マット部2に横になっている被介護者Pの臀部を持ち上げたり、下ろしたりすることができる。すなわち、被介護者Pの臀部を持ち上げたい場合、マット部2に横になっている被介護者Pの足の間からバー部材323を差し入れて、左右の各膝窩(膝関節の後側の部分)の下方に、バー部材323の右側部分と左側部分とをそれぞれ配置する。この状態で回転ハンドル322を回して吊りワイヤー321を巻き取る。こうすると、バー部材323が梁部312に向けて斜め方向に上昇し、被介護者Pは、両膝窩がバー部材323に引っ掛かった状態で膝を斜め後ろ方向に持ち上げられることとなり、背中をマット部2につけたまま、臀部および足部だけがマット部2から浮き上がる(図4)。再び回転ハンドル322を回して吊りワイヤー321を繰り出せば、持ち上げられている被介護者Pの臀部がマット部2に下ろされる。
このように、介護者は、リフト部3を用いることで、マット部2に横になっている被介護者Pの臀部を難なく持ち上げたり下ろしたりすることが可能であり、例えば、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を持ち上げて、被介護者Pのおむつ交換を簡単に行うことができる。特にここでは、バー部材323が、軸方向の中央において吊りワイヤー321と連結されているので、被介護者Pの足の間からバー部材323を差し込んで、その両端部分を簡単に膝窩に引っ掛けることができる。さらに、ここでは、支持枠31が、第2境界線D2よりも後方に配置されているため、被介護者Pの膝が真上に持ち上げられるのではなく、頭の側に近づきながら持ち上げられる。したがって、被介護者Pは身体を丸められながら自然に臀部を持ち上げられることとなり、不快感を覚えにくい。
<2.オプションユニット>
上記の通り、介護用ベッド100が備えるマット部2は、分離可能な複数のマットパーツ21,22,23から構成されており、足側マットパーツ23の足側中央パーツ部分231だけを、分離して取り外すことができる。ここで、介護用ベッド100では、足側中央パーツ部分231が分離されて取り外されると、各種のオプションユニット(具体的には、車いすユニットOP1、トイレユニットOP2、および、バスユニットOP3)が現れる。したがって、足側中央パーツ部分231を取り外すことで、これらのオプションユニットOP1〜OP3の使用が可能となる。
ここで、足側中央パーツ部分231を取り外す態様について、図5を参照しながら説明する。足側中央パーツ部分231を取り外すにあたって、介護者は、まず、本体部1の前ブロック体12を取り外す。そして、足側中央パーツ部分231を前方に引っ張り出す。足側中央パーツ部分231の下方の四隅には、下端にキャスター411が連結された脚41が設けられており、足側中央パーツ部分231と4本の脚41によって、台車40が構成されている。したがって、介護者は小さな負荷で足側中央パーツ部分231を引っ張り出すことができる。また例えば、マット部2の上に、布団、毛布、タオル、等が敷かれている場合、これらを折り畳む等して足側中央パーツ部分231の上にかためて載せておけば、足側中央パーツ部分231を前方に引っ張り出すのと同時に、これらの布団等をマット部2上から難なく運び出すことができる。
次に、各種のオプションユニットOP1〜OP3の構成およびその使用態様について、具体的に説明する。
<2−1.車いすユニットOP1>
車いすユニットOP1の構成について、図6、図7を参照しながら説明する。図6(a)は、介護用ベッド100が備える要素のうち、車いすユニットOP1に係る構成を抽出して示す図であり、図6(b)は、図6(a)を分解して示す図である。また、図7(a)は、車いすユニットOP1の組立ての途中段階を示す図であり、図7(b)は、車いすユニットOP1の組立てが完了した状態を示す図である。
車いすユニットOP1は、臀部側マットパーツ22とその下方に設けられた脚体部50により構成される。
脚体部50は、臀部側中央パーツ部分221の下方に設けられた箱状の部材であり、底板51と、その左右辺のそれぞれに沿って立設された一対の横板52,52と、一対の横板52,52の前側に設けられた前板53と、一対の横板52,52の後側に設けられた後板54と、を備える。また、脚体部50は、底板51の下面側の四隅の各々に設けられたキャスター55を備える。
臀部側中央パーツ部分221は、脚体部50の上部にその開口を塞ぐように載置されて、脚体部50に対して固定される。この臀部側中央パーツ部分221が、車いすユニットOP1の座部を構成する。つまり、臀部側中央パーツ部分221は、マット部2としての役割に加えて、車いすユニットOP1の座部としての役割をも担っている。
一方、各臀部側横パーツ部分222は、上記の通り、臀部側中央パーツ部分221に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、臀部側中央パーツ部分221と平行となって略水平に横たわった姿勢(図6(a))と、臀部側中央パーツ部分221に対して立ち上がった姿勢(図7(a))と、をとることができる。各臀部側横パーツ部分222が立ち上がった姿勢とされることにより、車いすユニットOP1の肘置きが形成される。つまり、各臀部側横パーツ部分222は、マット部2としての役割に加えて、車いすユニットOP1の肘置きとしての役割をも担っている。
各臀部側横パーツ部分222の裏面側には、両端が折れ曲がった棒部材60の両端を挿通させるための挿通部材2221が設けられている。各臀部側横パーツ部分222が立ち上がった姿勢とされた状態において、これらの間に架け渡すように棒部材60を配設し、その両端を挿通部材2221に挿通すると、この棒部材60によって、一対の臀部側横パーツ部分222,222が立ち上がった姿勢で固定される(図7(b))。この棒部材60により、車いすユニットOP1の手すりが形成される。つまり、棒部材60は、臀部側横パーツ部分222を立ち上がった姿勢に固定する役割を担うとともに、車いすユニットOP1の手すりとしての役割をも担っている。
脚体部50の底板51は、略矩形の平板部材である。底板51は、左右の寸法が臀部側中央パーツ部分221と略同一であり、前後の寸法が臀部側中央パーツ部分221よりも大きく、上方から見て、前端付近が臀部側中央パーツ部分221の前側に張り出すようにして設けられる。この張り出した部分511により、車いすユニットOP1の足置きが形成される。
各横板52は、脚体部50の左右面を構成する略矩形の平板部材であり、下端が、底板51の左辺(あるいは、右辺)に沿って固定され、上端が、臀部側中央パーツ部分221の下面における左辺(あるいは、右辺)に沿って固定される。
前板53は、脚体部50の前面を構成する略矩形の平板部材であり、その下端において、底板51に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、底板51と略直角をなしつつ立ち上がった姿勢(図7(a))と、ここから傾斜姿勢(図7(b))を経て底板51と略水平をなすようにして横たわった姿勢(図11(b))と、をとることができる。また、前板53と臀部側中央パーツ部分221の前側面には、それぞれ被係止部材531と係止部材2211とが設けられており、係止部材2211が被係止部材531に引っ掛かった状態とされることによって、前板53が立ち上がった姿勢に固定されるようになっている。
後板54は、脚体部50の後面を構成する略矩形の平板部材であり、その上辺において、一対の横板52,52の上端部分に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、臀部側中央パーツ部分221と略直角をなすようにしてその後辺から垂れ下がった姿勢(図7(a))と、ここから略180度回転して、臀部側中央パーツ部分221と略直角をなすようにしてその後辺から立ち上がった姿勢(図7(b))と、をとることができる。後板54が立ち上がった姿勢とされることにより、車いすユニットOP1の背凭れが形成される。
次に、車いすユニットOP1の使用の態様について、図6、図7に加え、図8〜図10を参照しながら説明する。図8〜図10は、車いすユニットOP1の使用の態様を説明するための図である。
車いすユニットOP1を使用するにあたって、介護者は、まず、マット部2の上で横になっている被介護者Pの臀部をリフト部3によって持ち上げる。そして、本体部1の前ブロック体12を取り外すとともに、足側中央パーツ部分231を前方に引っ張り出してこれを取り外す(図5)。足側中央パーツ部分231が取り外されると、そこに空間が生まれ、車いすユニットOP1が現れる。
続いて、介護者は、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部をゆっくりと下ろす。このとき、介護者は、被介護者Pの背中を起こすように補助するか、頭側マットパーツ21を、傾斜が急になる方向にゆっくりと回転させる。すると、被介護者Pは、臀部側中央パーツ部分221、すなわち、車いすユニットOP1の座部に座った状態となる(図8)。
続いて、介護者は、各臀部側横パーツ部分222を臀部側中央パーツ部分221に対して回転させて立ち上がった姿勢とし、各臀部側横パーツ部分222の間に架け渡すように棒部材60を配設し、その両端を挿通部材2221に挿通する(図9)。これによって、一対の臀部側横パーツ部分222,222が立ち上がった姿勢で固定され、車いすユニットOP1の肘置きと手すりが形成される。
続いて、介護者は、被介護者Pが座った状態のまま、臀部側マットパーツ22を前方に引っ張り出し、さらに、後板54を180度回転させて、臀部側中央パーツ部分221と略直角をなすようにしてその後辺から立ち上がった姿勢とする(図10)。これにより、車いすユニットOP1の背凭れが形成される。
以上で、車いすユニットOP1の組立てが完成するとともに、被介護者Pの車いすユニットOP1への移乗も完了する。被介護者Pは自力で、あるいは、介護者に押されることで、車いすユニットOP1に座って自由に移動することができる。また、介護者が上記と逆の手順を行うことで、被介護者Pを再びマット部2の上で横にならせることができる。
<2−2.トイレユニットOP2>
次に、トイレユニットOP2の構成について、図11を参照しながら説明する。図11は、介護用ベッド100が備える要素のうち、トイレユニットOP2に係る構成を抽出して示す図である。
トイレユニットOP2は、臀部側マットパーツ22とその下方に設けられた脚体部50により構成される。つまり、臀部側マットパーツ22と脚体部50は、車いすユニットOP1の構成要素であるとともに、トイレユニットOP2の構成要素でもある。
上記の通り、脚体部50は、底板51および4枚の板52,52,53,54から構成される上部が開口した箱状の部材であり、上部の開口が、臀部側中央パーツ部分221によって塞がれている。これら各部51〜54,221で囲まれる空間Qは、トイレユニットOP2において汚物を貯留するための空間を構成する。この空間Qは前板53によって開閉自在に塞がれており、前板53を横たわった姿勢とすると、該空間Qが開放される。この状態で、空間Q内に対するバケツBの設置あるいは回収を行うことができる。
臀部側中央パーツ部分221は、ベース板2212と、その上に配設されたクッション部材2213aとが、分離可能に構成されている。また、臀部側中央パーツ部分221のベース板2212には、上面から下面に貫通した開口Rが形成されている。この開口Rは、通常はクッション部材2213aによって塞がれているが、これをベース板2212から分離させると、現れる。このベース板2212は、トイレユニットOP2の便座部を構成する。つまり、臀部側中央パーツ部分221(具体的には、そのベース板2212)は、マット部2としての役割、車いすユニットOP1の座部としての役割に加えて、トイレユニットOP2の便座部としての役割をも担っている。
もっとも、快適な使用感を実現するためには、ベース板2212が便座部として使用される際には、その上に、中央に開口が形成されたリング状のクッション部材(便座クッション部材)2213bが載置されることが好ましい。この場合は、ベース板2212と便座クッション部材2213bとが、トイレユニットOP2の便座部を構成する。
次に、トイレユニットOP2の使用の態様について、図11に加え、図12、図13を参照しながら説明する。図12、図13は、トイレユニットOP2の使用の態様を説明するための図である。
トイレユニットOP2を使用するにあたって、介護者は、まず、マット部2の上で横になっている被介護者Pの臀部をリフト部3によって持ち上げる。そして、本体部1の前ブロック体12を取り外すとともに、足側中央パーツ部分231を前方に引っ張り出してこれを取り外す(図5)。足側中央パーツ部分231が取り外されると、そこに空間が生まれ、トイレユニットOP2が現れる。
続いて、介護者は、ベース板2212の上に配設されているクッション部材2213aを取り去って、ベース板2212上に便座クッション部材2213bを配設する。さらに、前板53を開いて、ベース板2212の下方の空間QにバケツBを設置する。これにより、トイレユニットOP2の便座部が形成されるとともに、汚物を処理するための準備が整う(図12)。
その後、介護者は、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部をゆっくりと下ろす。このときも、介護者は、被介護者Pの背中を起こすように補助するか、頭側マットパーツ21を、傾斜が急になる方向にゆっくりと回転させる。すると、被介護者Pは、臀部側中央パーツ部分221、すなわち、トイレユニットOP2の便座部に座った状態となる(図13)。したがって、被介護者Pはそのまま用を足すことができる。
被介護者Pが用を足した後、介護者は、バケツBを取り出して中の汚物を始末する。その後、介護者が上記と逆の手順を行うことで、被介護者Pを再びマット部2の上で横にならせることができる。
<2−3.バスユニットOP3>
次に、バスユニットOP3の構成について、図14、図15を参照しながら説明する。図14は、バスユニットOP3としての使用状態を示す図である。図15は、図14で隠れている要素を示すために一部を切り欠いて示した図である。
バスユニットOP3は、本体部1およびこれに取り付けられる封止板71により構成される。
上記の通り、本体部1が備える躯体部11の内部には、一対の第2仕切り板114,114が立設されており、封止板71は、これら一対の第2仕切り板114,114の前側に取り付けられる。封止板71の後面には、パッキン等のシール部材が設けられており、封止板71が取り付けられることによって、一対の第2仕切り板114,114、第1仕切り板113、および、底板111で囲まれる空間Tが液密に封止される。これら各部71,114,114,113,111によって、バスユニットOP3の浴槽が形成される。つまり、本体部1の一部(具体的には、一対の第2仕切り板114,114、第1仕切り板113、および、底板111)は、マット部2を支持する支持構造体としての役割に加えて、バスユニットOP3の浴槽の構成要素としての役割をも担っている。
底板111における、空間Tに臨む部分には、導入板13が設けられている(ただし、図1〜図13では図を簡略化するために導入板13の図示は省略している)。導入板13は、前後に細長い長尺平板状の掛け板131と、その後端に連なって設けられた平面視にて略正方形状の支持板132とからなるものであり、支持板132の前縁には、滑り止め用の突起板1321が設けられている。また、支持板132の後縁付近には、ロープKを引っ掛けるための係止構造1322が形成されている。
導入板13は、掛け板131の前端において、底板111の上面に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されており、このヒンジ構造を介して回転されることにより、底板111上に略水平に横たわった姿勢(図15の実線)と、前端を底板111に当接させ、後端に近づくにつれて上方に向かう傾斜姿勢(図15の仮想線)との間で回転することができる。導入板13が傾斜姿勢とされている状態で、支持板132に被介護者Pを座らせてから、導入板13を回転させて横たわった姿勢とすることで、被介護者Pを底板111上であって仕切り板113,114,114および封止板71で囲まれる空間T、すなわち、浴槽内に座らせることができる。つまり、この導入板13は、被介護者Pを浴槽内に導入するための機構を構成する。
底板111における、空間Tに臨む部分には、排水構造14が設けられる。また、必要に応じて、第2仕切り板114等に、給水構造、手すり、等が設けられてもよい。またここでは、被介護者Pの使用感と安全性をさらに向上させるべく、本体部1をバスユニットOP3として使用する際に、その近傍に、手すりユニット72が設置される。この手すりユニット72は、本体部1の左右側に対向して立設される一対の支柱板721,721と、これらの間に架け渡して設けられる棒状の手すり722とを備える。ここでは、各支柱板721に手すり722の端部を挿通させるための貫通孔が縦方向に複数個形成されており、手すり722を挿通させる貫通孔を変更することで、手すり722の高さを変更できるようになっている。
次に、バスユニットOP3の使用の態様について、図14、図15に加え、図16〜図19を参照しながら説明する。図16〜図19は、バスユニットOP3の使用の態様を説明するための図である。これらの図16〜図19においても、図15と同様、隠れている要素を示すために一部が切り欠いて示されている。
バスユニットOP3を使用するにあたって、介護者は、まず、マット部2の上で横になっている被介護者Pの臀部をリフト部3によって持ち上げる。そして、本体部1の前ブロック体12を取り外すとともに、足側中央パーツ部分231を前方に引っ張り出してこれを取り外す(図5)。足側中央パーツ部分231が取り外されると、底板111および仕切り板113,114,114で囲まれる空間T、すなわち、バスユニットOP3の浴槽の内部空間に相当する空間が現れる。ただし、この段階では、この空間Tに、臀部側マットパーツ22および脚体部50(すなわち、車いすユニットOP1およびトイレユニットOP2)が収容された状態となっている。
介護者は、続いて、臀部側マットパーツ22を前方に引っ張り出してこれを取り出す。具体的には、各臀部側横パーツ部分222を立ち上がった姿勢にして、臀部側中央パーツ部分221を前方に引っ張り出す(図10参照)。臀部側中央パーツ部分221の下方には、キャスター55を備える脚体部50が設けられているので、介護者は小さな負荷で臀部側中央パーツ部分221を引っ張り出すことができる。これにより、バスユニットOP3の浴槽の内部空間に相当する空間Tから、車いすユニットOP1およびトイレユニットOP2が搬出される。
続いて、介護者は、一対の第2仕切り板114,114の前側に封止板71を取り付ける。これによって、底板111および仕切り板113,114,114で囲まれる空間Tが液密に封止されて、バスユニットOP3の浴槽が形成される(図16)。さらに介護者は、各足側中央パーツ部分231を、左右方向の外側に近づくにつれて上方に向かう傾斜姿勢とする。こうしておくことで、介護用ベッド100の外にお湯が飛散しにくくなる。また、この際に、各足側中央パーツ部分231をビニル等で覆っておくことも好ましい。
浴槽が形成された後の任意のタイミングで、介護者は、浴槽へのお湯張りを開始する。お湯張りは、浴槽に給水構造が設けられている場合は、これを用いて行えばよいし、給水構造が設けられていない場合は、介護用ベッド100とは別の場所にある給水設備からホース等を用いてお湯を導入することにより行えばよい。
続いて、介護者は、臀部側マットパーツ22が配置されていたところに、仮の座板73を形成する。仮の座板73は、具体的には、長尺平板状の部材を一対の蓋板115,115の間に架け渡して設けることにより形成される。その後、介護者は、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部をゆっくりと下ろす。このときも、介護者は、被介護者Pの背中を起こすように補助するか、頭側マットパーツ21を、傾斜が急になる方向にゆっくりと回転させる。すると、被介護者Pは、仮の座板73に座った状態となる(図17)。この段階で、被介護者は、手すりユニット72を設置する。
その後、介護者は、底板111の上面(すなわち、浴槽の底面)に設けられている導入板13の後端を持ち上げて、これを傾斜姿勢とする。このとき、導入板13を、仮の座板73に座っている被介護者Pの足の間を通すようにする。そして、導入板13の係止構造1322にリング状のロープKを引っ掛けるとともに、このロープKをリフト部3のバー部材323にも引っ掛ける。この状態で回転ハンドル322を回して吊りワイヤー321を巻き取って、ロープKを緊張状態とする。これにより、導入板13が傾斜姿勢で固定される。
続いて、介護者は、仮の座板73に座っている被介護者Pの身体を支えながら被介護者Pを前方に滑らせて、仮の座板73から導入板13の支持板132に移乗させる。移乗が完了すると、被介護者Pは支持板132に跨がって座った状態となる(図18)。この移乗の際に、被介護者Pは手すりユニット72の手すり722に掴まることができるので、不安感を覚えにくく、安全であり、介護者の負担も低減される。移乗が完了した後、介護者は、仮の座板73を左右方向に引き抜いて取り除く。
続いて、介護者は、回転ハンドル322を回して吊りワイヤー321を繰り出して、導入板13の後端をゆっくりと下降させる。支持板132には突起板1321が設けられているので、このときに被介護者Pが前方に滑りにくい。導入板13が、底板111上に横たわった姿勢とされることで、ここに座っている被介護者Pが、底板111上であって、仕切り板113,114,114および封止板71で囲まれる空間T、すなわち、バスユニットOP3の浴槽内に座った状態となる(図19)。このようにして、介護者は、難なく被介護者Pを浴槽に浸からせることができる。
被介護者Pが浴槽に浸かると、介護者は、手すりユニット72の手すり722の高さを低くする。こうすれば、浴槽に浸かった被介護者Pは自然な姿勢で手すり722に掴まることができるので、不安感を覚えにくく、安全である。
被介護者Pが入浴を終えると、底板111に設けられた排水構造14からお湯を排水する。その後、介護者が上記と逆の手順を行うことで、被介護者Pを再びマット部2の上で横にならせることができる。
<3.効果>
上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、マット部2と、マット部2を支える支持構造体である本体部1と、マット部2の上で横になる被介護者Pの臀部を持ち上げるためのリフト部3と、を備える。そして、マット部2が、臀部および頭側のマットパーツ21,22と、これから分離可能に構成された足側マットパーツ23と、を備えており、足側マットパーツ23(具体的には、足側中央パーツ部分231)が分離されることでオプションユニットOP1〜OP3が現れるように構成されている。
この構成によると、マット部2の上で横になっている被介護者Pの臀部をリフト部3によって持ち上げ、この状態で介護者が足側マットパーツ23(具体的には、足側中央パーツ部分231)を取り去ると、オプションユニットOP1〜OP3が現れる。そうして、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を下ろして(あるいは、リフト部3によって被介護者Pの臀部が持ち上げられた状態のまま)、オプションユニットOP1〜OP3を用いて必要な介助を行うことができる。このときに、介護者は、マット部2の上で横になっている被介護者Pを抱きかかえて持ち上げる必要がないので、介護者の負担が軽減される。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、オプションユニットとして、車いすユニットOP1を備える。ここにおいて、臀部側マットパーツ22が、車いすユニットOP1の座部を構成し、リフト部3によって持ち上げられていた被介護者Pの臀部が、リフト部3によって下ろされることによって、被介護者Pがこの座部に座った状態になるように構成されている。
この構成によると、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を持ち上げ、足側マットパーツ23を取り去ってから、再びリフト部3を用いて被介護者Pの臀部を下ろすと、被介護者Pは車いすユニットOP1の座部に座った状態となり、そのまま車いす移動することができる。したがって、移乗介助にかかる負担が低減される。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、オプションユニットとして、トイレユニットOP2を備える。ここにおいて、臀部側のマットパーツ22が、トイレユニットOP2の便座部を構成し、リフト部3によって持ち上げられていた被介護者Pの臀部が、リフト部3によって下ろされることによって、被介護者Pがこの便座部に座った状態になるように構成されている。
この構成によると、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を持ち上げ、足側マットパーツ23を取り去ってから、再びリフト部3を用いて被介護者Pの臀部を下ろすと、被介護者PはトイレユニットOP2の便座に座った状態となり、そのまま用を足すことができる。したがって、排泄介助にかかる負担が低減される。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、オプションユニットとして、バスユニットOP3を備える。ここにおいて、本体部1の少なくとも一部が、バスユニットOP3の浴槽の少なくとも一部を構成し、リフト部3によって持ち上げられていた被介護者Pの臀部が、リフト部3によって下ろされることによって、被介護者Pが浴槽の内部に導入されるように構成されている。
この構成によると、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を持ち上げ、足側マットパーツ23を取り去ってから、再びリフト部3を用いて被介護者Pの臀部を下ろすと、被介護者PはバスユニットOP3の浴槽の内部に導入され、ここで入浴することができる。したがって、入浴介助にかかる負担が低減される。
特に、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、オプションユニットとして、車いすユニットOP1と、トイレユニットOP2と、を備える。ここにおいて、臀部側のマットパーツ22が、車いすユニットOP1の座部を構成するとともに、トイレユニットOP2の便座部を構成する。そして、リフト部3によって持ち上げられていた被介護者Pの臀部が、リフト部3によって下ろされることによって、被介護者Pが車いすユニットOP1の座部、あるいは、トイレユニットOP2の便座部に座った状態になるように構成されている。
この構成によると、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を持ち上げ、足側マットパーツ23を取り去ってから、再びリフト部3を用いて被介護者Pの臀部を下ろすと、被介護者Pは車いすユニットOP1の座部、あるいは、トイレユニットOP2の便座部に座った状態となる。したがって、移乗介助にかかる負担と排泄介助にかかる負担の両方が低減される。特にここでは、臀部側マットパーツ22が、車いすユニットOP1の座部を構成するとともに、トイレユニットOP2の便座部車いすユニットの座部を構成するので、構造が簡素化されるとともに部品点数が抑えられる。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、オプションユニットとして、バスユニットOP3をさらに備える。ここにおいて、本体部1の少なくとも一部が、バスユニットOP3の浴槽の少なくとも一部を構成する。そして、車いすユニットOP1およびトイレユニットOP2が、この浴槽の内部に相当する空間に収容されており、車いすユニットOP1およびトイレユニットOP2が該空間から搬出されている状態で、リフト部3によって持ち上げられていた被介護者Pの臀部が、リフト部3によって下ろされることによって、被介護者Pが浴槽の内部に導入されるように構成されている。
この構成によると、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部を持ち上げ、足側マットパーツ23を取り去るとともに、車いすユニットOP1およびトイレユニットOP2を浴槽の内部から搬出してから、再びリフト部3を用いて被介護者Pの臀部を下ろすと、被介護者PはバスユニットOP3の浴槽の内部に導入される。したがって、移乗介助にかかる負担および排泄介助にかかる負担に加え、入浴介助にかかる負担も低減される。特にここでは、車いすユニットOP1およびトイレユニットOP2が、浴槽の内部に収容されているので、スペース効率を有効に利用して複数種類のオプションユニットを配置することができる。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、臀部側マットパーツ22が、中央パーツ部分(臀部側中央パーツ部分)221と、その両側に回転自在に連結された一対の横パーツ部分(臀部側横パーツ部分)222と、を備え、臀部側中央パーツ部分221が、車いすユニットOP1の座部を構成する。そして、一対の臀部側横パーツ部分222,222の各々が、臀部側中央パーツ部分221に対して立ち上げられた姿勢で固定されることにより、臀部側中央パーツ部分221に着座している着座者の肘置きが形成される。
この構成によると、被介護者Pは、車いすユニットOP1の座部に座った際に、肘を肘置きに乗せることで、安全かつ快適な使用感を得ることができる。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、臀部側中央パーツ部分221の下方に設けられた箱状の脚体部50、を備え、この脚体部50の後面を構成する後板54が、上辺において回転自在に連結されており、この後板54が、臀部側中央パーツ部分221に対して立ち上げられた姿勢で固定されることにより、臀部側中央パーツ部分221に着座している着座者の背凭れが形成される。
この構成によると、被介護者Pは、車いすユニットOP1の座部に座った際に、背凭れに背をあずけることで、安全かつ快適な使用感を得ることができる。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、バスユニットOP3が、長尺の板状部材であって、浴槽の底面に設けられた、導入板13を備える。そして、導入板13が、一端を底面に当接させつつ他端をリフト部3によって持ち上げられている状態で、被介護者Pが導入板13の他端側に跨がって座った状態とされ、この状態からリフト部3によって導入板13の他端が下ろされることで、被介護者Pが浴槽内に座った状態になるように構成されている。
この構成によると、リフト部3を用いて導入板13の端部を持ち上げ、被介護者Pをここに跨がるように座らせてから、再びリフト部3を用いて導入板13の端部を下ろすと、被介護者Pは浴槽内に座った状態となり、そのまま入浴することができる。したがって、入浴介助にかかる負担が特に有効に低減される。
<4.他の実施形態>
上記の実施形態に係る各オプションユニットOP1〜PO3の使用態様は、上記に例示したものに限らない。
例えば、オプションユニットOP1〜PO3を用いて、被介護者Pのおむつ交換を行うことができる。この場合、まず、介護者は、マット部2の上で横になっている被介護者Pの臀部を、リフト部3を用いて持ち上げる。そして、本体部1の前ブロック体12を取り外すとともに、足側中央パーツ部分231を前方に引っ張り出してこれを取り外す(図5)。さらに、介護者は、図20に示されるように、クッション部材2213aを取り除いてベース板2212の開口Rを出現させるとともに、頭側マットパーツ21を、後端に近づくにつれて上方に向かう傾斜姿勢とするとともに、一対の臀部側中央パーツ部分221,221も、左右側の端部に近づくにつれて上方に向かう傾斜姿勢とする。そして、頭側マットパーツ21および臀部側マットパーツ22を覆うように非透水性のシート(例えば、ビニルシート)SHを配置する。ただし、このシートSHには略中央に予め開口SHRを設けておき、該開口がベース板2212の開口Rと重なるように配置する。
介護者は、このような状態で、被介護者Pのおむつを取り外し、バスユニットOP3の浴槽に設けられている給水構造等を用いて、被介護者Pの臀部等を洗ってあげてから、新しいおむつを装着させる。このとき、頭側マットパーツ21および臀部側マットパーツ22がいずれも傾斜姿勢にあるので、臀部等の洗浄に用いられたお湯等は、シートSHに受け止められて開口Rに向かって流れ落ち、その下方に設けられているバケツBに回収される。このようにすれば、おむつ交換の際に被介護者Pの臀部を難なく洗うことができるので、被介護者Pの身体を清潔な状態に保つことができる。
また、上記の実施形態に係る介護用ベッド100に係るバスユニットOP3において、被介護者Pを浴槽内に導入するための機構である導入板の構成は、上記に例示したものに限られるものではなく、例えば、図21〜図29に示されるものであってもよい。図21〜図29は、変形例に係る導入板6の構成およびその使用態様を示す図である。
この変形例に係る導入板6は、掛け板61と、掛け板ロック部62と、支持板63と、支持板固定部64と、を備える。
掛け板61は、前後に細長い長尺平板状の部材であり、底板111上に載置される。掛け板61は、その左右の位置を底板111に設けられたレール部材60によって規制されている。具体的には、レール部材60は、互いに直交する長尺片からなる断面L字状の長尺部材であり、一方の長尺片が、前後に延在して底板111上に配設されてここに固定さるとともに、他方の長尺片が、底板111から略垂直に立ち上がって前後に延在するように配置される。一方、掛け板61の前端には、これを左右方向に二分割するようなスリット611が形成されており、掛け板61は、このスリット611内にレール部材60を収容しつつ、底板111上に載置される。これにより、掛け板61は、前後方向の移動を許容されつつ、左右方向には移動できないようにその位置を規制される。
掛け板ロック部62は、掛け板61が前後方向に移動できないように固定するための部材である。掛け板ロック部62は、具体的には、断面L字状の長尺部材であり、長尺方向を左右に沿わせて、掛け板61の上面であってその前端付近に、レール部材60を跨ぐように、設けられる。図23等に示されるように、レール部材60の高さに対して掛け板61の厚みが小さい場合、掛け板61と掛け板ロック部62の間に厚み調整用の板部材621が設けられる。掛け板ロック部62は、一方の長尺片の前辺において、板部材621に対して(板部材621を設ける必要がない場合は、掛け板61に対して)、ヒンジ構造を介して回転自在に連結される。掛け板ロック部62は、このヒンジ構造を介して回転されることにより、板部材621上に配置された姿勢(図21、図23等)と、板部材621の前方に配置されて、他方の長尺片がレール部材60の途中に設けられた切欠き601に係止された姿勢(図22、図24等)と、をとることができる。
支持板63は、掛け板61の後端部分に上側から重なるようにして設けられた、平面視にて略矩形状の平板部材である。支持板63は、その後端において、掛け板61の後端に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されている。支持板63の前縁には、ここに座った着座者が掴むことができるハンドル631が設けられている。また、支持板63の後縁付近には、ロープKを引っ掛けるための係止構造632が形成されている。
支持板固定部64は、掛け板61の延在途中に設けられた、平面視にて略矩形状の平板部材である。支持板固定部64は、その後端において、掛け板61に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結されている。支持板固定部64の後端面は、所定の角度θで斜めに切り欠かれて傾斜面とされており(図23)、支持板固定部64が、掛け板61に対して回転されてこれとなす角度が該所定の角度θとなると(図25)、それ以上は後方に回転されないようになっている(以下において、このような姿勢を「支持姿勢」という)。
次に、導入板6を用いて被介護者Pを浴槽内に導入する態様について、引き続き図21〜図29を参照しながら説明する。ただし、図21〜図29では、図を見やすくするために、被介護者Pの図示は省略されている。
上記の通り、バスユニットOP3を使用するにあたって、介護者は、まず、マット部2の上で横になっている被介護者Pの臀部をリフト部3によって持ち上げるとともに、浴槽を形成する(図21、図23)。浴槽の形成態様は上述したとおりである。
続いて、介護者は、底板111の上面に設けられている導入板6を後方に引っ張りつつ持ち上げて、掛け板61の後端を仕切り板113の上に引っ掛ける。つまり、導入板6を仕切り板113に立て掛ける(図24)。これにより、導入板6は、その前端を底板111に当接させつつ、後端が持ち上げられた傾斜姿勢となる。この状態で、介護者は、掛け板ロック部62を前方に回転させて、これがレール部材60に設けられた切欠き601に係止された姿勢とする。これにより、掛け板61が前後に移動しないように固定され、導入板6が傾斜姿勢で固定される。
続いて、介護者は、支持板63を後方に回転させて掛け板61から十分に離間させ、この状態で、支持板固定部64を回転させて支持姿勢にしてから、支持板63を前方に回転させて、その前端が支持板固定部64に支持された状態とする(図25)。支持板固定部64は、導入板6が仕切り板113に立て掛けられた状態において支持姿勢とされたときに、略垂直に延在するように、後端面の傾斜の角度θが規定されている。また、このときに、略垂直に延在した支持板固定部64の上端が、支持板63の後端と略同一の高さに配置されるように、支持板固定部64の長さdが規定されている。したがって、支持板63は、その前端が支持板固定部64に支持された状態において、略水平姿勢となる。
続いて、介護者は、リフト部3を用いて被介護者Pの臀部をゆっくりと下ろし、被介護者Pを支持板63上に座らせる。このとき、介護者は、被介護者Pを支持板63に跨がるようにして座らせる。このとき、被介護者Pの足の間にハンドル631が配置され、被介護者Pはこのハンドル631に掴まることができる。したがって、被介護者Pが不安感を覚えにくく、安全である。
続いて、介護者は、支持板63の係止構造632にリング状のロープKを引っ掛けるとともに、このロープKをリフト部3のバー部材323にも引っ掛ける。また、介護者は、ハンドル631の左右の各端部とバー部材323との間に、チェーンCを架け渡す(図22、図26)。
このチェーンCは、具体的には例えば、一端においてフック633と連結されるとともに、他端において係止治具634と連結されたものである。係止治具634は、棒状部分の端部に環状部分が設けられた構成を備えており、環状部分にチェーンCを連結できるようになっている。ここでは、バー部材323が、筒状の鉄パイプを芯部材として、その周囲にクッション状の部材が巻回された構成とされており、芯部材の中空部分に係止治具634の棒状部分を差し込むことで、チェーンCの一端をバー部材323に対して固定できるようになっている。したがって、介護者は、フック633をハンドル631の左(あるいは右)の端部に引っ掛けるとともに、係止治具634をバー部材323の左(あるいは右)の端部から中空部分に差し込むだけで、ハンドル631の端部とバー部材323との間に簡単にチェーンCを架け渡すことができる。
これにより、支持板63が、ロープKおよび一対のチェーンCを介して、バー部材323に懸吊された状態となる。このとき、支持板63は、その四隅の近傍において、バー部材323に対してブランコ状に吊り下げられることとなるため、ロープKおよび一対のチェーンCの長さを予め適切に調整しておけば、支持板63を水平姿勢に保つことができる。
続いて、介護者は、回転ハンドル322を回して吊りワイヤー321を僅かに巻き取って、支持板63を少しだけ引き上げて、被介護者Pの体重がリフト部3によって支えられた状態とする。これにより、導入板6が、一端を底板111に当接させつつ他端をリフト部3によって持ち上げられている状態となり、このような導入板6の他端側に被介護者Pが跨がって座った状態となる。この状態で、介護者は、掛け板ロック部62を後上方に回転させて、掛け板61のロックを解除する。また、介護者は、支持板固定部64を前方に回転させて、支持板63の支持も解除する(図27)。
続いて、介護者は、回転ハンドル322を回して吊りワイヤー321を繰り出して、導入板6の他端(つまりは支持板63)をゆっくりと下降させる(図28)。すると、掛け板61が、底板111に対する傾斜角度を小さくするように姿勢変更しつつ、レール部材60にガイドされつつ前方にスライドする。したがって、支持板63は、水平姿勢を保ったまま、前下方に斜めに移動する。このとき、掛け板61の後端を仕切り板113に沿って摺動させながら掛け板61を下降させることも好ましい。こうすれば、下降する支持板63の姿勢をより安定させることができる。
掛け板61が底板111上に横たわった姿勢とされることで、支持板63に座っている被介護者Pが、底板111上であって、仕切り板113,114,114および封止板71で囲まれる空間T、すなわち、バスユニットOP3の浴槽内に座った状態となる(図29)。このようにして、介護者は、難なく被介護者Pを浴槽に浸からせることができる。
この変形例に係る導入板6によると、上記の実施形態のように被介護者Pを仮の座板73から導入板13へ移乗させる必要がないので、介護者の負担がさらに軽減されるとともに、被介護者Pにかかる負担もさらに軽減される。
なお、この変形例に係る導入板6においては、掛け板61が底板111に設けられたレール60に対して前後にスライドする構成としたが、掛け板61をその前端において底板111に対してヒンジ構造を介して回転自在に連結し、支持板63が掛け板61に対して前後にスライドする構造としてもよい。
上記の実施形態に係る介護用ベッド100は、車いすユニットOP1、トイレユニットOP2、および、バスユニットOP3の3個のオプションユニットを備えるものとしたが、介護用ベッドは、これらのうちの少なくとも1個を備えるものとすることができる。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。その他の構成も、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1 本体部
111 底板(浴槽の一部)
113 第1仕切り板(浴槽の一部)
114 第2仕切り板(浴槽の一部)
2 マット部
21 頭側マットパーツ
22 臀部側マットパーツ
221 臀部側中央パーツ部分(座部、便座部)
222 臀部側横パーツ部分(肘置き)
23 足側マットパーツ
231 足側中央パーツ部分
232 足側横パーツ部分
3 リフト部
31 支持枠
32 ウインチ機構
13,6 導入板
50 脚体部
54 後板(背凭れ)
OP1 車いすユニット
OP2 トイレユニット
OP3 バスユニット
100 介護用ベッド
P 被介護者
好ましくは、前記介護用ベッドにおいて、
前記オプションユニットとして、車いすユニットと、トイレユニットと、を備え、
臀部側のマットパーツが、開口が形成されたベース板とその上に配設されたクッション部材とを備え、前記クッション部材で前記開口が塞がれた状態とすることで前記車いすユニットの座部を構成するとともに、前記クッション部材を前記ベース板から分離させて前記開口を露出させることで前記トイレユニットの便座部を構成し、
前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記座部あるいは前記便座部に座った状態になるように構成されている、
ことを特徴とする。

Claims (9)

  1. マット部と、
    前記マット部を支える支持構造体である本体部と、
    前記マット部の上で横になる被介護者の臀部を持ち上げるためのリフト部と、
    を備え、
    前記マット部が、
    臀部および頭側のマットパーツと、
    これから分離可能に構成された足側のマットパーツと、
    を備え、
    前記足側のマットパーツが分離されることでオプションユニットが現れるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  2. 請求項1に記載の介護用ベッドであって、
    前記オプションユニットとして、車いすユニットを備え、
    臀部側のマットパーツが、前記車いすユニットの座部を構成し、
    前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記座部に座った状態になるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  3. 請求項1または2に記載の介護用ベッドであって、
    前記オプションユニットとして、トイレユニットを備え、
    臀部側のマットパーツが、前記トイレユニットの便座部を構成し、
    前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記便座部に座った状態になるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の介護用ベッドであって、
    前記オプションユニットとして、バスユニットを備え、
    前記本体部の少なくとも一部が、前記バスユニットの浴槽の少なくとも一部を構成し、
    前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記浴槽の内部に導入されるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  5. 請求項1に記載の介護用ベッドであって、
    前記オプションユニットとして、車いすユニットと、トイレユニットと、を備え、
    臀部側のマットパーツが、前記車いすユニットの座部を構成するとともに、前記トイレユニットの便座部を構成し、
    前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記座部あるいは前記便座部に座った状態になるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  6. 請求項5に記載の介護用ベッドであって、
    前記オプションユニットとして、バスユニットをさらに備え、
    前記本体部の少なくとも一部が、前記バスユニットの浴槽の少なくとも一部を構成し、
    前記車いすユニットおよび前記トイレユニットが、前記浴槽の内部に相当する空間に収容されており、
    前記車いすユニットおよび前記トイレユニットが該空間から搬出されている状態で、前記リフト部によって持ち上げられていた被介護者の臀部が、前記リフト部によって下ろされることによって、前記被介護者が前記浴槽の内部に導入されるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  7. 請求項2または5に記載の介護用ベッドであって、
    前記臀部側のマットパーツが、
    中央パーツ部分と、
    その両側に回転自在に連結された一対の横パーツ部分と、
    を備え、
    前記中央パーツ部分が、前記座部を構成し、
    前記一対の横パーツ部分の各々が、前記中央パーツ部分に対して立ち上げられた姿勢で固定されることにより、前記中央パーツ部分に着座している着座者の肘置きが形成される、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  8. 請求項7に記載の介護用ベッドであって、
    前記中央パーツ部分の下方に設けられた箱状の脚体部、
    を備え、
    前記脚体部の後面を構成する後板が、上辺において回転自在に連結されており、前記後板が、前記中央パーツ部分に対して立ち上げられた姿勢で固定されることにより、前記中央パーツ部分に着座している着座者の背凭れが形成される、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
  9. 請求項4または6に記載の介護用ベッドであって、
    前記バスユニットが、
    長尺の板状部材であって、前記浴槽の底面に設けられた、導入板、
    を備え、
    前記導入板が、一端を前記底面に当接させつつ他端を前記リフト部によって持ち上げられている状態で、被介護者が前記導入板の前記他端側に跨がって座った状態とされ、この状態から前記リフト部によって前記導入板の前記他端が下ろされることで、前記被介護者が前記浴槽内に座った状態になるように構成されている、
    ことを特徴とする、介護用ベッド。
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