JP3222941B2 - カルボン酸の製造法 - Google Patents

カルボン酸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族第一級アルコー
ルを酸化して対応するカルボン酸を製造する方法の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、脂肪族第一級アルコールを酸化し
て対応するカルボン酸を得る方法としては、a)クロム
酸等の重金属酸化剤を用いる方法〔J. Am. Chem. Soc.,
78, 2255(1956)〕、b)白金触媒存在下、酸素酸化する
方法〔Tetrahedron, 9, 67(1960)〕、c)第一級アルコ
ールとアルカリを高温下反応させる方法〔Chem. Ber.,
81, 510(1948)〕等が知られている。
【0003】これらのうち、c)の方法は、第一級アル
コールを高温下脱水素して対応するアルデヒドを得、次
いでCannizzaro反応を利用して当該アルデヒドに対する
アルカリの作用により対応するカルボン酸の塩とアルコ
ールを得るものであり、最も安価で工業的に有利な方法
である。
【0004】しかし、この方法においても、(1)第一級
アルコールとアルカリの反応で生じる水及び原料第一級
アルコールの蒸気圧のため、高温の反応温度を維持する
のにオートクレーブ等の加圧装置が必要であること、
(2)脱水素によるオレフィンの生成等の副反応が起りや
すいこと、(3)中間生成物である対応するカルボン酸の
アルカリ塩が高融点のものが多く、反応の進行により反
応系全体が固化し攪拌不能になることがある等の問題が
あり、更なる改良が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は第一
級アルコールに高温下アルカリを反応させることによる
カルボン酸の製造法における上記問題点を解消し、より
工業的に有利なカルボン酸の製造法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、反応溶媒として高沸
点の炭化水素、エーテル又はこれらの混合物を使用する
ことにより、上記問題点が解決されることを見出し、本
発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、沸点200℃以上のα,β
-不飽和結合を有しない脂肪族第一級アルコールとアル
カリを反応させて対応するカルボン酸を製造する方法に
おいて、脂肪族第一級アルコールに対し1.0から2.
0倍モルのアルカリを用い、反応溶媒として沸点が250
℃以上である炭化水素、エーテル又はこれらの混合物を
使用し、脂肪族第一級アルコールとアルカリの反応によ
り生成する水を系外に除去した後、反応温度200〜280℃
で、除去した量に相当する水を徐々に添加して、反応を
常圧下で進行させることを特徴とするカルボン酸の製造
法に係るものである。
【0008】本発明の製造法に用いられる沸点200℃以
上のα,β-不飽和結合を有しない脂肪族第一級アルコー
ルとしては、例えばn-ノニルアルコール、n-デシルアル
コール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、
トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタ
デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアル
コール、2-シクロヘキシルプロパノール、シトロネロー
ル等が挙げられる。中でも2-シクロヘキシルプロパノー
ル及びシトロネロールが好ましい。
【0009】本発明の製造法に用いられる反応溶媒とし
ては、沸点が250℃以上の炭化水素、エーテル化合物又
はこれらの混合物が用いられるが、これは中間生成物で
あるカルボン酸塩を分散又は溶解させると共に、反応温
度(200〜280℃)での蒸気圧が高くないこと、更に高
温、強アルカリ条件下安定であること等が要求されるた
めである。具体的には流動パラフィン、芳香族炭化水素
類〔例えばサームサス300(新日鐵化学社製)等〕、ジ
ベンジルエーテル等が挙げられ、特に流動パラフィンが
好ましい。反応溶媒の使用量は、原料の脂肪族第一級ア
ルコールに対して10〜40重量%、特に20〜40重量%が好
ましい。
【0010】なお、アルカリに対し原料脂肪族第一級ア
ルコールを過剰に用い、これを溶媒として使用する方法
は、副反応も多く、また未反応アルコールを回収する必
要も生じ、不経済である。
【0011】本発明の製造法に用いられるアルカリとし
ては、周期表IA族及びIIA族の金属の水酸化物、具体的
には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げら
れ、特に水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリの使用
量は、原料脂肪族第一級アルコールに対して1.0〜2.0倍
モル、特に1.1〜1.3倍モルが好ましい。
【0012】反応は、脂肪族第一級アルコール、アルカ
リ及び反応溶媒を反応器に仕込み、反応温度200〜280
℃、好ましくは240〜260℃で10〜20時間行われる。な
お、反応初期に原料アルコールとアルカリの反応により
アルコラートと水が副生するため、所期の反応速度を得
るためには、オートクレーブ等の加圧装置が必要とな
る。しかし、反応初期に副生する水を一度反応器より取
り出した後、所期の反応温度に上昇させ、次いで取り出
した量に相当する量の水を反応温度を保ちつつ徐々に添
加すれば常圧下で反応を行うことができ、より好まし
い。なお、この水はアルコラートをアルコールに戻すた
めに必要なものである。
【0013】その後、反応混合物に水を添加し、有機層
を分離した後、水層を酸性とし、カルボン酸を遊離させ
溶媒で抽出後、これを留去する等、常法に従い精製すれ
ばよい。
【0014】
【実施例】以下、実施例を挙げて更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】実施例1 機械的攪拌機、脱水冷却装置及び湿式水素メーターを付
した反応容器に、2-シクロヘキシルプロパノール100g
(0.70mol)、水酸化ナトリウム30.8g(0.77mol)及び
流動パラフィン30gを入れ、250〜260℃に加熱した。原
料アルコールと共沸する副生した水は、脱水冷却装置を
用い系外へ流出させた。内温が230℃に達した時点で水
を系外に流出させるのを止め、還流させた。内温が250
℃以上に達した時点より系外に流出させた水に相当する
量の水を内温が240℃以下にならない速度で系内に添加
した。250〜260℃の反応温度で水素ガスメーターにより
水素の発生が停止するまで反応を行った。反応終了後、
水を添加し40%水溶液とした。上層である高沸点溶媒を
分離回収後、4N塩酸を用いpHが2以下になるまで中和
を行い、カルボン酸を遊離させた。有機層を分離し、水
層より塩化メチレン500mlで3回抽出を行い、先の有機
層と合わせた後、抽出溶媒を留去した。残留物を減圧蒸
留することにより、2-シクロヘキシルプロピオン酸104g
を得た。b.p.126〜127℃/3mmHg,収率95%(原料アルコ
ール基準)。
【0016】実施例2 原料アルコールをシトロネロール100g(0.64mol)、ア
ルカリを水酸化ナトリウム28.2g(0.70mol)と変更する
以外は実施例1と同様に反応を行い、シトロネリル酸10
1gを得た。b.p.121〜122℃/1mmHg,収率93%(原料アル
コール基準)。
【0017】比較例1 (無溶媒の場合) 機械的攪拌機、脱水冷却装置及び湿式水素メーターを付
した反応容器に、2-シクロヘキシルプロパノール100g
(0.70mol)及び水酸化ナトリウム28g(0.70mol)を入
れ、250〜260℃に加熱した。原料アルコールと共沸する
副生した水は、脱水冷却装置を用い系外へ流出させた。
内温が230℃に達した時点で水を系外に流出させるのを
止め、還流させた。内温が250℃以上に達した時点より
系外に流出させた水に相当する量の水を内温が240℃以
下にならない速度で系内に添加した。水素ガスメーター
でモニターされる転化率において、約75%で一部固体の
析出がみられ、約80%で系内が完全に固化し、攪拌困難
となり、これ以上反応を継続させることが不可能となっ
た。そこで反応を中断し、水を添加し40%水溶液とし
た。4N塩酸を用いpHが2以下になるまで中和を行い、
カルボン酸を遊離させた後、実施例1と同様の後処理を
行って、2-シクロヘキシルプロピオン酸79gを得た。b.
p.126〜127℃/3mmHg,収率72%(原料アルコール基
準)。
【0018】比較例2 (原料アルコールを多く用い
た場合) 機械的攪拌機、脱水冷却装置及び湿式水素メーターを付
した反応容器に、2-シクロヘキシルプロパノール100g
(0.70mol)及び水酸化ナトリウム20g(0.50mol)を入
れ、250〜260℃に加熱した。原料アルコールと共沸する
副生した水は、脱水冷却装置を用い系外へ流出させた。
内温が230℃に達した時点で水を系外に流出させるのを
止め、還流させた。内温が250℃以上に達した時点より
系外に流出させた水に相当する量の水を内温が240℃以
下にならない速度で系内に添加した。250〜260℃の反応
温度で水素ガスメーターにより水素の発生が停止するま
で反応を行った。反応終了後、水を添加し40%水溶液と
した。4N塩酸を用いpHが2以下になるまで中和を行
い、カルボン酸を遊離させた後、実施例1と同様の後処
理を行って、2-シクロヘキシルプロピオン酸62gを得
た。b.p.126〜127℃/3mmHg,収率84%(消費されたアル
コール基準)。
【0019】
【発明の効果】本発明のカルボン酸の製造法は、副反応
が少なく、また反応進行中に反応物が固化することもな
く、更に常圧下で反応を行うこともでき、工業的に極め
て有利な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/295 C07C 53/134 C07C 57/03

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸点200℃以上のα,β-不飽和結合を有し
    ない脂肪族第一級アルコールとアルカリを反応させて対
    応するカルボン酸を製造する方法において、脂肪族第一
    級アルコールに対し1.0から2.0倍モルのアルカリ
    を用い、反応溶媒として沸点が250℃以上である炭化水
    素、エーテル又はこれらの混合物を使用し、脂肪族第一
    級アルコールとアルカリの反応により生成する水を系外
    に除去した後、反応温度200〜280℃で、除去した量に相
    当する水を徐々に添加して、反応を常圧下で進行させる
    ことを特徴とするカルボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 脂肪族第一級アルコールが、2-シクロヘ
    キシルプロパノール又はシトロネロールである請求項1
    記載のカルボン酸の製造法。
  3. 【請求項3】 反応溶媒が、流動パラフィンである請求
    項1又は2記載のカルボン酸の製造法。
  4. 【請求項4】 アルカリが、水酸化ナトリウムである請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のカルボン酸の製造
    法。
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