JP3222878B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータ、ワードプロセッサ、OHP(オーバーヘッドプ
ロジェクタ)などのOA(オフィスオートメーション)
機器用、パブリック用、電子時計用、車載機器用の表示
装置として好適に用いられる液晶表示装置に関し、さら
に詳しくは、液晶層とほぼ等価な光学的特性を示す封止
部材を有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、一般的なTN(ツイステッドネ
マティック)液晶表示装置21の断面図であり、図9は
図8に示すTN液晶セル23の平面図である。TN液晶
表示装置21は、TN液晶セル23と、TN液晶セル2
3を挟持して配置される一対の偏光板22,24とを含
んで構成される。TN液晶セル23は、一対の基板部材
23a,23bと、一対の基板部材23a,23bを所
定の間隔をあけて貼合わせる封止部材23dと、一対の
基板部材23a,23b間に介在される液晶層23cと
を含んで構成される。基板部材23a,23bは、液晶
層23c側の表面に、図示されていないが、電極および
配向膜を有する。
【0003】上述のように構成された液晶表示装置21
において、封止部材23dとしては、特開昭55−77
722、特開昭60−181730、特開昭62−29
5029に示されているように、エポキシ系樹脂や光硬
化性のアクリル系樹脂などが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような液晶表示
装置21では、図8紙面上における下側からの光は、一
方偏光板24を透過することによって直線偏光となる。
この直線偏光となった光は、液晶層23c部分では、分
子の捩れによる旋光性のため90°捩られ、他方偏光板
22の偏光軸と同一方向になり透過する。しかし、エポ
キシ系樹脂やアクリル系樹脂で実現される封止部材23
d部分では、封止部材23dの分子が等方性であるため
光学活性を示さないので、直線偏光となった光は、捩り
作用を受けず、偏光板22の偏光軸と90°異なる方向
のままである。したがって、封止部材23dの部分を光
が透過せず、この封止部材23dが目に見える。そこ
で、封止部材23dが目に見える場合は、封止部材23
dをカバー部材を用いて見えないように覆い隠す必要が
ある。このため、カバー部材の分だけ、封止部材23d
の部分と能動領域である表示部分との間に一定距離を確
保しなくてはならず、液晶表示装置の大きさに対して表
示部分がかなり小さくなる。たとえば、図9において
は、斜線で示した封止部材23dの部分と二点鎖線で示
した表示部分23eとの間に6.0mmの距離をとって
カバー部材に対処している。さらに、液晶によって満た
されるべき空間内部に封止部材を配置することができな
いという問題が生じ、液晶表示装置の形状が制約され
る。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決するため
に、封止部材が目に見えない液晶表示装置を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の基板部
材と、一対の基板部材の互いに対向する表面の周縁部近
傍表面に配置され、一対の基板部材を所定の間隔をあけ
て貼合わせる封止部材と、前記一対の基板部材と前記封
止部材とで囲まれた空間内に封入された液晶層とを含む
液晶表示装置において、前記液晶層が、液晶が添加され
て前記液晶層とほぼ等価な光学的特性を有する部材によ
って分割されていることを特徴とする液晶表示装置であ
る。
【0007】本発明に従えば、液晶表示装置は、液晶層
が、液晶が添加されて液晶層とほぼ等価な光学的特性を
有する部材によって分割されている。液晶層を分割する
部材は液晶層とほぼ等価な旋光性、複屈折性、二色性、
偏光性等の光学的特性を有する。したがって、液晶表示
装置を透過する光は、液晶層を分割する部材の部分と液
晶層の部分とでほぼ同様な挙動を示すため、外見上液晶
層と液晶層を分割する部材との区別ができなくなる(液
晶層を分割する部材が見えなくなる)ので、液晶層を分
割する部材を液晶層の中央部分に配置することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
TN液晶表示装置1の断面図であり、図2は図1に示す
TN液晶セル3の平面図である。TN液晶表示装置1
は、TN液晶セル3と、TN液晶セル3を挟持して配置
される一対の偏光板2,4とを含んで構成される。TN
液晶セル3は、一対の基板部材3a,3bと、一対の基
板部材3a,3bを所定の間隔をあけて貼合わせる封止
部材3dと、一対の基板部材3a,3b間に介在される
液晶層3cとを含んで構成される。
【0009】基板部材3a,3bは、ガラス、プラスチ
ックなどからなる透光性基板と、透光性基板の一方表面
に形成される予め定めた電極パターンと、電極パターン
を覆って形成される配向膜とをそれぞれ含み、配向膜が
対向するように配置されている。電極パターンは、セグ
メント型、単純マトリクス型、アクティブマトリクス型
などどのようなパターンでもよい。
【0010】液晶層3cを構成する液晶材料としては、
屈折率異方性(Δn)が0.105で分子のツイスト角
(φ)が90°の液晶材料が用いられる。封止部材3d
を構成する材料としては、前記液晶層3cを構成する液
晶材料と等しいΔnやφを有する物質が用いられる。
【0011】封止部材3dは、以下のようにして製造さ
れる。まずネマティック相以下にガラス相を有する光学
活性を示すいくつかの高分子材料をΔn=0.105と
なるように混合し、さらに封入する液晶材料と同様のピ
ッチになるようにカイラルな分子構造であるコレステリ
ック液晶を添加する。これを配向(ラビング)処理をし
たフィルム上に任意の形状で印刷し、捩れ角が90°と
なるように配向処理を行う。その後、冷却して固定化さ
せたものをフィルムから剥がす。このようにして製造さ
れた封止部材3dを、アクリル系の光学用接着剤を用い
て基板部材表面に転写し、一対の基板部材3a,3bを
一定の圧力でプレスすることによって貼合わせる。
【0012】なお、前記高分子材料としては、たとえば
液晶転移点以下でガラス状態となる光学活性なポリエス
テル、ポリイミド、ポリカーボネートなどの直鎖型液晶
ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリマロネー
ト、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶ポリマーが使用さ
れる。また、アクリル系の光学用接着剤は平ノズルによ
って封止部材表面に塗布され、その厚さは50nm程度
である。あるいは接着剤を用いずに封止部材の材料自体
に接着性を持たせることも可能である。
【0013】図3は、TN液晶表示装置1の各構成部材
の位置関係を示す平面図である。矢印5はTN液晶セル
3を構成する一方基板部材3aの液晶分子配向軸、矢印
6はTN液晶セル3を構成する他方基板部材3bの液晶
分子配向軸、矢印7は一方偏光板2の偏光軸、矢印8は
他方偏光板4の偏光軸、矢印9はTN液晶セル3を構成
する一方基板部材3aの封止部材分子配向軸、矢印10
はTN液晶セル3を構成する他方基板部材3bの封止部
材分子配向軸、角度φは液晶分子および封止部材分子の
ツイスト角(捩れ角)をそれぞれ表す。
【0014】本実施例では、一方基板部材3aの液晶分
子配向軸5および封止部材分子配向軸9と、一方偏光板
2の偏光軸7とを平行に、他方基板部材3bの液晶分子
配向軸6および封止部材分子配向軸10と、他方偏光板
4の偏光軸8とを平行に、液晶分子および封止部材分子
のφを90°に設定することで、ノーマリホワイトモー
ドのTN液晶表示装置を作成した。
【0015】なお上記実施例は、電圧が印加されていな
いときに光が透過するノーマリホワイトモードの場合で
あるが、電圧が印加されていないときに光が透過しない
ノーマリブラックモードの場合も同様に適用できる。
【0016】本実施例によれば、図1紙面上における下
側からの光は、液晶層3c部分では、他方偏光板4を透
過することによって直線偏光となり、液晶層3cの分子
の捩れによる旋光性のために90°捩られ、一方偏光板
2の偏光軸7と同一方向になり、透過する。また、封止
部材3d部分においても、図1紙面上における下側から
の光は、他方偏光板4を透過することによって直線偏光
となり、封止部材3dの分子の捩れによる旋光性のため
に90°捩られ、一方偏光板2の偏光軸7と同一方向に
なり、透過する。したがって、光が液晶層3cの部分と
封止部材3dの部分とを同様に透過するため、外見上液
晶層3cの部分と封止部材3dの部分との区別ができな
くなるので、表示部分3eを封止部材3d近傍まで広げ
ることが可能となる。たとえば図2におけるように、二
点鎖線で示した表示部分3eと、斜線で示した封止部材
3dとの間隔を、僅か1.5〜2.0mm程度にするこ
とが可能となる。
【0017】図4は、本発明の他の実施例であるTN液
晶表示装置11の平面図であり、図5は図4に示すTN
液晶表示装置11の断面図である。なお、図4に示され
る平面図において、間隔保持部材として機能する封止部
材13dは斜線を付して示した。前述の実施例では、封
止部材3dを液晶層3cの周縁部近傍表面に配置して方
形の液晶表示装置1としたが、本実施例では、円形の基
板部材13a,13bの対向する表面間に封止部材13
dを液晶層13cの周辺部および中央部に配置して円環
型の液晶表示装置11とした。この液晶表示装置11
は、たとえば図示したように、軸12cに取付けられた
針12a(短針),12b(長針)を用いる時計(腕時
計等)の文字盤などに使用され、種々の情報を表示す
る。
【0018】本実施例によれば、封止部材13dが見え
ないため、液晶によって満たされるべき空間内部に封止
部材13dを配置しても違和感がなく、封止部材13d
の部分を隠す必要がない。また、封止部材13dが液晶
によって満たされるべき空間内部に存在するため、液晶
の厚さが均一となる。したがって、任意の形状で、液晶
の厚さが均一の液晶表示装置を作成することができる。
【0019】図6は、本発明のさらに他の実施例である
TN液晶表示装置14の平面図である。本実施例では、
一対の基板部材を所定の間隔をあけて基板部材の周縁部
近傍で貼合わせる斜線で示された封止部材16の他に、
二点鎖線で示された封止部材15を間隔保持部材として
液晶によって満たされるべき空間内部に1個以上(ここ
では左、右および中央に3個)使用する液晶表示装置1
4とした。本実施例によれば、間隔保持部材として機能
する封止部材15を用いることによって、液晶層の厚さ
が均一な液晶表示装置を作成することが可能である。
【0020】図7は、本発明のさらにまた他の実施例で
あるTN液晶表示装置17の平面図である。本実施例で
は、斜線で示された封止部材18を、基板部材の周縁部
近傍以外に液晶層を複数に分割するように配置する液晶
表示装置17とした。本実施例によれば、液晶層を複数
(ここでは4)の表示部分19a,19b,19c,1
9dに分割して使用する液晶表示装置を作成することが
可能である。
【0021】以上の実施例では、TN液晶材料と液晶性
高分子材料から成る封止部材との組合わせを説明したけ
れども、用いる材料はこれに限定されるものではなく、
STN(スーパーツイステッドネマティック)液晶材料
と旋光性および複屈折性を有する封止部材との組合わ
せ、高分子分散型液晶材料と光散乱性を有する封止部材
との組合わせ、GH(ゲストホスト)型液晶材料と二色
性色素が特定の方向に配向した封止部材などとの組合わ
せとしてもよいことは勿論である。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶層を
分割する部材を液晶層の中央部分に配置しても、液晶層
を分割する部材が見えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液晶表示装置1の断面
図である。
【図2】図1に示す液晶セル3の平面図である。
【図3】図1に示す液晶表示装置1の各構成部材の位置
関係を示す平面図である。
【図4】本発明の他の実施例である液晶表示装置11の
平面図である。
【図5】図4に示す液晶表示装置11の断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例である液晶表示装置
14の平面図である。
【図7】本発明のさらにまた他の実施例である液晶表示
装置17の平面図である。
【図8】典型的な従来例である液晶表示装置21の断面
図である。
【図9】図8に示す液晶セル23の平面図である。
【符号の説明】
1,11,14,17 液晶表示装置 2,4 偏光板 3 液晶セル 3a,3b,13a,13b 基板部材 3c,13c 液晶層 3d,13d,15,16,18 封止部材 3e,19a,19b,19c,19d 表示部分 5,6 液晶分子配向軸 7,8 偏光板偏光軸 9,10 封止部材分子配向軸 12a,12b 針 12c 軸
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1347 G02F 1/1339 G02F 1/1333 G09F 9/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板部材と、一対の基板部材の互
    いに対向する表面の周縁部近傍表面に配置され、一対の
    基板部材を所定の間隔をあけて貼合わせる封止部材と、 前記一対の基板部材と前記封止部材とで囲まれた空間内
    に封入された液晶層とを含む液晶表示装置において、 前記液晶層が、液晶が添加されて前記液晶層とほぼ等価
    な光学的特性を有する部材によって分割されていること
    を特徴とする液晶表示装置。
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KR100862074B1 (ko) * 2002-12-12 2008-10-09 엘지디스플레이 주식회사 역사다리꼴 액정주입구가 형성된 씰 패턴을 포함하는액정표시장치용 액정패널

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