JP3222766U - 錫製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】メッキ層の密着性に優れた錫製品を提供する。【解決手段】錫からなる基材1と、基材1の表面に銅メッキ層2を有し、銅メッキ層2の上に銀メッキ層3を有し、さらにその上に金メッキ層4を有する。錫からなる基材1は、純度97.00〜99.99%の錫である。【選択図】図1
Description
本考案は素材に錫又はその合金を用い、その表面をメッキ層で装飾した錫製品に関する。
錫又はその合金からなる錫製品は、装飾性に優れることから、いろいろな用途に使用されている。
その中でも、純度99.00〜99.99質量%の錫は柔らかく、手で容易に曲げることができることから、いろいろな製品に展開されている。
しかし、錫は表面がシルバー色に近いものであり、近年はシルバー色以外の更なる高級感のある装飾も期待されている。
そこで本出願人が、錫素材の表面に電解により銅の下地メッキを行った上に金メッキ層を施してみた。
ところが、金メッキ層の密着性が悪く、簡単に剥がれてしまう問題が発生した。
金メッキ浴として、これまで実用化されているアルカリ浴,中性浴,酸性浴を用いて、いろいろトライしたが、やはり軽く曲げるだけで剥がれてしまった。
その中でも、純度99.00〜99.99質量%の錫は柔らかく、手で容易に曲げることができることから、いろいろな製品に展開されている。
しかし、錫は表面がシルバー色に近いものであり、近年はシルバー色以外の更なる高級感のある装飾も期待されている。
そこで本出願人が、錫素材の表面に電解により銅の下地メッキを行った上に金メッキ層を施してみた。
ところが、金メッキ層の密着性が悪く、簡単に剥がれてしまう問題が発生した。
金メッキ浴として、これまで実用化されているアルカリ浴,中性浴,酸性浴を用いて、いろいろトライしたが、やはり軽く曲げるだけで剥がれてしまった。
特許文献1には、アルミ合金鋳物や鋳鉄製品等の鋳物製品の表面カーボン粉末50wt〜80wt%を添加した樹脂溶液を鋳物の巣穴に充填することで、メッキの密着性を向上させる技術を開示するが錫製品には適用できない。
本考案は、メッキ層の密着性に優れた錫製品の提供を目的とする。
本考案に係る錫製品は、錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に銀メッキ層を有し、さらにその上に金メッキ層を有することを特徴とする。
本考案者の研究によれば、錫の表面にシアン化第一銅を用いた銅メッキや、ストライク銅メッキを行い、その上に公知のアルカリ性シアン化銀メッキ浴を用いて電気メッキ法により銀メッキを行い、その上に常法に従い、各種金メッキを行ったところ、曲げ試験を実施しても剥がれることがなく、密着性に優れていた。
これは、Sn−Cu−Agの相間での密着性の相性が良いためと推定される。
このように、銀メッキ層の上に金メッキ層を電気メッキ法で形成したところ、ゴールド色の装飾が施された錫製品が得られた。
本考案者の研究によれば、錫の表面にシアン化第一銅を用いた銅メッキや、ストライク銅メッキを行い、その上に公知のアルカリ性シアン化銀メッキ浴を用いて電気メッキ法により銀メッキを行い、その上に常法に従い、各種金メッキを行ったところ、曲げ試験を実施しても剥がれることがなく、密着性に優れていた。
これは、Sn−Cu−Agの相間での密着性の相性が良いためと推定される。
このように、銀メッキ層の上に金メッキ層を電気メッキ法で形成したところ、ゴールド色の装飾が施された錫製品が得られた。
また、錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に金メッキ層を有してもよい。
このようにすると、赤味のある銅メッキ層と金メッキ層とのコラボにより、いわゆる「サクラ色」の外観が得られた。
また、錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に銀メッキ層を有するようにしてもよい。
このようにすると、シルバー色の外観が得られる。
このようにすると、赤味のある銅メッキ層と金メッキ層とのコラボにより、いわゆる「サクラ色」の外観が得られた。
また、錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に銀メッキ層を有するようにしてもよい。
このようにすると、シルバー色の外観が得られる。
本考案は、表面メッキ仕上げの下地メッキとして、銅メッキを用いたその上に銀メッキ層を形成した点に特徴があり、この銀メッキ層の上にいろいろな装飾メッキを行うことができる。
基材となる錫は合金であってもよいが、前記錫からなる基材は、純度97.00〜99.99%の錫であると、使用する際に手で曲げて使用することもできるようになる。
また、基材となる錫製品は砂型等の鋳型を用いた重力鋳造品や、圧延板材であってもよい。
この場合に、網目状等の装飾性の高い複雑な製品の場合には、鋳型を回転させながら溶湯を鋳込む遠心鋳造が好ましい。
また、基材となる錫製品は砂型等の鋳型を用いた重力鋳造品や、圧延板材であってもよい。
この場合に、網目状等の装飾性の高い複雑な製品の場合には、鋳型を回転させながら溶湯を鋳込む遠心鋳造が好ましい。
錫製品としては、コップ等の食器の下に敷くのに用いられるコースター,器状にしたつまみや小物入れ、箸置き等が例として挙げられる。
また、各種日用品であってもよい。
また、各種日用品であってもよい。
本考案に係る錫製品は、メッキ層の密着性が優れるので、錫だけでは得られない色々な色調の製品が得られる。
特にいろいろな形状に曲げて使用する製品にあっては、繰り返し曲げてもメッキ層が剥がれず、耐久性に優れる。
特にいろいろな形状に曲げて使用する製品にあっては、繰り返し曲げてもメッキ層が剥がれず、耐久性に優れる。
本考案に係る錫製品の表面構造を図1に模式的に示す。
錫からなる基材1の表面に電気メッキ法にて銅メッキ層2を形成し、その上に銀メッキ層3を形成してあり、その上に金メッキ層4を形成すると、ゴールド色が得られる。
図1(b)は銅メッキ層2の上に銀メッキ層3を形成した例、図1(c)は銅メッキ層2の上に金メッキ層4を形成することで、サクラ色に仕上げた例である。
各メッキ浴は、市販されているメッキ浴を用いることができる。
例えば銅メッキは、シアン化第一銅と遊離シアン化ナトリウムの水溶液を用いることができる。
錫からなる基材1の表面に電気メッキ法にて銅メッキ層2を形成し、その上に銀メッキ層3を形成してあり、その上に金メッキ層4を形成すると、ゴールド色が得られる。
図1(b)は銅メッキ層2の上に銀メッキ層3を形成した例、図1(c)は銅メッキ層2の上に金メッキ層4を形成することで、サクラ色に仕上げた例である。
各メッキ浴は、市販されているメッキ浴を用いることができる。
例えば銅メッキは、シアン化第一銅と遊離シアン化ナトリウムの水溶液を用いることができる。
ゴールド色に仕上げたコースター例を図2に示す。
コースターとして食器の下に敷く際には、(a)のように平坦な板状にしてもよく、(b)に示すように外周側を器状に手で曲げてもよい。
この場合に、小物やつまみ入れとしても使用できる。
コースターとして食器の下に敷く際には、(a)のように平坦な板状にしてもよく、(b)に示すように外周側を器状に手で曲げてもよい。
この場合に、小物やつまみ入れとしても使用できる。
図3は、さらに細い網目状にしたコースターの例であり、一般の重力鋳造では製作できないが、遠心鋳造にて製作できる。
図3では外観が分かりづらいが、銅メッキ層の上に金メッキ層を形成することで、外観がサクラ色になっている。
いろいろな形状に曲げてもメッキ層の剥がれは生じなかった。
図3では外観が分かりづらいが、銅メッキ層の上に金メッキ層を形成することで、外観がサクラ色になっている。
いろいろな形状に曲げてもメッキ層の剥がれは生じなかった。
1 錫基材
2 銅メッキ層
3 銀メッキ層
4 金メッキ層
2 銅メッキ層
3 銀メッキ層
4 金メッキ層
Claims (4)
- 錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に銀メッキ層を有し、さらにその上に金メッキ層を有することを特徴とする錫製品。
- 錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に金メッキ層を有することを特徴とする錫製品。
- 錫からなる基材と、前記基材の表面に銅メッキ層を有し、前記銅メッキ層の上に銀メッキ層を有することを特徴とする錫製品。
- 前記錫からなる基材は、純度97.00〜99.99%の錫であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の錫製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019002131U JP3222766U (ja) | 2019-06-13 | 2019-06-13 | 錫製品 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019002131U JP3222766U (ja) | 2019-06-13 | 2019-06-13 | 錫製品 |
Publications (1)
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JP3222766U true JP3222766U (ja) | 2019-08-22 |
Family
ID=67667990
Family Applications (1)
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JP2019002131U Active JP3222766U (ja) | 2019-06-13 | 2019-06-13 | 錫製品 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3222766U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7530093B2 (ja) | 2020-10-23 | 2024-08-07 | 株式会社能作 | 動物用食器、及び、動物用食器の使用方法 |
-
2019
- 2019-06-13 JP JP2019002131U patent/JP3222766U/ja active Active
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JP7530093B2 (ja) | 2020-10-23 | 2024-08-07 | 株式会社能作 | 動物用食器、及び、動物用食器の使用方法 |
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