JP3222349B2 - 無線ローカルエリアネットワーク通信システム - Google Patents

無線ローカルエリアネットワーク通信システム

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JP3222349B2
JP3222349B2 JP07188995A JP7188995A JP3222349B2 JP 3222349 B2 JP3222349 B2 JP 3222349B2 JP 07188995 A JP07188995 A JP 07188995A JP 7188995 A JP7188995 A JP 7188995A JP 3222349 B2 JP3222349 B2 JP 3222349B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
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  • Radio Relay Systems (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LAN(Local Area N
etwork)の通信媒体として電磁波を用いた無線LAN通
信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の端末間通信としては、複数の端末
同士を通信ケーブルで相互接続した有線LANシステム
がある。有線LANシステムの例としては、図40に示
すように、閉領域内に設置された複数のサテライト機S
1 ・S2 …Sn を1台のマスタ機Mで集中管理するよう
なマスタ・サテライトシステムや、ワークステーション
やパーソナルコンピュータを相互接続してクライアント
・サーバシステムを構成したものがある。
【0003】上記の有線LANシステムの場合、端末間
を通信ケーブルで接続する必要があり、ケーブル敷設に
手間がかかると共にそのための工事費用が必要であると
いう問題がある。
【0004】例えば、上記マスタ・サテライトシステム
の代表としては、販売店内に設置された複数の金銭登録
機の入力情報をホストコンピュータで集中管理するPO
S(poit of sale)システムがあるが、このPOSシス
テムを店舗に導入する場合、POS端末(金銭登録機、
ホストコンピュータ)の設置には、店内の商品棚等の配
置を考慮して、それに応じて通信ケーブルを天井裏や壁
などに配線工事する必要があり、開店日までの日程には
この工事日程を含めておく必要がある。また、店内のレ
イアウトを変更する場合やPOS端末を増設する場合、
既設の配線に拘束されて自由度が小さいと共に、その工
事も店の定休日に限定されるといった制約がある。さら
に、店の外に特設の売場を設置する場合にはスタンドア
ロン型POS端末を置かなければならないという制約も
ある。そして、店内の景観としては、配線そのものによ
って見苦しいものとなってしまう。
【0005】そこで、今日では、電波や赤外線等の電磁
波を用いた無線通信システムが提案され、LANシステ
ムにおいても実用化されている。このような電磁波を用
いた無線通信システムにおいては、図41に示すよう
に、電波障害となる物体を避け、到達距離を得るため
に、天井52などに無線通信制御モジュール51を設置
して通信システムを構成している。この実例としては、
米国モトローラ社製のシステム(商品名「アルテア・プ
ラス」)があり、これは、CM(コントロールモジュー
ル)と呼ばれる無線通信制御モジュールにサーバを接続
すると共に、UM(ユーザモジュール)と呼ばれる無線
通信モジュールにその他の端末を1台または数台接続
し、CMとUMとを介してサーバと他の端末との間の通
信を行う無線LANシステムである。
【0006】また、今日では、図42に示すように、赤
外線や電波を利用して、パーソナルコンピュータ等の情
報処理装置53からリモートでプリンタ等のデバイス5
4制御するような小規模な無線システムも構築されてい
る。
【0007】何れにしても、無線通信を用いたシステム
においては、送信局と受信局との間で直接的な1対1の
関係を保ち、両局間で電磁波が直接届くように設置して
おく必要がある。
【0008】無線通信に用いられる一般的なパケット
は、図43に示すように、データの前に送信元および受
信先を示す端末ID(識別番号)を付加した構成であ
り、送信元の端末は自己の端末IDと受信先の端末ID
とを設定したパケットを発信し、そのパケットを受信し
た端末は自己の端末IDとパケットに設定された受信先
端末IDとを比較して、それが一致した場合に自己宛の
パケットと認識してそのパケットの受信処理を行うよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電波や赤外
線等の電磁波を用いた無線通信システムでも、電磁波を
受信できるように端末の配置を考慮する必要があるのは
前述の通りである。特に、赤外線を用いた場合には、そ
の直進性が強いので、見通しの良い障害物のない空間が
必要である。また、電波でも比較的高周波数のものを用
いた場合には同様のことが言え、障害物の少ない空間を
必要とする。
【0010】また、電磁波を用いた無線通信システムの
場合、障害物がなくても電磁波の到達距離に限界があ
る。例えば、出力が10mW程度で400MHz帯の電
波を用いた小電力無線では、一般的に50m〜100m
程度の通信距離となる。さらに無線通信システムの場
合、秘匿性の問題もある。そこで、比較的低い出力で秘
匿性に優れた無線通信が可能なスペクトラム拡散方式に
よる無線通信システムも考えられるようになった。
【0011】このようなスペクトラム拡散方式による無
線通信システムにおける電波到達距離は半径100m程
度である。この電波到達距離を越えるさらに広い店内の
場合や、バックヤードが店の隅になり対角線上に端末が
ある場合などには、電波到達距離が不足し、店内を全て
カバーするには無理がある。
【0012】図44に示すように、電波到達距離を越え
るような広さのある閉領域にA〜Dの4台の端末を設置
した場合を考えると、従来の1対1の通信においては、
端末Aと端末B・Cとの間の通信、および端末Dと端末
B・Cとの間の通信が可能であるが、端末Aと端末Dと
の間の通信は通信距離の限界により、また、端末Bと端
末Cとの間の通信は障害物によりそれぞれ通信不能とな
る場合が発生する。
【0013】この場合、天井等に別途専用の電波中継用
装置を取り付けて通信領域を拡大する方法もあるが、電
波中継用装置から全ての端末が見えるかなどの端末への
配慮が必要であると共に、電波中継用装置自体のコスト
およびその設置工事が必要であるという問題がある。
【0014】また、無線による通信は、時間的・空間的
な環境の変化に左右され易い。例えば、商品販売店で
は、人(客、店員)の動き、商品の量(陳列商品は、買
物客による取り出し、店員による商品の補充等により、
時間とともに変化して行く)の変化があり、また、季節
・時期に応じての在庫一掃、特売の扱い等により店内の
棚などの障壁を移動させる等の模様替えが遂時行われる
(部分的なものから全店内にわたる場合も含めて)。こ
のように通信の環境が変化すれば、当然ながら当初は通
信可能であった端末同士でも、電波障害によって通信不
能となることもあり、上述の専用の電波中継用装置を用
いている場合であれば、その度に電波中継用装置の設置
位置を適当な位置に移動させるか、電波中継用装置を増
設する必要がある。
【0015】さらに、専用の電波中継用装置を用いてい
る場合、その電波中継用装置が故障を起こした場合に
は、複数の端末がシステム内で通信不能となりシステム
全体に与える影響は非常に大きく、場合によってはシス
テムダウンにつながる。そこで、このような事態を回避
するためには、専用の代替機を準備しておく必要があ
り、そのためのコストもかかる。
【0016】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、閉領域で無線LAN通信システムを構
築する場合、専用の電波中継用装置を必要とせずに通信
領域を拡大することができる無線LAN通信システムを
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1または2の発明
に係る無線LAN通信システムは、無線通信手段を備え
た複数の端末からなるものであって、上記の課題を解決
するために、以下の手段が講じられていることを特徴と
している。
【0018】すなわち、請求項1の発明に係る無線LA
N通信システムでは、システム内の各端末は、通常の通
信モードになる前に、自己端末からその他の各端末へ応
答要求信号を送信し、応答要求信号を送信した端末から
応答信号が返信されたか否かによって、直接的な交信が
可能か否かを個々の端末毎に調べる直接交信可否調査手
段を備え、システム内の各端末が行った上記の調査結果
を1つにまとめて、システムに属する全ての端末同士の
直接的な交信の可否を示す交信相関テーブルをシステム
内で作成し、データの発信元である始発局となり得る端
末は、自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を
行うために必要な中継局となり得る少なくとも1つの中
継局候補端末を、上記の交信相関テーブルに基づいて選
び出す中継局候補端末選択手段を備え、自己端末と直接
的な交信が出来ない端末と通信を行う場合、該中継局候
補端末選択手段にて選択された中継局候補端末の中の1
つの端末を中継局として選定してその端末に転送先を示
した転送要求のパケットを送信し、システム内の各端末
は、受信したパケットが転送要求のパケットか否かを判
断し、転送要求のパケットを受信した場合にパケット内
に示されている転送先へパケットを転送するパケット中
継手段を備えており、データの発信元である始発局とな
り得る端末は、上記中継局候補端末選択手段が選択した
中継局候補端末に転送要求のパケットを送信する毎に、
当該中継局候補端末から受信完了信号が返信されたか否
かによって通信エラーの有無を判断し、各中継局候補端
末との間の通信回数および通信エラーの発生回数を個々
の中継局候補端末毎に記録する通信成績記録手段と、自
己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行う際に
複数の中継局候補端末が存在する場合、それらの中継局
候補端末の通信回数および通信エラー回数から通信エラ
ーの発生率を求め、最も通信エラーの発生率が少ない中
継局候補端末を中継局として選定する中継局選定手段
と、各中継局候補端末に対して、中継局としての選択さ
れ難さを表す重み係数を予め設定できる重み係数設定手
段とを備え、上記中継局選定手段は、複数の中継局候補
端末の中から1つの中継局候補端末を中継局として選定
する際、それらの中継局候補端末の通信エラーの発生率
を重み係数によって補正し、補正後の各中継局候補端末
の通信エラーの発生率を比較して中継局を選定すること
を特徴としている。また、請求項2の発明に係る無線L
AN通信システムでは、システム内の各端末は、通常の
通信モードになる前に、自己端末からその他の各端末へ
応答要求信号を送信し、応答要求信号を送信した端末か
ら応答信号が返信されたか否かによって、直接的な交信
が可能か否かを個々の端末毎に調べる直接交信可否調査
手段を備え、システム内の各端末が行った上記の調査結
果を1つにまとめて、システムに属する全ての端末同士
の直接的な交信の可否を示す交信相関テーブルをシステ
ム内で作成し、データの発信元である始発局となり得る
端末は、自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信
を行うために必要な中継局となり得る少なくとも1つの
中継局候補端末を、上記の交信相関テーブルに基づいて
選び出す中継局候補端末選択手段を備え、自己端末と直
接的な交信が出来ない端末と通信を行う場合、該中継局
候補端末選択手段にて選択された中継局候補端末の中の
1つの端末を中継局として選定してその端末に転送先を
示した転送要求のパケットを送信し、システム内の各端
末は、受信したパケットが転送要求のパケットか否かを
判断し、転送要求のパケットを受信した場合にパケット
内に示されている転送先へパケットを転送するパケット
中継手段を備えており、データの発信元である始発局と
なり得る端末は、上記中継局候補端末選択手段が選択し
た中継局候補端末に転送要求のパケットを送信する毎
に、当該中継局候補端末から受信完了信号が返信された
か否かによって通信エラーの有無を判断し、各中継局候
補端末との間の通信回数および通信エラーの発生回数を
個々の中継局候補端末毎に記録する通信成績記録手段
と、自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行
う際に複数の中継局候補端末が存在する場合、それらの
中継局候補端末の通信回数および通信エラー回数から通
信エラーの発生率を求め、最も通信エラーの発生率が少
ない中継局候補端末を中継局として選定する中継局選定
手段と、自己端末と直接的な交信が出来ない端末との通
信経路として選択可能な複数の中継局候補端末を介した
複数の中継経路が存在する場合に上記の複数の中継局候
補端末の中の特定の中継局候補端末を予め固定中継局と
して設定できる固定中継局設定手段とを備え、上記中継
局選定手段は、複数の中継局候補端末の中から1つの中
継局候補端末を中継局として選定する際に固定中継局が
設定されている場合には、該固定中継局として設定され
ている端末のみを中継局に選定することを特徴としてい
る。
【0019】請求項の発明に係る無線LAN通信シス
テムは、上記請求項1または2の発明の構成において、
システム内の通信に使用されるパケットのヘッダ部は、
該パケットを実際に受信する端末の端末IDが設定され
る送信先フィールドと、該パケットを実際に送出する端
末の端末IDが設定される送信元フィールドと、該パケ
ットに含まれるデータの発信元である始発局の端末ID
が設定される始発局フィールドと、該パケットに含まれ
るデータを最終的に受け取る最終局の端末IDが設定さ
れる最終局フィールドと、始発局から最終局までの途中
の中継経路を示す少なくとも1つの中継局の端末IDが
設定できる中継情報フィールドから構成され、上記パケ
ット中継手段は、受信したパケットの送信先フィールド
と最終局フィールドとの端末IDが一致していない場合
に、該パケットが転送要求のパケットであると判断し、
該パケットの中継情報フィールドの情報に基づいて転送
先の端末IDを取得し、その転送先へパケットを転送す
ることを特徴としている。
【0020】請求項の発明に係る無線LAN通信シス
テムは、上記請求項1または2の発明の構成において、
システム内の通信に使用されるパケットのヘッダ部は、
該パケットを実際に受信する端末の端末IDが設定され
る送信先フィールドと、該パケットを実際に送出する端
末の端末IDが設定される送信元フィールドと、該パケ
ットに含まれるデータの発信元である始発局の端末ID
が設定される始発局フィールドと、該パケットに含まれ
るデータを最終的に受け取る最終局の端末IDが設定さ
れる最終局フィールドとから構成され、上記パケット中
継手段は、受信したパケットの送信先フィールドと最終
局フィールドとの端末IDが一致していない場合に、該
パケットが転送要求のパケットであると判断し、該パケ
ットの最終局フィールドの端末IDを転送先の端末ID
として取得し、その転送先へパケットを転送することを
特徴としている。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】上記請求項1または2の発明の構成によれば、
通常の通信モードになる前に、システム内の各端末が自
己端末からその他の各端末へ応答要求信号を送信しなが
ら直接的な交信が可能か否かを個々の端末毎に調べ、最
終的にシステム内の各端末が行った上記の調査結果を1
つにまとめてシステムに属する全ての端末同士の直接的
な交信の可否を示す交信相関テーブルをシステム内で作
り上げる。
【0025】したがって、この交信相関テーブルを保持
することによりシステム内の端末の位置関係に依らず各
端末間の通信状況の相互関係が把握できる。この交信相
関テーブルは、データの発信元である始発局となり得る
端末(例えば、POSシステムではマスタ機)が保持す
ることになる(システム内の全端末が始発局となり得る
場合は、全ての端末が交信相関テーブルを保持する)。
【0026】そして、上記の始発局となり得る端末は、
自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行うた
めに必要な中継局となり得る中継局候補端末を上記の交
信相関テーブルに基づいて選び出すようになっている。
始発局が自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信
を行う場合、中継局候補端末の中の1つの端末を中継局
として選定してその端末に転送先を示した転送要求のパ
ケットを送信する。
【0027】システム内の各端末は、それぞれが中継局
機能を備えており、受信したパケットが転送要求のパケ
ットか否かを判断し、転送要求のパケットを受信した場
合にパケット内に示されている転送先へパケットを転送
するようになっている。
【0028】このように、システム内の端末自体が持つ
無線通信機能を利用し、システム内の端末自体を中継局
とすることにより、専用の電波中継用装置を必要とせず
に通信領域を拡大することができる。また、中継を必要
とする際、始発局となる端末は、交信相関テーブルに基
づいて中継局候補端末を容易に選び出せる。また、始発
局は、中継局候補端末に転送要求のパケットを送信する
毎に、通信の失敗、成功にかかわる通信成績を記録し、
これを中継局選定の判断材料としている。すなわち、始
発局は、中継局候補端末に転送要求のパケットを送信す
る毎に、当該中継局候補端末から受信完了信号が返信さ
れたか否かによって通信エラーの有無を判断し、各中継
局候補端末との間の通信回数および通信エラーの発生回
数を個々の中継局候補端末毎に記録する。そして、複数
の中継局候補端末が存在する場合、それらの中継局候補
端末の通信回数および通信エラー回数から通信エラーの
発生率を求め、通信エラーの発生率が最も低い通信状態
のよい端末を中継局として選定する。 上述のように、通
信の環境は電波障害物の増減・位置変化に伴って時間的
・空間的に変化をする。通信不良の中継局が存在する
と、その部分がネックとなって通信効率の低下を招来す
るが、通信不良の中継局は通信環境の変化によって一定
ではない。しかしながら、本請求項の発明は、上述のよ
うに通信環境の変化に対応した学習機能を備え、通信エ
ラーの発生率から常に、最適な中継局を選定できる。
た、上記請求項1の発明の構成によれば、始発局となり
得る端末には、各中継局候補端末に対して、中継局とし
ての選択され難さを表す重み係数を設定する機能が備え
られている。すなわち、使用者が各中継局候補端末に対
して、通信に対する関与度合としての重み付けをするこ
とができる。各中継局候補端末に対して設定された重み
係数は、上記の通信エラーの発生率を補正する補正係数
として働く。 これにより、通信以外の処理についての使
用頻度の高い端末においては、重み付けによって他の中
継局候補よりも中継局になり難くし、端末本来の処理能
力が中継通信処理によって低下しないようにすることが
できる。 さらに、上記請求項2の発明の構成によれば、
始発局となり得る端末には、複数の中継局候補端末を介
した複数の中継経路が存在する場合に上記の複数の中継
局候補端末の中の特定の中継局候補端末を予め固定中継
局として設定できる機能が備えられている。固定中継局
が設定されている場合、通信エラーの発生率に関わら
ず、固定中継局として設定されている端末のみが中継局
に選定される。 すなわち、学習機能によって中継局があ
まり変動すると困る場合も考えられ、通信環境の変化よ
りも、使用者の意思を優先させて、中継局候補の中から
固定した中継局を選び出せるようになっている。 これに
より、メンテナンス等のために特定の端末をシステムか
ら切り離す場合には、中継局を固定的に指定した後に特
定の端末をシステムから切り離す作業を行えば、通信上
の効率に影響を及ぼすこともなく、システムの運用に支
障がでない。
【0029】上記請求項の発明の構成によれば、パケ
ットのヘッダ部には、物理的に1対1の通信関係を示す
送信先と送信元のフィールドの他に、データの発信元で
ある始発局、データを最終的に受け取る最終局、および
中継経路を示す中継情報のフィールドが設けられてい
る。上記中継情報フィールドには、中継経路を示す少な
くとも1つの端末IDを設定することができる。したが
って、この中継情報フィールドの設定により、1段中継
または多段中継(直列した複数の中継局を介した中継)
を指定することが可能である。
【0030】上記の構成のパケットを受信した端末は、
送信先フィールドと最終局フィールドとの端末IDを比
較し、両フィールドの端末IDが一致していれば自己宛
のパケット、一致していなければ転送要求のパケットで
あると判断することができる。したがって、転送要求を
示すコマンドの設定は特に必要ない。
【0031】端末が転送要求のパケットを受信した場
合、該パケットの中継情報フィールドの情報に基づいて
転送先の端末IDを取得し、その転送先へパケットを転
送する。これにより、始発局より発信された情報データ
は、パケットに設定された中継局を順次伝搬し、最終局
に到達する。
【0032】したがって、多数の中継局を利用しながら
通信領域を格段に広げることができ、また、複雑な電波
障害物を避けた中継経路も確保できる。
【0033】上記請求項の発明の構成によれば、パケ
ットのヘッダ部には、物理的に1対1の通信関係を示す
送信先と送信元のフィールドの他に、データの発信元で
ある始発局、およびデータを最終的に受け取る最終局が
設けられているが、前記の中継情報のフィールドは存在
しない。このパケットを用いた場合は、次のようにして
1段のみの中継を行うことができる。
【0034】上記の構成のパケットを受信した端末は、
送信先フィールドと最終局フィールドとの端末IDを比
較し、自己宛のパケットか転送要求のパケットかを判断
する。上記の両フィールドの端末IDが一致していなけ
れば転送要求のパケットであると判断(換言すれば、自
己端末が中継局と判断)することができ、この場合、該
パケットの最終局フィールドの端末IDを転送先の端末
IDとして取得する。すなわち、自己端末が中継局とな
る場合、1段のみの中継であれば、転送先が最終局とな
ることは明らかである。そして、中継局である上記端末
は、転送先である最終局へパケットを転送することにな
る。
【0035】このように、1段のみの中継に限定してシ
ステムを運用する場合、各端末が上記のようなパケット
中継処理を行う構成とすることにより、中継情報フィー
ルドを必要としない経済的なパケット構造が可能とな
り、効率的な通信が行える。また、パケット構造の簡単
化に伴って、各端末におけるパケット中継ロジックも簡
素化される。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図39
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0044】本実施例では、本発明の無線LAN通信シ
ステムをPOSシステムに適用した例を示す。POSシ
ステムは、閉領域である店内に、電磁波を通信媒体とし
て無線通信を行う無線通信手段を具備した複数のPOS
端末を設置し、その中の1台のPOS端末をマスタ機、
その他のPOS端末をサテライト機として、各サテライ
ト機における金銭登録情報等の入力情報をマスタ機にて
集中管理するシステムである。本実施例に係るPOSシ
ステムは、後述するようにシステムに属する各POS端
末自身がパケットの中継局機能を具備し、専用の中継装
置を用いることなく通信領域の拡大を図れるようになっ
ている。
【0045】上記POS端末の外観図を図5に示す。こ
のPOS端末は、商品割当キー、部門キー、ファンクシ
ョンキー、数字キー等のキー群を備えたPOSキーボー
ド20、オペレータの操作のための画面表示を行う表示
部21、磁気カードに対する情報の読み取りおよび書き
込みを行うの磁気カードリーダ(MCR)22、客に対
して商品の単価、合計金額、釣銭額等を表示するライン
ディスプレイ23、ジャーナル紙への印字やレシート紙
への印字を行うPOSプリンタ24、該POS端末を操
作可能モードまたは操作不能モードに切り替えるための
オペレーション鍵25、さらには図示しないバーコード
リーダ等を備えている。
【0046】また、上記POS端末の内部構成を示すブ
ロック図を図6に示す。このPOS端末は、CPU(Ce
ntral Processing Unit :中央演算処理装置)1と、R
OM(Read Only Memory) 2、RAM(Random Access
Memory) 3、FD(フロッピィディスク)コントローラ
4、HD(ハードディスク)コントローラ5、画面コン
トローラ6、POSキーボードコントローラ7、POS
プリンタコントローラ8、ラインディスプレイコントロ
ーラ9、バーコードリーダコントローラ10、磁気カー
ドリーダコントローラ11、ドロアコントローラ12、
および通信制御用コントローラ13を備えており、これ
らはシステムバスによって相互に接続されている。
【0047】上記CPU1は、プログラムの実行とデー
タ処理、および接続機器の制御等のデータ入出力処理を
行う。上記ROM2は、IPL(イニシャルプログラム
ローダ)であり、プログラムのブート処理(システム立
ち上げのための一番最初のプログラムで最小のプログラ
ム処理)の他、基本的なテステムの入出力を制御するB
IOSプログラム、表示等を行うためのCG(文字パタ
ーン発生器)データ、および立ち上げ時の簡易テストプ
ログラムを格納している。上記RAM3は、書き込み可
能なメモリで、ここにハードディスクから読み出したシ
ステムプログラム、アプリケーションプログラム、デバ
イス制御プログラム等が格納される。上記FDコントロ
ーラ4およびHDコントローラ5は、外部記憶装置とし
てのフロッピィディスクおよびハードディスクに対する
プログラム、データ等のファイル制御を行う。上記画面
コントローラ6は、オペレータの操作に基づいて図5の
表示部21の表示制御を行う。上記POSキーボードコ
ントローラ7は、図5のPOSキーボード20に対する
入力制御を行う。上記POSプリンタコントローラ8
は、図5のPOSプリンタ24に対する印字制御を行
う。上記ラインディスプレイコントローラ9は、オペレ
ータの操作に基づいて図5のラインディスプレイ23の
表示制御を行う。上記バーコードリーダコントローラ1
0は、バーコードリーダに対する入力制御を行い、バー
コードリーダが読み取ったデータをシステムバス内に取
り込む。上記磁気カードリーダコントローラ11は、図
5の磁気カードリーダ22に対する入出力制御を行い、
磁気カードリーダ22が読み取ったデータをシステムバ
ス内に取り込む一方、カード発行時にはデータを磁気カ
ードに記録させる。上記ドロアコントローラ12は、金
銭授受についてドロアの制御を行う。上記通信制御用コ
ントローラ13は、他のPOS端末との間の無線(スペ
クトラム拡散無線等の一般的な無線方式)による通信制
御を行う。上記通信制御用コントローラ13には、通信
に基づく電磁波の放射およびその検出を行うアンテナ部
14が接続されている。
【0048】上記のような構成からPOS端末として動
作することになり、この内の通信制御用コントローラ1
3およびアンテナ部14により、他のPOS端末とのデ
ータの送受信を行う無線通信システムを構成する。
【0049】尚、マスタ機となるPOS端末(以下、単
にマスタ機と称する)とサテライト機となるPOS端末
(以下、単にサテライト機と称する)との基本的な構成
は上述の通り同じであり、マスタ機がサテライト機と異
なるのは、マスタ機のCPU1が全サテライト機に対す
る集中管理機能を有する点である。
【0050】次に、上記のPOS端末が閉領域に複数台
設置してPOSシステムを立ち上げる際の手順を説明す
る。
【0051】先ず、オペレータがマスタ機を操作してシ
ステム内の全てのサテライト機の端末ID(IDENTIFICAT
ION :識別子)を登録する。上記端末IDは、システム
内の各端末を一意に識別するための識別子であり、端末
番号、端末アドレスとも称される。すなわち、マスタ機
に端末IDが登録されたPOS端末によってPOSシス
テムが構築され、この中に登録されているPOS端末の
みが交信の対象となるものである。尚、マスタ機および
各サテライト機には自機の端末IDが予め登録されてい
る。オペレータによって登録操作が行われた場合、マス
タ機は、図2に示す端末リストを作成して保存する。こ
の端末リストには、第1項目にマスタ機自身の端末I
D、第2項目以降には登録があった順にサテライト機の
端末IDを格納する。ここでは各端末IDを格納する領
域として1バイトの格納領域を割り当てているが、端末
IDのビット数がそれより大きい場合は、各端末IDの
格納のために数バイトの格納領域を使用する場合もあ
る。
【0052】そして、店内の所定の位置に各POS端末
を配置した状態で、各POS端末を交信相関テーブル作
成モードにする。このモードに入った場合、各POS端
末が他のPOS端末との間の通信の可否を逐次調べて図
3の交信可否リストを作成し、各POS端末が作成した
交信可否リストをまとめて、最終的にはシステムに属す
る全てのPOS端末同士の交信可否を示す図1の交信相
関テーブルをシステム内で作り上げる。
【0053】この交信相関テーブル作成モードにおける
通信に使用されるパケットの構成を図10に示す。この
交信相関テーブル作成用パケットは、送信先ID、送信
元ID、始発局ID、最終局ID、コマンド、およびデ
ータから構成される。コマンドとしては、次のものが用
意されている。
【0054】♯01:交信可否リスト作成要求コマンド ♯02:交信可否リスト作成終了コマンド(対マスタ
機) ♯03:応答要求コマンド ♯04:応答コマンド ♯05:転送要求コマンド ♯06:作成シーケンス終了要求コマンド(対サテライ
ト機) 次に、交信相関テーブル作成モードにおけるマスタ機の
動作を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明
する。
【0055】該モードに入ると、マスタ機は、予め登録
してある図2の端末リストを取り込む(S1)。次に、
マスタ機より各サテライト機に対して順次通信の可否を
問い、この結果をまとめて図3に示す交信可否リストを
作成するルーチンに移行する(S2)。
【0056】ここで、S2の交信可否リスト作成ルーチ
ンを図8のフローチャートを参照しながら詳しく説明す
る。マスタ機より各サテライト機に対して応答を求める
パケット(応答要求パケット)を送り出して個別に通信
の可否を問い(S21、S22)、所定時間内に応答が
あったサテライト機に対しては(S23)、交信可否リ
ストの該サテライト機に対応するフィールドに交信可を
示すデータ(例えば“1”)を記録し、一方所定時間内
に応答がなくタイムアウトになったサテライト機に対し
ては(S25)、交信可否リストの該サテライト機に対
応するフィールドに交信不可を示すデータ(例えば
“0”)を記録する(S26)。図2の端末リストに格
納されている全てのサテライト機に対して上記の通信可
否のチェックが終了し、交信可否リストの作成が完了し
たら(S21においてYES)、図7のメインルーチン
に戻る。
【0057】上記の交信可否リスト作成ルーチン終了
後、交信可否リストを作成すべきサテライト機が存在す
るか否かを判断する(S3)。通常、各サテライト機に
対しても上記と同様の交信可否リストを作成させること
になるが、次の場合にはその必要はない。すなわち、上
記S2においてマスタ機からのアクセスで全登録POS
端末にアクセス可能な場合、マスタ機とサテライト機と
の間の通信に中継は不要となるので、以降の処理は不要
となる(但し、サテライト機間通信を必要とする場合
は、以降の処理を継続する)。また、システム内のPO
S端末がマスタ機とサテライト機1台の合計2台しかな
い場合も、以降の処理は不要となる。
【0058】上記S3においてYESの場合、マスタ機
は、作成した交信可否リストに基づいて自己端末と交信
可能なサテライト機を1台選び、そのサテライト機に対
して交信可否リスト作成要求パケットを送り出す(S
4)。このとき自己端末と交信可能なサテライト機が複
数台あるときは、図2の端末リストの登録順にしたがっ
て1台を選択する(尚、この場合の選択基準は特にな
く、任意の1台を選択すればよい)。
【0059】このときマスタ機が送出する交信可否リス
ト作成要求パケットには、付属データとして図2の端末
リスト、端末リンク表(図4参照)、交信相関テーブル
(図1参照)が付加される。ここで、上記端末リンク表
は、マスタ機からどのような経路で交信可否リスト作成
要求パケットが現在の受信端末に到達しているかを、該
パケットを送信する端末が順次記録するものであり、こ
こでは、端末リンク表の第1フィールドにマスタ機自身
の端末IDのみをセットして該パケットに付加する。ま
た、ここで交信可否リスト作成要求パケットに付加され
る交信相関テーブルは、マスタ機が作成した前記の交信
可否リストをそのまま該交信相関テーブルの自己の端末
の欄にコピーしたものである。
【0060】マスタ機から交信可否リスト作成要求パケ
ットを受信したサテライト機は、後述するように自機を
中心とする交信可否リストの作成を開始する。一方、マ
スタ機は、その後、サテライト機からのパケット受信待
ち状態となる(S5)。マスタ機がサテライト機からパ
ケットを受信した場合(S6においてYES)、該パケ
ットに含まれるコマンドを解析し(S7)、コマンドの
分類によってその後の処理を分ける。
【0061】サテライト機がマスタ機へ送るパケットの
コマンドの種類は、サテライト機側の処理に応じたもの
である。ここで、交信相関テーブル作成モードにおける
サテライト機の動作を、図9に示すフローチャートを参
照しながら説明する。
【0062】交信相関テーブル作成モードに入ると、各
サテライト機は、パケット受信待ち状態になる(S3
1)。あるサテライト機が、他のPOS端末からパケッ
トを受信した場合(S32においてYES)、該パケッ
トに含まれるコマンドを解析し(S33)、コマンドの
分類によってその後の処理を分ける。
【0063】前述の交信可否リスト作成ルーチンを実行
しているマスタ機またはサテライト機(サテライト機の
動作は後述)より応答要求パケットを受信した場合であ
れば、S33の判断の後、応答要求パケットの送信元マ
スタ機またはサテライト機に応答パケットを返送する
(S42)。
【0064】また、受信パケットに交信可否リスト作成
要求コマンドが設定されている場合(すなわち、受信パ
ケットが交信可否リスト作成要求パケットの場合)、交
信可否リスト作成ルーチンに移行する(S34)。尚、
前述のように交信可否リスト作成要求パケットには端末
リスト(図2参照)、端末リンク表(図4参照)、およ
び交信相関テーブル(図1参照)が付加されている。こ
の交信可否リスト作成ルーチンは、図8のフローチャー
トに示した前述のルーチンと同様であり、該サテライト
機は、自機を中心として他のサテライト機に対して端末
リストの順番に従って順次通信の可否を問い、この結果
をまとめて交信可否リスト(図3参照)を作成する。但
し、受信パケットに付加されている交信相関テーブルを
確認し、該テーブルから自機との交信可否が既に確定し
ていると判断できる端末については交信可否のチェック
済みとし、未交信の端末のみについて図8のフローチャ
ートのS22以降の処理を行う。例えば、上記マスタ機
が送信した交信可否リスト作成要求パケットを受信した
サテライト機は、既に一度交信がなされたマスタ機との
交信は行わず、その他のサテライト機との交信を行う。
すなわち、図1の交信相関テーブル中で1つ値が定まれ
ば、右下がりの対角線を対称軸として上記の値と対称な
欄の値も定まるので、該対角線の上下いずれかの値が全
て定まれば交信相関テーブルは完成したことになる。
尚、上記対角線上の値は、自機との交信となるので、常
に“1”となる。
【0065】上記サテライト機は、S34の後、受信パ
ケットに付加されている端末リストおよび交信相関テー
ブルより、未だこれから交信可否リストを作成すべき端
末が残っているか否かを判断し(S35)、そうである
ならば、先程作成した交信可否リストに基づいて、これ
から交信可否リストを作成すべき端末の中に自機との交
信が可能な端末が存在するかを判断する(S36)。
【0066】自機との交信が可能な交信可否リストを作
成すべき端末が存在する場合(S35およびS36で何
れもYES)、その端末に対して交信可否リスト作成要
求パケットを送出する(S37)。このとき該パケット
を送出すべき端末が複数台あるときは、端末リストの登
録順にしたがって1台を選択する。
【0067】このときサテライト機が送出する交信可否
リスト作成要求パケットには、前述のように端末リス
ト、端末リンク表(受信した端末リンク表に自機の端末
IDを付加したもの)、および交信相関テーブル(作成
した交信可否リストを受信した交信相関テーブル上の自
機の欄に反映させたもの)が付属データとして付加され
る。
【0068】交信可否リスト作成要求パケットを送出し
たサテライト機は、その後S31に戻ってパケット受信
待ちとなり、該パケットを受信した別のサテライト機
は、上記と同様に交信可否リストを作成することにな
る。
【0069】一方、これから交信可否リストを作成すべ
き端末が存在するにも関わらず(S35においてYE
S)、自機と交信可能な端末が1台も存在しなかった場
合(S36においてNO)、受信した端末リンク表にし
たがって、自機の直前の端末(すなわちパケットの送信
元)に転送要求パケットを送出し(S38)、その後S
31に戻ってパケット受信待ちとなる。この転送要求パ
ケットは、転送要求コマンドをセットしたパケットであ
り、交信可否リスト作成要求パケットと同様、端末リス
ト、端末リンク表、および交信相関テーブルを付属デー
タとして付加したものである。
【0070】上記の転送要求パケットを受信(S32に
おいてYES)したサテライト機は、S33の判断の
後、転送すべき端末が存在するか否か、すなわち、自機
との交信が可能で、且つ、これから交信可否リストを作
成すべき端末が存在するか否かを判断する(S39)。
ここで、転送すべき端末が存在する場合は、その端末
(該当する端末が複数台あるときは、端末リストの登録
順にしたがって1台を選択)に交信可否リスト作成要求
パケットを送出する(S40)。一方、S39において
該当する端末が1台も存在しない場合は、端末リンク表
にしたがってさかのぼり、自機の直前の端末に転送要求
パケットを送出し(S38)、その後S31に戻ってパ
ケット受信待ちとなる。
【0071】上記のようにして、交信可否リストを作成
すべき端末がシステム内に存在している間は、サテライ
ト機同士で交信可否リスト作成要求パケットまたは転送
要求パケットを伝送しながら、システム内で交信相関テ
ーブルを作成して行く。ここで、あるサテライト機から
マスタ機に対して転送要求パケットが送出された場合
(S38)について、図7のマスタ機の処理を示すフロ
ーチャートに戻って説明する。
【0072】上記のようにしてサテライト機からマスタ
機に転送要求パケットが送られるのは、交信可否リスト
を作成すべき端末がシステム内に残っているにも関わら
ずサテライト機側でそのような端末と交信できなかった
場合である。
【0073】上記の転送要求パケットを受信(S6にお
いてYES)したマスタ機は、S7の判断の後、未だこ
れから交信可否リストを作成すべき端末の中に自機との
交信が可能な端末が存在するか否かを判断する(S
8)。ここで、そのような転送可能な端末が存在する場
合、マスタ機は、その端末(該当する端末が複数台ある
ときは、端末リストの登録順にしたがって1台を選択)
に対して交信可否リスト作成要求パケットを送出し(S
4)、その後パケット受信待ちとなる(S5)。交信可
否リスト作成要求パケットを受信したサテライト機は、
上記と同様に交信可否リストを作成することになる。
【0074】一方、これから交信可否リストを作成すべ
き端末が存在するにも関わらずマスタ機と交信可能な端
末が1台も存在しなかった場合(S8においてNO)、
システム内に何れのPOS端末とも通信不能な、いわゆ
る隠れ端末が存在することになり、マスタ機は、その隠
れ端末を図5の表示部21に表示したりPOSプリンタ
24に印字することによりオペレータに通知する通報処
理を行う(S9)。この後、マスタ機は、後述するS1
0に移行して交信相関テーブルから中継が可能となるサ
テライト機を選定する。
【0075】ここで、再びサテライト機側の処理に戻っ
て説明する。上述のように、各サテライト機は、交信可
否リスト作成要求パケットまたは転送要求パケットを伝
搬しながら、システム内で交信相関テーブルを作成して
行く。ここで、あるサテライト機が図9のS34の交信
可否リストの作成ルーチンを終えた後、S35において
これらか交信可否リストを作成すべき端末がシステム内
には残っていないと判断した場合、交信相関テーブルの
作成が完了したものとみなし、出来上がった交信相関テ
ーブルを付属データとして付加した交信相関テーブル作
成終了パケットをマスタ機に対して返送する(S4
1)。尚、上記S35における判断としては、交信可否
リスト未作成の端末がシステム内に1台だけになったこ
とをもって、交信可否リストを作成すべき端末がシステ
ム内には残っていないと判断する。これは、最後に残っ
た端末は、他の全POS端末からのアクセスが少なくと
も一度はあったはずで、交信可否リストの作成が不要で
あることによる。
【0076】マスタ機は、上記の交信相関テーブル作成
終了パケットを受信した場合、あるいはS9の後、最終
的に得られた交信相関テーブルに基づいて、中継局候補
のサテライト機を選定する処理(S10)に移行する。
この処理によって、後述するサテライト登録リスト(図
11)、中継局候補リスト(図12)、および多段中継
局リスト(図13)を作成する。
【0077】その後、マスタ機は、全サテライト機に対
して交信相関テーブル作成モード終了パケットを送信
し、該モードの終了を告知する(S11)。また、この
とき、マスタ機自身も交信相関テーブル作成モードを終
了し、その後、通信モードに移行する。尚、マスタ機か
ら直接通信を行えない(すなわち、中継を必要とする)
サテライト機に対しては、後述する方法で中継局を指定
して、交信相関テーブル作成モード終了パケットを送信
する。
【0078】上記交信相関テーブル作成モード終了パケ
ットを受信(図9のS32においてYES)した各サテ
ライト機は、S33の判断の後、交信相関テーブル作成
モードの終了処理を行い(S43)、その後、通信モー
ドに移行する。
【0079】尚、本実施例においては、図8に示す交信
可否リスト作成ルーチンのプログラムを実行するCPU
1、CPU1の制御に基づいて通信制御を行う通信制御
用コントローラ13、およびアンテナ部14から、特許
請求の範囲に記載の直接交信可否調査手段が構成され
る。
【0080】ここで、上記交信相関テーブル作成モード
中にシステム内で作成された交信相関テーブルに基づい
て、サテライト登録リスト(図11)、中継局候補リス
ト(図12)、および多段中継局リスト(図13)を作
成するマスタ機の処理(図7のS10)を詳細に説明す
る。
【0081】図11のサテライト登録リストは、図2の
端末リストをベースにして作成されるものであり、該端
末リストの各サテライト機の端末IDにフラグを付加し
た構成である。このフラグは、マスタ機と直接通信可能
かまたは中継が必要かを示すと共に、中継が必要な場合
はその中継局候補を列挙した中継局候補リストのテーブ
ル番号または多段中継局リストのテーブル番号を示すも
のである。具体的には、マスタ機と直接通信可能なサテ
ライト機に対してはフラグとして“0”が設定される。
また、マスタ機との通信に他のサテライト機を介した中
継が必要な場合は、中継局候補リストの各テーブルまた
は多段中継局リストの各テーブルを識別する“0”以外
の識別番号(テーブル番号)がフラグとして設定され
る。また、隠れ端末が存在する場合は、その端末に対し
て固有のフラグを設定する(または、その端末をサテラ
イト登録リストから削除してもよい)。
【0082】図12の中継局候補リストは、1段だけの
中継でマスタ機との通信が可能なサテライト機に対する
中継局を対象としたリストであり、上記サテライト登録
リストのフラグとして設定されるテーブル番号に対応し
た第1〜第nの複数のテーブルからなる。この中継局候
補リストの各テーブルは、固定中継局情報フィールド
と、第1〜第n中継局情報フィールドとから構成されて
いる。また、上記の各情報フィールドは、フラグ、中継
局ID、通信回数、エラー回数(通信エラー回数)、お
よび重みの情報から構成されている。1段だけの中継で
マスタ機との通信が可能なあるサテライト機に対して、
中継局となり得るPOS端末が複数存在する場合は、そ
れらの端末IDが対応するテーブルの第1〜第n中継局
情報フィールド中の中継局IDの領域に設定される。
【0083】尚、上記固定中継局情報フィールド中の端
末IDの領域には、後述するようにオペレータが自ら指
定した中継局の端末IDが設定される。また、各情報フ
ィールド中の通信回数、およびエラー回数の情報として
は、システム内で通信が開始される前においては初期値
(0)が設定される。また、各情報フィールド中の重み
の情報は、後述するようにオペレータが自ら指定するこ
とができる。また、各情報フィールドの先頭に付加され
ているフラグは、当該情報フィールドが使用されている
か否かを示すものであり、使用されているフィールドの
フラグは“1”、未使用のフィールドのフラグは“0”
に設定される。
【0084】図13の多段中継局リストは、多段の中継
を経てマスタ機との通信が可能なサテライト機に対する
中継局を対象としたリストであり、上記サテライト登録
リストのフラグとして設定されるテーブル番号に対応し
た第(n+1)、第(n+2)、…の複数のテーブルか
らなる。この多段中継局リストの各テーブルは、1段目
中継局情報フィールド、2段目中継局情報フィールド、
…から構成されている。上記の各情報フィールドは、フ
ィールドの使用または未使用を示すフラグおよび中継局
IDの情報から構成されている。
【0085】マスタ機と各サテライト機との間の1段の
中継パターンとしては、大きく分けて図14に示すよう
な単純型と、図15に示すような複経路型とがある。
尚、これらの図中の参照符号Mはマスタ機、Sはサテラ
イト機(マスタ機との通信対象端末)、Cは中継局と示
す(後述の図16および図17においても同様)。
【0086】上記の単純型は、例えば図18に示すよう
に、通信距離不足のために直接通信が行えないマスタ機
Mとサテライト機S2 との何れとも通信が可能な特定の
1台の中継局(ここではサテライト機S1 )が存在する
場合である。この変形として、図16中の(a)または
(b)に示す多分岐型があるが、マスタ機と通信対象の
サテライト機との関係では、特定の1台の中継局が存在
するのみであり、図14の単純型の複合形態としてとら
えることができる。
【0087】上記の複経路型は、例えば図19に示すよ
うに、通信距離不足のために直接通信が行えないマスタ
機Mとサテライト機S3 との何れとも通信が可能な中継
局が複数存在(ここではサテライト機S1 およびS2
し、中継経路が複数ある場合である。
【0088】また、マスタ機と各サテライト機との間の
中継パターンとしては、その他に、図17に示すような
多段型がある。これは、例えば図20に示すように、通
信距離不足のために直接通信が行えないマスタ機Mとサ
テライト機S3 との間の通信に、直列的に中継を行う複
数の中継局(ここではサテライト機S1 およびS2 )が
必要な場合である。
【0089】以上のような中継パターンを基本パターン
として、実際の無線通信システムでは、これらの基本パ
ターンが複合して多様な中継経路を構成する。尚、一般
的なPOS端末の通信距離や閉領域の広さ(店舗規模)
等から考えて、図15の複経路型の中継パターンが典型
的な一般パターンとして考えられる。
【0090】交信相関テーブルに基づいて中継局候補の
サテライト機を選定する場合は、該テーブルをそのまま
見ても、どのサテライト機がどの中継パターンの中継局
となり得るかを発見することができるが、該交信相関テ
ーブルに適当な論理演算を施すことによって、データ処
理的にみてさらに容易に中継局を見つけることができ
る。以下に、幾つかの例を挙げて中継局の発見手順を説
明する。
【0091】先ず、図21に示すようなPOS端末A〜
F(POS端末Aをマスタ機、他をサテライト機とす
る)からなる、複経路型の中継パターンを有するシステ
ムを考える。このシステム内で作成された交信相関テー
ブルを図22に示す。この交信相関テーブルのマスタ機
Aの欄より、マスタ機Aはサテライト機E・Fと直接通
信できないことがわかるが、サテライト機E・Fとの通
信を可能にするための中継局は、以下のようにして論理
積をとれば容易に発見できる。
【0092】すなわち、上記の交信相関テーブルより導
き出されるマスタ機Aをベースとする図23の論理積表
を作成する。より詳しく説明すると、上記図23は、マ
スタ機Aの交信結果“111100”とサテライト機B
の交信結果“111100”との間で同じ列同士の論理
積を演算した結果“111100”をサテライト機Bの
欄に書き込み、以下同様にマスタ機Aの交信結果と各サ
テライト機C〜Fの交信結果との間で同じ列同士の論理
積を演算した結果を各サテライト機の欄に書き込んだも
のである。このマスタ機Aをベースとする論理積表は、
各サテライト機B〜Fとマスタ機Aとが何れも直接通信
可能なサテライト機(すなわち各サテライト機B〜Fの
マスタ機Aとの共通端末)を表している。これにより、
マスタ機Aとは直接通信できないサテライト機Eとマス
タ機Aとの間の通信の中継局となり得るのは、サテライ
ト機Cおよびサテライト機Dであることが容易にわか
る。また、サテライト機Fとマスタ機Aとの間の通信の
中継局となり得るのが、サテライト機Cおよびサテライ
ト機Dであることも同様にわかる。
【0093】上記ようにして求めた中継局候補を、中継
局候補リスト(図12)に反映させる。例えば、上記の
場合、図11のサテライト登録リストのサテライト機E
の端末IDに付加されるフラグを“n1 ”に設定し、図
12の中継局候補リストの第n1 テーブルの第1中継局
情報フィールドにサテライト機Cの端末ID、第2中継
局情報フィールドにサテライト機Dの端末IDを設定す
る。
【0094】上記の場合、サテライト機Fに対する中継
局候補は、サテライト機Eに対する中継局候補と全く同
じサテライト機C・Dなので、図11のサテライト登録
リストのサテライト機Fの端末IDに付加されるフラグ
をサテライト機Eと同じ“n1 ”に設定し、中継局候補
リストの同じテーブルを併用することができる。
【0095】次に、図24に示すようなPOS端末A〜
H(POS端末Aをマスタ機、他をサテライト機とす
る)からなる、多分岐型の中継パターンを有するシステ
ムを考える。このシステム内で作成された交信相関テー
ブルを図25に示す。また、この交信相関テーブルより
導き出されるマスタ機Aをベースとする論理積表を図2
6に示す。
【0096】先ず、図25の交信相関テーブルのマスタ
機Aの欄より、マスタ機Aはサテライト機B・C・Fと
直接通信できるが、サテライト機D・E・G・Hとは直
接通信できないことがわかる。そして、図26のマスタ
機Aをベースとする論理積表より、サテライト機D・E
とマスタ機Aとの間の通信の中継局となり得るのは、サ
テライト機Cであり、サテライト機G・Hとマスタ機A
との間の通信の中継局となり得るのは、サテライト機F
でありことがわかる。そして、ここで求めた中継局候補
を、中継局候補リスト(図12)に反映させる。例え
ば、上記の場合、図11のサテライト登録リストのサテ
ライト機D・Eの端末IDに付加されるフラグを何れも
“n2 ”に設定し、図12の中継局候補リストの第n2
テーブルの第1中継局情報フィールドにサテライト機C
の端末IDを設定する。また、図11のサテライト登録
リストのサテライト機G・Hの端末IDに付加されるフ
ラグを何れも“n3 ”に設定し、図12の中継局候補リ
ストの第n3 テーブルの第1中継局情報フィールドにサ
テライト機Fの端末IDを設定する。
【0097】尚、多分岐型の中継パターンにおいては、
複数のサテライト機に共通の中継局が存在し、その中継
局をキー局とするグループが構成される。上記の例の場
合、サテライト機D・Eがサテライト機Cのグループ、
サテライト機G・Hがサテライト機Fのグループとな
る。次のような方法をとれば、どのサテライト機がどの
中継局のグループに属するかを容易に調べることができ
る。
【0098】すなわち、図26のマスタ機Aをベースと
する論理積表を対象として、さらにマスタ機Aと直接通
信できるサテライト機B・C・Fの各欄の値(図26の
論理積表のもの)をベースとする論理積表を作成する。
具体的には、図26の論理積表を演算対象とし、サテラ
イト機Bの欄の値“11000000”をベースとする
論理積表(図27)、サテライト機Cの欄の値“101
00000”をベースとする論理積表(図28)、およ
びサテライト機Fの欄の値“10000100”をベー
スとする論理積表(図29)をそれぞれ作成する。図2
7より、サテライト機Bを中継局とするグループに所属
する端末はなく、図28より、サテライト機D・Eがサ
テライト機Cを中継局とするグループに属し、図29よ
り、サテライト機G・Hがサテライト機Fを中継局とす
るグループに属することが一目瞭然となる。
【0099】図12の中継局候補リストのテーブルを作
成する場合、基本的には1つのグループに1つのテーブ
ルを作成すればよいので、上記のようにどのサテライト
機がどの中継局のグループに属するかが判れば、該テー
ブルの作成が容易となる。
【0100】次に、図30に示すようなPOS端末A〜
G(POS端末Aをマスタ機、他をサテライト機とす
る)からなる、多段型の中継パターンを有するシステム
を考える。このシステム内で作成された交信相関テーブ
ルを図31に示す。また、この交信相関テーブルより導
き出されるマスタ機Aをベースとする論理積表を図32
に示す。
【0101】先ず、図31の交信相関テーブルのマスタ
機Aの欄より、マスタ機Aはサテライト機B・Cと直接
通信できるが、サテライト機D・E・F・Gとは直接通
信できないことがわかる。そして、図32のマスタ機A
をベースとする論理積表より、サテライト機D・Eとマ
スタ機Aとの間の通信の中継局となり得るのは、サテラ
イト機Cであることがわかる。そして、ここで求めた中
継局候補を、中継局候補リスト(図12)に反映させ
る。また、図32より、サテライト機F・Gとマスタ機
Aとの間の通信において1段のみの中継局となり得る端
末は存在しないことがわかる。すなわち、サテライト機
F・Gに対しては多段の中継を必要とすることがわか
る。
【0102】ここで、多段の中継局になり得るサテライ
ト機は、マスタ機Aと直接通信可能なBまたはCであ
る。そこで、図31の交信相関テーブルを対象として、
サテライト機B・Cの各欄の値(図31の交信相関テー
ブルのもの)をベースとする論理積表を作成する。図3
3に、サテライト機Cをベースとする論理積表を示す
(サテライト機Bをベースとする論理積表は省略す
る)。同図より、マスタ機Aから1段目の中継局となる
サテライト機Cからは、サテライト機Eを2段目の中継
局とすればサテライト機F・Gに到達できることがわか
る。そして、求めた直列した複数の中継局を、多段中継
局リスト(図13)に反映させる。
【0103】以上のように、通信の発信元端末をベース
として、各POS端末と論理積表を得ることで、実際の
端末配置を知らなくとも共有のPOS端末を容易に知る
ことができる。
【0104】尚、本実施例においては、交信相関テーブ
ルに基づいて上述の論理演算処理を行うプログラムを実
行するCPU1により、特許請求の範囲に記載の中継局
候補端末選択手段が達成される。
【0105】次に、通信モードにおける動作を説明す
る。この通信モードでは、マスタ機は、上述の交信相関
テーブル作成モードにて作成されたサテライト登録リス
ト(図11)、中継局候補リスト(図12)、および多
段中継局リスト(図13)に基づいて中継局を選択しな
がら、所望のサテライト機との通信を行う。
【0106】通信モードにおける通信に用いられるパケ
ットの構造を、図34に示す。該パケットは、IDフィ
ールド(ヘッダ部)をなす送信先、送信元、始発局、最
終局、および中継情報(中継局n〜1)の各フィールド
と、このIDフィールドの後に付加されたデータとから
構成されている。ここで、送信先と送信元とは物理的に
1対1の通信関係を示すものであり、送信先フィールド
にはパケットを送出する相手の端末IDが設定される。
送信先フィールドにはパケットを送出する側の端末ID
が設定される。始発局フィールドには情報データの送り
手の端末ID、最終局フィールドには該情報データの受
け手の端末IDがそれぞれ設定される。中継情報フィー
ルド(中継局n〜1の各フィールド)には中継局として
使用するPOS端末の端末IDが設定される(最大中継
局数n)。始発局より発信された情報データは、中継局
1から順次中継局nまで伝搬し、最終局に到達する。
【0107】上記図34に示したパケットは、最大中継
局数が決められた固定長のパケットであるが、図35の
ように中継情報フィールドの先頭に中継局数を示すフィ
ールドを設けて中継情報フィールドを可変長とすること
もできる。
【0108】マスタ機があるサテライト機にデータを送
出する場合、そのサテライト機と直接通信可能か否か
を、サテライト登録リスト(図11)をみて判断する。
すなわち、該サテライト登録リストから所望とするサテ
ライト機の端末IDを検索し、その端末IDに付加され
ているフラグから直接通信の可否を判定する。ここで、
上記のサテライト機と直接通信可能な場合(フラグ=
0)は、図34または図35のパケットのIDフィール
ドにおける送信元および始発局のフィールドに何れも自
機(マスタ機)の端末IDを設定すると共に、送信先お
よび最終局のフィールドに何れも通信相手先のサテライ
ト機の端末IDを設定し、中継情報フィールドには端末
IDを設定しない。そして、上記のようなIDフィール
ドにデータを付加したパケットを送信する。
【0109】一方、所望とするサテライト機と直接通信
できない場合は(フラグ≠0)、サテライト登録リスト
に示されたフラグに対応する中継局候補リスト(図1
2)または多段中継局リスト(図13)のテーブルをみ
て、中継局となるサテライト機を得る。多段中継局リス
ト(図13)のテーブルに複数の中継局候補が登録され
ている場合、その中の1台を選択(後述するように固定
中継局情報フィールドに固定局が登録されている場合は
その固定局を中継局とし、また、通信回数、エラー回
数、および重みの情報に基づいて最適な中継局を選択)
する。そして、図34または図35のパケットのIDフ
ィールドにおける送信元および始発局のフィールドに何
れも自機(マスタ機)の端末IDを設定し、最終局フィ
ールドに通信相手先のサテライト機の端末IDを設定
し、送信先フィールドに選択した中継局(多段の場合は
1段目の中継局)の端末IDを設定し、中継情報フィー
ルドには各中継局の端末IDを中継順とは逆の順番で設
定する。そして、このようして生成したIDフィールド
にデータを付加したパケットを送信する。
【0110】また、複数の中継局候補が存在する場合、
その中から選択したPOS端末への送信に失敗(例え
ば、該POS端末の付近に荷物、人等の電波障害物が存
在する等による)した場合、必要によって他の中継局候
補を選択して別ルートでパケット送信する。
【0111】上記のパケットの受信処理および中継側の
動作を、図36のフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0112】パケット受信待ちのときに受信したパケッ
ト内に設定されている送信先IDが自機の端末IDの場
合は、該パケットを受信する(S51)。そして、該パ
ケットのIDフィールドをみて、送信先フィールドと最
終局フィールドとの端末IDが一致しているか否かを判
断し(S52)、一致していれば自機宛のパケットと認
識し、自機内での処理を行う(S53)。
【0113】最終局が自機内でパケットの処理を行う場
合、パケットの中継情報フィールドから中継局の端末I
Dを取り出して保存しておく。取り出した中継局の端末
IDを逆に並びかえれば、最終局からマスタ機へ元の中
継局を逆行しながらパケットを伝搬する中継経路がわか
る。したがって、該最終局がマスタ機へデータを送信す
る必要がある場合、保存しておいた中継局の端末IDに
基づいて、上記と同様にしてパケットを生成して送出す
る。
【0114】また、上記のS52において、送信先ID
と最終局IDとが一致していない場合は、受信したパケ
ットが中継依頼(転送要求)のパケットであると認識
し、中継情報フィールドに設定された送信先ID(=自
機の端末ID)の次の(1つ前の)端末IDを転送先の
端末IDとして、中継情報フィールドまたは最終局フィ
ールドから取り出す(S54)。
【0115】次に、転送先へ送信するためのパケットを
作成する。すなわち、受信したパケットの送信先フィー
ルドの内容を送信元フィールドに設定(換言すれば、送
信元フィールドに自機の端末IDを設定)する(S5
5)。また、受信したパケットの送信先フィールドに転
送先の端末IDを設定する(S56)。その後、パケッ
トを送信し(S57)、転送(中継)を終了する。
【0116】ところで、多段の中継をすることにより通
信領域の拡大が可能であるが、中継段数が多くなると、
パケットのヘッダ部の長さが長くなることとも相まっ
て、通信効率が悪くなるのは否めない。そこで、中継の
段数を1段のみに限定し、図37に示すような一局中継
用のパケット構成としてデータ長の短縮を図ることによ
って、効率的な通信が可能となる。
【0117】上記の一局中継用パケットは、上述のパケ
ット(図34または図35)から中継情報フィールドを
取り除いた、送信先、送信元、始発局、最終局の各フィ
ールドからなるヘッダ部を有している。ここで、送信先
と送信元とは、上記と同様に物理的に1対1の通信関係
を示すものであるが、この場合は中継局のIDフィール
ドとしても使用する。送信先フィールドにはパケットを
送出する相手の端末IDが設定される。送信先フィール
ドにはパケットを送出する側の端末IDが設定される。
始発局フィールドには情報データの送り手の端末ID、
最終局フィールドには該情報データの受け手の端末ID
がそれぞれ設定される。
【0118】尚、上記の一局中継用パケットと前記の図
34または図35のパケットとは同一システム内では混
在することはない。したがって、一局中継用パケットを
用いた通信を行う場合、予め多段中継が可能な通信モー
ドとは別の通信モードに設定されることになる。また、
この場合、多段中継が行われないので、多段中継局リス
ト(図13)を作成する必要はない。
【0119】マスタ機が、上記の一局中継用パケットを
用いて直接通信可能なサテライト機へデータを送信する
場合、図37のパケットのIDフィールドにおける送信
元および始発局のフィールドに何れも自機(マスタ機)
の端末IDを設定すると共に、送信先および最終局のフ
ィールドに何れも通信相手先のサテライト機の端末ID
を設定したパケットを送信する。一方、所望とするサテ
ライト機と直接通信できない場合は、図37のパケット
のIDフィールドにおける送信元および始発局のフィー
ルドに何れも自機(マスタ機)の端末IDを設定し、最
終局フィールドに通信相手先のサテライト機の端末ID
を設定し、送信先フィールドにサテライト登録リストか
ら選択した中継局の端末IDを設定したパケットを送信
する。
【0120】上記の一局中継用パケットを用いた場合に
おけるPOS端末のパケットの受信処理および中継側の
動作を、図38のフローチャートを参照しながら以下に
説明する。
【0121】パケット内に設定されている送信先IDが
自機の端末IDであるパケットを受信すると(S6
1)、該パケットのIDフィールドをみて、送信先フィ
ールドと最終局フィールドとの端末IDが一致している
か否かを判断し(S62)、一致していれば自機宛のパ
ケットと認識し、自機内での処理を行う(S63)。こ
のとき、送信先フィールドの内容を保存しておく。これ
は、一段のみの中継を行うシステムにおいては、該送信
先フィールドに設定されている端末が中継局となるから
である。したがって、このPOS端末がマスタ機へデー
タを返信する必要がある場合、保存しておいた中継局の
端末IDに基づいて、上記と同様にしてパケットを生成
して送出する。ただし、受信したパケット内の送信元お
よび始発局のフィールドに同一の端末IDが設定されて
いる場合、中継局は存在しないと判断できるので、この
場合は中継局IDの保存は必要ない。
【0122】また、上記のS62において、送信先ID
と最終局IDとが一致していない場合は、受信したパケ
ットが中継依頼(転送要求)のパケットであると認識
し、最終局フィールドに設定された端末IDを転送先の
端末IDとして取得する(S64)。次に、受信したパ
ケットの送信先フィールドの内容を送信元フィールドに
設定(換言すれば、送信元フィールドに自機の端末ID
を設定)する(S65)。また、受信したパケットの送
信先フィールドに、先に取得した転送先の端末IDを設
定する(S66)。この場合は、自機が中継局であり、
転送先は最終局となる。その後、パケットを送信し(S
67)、転送(中継)を終了する。
【0123】POS端末の通信距離や閉領域の広さ(店
舗規模)等から考えて、一般的には1段の中継のみでシ
ステムを構築することが多いと考えられる。そこで、こ
の場合、上記のような経済的なパケット構造として通信
効率を高めることは非常に有効と考えられる。
【0124】尚、本実施例においては、図36または図
38に示す処理プログラムを実行するCPU1により、
特許請求の範囲に記載のパケット中継手段が達成され
る。
【0125】ところで、前述のように、通信の環境は、
人の動き、商品の量、店内のレイアウトの変更等(すな
わち、電波障害物の増減・位置変化)によって時間的・
空間的に変化をする。また、中継を行うPOS端末にお
いては、中継局としての使用頻度による通信パフォーマ
ンスの低下(混み具合)が起こる。さらには、POS端
末の故障などの事態にも遭遇することがある。これらを
含めた通信環境の変化に対応し、複数の中継局候補端末
が存在するときにその中から常に最良の中継局を選択す
るためには、各POS端末の通信状況を把握する必要が
ある。そこで、本実施例では、マスタ機が、中継局とな
ったPOS端末について、通信時の失敗、成功にかかわ
る通信成績を記録し、これを中継局選定の判断材料とす
る。
【0126】また、システム内に中継局としてできるだ
け使用したくないようなPOS端末が存在する場合にも
対応できるように、本実施例では、中継局候補に対して
通信に対する関与度合としての重み付けを可能としてい
る。例えば、通信以外の処理についての使用頻度の高い
POS端末においては、中継による通信負荷が大きいと
CPUの負荷が多大になり、POS端末本来の処理能力
の低下を来たしかねない。そこで、このようなPOS端
末に対しては、重み付けによって他の中継局候補よりも
中継局になり難くし(必要によっては中継局候補から除
外し)、該POS端末本来の処理能力が中継通信処理に
よって低下しないようにすることができる。
【0127】すなわち、本実施例では、複数の中継局候
補端末が存在する場合の中継局選定の条件要素として、
通信回数、通信エラー回数、およびPOS端末の負荷を
考慮した重み係数(以下、単に重みと称する)の3つが
与えられている。次に、これらの条件要素に基づく中継
局の適正化を、図39に示すマスタ機のパケット送信処
理のフローチャートを用いて説明する。
【0128】マスタ機は、パケットデータを生成した後
(S71)、中継局を決定するにあたり、中継局候補リ
スト(図12)の所定のテーブルの第1〜第n中継局情
報フィールド中の通信回数、エラー回数、および重みの
情報から最適な中継局を選択する(S72)。このS7
2の処理の詳細な説明は後述する。また、後述するよう
に、中継局候補リストの固定中継局情報フィールドに固
定局の指定がある場合は、指定された端末を中継局とし
て使用する。
【0129】次に、パケットのIDフィールドに、選択
した中継局の端末IDを設定する(S73)。また、I
Dフィールドの他の各フィールドにも必要な端末IDを
上述の通りに設定し、パケットを送出する(S74)。
【0130】この後、所定時間以内に中継局から受信完
了信号(ACK)を受信したか否かによって、該中継局
への送信が正常か否かを判断し(S75)、これが正常
であれば、中継局候補リスト(図12)中における使用
した中継局の通信回数の値を1だけカウントアップする
(S76)。
【0131】一方、中継局との通信が正常にできなかっ
た場合(S75においてNO)、中継局候補リスト(図
12)中における上記中継局のエラー回数の値を1だけ
カウントアップする(S77)。そして、その後、中継
局として次候補端末を選択できるか否かを判断する(S
78)。S78の判断では、固定局の指定がなく、且
つ、中継局の次候補が存在し、且つ、中継の代替え機を
使用するように予め設定されている場合に次候補端末が
選択可能と判断し、S72に戻って交信に失敗した上記
の中継局以外の中継局を選択する。尚、中継局との通信
に一度失敗してもリトライ送信するか、他の中継局を使
用するか、また、何台まで他の中継局を使用できるか
は、オペレータが予め条件設定しておく。
【0132】例えば、固定局の指定がある、中継局の次
候補が存在しない、他の中継局を選択したが送信に失敗
した等の理由により、S78において次候補端末を選択
できないと判断した場合、通信エラーが発生したとし
て、上位プログラムに通信エラーの告知をする(S7
9)。
【0133】尚、本実施例においては、上記のS74〜
S77のプログラムを実行するCPU1により、特許請
求の範囲に記載の通信成績記録手段が達成される。
【0134】ここで、上記S72の中継局の選択処理を
説明する。この処理では、次の〜によって中継局を
選択する。
【0135】中継局候補リスト(図12)の固定中継
局情報フィールドに固定局の登録がある場合は、それを
中継局として優先的に使用する。尚、上記固定中継局情
報フィールドに固定局の登録がない場合は、第1〜第n
中継局情報フィールドに設定されているPOS端末から
選定することになる。したがって、固定局を使用する否
かは、固定中継局情報フィールドに中継情報が設定され
ているか否かで決定される。固定局は中継局群の1つで
あるため、該固定局は中継局群の中から選定される。固
定局が設定されなければ、固定中継局情報フィールドは
空白の状態である。
【0136】固定局の設定がない場合、各中継局候補
の通信エラーの発生率(以下、通信エラー率と称する)
から中継局を選択する。
【0137】ここで、端末nの通信エラー率は、下式
(1)にて示される。 通信エラー率=En ×Wn /Nn ・・・(1) Nn :端末nの通信回数 En :端末nの通信エラー回数 Wn :端末nの重み この式(1)中で、重みWn は通信エラー率の補正係数
(ここでは、通信エラー回数En の倍率)として働く。
マスタ機は、中継局候補リストに登録されている各中継
局候補の通信エラー率を順次演算し、最も通信エラー率
が低い端末を中継局として選択する。
【0138】他の端末に比べて重みWn を大きな値に設
定した端末は、中継局として非常に選択され難くなる
が、一定以上の重みが設定された端末に対しては、中継
局として使用しないようにしてもよい。
【0139】尚、通信エラー率は、一般に、En /Nn
で定義される。通信エラー率をEn/Nn として重みW
n による補正を行う場合は式(1)の通りである。
【0140】上記の通信エラー率が同じ場合、通信回
数から中継局を選択する。
【0141】ここで、通信回数の比較を行う際、比較対
象の各中継局候補の通信回数と重みとの積(Nn ×
n )を演算し、最も通信回数が少ない端末を中継局と
して選択する。
【0142】上記の通信回数も同じ場合は、図2の端
末リストへの登録順に中継局を選択する。
【0143】上記のように、本実施例のマスタ機は、通
信環境の変化に対応した学習機能を備え、常に、最適な
中継局を選定できる機能を持つ。
【0144】上記の中継局の選択に関し、上記を最優
先条件としたのは、上記の学習機能によって中継局があ
まり変動すると困る場合も考えられ、予め中継候補の中
から固定した中継局を選び出せるようにするためであ
る。これにより、自動的に中継局が選択されるのではな
く、店内の通信環境の変化よりも、使用者の意思を優先
させることができる。一例として、ある日時よりメンテ
ナンスのために特定の一台のPOS端末をシステムから
切り離す予定がある場合を考えると、もし中継局の選定
が動的であると、システムからの切り離しを予定してい
るPOS端末についてはシステム運用中に切り離しが難
しく、通信上の効率に影響を及ぼすことにもなるが、中
継局を固定的に指定すれば、このような事態は回避でき
る。
【0145】上記の固定局の設定は、オペレータがマス
タ機のPOSキーボード20(図5)を操作して行う。
また、前述の重みの設定も同様である。固定局や重みの
設定の際、オペレータがマスタ機のPOSキーボード2
0を操作すれば、マスタ機と各サテライト機との間の通
信に必要な端末局候補を表示部21(図5)に表示させ
ることができる。
【0146】尚、上記の実施例では、マスタ機がポーリ
ングによって各サテライト機と通信を行いながら集中管
理を行うPOSシステムを例に挙げて説明したため、マ
スタ機だけが端末リスト(図2)、サテライト登録リス
ト(図11)、中継局候補リスト(図12)、および多
段中継局リスト(図13)を有する構成となっている
が、これに限定されるものではない。一例として、ある
商品の情報はあるPOS端末が管理し、他の商品の情報
は他のPOS端末が管理するというように、管理を行う
POS端末を分散させたシステムを構築する場合は、管
理を行うPOS端末が各々端末リスト、サテライト登録
リスト、中継局候補リスト、および多段中継局リストを
有する構成とする。
【0147】すなわち、マスタ機を中心に考えたのと同
様に、他のPOS端末を中心に考えて中継局を決定する
上記のルールを各POS端末にも適用することができ、
これにより、全てのPOS端末同士で中継を利用した通
信が可能となる。この場合、システム内の特定の端末が
キー局(POSシステムでは通常はマスタ機がキー局と
なるが、他の端末でも構わない)となってシステム内で
交信相関テーブルを作成し、その交信相関テーブルをシ
ステム内の各端末に伝搬し、各端末が交信相関テーブル
に基づいて自機を中心とした中継局を選定することにな
る。
【0148】また、無線ハンディターミナル(HT)を
使用する場合においても、店内における検品処理等の作
業でHTが移動中にマスタ機と交信する場合、HTに近
い距離でマスタ機と交信できる端末を知ることができ
る。
【0149】以上のように、本実施例に係る無線LAN
通信システムは、システム内の各端末が、通常の通信モ
ードになる前に、自己端末からその他の各端末へ応答要
求パケットを送信し、応答要求パケットを送信した端末
から応答パケットが返信されたか否かによって、直接的
な交信が可能か否かを個々の端末毎に調べ、システム内
の各端末が行った上記の調査結果を1つにまとめて、シ
ステムに属する全ての端末同士の直接的な交信の可否を
示す交信相関テーブルをシステム内で作成し、また、デ
ータの発信元である始発局となり得る端末(マスタ機)
は、自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行
うために必要な中継局となり得る中継局候補端末を上記
の交信相関テーブルに基づいて選び出して交信可否リス
ト、中継局候補リスト、多段中継局リストを作成し、自
己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行う場
合、中継局候補リストまたは多段中継局リストから1つ
の端末を中継局として選定してその端末にパケットを送
信し、そして、システム内の各端末は、受信したパケッ
トが転送要求のパケットか否かを判断し、転送要求のパ
ケットを受信した場合にパケット内に示されている転送
先へパケットを転送する構成である。
【0150】このように、システム内の端末自体が持つ
無線通信機能を利用し、システム内の端末自体を中継局
とすることにより、専用の電波中継用装置を必要とせず
に通信領域を拡大することができる。また、ある端末が
故障をした場合でも、システム内の他の端末を中継局と
して利用することも可能であり、専用の電波中継用装置
を用いる場合のように、代替機の準備も不要である。ま
た、システム内で同一のハードウェア(端末)を使用す
るので、別々のメンテナンスが不要である。
【0151】尚、特開平4−235652号公報には、
1または複数の経由ノードを介して発信ノードから受信
ノードへ開局要求パケットを送信する、通信線を媒体と
した通信システムが開示されている。この公報に記載の
通信システムはセキュリティの確保を目的としたもので
あり、着信先アドレス、発信元アドレス、オプション
(先行ノードカウンタ、先行ノードアドレス)からなる
開局要求パケット内の経由ID情報(ノードアドレス)
をもとに経由ノード情報テーブルを作成し、これを受信
ノード内に既に設定してあるアクセス許可リストと照合
し、登録されていないノードアドレスが1つでもある場
合には不正なパケットとして着信拒否を行い、経由ノー
ドの全ID情報が照合されたならば仮想端末の開局を許
可するものである。この通信システムでは、通信線で相
互接続されたシステム内の全てのノードは、無線通信の
ような電波障害が起こらないため相互に通信可能になっ
ており、本実施例のように通信システムの中で中継局と
なりうる端末を発見するという概念はない。したがっ
て、発信局において中継局を決定し、中継ルートを確定
してパケットを送出する本実施例の構成とは全く異なる
ものである。
【0152】上記実施例では、本発明の無線LAN通信
システムをPOSシステムに適用した例を示したが、コ
ンピュータのLAN等にも本発明の無線LAN通信シス
テムを適用できる。上記実施例は、あくまでも、本発明
の技術内容を明らかにするものであって、そのような具
体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではな
く、本発明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろと変
更して実施することができるものである。
【0153】
【発明の効果】請求項1の発明に係る無線LAN通信シ
ステムは、以上のように、システム内の各端末が、通常
の通信モードになる前に、自己端末からその他の各端末
へ応答要求信号を送信し、応答要求信号を送信した端末
から応答信号が返信されたか否かによって、直接的な交
信が可能か否かを個々の端末毎に調べる直接交信可否調
査手段を備え、システム内の各端末が行った上記の調査
結果を1つにまとめて、システムに属する全ての端末同
士の直接的な交信の可否を示す交信相関テーブルをシス
テム内で作成し、また、データの発信元である始発局と
なり得る端末は、自己端末と直接的な交信が出来ない端
末と通信を行うために必要な中継局となり得る少なくと
も1つの中継局候補端末を、上記の交信相関テーブルに
基づいて選び出す中継局候補端末選択手段を備え、自己
端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行う場合、
該中継局候補端末選択手段にて選択された中継局候補端
末の中の1つの端末を中継局として選定してその端末に
転送先を示した転送要求のパケットを送信し、そして、
システム内の各端末は、受信したパケットが転送要求の
パケットか否かを判断し、転送要求のパケットを受信し
た場合にパケット内に示されている転送先へパケットを
転送するパケット中継手段を備えており、データの発信
元である始発局となり得る端末は、上記中継局候補端末
選択手段が選択した中継局候補端末に転送要求のパケッ
トを送信する毎に、当該中継局候補端末から受信完了信
号が返信されたか否かによって通信エラーの有無を判断
し、各中継局候補端末との間の通信回数および通信エラ
ーの発生回数を個々の中継局候補端末毎に記録する通信
成績記録手段と、自己端末と直接的な交信が出来ない端
末と通信を行う際に複数の中継局候補端末が存在する場
合、それらの中継局候補端末の通信回数および通信エラ
ー回数から通信エラーの発生率を求め、最も通信エラー
の発生率が少ない中継局候補端末を中継局として選定す
る中継局選定手段と、各中継局候補端末に対して、中継
局としての選択され難さを表す重み係数を予め設定でき
る重み係数設定手段とを備え、上記中継局選定手段は、
複数の中継局候補端末の中から1つの中継局候補端末を
中継局として選定する際、それらの中継局候補端末の通
信エラーの発生率を重み係数によって補正し、補正後の
各中継 局候補端末の通信エラーの発生率を比較して中継
局を選定する構成である。また、請求項2の発明に係る
無線LAN通信システムは、以上のように、システム内
の各端末が、通常の通信モードになる前に、自己端末か
らその他の各端末へ応答要求信号を送信し、応答要求信
号を送信した端末から応答信号が返信されたか否かによ
って、直接的な交信が可能か否かを個々の端末毎に調べ
る直接交信可否調査手段を備え、システム内の各端末が
行った上記の調査結果を1つにまとめて、システムに属
する全ての端末同士の直接的な交信の可否を示す交信相
関テーブルをシステム内で作成し、また、データの発信
元である始発局となり得る端末は、自己端末と直接的な
交信が出来ない端末と通信を行うために必要な中継局と
なり得る少なくとも1つの中継局候補端末を、上記の交
信相関テーブルに基づいて選び出す中継局候補端末選択
手段を備え、自己端末と直接的な交信が出来ない端末と
通信を行う場合、該中継局候補端末選択手段にて選択さ
れた中継局候補端末の中の1つの端末を中継局として選
定してその端末に転送先を示した転送要求のパケットを
送信し、そして、システム内の各端末は、受信したパケ
ットが転送要求のパケットか否かを判断し、転送要求の
パケットを受信した場合にパケット内に示されている転
送先へパケットを転送するパケット中継手段を備えてお
り、データの発信元である始発局となり得る端末は、上
記中継局候補端末選択手段が選択した中継局候補端末に
転送要求のパケットを送信する毎に、当該中継局候補端
末から受信完了信号が返信されたか否かによって通信エ
ラーの有無を判断し、各中継局候補端末との間の通信回
数および通信エラーの発生回数を個々の中継局候補端末
毎に記録する通信成績記録手段と、自己端末と直接的な
交信が出来ない端末と通信を行う際に複数の中継局候補
端末が存在する場合、それらの中継局候補端末の通信回
数および通信エラー回数から通信エラーの発生率を求
め、最も通信エラーの発生率が少ない中継局候補端末を
中継局として選定する中継局選定手段と、自己端末と直
接的な交信が出来ない端末との通信経路として選択可能
な複数の中継局候補端末を介した複数の中継経路が存在
する場合に上記の複数の中継局候補端末の中の特定の中
継局候補端末を予め固定中継局として設定できる固定中
継局設定手段とを備え、上記中継局選定手段は、複数の
中継局候補端末の中から1つの中継局候補端末を中継局
として選定する際に固定中継局が設定されて いる場合に
は、該固定中継局として設定されている端末のみを中継
局に選定する構成である。
【0154】それゆえ、請求項1または2の発明に係る
無線LAN通信システムは、システム内の端末自体が持
つ無線通信機能を利用し、システム内の端末自体を中継
局とすることにより、専用の電波中継用装置を必要とせ
ずに通信領域を拡大することができる。また、中継を要
する場合、始発局となる端末は、交信相関テーブルに基
づいて中継局候補端末を容易に選び出せるという効果を
奏する。また、通信環境の変化に対応した学習機能によ
り、通信エラーの発生率の低い最適な中継局を選定でき
るという効果を併せて奏する。 さらに、請求項1の発明
に係る無線LAN通信システムは、上記効果に加えて、
通信以外の処理についての使用頻度の高い端末において
は、重み付けによって他の中継局候補よりも中継局にな
り難くし、端末本来の処理能力が中継通信処理によって
低下しないようにできるという効果を併せて奏する。
らに、請求項2の発明に係る無線LAN通信システム
は、上記効果に加えて、学習機能によって中継局が変動
すると困る場合には、通信環境の変化よりも、使用者の
意思を優先させて、中継局候補の中から固定した中継局
を選び出せるようにできる。したがって、上記請求項1
の発明の効果、および請求項4または5の発明の効果に
加えて、メンテナンス等のために特定の端末をシステム
から切り離す場合等、必要な場合には中継局を固定的に
指定し、システムの運用に支障がでないようにすること
ができるという効果を併せて奏する。
【0155】請求項の発明に係る無線LAN通信シス
テムは、以上のように、上記請求項1または2の発明の
構成において、システム内の通信に使用されるパケット
のヘッダ部は、該パケットを実際に受信する端末の端末
IDが設定される送信先フィールドと、該パケットを実
際に送出する端末の端末IDが設定される送信元フィー
ルドと、該パケットに含まれるデータの発信元である始
発局の端末IDが設定される始発局フィールドと、該パ
ケットに含まれるデータを最終的に受け取る最終局の端
末IDが設定される最終局フィールドと、始発局から最
終局までの途中の中継経路を示す少なくとも1つの中継
局の端末IDが設定できる中継情報フィールドから構成
され、上記パケット中継手段は、受信したパケットの送
信先フィールドと最終局フィールドとの端末IDが一致
していない場合に、該パケットが転送要求のパケットで
あると判断し、該パケットの中継情報フィールドの情報
に基づいて転送先の端末IDを取得し、その転送先へパ
ケットを転送する構成である。
【0156】それゆえ、上記請求項1または2の発明の
効果に加えて、上記構成のパケットを用いた中継によ
り、多数の中継局を利用しながら通信領域を格段に広げ
ることができ、また、複雑な電波障害物を避けた中継経
路も確保できるという効果を併せて奏する。
【0157】請求項の発明に係る無線LAN通信シス
テムは、以上のように、上記請求項1または2の発明の
構成において、システム内の通信に使用されるパケット
のヘッダ部は、該パケットを実際に受信する端末の端末
IDが設定される送信先フィールドと、該パケットを実
際に送出する端末の端末IDが設定される送信元フィー
ルドと、該パケットに含まれるデータの発信元である始
発局の端末IDが設定される始発局フィールドと、該パ
ケットに含まれるデータを最終的に受け取る最終局の端
末IDが設定される最終局フィールドとから構成され、
上記パケット中継手段は、受信したパケットの送信先フ
ィールドと最終局フィールドとの端末IDが一致してい
ない場合に、該パケットが転送要求のパケットであると
判断し、該パケットの最終局フィールドの端末IDを転
送先の端末IDとして取得し、その転送先へパケットを
転送する構成である。
【0158】それゆえ、上記請求項1または2の発明の
効果に加えて、1段のみの中継に限定してシステムを運
用する場合、中継情報フィールドを必要としない経済的
な構成のパケットを用いた中継により、効率的な通信が
行えるという効果を併せて奏する。
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、本発明の
無線LAN通信システムを適用したPOSシステム内で
作成された交信相関テーブルを示す説明図である。
【図2】上記POSシステムに属するPOS端末が登録
された端末リストを示す説明図である。
【図3】上記POSシステムの各POS端末が作成する
交信可否リストを示す説明図である。
【図4】上記POSシステムが交信可否リスト作成モー
ドのときにパケットに付加され、データ伝達経路を表す
端末リンク表を示す説明図である。
【図5】上記POS端末の外観を示す斜視図である。
【図6】上記POS端末の内部構成を示すブロック図で
ある。
【図7】上記POSシステムが交信相関テーブル作成モ
ードのときのマスタ機の動作を示すフローチャートであ
る。
【図8】上記POSシステムが交信相関テーブル作成モ
ードのときにPOS端末が実行する交信可否リスト作成
ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】上記POSシステムが交信相関テーブル作成モ
ードのときのサテライト機の動作を示すフローチャート
である。
【図10】上記POSシステムが交信相関テーブル作成
モードのときに用いられるパケットの構成を示す説明図
である。
【図11】サテライト機がマスタ機と直接通信可能か否
かを表すサテライト登録リストを示す説明図である。
【図12】1段中継の中継局候補を列挙した中継局候補
リストを示す説明図である。
【図13】多段中継の中継局を直列的に列挙した多段中
継局リストを示す説明図である。
【図14】単純型の中継パターンを示す説明図である。
【図15】複経路型の中継パターンを示す説明図であ
る。
【図16】多分岐型の中継パターンを示す説明図であ
る。
【図17】多段型の中継パターンを示す説明図である。
【図18】図14の単純型の中継パターンを各POS端
末の通信距離によって説明する説明図である。
【図19】図15の複経路型の中継パターンを各POS
端末の通信距離によって説明する説明図である。
【図20】図17の多段型の中継パターンを各POS端
末の通信距離によって説明する説明図である。
【図21】複経路型の中継パターンを有するPOSシス
テムの一例を各POS端末の通信距離によって示した説
明図である。
【図22】図21に示すPOSシステム内で作成された
交信相関テーブルを示す説明図である。
【図23】図22に示す交信相関テーブルより導き出さ
れるマスタ機Aをベースとする論理積表を示す説明図で
ある。
【図24】多分岐型の中継パターンを有するPOSシス
テムの一例を各POS端末の通信距離によって示した説
明図である。
【図25】図24に示すPOSシステム内で作成された
交信相関テーブルを示す説明図である。
【図26】図25に示す交信相関テーブルより導き出さ
れるマスタ機Aをベースとする論理積表を示す説明図で
ある。
【図27】図26のマスタ機Aをベースとする論理積表
を対象として、マスタ機Aと直接通信できるサテライト
機Bをベースとする論理積表を示す説明図である。
【図28】図26のマスタ機Aをベースとする論理積表
を対象として、マスタ機Aと直接通信できるサテライト
機Cをベースとする論理積表を示す説明図である。
【図29】図26のマスタ機Aをベースとする論理積表
を対象として、マスタ機Aと直接通信できるサテライト
機Fをベースとする論理積表を示す説明図である。
【図30】多段型の中継パターンを有するPOSシステ
ムの一例を各POS端末の通信距離によって示した説明
図である。
【図31】図30に示すPOSシステム内で作成された
交信相関テーブルを示す説明図である。
【図32】図31に示す交信相関テーブルより導き出さ
れるマスタ機Aをベースとする論理積表を示す説明図で
ある。
【図33】図31に示す交信相関テーブルより導き出さ
れるサテライト機Cをベースとする論理積表を示す説明
図である。
【図34】POSシステムが通信モードのときに用いら
れるパケットの構成を示す説明図である。
【図35】POSシステムが通信モードのときに用いら
れるパケットのその他の構成を示す説明図である。
【図36】図34または図35のパケットを用いた通信
において、サテライト機がパケットを受信したときの処
理を示すフローチャートである。
【図37】POSシステム内の中継の段数を1段のみに
限定した場合に用いられる一局中継用のパケットの構成
を示す説明図である。
【図38】図37の一局中継用のパケットを用いた通信
において、サテライト機がパケットを受信したときの処
理を示すフローチャートである。
【図39】中継局の適正化機能を備えたマスタ機のパケ
ット送信処理を示すフローチャートである。
【図40】従来の有線LANシステムの概略構成を示す
ブロック図である。
【図41】従来の無線通信システムの一例を示すブロッ
ク図である。
【図42】従来の無線通信システムのその他の例を示す
ブロック図である。
【図43】従来の無線通信に用いられる一般的なパケッ
ト構成を示す説明図である。
【図44】従来の無線通信システムにおける電波到達距
離および障害物による通信不能状態の発生状況を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 6 画面コントローラ 7 POSキーボードコントローラ 13 通信制御用コントローラ 14 アンテナ部 20 POSキーボード 21 表示部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無線通信手段を備えた複数の端末からなる
    無線ローカルエリアネットワーク通信システムにおい
    て、 システム内の各端末は、通常の通信モードになる前に、
    自己端末からその他の各端末へ応答要求信号を送信し、
    応答要求信号を送信した端末から応答信号が返信された
    か否かによって、直接的な交信が可能か否かを個々の端
    末毎に調べる直接交信可否調査手段を備え、 システム内の各端末が行った上記の調査結果を1つにま
    とめて、システムに属する全ての端末同士の直接的な交
    信の可否を示す交信相関テーブルをシステム内で作成
    し、 データの発信元である始発局となり得る端末は、自己端
    末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行うために必
    要な中継局となり得る少なくとも1つの中継局候補端末
    を、上記の交信相関テーブルに基づいて選び出す中継局
    候補端末選択手段を備え、自己端末と直接的な交信が出
    来ない端末と通信を行う場合、該中継局候補端末選択手
    段にて選択された中継局候補端末の中の1つの端末を中
    継局として選定してその端末に転送先を示した転送要求
    のパケットを送信し、 システム内の各端末は、受信したパケットが転送要求の
    パケットか否かを判断し、転送要求のパケットを受信し
    た場合にパケット内に示されている転送先へパケットを
    転送するパケット中継手段を備えており、 データの発信元である始発局となり得る端末は、 上記中継局候補端末選択手段が選択した中継局候補端末
    に転送要求のパケットを送信する毎に、当該中継局候補
    端末から受信完了信号が返信されたか否かによって通信
    エラーの有無を判断し、各中継局候補端末との間の通信
    回数および通信エラーの発生回数を個々の中継局候補端
    末毎に記録する通信成績記録手段と、 自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行う際
    に複数の中継局候補端末が存在する場合、それらの中継
    局候補端末の通信回数および通信エラー回数から通信エ
    ラーの発生率を求め、最も通信エラーの発生率が少ない
    中継局候補端末を中継局として選定する中継局選定手段
    と、 各中継局候補端末に対して、中継局としての選択され難
    さを表す重み係数を予め設定できる重み係数設定手段と
    を備え、 上記中継局選定手段は、複数の中継局候補端末の中から
    1つの中継局候補端末を中継局として選定する際、それ
    らの中継局候補端末の通信エラーの発生率を重み係数に
    よって補正し、補正後の各中継局候補端末の通信エラー
    の発生率を比較して中継局を選定することを特徴とする
    無線ローカルエリアネットワーク通信システム。
  2. 【請求項2】無線通信手段を備えた複数の端末からなる
    無線ローカルエリアネットワーク通信システムにおい
    て、 システム内の各端末は、通常の通信モードになる前に、
    自己端末からその他の各端末へ応答要求信号を送信し、
    応答要求信号を送信した端末から応答信号が返信された
    か否かによって、直接的な交信が可能か否かを個々の端
    末毎に調べる直接交信可否調査手段を備え、 システム内の各端末が行った上記の調査結果を1つにま
    とめて、システムに属する全ての端末同士の直接的な交
    信の可否を示す交信相関テーブルをシステム内で作成
    し、 データの発信元である始発局となり得る端末は、自己端
    末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行うために必
    要な中継局となり得る少なくとも1つの中継局候補端末
    を、上記の交信相関テーブルに基づいて選び出す中継局
    候補端末選択手段を備え、自己端末と直接的な交信が出
    来ない端末と通信を行う場合、該中継局候補端末選択手
    段にて選択された中継局候補端末の中の1つの端末を中
    継局として選定してその端末に転送先を示した転送要求
    のパケットを送信し、 システム内の各端末は、受信したパケットが転送要求の
    パケットか否かを判断し、転送要求のパケットを受信し
    た場合にパケット内に示されている転送先へパケットを
    転送するパケット中継手段を備えており、 データの発信元である始発局となり得る端末は、 上記中継局候補端末選択手段が選択した中継局候補端末
    に転送要求のパケットを送信する毎に、当該中継局候補
    端末から受信完了信号が返信されたか否かによ って通信
    エラーの有無を判断し、各中継局候補端末との間の通信
    回数および通信エラーの発生回数を個々の中継局候補端
    末毎に記録する通信成績記録手段と、 自己端末と直接的な交信が出来ない端末と通信を行う際
    に複数の中継局候補端末が存在する場合、それらの中継
    局候補端末の通信回数および通信エラー回数から通信エ
    ラーの発生率を求め、最も通信エラーの発生率が少ない
    中継局候補端末を中継局として選定する中継局選定手段
    と、 自己端末と直接的な交信が出来ない端末との通信経路と
    して選択可能な複数の中継局候補端末を介した複数の中
    継経路が存在する場合に上記の複数の中継局候補端末の
    中の特定の中継局候補端末を予め固定中継局として設定
    できる固定中継局設定手段とを備え、 上記中継局選定手段は、複数の中継局候補端末の中から
    1つの中継局候補端末を中継局として選定する際に固定
    中継局が設定されている場合には、該固定中継局として
    設定されている端末のみを中継局に選定することを特徴
    とする無線ローカルエリアネットワーク通信システム。
  3. 【請求項3】システム内の通信に使用されるパケットの
    ヘッダ部は、該パケットを実際に受信する端末の端末I
    Dが設定される送信先フィールドと、該パケットを実際
    に送出する端末の端末IDが設定される送信元フィール
    ドと、該パケットに含まれるデータの発信元である始発
    局の端末IDが設定される始発局フィールドと、該パケ
    ットに含まれるデータを最終的に受け取る最終局の端末
    IDが設定される最終局フィールドと、始発局から最終
    局までの途中の中継経路を示す少なくとも1つの中継局
    の端末IDが設定できる中継情報フィールドから構成さ
    れ、 上記パケット中継手段は、受信したパケットの送信先フ
    ィールドと最終局フィールドとの端末IDが一致してい
    ない場合に、該パケットが転送要求のパケットであると
    判断し、該パケットの中継情報フィールドの情報に基づ
    いて転送先の端末IDを取得し、その転送先へパケット
    を転送することを特徴とする請求項1または2に記載の
    無線ローカルエリアネットワーク通信システム。
  4. 【請求項4】システム内の通信に使用されるパケットの
    ヘッダ部は、該パケットを実際に受 信する端末の端末I
    Dが設定される送信先フィールドと、該パケットを実際
    に送出する端末の端末IDが設定される送信元フィール
    ドと、該パケットに含まれるデータの発信元である始発
    局の端末IDが設定される始発局フィールドと、該パケ
    ットに含まれるデータを最終的に受け取る最終局の端末
    IDが設定される最終局フィールドとから構成され、 上記パケット中継手段は、受信したパケットの送信先フ
    ィールドと最終局フィールドとの端末IDが一致してい
    ない場合に、該パケットが転送要求のパケットであると
    判断し、該パケットの最終局フィールドの端末IDを転
    送先の端末IDとして取得し、その転送先へパケットを
    転送することを特徴とする請求項1または2に記載の無
    線ローカルエリアネットワーク通信システム。
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