JP3221508B2 - 染色された交編編地とその製法 - Google Patents
染色された交編編地とその製法Info
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Description
の製法に関する。さらに詳しくはポリウレタン系弾性繊
維とポリアミド系繊維および/またはポリエステル系繊
維を含む染色された交編編地の耐塩素変褪色性向上に関
し、該交編編地に本文中に示す方法により測定した塩素
の反応量が50ミリ当量/g以上である物質の少なくと
も1種以上を繊維重量に対して0.1〜20%含有せし
め、さらに樹脂類で処理を施すことにより、染色後の生
地の色彩を損なうことなく、種々の塩素含有環境におい
て生地の耐塩素変褪色性を著しく向上し、かつ洗濯など
の湿熱処理あるいは塩素水中の使用等によって耐塩素変
褪色性が低下することのない耐久性に優れた染色された
交編編地とその製法に関する。
料、反応染料、直接染料などの配合染料をを用いて染色
を施した染色物は塩素漂白などの含塩素環境においてそ
の色彩が変褪色することが知られている。とくに酸性染
料、分散染料、含金属染料、反応染料等で染色されたポ
リウレタン系弾性繊維とポリアミド系合成繊維からなる
交編編地を遊泳用プールのような活性塩素濃度0.5〜
3ppmを含む塩素水中に長時間曝露すると、とくに蛍
光色や鮮明色において染色物の色彩に脱色、黄変、くす
みなどの変褪色が生じ、大きくその価値が損なわれる。
従来よりこのような耐塩素変褪色性を向上せしめる方法
として、耐塩素変褪色性が良好な染料を使用する方
法、繊維または布帛に何らかの方法ではっ水性を付与
する方法、染色物の後処理により耐塩素変褪色性向上
せしめる方法などが提案・検討されているが、現在まで
付与によって染色直後の生地の色彩を損なうことなく、
かつ耐塩素変褪色性を満足する方法は開発されていな
い。
せしめる方法として、特開昭57−14358公報にあ
るような通常染色堅牢度向上剤として用いられているタ
ンニン酸をポリアミド系合成繊維を含む編地に付与する
方法が提案されている。しかしながら天然タンニン酸
は、これ自身が黄褐色に着色した化合物であるため鮮明
色や淡色、とくに鮮明なブルー系の染色物に使用する
と、本来の染料の色彩や鮮明性を大きく損ねる。加え
て、タンニン酸は、ガロイル基をその分子中に多数含む
ポリヒドロキシベンゼン誘導体であるため、繊維中に塩
基性添加剤(例えばポリウレタン弾性繊維に塩素水によ
る劣化を抑制する目的で添加された酸化マグネシウムや
酸化亜鉛などの強塩基性物質)が存在すると、ガロイル
基中に含まれる隣接する2つの水酸基が酸化されて不可
逆的にキノン構造となり、さらに褐色などの濃色に着色
し染色物の色彩を変化させてしまうおそれがあった。
状に鑑み、新たな発想の基に鋭意研究を重ねた結果、上
記の諸問題を解決いた画期的な本発明に到達した。すな
わち本発明は、ポリアミド系繊維と金属酸化物又は金属
水酸化物を含有するポリウレタン系弾性繊維とからなる
染色された交編編地であって、該編地に塩素の反応量
が50ミリ当量/g以上である物質の少なくとも1種を
繊維重量に対して0.1〜20%、樹脂を繊維重量に
対して1.0〜20%付与されてなることを特徴とする
染色された交編編地、及びポリアミド系繊維と金属酸化
物又は金属水酸化物を含有するポリウレタン系弾性繊維
とからなる交編編地を染色し、更に塩素の反応量が50
ミリ当量/g以上である物質の少なくとも1種を繊維重
量に対して0.1〜20%、樹脂を繊維重量に対して
1.0〜20%付与することを特徴とする染色された交
編編地の製法である。かかる構成を採用することによ
り、染色物の本来の色彩を損ねることなく種々の塩素含
有環境においてその耐塩素変褪色性が著しく向上し、か
つ洗濯などの湿熱処理あるいは塩素水中の使用等によっ
て耐塩素変褪色性が低下することのない、しかも塩素水
による劣化の少ない耐久性に優れた染色物及びその製法
を提供することができたものである。本発明はポリウレ
タン系弾性繊維に金属酸化物又は金属水酸化物を含有さ
せるとともに染色時又は/及び染色後に塩素の反応量が
50ミリ当量/g以上である物質と樹脂を特定量含有さ
せることにより耐塩素変褪色性が向上し、しかも製品の
耐久性向上に寄与するものである。以下に本発明を詳述
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
反応量(以下Cとする)の測定方法を示す。測定方法
中、%は重量%を示す。 (1)試薬とその調製方法 次亜塩素酸ナトリウム溶液 ナカライテスク社製次亜塩素酸ナトリウム(試薬特級)
30gを純水で1lに希釈する。 希酢酸水溶液(10%) 酢酸5gを純水で希釈し全量を50gとする。 でんぷん指示薬(5%) ナカライテスク社製可溶性デンプン1gを純水に溶解
し、全量を20gとする。 酢酸 ナカライテスク社製特級試薬をそのまま使用する。 ヨウ化カリウム水溶液(20%) ナカライテスク社製ヨウ化カリウム(試薬特級)100
gを純水に溶解し、全量を500gとする。 N/10チオ硫酸ナトリウム規定液 ナカライテスク社製規定液をそのまま使用する。(規定
液の力価;f) 溶媒 塩素の反応量を測定する物質(以下試料と呼ぶ)の性質
に応じて適当な溶媒を選定する。本件においてはクロロ
ホルム、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、メチルイソプロピルケトン(以上全てナカライテ
スク社製特級試薬)および純水などをそのままおよび/
または混合して使用した。
天秤で精秤して、100mlメスフラスコ中で溶媒
((1)−で選定したもの)で溶解し、全量を100
mlとする。 (3)使用器具(括弧内は個数を示す) 25mlビュレット(1) ホールピペット 25ml(1)、10ml(2)、5ml
(1)、2ml(1) メスピペット 10ml(1) 栓付三角フラスコ 100ml(測定数+ブランクテス
ト用2個) マグネチックスターラー、攪拌子 (三角フラスコと
同数) 時計(1)
液を入れる。 測定数の攪拌子を入れた100ml三角フラスコのそれ
ぞれに、25mlホールピペットを用いて次亜塩素酸ナト
リウム溶液を分注する。ブランクテストを2個用意す
る。 試料溶液を10mlホールピペットを用いて、の三角
フラスコに分注する。ブランクテストには溶媒を10ml
分注する。 攪拌しながら、10mlメスピペットを用いて、全ての
三角フラスコに10%希酢酸水溶液を1mlずつ添加す
る。最初に希酢酸水溶液を添加した時点を0分とし、計
時を開始する。 所定時間に到達した後、1つの三角フラスコを取り、
20%ヨウ化カリウム水溶液を5ml、さらに酢酸を2ml
添加しする。反応時間は5、10、20、30、40分
を標準とする。 攪拌しながら、チオ硫酸ナトリウム規定液を殆ど色が
なくなるまで滴下する。デンプン指示薬を数滴加えて、
さらに紫色が完全に消えるまで滴下を続ける。完全に紫
色が消えた点を滴定終点とする。以下、各所定時間毎に
同様の操作で滴定所量を測定する。(滴定所要量;Vm
l) ブランクテストについては希酢酸添加直後と試料を含
むサンプルの滴定終了後にと同様の方法で滴定を行
う。これら2回の平均値をブランクテストの滴定所要量
(V0 ml)とする。
xとyの相関関係を最小2乗法により次式(1)の形で
求めた。 y= a + bx (相関係数:r) 式(1) なお、直線の相関係数は0.98以上であることが測定
精度の点から好ましい。 得られた直線の反応時間(y)が0への外挿値(すな
わちa)よりCを次式(2)により算出した。 C= a × f ÷ S 式(2) (Cの単位;ミリ当量/g,f;N/10チオ硫酸ナト
リウム規定液の力価、S;試料量(g))
量/gである物質としては4,4´−メチレンビスフェ
ノール、4,4´−(1−メチルエチリデン)ビスフェ
ノール(ビスフェノールA)、4,4´−エチリデンビ
スフェノール、4,4´−(1−α−メチルベンジリデ
ン)ビスフェノール、4,4´−シクロヘキシリデンビ
スフェノール、4,4´−〔1−〔4−〔2−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エチリ
デン〕ビスフェノール、4,4´−〔(4−ヒドロキシ
フェニル)メチレン〕ビス(メチルフェノール)、4,
4´−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス
(2,6−ジメチルフェノール)、4,4´−メチレン
ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4´−(1
−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、
4,4´,4″−エチリジントリスフェノール、4,4
´,4″−メチリジントリスフェノール、2,2´−メ
チレンビス(4−メチルフェノール)、4,4´−(1
−メチルエチリデン)ビス(2、6−ジメチルフェノー
ル)、フェノールフタレイン、1,4−フェニレン−
4,4´−ビスフェノール、1,4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2´−ビス(4−ヒドロ
キシナフチル)メタン、2,2´−ビス(5−ヒドロキ
シナフチル)メタン、2,2´−ビス(6−ヒドロキシ
ナフチル)メタン、2,2´−ビス(7−ヒドロキシナ
フチル)メタン、2,2´−ビス(8−ヒドロキシナフ
チル)メタン、2,2´−ビス(4,7−ジヒドロキシ
ナフチル)メタン、2,2´−ビス(3,6−ジヒドロ
キシナフチル)メタンなどの水酸基を導入したジフェニ
ルメタン誘導体およびこれらを単量体とする多量体、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジヒドロキシフェニル)スルホンなどの水酸基を導入
したジフェニルスルホン誘導体およびこれらを単量体と
する多量体、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)スルフィ
ドなどの水酸基を導入したジフェニルスルフィド誘導体
およびこれらを単量体とする多量体、4,4´−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、ビス(3,5−ジヒドロキ
シフェニル)エーテルなどの水酸基を導入したジフェニ
ルエーテル誘導体およびこれらを単量体とする多量体、
4,4´−ジヒドロキシアゾベンゼン、ビス(3,5−
ジヒドロキ)アゾベンゼンなどの水酸基を導入したアゾ
ベンゼン誘導体およびこれらを単量体とする多量体、
3,3´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル、3,5−ジヒドロキシビフェニル、
2,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2´−ジヒドロ
キシビフェニル、2,3´−ジヒドロキシビフェニル、
3,5,4´−トリヒドロキシビフェニル、2,4,4
´−トリヒドロキシビフェニル、2,6,4´−トリヒ
ドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テトラヒド
ロキシビフェニルなどの水酸基を導入したビフェニル誘
導体およびこれらを単量体とする多量体、2,2´−ビ
ス(4−ヒドロキシナフチル)、2,2´−ビス(5−
ヒドロキシナフチル)、2,2´−ビス(6−ヒドロキ
シナフチル)、3,3´−ビス(6−ヒドロキシナフチ
ル)、2,2´−ビス(8−ヒドロキシナフチル)、
1,1´−ビス(3−ヒドロキシナフチル)、1,1´
−ビス(4−ヒドロキシナフチル)、1,1´−ビス
(5−ヒドロキシナフチル)、1,1´−ビス(6−ヒ
ドロキシナフチル)、1,1´−ビス(7−ヒドロキシ
ナフチル)、1,1´−ビス(8−ヒドロキシナフチ
ル)などの水酸基を導入したビナフチル誘導体およびこ
れらを単量体とする多量体、3−ヒドロキシ安息香酸お
よび/またはこれを酸成分としたメチル、エチル、イソ
プロピル、t−ブチル、アミルおよびステアリルエステ
ルおよびこれらを単量体とする多量体、4−ヒドロキシ
安息香酸および/またはこれを酸成分としたメチル、エ
チル、イソプロピル、t−ブチル、アミルおよびステア
リルエステルおよびこれらを単量体とする多量体、3,
5−ジヒドロキシ安息香酸および/またはこれを酸成分
としたメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ア
ミルおよびステアリルエステルおよびこれらを単量体と
する多量体、2,4−ジヒドロキシ安息香酸および/ま
たはこれを酸成分としたメチル、エチル、イソプロピ
ル、t−ブチル、アミルおよびステアリルエステルおよ
びこれらを単量体とする多量体、3−ヒドロキシアセト
フェノン、4−ジヒドロキシアセトフェノン、3,5−
ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシア
セトフェノンなどのヒドロキシアセトフェノン類および
これらを単量体とする多量体、3−ヒドロキシベンジル
エチルケトン、4−ヒドロキシベンジルエチルケトン、
3−ヒドロキシベンジル−イソロピルケトン、4−ヒド
ロキシベンジル−イソロピルケトン、3−ヒドロキシベ
ンジルブチルケトン、4−ヒドロキシベンジルブチルケ
トン、3−ヒドロキシベンジルアミルケトン、4−ヒド
ロキシベンジルアミルケトン、4−ヒドロキシベンジル
ステアリルケトン、3−ヒドロキシベンジルステアリル
ケトンなどのヒドロキシベンジルケトン類およびこれら
を単量体とする多量体、イソプロピルフェノール、ブチ
ルフェノール、アミルフェノールなどのアルキルフェノ
ール類およびこれらを単量体とする多量体などが例示さ
れる。
ン酸グアニジン、塩酸グアニジン、硫酸グアニジンなど
のグアニジン系化合物、ジシアンジアミジン、ジシアン
ジアミジン硫酸塩、ジシアンジアミジンリン酸塩などの
ジシアンジアミジン系化合物が例示される。
リ当量/g以上である物質を単量体とする多量体は、こ
れらの単量体を酸化的にカップリングさせることにより
製造される芳香核−芳香核直接結合体がより好ましい。
該多量体の製造は公知の方法、例えばHorse−ra
dish peroxidase酵素によるフェノール
類化合物の酸化的カップリングにより行われる。また、
従来のノボラック樹脂のような前記のフェノール類を原
料としたホルマリン縮合物を使用してもよい。
が50ミリ当量/g以上である物質を使用する場合には
単独で用いても、また2種以上組み合わせて使用しても
よい。本発明において塩素変褪色抑制剤として用いる該
物質は、該物質の前記方法で測定した塩素との反応性が
60ミリ当量/g以上であることが性能の上でより好ま
しく、さらに好ましくは70ミリ当量/g以上の物質を
該染色物に含ませることが望ましい。また本発明におい
て塩素変褪色抑制剤として用いる該物質は、該物質自身
が高い白度を有するかまたは無色であるものが、染色物
の色彩への影響の点で好ましく、特に好ましいのは、
4,4´−ビフェノール、ビスフェノールA、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−メチレ
ンビスフェノール、グアニジン系化合物、ジシアンジア
ミジン系化合物である。前記方法で測定した塩素との反
応性が50ミリ当量/g以上である物質であっても、該
物質自身が有色であるヒドロキシベンゾフェノン誘導体
やカテコール類、ピロガロール類、没食子酸エステル類
は好ましくない。また本発明におけるポリヒドロキシベ
ンゼン誘導体としては、ポリアミド系繊維および/また
はポリエステル系繊維やポリウレタン系弾性繊維に含ま
れる塩基性の添加剤と反応してキノン構造となることに
より発色するような、水酸基がオルト位または/および
パラ位に位置するポリヒドロキシベンゼン誘導体(ハイ
ドロキノン、カテコール、ピロガロールなど)は染色物
の色相を損ねるために好ましくなく、酸化されたときに
キノン構造を取らないポリヒドロキシベンゼン誘導体
(フェノール、レソルシン、フロログルシンなど)が好
ましい。
常樹脂加工に使用する樹脂、例えば尿素ホルマリン初期
縮合物のようなN−メチロール樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル、ポリアクリルアミドなどが使用でき
る。上記樹脂類は、1〜20重量%(好ましくは2〜1
0重量%)の濃度の水性液になるようにして、該交編編
地に付与し、乾燥し、必要があれば通常100℃以上で
熱処理する。
限定されるものではないが、6ナイロン、6・6ナイロ
ンに代表されるものである。また本発明における常圧カ
チオン可染ポリエステル系繊維は、特に限定されるもの
ではないが、常圧カチオン可染性を付与するために、例
えば5−スルホイソフタル酸ナトリウムや、長鎖アルキ
レングリコールを共重合したポリエステルを溶融紡糸す
ることによって製造されたポリエステル系繊維に代表さ
れるものである。
は、下記するポリウレタンを主体とする重合体組成物を
紡糸して得られる弾性繊維である。本発明におけるポリ
ウレタンとしては、数平均分子量600以上好ましくは
1000〜5000であり融点が60℃以下のポリマー
ジオールと、有機ジイソシアネートを主体とするイソシ
アネートと、分子量が400以下の多官能性活性水素化
合物を反応させて得られる重合体が挙げられる。
レングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール
のようなポリエーテルグリコール類、エチレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール類の少なくとも1種とアジ
ピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、β−
メチルアジピン酸、イソフタル酸等のジカルボン酸の少
なくとも1種とを反応させて得られるポリエステルグリ
コール類、ポリカプロラクトングリコール、ポリヘキサ
メチレンジカーボネートグリコールのようなポリマージ
オールの1種またはこれらの2種以上の混合物または共
重合物が例示できる。
´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4
´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネートのような有機ジイソシアネートの
1種または2種以上の混合物が例示できる。さらトリイ
ソシアネートを少量併用してもよい。
ンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、キシリレンジアミン、4,4´−ジフェ
ニルメタンジアミン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピ
ペラジン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、水等の1種またはこれ
ら2種以上の混合物が例示できる。所望により、これら
前記化合物に、モノアミン、モノアルコールのような停
止剤を少量併用してもよい。しかし好ましいのは、ジア
ミンの単独または、ジアミンを主体としたものである。
性繊維となすのは、特に限定はされないが、溶媒にポリ
ウレタン主体の組成物を溶解して、乾式紡糸するのが好
ましい。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホンアミド等が例示できるが、こ
れらに限定されるものではない。ポリウレタン主体の組
成物を構成するポリウレタン以外の構成物は滑剤、紫外
線吸収剤、黄変防止剤などの安定剤、顔料、帯電防止
剤、表面処理剤、難燃剤、防黴剤、補強剤や塩素水劣化
防止剤が例示される。とくに塩素水劣化防止剤として
は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウ
ム、またはハイドロタルサイト類化合物などの金属酸化
物や金属水酸化物が例示でき、これらは単独でも2種以
上の混合物でもよい。特に好ましいのは酸化マグネシウ
ム、または酸化亜鉛である。これらのポリウレタン溶液
への添加は、とくに限定されないが、平均粒径が0.0
5〜3μmの粒子として添加することが好ましい。
維は、デニールが20〜100の範囲が適当であり、好
ましくは40〜80である。これらの弾性繊維は、カバ
リング糸や裸糸の状態で使用される。本発明で対象とす
る交編編地はこのポリウレタン系弾性繊維と前記のポリ
アミド系繊維を用いて編み立てた交編編地であり、該交
編編地は緯メリヤス地であっても経メリヤス地であって
もよく、トリコット編地、ラッシェル編物であってもよ
く限定される物ではない。また編組織はハーフ編、逆ハ
ーフ編、ダブルアトラス編、ダブルデンビー編、などが
例示できるが、とくに限定されるものではない。また編
地表面がポリアミド系繊維で構成されていることが風合
いの点で好ましい。
ス、乾燥が行われる。ヒートセット温度は、150〜1
90℃であり好ましくは160〜180℃である。染色
条件は、染浴中20〜120分、好ましくは40〜60
分である。染色機械は、ウィンス染色機、液流染色機な
ど通常使用されるものでよい。染料は、ポリアミド繊維
染色用として染料メーカーにより選定されている通常の
ものであれば、酸性染料、含金属染料、蛍光染料、分散
染料のいずれであってもよい。染色時に、強酸性浴を用
いて染色すると、塩素水による劣化を抑制する目的でポ
リウレタン繊維に添加されている酸化マグネシウムなど
の強塩基性物質が脱落し、望んだ性能を発現しなくなる
おそれがある。このような品位の低下を最小限に抑える
ため、染色浴に蟻酸エステル、酢酸エステル、酪酸エス
テルなどを添加し、染色開始から染色終了時までの染色
浴のpHを4.5以下にさげないようにすることが好ま
しい。有機酸エステルを染浴に添加することにより塩基
性の添加剤の染色による繊維からの脱落を最小限に抑制
することができる。
た塩素の反応量が50ミリ当量/g以上である物質を含
有せしめる方法としては、繊維製造時に混合する方法、
有機溶媒に溶解し浸漬、パッディングまたはスプレーす
ることにより含有せしめる方法などがあるが、一般には
分散染料を用いて染色する場合と同様の方法か、または
樹脂処理浴に所定量添加し、樹脂加工と同時に付与する
方法で行えばよい。以下に方法を例示するが製法はこれ
に限定されるものではない。少なくとも1種以上の該化
合物の所定量を、市販のナフタリンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物などのアニオン系分散剤を使用し、ボールミ
ル、ダイノミルやアトライターなどの分散機を用いて分
散する。ポリアミド系繊維とポリウレタン系弾性繊維を
含有する交編編地をあらかじめ加温しておいた該化合物
分散液に浸漬し、浴中20〜120分、好ましくは40
〜60分、浴温度40〜95℃、好ましくは60〜85
℃で処理し、該化合物を繊維表面に含有せしめる。さら
に含有の収量を高めるために、オルトフェニルフェノー
ルなどのキャリア剤を同時に処理浴に添加して処理して
もよい。また、該化合物の交編編地への付与は、染色前
に行ってもよく、染色と同時に行ってもよく、また通常
染色後に諸染色堅牢度を向上せしめる目的で行われるア
ニオン系ポリオキシフェノール化合物などによる染料固
着処理と同時または固着処理後に行ってもよい。
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお以下の実施例は、染色されたポリウレタン系弾
性繊維とポリアミド系繊維および/またはポリエステル
系繊維を少なくとも含有する交編編地に前記方法で測定
した塩素の反応量が50ミリ当量/g以上である物質を
含有せしめることによる、塩素水中における染色物の耐
塩素変褪色性の向上について例示する。また、実施例中
の部は重量部を意味する。 −実施例1− 両末端に水酸基を持つ数平均分子量2000のポリテト
ラメチレンエーテルグリコールと4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアネートとをモル比で1:2の割合で反
応させプレポリマーを製造し、ついで1,2−プロピレ
ンジアミンで鎖延長を行い、ポリマー濃度30%(溶媒
はN,N−ジメチルホルムアミド)で200ポイズ(3
0℃)の粘度のポリウレタン溶液を得た。この溶液にポ
リウレタンに対して3%の酸化マグネシウム(平均粒径
が0.1〜2.0μm)をアトライターでジメチルホル
ムアミド中に分散し添加し、さらに白度向上剤、抗酸化
剤、紫外線吸収剤、ガス黄変防止剤を添加して、混合攪
拌して紡糸原液を得た。
数5ホールの口金から紡出し、180℃の加熱空気を流
した紡糸筒内に押し出し、10000rpmの回転数で
仮撚りをかけ、油剤を糸に対して6%付与しながら紡速
500m/分で巻きとり40デニールの5フィラメント
のポリウレタン系弾性繊維(A)を得た。ポリアミド系
繊維として、溶融紡糸によって製造された50デニー
ル、12フィラメントの6・6ナイロン繊維(B)を用
意した。ポリエステル繊維として、溶融紡糸によって製
造された50デニール、10フィラメントの常圧カチオ
ン可染ポリエステル繊維(C)を用意した。編機カール
マイヤー社製の28ゲージ、トリコット機を用いて生機
を編成した。(A)繊維のドラフトは100%、編み立
て条件は(A)繊維の編み込み長70cm/480コー
ス、(B)および(C)繊維の編みこみ長160cm/4
80コース、(機上55コース)、編み組織はハーフ編
である。
機を精錬、リラックス、乾燥、ヒートセットして各々の
編地について染色を行った。染色は、染浴に酢酸0.4
g/L、硫安2g/L、アニオン系均染剤1.2g/L
を溶解し、浴比1:13で染料:Kayacyl Bl
ue BR,5%owf(酸性染料)、40℃から95
℃で60分の条件で実施した。50℃で10分湯洗いを
し、引き続いて、塩素変褪色抑制剤として前記方法で測
定した塩素の反応量が79.5ミリ当量/gであるビス
フェノールA,5%owfを染上がり編地を分散液に浸
漬し40℃から80℃で50分の条件で処理する事によ
り含有せしめた。さらにタンニン酸ではないアニオン系
ポリフェノールを用いて染料固着処理を行った。得られ
た染色された編地を下記の組成の処理液で処理し絞り率
100%で絞り、100℃で5分間乾燥後、150℃で
3分間熱処理してソーピングした。さらに、樹脂加工後
の該編地を延伸脱水し、マングルで脱液後、190℃で
ピンテンターにて乾燥、セットした。 スミテックス レジン M−6 2.5 部
(略号;R1) (住友化学社製) (メチロールメラミン系樹脂) スミテックスアクセレーターACX 0.25部 (住友化学社製) (硬化触媒) 水 97.25部
地を下記記載の方法によって洗濯を繰り返し、家庭洗濯
における耐久性を評価した。 使用洗濯機:松下電器(株)製NA−F20Y型(内容
積94l) 洗 剤 :花王(株)製 ザブ(洗剤規格:JIS
K3371) 弱アルカリ性、第1種 洗剤使用量:30g/回(pH=9.8に調整) 浴温度 :40℃ 洗濯時間 :30分/回
地の塩素水による色相の変褪色性を測定した。この塩素
変褪色テストの条件は、編地1部を有効塩素濃度100
ppm、pH=7.0の塩素水400部に編地表面に対
して塩素水流が垂直に当たるように浴温40℃で30分
間浸漬し、塩素水処理するものである。変褪色は染上が
り交編編地の色相を測定することにより、塩素水処理前
後の色相の差を求め、その結果から塩素堅牢度(変褪色
等級)を判定した。その結果を表1に示す。
酸0.4g/L、アニオン系均染剤0.5g/Lを溶解
し、浴比1:18で染料:DiacrylBrilla
nt Blue AC−E,1%owf(塩基性染
料)、40℃から100℃で60分の条件で染色を行う
以外は実施例1と同じ処方で染色された交編編地を作製
し、塩素水処理を行った。結果を表1に示す。
応量が98.7ミリ当量/gである4,4´−ビフェノ
ール,5%owfを用いる以外は実施例1と同じ処方で
染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行った。結
果を表1に示す。
量が94.4ミリ当量/gである4,4´−メチレンビ
スフェノール,5%owfを用いる以外は実施例1と同
じ処方で染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行
った。結果を表1に示す。
応量が76.1ミリ当量/gである、3,5−ジヒドロ
キシベンジルエチルケトン,5%owfを用いる以外は
実施例1と同じ処方で染色された交編編地を作製し、塩
素水処理を行った。結果を表1に示す。
応量が56.3ミリ当量/gである、ビスフェノールA
を単量体とし、Horseradishperoxid
ase酵素を触媒として反応せしめることにより製造さ
れたビスフェノールA重合体(平均分子量1000),
5%owfを用いる以外は実施例1と同じ処方で染色さ
れた交編編地を作製し、塩素水処理を行った。結果を表
1に示す。
応量が98.7ミリ当量/gである、4,4´−ビフェ
ノール,2%owfを用いる以外は実施例1と同じ処方
で染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行った。
結果を表1に示す。
応量が98.7ミリ当量/gである、4,4´−ビフェ
ノール,10%owfを用いる以外は実施例1と同じ処
方で染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行っ
た。結果を表1に示す。
じ処方で染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行
った。結果を表1に示す。 リケンレジン NONF−124 2.5部
(略号:R2) (三木理研社製) (アミド系樹脂) 水 97.5部 −比較例1− 塩素変褪色抑制剤を何も用いないで、実施例1と同じ処
方で染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行っ
た。結果を表2に示す。
方で染色された交編編地を作製し、塩素水処理を行っ
た。結果を表2に示す。
処理を何も行わないで塩素変褪色抑制剤および染料固着
剤としてタンニン酸・吐酒石処理を行う以外は実施例2
と同じ処方で染色された交編編地を作製し、塩素水処理
を行った。結果を表2に示す。
処理を何も行わないで、塩素変褪色抑制剤および染料固
着剤としてタンニン酸・吐酒石処理を行う以外は実施例
1と同じ処方で染色された交編編地を作製し、塩素水処
理を行った。結果を表2に示す。
色された交編編地を作製し、塩素水処理を行った。結果
を表2に示す。
(A)はポリウレタン系弾性繊維を、(B)はポリアミ
ド系繊維を、(C)は常圧カチオン可染ポリエステル系
繊維を示し、含有量はowfを表す。
ン系弾性繊維とポリアミド系繊維および/または常圧カ
チオン可染ポリエステル系繊維を少なくとも含有する交
編編地の耐塩素変褪色性を、染色物の色彩を損ねること
なく、向上せしめることになり、耐塩素性の優れた製品
を提供することが可能になる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリアミド系繊維と金属酸化物又は金属
水酸化物を含有するポリウレタン系弾性繊維とからなる
染色された交編編地であって、該編地に塩素の反応量
が50ミリ当量/g以上である物質の少なくとも1種を
繊維重量に対して0.1〜20%、樹脂を繊維重量に
対して1.0〜20%付与されてなることを特徴とする
染色された交編編地。 - 【請求項2】ポリアミド系繊維と金属酸化物又は金属水
酸化物を含有するポリウレタン系弾性繊維とからなる交
編編地を染色し、更に塩素の反応量が50ミリ当量/g
以上である物質の少なくとも1種を繊維重量に対して
0.1〜20%、樹脂を繊維重量に対して1.0〜20
%付与することを特徴とする染色された交編編地の製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07356492A JP3221508B2 (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 染色された交編編地とその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07356492A JP3221508B2 (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 染色された交編編地とその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05239778A JPH05239778A (ja) | 1993-09-17 |
JP3221508B2 true JP3221508B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=13521890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07356492A Expired - Fee Related JP3221508B2 (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | 染色された交編編地とその製法 |
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US6743273B2 (en) * | 2000-09-05 | 2004-06-01 | Donaldson Company, Inc. | Polymer, polymer microfiber, polymer nanofiber and applications including filter structures |
-
1992
- 1992-02-24 JP JP07356492A patent/JP3221508B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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