JPH05195317A - ポリウレタン系弾性繊維とその製造法 - Google Patents

ポリウレタン系弾性繊維とその製造法

Info

Publication number
JPH05195317A
JPH05195317A JP2733092A JP2733092A JPH05195317A JP H05195317 A JPH05195317 A JP H05195317A JP 2733092 A JP2733092 A JP 2733092A JP 2733092 A JP2733092 A JP 2733092A JP H05195317 A JPH05195317 A JP H05195317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyurethane
chemical formula
elastic fiber
chlorine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2733092A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Chiba
修二 千葉
Giichi Arimatsu
義一 有松
Koji Shirasu
浩二 白数
Yoshinori Ido
祥記 井戸
Hajime Suzuki
肇 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2733092A priority Critical patent/JPH05195317A/ja
Publication of JPH05195317A publication Critical patent/JPH05195317A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリウレタン系弾性繊維の耐塩素劣化性を向
上せんとする発明である。 【構成】 ポリウレタンまたはポリウレタン溶液にフェ
ノールを主とするモノまたはポリヒドロキシベンゼン誘
導体を添加し紡糸することにより、優れた耐塩素劣化性
を有するポリウレタン系弾性繊維を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン系弾性繊維
に関する。さらに詳しくはポリウレタン(以後、ポリウ
レタンをもってポリウレタンおよびまたはポリウレタン
ウレアを代表する略称とする)またはポリウレタン溶液
に少なくとも1種以上の一般式化1、化2および化3で
表される化合物フェノールを主とするモノおよび/また
はポリヒドロキシベンゼン誘導体の少なくとも1種以上
を繊維重量に対して0.1〜20%添加し、紡糸するこ
とにより得られる種々の塩素含有環境における劣化を防
止したポリウレタン系弾性繊維とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、比較的低重合度のポリヒドロキシ重合体および
多官能活性水素化合物から得られるポリウレタン弾性繊
維は、高度のゴム弾性を有し、引張応力、回復性等の物
理的性質に優れ、さらに熱的挙動についても優れた性質
を有するため、ファンデーション、ソックス、スポーツ
ウェア等の衣料用機能素材としておおいに注目されてい
る。しかしながら、このような主として長鎖状の合成弾
性セグメント化ポリウレタンよりなる製品に塩素漂白を
用いる洗濯を行うと、セグメント化ポリウレタンの物理
的性質の相当な低下が起こることが知られている。また
セグメント化ポリウレタン弾性繊維とポリアミドから成
る水着は、遊泳プール中で活性塩素濃度0.5〜3pp
mを含む塩素水中に曝露すると、繊維の物理的性質の低
下が起こることが知られている。このような塩素が誘発
する劣化に対する耐性の改善が従来から行われており、
たとえば塩素劣化防止剤として酸化亜鉛(特公昭60−
43444公報)、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム(特公昭61−35283公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化アルミニウム等の無機金属化合物を含有せ
しめたポリウレタン弾性繊維では、これらの添加剤が有
機溶媒やポリウレタンに溶解しないために、均一に相溶
しないという欠点を有し、これらを含有するポリウレタ
ンまたはポリウレタン溶液の工業生産性が幾分低下す
る。また、染色などの後加工通過の際、処理浴に浸漬す
ることにより、これらの添加剤が溶解または脱落し、有
効な耐塩素劣化性が損なわれてしまうおそれがあった。
また、このような塩基性の添加剤を含む繊維を交編した
生地を酸性染料などで染色した後、一般に染料固着処理
および塩素による染色物の変褪色堅牢度向上処理として
用いられているタンニン酸・吐酒石処理を行うと、繊維
中の塩基性添加剤によって、タンニン酸分子中のガロイ
ル基中に含まれる隣接する2つの水酸基が酸化されて不
可逆的にキノン構造となり、褐色などの濃色に着色し染
色物の色彩を変化させてしまうため、従来のタンニン酸
処理の使用が制限されるおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような現
状を鑑み、新たな発想の基に鋭意研究を重ねた結果、上
記の諸問題を解決した画期的な本発明に到達した。すな
わち本発明は、一般式化1、化2および化3で表される
フェノールを主とするモノまたは/およびポリヒドロキ
シベンゼン誘導体の少なくとも1種以上が繊維重量に対
して0.1〜20%含まれることを特徴とする耐塩素劣
化性の優れたポリウレタン系弾性繊維とその製造法を提
供するものである。本発明はポリウレタンまたはポリウ
レタン溶液に該化合物群を添加し、紡糸することによ
り、ポリウレタン系弾性繊維の耐塩素劣化性を向上し、
製品の耐久性向上に寄与するものである。以下に本発明
を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0005】本発明におけるフェノールを主とするモノ
または/およびポリヒドロキシベンゼン誘導体として
は、一般式化1で表される化合物群として、4,4´−
メチレンビスフェノール、4,4´−(1−メチルエチ
リデン)ビスフェノール、4,4´−エチリデンビスフ
ェノール、4,4´−(1−α−メチルベンジリデン)
ビスフェノール、4,4´−シクロヘキシリデンビスフ
ェノール、4,4´−〔1−〔4−〔2−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エチリデ
ン〕ビスフェノール、4,4´−〔(4−ヒドロキシフ
ェニル)メチレン〕ビス(メチルフェノール)、4,4
´−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス
(2,6−ジメチルフェノール)、4,4´−メチレン
ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4´−(1
−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、
4,4´,4″−エチリジントリスフェノール、4,4
´,4″−メチリジントリスフェノール、2,2´−メ
チレンビス(4−メチルフェノール)、4,4´−(1
−メチルエチリデン)ビス(2、6−ジメチルフェノー
ル)、フェノールフタレイン、1,4−フェニレン−
4,4´−ビスフェノール、1,4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2´−ビス(4−ヒドロ
キシナフチル)メタン、2,2´−ビス(5−ヒドロキ
シナフチル)メタン、2,2´−ビス(6−ヒドロキシ
ナフチル)メタン、2,2´−ビス(7−ヒドロキシナ
フチル)メタン、2,2´−ビス(8−ヒドロキシナフ
チル)メタン、2,2´−ビス(4,7−ジヒドロキシ
ナフチル)メタン、2,2´−ビス(3,6−ジヒドロ
キシナフチル)メタンなどの水酸基を導入したジフェニ
ルメタン誘導体およびこれらを単量体とする多量体、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジヒドロキシフェニル)スルホンなどの水酸基を導入
したジフェニルスルホン誘導体およびこれらを単量体と
する多量体、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)スルフィ
ドなどの水酸基を導入したジフェニルスルフィド誘導体
およびこれらを単量体とする多量体、4,4´−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、ビス(3,5−ジヒドロキ
シフェニル)エーテルなどの水酸基を導入したジフェニ
ルエーテル誘導体およびこれらを単量体とする多量体、
4,4´−ジヒドロキシアゾベンゼン、ビス(3,5−
ジヒドロキ)アゾベンゼンなどの水酸基を導入したアゾ
ベンゼン誘導体およびこれらを単量体とする多量体が例
示される。
【0006】一般式化2で表される化合物群として、2
−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−
フェニルフェノール、3,3´−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,5−ジヒ
ドロキシビフェニル、2,4−ジヒドロキシビフェニ
ル、2,2´−ジヒドロキシビフェニル、2,3´−ジ
ヒドロキシビフェニル、3,5,4´−トリヒドロキシ
ビフェニル、2,4,4´−トリヒドロキシビフェニ
ル、2,6,4´−トリヒドロキシビフェニル、3,3
´,5,5´−テトラヒドロキシビフェニルなどの水酸
基を導入したビフェニル誘導体およびこれらを単量体と
する多量体、2,2´−ビス(4−ヒドロキシナフチ
ル)、2,2´−ビス(5−ヒドロキシナフチル)、
2,2´−ビス(6−ヒドロキシナフチル)、3,3´
−ビス(6−ヒドロキシナフチル)、2,2´−ビス
(8−ヒドロキシナフチル)、1,1´−ビス(3−ヒ
ドロキシナフチル)、1,1´−ビス(4−ヒドロキシ
ナフチル)、1,1´−ビス(5−ヒドロキシナフチ
ル)、1,1´−ビス(6−ヒドロキシナフチル)、
1,1´−ビス(7−ヒドロキシナフチル)、1,1´
−ビス(8−ヒドロキシナフチル)などの水酸基を導入
したビナフチル誘導体およびこれらを単量体とする多量
体などが例示される。
【0007】一般式化3で表される化合物群として、3
−ヒドロキシ安息香酸および/またはこれを酸成分とし
たメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、アミル
およびステアリルエステルおよびこれらを単量体とする
多量体、4−ヒドロキシ安息香酸および/またはこれを
酸成分としたメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、アミルおよびステアリルエステルおよびこれらを単
量体とする多量体、3,5−ジヒドロキシ安息香酸およ
び/またはこれを酸成分としたメチル、エチル、イソプ
ロピル、t−ブチル、アミルおよびステアリルエステル
およびこれらを単量体とする多量体、2,4−ジヒドロ
キシ安息香酸および/またはこれを酸成分としたメチ
ル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、アミルおよび
ステアリルエステルおよびこれらを単量体とする多量
体、3−ヒドロキシアセトフェノン、4−ジヒドロキシ
アセトフェノン、3,5−ジヒドロキシアセトフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノンなどのヒドロ
キシアセトフェノン類およびこれらを単量体とする多量
体、3−ヒドロキシベンジルエチルケトン、4−ヒドロ
キシベンジルエチルケトン、3−ヒドロキシベンジル−
イソロピルケトン、4−ヒドロキシベンジル−イソロピ
ルケトン、3−ヒドロキシベンジルブチルケトン、4−
ヒドロキシベンジルブチルケトン、3−ヒドロキシベン
ジルアミルケトン、4−ヒドロキシベンジルアミルケト
ン、4−ヒドロキシベンジルステアリルケトン、3−ヒ
ドロキシベンジルステアリルケトンなどのヒドロキシベ
ンジルケトン類およびこれらを単量体とする多量体、イ
ソプロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェ
ノールなどのアルキルフェノール類およびこれらを単量
体とする多量体などが例示される。
【0008】一般式化1、化2および化3で表されるフ
ェノールを主とするモノまたは/およびポリヒドロキシ
ベンゼン誘導体を単量体とする多量体は、これらの単量
体を酸化的にカップリングさせることにより製造される
芳香核−芳香核直接結合体がより好ましい。該多量体の
製造は公知の方法、例えばHorseradish−p
eroxidase酵素によるフェノール類化合物の酸
化的カップリングにより行われる。また、従来のノボラ
ック樹脂のような前記のフェノール類を原料としたホル
マリン縮合物やエポキシ樹脂のような前記のフェノール
類を原料としたグリシジルエーテル縮合物を使用しても
よい。
【0009】本発明のフェノールを主とするモノまたは
/およびポリヒドロキシベンゼン誘導体を使用する場合
には単独で用いても、また2種以上組み合わせて使用し
てもよい。また本発明において塩素劣化防止剤として用
いるポリヒドロキシベンゼン誘導体は、該誘導体自身が
白色または無色であるものが、繊維構造体の色彩の点で
好ましいものであり、具体的には、芳香環に導入された
水酸基以外の置換基の数が少ないほど好ましく、特に好
ましいのは、4,4’−ビフェノール、ビスフェノール
A、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4’−メチレンビスフェノールである。本発明における
ポリヒドロキシベンゼン誘導体としては、ポリアミド系
繊維および/またはポリエステル系繊維やポリウレタン
系繊維に含まれる塩基性の添加剤と反応してキノン構造
となることにより発色するような、水酸基がオルト位ま
たは/およびパラ位に位置しているポリヒドロキシベン
ゼン誘導体(ハイドロキノン、カテコール、ピロガロー
ルやこれらの誘導体)は繊維の色相を損ねるため好まし
くなく、酸化されたときにキノン構造を取らないものヒ
ドロキシおよび/または水酸基がメタ位にあるポリヒド
ロキシベンゼン誘導体(フェノール、レソルシン、フロ
ログルシノールやこれらの誘導体)が好ましい。
【0010】本発明からなる当該塩素劣化防止剤をポリ
ウレタンまたはポリウレタン溶液に添加する方法は、従
来公知の方法で行えばよく、たとえば該ポリマーと添加
剤の各成分を逐次混合してもよいし、あるいは添加剤の
各成分をあらかじめ調合し溶液とした後、該ポリマーと
混合してもよい。
【0011】本発明におけるポリウレタン系弾性繊維と
は、下記するポリウレタンを主体とする重合体組成物を
紡糸して得られる弾性繊維である。本発明におけるポリ
ウレタンとしては、数平均分子量600以上好ましくは
1000〜5000であり融点が60℃以下のポリマー
ジオールと、有機ジイソシアネートを主体とするイソシ
アネートと、分子量が400以下の多官能性活性水素化
合物を反応させて得られる重合体が挙げられる。
【0012】ポリマージオールとしてはポリテトラメチ
レングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール
のようなポリエーテルグリコール類、エチレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール類の少なくとも1種とアジ
ピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、β−
メチルアジピン酸、イソフタル酸等のジカルボン酸の少
なくとも1種とを反応させて得られるポリエステルグリ
コール類、ポリカプロラクトングリコール、ポリヘキサ
メチレンジカーボネートグリコールのようなポリマージ
オールの1種またはこれらの2種以上の混合物または共
重合物が例示できる。
【0013】また有機ジイソシアネートとしては4,4
´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4
´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネートのような有機ジイソシアネートの
1種または2種以上の混合物が例示できる。さらトリイ
ソシアネートを少量併用してもよい。
【0014】多官能性活性水素化合物としては、エチレ
ンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、キシリレンジアミン、4,4´−ジフェ
ニルメタンジアミン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピ
ペラジン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、水等の1種またはこれ
ら2種以上の混合物が例示できる。所望により、これら
前記化合物に、モノアミン、モノアルコールのような停
止剤を少量併用してもよい。しかし好ましいのは、ジア
ミンの単独または、ジアミンを主体としたものである。
【0015】ポリウレタン主体の組成物を、紡糸して弾
性繊維となすのは、特に限定はされないが、溶媒にポリ
ウレタン主体の組成物を溶解して、乾式紡糸するのが好
ましい。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホンアミド等が例示できるが、こ
れらに限定されるものではない。ポリウレタン主体の組
成物を構成するポリウレタン以外の構成物は滑剤、紫外
線吸収剤、黄変防止剤などの安定剤、顔料、帯電防止
剤、表面処理剤、難燃剤、防黴剤、補強剤や塩素水劣化
防止剤が例示される。とくに塩素水劣化防止剤として
は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウ
ム、またはハイドロタルサイト類化合物などの金属酸化
物や金属水酸化物が例示でき、これらは単独でも2種以
上の混合物を用いてもよい。また、これらの金属化合物
を、本発明によるフェノール類化合物と共に補助的に添
加し、併用してもよい。特に好ましいのは酸化マグネシ
ウム、または酸化亜鉛である。これらのポリウレタン溶
液への添加は、とくに限定されないが、平均粒径が0.
05〜3μmの粒子として添加することが好ましい。ま
たその量は、ポリウレタンに対して0.5〜5.0重量
%が好ましい。
【0016】本発明に用いられるポリウレタン系弾性繊
維は、デニールが20〜100の範囲が適当であり、好
ましくは40〜80である。これらの弾性繊維は、カバ
リング糸や裸糸の状態で使用される。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例をもって具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお以下の実施例は、ポリウレタン系弾性繊維に一
般式化1、化2および化3で表されるフェノールを主と
するモノまたは/およびポリヒドロキシベンゼン誘導体
を含有せしめることによる、塩素水中におけるポリウレ
タン弾性繊維の耐塩素劣化性の向上について例示する。
また、実施例中の部と%は重量部と重量%を意味する。 −実施例1− 両末端に水酸基を持つ数平均分子量2000のポリテト
ラメチレンエーテルグリコールと4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアネートとをモル比で1:2の割合で反
応させプレポリマーを製造し、ついで1,2−プロピレ
ンジアミンで鎖延長を行い、ポリマー濃度30%(溶媒
はN,N−ジメチルホルムアミド)で2000ポイズ
(30℃)の粘度のポリウレタン溶液を得た。この溶液
にポリウレタンに対して3%の4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニルをジメチルホルムアミド溶液として添加し、
さらに白度向上剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、ガス黄変
防止剤を添加して、混合攪拌して紡糸原液を得た。
【0018】紡糸原液を、脱泡後、孔径0.2mm、孔
数5ホールの口金から紡出し、180℃の加熱空気を流
した紡糸筒内に押し出し、10000rpmの回転数で
仮撚りをかけ、油剤を糸に対して6%付与しながら紡速
500m/分で巻きとり40デニールの5フィラメント
のポリウレタン系弾性繊維(A)を得た。
【0019】こうして得たポリウレタン弾性繊維を精
錬、リラックス、乾燥、ヒートセットをおこなった後、
染色を行った。染色は、染浴に酢酸0.4g/L、硫安
2g/L、アニオン系均染剤1.2g/Lを溶解し、浴
比1:13で染料:Kayacyl Blue BR,
5%owf(酸性染料)、40℃から95℃で60分の
条件で実施した。50℃で10分湯洗いをし、引き続い
て、タンニン酸ではないアニオン系ポリフェノールを用
いて染料固着処理を行った。得られた染色されたポリウ
レタン弾性繊維を延伸脱水し、マングルで脱液後、16
0℃で乾燥、セットすることにより、染色されたポリウ
レタン系弾性繊維(B)を得た。
【0020】得られた(A)繊維と(B)繊維を糸長方
向に40%伸長させた状態で、有効塩素濃度30pp
m、pH=7.0の塩素水800部に浴温30℃で6時
間浸漬し、塩素水による糸の耐劣化性を評価した。各繊
維の浸漬前後の応力保持率を後記の表1に示す。
【0021】−実施例2− 塩素劣化防止剤として4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル,1.5%を用いる以外は実施例1と同じ処方でポリ
ウレタン系弾性繊維および染色されたポリウレタン弾性
繊維を作製し、塩素水による耐劣化性を評価した。結果
を後記の表1に示す。
【0022】−実施例3− 塩素劣化防止剤としてビスフェノールA,3%を用いる
以外は実施例1と同じ処方でポリウレタン系弾性繊維お
よび染色されたポリウレタン弾性繊維を作製し、塩素水
による耐劣化性を評価した。結果を後記の表1に示す。
【0023】−実施例4− 塩素劣化防止剤としてビスフェノールA,1.5%を用
いる以外は実施例1と同じ処方でポリウレタン弾性繊維
および染色されたポリウレタン系弾性繊維を作製し、塩
素水による耐劣化性を評価した。結果を後記の表1に示
す。
【0024】−実施例5− 塩素劣化防止剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン,3%を用いる以外は実施例1と同じ処方で
ポリウレタン系弾性繊維および染色されたポリウレタン
系弾性繊維を作製し、塩素水による耐劣化性を評価し
た。結果を後記の表1に示す。
【0025】−実施例6− 塩素劣化防止剤として3,5−ジヒドロキシベンジルエ
チルケトン,3%を用いる以外は実施例1と同じ処方で
ポリウレタン弾性繊維および染色されたポリウレタン系
弾性繊維を作製し、塩素水による耐劣化性を評価した。
結果を後記の表1に示す。
【0026】−実施例7− 塩素劣化防止剤として、ビスフェノールAを単量体と
し、Horsera−dish peroxidase
酵素を触媒として反応せしめることにより製造されたビ
スフェノールA重合体(平均分子量1000),3%を
用いる以外は実施例1と同じ処方でポリウレタン系弾性
繊維および染色されたポリウレタン系弾性繊維を作製
し、塩素水による耐劣化性を評価した。結果を後記の表
2に示す。
【0027】−実施例8− 塩素劣化防止剤として、4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニル,0.2%を用いる以外は実施例1と同じ処方でポ
リウレタン系弾性繊維および染色されたポリウレタン系
弾性繊維を作製し、塩素水による耐劣化性を評価した。
結果を後記の表2に示す。
【0028】−実施例9− 実施例1と同じ方法でポリウレタン系弾性繊維を作製
し、染色時に染料固着剤としてタンニン酸5%owfと
吐酒石2.5%owfを使用する以外は実施例1と同じ
処方で染色されたポリウレタン系弾性繊維を作製し、こ
れらの弾性繊維の塩素水による耐劣化性を評価した。結
果を後記の表2に示す。 −比較例1− 塩素劣化防止剤を何も添加しないで、実施例1と同じ処
方でポリウレタン系弾性繊維および染色されたポリウレ
タン系弾性繊維を作製し、塩素水による耐劣化性を評価
した。結果を後記の表2に示す。
【0029】−比較例2− 塩素劣化防止剤として、酸化マグネシウムを3%を用い
る以外は実施例1と同じ処方でポリウレタン系弾性繊維
および染色されたポリウレタン系弾性繊維を作製し、塩
素水による耐劣化性を評価した。結果を後記の表2に示
す。
【0030】−比較例3− 塩素劣化防止剤として、酸化マグネシウムを3%を用い
る以外は実施例1と同じ処方でポリウレタン系弾性繊維
を作製し、染色時に染料固着剤としてタンニン酸5%o
wfと吐酒石2.5%owfを使用する以外は実施例1
と同じ処方で染色されたポリウレタン系弾性繊維を作製
し、これらの弾性繊維の塩素水による耐劣化性を評価し
た。結果を後記の表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、塩素含有環境で使用さ
れるポリウレタン系弾性繊維に対して、塩素による劣化
を改善し、耐塩素性の優れた製品を提供することが可能
になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井戸 祥記 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 鈴木 肇 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示す化1、化2および化3で表さ
    れるフェノールを主とするモノまたは/およびポリヒド
    ロキシベンゼン誘導体の少なくとも1種以上が繊維重量
    に対して0.1〜20重量%含まれることを特徴とする
    ポリウレタン系弾性繊維。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、Z1は芳香族基、Z2、Z3、Z4、およびZ
    5はそれぞれZ1と同一もしくは異なる芳香族基、Aは
    R1とR2と3者でアルキレン基、エーテル基、スルフ
    ォニル基、スルフィド基、アゾ基などの2価基、B1は
    アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、スルホン基、ア
    ミノ基などの1価基または水素原子、B2、B3、B4
    およびB5はそれぞれB1と同一もしくは異なる1価基
    または水素原子、を示す。また式中のk、l、m、n、
    s、t、u、v、xおよびyは次の下記(Q)式群を満
    足する正の整数を示す。) 0≦k≦4 1≦k+l≦5 (Q−1) 0≦m≦4 1≦m+n≦5 (Q−2) 0≦s≦4 1≦s+t≦5 (Q−3) 0≦u≦4 1≦u+v≦5 (Q−4) 1≦x≦4 1≦x+y≦6 (Q−5)
  2. 【請求項2】 化1、化2および化3で表される化合物
    を単量体とする多量体を含有してなる請求項1のポリウ
    レタン系弾性繊維。
  3. 【請求項3】 化1、化2および化3で表される化合物
    を、ポリウレタンおよびまたはポリウレタンウレアを主
    成分とするポリマーまたはポリマー溶液に添加含有せし
    め、紡糸することを特徴とするポリウレタン系弾性繊維
    の製造法。
JP2733092A 1992-01-17 1992-01-17 ポリウレタン系弾性繊維とその製造法 Pending JPH05195317A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2733092A JPH05195317A (ja) 1992-01-17 1992-01-17 ポリウレタン系弾性繊維とその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2733092A JPH05195317A (ja) 1992-01-17 1992-01-17 ポリウレタン系弾性繊維とその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05195317A true JPH05195317A (ja) 1993-08-03

Family

ID=12218061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2733092A Pending JPH05195317A (ja) 1992-01-17 1992-01-17 ポリウレタン系弾性繊維とその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05195317A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2093316A4 (en) * 2006-12-15 2010-01-20 Invista Tech Sarl ELASTIC POLYURETHANE WIRE AND PRODUCTION METHOD

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2093316A4 (en) * 2006-12-15 2010-01-20 Invista Tech Sarl ELASTIC POLYURETHANE WIRE AND PRODUCTION METHOD

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5512059A (en) Dyed union knit fabric and method for its manufacture
US8148475B2 (en) Melt spun polyether TPU fibers having mixed polyols and process
US5447969A (en) Polyurethane composition
JP4899166B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
CN110036145B (zh) 聚氨酯弹性纤维及聚氨酯弹性纤维的制造方法
US3988292A (en) Gas-fade inhibitor and anti-gas-fade polymer composition
JPH05195317A (ja) ポリウレタン系弾性繊維とその製造法
JPH06264301A (ja) 水 着
GB2142641A (en) Polyurethane compositions
JPH05195322A (ja) ポリウレタン系弾性繊維
JP3282674B2 (ja) 染色された交編編地とその製法
JP3221508B2 (ja) 染色された交編編地とその製法
CN108048953B (zh) 一种聚砜-聚氨酯脲复合弹性纤维及其制备方法
KR20080060507A (ko) 내 변색성이 우수한 폴리우레탄 탄성사
JPH0681215A (ja) ポリウレタン系弾性繊維
CA2378294A1 (en) Polyurethane-urea fibres with improved resistance
JP3035893B2 (ja) 染色された交編編地とその製法
JP2959034B2 (ja) 染色物およびその製造方法
JP4839455B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JPH0455222B2 (ja)
JP2000169700A (ja) ポリウレタン組成物およびポリウレタン弾性糸
JPH0657530A (ja) ポリアミド繊維とその製造法
US3367993A (en) Polycarbonate elastomers from 5, 6, 7, 8-tetrahydro-1, 4-naphthalenediols
JP2963856B2 (ja) アミノ変性シリコーンを含有するポリウレタン弾性繊維
JP3087857B2 (ja) 交編編地の染色処理方法