JP3221217U - 包装用積層フィルムおよび包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素ガスバリア性と耐ピンホール性とを、兼備した包装用積層フィルムを提供する。【解決手段】ガスバリア性蒸着フィルム10、ガスバリア性蒸着ナイロンフィルム10、二軸延伸エチレン系フィルム20の順に積層させた構成である。【選択図】図1

Description

本願は、酸素により変質する内容物を包装するのに好適な包装用積層フィルム、および、該積層フィルムを用いた包装体に関する。
点滴用の注射剤である輸液(アミノ酸製剤、ブドウ糖製剤、脂肪乳剤等)は、従来、ガラス製の容器に充填されたものが使用されてきたが、ガラス製容器は衝撃に弱く、また、容器を軽量化する観点から、プラスチック製の袋状容器に充填された輸液バックが普及してきている。
輸液は、大気中の酸素により変質しやすい。よって、輸液バックは、さらにガスバリア性の外袋により外装される場合がある。また、輸液バックを外装した外袋は、輸送中に振動を受け、収容された輸液バックや、周囲と衝突することで、ピンホールが発生する場合があり、この場合、ガスバリア性が損なわれてしまう恐れがあった。
このような課題を解決することを目的として、特許文献1、2には、ガスバリア性と耐ピンホール性を有する、輸液バック用の外袋として使用される包装材料が記載されている。
特開2004−148635号公報 特開2018−030313号公報
しかしながら、輸液は長期の安定性を有していることが好ましく、その観点からすると、特許文献1、2に記載の包装材料は、酸素ガスバリア性と耐ピンホール性が十分ではなかった。
そこで、本願では、酸素ガスバリア性と耐ピンホール性とを、兼備した包装用積層フィルムを提供することを課題とする。
本考案者らは、上記課題を解決すべく、以下の点を見出した。
(1)複数のガスバリア性蒸着フィルムを用いることで、所望の酸素ガスバリア性が得られる。
(2)複数のナイロン系の蒸着フィルムを用いることで、所望の耐ピンホール性が得られる。
(3)蒸着フィルムの基材フィルムがナイロン系フィルムであり且つ複数枚用いるので、積層フィルムの強度が優れるが、その分、引裂き難くなる。しかし、二軸延伸エチレン系フィルムを積層することにより、引裂き容易性を付与できる。
(4)二軸延伸エチレン系フィルムを最内層側に積層した場合は、フィルム同士を離れ易くすることができ、内袋取り出し易さが得られる。
すなわち、本願は、第一の形態として、複数枚のガスバリア性蒸着ナイロンフィルムと二軸延伸エチレン系フィルムとを積層させた構成であることを特徴とする包装用積層フィルム(以下、「本フィルム」と称することがある)を開示する。
第一の形態の包装用積層フィルムにおいて、最内層側に二軸延伸エチレン系フィルムを有することが好ましい。
ここで、「最内層側」とは、上記包装用積層フィルムを用いて包装体を形成した際に、包装体の内側となる側である。
また、「最外層側」とは、上記包装用積層フィルムを用いて包装体を形成した際に、包装体の外側となる側である。
第一の形態の包装用積層フィルムにおいて、25℃相対湿度60%条件下の酸素透過率が0.3cc/m/day/atm以下であり、且つ23℃相対湿度50%条件下のゲルボフレックス3000回試験におけるピンホール数1.0個/0.05m未満であることが好ましい。
外袋に上記の酸素ガスバリア性があることで、輸液(薬液)の酸化による劣化、変質を防止できる。また、外装に上記の耐ピンホール性があることで、重量のある輸液内袋を入れた状態で、搬送や保管してもピンホールが開かない。
第一の形態の包装用積層フィルムにおいて、40℃相対湿度75%条件下の水蒸気透過率0.20g/m/day以上であることが好ましい。
輸液は水溶液でありその包装体(内袋)から外側へ水蒸気が透過する。外袋の水蒸気透過率が低いと(水蒸気バリア性が良いと)、内袋と外袋の間に水蒸気が溜まり結露しやすいため、上記の範囲を満たす水蒸気透過率を有していることが好ましい。
本願は、第二の形態として、第一の形態の積層フィルムを用いた包装体を開示する。
包装体としては、例えば、二軸延伸エチレン系フィルム面同士を対向させてヒートシールして作製した、袋体が挙げられる。袋体は、例えば、輸液バックの外袋として好適に使用することができる。
本開示の包装用積層フィルムは、酸素ガスバリア性と耐ピンホール性とを、兼備しており、該包装用積層フィルムにより形成した包装体も、同様である。
(a)および(b)は、本開示の一実施形態の包装用積層体の層構成を示す模式図である。(c)は、比較例1の積層体の層構成を示す模式図である。 本開示の包装体が輸液バックを含んだ状態を正面から見た模式図である。
<包装用積層フィルム>
(ガスバリア性蒸着ナイロンフィルム)
ガスバリア性蒸着ナイロンフィルムの基材フィルムは、ナイロン系樹脂からなるフィルムであればよく、ナイロン系樹脂としては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン及びMXD6ナイロンなどの縮合単位の重合体、並びに、これらの2種以上の共重合体及びこれらの混合物などを挙げることができる。また、これらのナイロン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ナイロン系樹脂としては、ガスバリア性の観点から、MXD6ナイロンが好ましく、また耐ピンホール性の観点から、6ナイロン及び6−66ナイロンが好ましく、6−ナイロンが特に好ましい。
基材であるナイロンフィルムは、良好な耐ピンホール性を付与する点から、二軸延伸されていることが好ましい。延伸方法としては、特に制約されるものではないが、縦方向(フィルムの流れ方向、MD)へのロール延伸や、横方向(フィルムの流れ方向に対して垂直方向、TD)へのテンター延伸等により、二軸延伸されることが好ましい。
また、上述のように縦方向に延伸した後、横方向に延伸してもよく、横方向に延伸した後、縦方向に延伸してもよい。また、縦方向及び横方向に延伸処理されていれば、同じ方向に2回以上延伸してもよい。さらには、縦方向に延伸した後、横方向に延伸し、さらに縦方向に延伸してもよい。また、同時二軸延伸機により縦方向、横方向に同時に延伸されてもよい。さらには、未延伸フィルムを裁断し、バッチ式の延伸機により二軸延伸されてもよい。
縦延伸、横延伸における延伸倍率は、通常面倍率で1.5〜15倍、より好ましくは4〜10倍である。逐次延伸の場合の縦方向の延伸倍率は1.2〜5倍で、好ましくは1.5〜4.0倍であり、横方向の延伸倍率は1.2〜5倍で、好ましくは1.5〜4.0倍である。同時二軸延伸の各方向の延伸倍率は1.5〜5倍である。
基材であるナイロンフィルムの厚みは、本願に必要な性能と経済性とのバランスの点から、9〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
上記したナイロン系樹脂からなる基材フィルムには、ガスバリア性を付与すべく、蒸着膜が形成されている。蒸着膜の組成は、アルミ、アルミナ、シリカ等が挙げられ、中でもガスバリア性、透明性の点からアルミナ、シリカが好ましく、単独または2種類以上の混合物でもよい。
蒸着層は、基材フィルムの少なくとも片面に形成すればよく、基材フィルムの両面に形成してもよいが、ガスバリア性が飽和する点、経済性の観点から、片面に形成することが好ましい。
基材フィルムには、易接着コートやコロナ処理等を施し、蒸着膜や接着剤層との密着性を向上させることができる。また、蒸着膜の上にコートを形成し、蒸着膜の保護や、接着剤層との密着性を向上させることができる。
コート剤としては、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、アクリルなどの樹脂を使用することができ、また各種架橋剤により架橋させることができる。
(二軸延伸エチレン系フィルム)
二軸延伸エチレン系フィルムを構成するポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン系アイオノマー、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの樹脂は単独での使用、混合しての使用とも可能である。中でも直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、特にヒートシール性とフィルム強度の点から、シングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
二軸延伸エチレン系フィルムは、包装用積層フィルムの最内層側に積層されることが好ましく、これにより、包装用積層フィルムに、内袋取り出し易さを付与できる。つまり、二軸延伸エチレン系フィルム側を内側にして、ヒートシールして包装体(例えば、外袋)を形成した場合に、二軸延伸エチレン系フィルムの滑り性により、外袋の内側と内袋(例えば、輸液バック)の外側とが離れ易くなり、内部に収容した内袋を、取り出すことが容易となる。
また、蒸着フィルムの基材フィルムがナイロン系フィルムであり且つ複数枚用いるので、積層フィルムの強度が優れるが、その分、引裂き難くなる。しかし、二軸延伸エチレン系フィルムを積層することにより、引裂き容易性を付与できる。
二軸延伸の方法は、上記のガスバリア性蒸着ナイロンフィルムにおける場合と同様である。逐次二軸延伸、同時二軸延伸の縦方向、横方向の延伸倍率は、3〜10倍が好ましく、4〜8倍がより好ましい。
二軸延伸エチレン系フィルムの厚さは、ヒートシール性、剛性及び成形性の観点から、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが更に好ましい。また100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、70μm以下であることが更に好ましい。
(接着層)
上記した複数枚のガスバリア性蒸着ナイロンフィルム、および、二軸延伸エチレン系フィルムは、接着剤を用いて積層される。用いる接着剤としては、各フィルムを必要な強度で接着させることができれば特に限定されず、ポリオレフィン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤など、種々の接着剤を使用可能であるが、輸液バック等の重量物を包装する外袋用途として接着力を強くさせる必要性と、蒸着ナイロンフィルムとの密着性を出す点から、ポリエステル系ポリウレタン接着剤を用いることが好ましい。
(その他の層)
本開示の包装用積層フィルムは、本願の効果を損なわない範囲で、他の層をさらに有していてもよく、例えば、さらなる耐ピンホール性を付与する点から、蒸着膜を形成していない二軸延伸ナイロンフィルムをさらに積層してもよい。
(層構成)
本開示の包装用積層フィルムは、上記したガスバリア性蒸着ナイロンフィルムを複数枚有している。所望の耐ピンホール性およびガスバリア性を付与する観点から、少なくとも二枚以上で、枚数が多いほうが良好な性能が発揮されるが、これらの性能が飽和する点、フィルムの成形性、および、経済性の点から、2枚〜3枚が好ましく、特に、2枚が好ましい。
本開示の包装用積層フィルムの層構成としては、例えば、図1(a)に示すような、以下の構成を挙げることができる。
ガスバリア性蒸着ナイロンフィルム10/接着層30/ガスバリア性蒸着ナイロンフィルム10/接着層30/二軸延伸エチレン系フィルム20、
また、図1(b)に示すように、さらに他の層40を積層しても構わない。
上記したように、内袋取り出し性を付与する点から、最内層側に二軸延伸エチレン系フィルム20を積層することが好ましい。また、ガスバリア性蒸着ナイロンフィルム10の蒸着層11の位置は特に限定されないが、蒸着層11が外部接触により劣化することを防ぐ観点からは、図1(a)に示すように、蒸着層11が外部に露出しないように、蒸着層11を内側にして積層することが好ましい。
(酸素ガスバリア性)
本開示の包装用積層フィルムは、酸素ガスバリア性を有しており、25℃相対湿度60%条件下の酸素透過率0.3cc/m/day/atm以下であることが好ましく、0.2cc/m/day/atm以下であることがより好ましい。
また、40℃相対湿度75%条件下の酸素透過率は、0.7cc/m/day/atm以下であることが好ましく、0.65cc/m/day/atm以下であることがより好ましい。
なお、酸素ガスバリア性の評価方法については、実施例において記載する。
(耐ピンホール性)
本開示の包装用積層フィルムは、耐ピンホール性を有しており、23℃相対湿度50%条件下のゲルボフレックス3000回試験におけるピンホール数1.0個/0.05m未満であることが好ましく、0.5個/0.05m未満であることがより好ましい。
また、5℃相対湿度50%条件下のゲルボフレックス500回試験におけるピンホール数は、1.0個/0.05m未満であることが好ましく、0.3個/0.05m未満であることがより好ましい。
なお、耐ピンホール性の評価方法については、実施例において記載する。
(引き裂き容易性)
本開示の包装用積層フィルムは、引き裂き容易性を有しており、フィルムの縦方向または横方向の少なくとも一方の引裂強度が600mN以下であることが好ましく、500mN以下がより好ましい。フィルムの引裂強度の低い方向が、包装体の引裂き開封方向になるように製袋するとよい。
なお、引き裂き容易性の評価方法については、実施例において記載する。
(水蒸気透過率)
本開示の包装用積層フィルムは、所定の水蒸気透過率を有しており、40℃相対湿度75%条件下の水蒸気透過率は0.20g/m/day以上であることが好ましく、0.40g/m/day以上であることがより好ましく、0.55g/m/day以上であることがさらに好ましい。
また、23℃相対湿度50%条件下の水蒸気透過率は0.10g/m/day以上であることが好ましく、0.30g/m/day以上であることがより好ましく、0.35g/m/day以上であることがさらに好ましい。
なお、水蒸気透過率の評価方法については、実施例において記載する。
(内袋取り出し易さ)
本開示の包装用積層フィルムは、二軸延伸エチレン系フィルムを最内層にして、該最内層を内側に向け製袋して外袋として使用して内袋を収容した場合、内袋取出し易さを有しており、外袋から内袋を取り出す際に、内袋が外袋の内面に密着して引っかかるような感じを受けることなく、内袋を取り出すことができる。
なお、内袋取出し易さの評価方法については、実施例において記載する。
<包装用積層フィルムの製造方法>
本開示の包装用積層フィルムは、公知の方法により各フィルムを積層して製造することができる。各フィルムは、例えば、ドライラミネートにより積層することができ、ドライラミネートには、上記した接着剤を使用することができる。
<包装体>
本開示の包装体は、上記した包装用積層フィルムを用いて形成される。例えば、最内層を二軸延伸エチレン系フィルムとした場合は、二枚の包装用積層フィルムの二軸延伸エチレン系フィルム側を対向させて、端部をヒートシールして袋体を形成することができる。また、別途用意される底材の開口淵部に、蓋材として包装用積層フィルムの二軸延伸エチレン系フィルム面を向けてヒートシールすることができる。また、包装用積層フィルムの最内層側と最外層側の両側に二軸延伸エチレン系フィルムを設けてヒートシールし、二重袋を作製することも可能である。
本開示の包装体は、酸素により変質する内容物を包装するのに好適であり、例えば、特に上記袋体は、輸液バックを外装する外袋として好適に使用できる。
図2に、輸液バックを外袋により外装した状態の正面模式図を示す。図示した形態では、外袋は透明であるため、内部の輸液バックが透けて見えている。輸液250は、輸液内袋(一次袋)200内に収納されており(輸液が収容された輸液内袋を「輸液バック」という。)、該輸液内袋200をさらに、輸液外袋(二次袋)300で外装している。
包装体は、重量物(例えば、輸液バック等)を包装する点から、ヒートシール強度は50N/15mm幅以上であることが好ましく、70N/15mm幅以上であることがより好ましい。
以下、実施例で本考案をさらに説明する。ただし、本考案は以下の実施例に限定されるものではない。
<包装用積層フィルムの作製>
(実施例1)
片面にシリカ蒸着層を形成したガスバリア性蒸着二軸延伸6ナイロンフィルム(15μm厚、以下「シリカ蒸着ONyフィルム」と記す)を二枚、二軸延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm厚、以下「OPEフィルム」と記す)を一枚準備し、二枚のシリカ蒸着ONyの蒸着層側同士と、シリカ蒸着ONyフィルムの6ナイロンフィルム側(蒸着層を形成していない側)とOPEフィルムとを、ポリエステル系ポリウレタン接着剤を用いてドライラミネートして、積層フィルム100a(最外層と中間層にシリカ蒸着ONyフィルム10、最内層にOPEフィルム20を有する)を作製した。
層構成を図1(a)に示す。
(実施例2)
さらに、最外層側に、二軸延伸6ナイロンフィルム40(蒸着層を形成していないフィルム、15μm厚、以下ONyフィルムと記す)をポリエステル系ポリウレタン接着剤を用いてドライラミネートして、積層フィルム100bを作製した。
層構成を図1(b)に示す。
(比較例1)
ONyフィルム40を二枚、片面にシリカ蒸着層を形成したガスバリア性蒸着二軸延伸PETフィルム50(12μm厚)を一枚、さらに、未延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム60(60μm厚、以下LLDPEフィルムと記す)を一枚準備し、図1(c)に示す層構成にて、ポリエステル系ポリウレタン接着剤を用いてドライラミネートして、積層フィルム100cを作製した。
(比較例2)
実施例1において、最外層をONyフィルムにして、最内層をLLDPEフィルムとした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製した。
(比較例3)
実施例1において、最内層をLLDPEフィルムとした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製した。
<評価>
(屈曲ピンホール数)
20cm×28cmの大きさに切断した積層フィルムを、以下の示す所定の温度、相対湿度50%の条件下に、24時間以上静置して調温湿し、MIL−B−131Cの規格に準拠した理学工業社製ゲルボフレックステスターNo.901型を使用して、次のように屈曲テストを繰り返し、ピンホール数を計測した。
先ず、積層フィルムを長さ20cm円周28cmの円筒状にし、当該巻架した円筒状フィルムの一端を上記テスターの円盤状固定ヘッドの外周に、他端を上記テスター円盤状可動ヘッドの外周にそれぞれ固定した。固定ヘッドと可動ヘッドとは17.5cm隔てて対向している。
次いで、上記可動ヘッドを上記固定ヘッドの方向に、平行に対向した両ヘッドの軸に沿って8.8cm接近させる間に440゜回転させ、続いて回転させることなしに6.3cm直進させ、その後、これらの動作を逆に行わせ、上記可動ヘッドを最初の位置に戻すまでの行程を1回とする屈曲テストを、1分あたり40回の速度で、連続して所定の回数行った。その後、屈曲テストした積層フィルムの固定ヘッドと可動ヘッドの外周に固定した部分を除いた範囲に生じたピンホール数(単位:個/0.05m)を、サンコー電子研究所製ピンホールテスターTRD型により1kVの電圧を印加して、計測した。
温度、湿度、屈曲試験回数は、次の2条件で行った。(i)23℃相対湿度50%、3000回、(ii)5℃相対湿度50%、500回。
(内袋取り出し易さ)
低密度ポリエチレンフィルム(50μm厚)を用いて縦横内寸12cm角の袋体を作製し、100mLの水を封入して、内袋として用いた。積層フィルムのOPEフィルムまたはLLDPEフィルム面同士を対向させて、縦横内寸20cm角の袋体を作製し、内袋を収容して水平台に静置した。次いで、外袋の開口した一辺から、内袋の一辺中央部をつかんで水平方向に内袋を引き出した。その際に、内袋が外袋の内面にくっついて引っかかるような取出し難さがない場合を「○」、ある場合を「×」として評価した。
(引裂強度)
積層フィルムの引裂強度は、JIS K7128−2:1998(エレメンドルフ引裂法)に基づいて、縦方向、横方向のそれぞれについて3回測定して平均をとり、小さい方向の値を引裂強度(mN)として評価した。
(酸素透過率)
酸素透過率は、JIS K7126−2:2006法に準拠して、40℃相対湿度75%、および25℃相対湿度60%の2条件での酸素透過率(単位:cc/m/24h/atm)を測定した。
(水蒸気透過率)
積層フィルムのOPEフィルムまたはLLDPEフィルム面同士を対向させて、縦横内寸12cm角の袋体を作製し、100mLの水を封入し、40℃相対湿度75%3日間、および23℃相対湿度50%3日間の2条件で、重量変化を測定し、水蒸気透過率(単位:g/m/24h)を求めた。
(ヒートシール強度)
積層フィルムのOPEフィルムまたはLLDPEフィルム面同士を対向させ、シール温度150℃、シール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmの条件でヒートシールし、室温下で保管した。その後、JIS Z0238:1998に基づき、ヒートシール部を中央にして180°に開き、引張速度300mm/分の条件で引張試験を行い、ヒートシール強度(N/15mm幅)を測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0003221217
実施例の包装用積層フィルムは、各評価項目において良好な結果を示した。これに対して、比較例1〜3のフィルムは、耐ピンホール性および内袋取り出し易さにおいて、劣っており、また、比較例1のフィルムは、さらに、引き裂き容易性、および、水蒸気透過率においても劣っていた。
本開示の包装用積層フィルムから形成される包装体は、酸素により変質し易い内容物を包装するための包装体として好適であり、例えば、輸液バックなどの重量物を包装するための外袋として好適に使用可能である。
10:ガスバリア性蒸着ナイロンフィルム、
11:蒸着層、
20:二軸延伸エチレン系フィルム、
30:接着層、
40:二軸延伸ナイロンフィルム、
50:ガスバリア性蒸着二軸延伸PETフィルム、
60:未延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、
200:輸液内袋、
300:輸液外袋。

Claims (5)

  1. 複数枚のガスバリア性蒸着ナイロンフィルムと二軸延伸エチレン系フィルムとを積層させた構成であることを特徴とする包装用積層フィルム。
  2. 最内層側に二軸延伸エチレン系フィルムを有する、請求項1に記載の包装用積層フィルム。
  3. 25℃相対湿度60%条件下の酸素透過率0.3cc/m/day/atm以下、且つ23℃相対湿度50%条件下のゲルボフレックス3000回試験におけるピンホール数1.0個/0.05m未満である請求項1または2に記載の包装用積層フィルム。
  4. 40℃相対湿度75%条件下の水蒸気透過率0.20g/m/day以上である請求項3記載の包装用積層フィルム。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の積層フィルムを用いた包装体。
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