JP3219663U - ハーモニカ用カバーネジセット - Google Patents

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Abstract

【課題】クロマチックハーモニカのカバーの位置決めを簡単確実、誰でもできるように改善し、また困難であったカバー取付けネジの締結を簡単にできるように改善するネジセットを提供する。【解決手段】雄ネジの首下にネジ形成部分より太い円柱部分を設けボディー貫通孔の穴径との寸法差を小さくしてネジの傾きを解消し安定した状態で雄ネジを雌ネジにドライバーを用いず簡単にねじ込むことが出来るようにした。雄ネジの頭部1に従来の丸皿形状からローレット加工を施した円柱状とし、手でねじ込むことを可能にしてドライバーによる困難なねじ込みを解消した。雌ネジは首下長さを延長し先端には雄ネジ外径より大きい径の雄ネジ誘導部4を設けた。これにより雄ネジをねじ込む前に雌ネジに差し込むことができるようになり探りながらのねじ込みを解消した。【選択図】図4

Description

本考案はハーモニカ用であり特にクロマチックハーモニカのカバー取付け用雄ネジ及び雌ネジの形状にネジ込み易くボディーとカバーの位置決めを可能にしたネジセットに関するものである。
クロマチックハーモニカのメンテナンスで必須となるカバー取付けの際、ボディーに対して上下カバーを1ミリ以下の精度で所定の位置に手で保持しながら 精密ドライバーを用いて雄ネジと雌ネジをセットしていた。(図1参照)
例えば特許文献1を参照してクロマチックハーモニカの基本構造を説明する。
クロマチックハーモニカ1は、送られた空気を本体に取り付けられているリード4に当てて振動させ、これをカバー2で拡声させて外部に送り出すために、それぞれの音ごとにハーモニカに取り付けられているリード4は直接外気に接触するように構成されている。カバー2は拡声する機能を有し振動板の機能を有するリード4を保護している。 特にバルブ3を有するクロマチックハーモニカ1はバルブ3のメンテナンスを頻繁に行う必要がある為その都度カバー2の着脱を行うことになる。
特許5294519号公報
図5に示すようにクロマチックハーモニカのボディー3への上カバー4、下カバー2の取付け構造は、ボディーにネジ挿入用の貫通孔7を形成しこの貫通孔にカバーに設けたネジ通し孔8を一致させ、下カバー2のネジ通し孔から雌ネジ2Aをボディーの貫通孔内に挿入し、上カバー4のネジ通し孔から雌ネジ1Aにねじ込まれるように雄ネジ5Aをボディーの貫通孔に差し込んで雌ネジ1Aと雄ネジ5Aを締結するようになっている。ボディーの貫通孔内に挿入される雌ネジ1Aの外径は貫通孔7の内径とほぼ等しいように設定されているが、雄ネジ5Aの外径は雌ネジ1Aのネジ孔にねじ込まれる為、ボディーの貫通孔7の内径よりも小径となっている。したがって雄ネジ5Aのネジ形成部外径とボディーの貫通孔内径との寸法差が大きい為、雌ネジ1Aに雄ネジ5Aをねじ込む際に雄ネジ5Aがボディーの貫通孔7内において傾いてしまい、雄ネジ5Aの先端を雌ネジ1Aにねじ込むことはなかなか難しい。更にカバーの両端には手になじみ易くする為とデザイン的な観点からそれぞれの端縁に向かって若干の傾斜6をもたせている。したがって、雄ネジ5Aをドライバーで回転させて雌ネジ1Aのネジ孔にねじ込もうとすると雄ネジ5Aはカバーの傾斜面があっても垂直にしなければならず雄ネジ5Aの先端を雌ネジ1Aのネジ孔へねじ込むことはますます困難となっていた。
1.クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するボディーにカバーを取付ける為のネジセットであって、カバー取付け用雄ネジと、この雄ネジがねじ込まれるカバー取付け用雌ネジとを備え、前記カバー取付け用雄ネジの首下部分にネジ形成部分より太い円柱部分を設けてボディーの穴径との寸法差を小さくし雌ネジには先端部に雄ネジをねじ込む前に差し込むことを可能にした非ネジ形成部である誘導部を設けたことを特徴とするネジセット。
2.クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するボディーにカバーを取付ける為のカバー取付け用雄ネジであって、カバー取付け用雄ネジは頭部の周面に手でねじ込み、締付ける為のローレット加工が施され、首下部分にはボディーとカバーの位置を合わせる為の、ネジ形成部分より太い円柱部分を設けたことを特徴とする雄ネジ。
3.クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するカボディーにカバーを取付ける為のカバー取付け用雌ネジであって、先端部に雄ネジをねじ込む前に差し込むことを可能にした非ネジ形成部である誘導部を設けたことを特徴とする雌ネジ。
4.クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するボディーにカバーを取付ける為のカバー取付け用雄ネジであって、カバー取付け用雄ネジの頭部は丸皿マイナス溝加工で形成されたことを特徴とする雄ネジ。
従来のネジセットは専らカバーを取付ける為の物であったのでボディーとカバーの位置決めは人の手によって行わなければならず熟練した技術を要したが本考案は雄ネジの頭部は円柱状でローレット加工とし、ドライバーを用いず手でねじ込み、締付けることを可能にした。更に頭部とネジ形成部との間に外径がボディー貫通孔内径との寸法差を小さくした円柱状のガイド部を設け取付けることによりカバーとボディーの位置決めを可能にした。雌ネジは首下部分の長さを長くしてボディーの厚さの中心付近で雄ネジとの締結を可能にし、先端部分にはネジのない雄ネジ誘導部を設け、ねじ込む前の差し込みを可能にしてカバー取付け時の不安定で困難なねじ込みの課題を解決した。
図1は従来の方法によるねじの取付け状態を表す図である。 図2は本考案のねじを用いての取付け状態を表す図である。 図3は従来のねじと取付け図である。 図4は本考案のねじ形状の詳細を表す図である。 図5は従来のネジと本考案のネジによる取付け図である。 図6は本考案雄ネジの頭部を丸皿マイナスネジ形状とした物の図である。
図1は従来の方法によるねじの取付け状態を表す図であり雌ねじ1を下カバー2の下からネジ取付け孔に差し込み、人差指で押さえながら手の平に乗せその上からボディー3、上カバー4の順に乗せそれぞれのネジ貫通孔がずれないように押さえながら雄ねじ5を上から差込みドライバーで回しながら雌ネジ1を探りながらねじ込む。完全に締め付ける手前で180度反転させて同様に雌ネジ1、雄ねじ5を取付ける。その後両方の雄ねじを徐々に締めつけながらカバーがボディーから外れることなく所定の位置にあることを確認して最後に確実に締め付けて取付けを完了する。従来はカバーのネジ取付け孔とボディーの貫通孔の位置合わせを左手でカバーがボディーから逸脱しないように保持することが困難で人によってはカバーの取付けが出来なかった。
図2は本考案のねじを用いての取付け状態を表す図であり、手の平に雌ネジ1、下カバー2、ボディー3、上カバー4を乗せて雄ネジ5を差し込む迄は従来と同じ手順となるが本考案雄ネジを差し込んでからはドライバーを使用せず、手で徐々にねじ込んで行くと本考案の雄ネジの特徴である頭部とネジ形成部分との間に設けた円柱部分がボディーの貫通孔に達するとボディーの貫通孔との寸法差が小さい雄雌両方のネジによりカバーの位置決めが可能になり、更に雄ネジをねじ込む前に雌ネジ非ネジ形成の誘導部に差し込むことによりネジ同士の締結が容易になった。よって誰でも簡単にカバーの取付けができるようになった。
図3は従来のねじと取付け図であり、従来の雄ネジ5は頭部が丸皿で首下のネジ形成部分はストレートであり、ネジ径とボディーの貫通孔内径との寸法差が大きい為、先端がボディー内において定まらず雄ネジ5を雌ネジ1と締結することは困難であった。雌ネジは首下部分が短くドライバーでねじ込む為、ネジ同士を探りながらの作業となるので締結は困難であった。
図4は本考案のねじ形状の詳細を表す図であり、従来は雄ネジを差し込んだ後ドライバーでねじ込んでいた為、頭部が丸皿であったのに対して本考案では円柱状1でローレット加工を施し手で差込み、そのままねじ込めるようにして困難であった雌ネジとの締結を容易にした。また首下部分が従来はストレートだったのに対し本考案では首下に円柱部分2を設けこの円柱部分がボディー貫通孔に挿入されることによりボディー貫通孔との寸法差を小さくし雄ネジ先端を安定させて雌ネジとの締結を容易にした。その結果カバーとボディーの位置を合わせることを可能にして困難であったカバーの微細な位置合わせが簡単にできるようになった。更に雌ネジは首下長さを延長し、先端に非ネジ誘導部4を設けて雄ネジ先端を挿入することにより探りながらの締結の必要がなく誰でも簡単にカバーの取付けができるようになった。
図5は従来のネジと本考案のネジによる取付け図であり、であり従来の雄ネジは首下部分1がストレートであった為ボディーの貫通孔内径との寸法差が大きくボディー貫通孔の中で傾いてしまいドライバーで回しながら雌ネジへのねじ込みは困難であった。雌ネジは首下長さが短く、その分雄ネジから離れた所でねじ込まれるため締結が困難であった。本考案のネジは雄ネジの首下部分1に円柱部分5Bを設けボディーの貫通孔内径との寸法差を小さくしボディー貫通孔の中で安定した状態を保ちながらねじ込みができるようになった。更に雌ネジの先端に設けられた誘導部7に雄ネジを挿入することにより探りながらの締結の必要がなく誰でも簡単にカバーの取付けができるようになった。
図6は本考案雄ネジの頭部を丸皿マイナスネジ形状とした物の図であり、本考案は困難なカバーの位置決めと取付けの問題点を解決することを追及した結果、従来品のように頭部がカバーの傾斜面に収まらず突出した形状となった。この結果、演奏に支障はないがカバー全体のデザイン面から考えると実用性に反してカバーの傾斜面に収まるデザインを好むユーザーもいるかも知れないことを考慮して頭部を従来品同様の丸皿マイナス溝付きとしたタイプも考案した。尚、このタイプの場合は最後の締付けは手ではなくドライバーによって行うことになり頭部の形状をユーザーが選ぶことができるようにした。
本考案を実施する手順は図2に示すように従来と同様にボディーの取付けを行うが雄ネジを差し込んだ後はそのまま手でねじ込み、ドライバーを使用せず手で締め付けができるようになった。尚、本考案の雄雌ネジは精密な形状加工につき材質を真鍮製とし時間の経過による変色を遅らせる為にキリンス加工を施すことができる。
請求項1について
図4に示すように本考案はハーモニカの上カバーとボディー、下カバーのそれぞれのネジ穴に貫通して前記上カバーと前記ボディー、と下カバーとを固定するための雄ネジと雌ネジのセットであり、前記雄ネジは頭部1と先端のネジ形成部3の中間部に位置し前記雄ネジ部より太くボディーの穴径との寸法差が小さい円柱状のガイド部2と、前記上カバーを固定するための前記円柱状部分2より外径の太い頭部1とを有する。前記雌ネジは前記雄ネジの円柱状のガイド部2と同径の円柱状のガイド部5と、この円柱状のガイド部先端の内側に前記雄ネジ先端部を雌ネジ部に誘導するための前記雄ネジ形成部外径3より大きく前記円柱状のガイド部より小さい内径の円筒状のネジのない誘導部4と、雌ネジ部6とを有し、前記雌ネジの端部には前記下カバーを固定するための前記円柱状のガイド部よりも太い頭部7を有している。これにより安定した状態でねじ込み易くボディーの厚さの中心付近で締結させることにより前述の問題点を解決している。
請求項2について
雄ネジの頭部周面には手でねじ込み、締め付ける為のローレット加工を施した円柱状の頭部を特徴とするネジであり首下部分にネジ形成部分より太い円柱状のガイド部を設けたことを特徴としたネジである。
請求項3について
雌ネジの先端部分には雄ネジをねじ込む前に差し込むことを可能にした非ネジ形成部である誘導部を設けたことを特徴とするネジである。雌ネジは首下長さを長くし先端がボディーの貫通孔の中央付近に位置するように構成できる。
請求項4について
図6に示すように雄ネジの頭部は円柱状の物の他に丸皿マイナス溝加工を施し首下部分にネジ形成部分より太い円柱状のガイド部を設けたことを特徴としたネジである。
(図4)
1 雄ネジ頭部
2 雄ネジガイド部
3 雄ネジ部
4 雌ネジ誘導部
5 雌ネジガイド部
6 雌ネジ部
7 雌ネジ頭部
(図5 A従来品、B本考案取付け図)
1 雄ネジ
2 雌ネジ
3 上カバー
4 傾斜部
5 下カバー
6 ボディー
7 ボディー貫通孔
8 カバー取付け孔

Claims (4)

  1. クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するボディーにカバーを取付ける為のネジセットであって、カバー取付け用雄ネジと、この雄ネジがねじ込まれるカバー取付け用雌ネジとを備え、前記カバー取付け用雄ネジの首下部分にネジ形成部分より太い円柱部分を設けてボディーの穴径との寸法差を小さくし雌ネジには先端部に雄ネジをねじ込む前に差し込むことを可能にした非ネジ形成部である誘導部を設けたことを特徴とするネジセット。
  2. クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するボディーにカバーを取付ける為のカバー取付け用雄ネジであって、カバー取付け用雄ネジは頭部の周面に手でねじ込み、締付ける為のローレット加工が施され、首下部分にはボディーとカバーの位置を合わせる為の、ネジ形成部分より太い円柱部分を設けたことを特徴とする雄ネジ。
  3. クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するカボディーにカバーを取付ける為のカバー取付け用雌ネジであって、先端部に雄ネジをねじ込む前に差し込むことを可能にした非ネジ形成部である誘導部を設けたことを特徴とする雌ネジ。
  4. クロマチックハーモニカのネジ貫通孔を有するボディーにカバーを取付ける為のカバー取付け用雄ネジであって、カバー取付け用雄ネジの頭部は丸皿マイナス溝加工で形成されたことを特徴とする雄ネジ。
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