JP3219096B2 - n―グリコフロール類及びn―エチレングリコール類を含有する医薬製剤 - Google Patents

n―グリコフロール類及びn―エチレングリコール類を含有する医薬製剤

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、粘膜を通してほ乳動物に生物活性物質を
投与するための医薬組成物に関する。
生物活性物質の注射(静脈、筋肉内及び皮下)による
投与は、目的がたとえば3〜5分以内で迅速かつ強い全
身系の作用を達することであるとき及び活性物質が吸収
されないか又は胃腸管もしくは初回通過肝代謝によって
不活性化されるとき、通常、最も便利な投与方法である
とみなされている。しかし、注射による投与はいくつか
の欠点を有している。従って、それは、滅菌したシリン
ジの使用が必要であり、特に、反復して注射する場合
に、感染の危険を伴う痛みと刺激をひきおこすであろ
う。加えて、訓練していない人には、注射による投与は
できない。
鼻腔内投与は、一般に特別興味深いものとして理解さ
れ、非経口投与に関連して生体内に直接浸潤することに
よってひきおこされる不便さを避けるために試みられて
いる。さらに、この投与経路は、迅速な作用発現が必要
とされるとき非経口的注射に代わるものとして便利に使
用され、それは、訓練していない人によって行うことが
できる。
注射の魅惑的な代わりであるためには、鼻腔内投与に
より、投薬量と血漿中濃度の類似の関係が提供されるべ
きであり、患者に対してかなりの痛み又は刺激をひきお
こしてはならず、鼻粘膜に逆に損傷又は刺激をひきおこ
してはならない。しかし、急性の健康をおびやかす適応
症の治療の場合には、粘膜に対する比較的強い局所刺激
が容認されるかもしれない。
鼻投与においては、生物活性物質は、粘膜を通して浸
透又は吸収しうる条件で粘膜に施用されなければならな
い。粘液に浸透するためには、賦形剤は粘液と生体適合
性でなければならず、従って、ある程度の親水性を有さ
なければならない。しかし、ある生物活性物質の生理学
的に活性な量を溶解するためには、好ましくは脂質親和
特性も有するべきである。
特に、鼻粘膜下の広範囲の毛細血管網は、薬物の迅速
かつ有効な全身系の吸収を提供するのに適している。さ
らに、鼻上皮膜は、特に一層の上皮細胞(多列上皮)か
らなり、従って、口、膣などのような扁平上皮層を有す
る他の粘膜表面より薬物投与に適している。しかし、こ
れらの表面も、この発明による薬物供給システムを用い
た生物活性物質の施用に適している。
生物活性物質が水に可溶な形態で得られないならば、
有効な鼻吸収は非常に小さいと考えられる〔プロクター
(Proctor)、1985〕。この陳述は、水溶性であり、水
系溶液中で安定であるべきであるという、生物活性物質
の使用上の厳しい制限を表明している。
薬剤(例えばベンゾジアゼピンのような)、ビタミン
及びワクチンを含有する多くの生物活性物質は、低い水
に対する溶解度を有し、非常にしばしば鼻腔内投与に施
用しうる比較的小さい容量中に臨床的に適切な量を溶解
することが不可能である。
液体組成物のためには、生物活性物質の有効量がおよ
そ300μ以下の容量中に溶解しうることが重要であ
る。より多い容量は患者にとって不快であり、明らかに
鼻孔を通して前に又は咽頭に向かって後ろに排出される
であろう。その結果、活性物質の一部分は吸収部位から
失われ、実際に、再現的に正確な投薬量を投与すること
は不可能であろう。成人に対する容量は、鼻孔当たりお
よそ1μからおよそ1000μまでが好ましく、およそ
50μからおよそ150μまでがより好ましい。
鼻腔における粘膜上皮は、吸収されるほこり、アレル
ゲン及び微生物に対するほ乳動物身体の重要な防御機構
である多くの毛様繊毛でおおわれている。鼻腔に投与さ
れる非吸収性物質の通常の半減期は、外来性粒子を除去
する粘毛様体クリアランス及び咽喉に向かう過剰の粘液
のためにおよそ15分である。この理由のために、吸収が
迅速に、好ましくは1〜20分以内におこることが好まし
い。
生物活性物質の鼻供給のための種々の賦形剤システム
が開発されてきた。今日まで文献により、鼻粘膜から生
物活性物質の取り込みは、特別な賦形剤システムの製剤
中の配合によって又はある吸収増強剤の添加によって可
能となるであろうと示唆されてきた。
ロウ(Lau)とスラッテリー(Slattery)(1989年)
は、痙攣重積状態の治療のための鼻腔内投与によるジア
ゼパムとロラゼパムの吸収特性を研究した。これらの薬
剤を溶解するために、非イオン性界面活性剤、ポリオキ
シエチル化ヒマシ油が、ポリエチレングリコール400を
含む研究されたいくつかの溶媒から最も刺激作用が弱い
ものとして選択された。ジアゼパム吸収は、60時間の間
測定した2人の成人において、各々84%と72%であっ
た。しかし、最高濃度は、鼻投与後1.4時間までに観察
されず、静脈投与に関しておよそ27%のみであり、それ
は、おそらくほとんどの吸収が、試験物質が咽頭に明ら
かに落ち、飲み込まれた後おこっていることを示唆して
いる。類似の結果が、最高までのいっそう長い時間を与
える(2.3時間)ロラゼパムで得られた。著者らは、鼻
腔内投与経路は、てんかん患者の発作の急性治療のため
の可能性に限られると結論づけた。
ウィルトン(Wilton)ら(1988年)は、前麻酔の鎮静
を達するために45人の子供にミダゾラムを投与すること
を試みた。使用された容量は、非常に実際的でなく、有
効な投与に必要とされる最大容量を越えており、その結
果、一部の投薬量の排出を伴うせきやくしゃみが出た。
論文には、使用した水系賦形剤システムが記載されてい
ない。
国際特許公開第ダブリューオー(WO)86/04233号に
は、薬剤(たとえばジアゼパム)が噴射剤とたとえばグ
リセロリン脂質のような共同溶媒の混合物中に溶解され
る医薬組成物が開示されている。この組成物は、加圧シ
ステムと少なくとも1種のハロゲン化炭化水素エアロゾ
ル噴射剤が必要である。
森本ら(1987年)は、薬剤の持続性作用と高いバイオ
アベイラビリティーを達するために、ポリエチレングリ
コール 400(PEG 400)中にゲル化剤であるカーボポー
ル(carbopol)(ポリアクリル酸)を含有するニフェジ
ピンの、ラットにおける鼻施用のためのゲル製剤につい
て研究した。カーボポールとPEG 400の等量混合物が好
ましかった。鼻施用は、経口投与後よりも多いニフェジ
ピンのバイオアベイラビリティーを提供するが、最高血
漿中濃度は30分後までに観察されず、それは静脈投与に
比べるとわずかに10%以下であることが示された。
デンマーク特許出願第2586/87号には、抗炎症ステロ
イド、水、わずかに2〜10容量%のプロピレングリコー
ル、10〜25容量%のポリエチレングリコール400及び1
〜4容量%のツイーン(Tween)20からなる医薬組成物
が開示されている。
米国特許第4,153,689号には、鼻腔内投与を予定した
インシュリンの安定な水系溶液を得るための原理が開示
されている。それは、2.5から4.7までの範囲のpHを有
し、(a)少なくとも1種の9〜22の範囲の親水性−脂
質親和性平衡値を有する非イオン性界面活性剤、(b)
200から7500までの範囲の分子量を有するポリエチレン
グリコール類から選択される安定化剤、(c)(a)と
(b)で述べられた安定化剤の混合物、からなる群から
選択される0.1から20重量%の安定化剤を含有してい
る。
国際特許公開第90/02737号には、医薬的に受容な鼻担
体中のベンゾジアゼピン催眠薬の鼻投与が開示されてい
る。担体は、生理食塩液溶液、アルコール、グリコー
ル、グリコールエーテル又はそれらの混合物であっても
よい。グリコール又はグリコールエーテルの存在が製剤
に特別は利点を添えることも、その存在が投与にとって
危険であることも示唆されていない。
鼻腔内又は舌下投与のための他の製剤が、たとえば吸
収促進物質としてフシジン酸及び誘導体を使用すること
によるインシュリンの取り込みを開示している米国特許
第4,746,508号、及び任意にポリエチレングリコールか
らなり、エタノール、脂肪酸のジグリセリド及び/又は
トリグリセリド及び医薬的に受容な噴射剤ガスを必要と
する舌下噴射可能な医薬製剤を開示している国際特許公
開第ダブリューオー(WO)87/05210号に開示されてい
る。
この発明の第1の目的は、組成物が、粘膜に不快な損
傷をひきおこすことなしに静脈投与によるのとほとんど
同じくらいの迅速さで医薬的に活性な物質の高い血漿中
濃度を生ずることが可能である、ほ乳動物の粘膜を通し
て生物活性物質を施用するための医薬組成物を提供する
ことである。この目的は、この発明の組成物で達成され
る。
この発明の医薬製剤は、化学式I: (式中、nは1〜8の整数)によって表わされるn−グ
リコフロール類及び化学式II: H(OCH2CH2pOH (式中、pは1〜14の整数)によって表わされるn−エ
チレングリコール類からなる群から選択される1つ又は
それ以上の物質からなることに特徴づけられる。
この発明の1つの観点によれば、グリコフロールが存
在せず、生物活性物質がベンゾジアゼピンであるとき、
n−グリコール類はpが1〜8のものである。
この発明の好ましい観点によれば、n−グリコール類
はpが1〜8のものであり、より好ましい具体例によれ
ば、製剤はテトラエチレングリコールからなる。
この発明の医薬組成物は、nが1又は2であるn−グ
リコフロール類からなるのが好ましい。
この発明の好ましい観点によれば、1つあるいはそれ
以上のn−グリコフロール類と任意に1つあるいはそれ
以上のn−エチレングリコール類からなる医薬製剤が提
供される。
この発明の医薬組成物は、副腎皮質刺激ホルモン及び
類似体、テラコサクトリン(teracosactrin)、アルサ
クチド(alsactide)、コルチゾン、酢酸コルチゾン、
ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアルコール、酢酸
ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、プレド
ニゾロン、プレドニゾロンターブテート(prednisolone
terbutate)、9−α−フルオロプレドニゾロン、トリ
アムシノロンアセトニド、リン酸デキサメタゾン、フル
ニソリド(flunisolide)、ブデソニド(budesonid
e)、トキシコロールピバレート(toxicorol pivalat
e)などのような副腎ホルモン、コルチコステロイド及
び誘導体;アミノ酸;塩酸ベンズフェタミン(benzphet
amine HCl)、塩酸クロルフェンタミン(chlorphenterm
ine HCl)などのような食欲抑制薬;塩酸テトラサイク
リン、チロスリシン(tyrothricin)、セファロスポリ
ン、アミノグリコシド類、ストレプトマイシン、ゲンタ
マイシン、抗菌剤、ペニシリン及び誘導体、エリスロマ
イシンなどのような抗生物質;抗アレルギー薬;感染症
に対するモノクロナル又はポリクロナル抗体のような抗
体;アントロピン塩基などのような抗コリン作動薬;塩
酸アミトリプチリン、塩酸イミプラミンなどのような抗
うつ薬:たとえばメトピマジン(metopimazin)のよう
な神経弛緩剤、たとえばチエニルペラジン(thienylper
azin)のような抗ヒスタミン薬又はドンペリドンのよう
な腸管運動性に対する調節作用を有する鎮吐薬のような
鎮吐薬;クロナゼパム、ジアゼパム、ニトラゼパム、ロ
ラゼパム(lorazepam)などのような抗てんかん薬およ
び鎮痙薬;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロル
フェラミン、クレマスチン、ヒスタミン、プロフェンピ
リダミンマレエート(prophenpyridamine maleate)、
クロルプロフェンピリダミンマレエート(chlorprophen
pyridamine maleate)、クロモグリク酸ナトリウム、メ
クリジンなどのような抗ヒスタミン及びヒスタミン様
剤;塩酸クロニジンなどのような抗高血圧薬;キモトリ
プシン、ブロメラインセラチオペプチダーゼなどのよう
な抗炎症薬(酵素系);アセトアミノフェン、アスピリ
ン、アミノピリン、フェニルブタゾン、メフェナム酸、
イブプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、インド
メタシン、クルヒチン、プロベネシドなどのような抗炎
症薬(非ステロイド系);ヒドロコルチゾン、プレドニ
ゾン、フルチカゾン(fluticasone)、プレドニゾロ
ン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、
デキサメタゾン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、プロ
ピオン酸ベクロメタゾンなどのような抗炎症薬(ステロ
イド系);アクチノマイシンCなどのような抗腫瘍剤、
塩酸クロルヘキシジン、ヘキシルレゾルシノール(hexy
lresorcinol)、塩化デカリニウム、エタクリジン(eth
acridine)などのような防腐剤;抗腫瘍薬;クロモグリ
ク酸ナトリウム、リン酸コデイン、塩酸イソプロテレノ
ールなどのような抗せき性の去痰剤(喘息薬);(普通
の風邪の治療のためのα−2インターフェロンのよう
な)インターフェロン、フェニル−p−グアニジノベン
ゾエート、エンビロキシム(enviroxime)などのような
抗ウィルス薬及び抗癌剤;塩酸プロプラノロールなどの
ようなβ−アドレナリン遮断薬;第VII因子、第VIII因
子などのような血液因子;ビタミンD3、活性ビタミンD3
などのような骨代謝調節剤;塩酸クレンブテロール、ビ
トルテロールメシレート(bitolterol mesylate)など
のような気管支拡張薬;ジギタリス、ジゴキシンなどの
ような強心薬;ブラジキニン拮抗薬;心房性ナトリウム
利尿ペプチド及び誘導体、ヒドララジン、アンギオテン
シンII拮抗薬、ニトログリセリン、ニフェジピン、硝酸
イソソルビド、プロプラノロール、クロフィリウムトシ
レート(clofilium tosylate)などのような心血管系調
節ホルモン、薬及び誘導体;スルファチアゾール、ニト
ロフラゾン(nitrofurazone)などのような化学療法
剤;リドカイン、コカインなどのような中枢神経興奮
薬;ラシコルトン(lacicortone)、ヒドロコルチゾ
ン、フルオロシノロンアセトニド、トリアムシノロンア
セトニドなどのようなコルチコステロイド;フェノール
スルホンフタレイン、デイ(dey)T−1824、バイタル
ダイ類(vital dyes)、フェロシアン化カリウム、セク
レチン、ペンタガストリン、セルレインなどのような診
断薬;ブロモクリプチンメシレートなどのようなドパミ
ン作動性薬;塩化リゾチーム、デキストラナーゼなどの
ような酵素;セクレチン、サブスタンス Pなどのよう
な胃腸ホルモン及び誘導体;性腺刺激ホルモン放出ホル
モン及び類似体〔ナファレリン(nafarelin)、ブレセ
リン(buserelin)、ゾリデックス(zolidex)など〕、
エンケファリン〔ダドレ(DADLE)、メトケファミド、
ロイシンエンケファリン〕、チロトロピン放出ホルモン
(TRH)(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)などのよ
うな視床下部ホルモン及び誘導体;降圧薬;ベンゾカイ
ンなどのような局所麻酔薬;ジヒドロエルゴタミン、エ
ルゴメトリン、エルゴタミン、ピゾチジン(pizotizi
n)などのような片頭痛治療物質;ブプレノルフィン、
ナロキソンなどのような麻酔薬、拮抗薬及び鎮痛薬;イ
ンシュリン(六量体の/二量体の/単量体の)、グルカ
ゴンなどのような膵臓ホルモン及び誘導体;ニコチン、
メタコリンなどのような副交感神経刺激剤;スコポラミ
ン、アトロピン、イプラトロピウムなどのような副交感
神経遮断剤;アポモルヒネなどのようなパーキンソン病
物質;成長ホルモン(たとえば人間)、バソプレッシン
及び類似体〔ディーディーエーブイピー(DDAVP)、リ
プレッシン(Lypressin)〕、オキシトシン及び類似体
などのような下垂体ホルモン及び誘導体;プロスタグラ
ンジンA及び誘導体、プロスタグランジンE1及び誘導
体、プロスタグランジンE2及び誘導体、プロスタグラン
ジンF1及び誘導体、ジノプロストトロメタミンなどのよ
うなプロスタグランジン;アプロチニン、クエン酸塩又
はα−アンチトリプシンなどのようなプロテアーゼ阻
害剤;アルプラゾラム、ブロマゼパム、ブロチゾラム
(brotizolam)、カマゼパム(camazepam)、クロルジ
アゼポキシド、クロバザム(clobazam)、クロラゼプ
酸、クロナゼパム(clonazepam)、クロチアゼパム、ク
ロキサゾラム、デロラゼパム(delorazepam)、ジアゼ
パム、エスタゾラム、ロフラゼプ酸エチル、フルジアゼ
パム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルタゾラ
ム、ハラゼパム(halazepam)、ハロキサゾラム、ケタ
ゾラム(ketazolam)、ロプラゾラム(loprazolam)、
ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、ミダゾラ
ム、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルジアゼパム(no
rdiazepam)、オキサゼパム、オキサゾラム、ピナゼパ
ム(pinazepam)、プラゼパム、テマゼパム(temazepa
m)、テトラゼパム(tetrazepam)、トフィソパム、ト
リアゾラムなどのような鎮静剤;エチニルエストラジオ
ール、レボノルゲストレル(levonorgestrel)、卵胞刺
激ホルモン、黄体形成ホルモン、黄体刺激ホルモン、17
−β−エストラジオール、プロゲステロン、ノルエチド
ロン、テストステロンなどのような性ホルモン;エフェ
ドリン、エピネフリン、フェニレフリン、キシロメタゾ
リン(xylometazoline)、トラマゾリン、ドパミン、ド
ブタミンなどのような交感神経興奮剤;カルシトニン及
びそれらの合成修飾体などのような甲状腺ホルモン及び
誘導体;アルプラゾラム、ブロマゼパム、ブロチゾラ
ム、カマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロバザム
(clobazam)、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロチア
ゼパム、クロキサゾラム、デロラゼパム(delorazepa
m)、ジアゼパム、エスタゾラム、エチルロフラゼペー
ト(ethyl loflazepate)、フルジアゼパム(fludiazep
am)、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルタゾラ
ム、ハラゼパム(halazepam)、ハロキサゾラム、ケタ
ゾラム(katazolam)、ロプラゾラム(loprazolam)、
ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、ミダゾラ
ム、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルジアゼパム(no
rdiazepam)、オキサゼパム、オキサゾラム、ピナゼパ
ム(pinazepam)、プラゼパム、テマゼパム(temazepa
m)、テトラゼパム(tetrazepam)、トフィソパム、ト
リアゾラムなどのようなトランキライザー;エイズ−ワ
クチン、インフルエンザウィルス、パラインフルエンザ
ウィルス、麻疹、ポリオ、ライノウイルスタイプ 13、
呼吸器合胞体ウィルスなどのようなワクチン;塩酸フェ
ニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリ
ン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸トラマゾリンなどのよ
うな血管収縮薬;ニトログリセリン、塩酸パパベリン、
サブスタンス P、ブイアイピー(VIP)(血管作動性
消化管ペプチド)などのような血管拡張薬;ビタミンB
12、葉酸又はニコチンアミドのようなビタミンからなる
群から選択される生物活性物質からなってもよい。
この発明の好ましい観点によれば、この発明の組成物
は副腎ホルモン、コルチコステロイド及びこれらの誘導
体、アミノ酸、食欲抑制薬、抗生物質、抗アレルギー
薬、抗コリン作動薬、抗うつ薬、解毒剤、抗てんかん
薬、抗ヒスタミン及びヒスタミン様剤、抗高血圧薬、抗
炎症薬(酵素系、非ステロイド系及びステロイド系)、
抗腫瘍薬、防腐剤、抗腫瘍薬、抗せき性の去痰剤(喘息
薬)、抗ウィルス薬及び抗癌剤、β−アドレナリン遮断
薬、血液因子、骨代謝調節剤、気管支拡張薬、強心薬、
心血管系調節ホルモン、薬及び誘導体、化学療法剤、中
枢神経興奮薬、コルチコステロイド、診断薬、ドパミン
作動性薬、酵素、血栓溶解剤、γ−アミノ楽酸拮抗薬、
胃腸ホルモン及び誘導体、グルタミン酸拮抗薬、グリシ
ン拮抗薬、視床下部ホルモン及び誘導体、抗高血圧薬、
局所麻酔薬、片頭痛治療物質、麻酔薬、拮抗薬及び鎮痛
薬、膵臓ホルモン及び誘導体、副交換神経刺激剤、副交
換神経遮断剤、下垂体ホルモン及び誘導体、プロスタグ
ランジン、鎮静剤、性ホルモン、鎮痙薬、交感神経興奮
薬、甲状腺ホルモン及び誘導体、トランキライザー、ワ
クチン、血管収縮薬、血管拡張薬及びビタミンからなる
群から選択される生物活性物質からなる。
この発明の他の観点によれば、生物活性物質は、胃腸
管で消化される生物活性ペプチドから選択される。
この発明のより好ましい観点によれば、生物活性物質
は、第VII因子、第VIII因子、第IX因子のような凝固因
子及びそれらの誘導体及び類似体;ビタミンD3、活性ビ
タミンD3、カルシトニンのような骨代謝調節剤及びそれ
らの誘導体及び類似体;性腺刺激ホルモン放出ホルモン
のような視床下部から分泌されるホルモン又はたとえば
ナファレリン、ブセレリンもしくはゾリデックスのよう
な類似体、ダドレ(DADLE)、メトケファミド又はロイ
シンエンケファリンのようなエンケファリン、チロトロ
ピン放出ホルモン及びそれらの誘導体及び類似体;イン
シュリン又はグルカゴンのような膵臓から分泌されるホ
ルモン及びそれらの誘導体及び類似体;成長ホルモン、
バソプレッシン又はオキシトシンのような下垂体から分
泌されるホルモン及びたとえばディーディーエーブイー
ピー(DDAVP)もしくはリプレッシンのようなそれらの
誘導体及び類似体;エチニルエストラジオール、レボノ
ルゲストロール(levonorgestrol)、卵胞刺激ホルモ
ン、黄体形成ホルモン、黄体刺激ホルモン、17β−エス
トラジオール、プロゲステロン、ノルエチドロン又はテ
ストステロンのような性ホルモン及びそれらの誘導体及
び類似体;アルプラゾラム、ブロマゼパム、ブロチゾラ
ム、カマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、
クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロチアゼパム、クロキ
サゾラム、デロラゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム
(estazolam)、エチルロフラゼペート、フルジアゼパ
ム(fludiazepam)、フルニトラゼパム、フルラゼパ
ム、フルタゾラム、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ケタ
ゾラム、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、
メダゼパム、ミダゾラム、ニメタゼパム、ニトラゼパ
ム、ノルジアゼパム、オキサゼパム、オキサゾラム、ピ
ナゼパム、プラゼパム、テマゼパム、テトラゼパム、ト
フィソパム又はトリアゾラムのようなトランキライザー
及びそれらの塩、誘導体及び類似体からなる群から選択
される。
この発明の他のより好ましい観点によれば、生物活性
物質は、第VII因子、第VIII因子、第IX因子のような凝
固因子及びそれらの誘導体及び類似体;カルシトニンの
ような骨代謝調節剤及びそれらの誘導体及び類似体;性
腺刺激ホルモン放出ホルモンのような視床下部から分泌
されるホルモン又はたとえばナファレリン、ブセレリン
もしくはゾリデックスのような類似体、ダドレ(DADL
E)、メトケファミド又はロイシンエンケファリンのよ
うなエンケファリン;インシュリン又はグルカゴンのよ
うな膵臓から分泌されるホルモン及びそれらの誘導体及
び類似体;成長ホルモン、バソプレッシン又はオキシト
シンのような下垂体から分泌されるホルモン及びたとえ
ばディーディーエーブイピー(DDAVP)又はリプレッシ
ンのようなそれらの誘導体及び類似体;卵胞刺激ホルモ
ン、黄体形成ホルモン又は黄体刺激ホルモンのような性
ホルモン及びそれらの誘導体及び類似体からなる群から
選択される。
この発明は、インシュリン、グルカゴン、成長ホルモ
ンもしくはインシュリン様成長因子のような胃腸管で消
化される生物活性ペプチド又はそれらの誘導体もしくは
類似体である活性物質を投与するとき、特に重要であ
る。
この発明のより好ましい観点によれば、活性物質は、
インシュリン及びグルカゴンのような膵臓ポリペプチド
ホルモン又はそれらの誘導体もしくは類似体である。
この発明の好ましい観点によれば、活性物質は、クロ
ナゼパム、ジアゼパム、フルニトラゼム、トリアゾラ
ム、ロラゼパム、ニトラゼパムのようなベンゾジアゼピ
ンの群から選択される抗てんかん薬、鎮痙薬及びトラン
キライザー又はそれらの混合物の中から選択される。
活性物質は、総組成物の0.0001%から50%までの量、
好ましくは、たとえばベンゾジアゼピンの場合には0.00
1%から20%までの量で与えられるであろう。
さらに、この発明の医薬製剤は、0.0001から5%まで
の範囲の濃度で硝酸及び/又は硝酸塩からなるであろ
う。この成分は、クロナゼパムのような活性物質のため
の安定化剤として働くであろう。
また、この発明のなお他の観点によれば、医薬製剤
は、界面活性剤、吸収促進剤、吸水性ポリマー、ミクロ
スフェア、油、乳剤、リポソーム、酵素分解を阻害する
物質、アルコール、有機溶媒、水、疎水性物質、pH調節
剤、保存剤及び浸透圧調節剤、シクロデキストリン及び
噴射剤又はそれらの混合物からなる群から選択される1
つ又はそれ以上の化合物からなる。
吸水性ポリマーは、200から7500までの範囲の分子量
を有するポリエチレングリコール類又はプロピレングリ
コール又はそれらの混合物であるのが好ましい。この発
明の好ましい観点によれば、組成物は200から1000まで
の範囲の平均分子量を有する50%(重量/重量)以上の
ポリエチレングリコール及び/又はそれらの混合物から
なる。
また、この発明は、生物活性物質が化学式I: (式中、nは1〜8である)によって表わされるn−グ
リコフロール類及び化学式II: H(OCH2CH2pOH (式中、pは1〜14である)によって表わされるn−エ
チレングリコール類からなる群から選択される1つ又は
それ以上の物質とともに治療するために、ほ乳動物の粘
膜を通して施用される、生物活性物質でのほ乳動物の治
療方法に関する。
なお、さらなる観点によれば、この発明は、生物活性
物質と化学式I: (式中、nは1〜8である)によって表わされるn−グ
リコフロール類及び化学式II: H(OCH2CH2pOH (式中、pは1〜14である)によって表わされるn−エ
チレングリコール類からなる群から選択される1つ又は
それ以上の物質からなる、粘膜に施用するための医薬組
成物の使用に関する。
この発明の医薬製剤を投与する粘膜は、鼻、膣、眼、
口、生殖路、肺、胃腸管又は直腸のような生物活性物質
が与えられうるほ乳動物の何れの粘膜でもよく、鼻、口
又は膣の粘膜が好ましい。
この発明の医薬組成物は、任意に種々の吸収増強剤と
ともに舌下のロレンジもしくはトローチもしくは舌下錠
もしくは溶液、懸濁液もしくは粉末の形態での鼻内噴霧
の形態、又はより好ましくは生物接着剤であるわずかの
粘性溶液の形態、又は任意に坐剤もしくはバギトリー
(vagitory)の形態で投与されるであろう。
この発明の好ましい観点によれば、施用は粘膜に対す
るものである。
さらになお一層の観点によれば、この発明は、生物活
性物質が医薬製剤の一部分又は全ての残存成分からなる
製剤用賦形剤中に溶解される、化学式I: (式中、nは1〜8である)によって表わされるn−グ
リコフロール類及び化学式II: H(OCH2CH2pOH (式中、pは1〜14である)によって表わされるn−エ
チレングリコール類からなる群から選択される1つ又は
それ以上の物質からなる、ほ乳動物の粘膜を通して生物
活性物質を施用するための医薬組成物を製造する方法に
関する。その方法は、超音波を使用して及び/又は高温
で行われるであろう。活性物質の温度感受性を考慮に入
れて、30℃から100℃までの温度に加熱する間に溶解さ
れるのが好ましい。ヒト成長ホルモンのような非常に過
敏な活性物質のためには、ごく緩和な撹拌又は振とうが
賢明である。
この発明の他の観点は、まさに十分に、粘液と生体適
合性であり、小さい容量中に生物活性物質の必要とされ
る量を溶解することができる非水系賦形剤からなる、鼻
腔内施用のための制御された放出供給システムを提供す
ることである。
さらに他の観点によれば、この発明は、粘膜を通して
ほ乳動物に生物活性物質を施要するための医薬製剤を調
整するための、化学式I: (式中、nは1〜8である)によって表わされるn−グ
リコフロール類及び化学式II: H(OCH2CH2pOH (式中、pは1〜14である)によって表わされるn−エ
チレングリコール類からなる群から選択される1つ又は
それ以上の物質の使用に関する。
この発明のこの観点による使用は、鼻、口、膣の粘
膜、最も好ましくは鼻の粘膜を通して全身適用するため
の医薬製剤を調製するためであるのが好ましい。
この発明の1つの観点によれば、化学式Iのn−グリ
コフロール類は、医薬的に受容な担体、特に医薬的に受
容な鼻担体として考えられる。この発明の他の観点によ
れば、化学式Iのn−グリコフロール類は、ほ乳動物の
粘膜を通して、特に鼻の粘膜を通して生物活性物質のと
り込みを促進する増強剤として考えられる。
この発明は、たとえば各々グルカゴン又はインシュリ
ンもしくはそれらの類似体又は誘導体を与えることによ
って、低血糖症又は高血糖症のような糖代謝の異常に悩
んでいる被験者において、非常に容易にかつ便利な方法
で血中グルコース濃度を正常にすることを可能にする。
さらに、この発明は、欠乏症の場合にそれらの血中濃
度を正常にするために、ビタミンD3又はカルシトニンの
ような骨代謝調節剤及びそれらの誘導体及び類似体;性
腺刺激ホルモン放出ホルモンのような視床下部から分泌
されるホルモン及びナファレリン、ブセレリン又はゾリ
デックスのようなそれらの誘導体及び類似体;ソマトロ
ピン(somatropin)、インシュリン様成長因子−1、イ
ンシュリン様成長因子−2、繊維芽細胞成長因子、血漿
痛由来成長因子、トランスホーミング成長因子、上皮細
胞成長因子のような成長を調節するホルモン又は分裂促
進成長因子及びそれらの誘導体及び類似体;アプロチニ
ン、クエン酸塩又はα−アンチトリプシンのようなプ
ロテアーゼ阻害剤及びそれらの誘導体及び類似体;イン
ターロイキン−1及びインターロイキン−2のようなサ
イトカインの非常に便利な投与を可能にする。
この発明による賦形剤(ビヒクル)組成物における使
用のために特に好ましいのは、上記化学式I(式中nは
主に1及び2である)のポリマー類の市場で入手可能な
溶媒であるといわれているグリコフロール 75(GF)で
ある〔ケミカル アブストラクト レジストレーション
(Chemical Abstract Registration)第9004 76−
6〕。グリコフロール 75は、全ての割合で水、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、グリセロールの
ようなアルコール類及び種々の油に混和性の無色の液体
であり、およそ155℃の沸点を有している。GFは、シュ
ピーゲルとノースウァージイ(1963年)により批評され
たような希釈できない形態で非経口的投与のための組成
物中に使用されるとき、刺激をひきおこすことが報告さ
れている。それは、水で希釈されるとき、無毒性かつ無
刺激性であることが報告されている〔シュピーゲルベル
グ(Spiegelberg)ら、1956年〕。
この発明により使用されるn−エチレングリコール類
は、たとえばモノエチレングリコール(1EG)、ジエチ
レングリコール(2EG)、トリエチレングリコール(3E
G)、テトラエチレングリコール(4EG)、ペンタエチレ
ングリコール(5EG)、ヘキサエチレングリコール(6E
G)、ヘプタエチレングリコール(7EG)、オクタエチレ
ングリコール(8EG)、ノナエチレングリコール(9E
G)、デカエチレングリコール(10EG)、ウンデカエチ
レングリコール(11EG)、ドデカエチレングリコール
(12EG)、トリデカエチレングリコール(13EG)及びテ
トラデカエチレングリコール(17EG)であってもよい。
エチレングリコール類は、単一化合物又はたとえばポリ
エチレングリコール200(PEG 200)又はポリエチレング
リコール400(PEG 400)のような市販製品のようなn−
エチレングリコール類の2つ又はそれ以上の混合物の形
態で使用されてもよい。
1EG〜14EGは、全ての割合で水及びアルコール類に混
和性の無色の液体である。PEG 200は、平均分子量およ
そ200を有するエチレングリコール類の市場で入手可能
な混合物である。その組成物を表1に示す。
表1 PEG 200の組成物 モノエチレングリコール 0.1% ジエチレングリコール 3.4% トリエチレングリコール 21.2% テトラエチレングリコール 31.2% ペンタエチレングリコール 24.4% ヘキサエチレングリコール 14.0% ヘプタエチレングリコール 5.4% オクタエチレングリコール 0.3% 100.0% n−エチレングリコール類は、種々の品種で入手可能
である。フルカ−ケミー(Fluka−Chemie)AGからの4EG
(4EGfと略す)のような高く精製された品質が特に好ま
しい。
この発明による供給システムは、たとえば生物接着、
噴霧能力又は粘性に関して最適化されるべきである。た
とえば、わずかに5%の濃度においてGFは、驚くべきこ
とに、粘性を減少することにより、たとえば4EGfの噴霧
能力に関して陽性の作用を有する。さらに、GFの5%の
添加は、およそ−10から−20℃以下まで凝固温度を減少
させることを可能にする。これは、製剤が人まで運ばれ
又は戸外へ運ばれたり使用のために準備される場合に重
要である。
この発明の医薬組成物は、家庭の動物又はペットもし
くは好ましくは人間のようなほ乳動物を治療するために
使用されるであろう。
上記賦形剤システムを使用することにおける特別な利
点は、たとえばペプチド及び膵臓ホルモンのような蛋白
のような水溶性物質と同様にベンゾジアゼピンのような
高く脂質親和性な物質を、賦形剤のわずかに、たとえば
25〜300μ中に人間の被験者にとって臨床的に適切な
投薬量を可溶化することができることである。また、水
系水溶液においては、ジアゼパム及びクロナゼパムの臨
床的に適切な投薬量は、各々およそ5000ml及び10mlより
多い容量中に溶解しなければならないであろう。
この発明による賦形剤システムは、最高血漿中濃度を
避けるジアゼパム製剤のような制御された放出−製剤を
設計するための可能性を非常に増大する、ミグリオール
(Miglyol)840〔ダイナミット ノベル ケミー(Dy
namit Nobel Chemie)、トロイスドルフ(Troisdor
f)、西ドイツ〕のような植物油又は任意に水素添加も
しくはエトキシル化されたヒマシ油のような種々の共同
溶媒と併用して使用されるであろう。
この発明による組成物は、界面活性剤及びおよそ6か
ら26までの親水性−脂質親和性平衡を有する吸収促進剤
及びポリオキシエチレンアルコールエーテル類、胆汁酸
塩及びそれらの誘導体、フジシン酸及びそれらの誘導
体、オレイン酸、レシチン、リゾレシチン、ツイーン
20〜85を含む非イオン性界面活性剤と同様にイオン性界
面活性剤;ポリエチレングリコール200〜7500、ポリビ
ニルピロリドン、プロピレングルコール又はポリアクリ
ル酸、ゲラチン、セルロース及び誘導体のような吸水性
ポリマー類;クエン酸塩又はアプロチニンのような酵素
分解を阻害する物質;エタノール、グリセロール又はベ
ンジルアルコールのようなアルコール類;エチルアセテ
ート又はベンジルアルコールのような有機溶媒;たとえ
ばダイズ油、ラッカセイ油、やし油、とうもろこし油、
オリーブ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ミグリオール 81
0/812/840又はそれらの混合物のような疎水性剤;硝
酸、リン酸又は酢酸、クエン酸塩のようなpH調節剤;保
存剤及びグリセロール、塩化ナトリウム、メチルパラオ
キシベンゾエート又は安息香酸のような浸透圧調節剤;
α−,β−,γ−シクロデキストリン、セルロース及び
それらの誘導剤のような粉末組成物;ミクロスフェア、
リポソーム及びでんぷん、アルブミン、ゲラチン又はレ
シチンのような乳剤組成物;マイクロカプセル化製剤;
ブタンのような噴射剤;水のような1つ又はそれ以上の
追加の医薬添加物からなってもよい。アルコール又は噴
射剤の使用は、この発明による組成物において必須では
ない。
さらに、この発明を添付の図面に関連して例証する。
図1は、この発明による製剤の静脈投与及び鼻腔内投
与後のクロナゼパムの平均血漿中濃度の図表による説明
を示す。
図2は、この発明による製剤中のグリコフロール含量
の機能としての反応までの平均時間のブロック線図を示
す。
図3は、この発明によるインシュリンの投与後の血中
グルコース濃度の図表による説明を示す。
図4は、この発明によるグルカゴンの投与後の血中グ
ルコース濃度の図表による説明を示す。
図5は、種々のエチレングリコール成分からなる製剤
の投与後の血漿中クロナゼパム濃度の図表による説明を
示す。
図6は、グリコフロールと種々の共同溶媒からなる製
剤の投与後のジアゼパムの平均血漿中濃度を示している
図表による説明を示す。
図7は、この発明による製剤における種々のグリコフ
ロール含量の作用の図表による説明を示す。
図8は、静脈投与とこの発明による鼻腔内投与後のフ
ルニトラゼパムの血漿中濃度を比較している図表による
説明を示す。
図9は、静脈投与とこの発明による鼻腔内投与後のク
ロナゼパムの血漿中濃度を比較している図表による説明
を示す。
図10は、種々の賦形剤中のクロナゼパムの安定性を示
している図表を示す。
図11は、静脈投与とこの発明による鼻腔内投与後のエ
ストロゲンの血漿中濃度を比較している図表による説明
を示す。そして、 図12は、静脈投与とこの発明による鼻腔内投与後のエ
ストロンの血漿中濃度を比較している図表による説明を
示す。
この発明は、この発明を例証するだけであると考えら
れ、添付のクレームにおいて示すようなこの発明の範囲
を限定するものとして解釈されない実施例に関連して、
より詳細に説明される。
実施例1 この発明による賦形剤の毒性及び嗜好性試験。
賦形剤の毒物学的評価において、吸収後の全身系の作
用と同様に局所作用が考慮されるべきである。GF及びPE
G 400は、投与される量が、この発明による組成物を用
いて鼻腔内に投与される量を越える、投薬量当たり300
μ以上である注射製剤における添加物として使用され
てきた。
鼻腔内投与後のn−エチレングリコール類とGFの結果
に関連する局所毒性は、文献から得られていない。従っ
て、うさぎの鼻粘膜に対する30〜100μの局所毒性を
評価する試験が行われた。これらの試験において、ベン
ゾジアゼピン類がこの発明による種々の溶媒システム中
にも溶解され、組成物の30μがうさぎの鼻粘膜に14日
間毎日施用された。それから、このような投与された組
成物の作用が、表2に示されているように行われた対照
を含む5つの実験において評価された。
鼻腔は組織学的に試験され、弱い炎症性の変化のみが
組成物の投与後に見られた。明らかな反応に相関する投
薬量は、投薬量を上昇させることで見られず、100%PEG
−200と70%PEG−200+30%GFの間の違いは見られなか
った。この発明による賦形剤は、弱い可逆的な毒物学的
作用をおこすだけであろうと結論づけられた。
テトラエチレングリコール(4EGf)と任意に5%のグ
リコフロール(GF)を含有する2つの試験賦形剤に対す
る耐薬性が、9人の健康なボランティアにおいて鼻腔内
施用後に試験され、市販製品であるロシラン (Locila
n)〔アストラ−シンテックス スカンジナビア エー
ビー(Astra−Syntex Scandinavia AB)、セデルテルジ
(Sdertlje)、ウエーデン〕の賦形剤との二重旨
検の3通りのクロスオーバー設計後、比較された。対照
として生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)が用いられ
た。
生理食塩液と市販製品の賦形剤は、非常によく耐薬性
であった。テトラエチレングリコールを含む2つの賦形
剤は、施用後すぐに、焼けるような感覚又はずきずきし
た痛み及び弱い発病度の鼻水をひきおこした。その症状
は、持続性が短かく、弱い発病度は施用後10分のみであ
った。臨床的な症状は、施用後30分で鼻鏡により観察さ
れなかった。
質問したとき、全ての被験者は、任意に5%GFからな
る4EGf含有賦形剤が、時折使用されるような必須生物活
性物質の投与のために容認でき、これらの賦形剤の1つ
において静脈投与よりも鼻腔内投与が好ましいというこ
とを述べた。
試験の詳細と結果は以下に示される。
人間の被験者におけるこの発明による賦形剤の嗜好性試
験。
被験者 9人の健康なボランティアが試験に登録された。全て
の被験者は、いずれの心臓、肝臓又は腎臓病学的病気な
しで健康であった。
被験者は1人も先の2週間以内に、肺もしくは呼吸器
系統の病気に悩むことなく又は風をひくことがなかっ
た。生命徴候(血圧及び脈)は全ての被験者において正
常範囲内であった。生化学及び血液学のための標準試験
が試験前2週間以内に行われた。2人の被験者を除く全
員において、全ての臨床的化学的データ正常範囲内であ
った。4番と5番の被験者において、アラニンアミノト
ランスフェラーゼ(SPGT)が正常な上限を越えていた
が、これは、臨床的有意ではないと考えられた。
試験手順 試験は、3つの試験賦形剤と対照(生理食塩液)の二
重旨検試験であり、それぞれの期間の間が24時間で、3
つの等しい期間からなっていた。
それぞれの期間の間、左鼻孔中に試験賦形剤を施用す
る5分前に、対照賦形剤を右鼻孔中に施用した。被験者
は、質問者において施用後0〜1分及び、試験賦形剤の
施用後10及び30分に観察される何らかの痛みや刺激を記
録するために質問された。何らかの症状に気づいたなら
ば、被験者は発病度を記録され、症状を特徴づけられな
ければならない。
賦形剤の施用前及び試験賦形剤の施用後30分に、両方
の鼻孔の粘膜は、鼻鏡によって実験者により検査され
た。
賦形剤 4つの賦形剤が試験され、1つは生理食塩液であり、
陰性対照として使用された。他の3つの賦形剤は、この
発明による2つの試験賦形剤(賦形剤AとB)と陽性対
照、即ち非常によく耐薬性の市販製品であるロシラン
(ニールセン(Nielsen)ら、1989年)の賦形剤であっ
た。
装置 活性化されるとき50μを供給するパイファーポンプ
(モデル6917.5902/3790.0129)単位が施用のために使
用された。
投薬量 賦形剤は、左(又は右)鼻孔においてパイファーポン
プのスプレー単位を設定し、ポンプを2回活性化した後
施用され、総投薬量は100μであった。
臨床検査 鼻における組織の臨床検査により、施用された賦形剤
のいずれの臨床的有用な作用も示されなかった。被験者
の3人において、弱程度の局所刺激が賦形剤の投与後30
分にみられ、その賦形剤は1人の被験者においては生理
食塩液であり、他の2人の被験者においては試験賦形剤
Bであった。
被験者により報告された耐薬性(表3〜5) 試験賦形剤の施用後0〜1分、10分及び30分での鼻に
おける刺激(症状)の発病度は、各々表3、4及び5に
要約されている。
被験者により、任意にグリコフロールからなるテトラ
エチレングリコール賦形剤は、生理食塩液及びロシラン
における賦形剤よりもかなり耐薬正が低いと結論づけ
られた。しかし、4EGf含有賦形剤によりひきおこされた
症状は、比較的に持続性が短く、もし生物活性物質が個
人の健康のために必須であるならば容認できると考えら
れた。
賦形剤A 4EGf−賦形剤 I テトラエチレングリコール ピュリス ピー.エ
ー. (puriss p.a.) ……25ml 濃硝酸 ピー.エー.(p.a.) ……1滴 II テトラエチレングリコール ピュリス ピー.エ
ー. (puriss p.a.) ……25ml 溶液I(30滴添加) ……pH3.8に調節 混合物Iは、粘性液体のためのpH電極(ラジオメータ
ーGK2711)を使用してIIのpHを調節するために使用され
た。II(賦形剤A)の2〜10mlがパイファーマルチディ
スペンサー〔パイファー ツェルステーバー(Pfeiffer
Zerstuber)、6917.5902/3790.0129〕で調合され
た。
賦形剤B 4EGf−賦形剤中の5%GF I テトラエチレングリコール ピュリス ピー.エ
ー. (puriss p.a.) ……25ml 濃硝酸 ピー.エー.(p.a.) ……1滴 II テトラエチレングリコール ピュリス ピー.エ
ー. (puriss p.a.) ……25ml 溶液I(30滴添加) ……pH3.8に調節 III 溶液II ……23.75ml グリコフロール 75 ピュリセス(puriss) ……1.25ml 混合物Iは、粘性液体のためのpH電極(ラジオメータ
ーGK 2711)を使用してIIのpHを調節するために使用さ
れた。それから混合物III(賦形剤B)が調製された。
2〜10mlの賦形剤が、パイファーマルチディスペンサー
〔パイファー ツェルステーバー(Pfeiffer Zerstub
er)、6917.5902/3790.0129〕で調合された。
賦形剤C ロシラン −賦形剤 プロピレングリコール、ピーエッチ.イーユーアー
ル. (Ph.Eur.)III ……2g ポリエチレングリコール400、ピーエッチ.エヌオー
アールディー.(Ph.Nord.)63 II ……20g ツイーン 20、ピーエッチ.イーユーアール. (Ph.Eur.)III ……2.5g 塩化ベンザルコニウム ディーエルエス(DLS)86 ……70mg イーディーティーエー(EDTA)2ナトリウム、 ピーエッチ.イーユーアール.(Ph.Eur.)2番 イーディー.(Ed.)1983 ……10mg ブチル化ヒドロキシトルエン、ピーエッチ.エヌオー
アールディー.(Ph.Nord.)63 II、添加 ……10mg クエン酸、ピーエッチ.エーユーアール.(Ph.Eu
r.)III、エスユーピーピーエル.(Suppl.)77……5mg クエン酸ナトリウム2水和物、ピーエッチ.イーユー
アール.(Ph.Eur.)III ……7.65mg ソルビトール ディーエーケー(DAK)63 ……2.86mg 精製水、ピーエッチ.イーユーアール.(Ph.Eur.) 2番 イーディー.(Ed.)1981 ……100gに調節 実施例2 10mgのクロナゼパムを、5mg/mlの濃度クロナゼパムを
得るために超音波を用いて賦形剤B(実施例1)の2ml
中に溶解した。この製剤50mlをオスのニュージーランド
ホワイトうさぎのそれぞれの鼻腔に投与し、施用中及び
施用後1分間背位状態に保った。エッペンドルフピペッ
トを施用のために使用した。0、2、5、10、15、30及
び60分で耳の周辺静脈から血液サンプルが得られ、クロ
ナゼパム濃度が高速液体クロマトグラフィーにより決定
された。
図1は、投与後得られた平均血漿中クロナゼパム濃度
を示す。また、図は、リボトリル (Rivotril)として
クロナゼパムの同じ投薬量(0.5mg)を耳の周辺静脈に3
0秒かけて注射した静脈注射後の血漿中濃度も示す。図
は、鼻腔内施用後の血漿中濃度が静脈注射の場合より、
およそ2分でほとんど同じか又はいっそう高いことを示
す。
実施例3 GFにより増強された薬力学反応 薬力学反応は、ニュージーランドホワイトうさぎにお
いて、坐位状態にしたとき、それぞれの鼻孔に2.5mgク
ロナゼパム/ml賦形剤の50μを施用した後試験され
た。賦形剤は、テトラエチレングリコール〔メルク(Me
rck)、商品.808619〕に加えられた0、10、20、30、70
及び100%のグリコフロラム 75〔ロシェ(Roche)、ロ
ット番号706127〕からなっていった。クロナゼパムは超
音波処理により溶解された。
図2は、反応までの平均時間を示す(うさぎは、1方
にのばした後ろ足で、横になった状態になることができ
る)。バーの頂上の数は試験された4匹からの反応した
ものの数を示す。10分以内に反応しなかったものは、平
均値において10分として計算される。クロナゼパムの鼻
腔内投与のために、4EGm中におよそ10%のGFは、最高の
反応を有するが、およそ30%のGFは最小の反応の有す
る。同じパターンが4EGf中に30%のGFで観察された。
実施例4 5%のグリコフロール 75を含有する12.5mMリン酸塩
緩衝液(pH7.4)50μ中の亜鉛遊離(単量体の)ヒト
インシュリン0.33mgを、体重およそ3kgの5匹の坐位状
態のニュージーランドホワイトうさぎの1つの鼻孔中に
施用した。50μの血液サンプルを0、15、30、60及び
120分後に耳の周辺静脈から採取し、血中グルコース濃
度を決定した。
図3は、製剤及び0.9%塩化ナトリウム対照の平均血
中グルコース濃度をイニシャルの割合として示す。イン
シュリンなしで同じ製剤の100μを、健康なボランテ
ィアの鼻腔に投与した。この製剤は、局所刺激に関して
0.9%塩化ナトリウムと区別できなかった。
実施例5 5%のGFを含有するリン酸塩緩衝液(pH4)100μ中
のヒトグルカゴン4mgを、体重およそ3kgの5匹の坐位状
態の低血糖症ニュージーランドホワイトうさぎの両方の
鼻孔中に施用した。製剤は、7mMリン酸塩緩衝液(pH2.
5)中にグルカゴンを溶解し、0.1N水酸化ナトリウムでp
H4.0に調節することによって調製され、最後に5%のグ
リコフロラム 75が加えられた。うさぎは、実験1時間
前にインシュリン83μgの皮下注射により低血糖症にさ
れた。血中グルコース決定のために、血液サンプルが連
続的に耳の周辺静脈から採取された。
図4は、グルカゴンの鼻腔内施用後の平均血中グルコ
ース濃度をイニシャルの割合として示す。
実施例6 最高値の制御、薬物動態 10mgのクロナゼパムを超音波を使用して以下の賦形
剤、(1) 4EGf、(2)PEG−200及び(3)〔メルク
−シュチャート(MERCK−Schuchardt)からの〕4EGmの2
ml中に溶解した。この製剤50μを、エッペンドルフピ
ペットの手段で坐位状態のニュージーランドホワイトう
さぎのそれぞれの鼻腔中に投与した。血液サンプルは、
以下の時間間隔、0、2、5、10、15、30及び60分で耳
の周辺静脈から得られ、クロナゼパム濃度が高速液体ク
ロマトグラフィーによって決定された。
図5は、鼻腔内投与後得られた平均血漿中クロナゼパ
ム濃度を示す。およそ2分で、血漿中濃度はPEG−200及
び4EGm製剤よりも4EGfの方が高い。
実施例7 最高値の制御、薬物動態 賦形剤100μ中にジアゼパム3mgが調製され、実施例
6に記載された方法と類似の方法でうさぎに施用され
た。以下の賦形剤、(1)グリコフロラム 75(GF)、
(2)ミグリオール840+GF(7+3)及び(3)植物
油+GF(7+3)が使用された。血液サンプルは、以下
の時間間隔、0、5、10、15、30及び60分で耳の周辺静
脈から得られ、ジアゼパム濃度が高速液体クロマトグラ
フィーによって決定された。
図6は、鼻腔内投与後得られた平均血漿中ジアゼパム
濃度を示す。最初の最高血漿中濃度は、使用するGF/油
賦形剤に依存して制御されうる。5分でGF製剤の血漿中
濃度は、ステソリド (Stesolid)〔デュメックス エ
ー/エス(Dumex A/S)、デンマーク〕としてジアゼパ
ム3mgを静脈注射したときのおよそ55%である。
実施例8 最高値の制御、増強剤としてのGFの役割 賦形剤100μ中にクロナゼパム0.5mgが調製され、実
施例6に記載された方法と類似の方法でうさぎに施用さ
れた。以下の賦形剤、(1)テトラエチレングリコール
(メルク)(4EGm)、(2)4EGm中に2%のグリコフロ
ール 75(GF)、(3)4EGm中に5%のGF、(4)4EGm
中に10%のGF、(5)4EGm中に30%のGF及び(6)GFが
使用された。血液サンプルは、以下の時間間隔、0、
5、10、15、30及び60分で耳の周辺静脈から得られ、ク
ロナゼパム濃度が高速液体クロマトグラフィーによって
決定された。
図7は鼻腔内投与後得られた平均血漿中クロナゼパム
濃度を示す。最初の最高血漿中濃度は、製剤中のGF/4EG
m比に依存して制御されうる。
実施例9 賦形剤100μ中にフルニトラゼパム0.5mgが調製さ
れ、実施例6に記載された方法と類似の方法でうさぎに
施用された。以下の賦形剤、ポリエチレングリコール20
0(メルク商品.807483)が使用された。血液サンプル
は、以下の時間間隔、0、5、10、15、30及び60分で耳
の周辺静脈から得られ、フルニトラゼパム濃度が高速液
体クロマトグラフィーによって決定された。
図8は、鼻腔内及び0.5mgのフルニトラゼパム〔ロヒ
プノール (Rohypnol)、ロシェ(Roche)〕の静脈投
与後得られた平均血漿中フルニトラゼパム濃度を示す。
実施例10 賦形剤100μ中にミダゾラム4mgが調製され、実施例
6に記載された方法と類似の方法でうさぎに施用され
た。以下の賦形剤、ポリエチレングリコール200(メル
ク、商品.807483)が使用された。血液サンプルは、以
下の時間間隔、0、5、10、15、30及び60分で耳の周辺
静脈から得られ、ミダゾラム濃度が高速液体クロマトグ
ラフィーによって決定された。
図9は、鼻腔内及び4mgのミダゾラムの〔ドルミカム
(Dormicum)、ロシェ(Roche)〕静脈投与後得られ
た平均血漿中ミダゾラム濃度を示す。
実施例11 安定性試験 この発明による賦形剤中のクロナゼパムの安定性を最
適にするための試みにおいて、加速試験が行われた。ク
ロナゼパムの安定性は、25及び60℃で1ヵ月にわたって
試験され、60℃でおよそ90%又はそれ以上の回収率が非
常に満足するものであると考えられた。
20mg/mlを含有する製剤(1)を除いて、5mg/mlのク
ロナゼパムを含有する以下の製剤、(1)及び(2)は
4EGf、(3)はリン酸でpH3.5に調節した(2)、
(4)はクエン酸でpH3.5に調節した(2)、(5)は
エタノール9%を加えた(2)、(6)は硝酸(0.01%
より少い)でpH3.5に調節した(2)、(7)は水1%
を加えた(2)、(8)はプロピレングリコール(P
G)、(9)は0.04%酢酸でpH3.8に調節した(8)、
(10)は酢酸0.4%を加えた(2)、(11)は酢酸4%
(pHおよそ6)を加えた4EGf+5%GF、(12)はpH2ま
で硝酸を加えた(11)、(13)はベンジルアルコール3
%を加えた(11)、(14)はエタノール16%とベンジル
アルコール3%を加えた(10)、(15)は硝酸(0.01%
より少い)でpH3.5に調節した4EGf+5%GF、(16)は
硝酸ナトリウム0.04%を加えた(15)、(17)はエタノ
ール5%を加えた(15)、(18)はクエン酸(0.1%)
でpH4.2に調節した4EGf+5%GF、(19)はベンジルア
ルコール2%を加えた(15)、(20)は硝酸ナトリウム
0.04%を加えた4EGf+5%GFを調製した。
2及び4週間後、100μのサンプルを含有物から採
取し、高速液体クロマトグラフィーの手段によって量的
に分析した。サンプルの濃度(及び回収率)は、クロナ
ゼパムの外部標準に相関して、ピーク高さに基づいて計
算された。
表7に見られるように、硝酸、硝酸塩、エタノール及
びベンジルアルコールのみが安定性を上昇する。4EGf、
GF及びPGの水分含量はおよそ0.05%であった。驚くべき
ことに、たとえば4EGfにおける安定性は、1%の水の添
加によって減少しない。さらに、25℃での安定性は、ア
ンプル中(窒素下)及び10mlのパイファーポンプ(モデ
ル6917.5902/3790.0129)中に保存した製剤で同じであ
った。
図10は、種々の賦形剤中のクロナゼパムの安定性に関
する図解図表である。
実施例12 急性毒性試験 この試験は、それぞれの鼻腔に賦形剤を単一投薬した
後、うさぎ鼻腔における急性変化を観察するために行わ
れた。試験された賦形剤は、グリコフロール 75、テト
ラエチレングリコール〔フルカ(Fluka)〕及びプロピ
レングリコール〔ディーエルエス(DLS)品質、メコベ
ンゾン(Mecobenzon)、デンマーク〕であった。
16匹のうさぎが、それぞれ4匹のうさぎの4群に無作
為に抽出された。3群は、それぞれの鼻腔に50μ、1
つの試験賦形剤の単一鼻腔内施用を施した。それぞれの
うさぎは1試験化合物のみ施された。1群は、等張の塩
化ナトリウム生理食塩液の同量を施す対照としておかれ
た。投与後10分で、うさぎは犠牲にされ、放血された。
それから、右鼻腔を開いて、肉眼的に評価した。評価す
る人は投薬される概要に関してブラインドであった。左
鼻腔を切開し、組織学的評価のために中性に緩衝化され
たホルマリンで固定した。
それぞれのうさぎ1〜16における肉眼的及び顕微鏡的
観察は表8に示され、4つの賦形剤に関して表9に要約
される。驚くべきことに、肉眼的又は顕微鏡的相違は、
等張の生理食塩液と試験された3つの賦形剤の間でみら
れなかった。
驚くべきことに、この発明による賦形剤中における、
たとえばクロナゼパム及びジアゼパムのようなペンゾジ
アゼピンの鼻腔内吸収は静脈注射に非常に類似している
ことが見い出された。図1から、最高クロナゼパム血漿
中濃度(tmax)は2〜3分よりも短い時間以内に到達さ
れ、2.5分後の血漿中濃度(Cp1(2 1/2)は、静
脈投与により得られるそれのおよそ100%であることが
わかる。この発明による賦形剤の品質の選択は、驚くべ
きことに、吸収速度に影響を有した。2.5分でのクロナ
ゼパムの血漿中濃度は、たとえば4EGm〔メルク−シュチ
ャート(MERCK−Schuchardt)からの品質〕又は〔メル
ク−シュチャート(MERCK−Schuchardt)からの〕PEG 2
00よりも4EGf〔フルカ−ケミーエージー(Fluka−Chemi
e AG)からの品質〕の方がおよそ40%高く、tmaxは、各
々およそ2.5以下、10及び15分である(図5)。
薬力学的反応がうさぎにおいて試験された。賦形剤10
0μ中の0.25mgのクロナゼパムの鼻腔内施用後の反応
までの時間が測定された。平均時間が図2において示さ
れ、実験の詳細は実施例3において述べられている。図
2に示されるように、この発明による賦形剤中のクロナ
ゼパムの鼻腔内投与後の薬力学的反応は、施用後2分よ
り短い時間で得られるであろう。
この発明の組成物は安定である。これは、たとえば各
々60℃及び25℃で1ヵ月後、この発明による組成物のベ
ンゾジアゼピン濃度を測定することによって例証された
(実施例11参照)。安定な溶液(回収率およそ90%以
上)は、酢酸(pH3.8〜4に調節された)の添加後のPG
を使用して得ることができる。同量の酢酸は4EGf溶液を
安定にすることはできず、pHをおよそ4に調節するため
に必要とされる酢酸の量は多すぎであった。驚くべきこ
とに、硝酸を用いてpHを調節することにより、たとえば
任意に5%のGFからなる4EGf中のクロナゼパムの安定な
溶液が得られる(回収率およそ90%以上)。驚くべきこ
とに、インシュリン又はグルカゴンとともにこの発明に
よる賦形剤を使用することで、明らかな生物学的反応
が、うさぎに鼻腔内施用した後15〜30分以内に得られる
ことも見い出された(図3と4及び実施例4と5)。
実施例13 バイオアベイラビリティー エストロゲン(E2)とエストロン(E1)のバイオアベ
イラビリティーは、50μgのE2の単一投薬量をうさぎに
鼻腔内施用した後、予備的に試験された。各々、30%と
100%のグリコフロール(GF)を含有する2つの製剤
が、同じ投薬量の静脈注射に関連して鼻腔内で試験され
た。
材料 17−β−エストラジオール(エストロゲン=E2)はノ
ボノルディスク(Novo nordisk)(コペンハーゲン、デ
ンマーク)から、プロピレングリコラム エーディー
インフンジビリア(propylenglycolum ad infundibili
a)(PG)はメコベンゾン(Mecobenzon)(コペンハー
ゲン、デンマーク)から及びグリコフロラム 75(GF)
はホッフマン ラ−ロシェ(Hoffman La−Roche)〔ベ
イセル(Basel)、スイス〕から得られた。全ての他の
試薬は、試薬又は分析用グレードのものであった。
薬剤調製 静脈注射及び鼻腔内施用のための製剤は、まさしく投
与前に調製された。静脈投与のための製剤1は、2.729m
gのE2を25.0mlのPGに溶解し、それから25.0mlの等張の
生理食塩液を加えることによって調製された。鼻孔内施
用のための製剤2は、4.938mgのE2を10.0mlの中のGFに
溶解することによって調製された。また、鼻腔内施用の
ための製剤3は、4.996mgのE2を3.00mlのGF中に溶解
し、それから10.0mlの総容量までの等張の生理食塩液を
加えることによって調製された。
投薬及び試験設計 静脈投与を受けるうさぎに、30秒間耳静脈インフュー
ジョンとして、製剤1静脈の1.0ml(50μgのE2に等し
い)を投与した。鼻腔内投与を受けるうさぎに、エッペ
ンドルフピペットで製剤2又は3鼻腔内を投与した。そ
れぞれのうさぎは、50μgのE2に等しい50μをそれぞ
れの鼻孔中に投与された。鼻腔内施用におよそ5秒間費
やした。鼻腔内施用中及び施用後およそ1分間、うさぎ
をあお向けの状態に保った。
血液サンプルは、投与後0、5、10、20、30及び60分
に集められた。血漿を分離し、分析まで−20℃で保存し
た。
接合していないE2とE1の血漿中濃度は、1972年にエメ
ット(Emmet)らによって述べられているようにラジオ
イムノアッセイにより測定された。エーテルで抽出後、
E1とE2の分離は、セファデックス LH20のカラムで行わ
れた。ラジオイムノアッセイは溶媒の留去後行われた。
E1とE2の検出限界は40pmol/であった。E1の内部及び
相互分析変動は、各々7.0%及び9.6%であり、E2では7.
4%及び10.5%であった。
個々の血漿中濃度のための投薬量/体重補正は、静脈
投薬量/体重の平均(22.3μg/kg)に相関して計算され
た。製剤1静脈の0分から無限までの血漿中濃度−時間
曲線下面積(AUC)のために、30秒インフュージョンで
の1コンパートメントがデータに適合した。他の全ての
AUCは、トラペゾイル ルール(trapezoidal rule)の
方法により計算された。
E2投与後のE2とE1の血漿中濃度は、各々表10と11及び
図11と12からわかる。図11は、静脈注射(製剤1)又は
鼻腔内投与〔各々グリコフロール(GF)の100%及び30
%で製剤化された2鼻腔内及び3鼻腔内〕として、うさ
ぎ(n=3)におよそ50μgのエストロゲンを投与した
後のエストロゲン(E2)の血漿中濃度の平均±標準偏差
を示し、 図12は、静脈注射(製剤1)又は鼻腔内投与〔各々グリ
コフロール(GF)の100%及び30%で製剤化された2鼻
腔内及び3鼻腔内〕として、うさぎ(n=3)におよそ
50μgのエストロゲンを投与した後のエストロン(E1)
の血漿中濃度の平均±標準偏差を示す。
図11と12及び表12からわかるように、鼻腔内施用は静
脈投与に非常に類似していた。バイオアベイラビリティ
ーは表12からわかる。E2のバイオアベイラビリティー
は、各々製剤2鼻腔内及び3鼻腔内で87及び80%であ
り、E2+E1では104%及び95%であった。E2の5分後の
血漿中濃度(C5分)は109%及び95%であり、E2+E1で
は118%及び105%であった。Tmaxは5分より短かかっ
た。
コメント GF中のE2の溶解度はおよそ230mg/mlであるとみられ
る。従って、50μgの臨床投薬量は0.25ml中に可溶であ
る。従って、極端に小さいμ容量中の臨床投薬量の施
用は、GFを使用することを可能にする。溶解度は水と併
用して指数的に減少するので、賦形剤としてGFを使用す
る投薬溶量は、鼻粘液中におけるE2の望まれない沈殿を
さけるために、たとえばおよそ5μであるべきであ
る。
小さい投薬容量は、局所刺激作用を減少又は除くため
に望ましい。また、たとえば植物油のような無刺激性共
同溶媒が加えられてもよい。この方法において、望まし
い投薬容量又は供給速度が得られるであろう。最高血漿
中濃度を減少するために、粘液中におけるE2の限られた
沈殿も望まれるであろう。
無水のGF製剤は、慢性の投薬と同様に急性の激しい洗
浄において有用であろう。
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−148013(JP,A) 特開 昭62−283927(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/10,9/08

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物活性物質と、ビヒクルとしての、 i) 式I: 【化1】 (式中、nは1〜8の整数)で示される1又はそれ以上
    のn−グリコフロール類、 ii) 式II: H(OCH2CH2pOH で示される1又はそれ以上のn−エチレングリコール類
    (ここで、n−エチレングリコールはPEG 200である
    か、又は式中のpは1〜4の整数)、又は iii)式I(式中、nは1〜8の整数)で示される1又
    はそれ以上のn−グリコフロール類と式IIで示される1
    又はそれ以上のn−エチレングリコール類(ここで、n
    −エチレングリコールはPEG 200もしくはPEG 400である
    か、又は式中のpは1〜8の整数) とからなる、鼻粘膜を介して生物活性物質を投与するた
    めの医薬組成物。
  2. 【請求項2】式Iのn−グリコフロール類が、nが主に
    1と2であるn−グリコフロールの混合物である請求項
    1の組成物。
  3. 【請求項3】n−エチレングリコール類が、テトラエチ
    レングリコール又はPEG 200又はpが1〜4のn−エチ
    レングリコールである請求項1の組成物。
  4. 【請求項4】生物活性物質が、胃腸管で消化される生物
    活性ペプチドから選択される請求項1〜3のいずれか1
    つに記載の組成物。
  5. 【請求項5】生物活性物質が、凝固因子(例えば第VII
    因子、第VIII因子、第IX因子)及びそれらの誘導体及び
    類似体;骨代謝調節剤(例えばカルシトニン)及びそれ
    らの誘導体及び類似体;視床下部から分泌されるホルモ
    ン(例えば性腺刺激放出ホルモン)及びその類似体(例
    えばナファレリン及びブセレリン)、エンケファリン
    (例えばダドレ)、メトケファミド及びロイシンエンケ
    ファリン;膵臓から分泌されるホルモン(例えばインシ
    ュリン、グルカゴン)及びそれらの誘導体及び類似体;
    下垂体から分泌されるホルモン(例えば成長ホルモン、
    バソプレッシン及びオキシトシン)及びそれらの誘導体
    及び類似体(例えばDDAVP及びリプレッシン);性ホル
    モン(例えばエストロゲン、卵胞刺激ホルモン、黄体形
    成ホルモン及び黄体刺激ホルモン)及びそれらの誘導体
    及び類似体からなる群から選択されるペプチドである請
    求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
  6. 【請求項6】生物活性物質が、抗てんかん薬、鎮痙薬及
    びベンゾジアゼピン(例えばクロナゼパム、ジアゼパ
    ム、フルニトラゼパム、トリアゾラム、ミダゾラム、ロ
    ラゼパム、ニトラゼパム及びそれらの混合物)の群から
    選択されるトランキライザーから選択される請求項1〜
    5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 【請求項7】ベンゾジアゼピンが、0.001〜20%(重量
    /容量)濃度で組成物に存在する請求項6の組成物。
  8. 【請求項8】粉末形態である請求項1〜7のいずれか1
    つに記載の組成物。
  9. 【請求項9】植物油又は水をさらに含む請求項1〜8の
    いずれか1つに記載の組成物。
  10. 【請求項10】硝酸が、0.0001〜5%(容量/容量)範
    囲の濃度で安定剤として使用される請求項1〜9のいず
    れか1つに記載の組成物。
  11. 【請求項11】生物活性物質が、インシュリン及びその
    類似体;グルカゴン及びその類似体;エストロゲン及び
    その類似体からなる群から選択され、かつビヒクルが式
    I(式中、nは1〜8の整数)で示されるn−グリコフ
    ロール類からなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の
    組成物。
  12. 【請求項12】ビヒクルが、nが主に1及び2である式
    Iのn−グリコフロールの混合物からなる請求項11の組
    成物。
  13. 【請求項13】生物活性物質の有効量が、ビヒクルの1
    〜1000μlに懸濁又は溶解されてなる請求項1〜12のい
    ずれか1つに記載の組成物。
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