JP3218252B2 - 熱硬化性塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性をほとんど低下
させることなく、耐汚染性を著しく改良した塗膜を形成
できる熱硬化性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、熱硬化性の、ポリエ
ステル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、およびこれらの変
性樹脂塗料、例えば、シリコン変性ポリエステル樹脂塗
料およびシリコン変性アクリル樹脂塗料などの熱硬化性
塗料は、プレコートメタル用塗料として建材用、家電器
加工用に、自動車用塗料として中塗り、上塗りに、さら
に一般家電用、鋼製家具用などとして幅広く使用されて
いる。
【0003】近年、市場においては、屋外で使用される
場合には、煤や雨じみ等に対する塗膜の耐汚染性、屋内
で使用される場合には食品や油性インキ等に対する塗膜
の汚染防止性が要求される場合が多くなってきている。
【0004】これまで一般に塗膜の耐汚染性を向上させ
ると塗膜の加工性が低下する傾向にあり、また、さらに
塗膜の内部応力の増大によって密着性低下を引き起こす
場合もあった。特に、建材用において、メタルエンボス
加工壁材用など高度の加工性が要求される加工用建材や
電子レンジ、冷蔵庫、ビデオデッキなどの高度の加工性
が要求される家電器加工用などにおいて、塗膜の加工性
と耐汚染性との両立が大きな課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、熱
硬化性塗料において、塗膜の加工性と耐汚染性とを両立
できる塗料を得るべく鋭意研究の結果、水酸基含有樹脂
と架橋剤との樹脂系に、(ブロック)イソシアネート基
を有するポリシロキサンを特定量配合することによっ
て、樹脂系の塗膜の加工性をほとんど劣化させることな
く塗膜の耐汚染性を著しく改良でき、かつ耐薬品性も改
良できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、(a)水酸基含有塗膜
形成性基体樹脂、(b)架橋剤および(c)下記式
[1]
【化2】 (式中、nは1〜200の整数を表わし、Rは3価の有
機基を示す。)で表わされる化合物又は該化合物中のイ
ソシアネート基の一部もしくは全部がブロックされた化
合物であるオルガノポリシロキサンを含有し、樹脂
(a)および架橋剤(b)の合計量(固形分)100重
量部に対して、オルガノポリシロキサン(c)の固形分
量が0.2〜10重量部であることを特徴とする熱硬化
型塗料組成物を提供するものである。
【0007】本発明組成物において使用される(a)成
分である水酸基含有塗膜形成性基体樹脂としては、熱硬
化性塗料の基体樹脂として通常用いられる、水酸基含有
塗膜形成性樹脂が使用でき、代表例として、水酸基含有
アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、これらの
樹脂の変性樹脂、例えば、水酸基含有シリコン変性アク
リル樹脂、水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂、
水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有ビニル樹脂(塩化
ビニル共重合樹脂)、水酸基含有フッ素樹脂などが挙げ
られる。上記水酸基含有ポリエステル樹脂はオイルフリ
ーポリエステル樹脂、油変性ポリエステル樹脂のいずれ
も包含するものである。これらのうち水酸基含有ポリエ
ステル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有シリ
コン変性ポリエステル樹脂、水酸基含有シリコン変性ア
クリル樹脂および水酸基含有フッ素樹脂が得られる塗膜
の機械的強度、耐候性などの点から好ましい。
【0008】上記水酸基含有ポリエステル樹脂のうち、
オイルフリーポリエステル樹脂は、主に多塩基酸と多価
アルコールとのエステル化物であって、多塩基酸として
は無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク
酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などから
選ばれた1種以上の二塩基酸が主に用いられ、必要に応
じて安息香酸、クロトン酸、p-tertブチル安息香酸など
の一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセ
ントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上
の多塩基酸などが用いられ、多価アルコールとしてはエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジ
オールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必
要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以
上の多価アルコールを併用することもある。両成分のエ
ステル化反応は、酸基に対して水酸基が過剰となる配合
比にて公知の方法で行なえる。
【0009】また、水酸基含有ポリエステル樹脂のう
ち、油変性ポリエステル樹脂は、上記オイルフリーポリ
エステル樹脂に油脂肪酸を反応せしめたものであって、
油脂肪酸としては例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、
アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪
酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などがあげら
れ、ポリエステル樹脂と油脂肪酸との反応も公知の方法
で行なうことができ、その油長は30%以下が好まし
い。
【0010】上記水酸基含有アクリル樹脂としては、そ
の骨格に水酸基を有しているものが使用でき、水酸基を
有する重合性不飽和モノマーおよびこのモノマーと共重
合可能な他のモノマーとを共重合させることによって得
られる。水酸基含有不飽和モノマーとしてはヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどがあり、
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などがあ
る。また、これらのモノマーと共重合せしめるその他の
モノマーとしては、アクリル酸もしくはメタクリル酸の
アルキルエステル;エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテルなどのアルキルビニルエーテル;スチレン、
ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが
あげられる。
【0011】前記水酸基含有シリコン変性ポリエステル
樹脂は、前記のポリエステル樹脂にシリコン中間体を反
応させてなるものである。該シリコン中間体としてはシ
ロキサン結合をもつポリシロキサンであって、ポリエス
テル樹脂の水酸基などと反応する水酸基またはアルコキ
シ基などの官能基を有し、さらにメチル基、エチル基、
フェニル基などの置換基をもっているものも用いられ
る。これらの具体例として、市販されている銘柄をあげ
ると、例えば「ダウコーニングSH−6188」(メト
キシ基含有、分子量600)、「ダウコーニングSH−
6018」(水酸基含有、分子量1,600)(これら
はいずれもダウケミカル社製商品名)、「東芝シリコー
ンワニスTSR−160」(水酸基含有、分子量1,3
00)、「東芝シリコーンワニスTSR−165」(メ
トキシ基含有、分子量650)(これらはいずれも東京
芝浦電気(株)製商品名)などがある。ポリエステル樹
脂とシリコン中間体との反応(脱水反応もしくは脱アル
コール反応)は、両成分の合計量に基づいて、ポリエス
テル樹脂95〜40重量%、シリコン中間体5〜60重
量%の割合で、公知の方法によって行なうことができ
る。
【0012】前記水酸基含有シリコン変性アクリル樹脂
は前記水酸基含有アクリル樹脂にシリコン中間体を反応
させてなるものである。該シリコン中間体としては、上
記水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂の製造に用
いられるシリコン中間体と同様のものが用いられる。ア
クリル樹脂とシリコン中間体との反応は両成分の合計量
に基づいて、アクリル樹脂95〜40重量%、シリコン
中間体5〜60重量%の割合で、公知の方法によって行
なうことができる。
【0013】前記水酸基含有フッ素樹脂は、前記水酸基
含有アクリル樹脂の製造において、モノマー成分の一部
としてフッ素原子を有する重合性不飽和モノマーを使用
して共重合させてなる樹脂である。上記フッ素原子を有
する重合性不飽和モノマーとしては、ヘキサフルオロプ
ロペン、テトラフルオロエチレン、モノクロロトリフル
オロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、パーフル
オロシクロヘキシルエチレン、フッ化ビニリデン、モノ
フルオロエチレン等のフルオロオレフィン;「ビスコー
ト8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3
F」、「ビスコート3FM」(いずれも大阪有機化学
(株)製、側鎖にフッ素原子を有する(メタ)アクリレ
ート類)パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ートなどのフッ素原子を有する(メタ)アクリレート
類;などが挙げられる。共重合反応は、フッ素樹脂の公
知の重合反応に基づいて行なうことができる。
【0014】本発明の(a)成分である水酸基含有塗膜
形成性基体樹脂は、(b)成分である架橋剤との架橋点
となる水酸基を有することが必須であり、(a)成分樹
脂固形分の水酸基価は3〜80mgKOH/g 樹脂であること
が好ましく、5〜60mgKOH/g 樹脂であることがさらに
好適である。また樹脂(a)は数平均分子量約3,00
0〜30,000であることが好適である。
【0015】本発明における(b)成分である架橋剤
は、加熱によって上記基体樹脂(a)を三次元に架橋硬
化せしめることができるものであって、例えばアミノ樹
脂、ブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられ
る。
【0016】アミノ樹脂は、メラミン、グアナミン、尿
素などとホルムアルデヒドとの付加反応生成物(1量体
もしくは多量体)のメチロール基の一部もしくは全部を
炭素数1〜5の1価アルコールから選ばれた1種もしく
は2種以上で変性したものである。
【0017】ブロックイソシアネート化合物は、ポリイ
ソシアネート化合物にブロック剤を反応させた化合物
で、所定温度以上に加熱されるとブロック剤が解離して
イソシアネート基が再生するものである。ポリイソシア
ネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネ
ート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン2.4
(2.6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアナト
メチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの
ジイソシアネート類;およびこれらのジイソシアネート
類とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、
トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポ
リオールとをポリオール中の水酸基に対してイソシアネ
ート基が過剰量となる量のポリイソシアネート類を反応
させてなる付加物;上記ジイソシアネート類のビュレッ
トタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物など;
2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4´−ジ
メチルジフェニルメタン−2,2´,5,5´−テトラ
イソシアネートなどの3個以上のイソシアネート基を有
するポリイソシアネート類などがあげられる。
【0018】ブロック剤としてはフェノール、クレゾー
ル、エチルフェノール、チモール、ニトロフェノール、
メタノール、ブタノール、エチレングリコール、ベンジ
ルアルコール、シクロヘキサノール、マロン酸ジメチ
ル、アセト酢酸エチル、ブチルメルカブタン、アセトア
ニリド、酢酸アミド、コハク酸イミド、アニリン、カル
バゾール、イミダゾール、尿素、オキサゾリドン、エチ
レンイミン、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシム、ホルムアルドオキシムなどが好適であ
る。
【0019】架橋剤(c)として、特にメラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂を使用した場合に、耐汚染性の改良効
果が特に著しい。
【0020】上記した基体樹脂(a)と架橋剤(b)と
の割合は、各成分によって異なるが、両成分の合計量に
基づいて、基体樹脂(a)95〜60重量%、架橋剤
(b)5〜40重量%の範囲が好適である。
【0021】本発明における(c)成分は、分子末端に
イソシアネート基および/又はブロックされたイソシア
ネート基を1分子当り合計で個有するオルガノポリシ
ロキサンであって塗膜形成の際、塗膜表面に偏在しかつ
基体樹脂と架橋して塗膜の汚染性を著しく改良するもの
である。(c)成分としてはジメチルポリシロキサン鎖
又はジメチルポリシロキサン鎖のメチル基のうちの一部
をフェニル基やエチル基で置換したオルガノポリシロキ
サン鎖を主鎖とし、分子末端にイソシアネート基および
/又はブロックイソシアネート基を分子中に合計で
有するものであって、下記式[1]で表わされる化合物
又は該化合物中のイソシアネート基の一部もしくは全部
がブロックされた化合物である。
【0022】
【化2】 (式中、nは1〜200の整数を表わし、Rは3価の有
機基を示す。)
【0023】上記式における2つのRは同一又は異なる
有機基を表わし、窒素原子、酸素原子で置換されていて
もよい炭化水素基であって、例えばイソシアネート残基
であることができる。
【0024】ここで「イソシアネート残基」とは、3個
のイソシアネート基を有するトリイソシアネート化合物
のイソシアネート基とジメチルポリシロキサン主鎖およ
び両末端に活性水素を有するシリコン化合物中の活性水
素を有する基との反応による結合部およびトリイソシア
ネート化合物中のイソシアネート基以外の部分の両者を
合せた基を意味し、例えばジメチルポリシロキサン鎖1
個と活性水素を有する基(例えば水酸基)2個とを有す
るシリコン化合物1モルとトリイソシアネート化合物2
モルとを反応させた場合のイソシアネート残基を意味す
る。
【0025】上記トリイソシアネート化合物としては、
例えばトリフェニルメタン−4,4´,4″−トリイソ
シアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、
2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどのトリイソ
シアネート類;および前記架橋剤としてのブロックイソ
シアネート化合物の原料であるジイソシアネート類3モ
ルにトリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなど
の3価のアルコール類を1モル反応させてなる付加物な
どが挙げられる。
【0026】上記式[1]におけるnは1〜200の整
数であることが好ましく、5〜50の整数であることが
さらに好適である。
【0027】本発明において、(c)成分であるポリシ
ロキサンはイソシアネート基および/又はブロックされ
たイソシアネート基を1分子中に4個有するものであ
る。(c)成分であるポリシロキサンがブロックされた
イソシアネート基を有する場合、イソシアネート基をブ
ロックするブロック剤としては、前記架橋剤であるブロ
ックイソシアネート化合物のブロック剤として挙げたも
のを同様に使用することができる。
【0028】(c)成分であるポリシロキサンは重量平
均分子量が1,000〜30,000であることが好ま
しく、重量平均分子量が2,000〜25,000であ
ることがさらに好適である。(c)成分であるポリシロ
キサンの市販品としては例えば、(株)パーカーコーポ
レーション製の、EFKA(エフカ)−86、EFKA
−88、EFKA−LP8835、EFKA−LP88
32(EFKAは登録商標)などが挙げられる。
【0029】本発明において、(c)成分がイソシアネ
ート基を有する場合、一液型で用いる際には、イソシア
ネート基が樹脂(a)中の水酸基と貯蔵中に反応する場
合があるので注意が必要であり、貯蔵安定性を改良する
ためアルコール系溶剤を添加してもよいし、また二液型
として(c)成分を使用直前に他の成分と混合して使用
してもよい。(c)成分のイソシアネート基がブロック
されたイソシアネート基である場合には、一液型で用い
る際の、上記貯蔵安定性の問題は解消できる。
【0030】本発明における(c)成分の配合量は、前
記樹脂(a)および架橋剤(b)の合計量(固形分)1
00重量部に対して0.2〜10重量部の範囲にあるこ
とが必要であり、好ましくは1〜6重量部の範囲であ
る。(c)成分の配合量が0.2重量部未満の場合には
耐汚染性の改良効果が十分でなくなり、一方10重量部
を超えて配合しても、さらなる耐汚染性の改良効果はほ
とんど認められず、かえって塗膜の加工性を低下させる
原因となる。
【0031】本発明の組成物においては、前記した
(a)、(b)および(c)成分の他に、着色顔料、シ
リカ微粉末などの体質顔料、消泡剤、有機樹脂粉末、無
機質骨材や表面調整剤などの塗料添加剤、硬化触媒、溶
剤等従来から塗料に使用されている公知の材料も使用す
ることができる。
【0032】本発明の塗料組成物を塗装する被塗装物と
しては冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ
鋼板、合金メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼
板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等の金属類、プ
ラスチックス、木材、セメント等が挙げられる。塗装方
法としては、カーテン塗装、ロール塗装、浸漬塗装およ
びスプレー塗装などが可能であり、通常、乾燥した後の
塗膜厚が5〜50ミクロンの範囲内となるよう塗装され
る。
【0033】金属類に塗装する場合に被塗装材である金
属表面が油等汚染物質で汚染されていなければそのまま
塗装してもかまわないが、塗膜との間の付着性、耐食性
を改善するために公知の金属表面処理を施すのが望まし
い。これら公知の表面処理方法としてはリン酸塩系表面
処理、クロム酸塩系表面処理、さらにはクロム酸系塗装
剤による塗布処理が挙げられる。
【0034】また、塗膜品質の高度化を必要とする場合
には、金属表面処理の後にプライマー塗装を施した上で
本発明の塗料組成物を塗装するのが好ましい。適用し得
るプライマーは着色カラー鋼板塗装分野、産業用機械塗
装分野、金属部品塗装分野などで用いられる公知のプラ
イマーが適用でき、被塗装材の種類、金属表面処理の種
類によって適宜選択されるが、特にエポキシ系、ポリエ
ステル系プライマーおよびそれらの変性プライマーが好
適であり、加工性が特に要求される場合はポリエステル
系プライマーが好適である。
【0035】本発明の塗料組成物をコイルコーティング
などによってプレコート塗装する場合、その塗装方法に
制限はないがプレコート鋼板塗装の経済性からカーテン
塗装法およびロール塗装法が推奨される。ロール塗装法
を適用する場合には塗面の均一性を最良のものにするた
め3本ロールによるトップフィードもしくはボトムフィ
ード方法が推奨されるが実用的には通常の2本ロールに
よるボトムフィード方式(いわゆるナチュラルリバース
塗装、ナチュラル塗装)でも良い。本発明組成物の硬化
条件は、通常、素材到達最高温度120〜260℃で1
5秒〜30分程度である。コイルコーティングなどによ
って塗装するプレコート塗装分野においては、通常、素
材到達最高温度160〜260℃で15〜90秒の範囲
で行なわれる。
【0036】
【作用および発明の効果】本発明組成物において、
(c)成分はオルガノポリシロキサン鎖を有しており、
この部分が低表面エネルギーであるため、塗装された場
合に塗膜表面に移行していくが、この移行は加熱によっ
て促進され、かつ(c)成分が分子末端にイソシアネー
ト基および/又はブロックされたイソシアネート基を有
しているため加熱によって基体樹脂(a)中の水酸基と
反応して架橋していくため、塗膜表層部に架橋された形
でオルガノポリシロキサンが多く存在する低表面エネル
ギー層が形成されるので耐汚染性が著しく改良され、耐
薬品性も改良された塗膜が形成できる。また、オルガノ
ポリシロキサンは表面の薄層に偏在するため、塗膜の加
工性を劣化させることはほとんどない。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、以下、「部」および「%」はいずれも重
量基準によるものとする。 実施例1〜8および比較例1〜5 後記表1に示す組成配合にて、塗料化を行ない各上塗塗
料を得た。厚さ0.5m/m のリン酸亜鉛処理電気亜鉛メ
ッキ鋼板上に関西ペイント社製KPカラー8620プラ
イマー(プレコート鋼板用ポリエステル系プライマー)
を乾燥膜厚が5μmとなるよう塗装し、素材到達温度2
20℃となるよう45秒間焼付け、プライマー塗装鋼板
を得た。このプライマー塗装鋼板上に上記のようにして
得た各上塗塗料をバーコータにて乾燥膜厚が約18μm
となるよう塗装し、素材到達最高温度が230℃となる
よう60秒間焼付けて各上塗塗装鋼板を得た。得られた
塗装鋼板について各種試験を行なった。
【0038】その試験結果を表1に示す。なお、表1に
おける基体樹脂、硬化剤および(注8)〜(注10)の
オルガノポリシロキサンの量は固形分重量による表示で
あり、(注6)および(注7)の硬化触媒の量は有効成
分量による表示である。なお、実施例および比較例の塗
料化に際しては、チタン白顔料の分散を行ない、また、
シクロヘキサノン/スワゾール1500(コスモ石油
(株)製、芳香族石油系高沸点溶剤)=60/40(重
量比)の混合溶剤を粘度調整などのために使用した。塗
装に際しては、塗料粘度をフォードカップ#4で約10
0秒(25℃)に調整した。
【0039】なお、表1中における試験は下記試験方法
に従って行なった。 鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.2に規定する
鉛筆引っかき試験を行ない、すり傷による評価を行なっ
た。
【0040】加工性:20℃の室内において、塗面を外
側にして試験板を180°折曲げて、折曲げ部分にワレ
が発生しなくなるT数を表示した。T数とは、折曲げ部
分の内側に何もはさまずに180°折曲げを行なった場
合をOT、試験板と同じ厚さの板を1枚はさんで折曲げ
た場合、1T、2枚の場合2T、…6枚の場合6Tとし
た。
【0041】耐油性インキ汚染性:20℃の室内におい
て、マジックインキ赤(油性インキ)で塗面に線を引
き、1時間放置後、n−ブタノールを浸みこませたガー
ゼにて拭き取った。拭き取った跡のマジックインキ赤の
跡の外観を評価した。外観の評価は目視にて下記基準に
従った。 ◎:跡が認められない。 :跡がわずかに認められ
る。 △:かなり跡が残る。 ×:跡が濃く残る。
【0042】耐カーボン汚染性:カーボンブラック/水
=2/98(重量比)の割合の分散液1ccを塗面上に載
せ、70℃の恒温室内で2時間放置後、水洗を行ない、
分散液を載せた部分の塗面の変色程度を目視にて判定し
た。 ◎:跡が認められない。 :跡がわずかに認められ
る。 △:かなり跡が残る。 ×:跡が濃く残る。
【0043】耐溶剤性:20℃の室内においてメチルエ
チルケトンを浸み込ませたガーゼにて塗面に約1kg/cm
2 の荷重をかけて、約5cmの長さの間を往復させた。プ
ライマー塗膜が見えるまでの往復回数を記載した。50
回の往復でプライマー塗膜が見えないものは50<と表
示した。
【0044】なお、表1における註は下記のとおりであ
る。 (注1)バイロンGK−56CS:東洋紡績(株)製、
ポリエステル樹脂、樹脂の水酸基価は約8mgKOH/g 樹
脂。 (注2)バイロンKS−1880V:東洋紡績(株)
製、ポリエステル樹脂、樹脂の水酸基価は約15mgKOH/
g 樹脂。 (注3)ルミフロンLF−502:旭硝子(株)製、フ
ッ素樹脂、樹脂の水酸基価は約57mgKOH/g 樹脂。
【0045】(注4)サイメル303:三井サイアナミ
ッド(株)製、低分子量メチル化メラミン樹脂。 (注5)デスモジュールBL−3175:住友バイエル
ウレタン(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートの
イソシアヌレート型のブロック体。 (注6)ネイキュア5225:米国キング・インダスト
リイズ社製、トデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和
物である硬化触媒。 (注7)タケネートTK−1:武田薬品(株)製、イソ
シアネートの硬化触媒。 (注8)、(注9)および(注10)はいずれも株式会
社パーカーコーポレーション製のオルガノポリシロキサ
ン。 (注8)(注9)はいずれもブロックされていないイソ
シアネート基を分子末端に1分子当り2個以上有する。
(注10)は、ブロックされたイソシアネート基を分子
末端に1分子当り2個以上有する。
【0046】
【表1】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水酸基含有塗膜形成性基体樹脂、
    (b)架橋剤および(c)下記式[1] 【化1】 (式中、nは1〜200の整数を表わし、Rは3価の有
    機基を示す。)で表わされる化合物又は該化合物中のイ
    ソシアネート基の一部もしくは全部がブロックされた化
    合物であるオルガノポリシロキサンを含有し、樹脂
    (a)および架橋剤(b)の合計量(固形分)100重
    量部に対して、オルガノポリシロキサン(c)の固形分
    量が0.2〜10重量部であることを特徴とする熱硬化
    型塗料組成物。
  2. 【請求項2】 架橋剤(b)がアミノ樹脂である請求項
    1記載の熱硬化型塗料組成物。
  3. 【請求項3】 水酸基含有塗膜形成性基体樹脂(a)
    が、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有アクリル
    樹脂、水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂、水酸
    基含有シリコン変性アクリル樹脂および水酸基含有フッ
    素樹脂から選ばれるものである請求項1又は2記載の塗
    料組成物。
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