JP3218128U - 刺繍ワッペン - Google Patents

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Abstract

【課題】剥がれにくく、耐洗濯性に優れた刺繍ワッペンを提供する。
【解決手段】 本考案の刺繍ワッペン1は、刺繍が施されたワッペン本体2の裏面に固着されるホットメルト接着層3が、ポリエステル系樹脂からなり、これらにアイロン等を用いて所定の熱を付与した場合には、取り付け対象であるユニフォーム等の衣服の繊維に侵入して強く固着される。そのため、剥離強度が高く、高温での洗濯、乾燥工程を有する業務洗濯に対する耐洗濯性が高い。
【選択図】 図1

Description

本考案は、刺繍ワッペンに関する。
不織布等の布地に紋章等の図柄が刺繍により施された刺繍ワッペンは、衣服や帽子等に、手縫い、ミシン縫いあるいはアイロン等を用いた熱接着等の手段を用いて取り付けられる。このうち、アイロンによる熱接着は手軽で素早くできることから、熱接着に対応したホットメルト接着層がワッペン本体の裏面(衣類等に対向し、該衣類等に固着される面)に設けられたものが多く用いられている。
例えば、特許文献1では、刺繍等が施されている布地の裏面に、接着剤の層とアクリル系の粘着剤の層とを積層したワッペン等の貼飾品が開示されている。熱接着せずに使用する場合は、粘着剤の粘着力を利用して、当該ワッペンを適宜の部位に貼ったり、剥がしたりして楽しむ一方、衣服等に固定する場合には、アイロンの熱により粘着剤、接着剤を溶融して固着する。
実用新案登録第3133578号公報
接着剤が裏面に設けられた刺繍ワッペンは、アイロン等を用いて熱接着で容易に衣服等に取り付けられるという利点があるものの、洗濯を繰り返すことにより、縫製により取り付けた場合と比較して剥がれやすい。特許文献1に開示されたものなど、市販の接着剤であっても、一般の家庭洗濯であれば、ある程度剥離せずに使用できる。しかし、会社のユニフォームのように、業務用衣服専用の洗濯に供されるものは、高温での洗濯や乾燥に耐えられる必要がある。特に、会社の周年イベントなどをきっかけとして記念の刺繍ワッペンを作り、ユニフォームに取り付けることがあるが、このような場合、多数のユニフォームに縫製によって取り付けるのでは時間がかかり過ぎる。よって、アイロン等を用いた熱接着にて短時間で取り付け可能であるものが好ましいが、高温での洗濯、乾燥に耐えられる業務洗濯に適したものでなければならない。
本考案は上記に鑑みなされたものであり、取り付けが容易な熱接着タイプでありながら、接着後の剥離強度が高く、高温での洗濯、乾燥工程を備えた業務洗濯に対する耐洗濯性に優れ、ユニフォーム等の業務用衣服用として適した刺繍ワッペンを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本考案の刺繍ワッペンは、
刺繍により図柄が施されたワッペン本体と、
ポリエステル系樹脂からなり、前記ワッペン本体の裏面に固着されるホットメルト接着層と
を有することを特徴とする。
前記ホットメルト接着層は、複数枚のホットメルトフィルムが積層されて固着されたものであることが好ましい。
本考案の刺繍ワッペンによれば、ワッペン本体の裏面に固着されるホットメルト接着層が、ポリエステル系樹脂からなる。ポリエステル系樹脂からなるホットメルト接着層は、硬化することで非常に高い接着力を発揮することから、アイロン等を用いて所定の熱を付与した場合には、取り付け対象であるユニフォーム等の衣服の繊維に侵入した後、強く固着される。そのため、高い剥離強度を示し、すなわち剥がれにくく、高温での洗濯、乾燥工程を有する業務洗濯に対する耐洗濯性が高い。従って、本考案の刺繍ワッペンは、ユニフォーム等の業務用衣服用として適している。
図1は、本考案の一の実施形態に係る刺繍ワッペンを示す分解斜視図である。 図2は、上記実施形態の刺繍ワッペンの衣服への取り付け方を説明するための図である。
以下、図面に示した実施形態に基づき本考案をさらに詳細に説明する。図1に示したように、本実施形態の刺繍ワッペン1は、ワッペン本体2と、ホットメルト接着層3とを有して構成される。
ワッペン本体2は、不織布、織布等の布地に、紋章や文字等の様々な図柄が刺繍により施されている。また、ワッペン本体2は、表面2a側に図柄が視認できるように刺繍され、裏面2bにホットメルト接着層3が固着される。
ホットメルト接着層3は、ポリエステル系樹脂からなる接着剤から構成される。ポリエステル系樹脂としては、例えば、飽和共重合ポリエステル樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とを含有したものを用いることができる。
ホットメルト接着層3をワッペン本体2の裏面2bに固着する手段としては、例えば、熱で溶かした状態で塗布したりすることも可能であるが、好ましくは、図1に示したように、フィルム状(シート状を含む)に形成されたホットメルトフィルム3a,3bを用いる。ホットメルトフィルムを用いる場合、本実施形態のように複数枚のホットメルトフィルム3a,3bを用いることが好ましい。複数枚積層して用いることで、溶融した際に取り付け対象の衣服等を構成する繊維間への侵入量が多くなり、接着強度が増す。
刺繍ワッペン1は、ワッペン本体2の裏面2bに上記のホットメルトフィルム3a,3bからなるホットメルト接着層3を熱圧着して固定して提供される。
上記実施形態の刺繍ワッペン1は、例えば、図2(a)に示したように、衣服100に取り付けられる。この際、まず、取り付け対象の衣服100の所定位置(例えば、胸元)に、刺繍ワッペン1を、ワッペン本体2bに固着されたホットメルト接着層3が対峙するように配設する。なお、刺繍ワッペン1を配置した箇所の衣服100の下側には、コルク板201を配置しておく。次に、刺繍ワッペン1上にあて布202を載せ、その上からアイロンを180〜190度で約20秒ほど押し当てる。それにより、ホットメルト接着層3が溶融し、取り付け対象の衣服100の繊維間に溶融した樹脂が侵入する。その後、アイロンによる熱の付与を止めることで、ホットメルト接着層3は硬化する。
次に、衣服100を裏返し、例えば、180〜190度に温度調整したアイロンを約20秒ほど、刺繍ワッペン1が貼り付けられている箇所にかける。なお、上記と同様に、コルク板201とあて布202により刺繍ワッペン1に相当する箇所を挟んで実施する。これにより、再度溶融したホットメルトフィルム3a,3bはさらに衣服100の繊維間に入り込む。その後、熱の付与を止めると、硬化し、結合力が高まる。
本実施形態によれば、刺繍ワッペン1が、ホットメルト接着層3を有しているため、アイロン等を用いて容易にユニフォーム等に取り付けることができる。しかも、ホットメルト接着層3がポリエステル系樹脂からなるため、硬化した際には高い接着力、結合力を発揮でき、洗濯に対して高い耐久性を発揮できる。
(実験例)
上記実施形態の刺繍ワッペン1を熱接着により取り付けた衣服100について洗濯実験を行った。実験は、業務用衣服(ユニフォーム)に用いられる洗濯・乾燥工程(60℃の湯により洗濯を15分間行い、引き続き、70℃で乾燥を30分間行う工程)を100回繰り返すことにより行った。また、比較のため、市販のホットメルト付きの刺繍ワッペンを3つ用意し、それぞれを衣服100に取り付けて同様の洗濯実験を行った。
その結果、上記実施形態の刺繍ワッペン1は、洗濯、乾燥を100回繰り返した後も、衣服100からの剥離が全く生じなかったが、比較例の市販の刺繍ワッペンは、全て3回以内に剥離し、上記実施形態の刺繍ワッペン1が非常に剥がれにくいことが示された。
1 刺繍ワッペン
2 ワッペン本体
3 ホットメルト接着層
3a,3b ホットメルトフィルム

Claims (2)

  1. 刺繍により図柄が施されたワッペン本体と、
    ポリエステル系樹脂からなり、前記ワッペン本体の裏面に固着されるホットメルト接着層と
    を有することを特徴とする刺繍ワッペン。
  2. 前記ホットメルト接着層は、複数枚のホットメルトフィルムが積層されて固着されたものである請求項1記載の刺繍ワッペン。
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