JP3216986U - 着脱式ワッペン - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な対象物に対し手間を要することなく適度な固定力で着脱自在に設けられるようにした装飾用のワッペンを提供する。【解決手段】ワッペン1Aは、基布20の表面に装飾21を施したワッペン本体2を、平板状部材30の裏面側に対象物への固定手段である安全ピン31を備えた装着用アタッチメント3Aの表面に、ワッペン本体の裏面に設けた接着体で着脱自在に取り付けてなる。接着体は、ワッペン本体側の接着力が装着用アタッチメント側の接着力よりも強くワッペン本体を装着用アタッチメントから引き剥がす操作でワッペン本体から分離されずに装着用アタッチメントから分離されるものとし、対象物に固定される装着用アタッチメントと装飾用のワッペン本体との間で着脱操作の繰り返しが可能とされている。【選択図】図1
Description
本考案は、様々な対象物にワッペンによる装飾を着脱自在の状態で設けることが可能な着脱式ワッペンに関する。
所定形状の基布表面に刺繍やプリント等による装飾を施したワッペンは、衣服等の対象物表面に基布の外周側を縫い付けて設けることのほか、基布裏面に塗布した熱溶着性接着剤をアイロン等の加熱手段で溶着させたり基布の一部に設けた安全ピン等の固定手段で係止したりして設けられるのが一般的である。
しかし、対象物が厚い生地や皮革である場合は、針が貫通しにくいことでワッペンの縫い付け作業が困難となりすく、熱溶着性接着剤で溶着する場合でも、対象物の裏面から当てたアイロンの熱が熱溶着性接着剤まで伝わりにくかったり対象物表面の凹凸構造で接着面が密着しにくかったりするため、確実な固定が難しい場合も多い。
また、これらのワッペンを固定した後に、対象物から取り外して使用する場合は、縫製や熱溶着による固定ではワッペンを取り外すのに手間を要することに加え、ワッペンを固定していた部分に跡が残って見栄えを悪くしてしまう。さらに、近年ではワッペンを家具やスマホケース等の衣服以外のものに装飾目的で設けたいというニーズも増加しているが、上述した方式で固定するのが困難な場合も多い。
そこで、基布の裏面に両面テープを貼付して対象物に対し着脱自在に設けることも考えられるが、両面テープは基布に対する接着力が対象物に対する接着力よりも強くならないことから、取り外す際に基布から剥がれて対象物側に残りやすい。そのため、実開平7−10767号公報には、ワッペン本体を構成しているフエルト等の基布に、常温で繰り返し使用可能な特殊粘着エラストマーによる粘着シートを接着剤で半永久的に接着・固定することにより、ワッペン本体の粘着シート側を様々な固形物に対し着脱自在に固定する方式も提案されている。
しかしながら、このように特殊な粘着シートを設けて対象物に着脱自在に設ける方式であっても、対象物の素材によっては貼り付けが難しいケースもあることに加え、様々な装飾を楽しむために粘着シートを介した着脱操作を複数回繰り返すことで粘着シートにおける接着力の低下を招きやすいという難点がある。また、このようなワッペンを衣服に設けたまま洗濯すれば、容易に脱落するとともに以後の接着力が大幅に低下してしまうという問題もある。
本考案は、上記のような問題を解決しようとするものであり、装飾用のワッペンについて、様々な対象物に対し手間を要することなく適度な固定力で着脱自在に設けられるようにすることを課題とする。
そこで、本考案は、基布の表面に装飾を施したワッペン本体を、平板状部材の裏面側に対象物への固定手段を備えた装着用アタッチメントの表面に、ワッペン本体の裏面に設けた接着体で着脱自在に取り付けてなるワッペンであって、その接着体は、ワッペン本体側の接着力が装着用アタッチメント側の接着力よりも強くワッペン本体を装着用アタッチメントから引き剥がす操作でワッペン本体から分離されずに装着用アタッチメントから分離されるものとして、対象物に固定される装着用アタッチメントと装飾用のワッペン本体との間で着脱操作の繰り返しが可能とされている、ことを特徴とする着脱式ワッペンとした。
このように、ワッペンを装飾のあるワッペン本体と対象物側に固定される装着用アタッチメントとに分け、ワッペン本体側に設けた接着体を介して装着用アタッチメントとの間でワッペン本体を着脱自在なものとしたことで、対象物に固定可能な固定手段を用いれば装着用アタッチメントを介してワッペン本体を対象物に容易に取り付けられるとともに容易に取り外せるようになるため、ワッペンによる装飾を様々な対象物に対し手間を要することなく着脱自在に設けることが可能なものとなる。
また、この着脱式ワッペンにおいて、その接着体は、シート状の基体の一方の面に粘着剤が塗布され他方の面に熱溶着性接着剤が塗布された三層構造からなり、その熱溶着性接着剤がワッペン本体に熱溶着されて固定されている、ことを特徴としたものとすれば、その接着体を構成する三層構造のシートをアイロン等でワッペン本体の基布裏面に接着・固定して容易に作成することができる。
さらに、上述した着脱式ワッペンにおいて、その装着用アタッチメントの平板状部材は、その正面視形状がワッペン本体の正面視形状と略一致しながらその外縁側の一部分が所定形状に切り欠かれた切欠部を有しており、その切欠部で接着体の一部が露出している部分のワッペン本体の端縁側を把持して湾曲させながら引き剥がすことにより、ワッペン本体が装着用アタッチメントから分離されることを特徴としたものとすれば、装着用アタッチメントからワッペン本体を分離する操作が容易なものとなる。
さらにまた、上述した着脱式ワッペンにおいて、その装着用アタッチメントの固定手段は安全ピンであることを特徴としたものとすれば、針の穿刺が可能である限り、様々な対象物に対して装着用アタッチメントの固定操作を容易に行えるともに、確実な固定状態を確保しやすいものとなる。
着脱式ワッペンをワッペン本体と装着用アタッチメントとに分けてワッペン本体側に設けた接着体を介し装着用アタッチメントとの間でワッペン本体を着脱自在の状態で取り付けた本考案によると、様々な対象物に対し手間を要することなく適度な固定力で着脱自在に設けられるものとなる。
以下に、図面を参照しながら本考案を実施するための形態を説明する。
図1(A)は、本実施の形態である着脱式ワッペン1Aを正面図で示しており、図(B)はその背面図である。この着脱式ワッペン1Aは、フエルトによる基布20の表面に刺繍による装飾21を施してなるワッペン本体2と、平板状部材30の裏面側に対象物への固定手段である安全ピン31を備えた装着用アタッチメント3Aと、ワッペン本体2の裏面に設けた接着体4(図4参照)からなるものである。
その装着用アタッチメント3Aは、塩化ビニル等の樹脂製で薄手の平板状部材30の裏面に、取付用基部32を介して安全ピン31が設けられており、この安全ピン31を使用して被服等の対象物に取り付けることで固定されるものである。そして、この装着用アタッチメント3Aの表面に、装飾21を有したワッペン本体2が接着体4を介して着脱自在の状態で固定されており、この点が本考案における最大の特徴部分となっている。
即ち、着脱式ワッペン1Aを装着用アタッチメント3Aとワッペン本体2に分けて、対象物に固定する装着用アタッチメント3Aを構成する平板状部材30の表面に、後述する接着体4を裏面に設けたワッペン本体2を着脱自在に設ける方式を採用したものである。そのため、針が穿刺できるものである限り対象物への装着作業が極めて容易になり、且つ、装着用アタッチメント3Aを取り外した際に対象物に残る装着跡を最小限に抑えることができる。
図2(A)の縦断面図を参照して、上述した接着体4は、シート状の基体4aと、基体4aの一方の面に塗布された粘着剤による粘着層4cと、基体4aの他方の面に塗布された熱溶着性接着剤による接着層4bの三層構造からなり、その接着層4bがワッペン本体3Aの基布20裏面に熱溶着で固定されたものとなっている。このような構成としたことで、接着体4の接着層4b側をワッペン本体2の基布20裏面に密着させながらアイロン等で押圧して加熱することで、接着体4をワッペン本体2に半永久的に固定して設けることができる。
本実施の形態における接着体4は、ワッペン本体2側の接着力が装着用アタッチメント3A側の接着力よりも強く、ワッペン本体2を装着用アタッチメント3Aから引き剥がす操作でワッペン本体2から分離されずに装着用アタッチメント3Aから跡を残さずに分離されるようになっている。
尚、この接着体4としては、例えばポリエステルフィルムによる基体4aの一方の面にアクリル系粘着剤による粘着層4cを設け、他方の面にEVA系の熱溶着性接着剤による接着層4bを設けたものが好適であり、この場合、アクリル系粘着剤の選択によっては粘着層4c側も対象物への熱溶着を可能なものとすることができる。
そして、合成樹脂からなる平板状部材30の平滑な表面に粘着層4cを介してワッペン本体2を接着する構成であることから、その部分で着脱操作を繰り返した場合でもその接着力は低下しにくいものであるため、対象物に固定される装着用アタッチメント3Aと装飾用のワッペン本体2との間で着脱操作を繰り返し行うことを可能としており、この点も本実施の形態における重要な特徴部分となっている。
そのため、衣服等の対象物に装着用アタッチメント3Aを固定し、これにワッペン本体2を取り付けてしばらく使用した後で、図2(B)に示すようにワッペン本体2を装着用アタッチメント3Aから取り外すとともに、異なる装飾を施したワッペン本体2を貼付することにより、極めて容易な手順で装飾の交換による模様替えを行うことができる。
また、取り外したワッペン本体2は、スマホケースや家具、或いは厚手のキャンバス地や皮革製品等、装着用アタッチメント3Aの安全ピン31では固定しにくい対象物であっても、その粘着層4cを介して貼り付けながら装飾として使用することもできる。また、本実施の形態の着脱式ワッペン1Aを取り付けた衣服を洗濯する場合は、安全ピン31の部分で着脱式ワッペン1A取り外すことで、接着体4による装着用アタッチメント3Aへの接着力の低下を招くことを回避することができる。
さらに、本実施の形態では、図1(B)に示すように、その装着用アタッチメント3Aの平板状部材30は、その正面視形状がワッペン本体2の正面視形状とほぼ一致した円形とされながら、その外縁側の一部分が弧状に切り欠かれた切欠部30aを有したものとなっている。これにより、その切欠部30aで接着体4の一部が露出した部分においてワッペン本体2の端縁側を把持して湾曲させながら引き剥がすことにより、ワッペン本体2を装着用アタッチメント3Aから容易に分離させることができる。
図3(A),(B),(C)は、図1の着脱式ワッペン1Aの応用例としての着脱式ワッペン1B,1C,1Dを示している。図(A)の着脱式ワッペン1Bは、安全ピン31の代わりに固定手段としてクリップ34を設けた装着用アタッチメント3Bとしており、針穴を開けることなく被服のポケット等に係止して固定することができる。
また、図3(B)の着脱式ワッペン1Cは、固定手段としてマグネットテープ35を設けた装着用アタッチメント3Cとしており、安全ピン31による固定が出来ないスチール家具等の磁性体製品に対し、装着用アタッチメント3Cを磁気吸着にて着脱自在に固定することができる。
さらに、図3(C)の着脱式ワッペン1Dは、固定手段として一対の面状ファスナの一方からなる係着シート36を設けた装着用アタッチメント3Dとしており、一対の面状ファスナの他方を縫い付け又は接着により固定した対象物に対し装着用アタッチメント3Dを着脱自在に固定することが可能なものとなっている。
尚、上述した実施の形態において、そのワッペン本体2としてフエルト製の基布20に刺繍による装飾21を設けた場合を説明したが、その基布としてはフエルトに限定されるものではなく、異なる種類の不織布のほか織布やニットであっても良く、また、その装飾は刺繍に限定されるものではなく、プリントや転写等の異なる方式のものであっても良いことは言うまでもない。また、装着用アタッチメントの固定手段としては、上述したものに限定されるものではなく、確実な固定が実現される限り、様々な方式のものを使用することができる。
以上、述べたように、装飾用のワッペンについて、本考案により、様々な対象物に対し手間を要することなく、適度な固定力で着脱自在に設けられるようになった。
1A,1B,1C,1D 着脱式ワッペン、2 ワッペン本体、3A,3B,3C,3D 装着用アタッチメント、4 接着体、20 基布、21 装飾、30 平板状部材、30a 切欠部、31 安全ピン、34 クリップ、35 マグネットテープ、36 係着シート
Claims (4)
- 基布の表面に装飾を施したワッペン本体を、平板状部材の裏面側に対象物への固定手段を備えた装着用アタッチメントの表面に、前記ワッペン本体の裏面に設けた接着体で着脱自在に取り付けてなるワッペンであって、前記接着体は、前記ワッペン本体側の接着力が前記装着用アタッチメント側の接着力よりも強く前記ワッペン本体を前記装着用アタッチメントから引き剥がす操作で前記ワッペン本体から分離されずに前記装着用アタッチメントから分離されるものとして、前記対象物に固定される前記装着用アタッチメントと装飾用の前記ワッペン本体との間で着脱操作の繰り返しが可能とされている、ことを特徴とした着脱式ワッペン。
- 前記接着体は、シート状の基体の一方の面に粘着剤が塗布され他方の面に熱溶着性接着剤が塗布された三層構造からなり、前記熱溶着性接着剤が前記ワッペン本体に熱溶着されて固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載した着脱式ワッペン。
- 前記平板状部材は、その正面視形状が前記ワッペン本体の正面視形状と略一致しながらその外縁側の一部分が所定形状に切り欠かれた切欠部を有しており、該切欠部で前記接着体の一部が露出している部分における前記ワッペン本体の端縁側を把持して湾曲させながら引き剥がすことにより、前記ワッペン本体が前記装着用アタッチメントから分離される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載した着脱式ワッペン。
- 前記装着用アタッチメントの固定手段は安全ピンである、ことを特徴とした請求項1,2又は3に記載した着脱式ワッペン。
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