JP3217897B2 - 自動車用表面保護フィルムに使用する基材フィルム - Google Patents

自動車用表面保護フィルムに使用する基材フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装完成車の塗膜表面
を保護するためのフィルムに関するものであり、くわし
くは、耐熱性に優れ、引裂強度の強い表面保護フィルム
に適した基材フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属板、樹脂板、塗装樹脂
板、アルミ銘板等の表面保護やそれらを絞り加工する際
の表面保護の目的でポリオレフィン系樹脂、特に耐熱性
と粘着剤の塗工性の優れたポリプロピレン系樹脂を主成
分とした表面保護フィルムが多用されている。
【0003】これらの表面保護用フィルムとしては、例
えばポリエチレン60〜95%とポリプロピレン40〜
5%を含む混合物を一層とし、ポリエチレンを他の一層
とする共押出フィルムに粘着剤を塗布したもの(特公昭
59−27782号公報)、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、エチレン−プロピレン共重合体のうち、二種また
は三種を混合物の構成成分とし、プロピレン部分を15
%以上かつポリエチレン部分を25%以上含むように混
合し押出成形したフィルムに粘着剤を塗布したもの(特
公昭50−14667号公報)、ポリエチレン樹脂70
〜30重量部とポリプロピレン樹脂30〜70重量部を
含む混合樹脂を成形したフィルムの片面に接着層を設け
たもの(特開昭50−52141号公報)、ポリプロピ
レンを主成分とし、それにポリエチレンおよびエチレン
−プロピレン共重合体を配合してなる基材フィルムに粘
着剤層を設けたもの(特開平4−106175号公報)
等が提案されている。
【0004】ところが、これらの表面保護フィルムを塗
装完成車の運搬、保管時に石、ほこり、ガス、薬品等に
よる損傷、ツヤボケ、変色等の防止用に用いた場合、完
成車への貼りつけ、もしくは使用後に剥がす際にフィル
ムが縦方向に破れるというトラブルがしばしば発生して
おり、従来の性能に加えて、製膜の関係上、特に縦方向
の引裂強度20g/cm以上の基材フィルムの提供
が要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性及び粘着剤の塗工性が良好であり、上記従来技術の欠
点である縦方向の引裂強度が弱いのを改良することであ
る。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明によれば、外層及び
内層がポリプロピレン系樹脂からなり、中間層が直鎖状
低密度ポリエチレンからなる多層フィルムであって、該
多層フィルムの縦方向の引裂強度が20g/cm以上
であることを特徴とする自動車用表面保護フィルムに使
用する基材フィルムが提供され、更に、外層及び内層が
前記ポリプロピレン系樹脂100重量部と、ポリエチレ
ン10〜20重量部及び/又はエチレン−α−オレフィ
ンエラストマー樹脂10〜30重量部の混合物からなる
ことを特徴とする前記自動車用表面保護フィルムに使用
する基材フィルムが提供され、更にまた、前記中間層の
直鎖状低密度ポリエチレンがエチレンと炭素数6〜8の
α−オレフィンとの共重合樹脂であることを特徴とする
前記自動車用表面保護フィルムに使用する基材フィルム
が提供される。
【0007】即ち、引裂強度は劣るが、耐熱性と粘着剤
の塗工性に優れるポリプロピレン系樹脂を外層及び内層
に用い、優れた引裂強度を有する直鎖状低密度ポリエチ
レン、特にエチレンと炭素数6〜8のα−オレフィンと
の共重合樹脂を中間層に用いることにより、フィルム表
面の耐熱性及び粘着剤の塗工性が良好でしかも20
/cm以上の引裂強度を有する基材フィルムが得られ、
この基材フィルムを用いると上述した問題のない自動車
用表面保護フィルムが得られることを見いだし本発明に
到達した。
【0008】以下に、本発明を具体的に説明する。本発
明の基材フィルムの外層及び内層に使用するポリプロピ
レン系樹脂としては、通常使用されているプロピレン、
エチレン−ポリプロピレン共重合樹脂等で代表されるプ
ロピレンの単独重合体、共重合体、或いはそれらのブレ
ンド物が使用できる。
【0009】更に、ヤング率を低下させて貼着時の作業
性を向上させ、引裂強度を改善するために上記ポリプロ
ピレン系樹脂に対して各種軟質オレフィン系樹脂やエラ
ストマーを混合することが可能である。特に、ポリエチ
レンやエチレン−α−オレフィン共重合エラストマー、
或いはポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合
エラストマーを混合することが好ましい。ポリプロピレ
ン系樹脂は本来耐熱性に優れているので、夏場に高温に
さらされてもフィルムが膨張して皺が発生したり、融着
することもなく、また粘着剤の塗工性に優れているが、
ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合エラス
トマーの配合量が多すぎると本来の性質を失うので好ま
しくなく、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して
ポリエチレンは10〜20重量部、エチレン−α−オレ
フィン共重合エラストマーは10〜30重量部の範囲で
使用するのが好ましい。
【0010】ここで、ポリエチレンとは低密度ポリエチ
レン、エチレンとα−オレフィンの共重合樹脂である直
鎖状低密度ポリエチレンの如く、通常ポリエチレンと称
する樹脂を意味している。また、エチレン−α−オレフ
ィン共重合エラストマーはエチレンとα−オレフィンの
共重合樹脂のうち非晶性もしくは結晶化度X線法30%
未満の低結晶性のエラストマーやゴムを意味し、工業的
にはエチレン−プロピレンゴムや商品名「タフマー(三
井石油化学(株)製)」等が該当する。
【0011】一方、中間層には引張強度、引裂強度の優
れた直鎖状低密度ポリエチレンを使用する。直鎖状低密
度ポリエチレンとは上述の通りであり、通常メルトイン
デックス(MI)0.5〜3.0g/10min.、密度0.890〜0.940
g/cm3 の範囲のものを使用する。特に、α−オレフィン
として炭素数が6〜8のヘキセン、4−メチルペンテン
−1、オクテンを共重合させたものは極めて優れた引裂
強度の改善効果があるので好ましい。
【0012】本発明の基材フィルムは、インフレーショ
ン成形法、Tダイキャスト成形法のいずれでも製造する
ことができ、得られる基材フィルムの中間層の厚み比率
は20〜80%になるようにするのがよい。中間層の厚
み比率が20%未満の場合には引裂強度を向上させる効
果が不十分であり、厚み比率が80%を超えるフィルム
は、塗装完成車の塗膜表面に用いるフィルムの全体厚み
が厚みが30〜70μであることから、外層及び内層の
厚みが薄すぎて製膜が困難となるので好ましくない。こ
の基材フィルムは、製膜時に必要により着色したり、耐
候剤を添加したりしてさらに付加価値を高めることも可
能である。
【0013】このようにして得られた基材フィルムの片
面に粘着剤を塗布して塗装完成車の表面を保護するのに
適した表面保護フィルムが得られる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。 実施例1 外層及び内層にMIが7.0g/10min.、密度0.900g/cm3
ポリプロピレン(エチレン含量4wt%)を使用し、中
間層にMIが1.0g/10min.、密度0.920g/cm3 の直鎖状ポ
リエチレン(α−オレフィン:オクテン−1)を使用
し、厚み構成を外/中/内=10/20/10μとして
インフレーション成形にて全体厚み40μの本発明の基
材フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示
す。
【0015】実施例2 外層及び内層にMIが7.0g/10min.、密度0.900g/cm3
ポリプロピレン(エチレン含量4wt%)100重量部
に対し、MIが1.5g/10min.、密度0.923g/cm3の低密度ポ
リエチレンを10重量部、エチレン−α−オレフィンエ
ラストマー(三井石油化学(株)製、商品名:タフマー
P−0280)を20重量部ブレンドした以外は実施例
1と同様にして本発明の基材フィルムを得た。得られた
フィルムの特性を表1に示す。
【0016】比較例1 MIが7.0g/10min.、密度0.900g/cm3 のポリプロピレン
100(エチレン含量4wt%)重量部に対し、MIが
1.5g/10min.、密度0.923g/cm3の低密度ポリエチレンを1
0重量部、エチレン−α−オレフィンエラストマー(同
上)を20重量部ブレンドし、厚み40μの単層の基材
フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示
す。
【0017】比較例2 中間層にMIが1.5g/10min.、密度0.923g/cm3の低密度ポ
リエチレンを用いた以外は、実施例1と同様にして基材
フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明の基材フィルムは上記のような構
成となっているため耐熱性に優れ、粘着剤の塗工性も良
好であり、また引裂強度が強く使用後剥す際に容易に剥
すことができる。また、中間層に直鎖状低密度ポリエチ
レンを使用しているため、従来のポリプロピレン系樹脂
の単層のフィルムに比較してヤング率も3,000〜6,000kg
/cm3と低く自動車表面に貼る際伸びやすくシワが入りに
くいので作業性がよいという利点も有している。更に、
耐候性、耐寒性も良好な方向に改良されるという副次的
な効果も有している。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09J 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外層及び内層がポリプロピレン系樹脂10
    0重量部と、ポリエチレン10〜20重量部及び/又は
    エチレン−α−オレフィンエラストマー樹脂10〜30
    重量部の混合物からなり、中間層が直鎖状低密度ポリエ
    チレンからなる多層フィルムであって、該多層フィルム
    の縦方向の引裂強度が20kg/cm以上であることを
    特徴とする自動車用表面保護フィルムに使用する基材フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】前記中間層の直鎖状低密度ポリエチレンが
    エチレンと炭素数6〜8のα−オレフィンとの共重合樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の自動車用表面
    保護フィルムに使用する基材フィルム。
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