JP3217155U - ローラコンベア及び板状体の検査装置、並びにガラス板の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉塵や水滴がガラス板に付着して平坦度測定装置による検査工程で誤検出を招くことを抑制することができるローラコンベアを提供する。
【解決手段】板状体をローラで搬送するローラコンベアは、板状体の搬送経路に沿って配置された複数本のローラと、転動体68と転動体を挟み転動可能に収容する外輪70と内輪74とを有して複数本のローラの各々の軸を回転自在に支持する樹脂製又は樹脂がコーティングされた樹脂ベアリング56と、樹脂ベアリングに液体を供給する液体供給装置64と、を備える。液体供給装置は、樹脂ベアリングの外輪を保持する保持部80と、液体を貯留するバス部82と、バス部から溢出した液体を排出する排出路84とを備えるホルダ部材62と、バス部に液体を供給する液体供給手段78とを備え、バス部に貯留された液体に、転動体が接する外輪の軌道面の一部が浸漬される。
【選択図】図6
【解決手段】板状体をローラで搬送するローラコンベアは、板状体の搬送経路に沿って配置された複数本のローラと、転動体68と転動体を挟み転動可能に収容する外輪70と内輪74とを有して複数本のローラの各々の軸を回転自在に支持する樹脂製又は樹脂がコーティングされた樹脂ベアリング56と、樹脂ベアリングに液体を供給する液体供給装置64と、を備える。液体供給装置は、樹脂ベアリングの外輪を保持する保持部80と、液体を貯留するバス部82と、バス部から溢出した液体を排出する排出路84とを備えるホルダ部材62と、バス部に液体を供給する液体供給手段78とを備え、バス部に貯留された液体に、転動体が接する外輪の軌道面の一部が浸漬される。
【選択図】図6
Description
本考案は、ローラコンベア及び板状体の検査装置、並びにガラス板の製造装置に関する。
液晶ディスプレイ等のFPD(Flat Panel Display)用ガラス板の製造方法の一例として、フロート法と称される成形法を用いたフロート製造方法が知られている。
フロート製造方法は、フロートバスに溜められた溶融金属の表面に溶融ガラスを供給して帯状ガラス板に成形する成形工程、前記帯状ガラス板を所定サイズの矩形状のガラス板に切断し、切断したガラス板の周縁部を研削する切断・面取り工程、前記ガラス板の被研磨面を研磨装置によってその被研磨面の微小な凹凸やうねりを研磨して除去する研磨工程、及び検査工程を備える。
前記検査工程は、研磨終了したガラス板をブラシ洗浄した後、高圧水によって洗浄する洗浄工程、エアナイフノズルからの圧縮空気をガラス板に噴射してガラス板を乾燥・清浄化する乾燥・清浄化工程、及び被研磨面の平坦度(うねりピッチに対するうねり高さの比率)を測定する平坦度測定工程を備える。
これらの工程を経ることによって、ガラス板が、FPD用ガラス板に適した厚さ0.2〜1.5mmであって平坦度の高いガラス板に製造される。
特許文献1には、FPD用ガラス板を対象とするバッチ式の研磨装置が開示されている。特許文献1の研磨装置は、ガラス板を吸着して保持する吸着シートと、この吸着シートが張設された膜枠とからなる膜体を備えている。この研磨装置によれば、膜体と膜体が取り付けられるキャリアとの間に加圧流体を供給し、吸着シートに吸着保持されたガラス板の被研磨面を加圧流体の圧力によって研磨パッドに押し付けるとともに、ガラス板と研磨パッドとを相対的に回転(自転及び/又は公転)させて被研磨面を研磨する。また、研磨時には、スラリが研磨パッドと被研磨面との間に供給される。なお、研磨パッドによって研磨されるガラス板の被研磨面は、FPDの製造工程においてTFT(Thin Film Transistor)又はCF(Color Filter)が作製される面であり、高精度の平坦度が要求される面である。
一方、平坦度測定工程では、研磨後のガラス板の被研磨面の平坦度がTFT又はCFの作製に適した規格値内に収まっているか否かが検査される。この平坦度の検査は、例えば特許文献2に開示された平坦度測定装置(検査装置)を用いて行われる。
一方、平坦度測定工程では、研磨後のガラス板の被研磨面の平坦度がTFT又はCFの作製に適した規格値内に収まっているか否かが検査される。この平坦度の検査は、例えば特許文献2に開示された平坦度測定装置(検査装置)を用いて行われる。
特許文献2の平坦度測定装置によれば、周期的な明暗を有するパターンをガラス板に照射し、ガラス板を透過したパターン又は反射したパターンを受光し、受光画像における明暗周期のずれ(ガラス板に照射されたパターンにおける明暗周期に対するずれ)を検出するためにガラス板に照射されたパターンにおける明暗周期に対応したサイズの受光画像における領域の明暗を平均化し、平均化された信号に基づいてガラス板の平坦度を算出する。
上記のように、研磨工程(研磨装置)にて被研磨面が研磨されたガラス板は、検査工程(平坦度測定装置)によって被研磨面の平坦度が検査されるが、研磨終了したガラス板にはスラリが付着しているため、検査工程の前記洗浄工程によってガラス板に付着したスラリが洗い落とされる。その後、平坦度測定装置において、ガラス板に残存した水滴、塵による誤検出を防止するために、検査工程の前記乾燥・清浄化工程においてエアナイフノズルからの圧縮空気によって水滴、塵を除去し、ガラス板を乾燥・清浄化した後に、平坦度測定装置による平坦度測定を実施している。なお、平坦度測定は、ガラス板を研磨しないガラス板の製造方法、例えばフュージョン法でも実施される。
上記のように、研磨工程(研磨装置)にて被研磨面が研磨されたガラス板は、検査工程(平坦度測定装置)によって被研磨面の平坦度が検査されるが、研磨終了したガラス板にはスラリが付着しているため、検査工程の前記洗浄工程によってガラス板に付着したスラリが洗い落とされる。その後、平坦度測定装置において、ガラス板に残存した水滴、塵による誤検出を防止するために、検査工程の前記乾燥・清浄化工程においてエアナイフノズルからの圧縮空気によって水滴、塵を除去し、ガラス板を乾燥・清浄化した後に、平坦度測定装置による平坦度測定を実施している。なお、平坦度測定は、ガラス板を研磨しないガラス板の製造方法、例えばフュージョン法でも実施される。
また、ガラス板は、研磨装置から平坦度測定装置まで、複数本のローラからなるローラコンベアによって連続搬送されるが、前記エアナイフノズルを有する乾燥ラインに敷設されたローラの軸受は、軸受から漏れたグリスがガラス板に付着しないように、グリスを使用しない自己潤滑性のあるフッ素樹脂等の樹脂製、又はフッ素樹脂等の樹脂が軸受鋼にコーティングされたベアリング(以下、樹脂ベアリングという)が使用されている。また、セラミックス製の転動体を有する樹脂ベアリングもある。
しかしながら、グリスを使用しない樹脂ベアリングであっても、樹脂ベアリングの磨耗によって樹脂の粉塵が発生し、その粉塵が飛散してガラス板に付着した場合には、平坦度測定装置による検査工程で誤検出を招くという問題があった。
このような事情に鑑み、引用文献3では、樹脂ベアリングの転動体、転動体が接する外輪の軌道面、及び転動体が接する内輪の軌道面に液体を供給する液体供給装置を備えたローラコンベアが開示されている。
しかしながら、引用文献3に記載のローラコンベアでは、液体の供給量を詳細に制御する必要がある。すなわち、液体の供給量が過剰である場合には樹脂ベアリングを格納するハウジングの不特定の部分から液体が漏れだしてしまい、漏れ出した液体が装置底部に滴下して跳ね上がる、エアナイフからの圧縮空気により舞い上げられるなどしてガラス板に付着し、粉塵がガラス板に付着した場合と同様に、平坦度測定装置による検査工程で誤検出を招く恐れがあり、逆に液体の供給量が過少である場合は粉塵の発生を充分に抑制することができない恐れがある。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、粉塵や水滴がガラス板に付着して平坦度測定装置による検査工程で誤検出を招くことを抑制することができるローラコンベア及び板状体の検査装置、並びにガラス板の製造装置を提供することを目的とする。
本考案は、板状体をローラで搬送するローラコンベアにおいて、板状体の搬送経路に沿って配置された複数本のローラと、転動体と当該転動体を挟み転動可能に収容する外輪と内輪とを有し、複数本のローラの各々の軸を回転自在に支持する樹脂製又は樹脂がコーティングされた樹脂ベアリングと、樹脂ベアリングに液体を供給する液体供給装置と、を備え、液体供給装置は、樹脂ベアリングの外輪を保持する保持部と、液体を貯留するバス部と、バス部から溢出した液体を排出する排出路とを備えるホルダ部材と、バス部に液体を供給する液体供給手段とを備え、バス部に貯留された液体に、転動体が接する外輪の軌道面の一部が浸漬される、ローラコンベアを提供する。
本考案のローラコンベアの一態様は、ホルダ部材の内部にバス部が画定され、ホルダ部材の側面に排出路が形成され、ホルダ部材の上端の高さが、第1の高さ及び当該第1の高さより低い第2の高さに設定され、第2の高さが、樹脂ベアリングの外輪の軌道面の下端と、内輪の軌道面の下端との間に位置する。
本考案のローラコンベアによれば、樹脂ベアリングの外輪の軌道面の一部がバス部に貯留された液体に浸漬されていることから、ベアリングの発塵箇所である外輪の軌道面、転動体、及び内輪の軌道面に液体を供給することができ、その結果、液体が潤滑剤として機能するので粉塵の発生を抑制することができる。また、発生した粉塵を液体に混入させることができるため、粉塵の飛散を抑制できる。さらに、液体の排出に関しては、バス部から溢出した液体がホルダ部分に設けられた排出路から排出する構成となっており、水量の詳細な制御を必要としないため、先述のように水滴がガラス板に付着して検査工程で誤検出を招く恐れが抑制されている。
本考案のローラコンベアの一態様は、樹脂ベアリング及び排出路を覆うカバーを備えることが好ましい。
当該態様によれば、粉塵の飛散をより一層抑制することができる。
本考案のローラコンベアの一態様において、液体供給手段は前記バス部の下部に前記液体を供給することが好ましい。
当該態様によれば、バス部に貯留される液体を効率よく循環させることができ、例えばバクテリアが発生することや、粉塵が混入すること等による液体の経時劣化を効果的に抑制することができる。
本考案のローラコンベアの一態様において、ローラの軸は、樹脂ベアリングの内輪に挿通され、内輪を挟んで両側に位置する軸には、摺動防止部材が設けられ、摺動防止部材の端面が内輪の端面に当接されるとともに止め具によって軸に固定されることが好ましい。
当該態様によれば、摺動防止部材のストッパ作用によって、ローラの軸が内輪に対して軸方向に摺動せず、摺動に起因する発塵を防止できるので、樹脂ベアリングからの発塵量を従来よりも低減できる。これによって、粉塵の飛散をより一層抑制できる。
また、本考案は、板状体を搬送しながら洗浄する洗浄部と、洗浄部によって洗浄された板状体を搬送しながら乾燥して清浄化する乾燥・清浄化部と、乾燥・清浄化部によって乾燥されて清浄化された板状体を検査する検査部とを備えた板状体の検査装置において、本考案のローラコンベアが乾燥・清浄化部に配置されている板状体の検査装置を提供する。
本考案の板状体の検査装置によれば、本考案のローラコンベアを乾燥・清浄化部に配置したので、板状体に粉塵や水滴が付着することに起因する検査装置の誤検出の発生頻度を大幅に低減できる。
本考案の板状体の検査装置の一態様は、板状体が、ガラス板であることが好ましい。
当該態様によれば、ガラス板の検査装置の乾燥・清浄化部に本考案のローラコンベアを配置したので、ガラス板の検査精度が大幅に向上する。
また、本考案は、溶融ガラスを帯状ガラス板に成形する成形部と、帯状ガラス板を所定サイズの矩形状のガラス板に切断し、切断されたガラス板の周縁部を研削する切断・面取り部と、周縁部を研削されたガラス板を搬送しながら洗浄する洗浄部と、洗浄部によって洗浄されたガラス板を搬送しながら乾燥して清浄化する乾燥・清浄化部と、乾燥・清浄化部によって乾燥されて清浄化されたガラス板を検査する検査部とを備えたガラス板の製造装置において、本考案のローラコンベアが乾燥・清浄化部に配置されているガラス板の製造装置を提供する。
本考案の一態様によれば、ガラス板の検査装置の乾燥・清浄化部に本考案のローラコンベアを配置したので、ガラス板の検査精度が大幅に向上したガラス板を製造できる。
本考案のローラコンベアによれば、樹脂ベアリングから発生した樹脂の粉塵の飛散を抑制できる。これにより、本考案の板状体の検査装置によれば、板状体に前記粉塵や水滴が付着することに起因する誤検出の発生頻度を大幅に低減できる。
以下、添付図面に従って本考案に係るローラコンベア及び板状体の検査装置の好ましい実施の形態を詳説する。
実施の形態では、液晶ディスプレイ用のガラス板製造装置に設置されたガラス板検査装置(板状体の検査装置)に適用されるローラコンベアについて説明する。しかしながら、本考案のローラコンベアが適用される装置は、ガラス板検査装置に限定されない。つまり、ローラコンベアのローラを支持するベアリングから発生した粉塵が、板状体に付着することを防止する装置であれば、本考案のローラコンベアを適用できる。また、板状体として液晶ディスプレイ用のガラス板を例示するが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の他のFPD用ガラス板でもよい。また、ガラス板に限定されるものではなく、金属製、又は樹脂製の板状体であってもよい。
図1は、液晶ディスプレイ用のガラス板製造装置10、及びガラス板検査装置12の各工程を示したブロック図である。
ガラス板製造装置10の製造工程は、成形装置(成形部)による成形工程14、切断・面取り装置(切断・面取り部)による切断・面取り工程16、特許文献1等に開示された研磨装置による研磨工程18、洗浄装置(洗浄部)による洗浄工程20、乾燥・清浄化装置(乾燥・清浄化部)による乾燥・清浄化工程22、及び特許文献2等に開示された平坦度測定装置(検査部)による平坦度測定工程24からなる。また、ガラス板検査装置12の検査工程は洗浄工程20、乾燥・清浄化工程22、及び平坦度測定工程24からなる。
成形工程14は、フロートバスに溜められた溶融金属の表面に溶融ガラスを供給して帯状ガラス板に成形する工程である。切断・面取り工程16は、前記帯状ガラス板を所定サイズの矩形状のガラス板に切断し、切断したガラス板の周縁部を研削する工程である。研磨工程18は、ガラス板の被研磨面の微小な凹凸やうねりを研磨して除去する工程である。洗浄工程20は、研磨終了したガラス板をブラシ洗浄した後、高圧水によって洗浄し、ガラス板に付着したスラリ、研磨屑を除去する工程である。乾燥・清浄化工程22は、圧縮空気をガラス板に噴射してガラス板を乾燥・清浄化する工程である。平坦度測定工程24は、ガラス板の被研磨面の平坦度を測定する工程である。これらの工程を経ることによってガラス板が、液晶ディスプレイ用のガラス板に適した厚さであって平坦度の高いガラス板を得ることができる。
上記のガラス板の製造方法はフロート法によるものだが、本実施形態はフュージョン法などにも適用できる。なお、フュージョン法など、火造り面を素子形成面とする製造方法によってガラス板を製造する場合、研磨工程18は省略される。
上記のガラス板の製造方法はフロート法によるものだが、本実施形態はフュージョン法などにも適用できる。なお、フュージョン法など、火造り面を素子形成面とする製造方法によってガラス板を製造する場合、研磨工程18は省略される。
図2は、ガラス板検査装置12の構成を概略的に示した平面図であり、図3は、ガラス板検査装置12の洗浄装置(洗浄工程20:図1参照)26、及び乾燥・清浄化装置(乾燥・清浄化工程22:図1参照)28の構成を示した側面図である。
図2の如く、研磨工程18で被研磨面が研磨されたガラス板30は、ローラコンベア32によって、洗浄装置26を構成するブラシ洗浄部34と高圧水噴射装置40、42(図3参照)、及び乾燥・清浄化装置28を順次通過して平坦度測定工程24の平坦度測定装置に搬入される。なお、ローラコンベア32のうち、乾燥・清浄化装置28に敷設されるローラコンベア36が樹脂ベアリングを備えた実施の形態のローラコンベアである。また、図2では、ガラス板30を分かり易く図示するために、実線ではなく二点鎖線で示している。
図4は、ローラコンベア36の構成を詳細に示した平面図であり、図5は、図4のAA′線から見た正面図である。
ローラコンベア36の各ローラは、軸58とガラス板30の下面に当接される複数の円盤体60、60…とから構成され、複数の円盤体60が軸58に所定の間隔をもって配置されている。図2では煩雑さを避けるため円盤体60の図示を省略し、円盤体60よりも径の小さい樹脂ベアリング56及び軸58のみを概略的に図示している。また、図4及び図5に示すように、ガラス板30の下面に当接する円盤体60の外周部には、ゴム製又は樹脂製のリング状緩衝部材61が取り付けられており、ガラス板30の下面に傷が付くのを防止している。
図4及び図5の如く軸58の両端部は、乾燥・清浄化装置28のケーシング48から外方に突出して配置され、ギア機構57を介して駆動部59に連結されている。軸58は、駆動部59からの動力がギア機構57を介して伝達されることにより回転駆動され、これによって円盤体60が回転されてガラス板30が搬送される。
図2に示したブラシ洗浄部34は、ローラコンベア32の上方に配置され、ガラス板30の被研磨面の鉛直方向を軸に、水平方向に回転する複数台の回転ブラシ38、38…を備える。ガラス板30は、ローラコンベア32によって搬送されながら被研磨面に当接されて回転される回転ブラシ38、38…によって、被研磨面に付着したスラリ及び研磨塵が除去される。
高圧水噴射装置40は、図3に示すようにローラコンベア32を挟んで上方に配置され、高圧水噴射装置42は、ローラコンベア32を挟んで下方に配置されている。図3の左側の矢印で示すように、ガラス板30はローラコンベア32によって搬送されながら、高圧水噴射装置40のノズル44から噴射された高圧水によってその被研磨面(上面)が洗浄され、高圧水噴射装置42のノズル46から噴射された高圧水によってその下面が洗浄される。
洗浄装置26を通過したガラス板30は、乾燥・清浄化装置28のケーシング48内にローラコンベア32によって搬入される。そして、ケーシング48内に配置されたローラコンベア36による搬送中に、ガラス板30に付着している水滴、塵等が複数本のエアナイフノズル50、52(図2及び図3では各1本)からの圧縮空気によって除去される。図2の下側の矢印及び図3の右側の矢印で示すように、エアナイフノズル50、52を通過したガラス板30は、平坦度測定工程24に搬送される。なお、エアナイフノズル50、52が配置された乾燥・清浄化空間49は、ケーシング48によって密閉されている。よって、乾燥・清浄化空間49には、ケーシング48の外に浮遊する粉塵は侵入しない。また、図2〜図4では、エアナイフノズル50、52を上下に一対配置しているが、間隔をもって複数対のエアナイフノズルをケーシング48内に配置してもよい。
エアナイフノズル50はローラコンベア36の上方であってガラス板30の搬送方向に沿って設置される。エアナイフノズル52はローラコンベア36の下方であってガラス板30の搬送方向に沿って設置されている。また、エアナイフノズル50とエアナイフノズル52とは上下方向で対をなすように設置されている。更に、エアナイフノズル50、52は、ガラス板30に付着した水滴、塵等を効率よく除去するために、図2の如くガラス板30の搬送方向に対して所定角度傾斜して配置されている。
更にまた、ローラコンベア36は、エアナイフノズル52からの圧縮空気がガラス板30の下面に効率よく噴射されるように、図2、図4及び図5の如くエアナイフノズル52が配設される部分が分断されている。
すなわち、ローラコンベア36を構成する複数本のローラのうち、図2の符号の54で示したローラに着目すると、このローラ54は、エアナイフノズル52の配設位置を避けて2本のローラ54A、54Bに分割されている。そして、ケーシング48から外部に突出したローラ54Aの左端部は不図示の一般的なベアリング(軸受鋼製のベアリング)に支持され、ケーシング48内に位置するローラ54Aの右端部が実施の形態の樹脂ベアリング56に支持されている。また、ケーシング48から外部に突出したローラ54Bの右端部は不図示の一般的なベアリング(軸受鋼製のベアリング)に支持され、ケーシング48内に位置するローラ54Bの左端部が樹脂ベアリング56に支持されている。すなわち、ケーシング内に配置されたベアリングに樹脂ベアリング56が適用されている。
なお、ローラコンベア36を構成する他の複数本のローラについては、基本的にはローラ54と同様の構成なので、その説明は省略する。
次に、樹脂ベアリング56について説明する。本考案における樹脂ベアリングとは、ベアリングを構成する外輪、内輪、転動体、及び保持器のうち少なくとも一つの部材が樹脂製又は樹脂がコーティングされたものをいう。しかしながら、前記部材のうち少なくとも一つの部材を、樹脂がコーティングされていない軸受鋼が露出したものとすると、樹脂ベアリングの自己潤滑性が低下する。このため、好適な樹脂ベアリングの構成としては、全ての部材が樹脂製、又は軸受鋼に樹脂がコーティングされたものがよい。
樹脂ベアリングの全ての部材が樹脂製のときの樹脂の材料は特に限定されないが、超高分子量ポリエチレン(UHMW‐PE:ultra high molecular weight‐polyethylene)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyetheretherketone)が好ましい。コーティングする樹脂の材料は特に限定されないが、自己潤滑性を有する、フッ素樹脂またはポリイミド樹脂が好ましい。軸受(転動体、外輪、及び内輪)の材料は、特に限定されないが、硬くて耐摩耗性を有する、セラミックまたは高炭素クロム鋼が好ましい。
また、強度、寿命、及び軽量化の観点から、外輪、内輪、及び保持器を超高分子量ポリエチレン製とし、転動体をセラミックス製とすることが更に好適である。
次に、樹脂ベアリング56を備えたローラコンベア36の基本的な構成、及び作用について説明する。
図6は、樹脂ベアリング56及びホルダ部材62を上方から見た斜視図で、図7は、樹脂ベアリング56及びホルダ部材62を側方から見た側面図、図8は、ホルダ部材62に固定された樹脂ベアリング56の斜視図、図9は、ホルダ部材62に固定された樹脂ベアリング56及び排出路84がカバー66A及び66Bによって覆われた斜視図である。
図4及び図5に示した実施の形態のローラコンベア36は、ケーシング48内でベアリングから漏出したグリスが検査前のガラス板30に付着しないように、ケーシング48内に配置されるベアリングとして、グリスを使用しない自己潤滑性を備えた樹脂ベアリング56が使用されている。そして、樹脂ベアリング56を、転動体68が接する外輪70の内周面である軌道面72の一部が液体に浸漬された状態で保持する液体供給装置64が設けられている。
上記構成により実施の形態のローラコンベア36によれば、転動体68が接する外輪70の内周面である軌道面72の一部が液体に浸漬されているため、内輪74の回転及び転動体68の転動に伴い、樹脂ベアリング56の発塵箇所である外輪70の軌道面72、転動体68、及び内輪74の軌道面76の全体に液体が供給される。
このため、液体が潤滑剤として機能することにより粉塵の発生が抑制され、また、粉塵が発生した場合にも粉塵を液体中に混入させることができるため、粉塵の飛散を抑制できる。
このため、液体が潤滑剤として機能することにより粉塵の発生が抑制され、また、粉塵が発生した場合にも粉塵を液体中に混入させることができるため、粉塵の飛散を抑制できる。
上記構成により実施の形態のローラコンベア36において、さらに図9の如く樹脂ベアリング56及び排出路84を覆うカバー66A及び66Bが設けられていてもよい。当該構成によれば、カバー66Aによりベアリング56が覆われていることで、粉塵の飛散をさらに抑制することができ、カバー66Bにより排出路84が覆われていることで、排出される液体が飛散してガラス板30に付着する恐れを低減することができる。なお、カバー66Bは透明であることが好ましく、この場合排出路84からの液体の排出状況を目視で確認できる。
また、上記実施の形態のローラコンベア36を備えたガラス板検査装置12によれば、ガラス板30に前記粉塵が付着すること、及び詳細は後述するが水滴が付着することに起因する、平坦度測定工程24での誤検出の発生頻度を大幅に低減できるので、平坦度測定装置によるガラス板30の検査精度が大幅に向上する。
なお、実施の形態の樹脂ベアリング56は、強度、寿命、及び軽量化の観点から外輪70、内輪74、及び前記保持器が超高分子量ポリエチレン製であり、転動体68がセラミックス製である。また、樹脂ベアリング56に供給された液体が潤滑剤として機能するので、樹脂ベアリング56の使用寿命が延びるという利点もある。
次に、液体供給装置64の特徴について説明する。
液体供給装置64は、図6の如く略直方体形状のホルダ部材62と液体供給手段78とを備える。
ホルダ部材62は、保持部80と、バス部82と、排出路84とを備える。
保持部80は上面に円弧状の凹曲面を有し、当該凹曲面に樹脂ベアリング56の外輪70の下部を嵌合することによって樹脂ベアリング56を保持する。
バス部82は、液体供給手段78から供給された液体を貯留する部分である。バス部82に貯留された液体に、保持部80に保持された樹脂ベアリング56が浸漬される。
図7に示すように、バス部82はホルダ部材62の内部に画定される。
ホルダ部材62の上端には、凹部が形成されており、したがって、ホルダ部材62の上端の高さは、当該凹部以外の部分の高さである第1の高さ(図7中符号Aで示す)と、凹部の高さである第2の高さ(図7中符号Bで示す)とに設定されている。また、凹部は図6に示すように排出路84に連結している。すなわち、凹部の高さである第2の高さは排出路84の上端の高さに等しい。
このような構成とすることにより、バス部82から溢出する液体は凹部のみから溢出し、確実に排出路84に導かれる。
ホルダ部材62の上端には、凹部が形成されており、したがって、ホルダ部材62の上端の高さは、当該凹部以外の部分の高さである第1の高さ(図7中符号Aで示す)と、凹部の高さである第2の高さ(図7中符号Bで示す)とに設定されている。また、凹部は図6に示すように排出路84に連結している。すなわち、凹部の高さである第2の高さは排出路84の上端の高さに等しい。
このような構成とすることにより、バス部82から溢出する液体は凹部のみから溢出し、確実に排出路84に導かれる。
バス部82に貯留可能な液体の水位は、凹部の高さである第2の高さを変更することにより変更できる。第2の高さは、外輪70の軌道面72の一部が液体に浸漬されるように構成されていればよいが、図7に示すように外輪70の軌道面72の下端と、内輪74の軌道面76の下端との間に設定されることが好ましい。このような構成とすることで、内輪74は液体に浸漬されない。内輪74が液体に浸漬されると、内輪74を通じて液体が内輪74に保持される軸58に伝わり、意図しない部分へ流出してガラス板30に付着する恐れがある為、好ましくない。
なお、図6〜9では、1つの液体供給装置64が1つの保持部80を有し、1つの樹脂ベアリング56を保持する態様を例示したが、1つの液体供給装置64が複数の保持部80を有し、複数の樹脂ベアリング56を保持するように構成し、一つのバス部82に複数の樹脂ベアリング56が浸漬されるように構成してもよい。
排出路84はバス部82から溢出した液体の流路であり、図6に示すように、ホルダ部材62の側面に、ホルダ部材62の上端の凹部に接続するように設けられた溝状の部分である。
なお、排出路84より排出された液体は、プレート(図示せず)等により適宜の流路に導かれ、排出される。
なお、排出路84より排出された液体は、プレート(図示せず)等により適宜の流路に導かれ、排出される。
このように構成された排出路84によれば、バス部82から溢出した液体が意図しない部分へ流出することなく、排出路84へ導かれる。したがって、排出された液体が意図せずガラス板30に付着することが抑制される。
また、排出路84が溝として形成されていることから、バス部82から溢出する液体の量が変動した場合にも、安定して液体を排出することができる。したがって、液体の供給量を詳細に制御する必要がない。
また、排出路84が溝として形成されていることから、バス部82から溢出する液体の量が変動した場合にも、安定して液体を排出することができる。したがって、液体の供給量を詳細に制御する必要がない。
液体供給手段78は、チューブ等(図示せず)を介して液体の供給源(図示せず)に接続され、バス部82に液体を供給する。また、特に限定はされないが、液体の供給の開始、及び停止、並びに供給量の制御は、例えば電磁バルブ等により行うことができる。
液体供給手段78は、バス部82の下部に液体を供給するよう構成されていることが好ましい。このような構成では、液体はバス部82の下部から供給され、バス部82の上部から溢出することとなる為、液体を効率よく循環させることができる。このことにより、液体中にバクテリアが発生することや、粉塵が混入すること等による液体の経時劣化を効果的に抑制することができる。
ところで、図10の如くローラコンベア36のローラの軸58は、一対の摺動防止部材108、108を介して樹脂ベアリング56の内輪74に固定されている。すなわち、その固定方法は、まず、軸58を内輪74に挿通させる。次に、内輪74の両端面それぞれの方向から、軸58に円輪状の摺動防止部材108、108を嵌める。次いで、それぞれの摺動防止部材108、108の内輪74に対向する端面を内輪74の両側端面に接触させる。つまり、摺動防止部材108、108によって内輪74を挟む。なお、摺動防止部材108の外径は内輪74の外径以下が好ましい。摺動防止部材108の外径が内輪74の外径以下であれば、液体の流れを阻害しない。そして最後に、摺動防止部材108の外周面から内周面に向けて設けられた貫通ねじ孔に、ねじ(止め具)110、110を挿通して、2つの摺動防止部材108、108を軸58に固定する。これによって、ローラコンベア36のローラの軸58が、摺動防止部材108、108を介して樹脂ベアリング56の内輪74に固定される。
ローラの軸58は内輪74に対し、摺動防止部材108、108のストッパ作用によって軸方向に摺動しない。よって、前記摺動に起因する樹脂ベアリング56の内輪74からの発塵も防止できるので、粉塵の飛散をより一層抑制できる。
本考案を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本考案の範囲と精神を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
10…ガラス板製造装置、12…ガラス板検査装置、14…成形工程、16…切断・面取り工程、18…研磨工程、20…洗浄工程、22…乾燥・清浄化工程、24…平坦度測定工程、26…洗浄装置、28…乾燥・清浄化装置、30…ガラス板、32…ローラコンベア、34…ブラシ洗浄部、36…ローラコンベア、38…回転ブラシ、40、42…高圧水噴射装置、44、46…ノズル、48…ケーシング、49…乾燥・清浄化空間、50、52…エアナイフノズル、54…ローラ、54A、54B、54C…ローラ、56…樹脂ベアリング、57…ギア機構、58…軸、59…駆動部、60…円盤体、61…リング状緩衝部材、62…ホルダ部材、64…液体供給装置、66A、66B…カバー、68…転動体、70…外輪、72…軌道面、74…内輪、76…軌道面、76A…最下点、78…液体供給手段、80…保持部、82…バス部、84…排出路、108…摺動防止部材、110…ねじ、A…第1の高さ、B…第2の高さ。
Claims (8)
- 板状体をローラで搬送するローラコンベアにおいて、
前記板状体の搬送経路に沿って配置された複数本のローラと、
転動体と当該転動体を挟み転動可能に収容する外輪と内輪とを有し、前記複数本のローラの各々の軸を回転自在に支持する樹脂製又は樹脂がコーティングされた樹脂ベアリングと、
前記樹脂ベアリングに液体を供給する液体供給装置と、を備え、
前記液体供給装置は、前記樹脂ベアリングの前記外輪を保持する保持部と、前記液体を貯留するバス部と、前記バス部から溢出した前記液体を排出する排出路とを備えるホルダ部材と、前記バス部に前記液体を供給する液体供給手段とを備え、
前記バス部に貯留された前記液体に、前記転動体が接する前記外輪の軌道面の一部が浸漬される、ローラコンベア。 - 前記ホルダ部材の内部に前記バス部が画定され、前記ホルダ部材の側面に前記排出路が形成され、
前記ホルダ部材の上端の高さが、第1の高さ及び当該第1の高さより低い第2の高さに設定され、
前記第2の高さが、前記樹脂ベアリングの前記外輪の軌道面の下端と、前記内輪の軌道面の下端との間に位置する請求項1に記載のローラコンベア。 - 前記樹脂ベアリング及び前記排出路を覆うカバーを備える、請求項1または2に記載のローラコンベア。
- 前記液体供給手段は前記バス部の下部に前記液体を供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載のローラコンベア。
- 前記ローラの前記軸は、前記樹脂ベアリングの前記内輪に挿通され、
前記内輪を挟んで両側に位置する前記軸には、摺動防止部材が設けられ、
前記摺動防止部材の端面が前記内輪の端面に当接されるとともに止め具によって前記軸に固定される請求項1〜4のいずれか1項に記載のローラコンベア。 - 板状体を搬送しながら洗浄する洗浄部と、前記洗浄部によって洗浄された前記板状体を搬送しながら乾燥して清浄化する乾燥・清浄化部と、前記乾燥・清浄化部によって乾燥されて清浄化された前記板状体を検査する検査部とを備えた板状体の検査装置において、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のローラコンベアが前記乾燥・清浄化部に配置されている板状体の検査装置。 - 前記板状体は、ガラス板である請求項6に記載の板状体の検査装置。
- 溶融ガラスを帯状ガラス板に成形する成形部と、
前記帯状ガラス板を所定サイズの矩形状のガラス板に切断し、切断された前記ガラス板の周縁部を研削する切断・面取り部と、
周縁部を研削された前記ガラス板を搬送しながら洗浄する洗浄部と、
前記洗浄部によって洗浄された前記ガラス板を搬送しながら乾燥して清浄化する乾燥・清浄化部と、
前記乾燥・清浄化部によって乾燥されて清浄化された前記ガラス板を検査する検査部と、を備えたガラス板の製造装置において、
請求項1から5のいずれか1項に記載のローラコンベアが前記乾燥・清浄化部に配置されているガラス板の製造装置。
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CN115535519A (zh) * | 2022-09-21 | 2022-12-30 | 漳州市百事得家具有限公司 | 一种应用于定制家具生产的智能柔性封边生产线 |
WO2023214508A1 (ja) * | 2022-05-02 | 2023-11-09 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス製品の製造方法及び製造装置 |
-
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