JP3216127B2 - 多孔状感光体及びその製造方法 - Google Patents

多孔状感光体及びその製造方法

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JP3216127B2
JP3216127B2 JP4156199A JP4156199A JP3216127B2 JP 3216127 B2 JP3216127 B2 JP 3216127B2 JP 4156199 A JP4156199 A JP 4156199A JP 4156199 A JP4156199 A JP 4156199A JP 3216127 B2 JP3216127 B2 JP 3216127B2
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liquid resin
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photoreceptor
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健志 堀
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朋幸 吉井
康弘 ▲船▼山
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  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真システム
における感光体ドラム及びその製造方法に関し、特に、
高解像度及び高アスペクト比を実現する感光体ドラム及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスは、複写機及びプリン
タ等の画像形成技術として重要な役割を担う。電子写真
プロセスの代表的な手法としてカールソン法(ゼログラ
フィ)が知られる。
【0003】カールソン法において、印字処理は帯電、
露光、現像、転写、定着、及びクリーニングの6工程に
より実現される。各工程において、専用ユニットが要求
される。従って、装置全体の大型化が回避される事は難
しい。
【0004】本発明に関連する公知技術として、特開平
9−204092号公報では、カールソン法に代わる簡
略化された電子写真プロセス(画像記録方法)が開示さ
れている。
【0005】本開示技術において、上面に電極が形成さ
れた多孔状の絶縁層は、感光体の表面に積層された多孔
状感光体の細孔中に導電性着色粒子を充填する。印字情
報に対応した露光光が照射され、着色粒子は記録紙を介
して対向電極に選択的に飛翔される。
【0006】印字工程は、着色粒子充填工程、露光飛翔
工程、定着工程の3工程により構成される。従来システ
ムに比して、装置の小型化が図られる。連続印字の観点
において、多孔状感光体は、円筒形或いは無端のシート
状である事が望ましい。
【0007】この多孔状感光体の製造過程において、予
めシート状の多孔状絶縁層の孔が、レーザー或いはドリ
ル等により形成される。次に、ドラム状の感光体にこの
シートが密着される。この方法が採用される場合、シー
トの繋ぎ目が必然的に生じる。従って、繋ぎ目部分は画
像欠陥となり、画像品質の悪化を呈する。
【0008】画像品質の悪化への対応策として、ドラム
形状の感光体上に絶縁層が形成された後、絶縁層が多孔
状に加工される。感光体全体が円筒形の多孔状感光体と
して形成される事が適当とされる。本開示技術におい
て、多孔状層の作製技術が鍵を握る。
【0009】ドリル等により機械的に絶縁層に孔が設け
られる場合、通常1回のドリル穿孔動作により1つの穴
が設けられる。例えば、200dpiの解像度でA4サ
イズに対応する長さ210ミリ、直径30ミリの円筒形
の光導電層上に多孔状層が形成される場合、穴の数は凡
そ100万個以上となる。従って、同じ回数の穿孔動作
が要求される。この対応策に従う感光体の製造方法は実
用的ではない。
【0010】上記された開示技術に基づく印字方法にお
いて、画像濃度の上限は、複数形成された孔に充填され
る着色粒子の個数により決定される。孔中に一定の着色
粒子数が確保される為に、孔径がある値以上に設定され
るか、或いは孔の深さ(多孔状層の厚み)がある値以上
に設定される必要がある。孔径は、解像度、及び高品質
画像を考慮して小径化が要求される。
【0011】従って、ダイナミックレンジの広い、ある
値以上の画像濃度が確保される為に、孔深さ(多孔状層
厚み)がある値以上に設定される事が要求される。光硬
化性樹脂により複数の微細な貫通孔が形成される場合、
光硬化性樹脂の厚さが増加され、更に孔径が小さくされ
る。従って、未硬化部分は、孔内から効率的に排出され
にくくなり、孔形成は困難になる。
【0012】高画像濃度を確保できる感光体を備える電
子写真システムが望まれる。更に、高画質な印字処理を
実現する感光体を備える電子写真システムが望まれる。
又、本感光体を備える電子写真システムは、製造工程及
びコストを考慮し、従来構造に対する簡易な拡張により
実現される事が望まれる。更に、上記感光体は、円筒形
のものが採用され、絶縁層として格子状の多孔状層を備
える事が望まれる。又、更に、上記格子状の多孔状層
が、実質的に一定の厚さを有する事が望まれる。同時
に、上記格子状の多孔状層が、複数孔の各々が実質的に
等間隔に配置される事が望まれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高画
像濃度を確保できる感光体を提供する事に有る。同時
に、高画質な印字処理を実現する感光体を提供する事に
有る。又、本発明の他の目的は、製造工程及びコストを
考慮し、従来構造に簡易な拡張により上記感光体を提供
する事にある。更に、本発明の他の目的は、円筒形の感
光体を採用し、絶縁層として格子状の多孔状層を備える
多孔状感光体を提供する事にある。又、更に、本発明の
他の目的は、実質的に一定の厚さを有する格子状の多孔
状層を実現する事にある。同時に、複数孔の各々が実質
的に等間隔に配置される格子状の多孔状層を実現する事
にある。又、更に、本発明の他の目的は、上記多孔状感
光体の簡易な製造方法を提供する事に有る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の多孔状感光体は(図25参照)、支持体
(1)と、透光性導電層(2)及び光導電層(3(9
1,92))と、多孔状層(4)とにより構成される。
透光性導電層及び光導電層は、支持体上に順次設けられ
る。多孔状層は、光導電層上に設けられる。多孔状層
は、複数の微小孔を有する様に設けられ、該表面には電
極層(5)が形成される。
【0015】この場合、複数の微小孔(9)の各々は、
実質的に等間隔に設けられ事が好ましい。多孔状層は、
実質的に均一に形成される事が好ましい。多孔状層は、
光硬化性樹脂により形成される事が好ましい。支持体上
に順次設けられた透光性導電層及び光導電層により形成
される感光体は、円筒形状であり、有機感光体である事
が好ましい。
【0016】上記構成に基づく多孔状感光体により、高
画像濃度が確保され、高画質な印字処理が実現される。
【0017】又、本発明の多孔状感光体の製造方法は、
下記項目(1)から(10)の観点に従う。 (1)多孔状感光体の製造方法において、多孔状層は、
透光性支持体上に透光性導電層と光導電層とが順次積層
された有機感光体上に形成される。多孔状層は、該層表
面に電極層が形成される。多孔状層は、実質的に等間隔
に配置された複数の微小孔を有する。多孔状層は絶縁性
を有し、実質的に一定厚さを有する様に形成される。特
に、以下の手順に従う。第1ステップとして、複数の微
小孔の各々と対をなす形状の、光硬化性液状樹脂或いは
光硬化性のドライフィルムによる、複数の突起が設けら
れた凸像型が形成される。第2ステップとして、光導電
層上に、柔軟性を有する均一厚みの液状樹脂層が形成さ
れる。第3ステップとして、凸像型の突起により液状樹
脂層を穿孔する。第4ステップとして、液状樹脂層に対
する硬化促進手段により、液状樹脂層中に穿孔された突
起が引抜かれる程度に、液状樹脂層が硬化される。第5
ステップとして、凸像型が引抜かれた後、液状樹脂層が
完全に硬化される。
【0018】(2)円筒形多孔状感光体の製造方法に関
して、第1ステップとして、円筒管内壁に、複数の微小
孔の各々と対をなす形状の、複数の突起を有する円筒状
の凸像型を作製する。第2ステップとして、円筒状の感
光体を円筒管中心に挿入する。第3ステップとして、光
導電層と凸像型との間に、柔軟性を有する液状樹脂を注
入する。第4ステップとして、液状樹脂層に対する硬化
促進手段により、樹脂層中に埋設された突起が引抜かれ
る程度に、液状樹脂層を硬化させる。第5ステップとし
て、凸像型が引抜かれた後に、液状樹脂層を完全に硬化
させる。
【0019】(3)円筒形多孔状感光体の製造方法に関
して、第1ステップとして、光導電層上に、複数の微小
孔の各々と実質的に同一の間隔を隔てて配置され、複数
の微小孔の各々と対をなす形状の、複数の突起を形成す
る。第2ステップとして、光導電層上に、柔軟性を液状
樹脂層を実質的に均一な厚さを有する様に形成する。第
3ステップとして、液状樹脂層を硬化させる。第4ステ
ップとして、硬化された樹脂層上に、電極層を形成す
る。第5ステップとして、突起を除去する。
【0020】(4)上記項目(2)に記される多孔状感
光体の製造方法に関して、円筒管は、内径に精密加工が
施される。円筒管は、光導電層表面と突起先端表面と
が、実質的に均一な間隔を隔てて互いに対峙される様に
配置される事が好ましい。
【0021】(5)上記項目(1)から(3)に記され
る多孔状感光体の製造方法に関して、突起の高さは、液
状樹脂層の厚さに比して、実質的に高い事が好ましい。
【0022】(6)上記項目(3)に記される多孔状感
光体の製造方法に関して、突起が除去される場合、突起
のみが剥離される。更に、硬化された液状樹脂層が実質
的に浸食されない溶剤が採用される事が好ましい。
【0023】(7)上記項目(1)に記される多孔状感
光体の製造方法に関して、光導電層上に対する液状樹脂
層の形成処理と、液状樹脂層に対する穿孔処理と、液状
樹脂に対する硬化処理は、感光体の回転に関して、1周
期内に連続して実行される事が好ましい。
【0024】(8)上記項目(1)又は(2)に記され
る多孔状感光体の製造方法に関して、液状樹脂層が光導
電層上に塗布された後、液状樹脂が硬化された時の樹脂
硬度は、液状樹脂が完全に硬化された場合の硬度以下で
ある事が好ましい。
【0025】(9)上記項目(1)から(8)に記され
る多孔状感光体の製造方法に関して、突起部分以外の不
要樹脂の除去処理において、液状樹脂に可溶な溶剤が適
用される事が好ましい。この場合、溶剤はミスト状であ
り、且つ高圧気流中に乗せられ、被対象物に噴射され
る。
【0026】(10)上記項目(2)に記される多孔状
感光体の製造方法に関して、円筒形の感光体の外径は、
70mm以上である事が好ましい。
【0027】(11)上記項目(1)から(3)に記さ
れる多孔状感光体の製造方法に関して、液状樹脂として
光硬化性液状樹脂が適用される場合、光硬化性液状樹脂
を硬化させる為の露光光は、感光体を透過する事が好ま
しい。
【0028】尚、上記構成要件に付された符号は、本発
明の理解を容易にする為に付されたものであり、特許請
求の範囲の解釈に際して参酌されるべきではない。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、以下に添
付図面を用いて詳細に記される。尚、本明細書におい
て、複数孔の各々が実質的に表面上に等間隔に形成され
た絶縁層は、“多孔状層”と定義される。又、該多孔状
層が形成される前の、光硬化性樹脂層等の絶縁層が光導
電層上に形成された感光体は、“積層感光体”と定義さ
れる。
【0030】更に、“多孔状層”及び“光硬化性樹脂
層”が形成される前、光導電層が形成された感光体は、
“感光体”と定義される。“感光体”は、通常電子写真
プロセスにおける感光体に対応する。本発明による最終
作製物は、“感光体”上に“多孔状層”が形成され、更
に最表層に上部電極層が形成された“多孔状感光体”で
ある。
【0031】図25に、本発明の第1の実施の形態に係
る多孔状感光体の概略図が示される。尚、本実施の形態
の理解を容易にする為、図25は模式的に示される。
【0032】多孔状感光体100は、透光性支持体1上
に透光性導電層2、光導電層3、更に、多孔状層4が順
次積層され構成される。多孔状層4の表面には、上部電
極5が形成される。
【0033】透光性導電層2の形成処理は、一般に蒸着
法、ディップコート法、或いはスプレーコート法等が採
用される。透光性導電層2と光導電層3との間には、ア
ンダーコート層が設けられても良い。
【0034】光導電層3は、無機系材料、有機系材料の
何れが採用されても良い。有機系の光導電層が採用され
る場合、通常光導電層3は、有機感光体ドラムが製造さ
れる方法、例えば、ディップコート法等が採用される。
本実施の形態において、前提として、有機系の光導電層
が採用される場合が記される。
【0035】図26に、本実施の形態における多孔状感
光体100が適用された画像形成プロセスの概略図が示
される。
【0036】導電性ローラー101は、多孔状感光体1
00と空隙を介して配置される。導電性ローラー101
は、規制ブレード103により薄層化された導電性粒子
薄層102を有する。
【0037】更に、記録媒体7及び対向電極8は、多孔
状感光体100の回転方向の下流側に空隙を介して配置
される。光源110は、多孔状感光体100のドラム内
に配置される。
【0038】透光性導電層2、上部電極5、及び導電性
ローラー101の間には電圧が印加される。この印加電
圧は、多孔状感光体100と導電性ローラ101との対
向部分において、透光性導電層2と導電性ローラー10
1との間に電界が発生する様に印加される。
【0039】発生された電界により、導電性ローラー1
01上の導電性粒子6は、負極性に誘導帯電し、多孔状
層4の孔9中に充填される。又、上部電極5に衝突され
た導電性粒子6は、発生された電界により正に帯電し、
導電性ローラー101方向に戻る。
【0040】負に帯電された導電性粒子6のみが、多孔
状層4の孔9の中に充填される。又、孔9中の導電性粒
子6は、上部電極5の電位と等しくなる様に充填され、
粒子層表面の電界は実質的に零に近づく。従って、充填
された導電性粒子6は、多孔状層4の孔9の中に閉込め
られる。
【0041】多孔状感光体100と記録媒体7とが対向
する画像記録部において、透光性導電層2から対向電極
8方向に向かう電界が発生される様に、電位差が設けら
れる。光源110により、画像に対応する光が光導電層
3に照射された場合、照射された部分の光導電層3の導
電率は大きくなる。孔9中の導電性粒子6の電荷は、光
導電層3を通してリークされる。
【0042】電荷がリークされた場合、孔9中の導電性
粒子6の電位は、透光性導電層2の電位に近づく。従っ
て、導電性粒子6の層の表面に電界が発生する。上部電
極5側の導電性粒子6は、正に帯電し孔9から飛翔す
る。飛翔された導電性粒子は、記録媒体7に付着する。
以上により、画像が形成される。
【0043】孔9のピッチ及び孔径は、画像濃度に直接
影響を与える。従って、高画像濃度が確保される様に、
ピッチ間隔は小さく設定される。又、孔径が大きく設定
される様に、各々の孔の目開きの形状と配列とは、最適
化される必要がある。
【0044】更に、効率的な印字処理が実行される為、
以下の2点が考慮される事が好ましい。第1に、円筒形
状若しくは円筒形状に類似する光導電層上に画像が形成
される。第2に、円筒形状の回転に伴い、連続的に印字
プロセスが実行される。
【0045】図27に、本実施の形態における多孔状感
光体の断面拡大概略図が示される。以降、円筒形状の多
孔状感光体に関して記される。
【0046】透光性導電層2は、透光性支持体1上に形
成される。電荷発生層91は、透光性導電層2上に形成
される。電荷輸送層92は、電荷発生層91上に形成さ
れる。電荷輸送層92と電荷発生層91は、光導電層3
を形成する。
【0047】多孔状層4は、光導電層3の表層に積層さ
れる。多孔状層4は、絶縁性を有する。本実施の形態に
おいて、多孔状層4は、厚さ約100μmに積層され
る。上部電極層5は、多孔状層4上層に形成される。
【0048】上部電極5は、以下に記される3つの役割
を担う。第1に、光導電層3内に高電界を形成する。第
2に、導電性着色粒子6を閉込める。第3に、表面への
導電性粒子6の付着を防止する。
【0049】尚、本発明の多孔状感光体製造方法は、2
つの実施の形態を有する。第1の実施の形態は、多孔状
感光体の製造方法に関する。多孔状層の孔形成を行う為
の孔型は、光硬化性樹脂により形成される。形成された
孔型は穿孔の為の道具として適用される。第2の実施の
形態は、多孔状層の形成に関する。円筒形感光体上に複
数のピン孔型が形成され、形成後ピンが除去される。
【0050】上記された2つの実施の形態共に、形成さ
れる孔は、ポジ−ネガの関係にあるピン形状の突起が、
形成すべき孔に対応する間隔で配置される。この突起
は、孔型として適用され、多孔状層が作製される点で共
通する。
【0051】第1の実施の形態と第2の実施の形態と
は、以下の点で異なる。第1の実施の形態において、複
数のピンが埋設された孔型は、感光体とは別個独立に作
成される。作成された孔型は、複数個の多孔状感光体の
製造工程に供される。第2の実施の形態において、ピン
形成処理は、多孔状感光体作製の中間工程として位置付
けられる。感光体製造完了時毎に、ピン突起は除去され
る。以下、第1及び第2の実施の形態における孔形成に
関して記される。
【0052】光導電層3を有する感光体の作製法に関し
て示される。光導電層3は、上記された第1及び第2の
実施の形態において共通である。
【0053】図27に示される様に、多孔状層4の下層
に、光導電層3が形成される。本発明において、光導電
層3における電荷発生層91の厚さは、約0.05〜1
μm程度に形成される。電荷輸送層92の厚さは、約5
μm乃至30μmに形成される。
【0054】実際の印字行程において、印字情報に対応
した露光光が光導電層3に照射される。この時、電荷発
生層91から露光量に応じた電荷が発生される。発生さ
れた電荷は光導電層3表面迄運ばれる。電荷輸送層92
は、発生された電荷をカウンターチャージより中和さ
せ、電荷を消失させる。カウンターチャージは、逆極性
に帯電された光導電層3表面に付着される。
【0055】電荷発生層91は、n型チタニルフタロシ
アニンと、ポリビニルブチラールとが採用される。電荷
輸送層92に関して記される。ポリカーボネートは、バ
インダー樹脂としてテトラヒドロフラン等の溶媒により
溶解される。溶解されたバインダー樹脂は、電荷輸送材
料と混成され、コーティング処理が実行される。上記電
荷輸送材料の含有率は、約20〜40wt%である。
【0056】上記された光導電層3上に、多孔状層4が
形成され、多孔状感光体100が形成される。多孔状層
4(多孔状感光体100)は、第1及び第2の実施の形
態に共通する。
【0057】第1の実施の形態における多孔状層4の孔
形成に関して詳細に示される。第1の実施の形態におけ
る第1の実施例が以下に記される。
【0058】図1以降に、“孔型”の形成工程が示され
る。“孔型”は、複数のピン10がライン状に埋設され
予め作成される。複数のピン10の各々は、微細且つ形
成すべき孔にポジ−ネガの関係で対応される。孔形成処
理は、“孔型”を用いて感光体上に主走査方向a及び副
走査方向bに実行される(以下、ピン孔型19と呼
ぶ)。
【0059】図25に示される様に、円筒形の多孔状感
光体100或いは多孔状層4が形成される前の積層感光
体90において、主走査方向aは、記録紙の搬送方向に
対し直交する方向である。従って、主走査方向aは、感
光体軸方向(長手方向)を示す。副走査方向bは、主走
査方向aと垂直に交わる方向である。従って、感光体1
00の回転方向を示す。
【0060】図2を参照して、平面性に優れた透光性平
板支持体1上に、紫外線等が照射され、成分中のモノマ
ーが重合/架橋開始される。硬化タイプのネガ型光硬化
性樹脂12が密着或いは塗布される。スポイト13等で
該光硬化性液状樹脂12は、適量滴下された後、支持台
11上に均一に伸ばされる。
【0061】該光硬化性樹脂は、ドライフィルム等の固
体状の材料、或いは水飴状の液状樹脂が採用される。ド
ライフィルムは取扱いが容易であり、均一な厚さが得ら
れる。液状タイプの樹脂は、一般に高解像性を有し、硬
化後の樹脂強度が優れる。本実施例では、液状樹脂が適
用される。硬化後に仕様を満たす硬度を与える材料であ
れば、何れでも適用可能である。
【0062】樹脂の厚さを均一にする為、後述されるマ
スク16を該樹脂12層に接触させる方法において、剥
離フィルム17と樹脂12との間に予め設定された膜厚
のスペーサが挿入される。非接触時において、バーコー
ダー塗布法が採用される。適当なギャップが設けられた
バーが掃引され、樹脂コート処理が実行される。
【0063】該樹脂12層の所望部分を硬化させる為、
特定波長の光が照射され、露光される。本実施例におい
て、露光処理は、2つの方法が適用可能である。第1の
露光方法は、硬化すべきパターンが印刷されたマスク等
を用い、大面積が一括して照射される方法である。この
方法において、孔型形成すべきパターンが描かれたマス
クが、該樹脂12層上に積層される。
【0064】第2の露光方法は、レーザー等によりパタ
ーンが逐次的に照射され走査露光される方法である。こ
の方法において、レーザーのON/OFFに応答して、
樹脂上にパターンが形成される。従って、マスクは不要
である。又、像の歪みを考慮して、平行性に優れた照射
光が必要とされる。
【0065】図3に示される様に、ドライフィルムが適
用される場合、例えばラミネート法等に基づくマスク1
6は、加温された1乃至2本の圧ローラー15間を通過
する様に圧着される。
【0066】液状樹脂が適用される場合、樹脂硬化後マ
スクと樹脂が貼付き、マスクが剥れなく可能性がある。
対応策として、図4に示される様に、マスク16と光硬
化性液状樹脂12層間に、透光性、且つ剥離性に優れた
薄いフッ素系シート等の剥離用フィルム17が適用され
る。又、図5に示される様に、スペーサ(図示せず)が
適用され、僅かなギャップ18が保持される。
【0067】本実施例において、孔深さは、各孔毎に均
一に形成される事が要求される。形成されるピン先端の
高さは、均一である事が要求される。従って、厳密に樹
脂の厚さが制御される必要がある。本実施例では、第1
の露光方法が採用される。ピン高さの均一性は、樹脂総
厚が約100μmの場合、約±2μmの範囲内に実質的に
納められる。
【0068】図6に、本実施例に適用されるマスク16
が示される。透光部20を通過した光は、光硬化性液状
樹脂12に達する。透過された光に応答して、光硬化性
液状樹脂12の下層においてのみ硬化が進行する。
【0069】本実施例において、ポジ型の感光性樹脂が
適用可能である。この場合、マスクパターンは、図6に
示されるタイプとは透過部と遮蔽部とが反転されたパタ
ーンを有する。
【0070】光硬化性樹脂12は、例えばアジド化合物
系、ナフトキノンジアジド系、重クロム酸系、ポリビニ
ルケイ皮酸系、ナイロン樹脂系、アクリレート系、エポ
キシ樹脂系、エン・チオール系、不飽和ポリエステル
系、不飽和ポリウレタン系、シリコン樹脂系等が適用さ
れる。
【0071】本実施例において採用される光硬化性樹脂
は、硬化前後の硬度ダイナミックレンジが広い点、固化
後の収縮が少ない点等が考慮され、エポキシ樹脂系の硬
化性樹脂が採用される。本実施例において、光硬化性樹
脂はエポキシ樹脂系の硬化性樹脂に限定されない。
【0072】該樹脂は、365nm近傍の特定波長光で
硬化開始する特性を有する。従って、露光源として、超
高圧水銀ランプが採用される。露光後、必要に応じてマ
スク16及び剥離フィルム17が剥離され、未硬化部分
の樹脂が除去される為に現像処理が実行される。
【0073】現像工程において、ウェットプロセスが簡
便で適する。ウェットプロセスにおいて、光硬化性樹脂
の硬化部分に存在する不溶な部分、更に未硬化部分のみ
が溶剤により溶解される。
【0074】上記溶剤が満たされた容器中に浸漬された
樹脂層に対して、未硬化樹脂が効率的に除去される現像
方法として、超音波振動、スプレー現像、或いはエアブ
ラシ現像法等が挙げられる。スプレー現像法において、
現像液はコンプレッサー等で圧縮され、ノズルから吐出
噴射される。エアブラシ現像法において、圧縮空気等で
ミスト状にされた現像液は噴霧される。
【0075】上記された現像法が、本実施の形態におけ
る種々の条件下で試行され、エアブラシ現像法が最も適
した現像方法である事が以下の点で見出される。第1
に、最も像倒れない点である。第2に、高解像度な現像
が可能である点である。第3に、現像剤の消費量が最も
少ない点である。更に、イソプロピルアルコール(IP
A)を2分間露光された液状樹脂に吹付ける事により、
像は顕像化される。又、メタノール、エタノール等のア
ルコール系、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイ
ソブチルケトン(MIBK)等のケトン類が現像剤とし
て適用された場合、現像時間の調整により、良好な結果
が得られる。
【0076】現像処理が終了された後、像の表面に付着
された現像剤が除去される様に、80℃で約10分間恒
温槽中で保管及び乾燥処理が実行される。
【0077】マイクロスコープの拡大観察により、像倒
れが確認される。その後、液状樹脂の硬化処理が完了さ
れるに十分な光が、前述された光源にて全面照射され
る。最終的に、硬化された液状樹脂の強度が確保され
る。
【0078】以上により、実質的に均一な高さ、更に実
質的に均一な径を有する様にピンが形成される。穿孔用
のピン孔型19において、複数のピンの各々が実質的に
均一な間隔を隔ててライン上に複数配置される。
【0079】尚、ピン長さが多孔状層4の厚さに比して
十分に長い場合、図1に示されるピン10の底部は、各
ピン毎に分割される必要はない。この場合、底部におい
て繋がり合う事が許容される。従って、露光後現像前
に、更に短波長成分が多く、樹脂透過しにくい光が、支
持台11底部側より照射された場合、支持台11近傍の
みが硬化される。支持台11とピン10との密着性が強
化される。
【0080】図7に、現像時の凹像形成及び凸像形成処
理の概念図が示される。凹像形成及び凸像形成処理は、
多孔状感光体の解像度を決定する主要な工程である。
【0081】図7(a)に、凹型像の形成方法が示され
る。凹型像の形成方法において、孔中の未硬化樹脂30
は、現像処理により取除かれる。凹型像の形成方法にお
いて、現像効率は重要な要素である。現像効率とは、物
性的には未硬化樹脂30部分の樹脂粘度や現像剤への溶
解度、構造的には孔の開孔面積や孔深さ、及びその他孔
壁との付着力等により、未硬化樹脂30が孔中から除去
される効率と定義される。
【0082】従って、高画質な印字処理が実現される
為、多孔状感光体における多孔状層の孔深さは深くさ
れ、更に孔ピッチを微細化される事は著しく困難にな
る。この事は、主として先の構造的要因に基づく。
【0083】本発明の特徴として、光硬化樹脂を適用し
た像形成において、図1に示される凸型像のピン孔型1
9が形成される。凸型像は、光硬化性樹脂により形成さ
れる。その後、ピン孔型19に基づいて、孔が形成され
る。
【0084】図7(a)及び図7(b)より、本発明に
よる凸型像の形成は、除去すべき未硬化樹脂30が、硬
化樹脂31により被覆遮蔽されない。従って、現像によ
り不要な部分が除去され易く、高解像度化及び高アスペ
クト比が実現され易い。
【0085】又、本印字方法における多孔状層の孔の開
孔率は、通常60%以上に設定される。この開孔率は、
導電性着色粒子が充填されない点(印字に寄与しない孔
壁部分が極力少なくされる点)に基づく。
【0086】図6及び図7に示される様に、硬化樹脂3
1の面積は、未硬化樹脂30の面積に比して、広い割合
を占める。従って、現像効率が向上される。図1から図
7に示される工程を経て、ピン孔型19が形成される。
【0087】次に、ピン孔型19を用いた積層感光体9
0の孔加工方法が記される。始めに、前述された円筒形
の感光体上に、均一な厚さを有する光硬化性液状樹脂1
2層が形成され、積層感光体90が形成される。
【0088】図8に、光硬化性液状樹脂層の形成方法の
過程が示される。本実施の形態において、形成方法に
は、ブレード塗布法が採用される。ロール塗布法、或い
は浸漬塗工法も適用可能である。
【0089】塗布後の積層感光体90は、約2mm/s
ec乃至50mm/secの周速で回転され、液状樹脂
層の形成工程から次工程へ移行される。次工程への移行
時において、重力による液だれ、塗布厚みムラの発生に
注意を要される。これらの要素は、樹脂粘度及び該粘度
に影響を与える温度により変動する。
【0090】次に、形成された光硬化性液状樹脂12層
に、ピン孔型19を用いて、孔9が設けられる。図9
に、積層感光体への孔形成を示す概略図が示される。該
樹脂12層が最表層に形成された積層感光体90の軸4
2は、軸受け(図示せず)に固定される。ピン孔型19
は、モーター(図示せず)により精密位置制御が可能な
Z軸ステージ43に固定される。
【0091】ステージ43上に固定された孔型19のピ
ン10の先端が光硬化性液状樹脂12層と接触しない様
に、ステージ43を下げられる。次に、ステージ43が
上げられ、ピン10の先端により光硬化性液状樹脂12
層が突刺される。ピン10の先端が光導電層3に達した
時に、センサー(図示せず)に接続された制御装置によ
り、ステージ43が停止される。
【0092】ピン10が光硬化性液状樹脂12層に刺さ
れた状態において、ピン孔型19背面は露光され、光硬
化性液状樹脂12は硬化される。副走査方向bのピッチ
分だけ開口されたスリット44を実質的に通過した露光
光45は、このスリット幅下の樹脂を部分的に固化させ
る(硬化樹脂31)。
【0093】完全に樹脂の硬化が進行した場合、光硬化
性液状樹脂12とピン10とは固化し、ピン10が抜け
なくなる。照度と照射時間の積である積算露光量が調節
され、最適露光量に基づいて、樹脂が半硬化状態になる
様に照射される必要がある。
【0094】図10に、光硬化性樹脂の、露光量に対す
る樹脂硬度が示される。一般に、光硬化性樹脂の露光量
に対する硬化進行度(例えば樹脂の硬度)は、ある値以
上の露光量の照射に応答して硬化し始める。以後、適切
な傾きに基づいて完全硬化状態に到達される。本実施例
では、予備実験が設けられる。予備実験により、半硬化
状態に留まる露光量は、予め決定される。
【0095】その後再びステージ43が下降される。こ
の場合、ピン10は引抜かれ、積層感光体90は、矢印
の方向に副走査方向bのピッチ分だけ回転される。本光
硬化性樹脂12の場合、照射露光量は、約50mJ/c
乃至200mJ/cmの露光量が好ましい。更
に、約80mJ/cm乃至140mJ/cmにおい
て、より好ましい樹脂強度が得られる。孔が形成された
時、ピンが引抜かれる際に生じるバリが生じない。
【0096】尚、図1に示されるピン孔型19では、ピ
ン10はライン状に1列に並んで示される。又、図6に
示されるマスク16では、パターンはライン状に1列に
並んで示される。本発明はこれらに限定されない。図1
1に示されるパターンにより形成される孔型の様に、副
走査方向bに複数列ピンが並んだピン孔型により孔形成
されても良い。
【0097】図12に、感光体への光硬化性液状樹脂塗
布と孔形成に関する概略図が示される。上記光硬化性樹
脂層12のコートと孔形成処理は、積層感光体90の回
転下において連続して実行されても良い。
【0098】光硬化性液状樹脂12が満たされた浴槽4
6は、電動ステージ(図示せず)により、下方へ離接さ
れる。下方への離接処理は、穿孔された孔9が樹脂で埋
められない様に、積層感光体90は矢印の方向へ回転
し、硬化開始端が樹脂液面に再び突入する直前に実行さ
れる。
【0099】図13に、積層感光体内部からの露光法を
示す断面概略図が示される。露光光45が、透光性支持
体1、透光性導電層2、及び光導電層3の各層を、光硬
化性液状樹脂を硬化させるに十分な強度により透過する
場合、以下に示される内部からの露光方法が適用されて
も良い。
【0100】この場合、積層感光体90内部に、感光体
軸と一体化された直管ランプ47と、スリット44を有
するマスク16を配置される。スリット44は、後に剥
離可能な様に、透光性支持体1内壁に貼付される。上記
内部露光方法が採用された場合、樹脂層のコート及び孔
開け処理が連続して実行される事が好ましい。
【0101】図14に、孔形成後の光硬化性樹脂を硬化
させる為の後露光に関する概略図が示される。副走査方
向bに関して全円周の孔開け処理が完了された後、上部
電極形成前の多孔状感光体100の回転下において、直
管ランプ47により樹脂層全面に再び光が照射され、孔
壁は完全に硬化される。
【0102】又、多孔状感光体100が回転しない場
合、該感光体100の回りに、直管ランプ47が円状に
配置される構成を設られても良い。樹脂硬化後、積層感
光体表面は軽く研磨され、孔エッジのバリが取除かれた
後、電極層が形成される。
【0103】上部電極5層は、真空アルミ蒸着により約
250Åの厚さを有する様に多孔状層4上に形成され、
多孔状感光体100が得られる。上部電極5は、アルミ
の他、金やビスマス等の金属、ITOを用いた蒸着、
又、無電解メッキ等による付着、更には、導電性ポリマ
ー等を表層にコートされても良い。以上により、本実施
の形態における第1の実施例に基づく多孔状感光体が製
造される。
【0104】次に、本実施形態に係る第2の実施例が記
される。本実施例において、透光性の円筒内壁に主副走
査方向に複数のピンが配置された孔型が形成される。該
ピン孔型により樹脂層への孔形成処理が実行される。
【0105】図15に、本実施例に係るピン孔型の概略
図が示される。該孔型が、軸方向から示される。実質的
に均一な高さ、及び実質的に均一な径を有するピン10
は、透光性ガラス管50及び透光性支持フィルム51に
より形成される円筒内壁から、中心に向かい複数配列さ
れる。各ピンの円周方向の間隔は、製造すべき多孔状感
光体の副走査方向bの孔ピッチに対応する。
【0106】軸方向(図中手前から奥へ向かう方向)に
も同様に、主走査方向aに孔ピッチに対応する間隔でピ
ン(図示せず)が配列される。ピン孔型19は、複数の
ピン10、透光性ガラス管50、及び透光性支持フィル
ム51から形成される。
【0107】ピン10は、前述された実施例と同様(図
2、図3参照)、光硬化性液状樹脂12、或いはドライ
フィルム14が適用され、形成される。各ピン10は透
光性支持フィルム51上に形成される。透光性支持フィ
ルム51は、可とう性を有する。
【0108】該支持フィルム51は、後述されるピン形
成後に、開始端と終端とが段差が無くなる様に連結さ
れ、円筒形に形成される。円筒形の該支持フィルム51
は、透光性ガラス管50内壁に、接着剤により仮固定さ
れる。透光性支持フィルム51は、透光性、更に後述さ
れるピン形成樹脂との密着性を考慮される。本実施例に
おいて、透光性支持フィルム51には、約200μmの
厚さを有するポリカーボネードが採用される。
【0109】図16に、ピン孔型のピン先端と、感光体
光導電層との位置関係を与える概略図が示される。中心
に積層感光体が導入された場合、該透光性ガラス管50
の内径は、厳密な精度により決定される。該透光性ガラ
ス管50の内径は、最終的にピン10先端が積層感光体
表面の光導電層3と接する様に決定される。
【0110】透光性支持フィルム51に対する複数のピ
ン10の配置は、第1の実施例(図1参照)において記
されたピン孔型19が、1ラインに留まらず、副走査方
向bへ複数列、副走査方向bの孔ピッチと同じ間隔に基
づいて、並べて配置される。
【0111】この場合、適用されるマスクパターンは、
図11に示される様に、図6に示されたパターンが、副
走査方向bに対応する横方向へ、透光性ガラス管50の
円周の長さ迄、配列されたものである。
【0112】積層感光体の軸中心は、円柱中心と一致す
る。積層感光体90は、円柱内に挿入され、一端はフラ
ンジにより固定される。透光性支持フィルムと透光性ガ
ラス管との間に樹脂が注入される。他端は同様にフラン
ジにより封止される。多孔状層4となる注入樹脂は、絶
縁性の光硬化性樹脂或いは熱硬化性樹脂が採用される。
熱硬化性樹脂とは、熱により硬化する機能を有する樹脂
である。
【0113】図17に、感光体内部からの一括露光に関
する概略図が示される。硬化促進の為、例えば光硬化性
樹脂が多孔状層に適用される場合、直管ランプ47(図
13参照)が埋込まれた軸が流用され、感光体内部から
全面に対して露光処理が実行される。この場合、スリッ
トは不要である。
【0114】本実施例は、前述された第1の実施例と以
下の点で異なる。光硬化性樹脂は、逐次的及び局所的に
固化されない。光硬化性樹脂の全面は、同程度に硬化進
行される。
【0115】加温により硬化される熱硬化性樹脂の場
合、硬化温度は硬化進行する為の一定雰囲気条件に保持
される。これは、ピン孔型19がセットされた積層感光
体90が、恒温槽中に置かれる事による。従って、本実
施例に適用される。何れの実施例においても、半硬化状
態により硬化進行が留められる。これは、ピン孔型19
が取外される事による。
【0116】次に、積層感光体90は、透光性支持フィ
ルム51と共に透光性ガラス管50から外される。更
に、積層感光体90は、透光性支持フィルム51から剥
がされる。その後、光硬化性樹脂が採用された場合、後
露光処理が実行される、熱硬化性樹脂が採用された場
合、後露光処理を経て加温処理、更に、固化処理が実行
される。固化処理は、樹脂強度が通常の使用条件が考慮
される。
【0117】最後に、多孔状層表面に電極層が形成さ
れ、多孔状感光体が形成される。この工程は、上記され
た第1の実施例と同様である。
【0118】図18に、透光性支持フィルム端部におけ
るフィルム重なりを与える概略図が示される。上記され
た手法に基づき多孔状感光体が製造される場合、平面状
のピン孔型の端が接合され、円筒形に構成される。
【0119】透光性ガラス管50の内壁周長に対して、
ピン孔型19の透光性支持フィルム51の全長が長い場
合、フィルム重なり部分52が発生する可能性がある。
透光性支持フィルム51の厚さ分だけ、支持フィルムと
光導電層間とのギャップが狭められ、孔型のピンが倒れ
る。従って、孔型の全長は、透光性ガラス管50の内壁
周長に対し、実質的に同じ、或いはわずかに短くされる
必要がある。
【0120】実際の量産工程において、フィルムが一定
長さにカットされる場合、ある程度の裕度が必要とされ
る。更に、貼付時の伸び等により、円筒周長と同じ長さ
にはならない点が考慮される必要がある。
【0121】図19に、透光性支持フィルム端部の、フ
ィルム隙間に関する概略図が示される。上記された様
に、ピン孔型19の透光性支持フィルム51の端と端と
の間には、フィルム隙間53が設けられる。
【0122】上記に基づく多孔状感光体において、通常
の文字印字時、更には黒べた印字処理が実行された場
合、樹脂層が該空隙に入込む事により、円周方向の一部
が白抜けとして認識される。
【0123】人間の目により、0.1ミリ程度の線幅が
認識される。印字処理に反映されない様に、この事が考
慮される必要がある。この対策として、多孔状感光体の
フィルム重なり部分の位置検知処理が常時実行されると
共に、記録紙への印字動作中において、繋ぎ合わせ部分
に対し印字処理が実行されない事が必要とされる。
【0124】印字される記録紙が、横210mm×縦2
97mmのA4サイズに限定された場合、多孔状感光体
の円周長が、少なくとも(A4記録紙横210mm+つ
なぎ合わせ部分の幅)以上であれば、画像不良が発生せ
ずに、この記録紙上に印字される。従って、多孔状感光
体の外径は、約70mm以上必要とされる(210mm
/円周率π=約66.8mm)。
【0125】本実施例により、一度ピン孔型が形成され
れば、複数の多孔状感光体の製造に形成されたピン孔型
が適用される。第1の実施例に比して、量産性に優れ、
大口径多孔状感光体の製造に適する。
【0126】次に、本発明の第2の実施の形態に係る多
孔状感光体に関して記される。図20に、感光体表面に
おけるピン形成の概略図が示される。
【0127】複数のピン10形状の孔型19は、円筒形
感光体93の光導電層3上に形成される。複数のピン1
0形状の孔型は、感光体93の円周方向及び軸方向に形
成される。複数のピン10形状の孔型は、外側に向かう
均一なピッチで配列される。
【0128】孔型19が形成された後、該感光体93の
光導電層3上に、多孔状層用樹脂層、電極層が順次形成
される。最後に、ピン孔型19が除去され、多孔状感光
体が形成される。
【0129】前述された第1の実施の形態との製造上の
相違点は、中間工程において、孔型となるピン10が感
光体93上に形成される。最終工程において、このピン
は除去される。
【0130】始めに、ピン材料となる光硬化性液状樹脂
層が、感光体上に形成される。後述される多孔状層材料
なる樹脂と光硬化性液状樹脂層との区別が考慮され、光
硬化性液状樹脂は、以後A樹脂60と定義される。
【0131】図21(a)から図21(e)に、感光体
表面へのピン形成手順を表す断面概略図が示される。図
21(a)において、該A樹脂60は、後述されるB樹
脂の樹脂厚さに比して厚い。
【0132】本実施の形態において、該A樹脂60は、
約100μm以上の均一な厚さを有する様に、ブレード
塗工法(図8参照)に基づいてコートされる。前述され
た様に、ブレード塗工法に替えて、浸漬塗布方法或いは
浸漬塗工法等が採用されても良い。
【0133】本実施の形態において、該A樹脂60に
は、ネガタイプフォトレジスト(東京応化工業株式会社
製)が採用される。該A樹脂60は、本発明を限定しな
い。マスクパターンの光透過−遮蔽の関係が反転された
ポジ型の樹脂が採用されても良い。尚、該A樹脂60と
の結着性が考慮される場合、ナイロン樹脂層等のプライ
マー層が光導電層3上に設けられる事が好ましい。
【0134】該A樹脂60層に対する露光処理は、レー
ザーによる逐次露光処理、或いはマスクによる一括露光
処理により実行される。図22に、露光工程の概略図が
示される。
【0135】該マスクによる一括露光処理が実行される
場合、マスクには、主走査方向aに一列若しくは数列分
に配列されるパターンが採用される(図22では、2列
の場合を図示)。マスクは、A樹脂60層との間で微小
ギャップ18を隔てて配置される。照射部分以外は、ス
リット44を介して遮蔽された後、光源(図示せず)に
より露光される。
【0136】パターン幅分の露光処理が終了された際、
積層感光体90は、該パターン幅分の微小角だけ、例え
ば矢印Bの方向に回転され、露光処理は逐次繰返され
る。該積層感光体90上の被露光部分に対する露光処理
が一周した時、露光処理が終了される。
【0137】A樹脂60が硬化する波長域を有する露光
光45が、透光性支持体1、透光性導電層2、光導電層
3の各層を透過する場合(図13参照)について記され
る。図23に、感光体内部からの露光法の概略図が示さ
れる。この場合、感光体軸と一体化された直管ランプ4
7光源が配置される。積層感光体90の透光性支持体1
の内側には、一部にのみパターンが描かれた円筒状シー
ムレスのマスク16が設けられる。最終的に、上記露光
処理は、積層感光体90内部からパターンを露光する事
で実行される。
【0138】マスク16は、感光体の回転動作とは独立
である。図23において、マスク16は下に向く様に常
時固定される。図22に示された露光方法と同様に、露
光処理は、逐次的に実行される。或いは他の露光処理と
して、積層感光体90が固定される場合、積層感光体9
0の透光性支持体1の内側には、全面にパターンが描か
れた円筒状のマスクが設けられる。最終的に、露光処理
は、該感光体90の内部全面が一括して露光される様に
実行される。
【0139】露光された積層感光体90は、前述された
エアブラシ現像法により顕像化される。最終的に、感光
体93上にピン孔型19が形成される。ピン孔型19
は、A樹脂60により形成される。ピン孔型19におい
て、約110μmの高さを有する複数のピン10が配置
される(図20及び図21(b)参照)。
【0140】本実施の形態において、形成されたピン孔
型19の密集度は、多孔状層4の解像度を直接決定す
る。従って、各ピンのピッチが細かい型が形成される事
が特に要求される。
【0141】本実施の形態に基づくピン孔型19の形成
処理は、凹像に比して現像処理が容易である。又、高精
細、高密度な像形成が可能な凸型が形成される。最終的
に、凸型の解像度と一対一に対応する多孔状層が形作さ
れる。以上の特徴は、上述された第1の実施の形態と共
通する。最終的に製造される多孔状感光体100の解像
度は、本現像工程において実質的に決定される。
【0142】図21(c)に示される様に、固化後に多
孔状層4となる未硬化の液状樹脂(B樹脂61)は、前
述された浸漬塗布法に基づいて感光体光導電層3上にコ
ートされる。
【0143】本実施の形態において、B樹脂61の厚さ
は、約100μmである。この厚さは、該B樹脂61上
に形成される上部電極5迄が考慮された総厚みが、ピン
10の高さ以下となる点が考慮される(図21(c)及
び図21(d))。上部電極5は、後述される。この事
は、本実施の形態において、穿孔処理が、該B樹脂61
に加え上部電極5も含めて一度に実行される点に基づ
く。
【0144】後述される様に、感光体93上に形成され
たピン10は、溶剤により取除かれる。従って、該B樹
脂61は、硬化後に耐薬品性が要求される。本実施の形
態において、A樹脂60の除去用溶剤として、アルカリ
性の専用剥離剤が採用される。該B樹脂61には、ウレ
タン樹脂系感光性樹脂(旭化成工業株式会社製)が採用
される。該B樹脂61は、アルカリ性の専用剥離剤に対
する耐性、固化後の絶縁性が考慮される。
【0145】多孔状層4の材質は、第1の実施の形態に
おける第2の実施例に記された様に、光硬化性液状樹脂
に限らず、多孔状層としての特性を有する熱硬化性樹脂
が適用される。本実施の形態において、第1の実施の形
態に記された露光法(図14参照)に基づき、露光光4
5は、樹脂全面に照射される。該B樹脂61は、完全に
硬化される。
【0146】図21(d)に示される様に、A樹脂60
層より1段低いB樹脂61層の表面には、導電ペースト
が刷込まれる。更に、80℃の加温処理により、導電ペ
ースト中に含まれる有機溶媒分が揮発され、上部電極5
が形成される。
【0147】上部電極5は、真空アルミ蒸着による処
理、又、金やビスマス等の金属、ITOの蒸着処理、更
には、無電解メッキ等の蒸着処理により形成されても良
い。この点は、上述された第1の実施の形態と同様であ
る。
【0148】B樹脂61と上部電極5とが固化された状
態において、ピン10が除去される(図21(e))。
ピン10の除去処理において、積層感光体90は、アル
カリ性レジスト剥離剤中に浸される。この状態におい
て、2分間の超音波振動処理が施され、固化後のA樹脂
60が膨潤剥離される。このピン10の除去処理におい
て、上部電極5の剥離、及び硬化樹脂31の変質は、実
質的に発生しない。
【0149】表面上に残存する剥離剤は、純水によるリ
ンス処理を経て取除かれる。約80℃の環境において1
0分間の乾燥処理が施された後、フランジ(図示せず)
が軸方向両端から圧入され、多孔状感光体100が形成
される。
【0150】本実施の形態は、第1の実施の形態と共通
する特徴以外に、孔中の樹脂(ピン孔型の樹脂、A樹
脂)には、孔外の樹脂(B樹脂)に対して異種材料が適
用可能な点にある。孔外の樹脂とは、孔壁を形成する樹
脂である。
【0151】本実施の形態において、孔中の樹脂と孔外
の樹脂の選択に際し、2種間の樹脂の溶解性の差のみが
着目される。B樹脂が侵され無い様に、A樹脂専用の剥
離剤が選択される。
【0152】上記に関し、B樹脂の硬化−未硬化の硬度
コントラストが広く、露光強度が適切に調整され、B樹
脂の硬化後硬度を半硬化状態が保持される場合、第1の
実施の形態に基づいて多孔状感光体が形成される。
【0153】B樹脂は、成膜性、塗布の容易性、絶縁
性、電極付着性、及び孔壁のトナー付着性等の観点から
多孔状層用として適する。図24に、光硬化性樹脂の露
光量に対する樹脂硬度が示される。
【0154】硬化−未硬化状態の硬度コントラストが急
峻な場合、更に、第1の実施の形態で適用される様な、
半硬化状態における露光量或いは硬化条件が制御不可能
な場合、本実施の形態による多孔状感光体の製造方法が
適用される。又、本実施の形態において、上部電極5層
は多孔状層4の形成処理に連続して付与される。従っ
て、生産性が向上される。
【0155】真空蒸着による電極形成処理が採用される
場合、膜厚の制御如何では、孔壁部分における金属粒子
量が過剰になる。この場合、帯電された導電性着色粒子
が孔中に充填される際(図26参照)、該導電性着色粒
子からの電荷リーク現象が発生する。本実施の形態に基
づく製造方法は、電荷リーク現象に対応できる。
【0156】
【発明の効果】本発明による多孔状感光体の製造方法
は、以下に記される効果を奏する。現像効率が高く、高
解像度更には高アスペクト比の凸像が形成される。凸像
が転写され、多孔状層が形成される。この点は第1及び
第2の実施の形態に共通する。
【0157】又、第1の実施の形態により、凸孔型が一
旦形成された場合、複数個の多孔状感光体の製造に流用
される。従って、生産性が向上される。第2の実施の形
態では、硬化特性に優れた樹脂を適用し、多孔状層形成
処理と上部電極層形成処理が連続して実行される。従っ
て、量産性に優れ、孔壁への金属付着による電荷リーク
が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明により作製したピン孔型を示す
概略図である。
【図2】図2は、光硬化性液状樹脂の支持台への滴下、
展開を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明に用いたマスクの、ドライフィ
ルムへの熱圧着を示す概略図である。
【図4】図4は、硬化性液状樹脂を用いた露光時の、構
成を示した概略図である。
【図5】図5は、光硬化性液状樹脂を用いた露光時の、
マスク非接触の構成を示した概略図である。
【図6】図6は、本発明に使用したマスクを示す概略図
である。
【図7】図7は、本発明における凹像と、凸像形成の差
異を示した模式図である。
【図8】図8は、本発明における光硬化性液状樹脂の塗
布法を示す概略図である。
【図9】図9は、本発明による積層感光体への孔形成を
示す概略図である。
【図10】図10は、光硬化性樹脂の、露光量に対する
樹脂硬度を表した図である。
【図11】図11は、本発明に使用したマスクを示す概
略図である。
【図12】図12は、感光体への光硬化性液状樹脂塗布
と、これに連続する孔形成を示す概略図である。
【図13】図13は、本発明による積層感光体内部から
の露光法を示す断面概略図である。
【図14】図14は、孔形成後の光硬化性樹脂を硬化さ
せるための、後露光を示す概略図である。
【図15】図15は、本発明により作製し、使用したピ
ン孔型を示す概略図である。
【図16】図16は、ピン孔型のピン先端と、感光体光
導電層との位置関係を示す概略図である。
【図17】図17は、本発明における、感光体内部から
の、一括露光を示す概略図である。
【図18】図18は、本発明における透光性支持フィル
ム端部の、フィルム重なりを示す概略図である。
【図19】図19は、本発明における透光性支持フィル
ム端部の、フィルム隙間を示す概略図である。
【図20】図20は、本発明における感光体表面へのピ
ン形成を示す概略図である。
【図21】図21は、本発明による感光体表面へのピン
形成手順を表す断面概略図である。
【図22】図22は、本発明による感光体へのピン孔型
形成のための、露光工程を示す概略図である。
【図23】図23は、本発明による感光体内部からの露
光法を示す概略図である。
【図24】図24は、光硬化性樹脂の、露光量に対する
樹脂硬度を表した図である。
【図25】図25は、多孔状感光体の全体構成を表す概
略図である。
【図26】図26は、本発明による多孔状感光体を使用
した画像形成プロセスを示す概略図である。
【図27】図27は、本発明により作製される多孔状感
光体の断面拡大概略図である。
【符号の説明】
1: 透光性支持体 2: 透光性導電層 3: 光導電層 4: 多孔状層 5: 上部電極 6: 導電性粒子 7: 記録媒体 8: 対向電極 9: 孔 10: ピン 11: 支持台 12: 光硬化性液状樹脂 13: スポイト 14: ドライフィルム 15: ローラー 16: マスク 17: 剥離用フィルム 18: ギャップ 19: ピン孔型 20: 透光部 21: 遮光部 30: 未硬化樹脂 31: 硬化樹脂 40: 規制ブレード 41: 規制ギャップ 42: 軸 43: ステージ 44: スリット 45: 露光光 46: 浴槽 47: 直管ランプ 48: フランジ 50: 透光性ガラス管 51: 透光性支持フィルム 52: フィルム重なり部分 53: フィルム隙間 60: A樹脂 61: B樹脂 90: 積層感光体 91: 電荷発生層 92: 電荷輸送層 93: 感光体 100:多孔状感光体 101:導電性ローラー 102:導電性粒子薄層 103:規制ブレード 110:光源 a :主走査方向 b :副走査方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲船▼山 康弘 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−149164(JP,A) 特開 平11−258830(JP,A) 特開 平11−258828(JP,A) 特開 平9−222745(JP,A) 特開 平1−191858(JP,A) 特開2000−147799(JP,A) 特開2000−81713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性支持体上に透光性導電層と光導電層
    とが順次積層された感光体上に、表面に電極層が形成さ
    れ、複数の微小孔の各々が実質的に等間隔に配置された
    多孔状層が、実質的に一定の厚さを有する様に形成され
    る円筒形多孔状感光体の製造方法であり、 前記複数の微小孔の各々と対をなす形状であり、複数の
    突起を有する凸像型を形成する第1ステップと、 前記光導電層上に、柔軟性を有する液状樹脂層を実質的
    に均一な厚さを有する様に形成する第2ステップと、 前記凸像型の前記突起により前記液状樹脂層を穿孔する
    第3ステップと、 前記液状樹脂層に対する硬化促進手段により、前記液状
    樹脂層中に穿孔された突起が引抜かれる様に、前記液状
    樹脂層を硬化させる第4ステップと、 前記凸像型が引抜かれた後、前記液状樹脂層を完全に硬
    化させる第5ステップと、から成る事を特徴とする多孔
    状感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】透光性支持体上に透光性導電層と光導電層
    とが順次積層された感光体上に、表面に電極層が形成さ
    れ、複数の微小孔の各々が実質的の等間隔に配置された
    多孔状層が、実質的に一定の厚さを有する様に形成され
    る円筒形多孔状感光体の製造方法であり、 円筒管内壁に、前記複数の微小孔の各々と対をなす形状
    の、複数の突起を有する円筒状の凸像型を形成する第1
    ステップと、 前記円筒状感光体を前記円筒管中心に挿入する第2ステ
    ップと、 前記光導電層と前記凸像型との間に、柔軟性を有する液
    状樹脂を注入する第3ステップと、 前記液状樹脂層に対する硬化促進手段により、前記液状
    樹脂層中に埋設された前記突起が引抜かれる様に、前記
    液状樹脂層を硬化させる第4ステップと、 前記凸像型が引抜かれた後、前記液状樹脂層を完全に硬
    化させる第5ステップと、から成る事を特徴とする多孔
    状感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】透光性支持体上に透光性導電層と光導電層
    とが順次積層される感光体上に、表面に電極層が形成さ
    れ、複数の微小孔の各々が実質的に等間隔に配置された
    多孔状層が、実質的に一定の厚さを有する様に形成され
    る円筒形多孔状感光体の製造方法であり、 前記光導電層上に、前記複数の微小孔の各々と実質的に
    同一の間隔を隔てて配置され、前記複数の微小孔の各々
    と対をなす形状の、複数の突起を形成する第1ステップ
    と、 前記光導電層上に、柔軟性を有する液状樹脂層を実質的
    に均一厚さを有する様に形成する第2ステップと、 前記液状樹脂層を硬化させる第3ステップと、 前記硬化された液状樹脂層上に電極層を形成する第4ス
    テップと、 前記突起を除去する第5ステップと、から成る事を特徴
    とする多孔状感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記突起は、光硬化性液状樹脂により形成
    される事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の
    多孔状感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記突起は、光硬化性のドライフィルムに
    より形成される事を特徴とする請求項1乃至3の何れか
    に記載の多孔状感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記円筒管は該内径に精密加工が施されて
    おり、 前記円筒管は、前記光導電層と前記突起先端との表面
    が、実質的に均一な間隔を隔てて互いに対峙される様に
    用いられる事を特徴とする請求項記載の多孔状感光体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】前記突起の高さは、前記樹脂の厚さに比し
    て実質的に高い事を特徴とする請求項1乃至2の何れか
    に記載の多孔状感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記突起が除去される際、前記突起のみが
    剥離され、硬化後の前記液状樹脂層が実質的に浸食され
    ない溶剤が用いられる事を特徴とする請求項記載の多
    孔状感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記液状樹脂は、光硬化性液状樹脂である
    事を特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の多孔状
    感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記液状樹脂は、熱硬化性液状樹脂であ
    る事を特徴とする請求項又は記載の多孔状感光体の
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記光導電層上に対する前記液状樹脂層
    の形成処理と、前記液状樹脂層に対する穿孔処理と、前
    記液状樹脂に対する硬化処理は、 前記感光体の回転に関して、1周期内に連続して実行さ
    れる事を特徴とする請求項記載の多孔状感光体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】前記液状樹脂層が前記光導電層上に塗布
    された場合、 前記液状樹脂が硬化された時に、前記硬化された液状樹
    脂の樹脂硬度は、前記液状樹脂が完全に硬化された時の
    硬度以下である事を特徴とする請求項或いは
    10の何れかに記載の多孔状感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】前記感光体は、有機感光体である事を特
    徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の多孔状感光
    体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記突起部分以外の不要樹脂の除去処理
    において、前記液状樹脂に可溶な溶剤が適用され、 前記溶剤はミスト状且つ高圧気流中に乗せられ、被対象
    物に噴射される事を特徴とする請求項或いは8の
    何れかに記載の多孔状感光体の製造方法。
  15. 【請求項15】円筒形の前記感光体の外径は、70mm
    以上である事を特徴とする請求項記載の多孔状感光体
    の製造方法。
  16. 【請求項16】前記光硬化性液状樹脂を硬化させる為の
    露光光は、前記感光体を透過する事を特徴とする請求項
    記載の多孔状感光体の製造方法。
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