JP3215691U - 蒸気流路開閉弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシングの内面と整流体の基端部との溶接部に作用する熱応力を低減させる蒸気流路開閉弁を提供する。【解決手段】主蒸気ラインに設けられ、内部流路11と、内部流路に連通して略直角方向へと流路の向きが変わるように設けられる蒸気入口部12及び蒸気出口部13を有するとともに金属材料により形成されたケーシング10と、蒸気出口部13の中心軸線Xに沿って移動して蒸気出口部を開状態または閉状態に切り替える弁体30と、蒸気入口部12に対向するケーシングの内面に配置されて蒸気入口部から流入する蒸気を蒸気出口部側に案内するとともに金属材料により形成された中実の整流体40と、を備え、整流体は、溶接によりケーシングの内面に接合されている。【選択図】図2

Description

本考案は、整流体を備える蒸気流路開閉弁に関する。
従来、ボイラで発生した主蒸気の蒸気タービンへの供給状態を切り替える開閉弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示される開閉弁は、ケーシングの入口から出口に蒸気を案内するために、ケーシングの入口に対向するケーシングの内周面に本考案の整流体に相当するバッフルを取り付けたものである。
特許第6071831号公報
しかしながら、特許文献1の開閉弁は、バッフルを貫通する取付孔に締結ボルトを挿入し、ケーシングに形成したねじ孔に締結ボルトを締結しているものがある。ケーシングの内面の温度差があると、締結ボルトに応力が発生して締結ボルトのネジ溝からクラックが発生し易いという問題がある。
また、ケーシングにねじ孔を形成せず、薄板状のバッフルをケーシングの内面に溶接で接合する場合、ケーシングより厚さが薄い薄板状のバッフルが蒸気タービンの起動時にケーシングより早期に温度が上昇して高温となる。そのため、起動時に温度上昇の遅いケーシングの内面と、温度上昇の早いバッフルの基端部との溶接部に熱膨張による熱延び差により熱応力が作用し、溶接部による接合部付近にクラックが発生してしまう可能性がある。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ケーシングの内面と整流体の基端部との溶接部に作用する熱応力を低減させることが可能な蒸気流路開閉弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案の蒸気流路開閉弁は以下の手段を採用する。
本考案の一態様にかかる蒸気流路開閉弁は、蒸気流路に設けられ、内部流路と、該内部流路に連通するように略直角方向へと流路の向きが変わるように設けられる蒸気入口部及び蒸気出口部を有するとともに金属材料により形成されたケーシングと、前記蒸気出口部の中心軸線に沿って移動して前記蒸気出口部を開状態または閉状態に切り替える弁体と、前記蒸気入口部に対向する前記ケーシングの内面に配置されて前記蒸気入口部から流入する蒸気を前記蒸気出口部側に案内するとともに金属材料により形成された中実の整流体と、を備え、前記整流体は、溶接により前記ケーシングの内面に接合されている。
本考案の一態様にかかる蒸気流路開閉弁によれば、蒸気入口部に対向するケーシングの内面に中実の整流体が配置されるため、薄板状の整流板よりも熱容量が大きくなり、ケーシングの内面と整流体との温度差が生じにくくなる。そのため、蒸気タービンの起動時にケーシングの内面と整流体の基端部との間に作用する熱延び差による熱応力を低減させることができ、溶接部付近でのクラックの発生を抑制することができる。
本考案の一態様にかかる蒸気流路開閉弁において、前記ケーシングは、鍛造によって形成されていてもよい。
ケーシングが鍛造によって形成されているため、鋳造により形成する場合のように内部に巣が形成されてクラックが発生する不具合が生じることがない。
本考案の一態様にかかる蒸気流路開閉弁において、前記整流体は、前記蒸気出口部の中心軸線に直交する断面における基端部の形状が、前記ケーシングの内面に向けて先細りとなる形状であり、前記ケーシングの内面と前記整流体の前記基端部との間を開先として、該開先を溶接脚長とするように溶接により接合される構成でもよい。
上記構成の蒸気流路開閉弁によれば、整流体の基端部を先細り形状としてケーシングの内面との間に大きな開先を設けて開先を溶接脚長とするように溶接接合することにより、溶接部の接合力が大きくなるとともに、溶接部の熱容量と熱伝達量が大きくなり、ケーシングの内面と溶接部の温度差が生じにくくなる。そのため、蒸気タービンの起動時にケーシングの内面と溶接部との間に作用する熱応力を低減させることができる。
上記構成にかかる蒸気流路開閉弁においては、前記蒸気出口部の中心軸線回りの周方向において、前記基端部の周囲に形成される溶接部の幅が、前記整流体の先端部の幅よりも長くてもよい。
溶接部の幅を整流体の先端部の幅よりも長くすることにより溶接部の熱容量が大きくなり、ケーシングの内面と溶接部の温度差が更に生じにくくなる。そのため、蒸気タービンの起動時にケーシングの内面と溶接部との間に作用する熱延び差による熱応力を更に低減させることができる。
本考案の一態様にかかる蒸気流路開閉弁において、前記整流体は、前記蒸気出口部の中心軸線に沿った方向に3以上の整流部材に分割される構成としてもよい。
上記構成の蒸気流路開閉弁によれば、整流体が中心軸線に沿った方向に3以上の整流部材に分割されているため、各整流部材の熱延び量が小さくなる。このため整流体を一体に形成する場合に比べて、各整流部材とケーシングとの熱延び差が小さくなる。そのため、整流体を一体に形成する場合に比べて、蒸気タービンの起動時にケーシングの内面と各整流部材の溶接部との間に作用する熱延び差による熱応力を更に低減させて、溶接部付近でのクラックの発生を抑制することができる。
上記構成にかかる蒸気流路開閉弁において、前記蒸気出口部の中心軸線に沿った方向における前記整流部材の基端部のが、端部に略円弧形状の開先が形成され、前記ケーシングの内面と前記整流部材の前記基端部との間を開先として、溶接により接合される構成でもよい。
整流部材の蒸気出口部の中心軸線に沿った端部に略円弧形状の開先を形成することにより、整流体が3以上の整流部材に分割されている場合であっても、それぞれの整流部材に対して、蒸気出口部の中心軸線に沿った方向の端部に隣接する整流部材に干渉することなく溶接部を形成することが可能となる。
本考案によれば、ケーシングの内面と整流体の基端部との溶接部に作用する熱応力を低減させることが可能な蒸気流路開閉弁を提供することができる。
蒸気タービンシステムを示す概略構成図である。 図1に示す主蒸気止め弁の縦断面図である。 図2に示す主蒸気止め弁のI-I矢視断面図である。 図2に示す整流体の部分拡大図である。 図3に示す整流体の部分拡大図である。 比較例の整流体を示す図である。 蒸気タービンシステムの起動時における主蒸気止め弁の各位置と温度の関係を示す図である。
以下に、本考案に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の蒸気タービンシステム200は、例えば高圧タービン101と、中圧タービン102と、低圧タービン103と、発電機104とを同軸に連結したものである。ボイラ105は、主蒸気ライン106により高圧タービン101の蒸気入口に連結され、主蒸気ライン(蒸気流路)106に主蒸気止め弁100と主蒸気加減弁108が設けられている。
高圧タービン101の蒸気出口は、低温再熱ライン109によりボイラ105の再熱器(図示略)に連結され、更に高温再熱ライン110により中圧タービン102の蒸気入口に連結され、高温再熱ライン110に再熱蒸気止め弁111と再熱蒸気加減弁112が設けられている。中圧タービン102の蒸気出口は、クロスオーバライン113により低圧タービン103の蒸気入口に連結されている。そして、この低圧タービン103の蒸気出口には、復水器114が設けられていて蒸気が凝縮して復水になり、この復水器114の復水出口は、復水ライン115により給水としてボイラ105の給水入口に連結され、復水ライン115の途中には給水ポンプ116が設けられている。
従って、ボイラ105で発生した主蒸気は、主蒸気ライン106を通り、主蒸気止め弁100及び主蒸気加減弁108を経て高圧タービン101に送られて膨張仕事を行う。そして、高圧タービン101で仕事をした蒸気は、低温再熱ライン109を経てボイラ105の再熱器に送られて再熱され、高温再熱ライン110を通り、再熱蒸気止め弁111及び再熱蒸気加減弁112を経て中圧タービン102に送られる。
その後、中圧タービン102で膨張仕事をした蒸気は、クロスオーバライン113を通って低圧タービン103に送られる。この低圧タービン103で膨張仕事をした蒸気は、復水器114で凝縮して復水にされ、給水ポンプ116により給水として復水ライン115を通ってボイラ105に還流される。そして、発電機104は、各タービン101,102,103により回転駆動されることで発電を行う。
次に、本実施形態の主蒸気止め弁(蒸気流路開閉弁)100について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、本実施形態の主蒸気止め弁100は、ケーシング10と、ストレーナ20と、弁体30と、整流体40と、溶接部50と、を備える。
ケーシング10は、弁体30を収容するとともに主蒸気が流通する内部流路11と、内部流路11に連通するように略直角方向へと流路の向きが変わるように設けられる蒸気入口部12及び蒸気出口部13を有する筐体である。本実施形態の主蒸気止め弁100は、例えば500℃〜600℃の高温高圧の主蒸気の流通を遮断可能なものである。ケーシング10は、金属材料(例えば、高温鍛造用合金鋼)を用いて形成され、高圧の主蒸気による内圧への強度を確保できるよう、例えば100mmを超える厚い肉厚を設けるとともに、鍛造により形成されていると好ましい。
蒸気入口部12は、中心軸線Yに沿って延びるように形成されており、主蒸気ライン106から導かれる主蒸気を中心軸線Yに沿って内部流路11へ導く。蒸気出口部13は、中心軸線Xに沿って延びるように形成されており、内部流路11を流通する主蒸気を中心軸線Xに沿って主蒸気ライン106へ導く。中心軸線Yと中心軸線Xは、本実施形態では略直角に交差している。
ストレーナ20は、中心軸線Xに沿って延びる円筒状の部材であり、外周部から内周部へ主蒸気を導くための複数の小孔(図示略)が形成されている。小孔の径は、高圧タービン101へ所定サイズ以上の異物が導かれないように設定されている。また、ストレーナ20は、蒸気入口部12から内部流路11へ導かれた主蒸気を、中心軸線X回りの周方向の各位置から流量の差が大きくならないように蒸気出口部13へ導く機能を有する。
弁体30は、蒸気出口部13の中心軸線Xに沿って移動して蒸気出口部13を開状態または閉状態に切り替える部材である。図2は、弁体30が蒸気出口部13を閉状態に切り替えた状態を示す。弁体30は、駆動機構(図示略)により中心軸線Xに沿って進退する駆動力が与えられる。弁体30が蒸気出口部13を開状態とする場合に、蒸気入口部12から内部流路11へ導かれた主蒸気が蒸気出口部13へ導かれる。
整流体40は、蒸気入口部12に対向するケーシング10の内面に配置されて蒸気入口部12から流入する蒸気を蒸気出口部13側に案内する部材である。整流体40は、金属材料(例えば、ケーシング10と類似の高温用合金鋼)により形成された中実の部材である。図2に示すように、整流体40は、中心軸線Xと平行な軸線に沿って延びるように形成されており、基端部40aが溶接によりケーシング10の内面に溶接接合されている。
整流体40は、蒸気入口部12から流入してストレーナ20の外周面に沿った時計回りと反時計回りの2方向で内部流路11を流通する主蒸気が突き当たる位置に配置されている。整流体40を配置することで、内部流路11を2方向に流通する主蒸気が直接衝突して大きく乱れた流れが発生することが抑制され、主蒸気の流路の向きは略直角方向の蒸気出口部13に向かう中心軸線Xに沿った方向に変える。
蒸気タービンシステム200の起動時においては、ケーシング10は肉厚が厚いために熱容量が大きく、ケーシング10の内面の温度上昇は遅くなる。一方、ケーシング10の内面に溶接接合された整流体40は中実の部材であるものの、ケーシング10よりもサイズが小さいために熱容量がケーシング10よりも小さいために、整流体40の温度上昇はケーシング10よりも早くなり易い。このため起動時においては、ケーシング10の内面と整流体40の熱延び差をさらに小さくすることが好ましい。
図4の拡大図に示すように、整流体40は、中心軸線Xに沿った方向に分割され、本実施形態では例えば、第1整流部材41,第2整流部材42,第3整流部材43,第4整流部材44の4つに分割されている。整流体40を4つに分割することで、各整流部材41,42,43,44の中心軸線X方向の長さが短くなり、温度上昇による熱延び量が小さくなる。
このため、整流体40を一体に形成する場合に比べて、各整流部材41,42,43,44とケーシング10との熱延び差が小さくなるからである。そのため、整流体40を一体に形成する場合に比べて、ケーシング10の内面と各整流部材41,42,43,44の溶接部との間に作用する熱延び差による熱応力を低減させて、溶接部50付近でのクラックの発生を抑制することができる。
なお、整流体40は、ケーシング10との熱延び差との関係で使用上の問題がなければ、複数に分割せずに一体に形成してもよい。
第1整流部材41の基端部41aには、中心軸線Xに沿った方向の一端部に略円弧状の開先41bが形成されている。第2整流部材42の基端部42aには、中心軸線Xに沿った方向の両端部に略円弧状の開先42bが形成されている。第3整流部材43の基端部43aには、中心軸線Xに沿った方向の両端部に略円弧状の開先43bが形成されている。第4整流部材44の基端部44aには、中心軸線Xに沿った方向の一端部に略円弧状の開先44bが形成されている。
開先41bと開先41bに隣接する開先42bは、略円弧状の開先形状とすることで、隣接する整流部材間で干渉することなく溶接作業が可能であり、第1整流部材41と第2整流部材42とを隣接して配置した状態で、これらを溶接によりケーシング10の内面に接合するために設けられている。同様に、開先42bと開先42bに隣接する開先43bは、第2整流部材42と第3整流部材43とを隣接して配置した状態でこれらを溶接によりケーシング10の内面に接合するために設けられている。開先43bと開先43bに隣接する開先44bは、第3整流部材43と第4整流部材44とを隣接して配置した状態でこれらを溶接によりケーシング10の内面に接合するために設けられている。
後述するように、各整流部材41,42,43,44は、中心軸線Xに直交する断面における基端部40aの形状がケーシング10の内面に向けて先細りとなる形状として溶接部50を設けてあるため、開先41b,42b,43b,44bと基端部41a,44aに溶接を行うことで、各整流部材41,42,43,44の全周囲にわたり、ケーシング10の内面に溶接接合することができる。
図5の拡大図に示すように、整流体40(または各整流部材41,42,43,44)は、中心軸線Xに直交する断面における基端部40aの形状がケーシング10の内面に向けて先細りとなる形状となっている。整流体40は、ケーシング10の内面と整流体40の基端部40aとの間を開先として、この開先を溶接脚長とするように溶接によりこの開先の全てが接合されている。溶接部50は、ケーシング10の内面と整流体40の基端部40aとの間を開先として溶接材料により溶接して形成した部分である。
図5に示すように、中心軸線X回りの周方向において、基端部40aの周囲に形成される溶接部50の幅W2(例えば80〜120mm)は、整流体40の先端部40bの幅W1(例えば、50〜80mm)よりも長くなっている。これにより、溶接部分の接合力が大きくなるとともに、溶接部50の熱容量が大きくなり、ケーシングの内面と溶接部50の温度差が更に生じにくくなる。そのため、蒸気タービンシステム200の起動時に、ケーシング10の内面と溶接部50との間に作用する熱応力を低減させることができる。
次に、図6及び図7を参照し、本実施形態の整流体40及び溶接部50と比較例の整流体40A及び溶接部50Aを対比して説明する。
図6に示すように、比較例の整流体40Aは、中心軸線Xに直交する断面における基端部40Aaの形状がケーシング10の内面に向けて拡大する形状となっている。整流体40Aは、ケーシング10の内面と整流体40Aの基端部40Aaとの間を開先として溶接により接合されている。
溶接部50Aは、ケーシング10の内面と整流体40Aの基端部40Aaとの間を開先として溶接材料により溶接して形成した部分である。従い、中心軸線Xに直交する断面における比較例の基端部40Aaの形状は、本実施形態の整流体40及び溶接部50とは、ケーシング10の内面に向けて先細りとなる形状ではなく溶接部50が設けられていないところが異なる。
図6に示すように、比較例の整流体40Aは基端部40Aaの形状がケーシング10の内面に向けて拡大する形状となっているため、本実施形態の溶接部50と比べて、比較例の溶接部50Aが小さくなっている。そのため、本実施形態の溶接部50の熱容量よりも、比較例の溶接部50Aの熱容量は小さく、また本実施形態の溶接部50の熱伝達量よりも、比較例の溶接部50Aの熱伝達量は小さい。
図7は、蒸気タービンシステム200の起動時における主蒸気止め弁100の各位置と温度の関係を示す図である。図7の位置P0は図6の位置P0に対応しており、整流体40(40A)の先端部40b(40Ab)の位置を示している。また、図7の位置P1は図6の位置P1に対応しており、整流体40と溶接部50の境界位置を示している。また、図7の位置P2は図6の位置P2に対応しており、溶接部50(50A)とケーシング10との境界位置を示している。また、図7の位置P3は図6の位置P3に対応しており、ケーシング10の内部の位置を示している。
蒸気タービンシステム200の停止時には、主蒸気止め弁100の内部が熱容量の差による温度上昇の違いの影響が無く整定状態になっており、主蒸気止め弁100の位置P0〜P3の各位置において大きな温度差は大きく発生していない。一方、蒸気タービンシステム200の起動時には、高温の主蒸気が冷態の主蒸気止め弁100の内部流路11に流入するため、内部流路11に隣接する位置P0,位置P1の温度が急上昇し、位置P0の温度はT1となる。この際、ケーシング10と溶接部50(50A)との境界位置で大きな温度差が発生すると、溶接部50に大きな熱応力が発生してしまう。
図7に示すように、本実施形態の溶接部50の熱容量と熱伝達量が比較例の溶接部50Aの熱容量と熱伝達量よりも大きいため、本実施形態の位置P2から位置P1近傍における温度変化が比較例の位置P2から位置P1近傍における温度変化よりも緩やかになっている。よって、本実施形態のケーシング10の内面と溶接部50との間に作用する熱延び差により溶接部50に発生する熱応力は、比較例の溶接部50Aに発生する熱応力に比べて小さい。
以上説明した本実施形態の主蒸気止め弁100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の主蒸気止め弁100によれば、蒸気入口部12に対向するケーシング10の内面に中実の整流体40が配置されるため、薄板状で構成された整流板よりも熱容量が大きくなり、ケーシング10の内面と整流体40との温度差が生じにくくなる。そのため、蒸気タービンの起動時にケーシング10の内面と整流体40の基端部40aとの間に作用する熱延び差による熱応力を低減させることができ、溶接部50付近でのクラックの発生を抑制することができる。
本実施形態の主蒸気止め弁100において、ケーシング10は、鍛造によって形成されているため、鋳造により形成する場合のように内部に巣が形成されてクラックが発生する不具合が生じることがない。
本実施形態の主蒸気止め弁100において、整流体40は、中心軸線Xに直交する断面における基端部40aの形状がケーシング10の内面に向けて先細りとなる形状であり、ケーシング10の内面と整流体40の基端部40aとの間を開先として、この開先を溶接脚長とするように溶接により接合されている。
本実施形態の主蒸気止め弁100によれば、整流体40の基端部40aを先細り形状としてケーシング10の内面との間に大きな開先を設けて開先を溶接脚長とするように溶接接合することにより、溶接部50の接合力が大きくなるとともに、溶接部50の熱容量と熱伝達量が大きくなり、ケーシング10の内面と溶接部50の温度差が生じにくくなる。そのため、蒸気タービンの起動時にケーシング10の内面と溶接部50との間に作用する熱応力を低減させることができる。
本実施形態の主蒸気止め弁100においては、蒸気出口部13の中心軸線X回りの周方向において、整流体40の基端部40aの周囲に形成される溶接部50の幅W2が、整流体40の先端部40bの幅W1よりも長い。
溶接部50の幅W2を整流体40の先端部40bの幅W1よりも長くすることにより溶接部50の熱容量が大きくなり、ケーシング10の内面と溶接部50の温度差が更に生じにくくなる。そのため、蒸気タービンの起動時にケーシング10の内面と溶接部50との間に作用する熱延び差による熱応力を更に低減させることができる。
本実施形態の主蒸気止め弁100において、整流体40は、蒸気出口部13の中心軸線Xに沿った方向に3つ以上の整流部材に分割され、例えば4つの整流部材に分割されている。
本実施形態の主蒸気止め弁100によれば、整流体40が蒸気出口部13の中心軸線Xに沿った方向に例えば4つの整流部材41,42,43,44に分割されているため、各整流部材の熱延び量が小さくなる。このため整流体40を一体に形成する場合に比べて、各整流部材とケーシング10との熱延び差が小さくなる。
そのため、整流体40を一体に形成する場合に比べて、蒸気タービンシステム200の起動時にケーシング10の内面と各整流部材の溶接部50との間に作用する熱延び差による熱応力を更に低減させて、溶接部50付近でのクラックの発生を抑制することができる。なお、ここでは、一例として4つの整流部材41,42,43,44に分割するものとしたが、ケーシング10との熱延び差との関係で使用上の問題がなければ、3以上の任意の数の整流部材に分割してもよい。
本実施形態の主蒸気止め弁100において、蒸気出口部13の中心軸線Xに沿った方向における整流部材41,42,43,44の基端部41a,42a,43a,44aの形状が、端部に略円弧形状の開先41b,42b,43b,44bが形成され、ケーシング10の内面と整流部材41,42,43,44の基端部41a,42a,43a,44aとの間を開先として、溶接により接合されるよう構成されている。
整流部材41,42,43,44の蒸気出口部13の中心軸線Xに沿った端部に略円弧形状の開先41b,42b,43b,44bを形成することにより、整流体40が3以上の整流部材に分割されている場合であっても、それぞれの整流部材に対して、蒸気出口部13の中心軸線Xに沿った方向の端部に隣接する整流部材に干渉することなく溶接部を形成することが可能となる。
10 ケーシング
11 内部流路
12 蒸気入口部
13 蒸気出口部
20 ストレーナ
30 弁体
40 整流体
41 第1整流部材
42 第2整流部材
43 第3整流部材
44 第4整流部材
50 溶接部
100 主蒸気止め弁(蒸気流路開閉弁)
200 蒸気タービンシステム

Claims (6)

  1. 蒸気流路に設けられる蒸気流路開閉弁であって、
    内部流路と、該内部流路に連通するように略直角方向へと流路の向きが変わるように設けられる蒸気入口部及び蒸気出口部を有するとともに金属材料により形成されたケーシングと、
    前記蒸気出口部の中心軸線に沿って移動して前記蒸気出口部を開状態または閉状態に切り替える弁体と、
    前記蒸気入口部に対向する前記ケーシングの内面に配置されて前記蒸気入口部から流入する蒸気を前記蒸気出口部側に案内するとともに金属材料により形成された中実の整流体と、を備え、
    前記整流体は、溶接により前記ケーシングの内面に接合されている蒸気流路開閉弁。
  2. 前記ケーシングは、鍛造によって形成されている請求項1に記載の蒸気流路開閉弁。
  3. 前記整流体は、前記蒸気出口部の中心軸線に直交する断面における基端部の形状が前記ケーシングの内面に向けて先細りとなる形状であり、前記ケーシングの内面と前記整流体の前記基端部との間を開先として、該開先を溶接脚長とするように溶接により接合されている請求項1または請求項2に記載の蒸気流路開閉弁。
  4. 前記蒸気出口部の中心軸線回りの周方向において、前記基端部の周囲に形成される溶接部の幅が、前記整流体の先端部の幅よりも長い請求項3に記載の蒸気流路開閉弁。
  5. 前記整流体は、前記蒸気出口部の中心軸線に沿った方向に3以上の整流部材に分割されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蒸気流路開閉弁。
  6. 前記蒸気出口部の中心軸線に沿った方向における前記整流部材の基端部が、端部に略円弧形状の開先が形成され、前記ケーシングの内面と前記整流部材の前記基端部との間を開先として溶接により接合されている請求項5に記載の蒸気流路開閉弁。
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