JP7295714B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、熱交換器に関する。
気体が高速で流れる配管の途中に、一端が配管に連通するように開口し、他端が閉口した細管が設けられていると、細管内で圧力変動が生じる場合がある。この場合、この圧力変動により熱音響効果が生じて、細管が発熱する現象が起こる。
特開2014-211140号公報 特開2015-140686号公報 特開2016-136002号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱音響効果を高めることが可能な熱交換器を提案することである。
一実施形態に係る熱交換器は、配管と、一端が配管の内径よりも小さな口径で開口し、他端が閉口した複数の細管と、を備える。複数の細管が、配管内で、配管の軸方向および周方向のそれぞれに沿って放射状に配置されている。
本実施形態によれば、熱音響効果を高めることが可能となる。
第1実施形態に係る熱交換器が設置された蒸気タービン発電システムの構成の一例を示す系統図である。 第1実施形態に係る熱交換器の内部を透視した図である。 第1実施形態に係る熱交換器の一部を軸方向に平行に切断した断面図である。 第1実施形態に係る熱交換器を軸方向に垂直に切断した断面図である。 第2実施形態に係る熱交換器の内部を透視した図である。 第3実施形態に係る熱交換器の一部を軸方向に平行に切断した断面図である。 第3実施形態に係る熱交換器を軸方向に垂直に切断した断面図である。 (a)は、第4実施形態に係る熱交換器の一部を概略的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す熱交換器の一部を拡大した断面図である。 (a)は、第5実施形態に係る熱交換器の構成を模式的に示す図であり、(b)は、(a)に示す熱交換器の一部を拡大した図である。 第6実施形態に係る熱交換器の構成を模式的に示す図である。 第7実施形態に係る熱交換器の一部を軸方向に平行に切断した断面図である。 第7実施形態に係る熱交換器を軸方向に垂直に切断した断面図である。 (a)は、第8実施形態に係る熱交換器の構成を模式的に示す図であり、(b)は、(a)に示す熱交換器の一部を拡大した図である。 第9実施形態に係る熱交換器の一部を軸方向に平行に切断した断面図である。 第9実施形態の変形例に係る熱交換器の一部を軸方向に平行に切断した断面図である。 第10実施形態に係る熱交換器の一部を軸方向に平行に切断した断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。下記の実施形態は、本発明を限定するものではない。また、下記の実施形態では、熱交換器は、主に、蒸気タービン発電システムに設置されているが、熱交換器の用途は蒸気タービン発電システムに限定されない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る熱交換器が設置された蒸気タービン発電システムの構成の一例を示す系統図である。
図1に示す蒸気タービン発電システム1は、熱交換器10a、高圧タービン11、中圧タービン12、低圧タービン13、発電機14、復水器15、ボイラ給水ポンプ16、ボイラ17、主蒸気管18、低温再熱管19、再熱器20、高温再熱管21、クロスオーバ管22、過熱器23などを有する。
蒸気タービン発電システム1では、主蒸気が、ボイラ17の過熱器23で過熱されて流出する。この主蒸気は、主蒸気管18に設けられた熱交換器10aを経て高圧タービン11に流入する。流入した蒸気は、高圧タービン11で膨張した後、排気され、低温再熱管19を経てボイラ17の再熱器20に流入する。ボイラ17は、流入した蒸気を再熱器20により再熱する。再熱された蒸気は、高温再熱管21を経て中圧タービン12に流入する。流入した蒸気は、中圧タービン12で膨張した後、排気され、クロスオーバ管22を経て低圧タービン13に流入する。流入した蒸気は、低圧タービン13で膨張した後、排気され、復水器15で復水され、ボイラ給水ポンプ16で昇圧されてボイラ17に還流される。ボイラ17に還流された復水は、加熱された後、過熱器23で過熱されて高温蒸気となり、再び熱交換器10aを経て高圧タービン11へ供給される。一方、発電機14は、各蒸気タービンの膨張仕事によって回転駆動され発電する。
図2は、第1実施形態に係る熱交換器10aの内部を透視した図である。図3は、熱交換器10aの一部を軸方向Xに平行に切断した断面図である。また、図4は、熱交換器10aを軸方向Xに垂直に切断した断面図である。
図2~図4に示すように、本実施形態に係る熱交換器10aは、外管101、内管102、および複数の細管103などを備える。外管101と、外管101に収容された内管102とは、二重構造を有する配管である。外管101および内管102は、細管103で連結されている。また、外管101は、断熱材106で覆われている。
複数の細管103は、内管102を中心に軸方向Xおよび周方向のそれぞれに沿って放射状に等間隔に配置されている。各細管103の一端は、内管102の内部空間104に連通するように開口している。各細管103の口径Lは、内管102の内径よりも小さい。一方、各細管103の他端は、外管101で閉口している。
本実施形態では、ボイラ17から流出した高速の蒸気である流体107は、図2に示す弁109で絞られるため、さらに高速となって内管102に流入する。なお、弁109は、例えば、主蒸気止め弁(MSV)や流量制御弁(CV)などである。
内管102の周方向および軸方向Xには、一端が内管102の内部空間104に連通し、他端が外管101で閉口した複数の細管103が放射状に配置されている。そのため、流体107が各細管103の一端である入口を横断する際、熱音響効果によって、いわゆるキャビティ音と呼ばれる音が発生して各細管103の内部で熱が発生する。
本実施形態では、図2に示すように、軸方向Xにおいて、内管102の他端は開口している一方で外管101の他端は閉口している。そのため、流体107は、内管102から流出した後、外管101の内形状(鏡板)に沿って反転する。反転した流体107は、被流体108となって、外管101の内側、内管102の外側、および細管103の外側に囲まれた外部空間105を、流体107と反対方向に流れる。
被流体108は、外部空間105を流れる際、発熱した細管103との熱交換によって加熱される。加熱された被流体108は、外部空間105に連通する出口110を経て、高圧タービン11に向かう。
本実施形態に係る熱交換器10aには、多数の細管103が、内管102の周方向および軸方向Xに沿って設けられている。そのため、高速の流体107が内管102を流れると、各細管103が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、図3および図4に示すように、外管101は、断熱材106で覆われている。そのため、熱交換器10aから外部への熱エネルギの漏洩を防ぐことも可能となる。
さらに、本実施形態では、複数の細管103の配置に関し、軸方向Xの中心軸間距離B(図3参照)が、キャビティ音の波長λの整数倍になっている。これにより、音波の位相が揃い、連成振動が起こる。その結果、各細管103の圧力変動は増幅され、効率よく発熱させることが可能となる。
上記中心軸間距離Bは、下記の式(1)式で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。
=nD(4+2.6(L/D0.75) (1)
式(1)において、nは自然数であり、Dは、各細管103の深さ(一端から他端までの距離)であり、Lは、各細管103の口径である。
中心軸間距離Bが、上記のように規定されると、連成振動を誘起するロックイン現象が生じる。その結果、キャビティ音は増幅され、効率よく発熱させることが可能となる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、流体107および被流体108は、互いに反対方向に流れているが、両者は同じ方向に流れていてもよい。すなわち、流体107および被流体108の流れの向きは、特に制限されない。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る熱交換器10bの内部を透視した図である。上述した第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る熱交換器10bは、プラントの熱交換器システムに用いられる。図5に示すように、熱交換器10bは、外管101および内管102を有する二重構造である。外管101は、仕切り板120で上下に分けられている。ただし、仕切り板120は、軸方向Xの途中で終端しているため、外部空間105は、上下で繋がっている。
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、内管102の周方向および軸方向Xの其々沿って複数の細管103が内管102を取り囲む放射状に配置され、各細管103の一端は開口して内管102の内部空間104に連通している。そのため、流体107が内管102の内部空間104を流れると、熱音響効果によって、キャビティ音が発生して細管103が発熱する。また、図5には示されていないが、外管101は、第1実施形態と同様に断熱材106で囲まれている。そのため、熱音響効果によって発生した熱エネルギの外部への漏洩を防ぐことができる。
本実施形態に係る熱交換器10bでは、図5に示すように、被流体108が、外管101に設けられたノズル111から流入し、仕切り板120で仕切られた外部空間105の下半部を軸方向Xに沿って流れる。その後、被流体108は、外管101の閉口端で反転して外部空間105の上半部を逆方向に流れ、最終的にノズル112から排出される。被流体108は、外部空間105を流れる際、発熱した細管103との熱交換により加熱される。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、多数の細管103が、内管102の周方向および軸方向Xに沿って設けられている。そのため、高速の流体107が内管102を流れると、各細管103が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、効率よく発熱させるために、軸方向Xにおける細管103の中心軸間距離は、キャビティ音の波長λの整数倍になっていることが望ましい。また、中心軸間距離は、第1実施形態で説明した式(1)式で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。この場合も、連成振動を誘起するロックイン現象が生じるため、キャビティ音が増幅され、各細管103を効率よく発熱させることが可能となる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る熱交換器10cの一部を軸方向Xに平行に切断した断面図である。また、図7は、第3実施形態に係る熱交換器10cを軸方向Xに垂直に切断した断面図である。
図6および図7に示すように、本実施形態に係る熱交換器10cは、外管201で構成された一重構造を有する。外管201は、金属製であり、軸方向Xに沿って延びる中心孔211と、中心孔211を囲む厚肉部212と、を有する。厚肉部212は、断熱材206で覆われている。また、厚肉部212には、複数の細孔203が中心孔211の軸方向Xおよび周方向に沿って放射状に形成されている。複数の細孔203は、第1実施形態で説明した細管103に相当する。すなわち、各細孔203の一端は、中心孔211に連通するように開口し、他端は厚肉部212で閉口している。
熱交換器10cでは、中心孔211に流入した高速の流体107が各細孔203の一端を横断すると、熱音響効果によってキャビティ音が発生して各細孔203内部が発熱する。この熱は、外管101の厚肉部212を通じて流体107に伝達される。その結果、流体107は、各細孔203で発生した熱を回収した被流体108として中心孔211から流出する。すなわち、流体107は、細孔203の発熱とその熱回収の両方を担う作動流体として機能する。このとき、外管201の外側には断熱材206が設けられているので、各細孔203の熱エネルギの漏洩を防ぐことができる。
本実施形態によれば、多数の細孔203が、外管201の周方向および軸方向Xに沿って設けられている。そのため、高速の流体107が外管201の中心孔211を流れると、各細孔203が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、細孔203を効率よく発熱させるために、軸方向Xにおける細孔203の中心軸間距離は、キャビティ音の波長λの整数倍になっていることが望ましい。また、中心軸間距離は、第1実施形態で説明した式(1)式で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。この場合も、連成振動を誘起するロックイン現象が生じるため、キャビティ音が増幅され、各細孔203を効率よく発熱させることが可能となる。なお、本実施形態では、式(1)のDは、各細孔203の深さ(一端から他端までの距離)に相当し、Lは、各細孔203の口径に相当する。
(第4実施形態)
図8(a)は、第4実施形態に係る熱交換器10dの一部を概略的に示した斜視図である。図8(b)は、図8(a)に示す熱交換器10dの一部を拡大した断面図である。図8(a)および図8(b)に示すように、本実施形態に係る熱交換器10dは、複数の平板部材301および複数のキャビティ部302を備える。
複数の平板部材301は、金属プレートであり、厚さ方向Zで互いに平行に配置されている。複数のキャビティ部302は、各平板部材301から厚さ方向Zの下向きに突出した凸状に形成されている。各平板部材301において、複数のキャビティ部302は、長さ方向Xおよび幅方向Yに沿って点在している。
本実施形態では、図8に示すように、流体307が、平板部材301の間を長さ方向Xに沿って流れる。各平板部材301には、多数のキャビティ部302が設けられている。各キャビティ部302の一端は開口している一方で、他端は閉口している。そのため、流体307がキャビティ部302を横断すると、熱音響効果によってキャビティ音が発生してキャビティ部302が発熱する。この熱は、平板部材301に伝達されるので、平板部材301が加熱される。そのため、平板部材301の間を流れる流体307も加熱される。その結果、流体307は、各キャビティ部302で発生した熱を回収した被流体308として流出する。すなわち、流体307は、キャビティ部302の発熱とその熱回収の両方を担う作動流体として機能する。
本実施形態によれば、多数のキャビティ部302が、平板部材301の長さ方向Xおよび幅方向Yに沿って配置され行列状に配列されている。そのため、流体307が平板部材301の間を流れると、各キャビティ部302が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、複数のキャビティ部302の配置に関し、長さ方向Xの中心軸間距離B(図8(a)参照)が、キャビティ音の波長λの整数倍になっている。これにより、音波の位相が揃い、連成振動が起こる。その結果、各キャビティ部302の圧力変動は増幅され、効率よく発熱させることが可能となる。
中心軸間距離Bは、下記の式(2)で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。
=nD(4+2.6(L/D0.75) (1)
式(2)において、nは自然数であり、Dは、平板部材301の表面からの各キャビティ部302の深さであり、Lは、各キャビティ部302の長さ方向Xの口径である。
中心軸間距離Bが、上記のように規定されると、連成振動を誘起するロックイン現象が生じる。その結果、キャビティ音は増幅され、効率よく発熱させることが可能となる。
(第5実施形態)
図9(a)は、第5実施形態に係る熱交換器10eの構成を模式的に示す図である。図9(b)は、図9(a)に示す熱交換器10eの一部を拡大した図である。図9(a)および図9(b)に示すように、本実施形態に係る熱交換器10eは、外管401と、内管402と、複数のキャビティ部403と、を備える。
外管401および内管402は、同心円の二重構造を有する配管である。外管401の下端部には入口411が設けられ、上端部には出口412が設けられている。入口411と出口412は、軸方向Xで互いに離れて配置されている。
複数のキャビティ部403は、内管402の外側へ向かった凸状に形成されている。また、複数のキャビティ部403は、内管402の周方向および軸方向Xのそれぞれに沿って点在している。
本実施形態では、高温の流体407が、内管402を軸方向Xに流れる。この流体407が、各キャビティ部403を横断するときに、各キャビティ部403で圧力変動が生じる。これにより、キャビティ音が発生し、熱音響効果によって各キャビティ部403は発熱する。一方、外管401には、低温の被流体408が入口411から流入する。流入した被流体408は、キャビティ部403の周囲を通過する。このとき、被流体408は、各キャビティ部403で発生した熱によって加熱される。加熱された被流体408は出口412から流出する。
本実施形態によれば、多数のキャビティ部403が、内管402の周方向および軸方向Xに沿って設けられている。そのため、流体407が内管402を流れると、各キャビティ部403が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。また、低温の被流体408は、内管402と外管401の間隙を通過することによって、熱交換されるので、各キャビティ部403で発生した熱を有効に活用することができる。
また、本実施形態では、各キャビティ部403を効率よく発熱させるために、軸方向Xにおけるキャビティ部403の中心軸間距離Bは、キャビティ音の波長λの整数倍になっていることが望ましい。また、この中心軸間距離Bは、下記の式(3)で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。この場合も、連成振動を誘起するロックイン現象が生じるため、キャビティ音が増幅され、各キャビティ部403を効率よく発熱させることが可能となる。
=nD(4+2.6(L/D0.75) (3)
式(3)において、nは自然数であり、Dは、内管402から突出した各キャビティ部403の深さであり、Lは、各キャビティ部403の軸方向Xの口径である。
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態に係る熱交換器10fの構成を模式的に示す図である。図10に示すように、本実施形態に係る熱交換器10fは、外管501と、内管502と、複数の細管503と、複数のキャビティ部504と、を備える。
外管501および内管502は、同心円の二重構造を有する配管である。外管501の下端部には入口511が設けられ、上端部には出口512が設けられている。入口511と出口512は、軸方向Xで互いに離れて配置されている。
複数の細管503は、内管502に設けられ、入口511と対向する。複数のキャビティ部504は、内管502の内側へ向かって窪んだ凹状に形成されている。また、複数のキャビティ部504は、細管503よりも出口512側で、内管502の周方向および軸方向Xのそれぞれに沿って点在している。
本実施形態では、低温の被流体508が、内管502を軸方向Xに流れる。一方、外管501には、高温の流体507が入口511から流入する。流入した流体507は、入口511に対向する細管503に衝突した後、キャビティ部504を横断しながら出口512に向かって流れる。流体507が細管503に衝突したとき、およびキャビティ部504を横断するときに、圧力変動が細管503およびキャビティ部504のそれぞれで発生する。そのため、熱音響効果によって、キャビティ音が発生して細管503およびキャビティ部504が発熱する。その結果、被流体508が細管503およびキャビティ部504で発生した熱によって加熱される。
本実施形態によれば、多数の凹状のキャビティ部504が、内管502の周方向および軸方向Xに沿って設けられている。そのため、流体507が外管501を流れると、各キャビティ部504が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。また、低温の被流体508は、内管502を通過することによって、熱交換されるので、細管503および各キャビティ部504で発生した熱を有効に活用することができる。
また、本実施形態では、各キャビティ部504を効率よく発熱させるために、軸方向Xにおけるキャビティ部504の中心軸間距離は、キャビティ音の波長λの整数倍になっていることが望ましい。また、この中心軸間距離は、第5実施形態で説明した式(3)で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。この場合も、連成振動を誘起するロックイン現象が生じるため、キャビティ音が増幅され、各キャビティ部504を効率よく発熱させることが可能となる。なお、本実施形態では、式(3)におけるDは、内管502の表面から窪んだ各キャビティ部504の深さに相当し、Lは、各キャビティ部504の軸方向Xの口径に相当する。
(第7実施形態)
図11は、第7実施形態に係る熱交換器10gの一部を軸方向Xに平行に切断した断面図である。また、図12は、第7実施形態に係る熱交換器10gを軸方向Xに垂直に切断した断面図である。
本実施形態に係る熱交換器10gは、複数の円筒部材601および複数のキャビティ部602を備える。複数の円筒部材601は、図12に示すように、互いに同心円に配置され、支え羽根603によって固定されている。各円筒部材601は、例えば、第4実施形態で説明した複数の平板部材301(図8参照)を同心円の筒状に曲げることによって形成することができる。これにより、円筒部材601の設置スペースは、平板部材301の設置スペースに比べて削減することができる。
複数のキャビティ部602は、各円筒部材601の外側に向かって突出した凸状に形成されている。各円筒部材601において、複数のキャビティ部602は、軸方向Xおよび周方向に沿って点在している。
本実施形態では、図11に示すように、流体607が、円筒部材601の間を軸方向Xに沿って流れる。各円筒部材601には、多数のキャビティ部602が設けられている。各キャビティ部602の一端は開口している一方で、他端は閉口している。そのため、流体607がキャビティ部602を横断すると、熱音響効果によってキャビティ音が発生してキャビティ部602が発熱する。この熱は、円筒部材601に伝達されるので、円筒部材601が加熱される。そのため、円筒部材601の間を流れる流体607も加熱される。その結果、流体607は、各キャビティ部602で発生した熱を回収した被流体608として流出する。すなわち、流体607は、キャビティ部602の発熱とその熱回収の両方を担う作動流体として機能する。
本実施形態によれば、多数のキャビティ部602が、円筒部材601の軸方向Xおよび周方向に沿って配置され放射状に配置されている。そのため、流体607が円筒部材601の間を流れると、各キャビティ部602が発熱体として機能する。これにより、熱音響効果を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、最も外側の円筒部材601は、断熱材606で覆われている。そのため、各キャビティ部602で発生した熱の外部への漏えいを防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、複数のキャビティ部602の配置に関し、軸方向Xの中心軸間距離が、キャビティ音の波長λの整数倍になっている。これにより、音波の位相が揃い、連成振動が起こる。その結果、各キャビティ部602の圧力変動は増幅され、効率よく発熱させることが可能となる。
上記中心軸間距離は、第4実施形態で説明した式(2)で算出される値、または当該値の整数倍の10%以内であってもよい。この場合、連成振動を誘起するロックイン現象が生じるため、キャビティ音が増幅され、その結果、効率よく発熱させることが可能となる。なお、本実施形態では、式(2)におけるDは、円筒部材601の内面からの各キャビティ部602の深さに相当し、Lは、各キャビティ部602の軸方向Xの口径に相当する。
(第8実施形態)
図13(a)は、第8実施形態に係る熱交換器10iの構成を模式的に示す図である。図13(b)は、図13(a)に示す熱交換器10iの一部を拡大した図である。図13(a)および図13(b)に示すように、本実施形態に係る熱交換器10iは、外管701で構成された一重構造を有する。外管701は、金属製であり、軸方向Xに沿って延びる中心孔711と、中心孔711を囲む厚肉部712と、厚肉部712に形成された複数の溝部713と、を有する。
厚肉部712は、断熱材706で覆われている。厚肉部712には、複数の細孔703が中心孔711の軸方向Xおよび周方向に沿って放射状に加工されている。複数の細孔703は、第1実施形態で説明した細管103に相当する。すなわち、各細孔703の一端は、中心孔711に連通するように開口し、他端は厚肉部712で閉口している。溝部713は、軸方向Xに沿って細孔703と交互に配置されている。溝部713の一端は、中心孔711と連通するように開口し、他端は厚肉部712で終端している。
本実施形態では、中心孔711に流入した流体707が溝部713および細孔703を横断すると、キャビティ音が発生する。本実施形態では、図13(b)に示すように、溝部713の軸方向Xの中心軸間距離Bは、細孔703の軸方向Xの中心軸間距離Bに等しい。そのため、溝部713で発生するキャビティ音の周波数と、細孔703で発生するキャビティ音の周波数とが、一致する。これにより、2つのキャビティ音の位相が揃うため、連成振動が発生して溝部713および細孔703を効率良く発熱することができる。
また、キャビティ音の周波数fが、下記の式(4)で算出される値、または当該値の10%以内となるように溝部713を形成してもよい。
=C/D×1/(4+2.6(L/D0.75) (4)
式(4)において、Cは音速であり、Dは溝部713の深さであり、Lは軸方向Xにおける溝部713の開口幅である。
上記式(4)に基づいて溝部713を形成することによって、ロックイン現象が誘起され連成振動が発生する。これにより、効率の良い発熱が可能となる。
なお、本実施形態は、一重管に適応した熱交換器10iであるが、第1実施形態で説明した二重管、第4実施形態で説明した平板構造、および第7実施形態で説明した多重管にも適応が可能である。
(第9実施形態)
図14は、第9実施形態に係る熱交換器10jの一部を軸方向Xに平行に切断した断面図である。図14に示すように、本実施形態に係る熱交換器10jは、外管801と、内管802と、複数の細管803と、を備える。外管801および内管802の構造は、第1実施形態で説明した外管101および内管102と同様であるため、説明を省略する。
各細管803は、ヘルムホルツ共鳴器である。具体的には、各細管803は、縮小管831および胴体管832を有する。縮小管831の一端は、内管802に連通するように開口し、他端は、胴体管832に連通する。胴体管832の一端は、縮小管831を介して内管802と連通するように開口し、他端は閉口している。各細管803は、下記の式(5)で示される共振周波数fを有する。
=C/2π(S/HV)1/2 (5)
式(5)において、Cは音速であり、Sは縮小管831の断面積であり、Hは縮小管831の長さであり、Vは胴体管832の体積である。
本実施形態では、高速の流体807が内管802を流れると、熱音響効果によってキャビティ音が発生して各細管103が発熱する。このとき、各細管803は、上記共振周波数fで圧力変動するため、熱音響効果をより一層高めることが可能となる。また、各細管803で発生した熱は、内管802と外管801との間を流れる被流体808の熱交換に用いられる。そのため、熱音響効果によって発生した熱を有効活用することができる。
さらに、本実施形態では、図14に示すように、外管801は、断熱材806で覆われている。そのため、熱交換器10jから外部への熱エネルギの漏洩を防ぐことも可能となる。
図15は、第9実施形態の変形例に係る熱交換器10kの一部を軸方向Xに平行に切断した断面図である。上述した第9実施形態に係る熱交換器10jと同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態に係る熱交換器10kは、ヘルムホルツ共鳴器である細管803と、ヘルムホルツ共鳴器でない細管804の両方を備えている。細管804は、細管803のように体積の大きな胴体管832を有さないため、省スペース化を実現することができる。
なお、細管803および細管804の配置形態は特に制限されないが、効率よく発熱させるために、各細管は、各々のキャビティ音の位相が一致して連成振動が起こるように配置することが望ましい。
(第10実施形態)
図16は、第10実施形態に係る熱交換器10lの一部を軸方向Xに平行に切断した断面図である。図16では、第1実施形態に係る熱交換器10aと同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図16に示すように、本実施形態に係る熱交換器10lは、第1実施形態に係る熱交換器10aの構成要素に加えて、複数のバルブ113をさらに備える。各バルブ113は、各細管103の他端に設けられている。すなわち、細管103の他端は、バルブ113によって開閉可能となっている。
各バルブ113が閉状態のとき、高速の流体107が内管102を軸方向Xに流れると、各細管103は、キャビティ音を発し、熱音響効果により発熱する。一方、各バルブ113が開状態になると、各細管103の両端が開口するため、熱音響効果は生じないため各細管103は発熱しない。なお、内管102から細管103に流入した流体107は、バルブ113に連結された配管200を通じてコンデンサー(不図示)に回収される。
以上説明した本実施形態によれば、多数の細管103が設けられているため、第1実施形態と同様に、熱音響効果を高めることができる。さらに、バルブ113の開度を調節することによって、熱音響効果による細管103の発熱状態、換言すると熱交換の性能をコントロールすることが可能となる。
以上、いくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規なシステムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明したシステムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10a~10l:熱交換器
101、201、401、501、701、801:外管
102、402、502、802:内管
103、503、803、804:細管
113:バルブ
203:細孔
301:平板部材
302、403、504、602:キャビティ部
601:円筒部材
711:中心孔
712:厚肉部
713:溝部

Claims (7)

  1. 配管と、
    一端が前記配管の内径よりも小さな口径で開口し、他端が閉口するかまたはバルブによって開閉可能とされた複数の細管と、を備え、
    前記複数の細管が、前記配管の中心から放射状に延び
    流体が前記配管内に流入すると前記複数の細管で熱が発生し、前記熱で加熱された前記流体が前記配管から流出する、熱交換器。
  2. 前記配管は、外管と、前記外管内に収容された内管と、を有する二重構造であり、
    前記複数の細管の前記一端は前記内管に連通し、前記他端は前記外管で閉口している、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記配管は、中心孔と、前記中心孔を囲む厚肉部と、を有する一重構造であり、
    前記複数の細管は、前記厚肉部に設けられた複数の細孔であり、各細孔の一端は前記中心孔に連通し、前記各細孔の他端は前記厚肉部で閉口している、請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記複数の細管における前記配管の軸方向の中心軸間距離Bが、前記流体が前記配管内を流れたときに各細管の圧力変動によって生じる音の波長の整数倍、または下記の式で算出される値である、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
    =nD(4+2.6(L/D0.75
    n:自然数
    :細管の深さ
    :細管の口径
  5. 前記配管の軸方向に沿って前記複数の細管と交互に配置された複数の溝部をさらに備え、
    前記複数の溝部の前記軸方向の中心軸間距離は、前記複数の細管の前記軸方向の中心軸間距離に等しい、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記流体が前記配管内を流れたときに各細管の圧力変動および各溝部の圧力変動によってそれぞれ生じる音の周波数fが、下記の式で算出される値である、請求項に記載の熱交換器。
    f=C/D×1/(4+2.6(L/D0.75
    C:音速
    :溝部の深さ
    :前記軸方向における溝部の開口幅
  7. 前記複数の細管は、ヘルムホルツ共鳴器である、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器。
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