JP3215656B2 - コイル状炭素繊維の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
コイル状炭素繊維の製造方法及びその製造装置Info
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Description
材、電磁波吸収材、マイクロメカニカル素子、マイクロ
スイッチング素子、マイクロセンサー、マイクロフィル
ター、吸着材等の材料として使用されるコイル状炭素繊
維の製造方法及びその製造装置に関するものである。
調理器等が普及することにより、市民生活の身近なとこ
ろに電磁波環境が増えるようになり、電磁波による医療
機器の誤作動、航空機、鉄道車両などの運行障害、ある
いは健康障害に対する危惧が大きな社会問題となってい
る。そのため、現在多くの電磁波吸収材、遮蔽材が提
案、実用化されている。例えば、カーボンブラック、炭
素繊維等を合成樹脂やゴムなどの電気絶縁物中に分散さ
せて、その電気抵抗率を減少させることにより、反射損
失や誘電損失に基づく電磁波シールド性を与えている。
とし、これを不融化、炭化、黒鉛化などの処理を行って
得られる炭素繊維、例えばポリアクリロニトリル繊維か
ら得られるPAN系炭素繊維、ピッチ系繊維から得られ
るピッチ系炭素繊維などの他に、最近開発された、炭化
水素の熱分解による気相成長炭素繊維がある。気相成長
炭素繊維は、直線状に形成され、高強度で、金属的から
半導体的導電性までの幅広い特性を有し、機能性材料と
しての応用が期待されている。
公昭51−33210号公報に開示されるものがある。
この方法は、ベンゼンなどの炭化水素とキャリアガスと
の混合ガスを、1000℃以上の温度に保持された金属
粉末触媒を担持させた反応管内で、まず100〜150
0cm/分の流速で繊維成長の核を形成させ、次に流速を
10〜30cm/分として繊維を成長させるものである。
素繊維は、電磁波を反射させることができるが、誘電損
失に基づく電磁波吸収性は必ずしも十分ではないといっ
た問題があった。また、気相成長炭素繊維の製造方法に
より得られる炭素繊維は、すべて直線状又は多少カール
した形態であり、マイクロコイル状の炭素繊維は得られ
ない。一方、ニッケル触媒等を用い、上記より低い温度
でのマイクロコイル状炭素繊維の合成方法が、特開平3
−104927号及び特開平4−222228号公報に
開示されている。しかし、これらの方法では、用いる金
属触媒のメーカー、貯蔵条件、前処理条件などによりコ
イル状炭素繊維の収率が著しく変化し、コイル状炭素繊
維が全く得られない場合もあるといった問題もあった。
さらに、コイルの径がミクロンオーダーでコイル長さの
長いコイル状炭素繊維を化学的に大量に合成することが
できないといった問題もあった。
ルの長さを制御することができるとともに、高い再現性
と収率でコイル状炭素繊維を得ることができる製造方法
又は製造装置はなかった。
を解決するためになされたものである。その目的とする
ところは、コイル径、コイルピッチ及びコイルの長さを
有効に制御でき、再現性と収率を向上させることができ
るコイル状炭素繊維の製造方法及び製造装置を提供する
ことにある。
めに、請求項1に記載の発明のコイル状炭素繊維の製造
方法は、金属触媒、周期律表の第15族又は第16族の
化合物のガス、水素ガス及びシールガスの存在下に、炭
化水素又は一酸化炭素を600〜950℃の温度に加熱
するとともに、静電場を形成し、炭化水素又は一酸化炭
素を分解するものである。
の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記金
属触媒はニッケル、チタン又はタングステンであり、前
記化合物は硫黄原子又はリン原子を含む化合物であり、
前記炭化水素はアセチレンであり、前記シールガスは窒
素又はヘリウムガスであるものである。
の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明にお
いて、前記静電場は無変動静電場又は変動静電場である
ものである。
の製造装置は、加熱器を有する反応容器に炭化水素ガス
又は一酸化炭素ガス、周期律表の15族又は16族の化
合物のガス及び水素ガスを流通させるための流入口及び
流出口を備え、シールガスを注入するための注入口を備
えるとともに、高圧静電場を形成するための基材又は基
材から所定距離をおいた導体を反応容器内に配設し、基
材上にコイル状炭素繊維を成長させるように構成したも
のである。
の製造装置は、請求項4に記載の発明において、前記基
材を移動可能に配設し、コイル状炭素繊維の成長に対応
させて基材を移動させるように構成したものである。
炭素繊維について詳細に説明する。
に形成され、繊維の直径が0.01〜5μm 、コイルの
直径が0.1〜2000μm 、コイルのピッチが0〜5
0μm 及びコイルの長さが100μm 〜5mであり、コ
イルが右巻きの二重螺旋構造を有するものと、左巻きの
二重螺旋構造を有するものとを含有するものである。こ
のコイル状炭素繊維はコイル径が実質上ミクロンオーダ
ーであり、電磁波を吸収、遮蔽することができ、優れた
弾力性と高い強度を有するものである。
射され、変動電場や磁場にさらされると、ファラデーの
法則に従いコイル内に誘導起電力による誘導電流が流れ
てジュール熱が発生し、電磁波を吸収する。さらに、電
磁波はコイル状炭素繊維により直線偏向のほか円偏向を
受け、その上、コイル状炭素繊維が高導電性であるので
反射、散乱損失なども受け、急激に衰退する。しかも、
コイル状炭素繊維は3次元的にあらゆる方向を向いてい
るので、電磁波がどの方向から加わったとしても効率良
く吸収されるものと考えられる。
の周波数領域は、コイル径、コイルピッチ及びコイル長
さに依存する。コイル長さが長く、コイル径が大きく形
成されると低周波領域の電磁波が吸収される。一方、コ
イル径が小さく形成されると高周波領域の電磁波が吸収
される。そのため、これらを制御することにより、幅広
い範囲の電磁波吸収材として適用することができる。ま
た、新規電極材料、エネルギー変換素子、マイクロセン
サー、マイクロメカニカル素子、マイクロフィルター、
高温・高圧・耐蝕・弾力性パッキング、抗菌材、吸着材
などとしても適用することができる。
ての触媒担体に使用される。例えば、コイル状炭素繊維
のコイルの中に菌体を埋め込み、生体内において触媒作
用を発揮させることもできる。
きければ大きいほど幅広い波長範囲の電磁波を吸収する
ことができ、コイル長さが長ければ長いほど電磁波を多
量に吸収することができるものである。また、右巻きの
二重螺旋構造のコイルと左巻きの二重螺旋構造のコイル
がほぼ1対1の割合で存在している。そのため、マクロ
的には一重らせん構造のように見えるものでも、ミクロ
的には二重螺旋構造を有している。
ついて説明する。図1に示すように、反応容器12は円
管状に形成された横型熱化学気相合成装置で、コイル状
炭素繊維10をその中で成長させることができるように
なっている。この反応容器12はステンレス、インコネ
ル等の金属材料、セラミック、アルミナ、石英等のセラ
ミック系材料により形成されている。反応容器12の材
質は、触媒活性や内部観察の点から透明石英が好まし
い。反応容器12の両端の開口部13は、絶縁ゴム栓1
4により閉塞され、反応容器12内が電気的に絶縁状態
に保持される。
央上部周面に突出形成され、炭化水素ガス又は一酸化炭
素ガス、周期律表の第15族及び第16族元素を含むガ
ス及び水素ガスを反応容器12内に流入させるようにな
っている。
ン、プロパン等の炭素原子を含むガス又は一酸化炭素ガ
スが使用される。炭素繊維をコイル状に形成するため
に、各結晶面での触媒活性の異方性からアセチレンが好
ましい。
としては、硫黄、チオフェン、メチルメルカプタン、硫
化水素等の硫黄原子を含む化合物又は、リン、3塩化リ
ン等のリン原子を含む化合物が使用される。これらのう
ち、好ましくはチオフェンである。反応雰囲気中におけ
る周期律表の第15族及び第16族元素を含むガスの濃
度は、好ましくは0.01〜5容量%の範囲内で、さら
に好ましくは0.1〜0.5容量%の範囲内である。前
記濃度が、0.01容量%未満又は5容量%を越える
と、コイル状炭素繊維10を成長させることが困難とな
る。
反応容器12の両端部の上部周面に突出形成され、シー
ルガスを反応容器12内に注入させるようになってい
る。前記シールガスは窒素ガス、ヘリウムガス等の化学
的に不活性で、系の物質と反応しない不活性ガスが使用
される。シールガスが反応容器12内に注入されると、
反応容器12内で、酸素ガス等による余分な、或いは有
害な影響が反応系に加えられるのを防止できるようにな
っている。
容器12の中央下部周面に、前記流入口15に対応する
ように突出形成され、反応容器12内を流通した炭化水
素ガス、一酸化炭素ガス、シールガス、周期律表の15
族又は16族の化合物のガス、水素ガス及び分解反応に
より生成したガスを流出するようになっている。
流入口15及び流出口17を挟むように円環状に取り付
けられ、反応容器12内を一定温度にまで上昇させるよ
うになっている。前記温度は、600〜950℃の範囲
内に設定されるのが望ましく、700〜850℃の範囲
内に設定されるのがさらに望ましい。反応温度が600
℃未満又は950℃を越えるとコイル状炭素繊維10の
収率が急激に低下する。
ての基材としては、細長い四角板状に形成された基板1
9が使用される。その基板19の表面には金属粉末より
なる触媒20が塗布されている。この基板19は、炭素
の同素体の一つで、黒鉛とも呼ばれるグラファイトによ
り形成されている。また、接続線21は基板19の両端
に一対ずつ接続され、両接続線21が絶縁ゴム栓14に
貫通支持されることにより、基板19は反応容器12の
空中に支持されている。そして、一本の接続線21は反
応容器12内のコイル状炭素繊維10に静電場を印加す
るための高電圧静電場発生装置22に接続され、他方の
接続線21は開放された状態になっている。
炭化物、硫化物、リン化物、炭酸化物及び炭硫化物から
選択される少なくとも一種の化合物であり、好ましく
は、ニッケル、チタン又はタングステンの酸素との固溶
体、酸化物、炭化物、硫化物、リン化物、炭酸化物又は
炭硫化物である。その中でも、ニッケルがさらに、好ま
しい。金属触媒20の形態は、粉末、金属板、粉末の焼
結板等のいずれでもよく、好ましくは平均粒径が5μm
程度の微粉末又は焼結板である。
コイルピッチ及びコイル長さは、金属触媒20の結晶面
の異方性や粒径に依存している。そのため、静電場の電
圧や水素ガス等により結晶面の異方性が変化すると、コ
イル径、コイルピッチ及びコイル長さも変化する。例え
ば、金属触媒20の粒径が小さくなるとコイル径は小さ
くなる。微粉末金属触媒20の場合は、基板19上へ散
布又は塗布しても良い。これらの金属触媒20は、あら
かじめ固溶体或いは化合物となったもののほか、金属粉
末或いは板材を反応前に所定条件で酸化、炭化、リン
化、炭酸化及び炭硫化処理して得られたものでも使用さ
れる。
めの流入口15と基板19との距離は、2〜20mmの範
囲内になるように設定される。流入口15と基板19と
の距離が小さいほど、コイル状炭素繊維10の収率を向
上させることができる。しかし、流入口15と基板19
との距離が2mm未満又は20mmを越えると、コイル状炭
素繊維10を全く得ることができず、炭素粉末又は直線
状の炭素繊維のみが析出するようになる。
形成され、反応容器12内の基板19の上方に所定距離
をおいて配置されている。棒状電極23の直径は2mm程
度である。また、棒状電極23の一端はアース線24に
接続され、他端は開放された状態になっている。そし
て、基板19と棒状電極23との間に所定の静電場を発
生させることができる。
器12から離れた場所に配置され、接続線21を介して
基板19に接続されている。この高電圧静電場発生装置
22の電気回路について説明する。図2に示すように、
100Vの交流電源端子25にはブレーカー26と電源
スイッチ27と電圧調整器28とが直列接続されてい
る。表示ランプ29は電圧調整器28と並列接続されて
いる。前記電圧調整器28は可変端子30により電圧を
調整できるようになっている。高電圧及び高調波発生用
トランス31の1次コイル32は電圧調整器28に並列
接続されている。電圧計33は、高電圧及び高調波発生
用トランス31の1次コイル32に並列接続されてい
る。高電圧及び高調波発生用トランス31の2次コイル
34の一端側は開放されたままにされ、他端側の出力端
子35には1MΩ程度の保護抵抗36を介して接続線2
1から反応容器12内の基板19に接続されている。
が生じたとき、電撃を緩和するとともに、漏電防止用と
しても機能する。前述のように、高電圧及び高調波発生
用トランス31の2次コイル34の出力側の一端は開放
されている。従って、高電圧及び高調波発生用トランス
31の2次コイル34の出力側には電流が流れず、高電
圧のみが印加され、高調波成分を含む重畳波形を有する
高圧静電場が形成される。
30を所定の抵抗値に設定した後、電源スイッチ27を
オンにすると、表示ランプ29が点灯するとともに、高
電圧及び高調波発生用トランス31の2次コイル34の
出力側で高電圧が発生する。この高電圧により接続線2
1、基板19を介して反応容器12内に高圧静電場が形
成される。
により発生する無変動静電場又は変動静電場である。無
変動静電場は一定の電圧により発生する直線状の波形を
有する電場であり、変動静電場は正弦波、矩形波、ノコ
ギリ波、重畳波等の交流波形を有する電場である。これ
らの静電場のうち、好ましくは、高調波成分を含む重畳
波形を有する電場である。重畳波形を有する電場は、前
記高電圧及び高調波発生用トランス31を有する電気回
路や半導体を用いた電気回路等により得られる。これら
のうち、高調波成分を含む重畳波形を有する静電場は、
電気回路内に高電圧及び高調波発生用トランス31を備
える電気回路により得られる。前記重畳波形は、各種波
長の正弦波等が重畳的に合成されたものであり、適切な
波長の多種の高調波交流波形が位相をずらした状態で加
えられ、それらの波形が加算され、交流波形上にひずみ
が形成されたものである。
反応ガスの熱分解を促進させることができる。さらに、
熱分解によりイオン化され、プラスの電荷を帯びた反応
種が基板19上の金属触媒20に効率良く誘導されると
ともに、反応種の分子運動が活性化され、炭素繊維の成
長が促進される。そして、高調波成分を含む重畳波形に
より、成長してきた炭素繊維に方向性を与えることによ
り、コイル状の炭素繊維を成長させることができる。従
って、反応速度を向上させ、コイル状の炭素繊維を成長
させることができるとともに、収率を向上させることが
できる。また、金属触媒20の結晶面の異方性を大きく
することにより、コイル径の小さいコイル状炭素繊維1
0が得られ、異方性を小さくすることにより、コイル径
の大きいコイル状炭素繊維10が得られる。このため、
コイル状炭素繊維10のコイル径の大きさを制御するこ
とができる。
て説明する。ニッケル粉末20が塗布された基板19
は、接続線21により反応容器12内の適切な位置に支
持される。そして、反応容器12の両端の開口部13が
絶縁ゴム栓14により閉塞される。
ェン及び水素ガスが反応容器12内に流入される。アセ
チレン、チオフェン及び水素ガスは、反応容器12内の
基板19に接触しながら流通し、流出口17から外部へ
流出される。また、一対の注入口16から窒素ガスが注
入され、基板19上で、酸素ガス等による余分な、或い
は有害な影響が反応系に加えられるのが防止される。
調整器28において可変端子30を所定位置に接続した
後、電源スイッチ27をオンにし、トランス31の2次
コイル34に高電圧を発生させる。これにより、接続線
21を介して基板19と棒状電極23との間に静電圧が
印加される。さらに、加熱器18により反応容器12内
が600〜950℃まで加熱される。
黄又はリン及び酸素の5元系からなる反応の場におい
て、ニッケル20によりアセチレンが接触的な触媒作用
により熱分解され、炭化ニッケルの単結晶{炭化ニッケ
ル(Ni3 C)に硫黄原子(S)と酸素原子(O)が含
まれるもの}が形成される。さらに、炭化ニッケル単結
晶がニッケル20と炭素に分解され、結晶面において粒
内及び粒界拡散が生じ、基板19上に炭素繊維が形成さ
れる。このとき、ニッケル20結晶面の異方性より、触
媒活性の大きい結晶面から成長した炭素繊維は成長が大
きく、触媒活性の小さい結晶面から成長した炭素繊維の
外側になるようにカールしながら成長する。そのため、
2つの炭素繊維はコイルを形成しながら成長する。この
とき、静電圧の印加強度、波形、印加時間等によりコイ
ル径、コイルピッチ及びコイル長さは制御される。
コイルピッチが大きく、コイル長さが長いコイル状炭素
繊維10が得られる。前記第1実施形態より発揮される
効果について、以下に記載する。
よれば、炭素繊維がコイル状に形成され、コイル径が実
質上ミクロンオーダーとなり、電磁波を効果的に吸収、
遮蔽することができるとともに、優れた弾力性と高い強
度を発揮することができる。
よれば、反応時間、金属触媒20の種類や粒径、反応に
使用されるガスの濃度、反応温度、静電場の電圧及び基
板19と棒状電極23との距離を変化させることによ
り、コイル状炭素繊維10のコイル径、コイルピッチ及
びコイル長さを制御することができる。そのため、幅広
い範囲の電磁波吸収材、新規電極材料、エネルギー変換
素子、マイクロセンサー、マイクロメカニカル素子、マ
イクロフィルター、高温・高圧・耐蝕・弾力性パッキン
グ、触媒担体、抗菌材、吸着材などとして適用すること
ができる。
装置11によれば、反応容器12内には基板19が高電
圧静電場発生装置22に接続されている。そのため、コ
イル状炭素繊維10に静電圧を印加することができ、コ
イル径及びコイルピッチが大きく、コイル長さが長いコ
イル状炭素繊維10を得ることができるとともに、コイ
ル状炭素繊維10の収率を向上させることができる。
属触媒20の結晶面の触媒活性を制御し、異方性の大小
を調節することができる。そのため、結晶面の異方性を
小さくすることによりコイル径を大きくすることがで
き、結晶面の異方性を大きくすることによりコイル径を
小さくすることができる。
装置11によれば、基板19に対向する反応容器12の
中央上部周面に流入口15が突出形成されているため、
コイル状炭素繊維10の成長している場所にアセチレ
ン、チオフェン及び水素ガスを吹き付けることができ
る。そのため、基板19上でコイル状炭素繊維10を効
率良く成長させることができる。
装置11によれば、基板19の裏面側に位置する反応容
器12の中央下部の周面に流出口17が突出形成されて
いる。このため、反応容器12内に導入されたアセチレ
ン、チオフェン及び水素ガスが基板19上に集められ、
基板19上でコイル状炭素繊維10を効率良く成長させ
ることができる。
装置11によれば、シールガスを注入するための注入口
16は反応容器12の両端部に一本ずつ突出形成されて
いる。そのため、基板19上で、酸素ガス等による余分
な、或いは有害な影響が反応系に加えられるのを防止で
きる。
装置11によれば、加熱器18は反応容器12の中央の
周面に取り付けられている。そのため、反応容器12内
の中央に配置された基板19を均一に加熱させることが
でき、反応を円滑に進めることができる。
装置11によれば、基板19と流入口15との距離は、
2〜20mmの範囲内になるように設定されている。その
ため、コイル状炭素繊維10を確実に成長させることが
できるとともに、収率の低下を防止することができる。
製造方法によれば、反応温度を600〜950℃の範囲
内に設定したため、コイル状炭素繊維10の反応を維持
させることができるとともに、収率を向上させることが
できる。 (第2実施形態)次に、第2実施形態について説明す
る。なお、この第2実施形態においては、上記第1実施
形態と異なる部分を中心に説明する。
置11は、第1実施形態のコイル状炭素繊維10の成長
の場である基板19が線材37により形成されている。
この線材37はステンレス、ニッケル、チタン及びタン
グステンなどの金属線、カーボン繊維、アルミナや炭化
珪素(SiC)などのセラミック繊維等により形成さ
れ、銅は含まれていない。金属触媒20は第1実施形態
と同様のものが使用され、線材37の周面全体に塗布さ
れる。
に形成され、縦型に配置されている。反応容器12の一
端の開口部13は絶縁ゴム栓14により閉塞されてい
る。他端は二股に分かれた分岐管38となり、両分岐管
38の根元には絶縁材料で形成されたスクレーパー39
が取り付けられている。このスクレーパー39により、
コイル状炭素繊維10をかきとることができるととも
に、両分岐管38に分配することができるようになって
いる。
先端にそれぞれ挿脱可能に取り付けられている。そし
て、反応容器12の根元側の開閉ダンパー40を離脱
し、先端側の開閉ダンパー40を挿入することにより、
反応容器12内を遮断したまま先端側の開閉ダンパー4
0上に分岐管38内を落下してきたコイル状炭素繊維1
0が支持される。続いて、図4に示すように、根元側の
開閉ダンパー40を挿入し、先端側の開閉ダンパー40
を離脱することにより、反応容器12内を遮断したまま
先端側の開閉ダンパー40上に支持されたコイル状炭素
繊維10を落下させることができるようになっている。
また、製品受けとしてのホッパー41は各分岐管38の
先端の下方位置に設置され、コイル状炭素繊維10を収
容するようになっている。
端の絶縁ゴム栓14の上方に配置された供給側の線材用
ロール42に巻回されている。線材37の下端はスクレ
ーパー39の中を通って反応容器12の外方の回収側の
線材用ロール43に巻き取られて回収されるようになっ
ている。
2から離れた場所に配置され、接続線21を介して線材
37に接続されている。そして、高電圧静電場発生装置
22から発生した静電圧は線材37に印加される。アー
ス板44は加熱器18の周面を覆うように環状に取り付
けられ、アース線45を介してアースされている。
同様の方法でコイル状炭素繊維10が反応容器12内の
線材37上に成長する。このとき、コイル状炭素繊維1
0は線材37の周面から全方向へ成長する。そして、図
4に示すように、回収側の線材用ロール43により線材
37を巻き取ると、コイル状炭素繊維10が成長、付着
している線材37が巻き取られる。このとき、コイル状
炭素繊維10がスクレーパー39によりかきとられ、各
分岐管38内を落下していく。そして、各分岐管38の
先端の開閉ダンパー40を交互に離脱することにより、
反応容器12内が遮断されたままホッパー41内にコイ
ル状炭素繊維10が回収される。
いて、以下に記載する。 ・第2実施形態のコイル状炭素繊維の製造装置11によ
れば、線材37をコイル状炭素繊維10の成長の場とし
て使用するため、線材37の周面から全方向にコイル状
炭素繊維10を成長させることができ、基板19を使用
する場合より、単位面積当たり多量のコイル状炭素繊維
10を得ることができる。
装置11によれば、線材37をロール42、43に巻回
して連続的に供給できるようにしたため、反応時間を多
く取ることができ、連続して反応させて多量のコイル状
炭素繊維10を得ることができる。さらに、基板19を
一回ずつ交換しなくても良いため、製造時間の短縮と製
造コストの低減を図ることができる。
装置11によれば、反応容器12の一端を二股に分けて
分岐管38とし、その分岐管38の根元にスクレーパー
39が取り付けられている。そのため、線材37をスク
レーパー39を通過させて巻き取ることにより線材37
に成長したコイル状炭素繊維10を容易に回収すること
ができる。さらに、各分岐管38を通過してホッパー4
1内に落ちるため、確実にコイル状炭素繊維10を回収
することができる。
装置11によれば、一本の分岐管38に2本の開閉ダン
パー40を取り付けたため、一方の開閉ダンパー40を
離脱したときに、他方の開閉ダンパー40を挿入したま
まにすることができる。そのため、反応容器12を遮断
したままコイル状炭素繊維10を回収することができ
る。 (第3実施形態)次に、第3実施形態について説明す
る。なお、この第3実施形態においては、上記第2実施
形態と異なる部分を中心に説明する。
置11は、コイル状炭素繊維10の成長の場である基板
19が第2実施形態と同様の線材37により形成されて
いる。
開口部13は絶縁ゴム栓14により閉塞されている。上
端は上方ほど縮径する縮径部46となっている。また、
反応容器12の上端と上端側の注入口16との長さは、
第1実施形態の反応容器12の先端と注入口16との長
さよりも長く形成されている。そして、反応容器12の
上端と注入口16との間に、別の注入口47が周面に突
出形成され、注入口16と同様にシールガスが導入され
るようになっている。
隔をおいて円錐状に形成され、それらの外周縁が反応容
器12の内周面に接合されている。各先端部には線材3
7を通過させるための通過孔49が形成されている。そ
して、これら複数のシール材48により、ラビリンスシ
ール50が設けられている。ラビリンスシール50は反
応容器12内の上端部と中間部に取り付けられ、反応ガ
ス又はシールガスの漏洩を最小限にすることができるよ
うになっている。
線材用ロール42に巻回されている。線材37の上端は
反応容器12内を通過して反応容器12の上端の縮径部
46を通過して回収側の線材用ロール43に回収される
ようになっている。コイル状炭素繊維10は、反応容器
12が垂立されているため、反応の場で下方向に形成さ
れる。そして、線材37を上方へ回収することによりコ
イル状炭素繊維10が長く連なり、一本の長い繊維に形
成される。製品回収ロール51は回収側の線材用ロール
43に隣接する位置に配設され、成長した長いコイル状
炭素繊維10を回収することができるようになってい
る。
に形成され、その先端部には線材を通過させるための透
孔53が形成されている。そして、かきとり器52は、
縮径部46の通過孔49から出てきた線材37を透孔5
3に通過させることができる位置に配置され、線材37
を通過させると同時に、線材37に成長したコイル状炭
素繊維10をかきとることができるようになっている。
そして、線材37が回収されると同時に、線材37上に
成長した一本の長いコイル状炭素繊維10が線材37か
らかきとられ、製品回収ロール51に回収される。
状炭素繊維10が反応容器12内の線材37上に成長す
る。このとき、反応容器12は上端方向へ長く形成さ
れ、この製造装置11は垂立されているため、線材37
に成長したコイル状炭素繊維10は重力により下方向へ
連続して形成される。
線材37が巻き取られるとともに、連続成長したコイル
状炭素繊維10がかきとり器52によりかきとられ、製
品回収ロール51に回収される。
いて、以下に記載する。 ・第3実施形態のコイル状炭素繊維の製造装置11によ
れば、反応容器12が垂立されているため、線材37に
成長したコイル状炭素繊維10を重力により下方向へ連
続的に形成させることができる。従って、コイル状炭素
繊維10の長さをmオーダーまで長くすることができ
る。
装置11によれば、反応容器12内にラビリンスシール
50が設けられているため、反応ガス又はシールガスの
漏洩を最小限にすることができ、反応を円滑に進行させ
ることができる。
装置11によれば、かきとり器52により、線材37に
成長したコイル状炭素繊維10をかきとることができ
る。また、回収側の線材用ロール43により線材37を
回収すると同時に、線材37上に成長した一本の長いコ
イル状炭素繊維10を製品回収ロール51に回収するこ
とができる。
具体的に説明する。実施例1〜実施例3では、グラファ
イト製の基板19に印加する静電圧を変化させ、得られ
たコイル状炭素繊維10の平均コイル径、コイルピッチ
及びコイル長さを比較した。 (実施例1)図1に示すように、半径60mm、長さ10
00mmの透明石英管からなる横型熱化学気相合成装置1
2の中央部に平均粒径5μmのニッケル粉末20を塗布
したグラファイト基板19をセットした。そして、反応
容器12の中央上部の流入口15からアセチレン、チオ
フェン及び水素ガスを流入させ、反応容器12の両側端
の注入口16からシールガスとして窒素ガスを導入し
た。750℃で2時間反応を行った。ガス流量は、アセ
チレン600ml/分、チオフェン12ml/分、水素14
00ml/分、窒素1000ml/分とした。原料ガス等の
流入口15と基板19との距離は10mmとした。反応
中、基板19に5000Vの静電圧を印加し、棒状電極
23からアースした。
イルピッチが0.2μm、長さが4mmの非常に緻密に巻
かれたコイル状炭素繊維10が、原料アセチレンに対し
て95モル%の収率で得られた。 (実施例2)グラファイト基板19に静電圧を1500
V印加した以外、実施例1と同じ条件で反応を行った。
10の収率は90モル%であった。平均のコイル径は5
0μm、コイルピッチは2μm、コイル長さは2mmであ
った。 (実施例3)グラファイト基板19に静電圧を500V
印加した以外、実施例1と同じ条件で反応を行った。原
料アセチレンに対するコイル状炭素繊維10の収率は7
0モル%であった。平均のコイル径は500μm、コイ
ルピッチは20μm、コイル長さは0.5mmであった。
素繊維10の収率は向上し、コイル径とコイルピッチは
ミクロンオーダーに近づき、コイル長さは長くなること
が示された。
イト基板19の上部の棒状電極23に静電場を印加し、
グラファイト基板19をアースとした。そして、棒状電
極23とグラファイト基板19との距離を変化させ、ま
た、静電場の電圧を変化させてコイル状炭素繊維10を
成長させ、得られたコイル状炭素繊維10の平均コイル
径、コイルピッチ及びコイル長さを比較した。 (実施例4)グラファイト基板19の上方3mmの位置に
セットされた直径2mmの棒状電極23に5000Vの静
電圧を印加し、基板19をアースし、反応時間を30分
とした以外、実施例1と同じ条件で反応を行った。
10の収率は95モル%であった。平均のコイル径は5
μm、コイルピッチは0.2μm、コイル長さは0.5
mmであった。 (実施例5)グラファイト基板19の上方5mmの位置に
セットした直径2mmの棒状電極23に5000Vの静電
圧を印加し、反応時間を30分とした以外、実施例1と
同じ条件で反応を行った。
10の収率は80モル%であった。平均のコイル径は4
μm、コイルピッチは0.2μm、コイル長さは0.5
mmであった。 (実施例6)グラファイト基板19の上方5mmの位置に
セットした直径2mmの棒状電極23に1500Vの静電
圧を印加し、反応時間を30分とした以外、実施例1と
同じ条件で反応を行った。
10の収率は80モル%であった。平均のコイル径は1
00μm、コイルピッチは2μm、コイル長さは0.2
mmであった。
る棒状電極23との距離が長いとコイル状炭素繊維10
の収率が低下するとともに、平均のコイル径が大きくな
ることが示された。また、グラファイト基板19と静電
場が印加される棒状電極23との距離が長く、印加され
る静電場の電圧が低いと、コイル状炭素繊維10の収率
は低下するとともに、コイル径、コイルピッチ及びコイ
ル長さも悪くなることが示された。
ス等の流入口15と成長してきたコイル状炭素繊維10
の先端との距離が常に約3mmとなるようにしてコイル状
炭素繊維10を成長させた。 (実施例7)内径60mm、長さ1000mmの透明石英管
からなる反応容器12の中央部に平均粒径5μmのニッ
ケル粉末20を塗布したグラファイト基板19をセット
した。そして、流入口15からアセチレン、チオフェン
及び水素の混合ガスを導入し、注入口16からシールガ
スとして窒素ガスを注入し、750℃で20時間反応を
行った。ガス流量は、アセチレン50ml/分、チオフ
ェン1ml/分、水素400ml/分、窒素100ml
/分とした。原料ガスの流入口15と基板19との距離
は、常に約3mmとなるようにコイルの成長と共に基板1
9の位置を連続的に下げながら反応を行った。反応中、
基板19に5000Vの静電圧を印加した。
イルピッチが0.2μm、長さが3cmの非常に緻密に巻
かれた長いコイル状炭素繊維10が、原料アセチレンに
対して95モル%の収率で得られた。 (実施例8)反応時間を200時間とした以外、実施例
7と同じ条件で反応を行った。その結果、平均のコイル
径が約5μm、コイルピッチが0.2μm、長さが30
cmの非常に緻密に巻かれた長いコイル状炭素繊維10
が、原料アセチレンに対して90モル%の収率で得られ
た。
ル状炭素繊維10の先端との距離が常に約3mmとなるよ
うにすると平均コイル径、コイルピッチ及びコイル長さ
の全てが良好なコイル状炭素繊維10が得られることが
示された。しかし、反応時間が長すぎると収率が低下す
ることが示された。 (実施例9)図5に示すように、実施例9では、反応容
器12を垂立させ、グラファイト基板19の代わりに線
材37をコイル状炭素繊維10の成長の場とし、その線
材37を巻き取りながら反応を連続して行った。反応容
器12外部にコイル状炭素繊維10を巻き取る製品回収
ロール51と線材37を巻き取る回収側の線材用ロール
43を配置し、原料ガスの流入口15とコイル状炭素繊
維10の先端の距離を常に約3mmに保てるようにし、成
長したコイルを連続的に巻き取りながら2000時間反
応を行った。それ以外は、実施例8と同じ条件で反応を
行った。
イルピッチ0.2μm、長さが300cmの非常に緻密に
巻かれた長いコイル状炭素繊維10が、原料アセチレン
に対して90モル%の収率で得られた。
ル状炭素繊維10の先端との距離が常に約3mmとなるよ
うにし、コイル状炭素繊維10が反応容器12内で長時
間反応しないように回収することにより、連続成長した
コイル状炭素繊維10が得られることが示された。
体化することも可能である。 ・コイル状炭素繊維10が成長する場としての基板19
を線材37でメッシュ状に形成すること。また、グラフ
ァイトにより帯状に形成すること。
材37が単線の場合よりもさらに多量のコイル状炭素繊
維10を成長させることができる。帯状に形成した場
合、基板19一枚の場合に比べて多量のコイル状炭素繊
維10を成長させることができる。
金属触媒20を塗布して、静電場を印加し、コイル状炭
素繊維10が成長する場とし、基材19にアース線24
を接続してアース板とすること。
からコイル状炭素繊維10を成長させることができる。 ・図1に示すアースとしての棒状電極23を省略し、図
6に示すように、導電性を有する板材により環状に形成
し、加熱器18の周面を覆うように取り付け、アース板
44を設けること。そして、基板19に静電圧を印加す
ること。或いは、反応容器12が金属で形成されている
とき、基板19に静電圧を印加し、反応容器12をアー
スとすること。
に反応ガスを効率良く流通させることができ、基板19
上に反応ガスを集め、反応効率を向上させることができ
る。さらに、前記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて以下に述べる。
形を有する高圧静電場である請求項3に記載のコイル状
炭素繊維の製造方法。このように構成した場合、高調波
成分を含む重畳波形により、成長してきた炭素繊維に方
向性を与えることにより、炭素繊維をコイル状に成長さ
せることができる。
項4又は請求項5に記載のコイル状炭素繊維の製造装
置。線材を使用した場合、線材の周面全方向にコイル状
炭素繊維を成長させることができ、1度に多量のコイル
状炭素繊維を回収することができる。帯材を使用した場
合、金属触媒を多量に安定した状態で帯材上に付着させ
ることができ、確実にコイル状炭素繊維を成長させるこ
とができる。また、長時間連続して反応を行うことがで
きる。
容器の一端側の外側に線材又は帯材を巻回して供給する
ための線材用ロールを配置し、他端側の外側に線材又は
帯材を巻回して回収するための線材用ロールを配置した
請求項5に記載のコイル状炭素繊維の製造装置。
材を使用し、長時間連続してコイル状炭素繊維の反応を
行うことができる。・前記基材を線材又は帯材で構成
し、反応容器の一端にコイル状炭素繊維を分配するため
の分岐管を形成し、前記分岐管の根元に線材又は帯材に
成長したコイル状炭素繊維をかきとるためのスクレーパ
ーを取り付けた請求項5に記載のコイル状炭素繊維の製
造装置。
と同時に線材又は帯材に成長したコイル状炭素繊維を容
易に回収することができる。・前記基材としての基板と
流入口との距離を2〜20mmの範囲に設定した請求項4
又は請求項5に記載のコイル状炭素繊維の製造装置。
維の収率を向上させることができる。
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載のコイ
ル状炭素繊維の製造方法によれば、特に静電場を印加す
ることにより、コイル状の炭素繊維の成長を促進させる
ことができる。
方法によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、金属
触媒、周期律表の第15族又は第16族の化合物のガス
の化合物及び炭化水素をそれぞれ限定したため、所望と
するコイル状炭素繊維を確実に得ることができる。
方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効
果に加え、静電場は重畳波形を有するものであるため、
成長する炭素繊維をコイル状に形成することができると
ともに、コイル径、コイルピッチ及びコイル長さを有効
に制御することができる。
装置によれば、原料ガスとシールガスを反応容器内に導
入することができ、反応容器内に導入されたアセチレ
ン、チオフェン及び水素ガスを基材としての基板上に集
め、基板上でコイル状炭素繊維を効率良く成長させるこ
とができる。さらに、基材に高圧静電場を形成すること
により、基材から成長する炭素繊維をコイル状に形成す
ることができるとともに、コイル径、コイルピッチ及び
コイル長さを有効に制御することができる。
装置によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、基
材に成長したコイル状炭素繊維を容易に回収することが
できるとともに、最も成長しやすい位置に新たな基材を
配置することができ、コイル状炭素繊維を連続的に製造
することができる。
示す要部断面図。
回路図。
図。
図。
造装置、12…反応容器、15…流入口、16…注入
口、18加熱器、19…基材としての基板、20…金属
触媒としてのニッケル、22…高電圧静電場発生装置。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属触媒、周期律表の第15族又は第1
6族の化合物のガス、水素ガス及びシールガスの存在下
に、炭化水素又は一酸化炭素を600〜950℃の温度
に加熱するとともに、静電場を形成し、炭化水素又は一
酸化炭素を分解するコイル状炭素繊維の製造方法。 - 【請求項2】 前記金属触媒はニッケル、チタン又はタ
ングステンであり、前記化合物は硫黄原子又はリン原子
を含む化合物であり、前記炭化水素はアセチレンであ
り、前記シールガスは窒素又はヘリウムガスである請求
項1に記載のコイル状炭素繊維の製造方法。 - 【請求項3】 前記静電場は無変動静電場又は変動静電
場である請求項1又は請求項2に記載のコイル状炭素繊
維の製造方法。 - 【請求項4】 加熱器を有する反応容器に炭化水素ガス
又は一酸化炭素ガス、周期律表の15族又は16族の化
合物のガス及び水素ガスを流通させるための流入口及び
流出口を備え、シールガスを注入するための注入口を備
えるとともに、高圧静電場を形成するための基材又は基
材から所定距離をおいた導体を反応容器内に配設し、基
材上にコイル状炭素繊維を成長させるように構成したコ
イル状炭素繊維の製造装置。 - 【請求項5】 前記基材を移動可能に配設し、コイル状
炭素繊維の成長に対応させて基材を移動させるように構
成した請求項4に記載のコイル状炭素繊維の製造装置。
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