JP3214805B2 - 対物レンズ調整機構 - Google Patents

対物レンズ調整機構

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JP3214805B2
JP3214805B2 JP18002195A JP18002195A JP3214805B2 JP 3214805 B2 JP3214805 B2 JP 3214805B2 JP 18002195 A JP18002195 A JP 18002195A JP 18002195 A JP18002195 A JP 18002195A JP 3214805 B2 JP3214805 B2 JP 3214805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザー光の照
射によって、光ディスクに情報を記録、再生、消去する
ときに使用される光ピックアップ装置において、レーザ
ー光の光軸に対する対物レンズの光軸の傾きを調整でき
る対物レンズ調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光磁気ディスク装置は、図7に示
すように、光磁気ディスク101をモータ102により
回転駆動すると共に、レーザー光源103aから出射さ
れたレーザー光107をミラー103bで反射した後、
対物レンズ106を通して、光磁気ディスク101内の
ディスク記録媒体101aの表面に収束して、情報の記
録、再生および消去を行うようになっている。そして、
上記対物レンズ106を対物レンズ駆動装置104によ
って上下左右に移動させて、レーザー光107の収束位
置がディスク記録媒体101aの記録トラック上に追従
するように制御する。また、上記レーザー光源103a
やミラー103b等の光学系をハウジング103に収容
し、このハウジング103と対物レンズ駆動装置104
とで光ピックアップ装置(光学ヘッド)を構成している。
なお、105は情報の記録と消去時にディスク記録媒体
101aに所定の磁界をかける電磁石コイルである。
【0003】上記光ピックアップ装置において、対物レ
ンズ106が光軸107aに対して傾いて取り付けられ
た場合、レーザー光107に収差が発生して、レーザー
光107がディスク記録媒体101a表面に十分に収束
されず、隣接トラックの情報同士がクロストークを起こ
すという問題がある。
【0004】そのため、この問題を解決するため、上記
光ピックアップ装置は、対物レンズ駆動装置104とハ
ウジング103との間に適切なスペーサ108を介装し
て、レーザー光107の光軸107aに対して対物レン
ズ106の光軸が傾かないように調整する対物レンズ調
整機構を備えている。
【0005】しかしながら、上記対物レンズ調整機構で
は、スペーサ108の厚さによって、対物レンズ106
の傾きを調整するため、対物レンズ106の傾きを測定
する作業と傾ける作業とを同時にすることはできない。
また、上記スペーサ108を介装する作業は、ネジの締
め付けと取り外し作業の繰り返しを必要とするため、時
間がかかるという問題がある。
【0006】この問題を解決する光ピックアップ装置の
対物レンズ調整機構としては、図8,図9に示すよう
に、ハウジング203の上面に球面座209aを設ける
と共に、対物レンズ駆動装置204の底部に球面突起2
09bを設け、ネジ210a,210b,210c,2
10dで対物レンズ駆動装置204をハウジング203
に取り付け、上記ネジ210a,210bと対物レンズ駆
動装置204の間にコイルバネ211を介装したものが
ある。なお、202は光磁気ディスク201内のディス
ク記録媒体201aを回転駆動するモータである。
【0007】上記対物レンズ調整機構では、固定用の上
記ネジ210c,210dをゆるめて、対物レンズ駆動装
置204の球面突起209bを球面座209aに対して摺
動させながら、対物レンズ駆動装置204を傾けて、レ
ーザー光の光軸に対して対物レンズ206の光軸が平行
になるように調整して、上記固定用のネジ210c,21
0dを締めきるか、あるいは球面座209aに接着剤を注
入して、対物レンズ駆動装置204をハウジング203
に固定する。
【0008】しかしながら、上記対物レンズ調整機構で
は、球面座209aの部分がスペースをとるため、高さ
寸法212が必要で、装置を薄くするには不利である。
【0009】この問題を解決する光ピックアップ装置の
対物レンズ調整機構としては、対物レンズ駆動装置全体
の傾きを調整するのではなく、対物レンズそのものを傾
角調整装置により調整した後、その対物レンズを対物レ
ンズホルダに接着して固定するようにしたものがある
(特開平04−113521号)。
【0010】しかしながら、上記対物レンズ調整機構で
は、上記対物レンズそのものを傾角調整装置により調整
するが、対物レンズを支持している構造が可動体である
ため、少しの外力でも動いて、観測しているビームスポ
ットが動いてしまって、対物レンズの光軸の傾きを測定
するのが難しく、調整が困難であるという問題がある。
【0011】そこで、本願出願人は、図10に示すよう
に、対物レンズ306と対物レンズホルダ310との間
に、外部から熱エネルギーを与えることにより変形する
一対のL字形の感熱変形支持部材311,312を長辺
が対物レンズ306の両側においてその直径と平行に延
びるように設け、調整時にその感熱変形部材311,3
12に熱エネルギーを与えることによって、対物レンズ
306の光軸を光束の光軸に合わせるように調整する対
物レンズ調整機構を提案した(特願平06−29705
4号)。なお、この対物レンズ調整機構は、この発明を
理解しやすくするために説明するものであって、公知技
術ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光磁気ディ
スク装置の小型・薄型化に伴って、小型・薄型化が要求
されている光ピックアップ装置では、対物レンズホルダ
に対物レンズ回りのスペースがほとんどなく、図10に
示すように、対物レンズ306の外方に大きなマウント
スペースを占めるL字形感熱変形部材311,312を
用いた対物レンズ調整機構を設置しにくいという問題が
ある。
【0013】また、上記対物レンズの傾き調整量は、上
記感熱変形支持部材の変位量によって決まるが、感熱変
形支持部材を例えばバイメタルとした場合、図11に示
すように、最も変位量の大きい片持構造とすると、変位
量Dは次式により表される。
【数1】D = (K・△T・L2)/t ただし、 D : 変位量 (mm) K : バイメタルのわん曲係数 (1/K) △T: 温度差 (K) L : バイメタルの作動長 (mm) t : バイメタルの厚さ (mm) 上記数1の式に示すように、変位量Dはバイメタルの作
動長Lの2乗に比例するため、作動長Lをできる限り長
くすることが望ましい。しかしながら、上述のように、
光ピックアップ装置の小型・薄型化が進むと、対物レン
ズホルダがさらに小さくなるため、図10に示すような
L字形状の感熱変形支持部材では、そのマウントスペー
ス(取付スペース)を確保することが困難になり、また
対物レンズの変位量が小さくなって対物レンズの傾きを
調整することが困難になる。
【0014】そこで、この発明の目的は、感熱変形支持
部材のマウントスペースを小さくして、小型化でき、し
かも感熱変形支持部材の作動長を長くして、対物レンズ
の変位量を大きくして対物レンズの傾きを容易に調整で
きる対物レンズ調整機構を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の対物レンズ調整機構は、対物レンズを、
その対物レンズを保持する対物レンズホルダに対して位
置調整する対物レンズ調整機構において、上記対物レン
ズと上記対物レンズホルダとの間に、上記対物レンズの
外縁に沿うように略円弧形状に形成されて、一端が上記
対物レンズホルダに固定される一方、他端が上記対物レ
ンズを支持する片持ち構造の感熱変形支持部材を配置し
たことを特徴としている。
【0016】上記請求項1の対物レンズ調整機構によれ
ば、対物レンズを支持する感熱変形支持部材に例えばレ
ーザー光により熱エネルギーを与え、その熱量を制御す
ることによって、感熱変形支持部材を任意に変形させ
て、対物レンズの対物レンズホルダに対する傾きを調整
する。そして、上記対物レンズの傾きの調整により対物
レンズの光軸と光束の光軸を平行にすることによって、
対物レンズで集光されるレーザー光の収差を少なくす
る。また、上記感熱変形支持部材は対物レンズの外縁に
沿うように略円弧形状に片持構造に形成しているので、
対物レンズの周りのスペースを有効に利用でき、感熱変
形支持部材のマウントスペースを小さくしながら、感熱
変形支持部材の作動長をできるだけ長くして、対物レン
ズの変位量を大きくできる。したがって、小型にして上
記対物レンズの傾きや位置を容易に調整できる。
【0017】上記感熱変形支持部材は、2つまたは3つ
の別体の円弧形状のものであってもよく、また、それら
の一体構造のものであってもよい。2つの円弧形状のも
のを一体化したものでは、固定される中央部が一端とみ
なされる。
【0018】また、請求項2の対物レンズ調整機構は、
請求項1の対物レンズ調整機構において、上記感熱変形
支持部材の他端は、上記対物レンズの外縁近傍の周方向
に略120度間隔の3点を支持することを特徴としてい
る。
【0019】上記請求項2の対物レンズ調整機構によれ
ば、対物レンズの外縁近傍の周方向に略120度間隔の
3点を支持するので、変位量が略同一になるように感熱
変形支持部材を変形させることによって、対物レンズの
光軸の傾きを変えることなく、対物レンズの高さを調整
することができ、フォーカス方向の組立誤差を補正でき
る。また、上記対物レンズの傾きと対物レンズの高さと
を同時に調整することができるから、調整作業を簡略化
でき、調整作業の自動化に有利になる。
【0020】また、請求項3の対物レンズ調整機構は、
請求項2に記載の対物レンズ調整機構において、上記感
熱変形支持部材は、上記対物レンズホルダに固定される
環状の固定部と、上記環状の固定部の内周側に周方向に
略120度毎に設けられた突起部と、上記各突起部から
隣接する突起部に向けて上記環状の固定部の内周に沿っ
て夫々延びる感熱変形円弧形状部を備え、上記感熱変形
円弧形状部の先端が上記対物レンズを支持することを特
徴としている。
【0021】上記請求項3の対物レンズ調整機構によれ
ば、上記感熱変形支持部材は、環状の固定部の内側に突
起部と感熱変形円弧形状部とを一体に形成したので、マ
ウントスペースが小さくなる上に、その取り扱い、組み
立て、固定が容易になる。対物レンズの位置、姿勢の調
整は感熱変形円弧形状部に熱エネルギーを与えることに
よって行われる。
【0022】また、請求項4の対物レンズ調整機構は、
請求項1乃至3のいずれか1つの対物レンズ調整機構に
おいて、上記対物レンズは球面部とフランジ部を有し、
上記フランジ部を上記感熱変形支持部材の他端により支
持することを特徴としている。
【0023】上記請求項4の対物レンズ調整機構によれ
ば、フランジ部を支持するから、対物レンズの球面部を
支持する場合に比べて、対物レンズを支持しやすく、支
持位置が安定する。
【0024】また、請求項5の対物レンズ調整機構は、
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の対物レンズ調整
機構において、上記対物レンズホルダに形成された貫通
穴の周囲に上記対物レンズが埋め込み可能な段部を設け
ると共に、この段部に上記感熱変形支持部材を固定した
ことを特徴としている。
【0025】上記請求項5の対物レンズ調整機構によれ
ば、上記対物レンズが対物レンズホルダの段部に感熱変
形支持部材と共に埋め込まれ、対物レンズホルダの表面
から対物レンズが突出しないように、あるいは突出量が
少なくなるようにでき、薄型化できる。
【0026】また、請求項6の対物レンズ調整機構は、
請求項5に記載の対物レンズ調整機構において、上記段
部の内壁面と上記対物レンズの外壁面との間に溝を形成
し、上記感熱変形部材で対物レンズの傾きを調整した
後、上記溝に接着剤を充填したことを特徴としている。
【0027】上記請求項6の対物レンズ調整機構によれ
ば、対物レンズの傾き、および位置調整が終了した後、
上記貫通穴の段部の内壁面と対物レンズの外壁面との間
の溝に接着剤を充填している。したがって、対物レンズ
を対物レンズホルダに強固に固定でき、かつ組立作業の
自動化が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の対物レンズ調整
機構の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0029】図1はこの発明の一実施形態としての対物
レンズ調整機構を用いた光ピックアップ装置の斜視図で
ある。この光ピックアップ装置は、対物レンズ2を支持
する感熱変形支持部材3を対物レンズホルダ1によって
保持すると共に、この対物レンズホルダ1を4本のワイ
ヤ13でバネベース15に支持している。上記ワイヤ1
3が撓むことによって、対物レンズホルダ1は、対物レ
ンズ2の光軸方向である矢印F方向およびラジアル方向
であるR方向に揺動するようになっている。更に、上記
対物レンズホルダ1に取り付けられたフォーカス駆動コ
イル17およびラジアル駆動コイル18は、磁気回路1
9の磁束を横切っているため、各コイル17,18に通
電することによって、矢印F方向と矢印R方向に夫々力
が発生し、対物レンズホルダ1と対物レンズ2をその方
向に動かすようになっている。
【0030】また、図2は上記対物レンズ調整機構に用
いられる感熱変形支持部材3の正面図であり、図3は図
1における対物レンズ2と対物レンズホルダ1の部分を
拡大した斜視図である。また、図4は図3のA−A線断
面図であり、図5は図3の矢印Bの方向から見た矢視図
である。
【0031】図2に示すように、上記感熱変形支持部材
3は、斜線で示す環状の固定部3aと、上記環状の固定
部3aの内周側に周方向に略120度毎に設けられた突
起部3b,3b,3bと、上記各突起部3b,3b,3bの同じ片
側から固定部3aの内周に沿って隣接する各突起部3b,
3b,3bに向けて延びる感熱変形円弧形状部3c,3c,3c
とを有している。そして、図4に示すように、上記感熱
変形支持部材3の環状の固定部3aを、対物レンズホル
ダ1の貫通穴4の周りに形成された環状の段部4aに嵌
合して固定している。上記感熱変形支持部材3の内周
側、つまり、感熱変形円弧形状部3cの内周側には、対
物レンズ2の球面部2bを配置して、対物レンズ2のフ
ランジ部2aを感熱変形支持部材3の感熱変形円弧形状
部3c,3c,3cと突部3b,3b,3bに当接している。
【0032】上記感熱変形支持部材3は、熱エネルギー
を与えることによって変形するもので、たとえば、バイ
メタル、あるいは形状記憶合金と弾性体とを張り合わせ
た材料等によって形成されている。上記感熱変形円弧形
状部3c,3c,3cは、温度上昇により対物レンズ2側に
たわんで、対物レンズ2を光軸方向に持ち上げるように
なっている。上記感熱変形円弧形状部3c,3c,3cは、
図3に示す加熱用レーザー光100によって、図2に示
す突部3b,3b,3bに近い根本の領域100a,100b,
100cに熱エネルギーを夫々与えて、感熱変形円弧形
状部3c,3c,3cの先端90,90,90の変位量が大き
くなるようにしている。このように、上記対物レンズ2
のフランジ部2aを、変位量の大きい感熱変形円弧形状
部3c,3c,3cの先端90,90,90の3点で支持して
いるから、加熱用レーザー光100による根本の領域1
00a,100b,100cへの入熱量を変えて、感熱変
形円弧形状部3c,3c,3cのたわみ量を夫々調整するこ
とによって、光束の光軸に対する対物レンズ2の光軸の
傾きと、対物レンズ2の高さとを容易に調整できる。
【0033】以下、図6(a)〜(d)に従って、加熱用レー
ザー光100で感熱変形支持部材3の感熱変形円弧形状
部3c,3c,3cの根本領域100a,100b,100c
(図2参照)に熱エネルギーの供給を行って、対物レン
ズ2の光軸の傾きおよび対物レンズ2の高さを調整する
作業を説明する。いま、図6(a)に示すように、上記対
物レンズ2の光軸が光源からの光束の光軸に対して角度
θ傾いているとする。
【0034】まず、上記対物レンズ2を支持する感熱変
形支持部材3の図2,5に示す感熱変形円弧形状部3c,
3c,3cの根本の領域100a,100b,100cに対し
て、図6(b)に示すように、対物レンズホルダ1の下面
側より加熱用レーザー光100を照射する。そして、図
6(c)に示すように、上記光束の光軸に対する対物レン
ズ2の光軸の角度θがゼロすなわち光束の光軸と対物レ
ンズ2の光軸とが平行になるように、加熱用レーザー光
100の照射する位置および光量を調整する。図6(c)
では、対物レンズ2のフランジ部2aが感熱変形円弧形
状部3cの先端100aによって、持ち上げられている。
なお、上記対物レンズ2の光軸の傾き角度θは、対物レ
ンズ2より出射するレーザー光の形状あるいはフランジ
部分2aの図示しない組立基準面に対する角度を観測装
置(図示せず)により測定する。そして、上記対物レンズ
2の調整後、図6(d)に示すように、対物レンズホルダ
1の貫通穴4の周りの段部4aの内壁と対物レンズ2の
外壁との間に形成された溝60に接着剤ノズル80から
噴射された接着剤70を流し込み、調整完了位置で対物
レンズ2を対物レンズホルダ1に強固に接着して固定す
る。こうして、上記対物レンズ2の傾きおよび位置の調
整作業を終了する。
【0035】上記対物レンズ2の直径を4.2mmとし
て、対物レンズ2の光軸の傾き調整角度を1deg前後に
すると、感熱変形支持部材3の感熱変形部3cに必要な
変位量は約100μm程度である。上記感熱変形部3c,
3c,3cの作動長は、図2に示すように、内辺11およ
び外辺12で長さが夫々異なっているが、上記変位は外
辺12の長さによって決まる。すなわち、 外辺12の長さ L : 3.9[mm] バイメタルのわん曲係数 K : 15×10-6[1/
K] レーザー光による温度差 △T: 70[K] 感熱変形支持部材の厚み t : 0.1mm に設定し、数1の式により変位量Dを求めると、略15
0μmとなり、対物レンズ2の傾きを十分に調整するこ
とができる。
【0036】このように、上記対物レンズ調整機構で
は、対物レンズ2のフランジ部2aの等間隔の3点を感
熱変形支持部材3の感熱変形円弧形状部3c,3c,3cの
先端90,90,90で支持し、感熱変形円弧形状部3c,
3c,3cの根本の領域100a,100b,100cに加熱用
レーザー光100を照射し、かつ、その照射箇所および
照射による熱量を調整することによって、先端90,9
0,90の変位量を夫々変えて、対物レンズ2の光軸の
傾きを調整すると共に、対物レンズ2の高さを調整す
る。そして、上記対物レンズ2の光軸とレーザー光束の
光軸を略平行にすることによって、レーザー光の収差を
少なくする。また、上記対物レンズ2の高さを調整する
ことによって、フォーカス方向の組立誤差を補正する。
【0037】上記感熱変形支持部材3の感熱変形部3c,
3c,3cを対物レンズ2のフランジ部2aに沿うように略
円弧形状に形成しているので、対物レンズ2の周りの従
来のデッドスペースを有効に利用して、対物レンズホル
ダ1において感熱変形支持部材3が占めるマウントスペ
ースを小さくでき、かつ、対物レンズ2の変位量を大き
くするための感熱変形支持部材3の感熱変形円弧形状部
3c,3c,3cの作動長を長くすることができる。したが
って、上記対物レンズ2の光軸の傾きを容易に調整でき
る上に、小型化できる対物レンズ調整機構を実現するこ
とができる。
【0038】また、上記感熱変形支持部材3により対物
レンズ2の周方向に略120度間隔の3点支持すること
によって、3点の支持位置を同一方向に同一変位量調整
することで、対物レンズ2の高さも調整することができ
る。したがって、上記対物レンズ2の光軸の傾きを調整
できる上に、と対物レンズ2の高さを調整することがで
きるから、調整作業を簡略化でき、調整作業の自動化に
有利になる。
【0039】また、上記感熱変形支持部材3を環状の固
定部3a,突起部3b,3b,3bおよび感熱変形円弧形状部
3c,3c,3cを一体に形成したので、その取り扱い、組
み込み作業が容易になる。
【0040】また、上記対物レンズ2に形成されたフラ
ンジ部2aを、上記感熱変形支持部材3の感熱変形円弧
形状部3c,3c,3cの先端90,90,90により支持す
るようにしたので、対物レンズ2の球面部2bを支持す
る場合に比べて、対物レンズ2を支持しやすく、支持位
置が安定して、対物レンズ2の位置調整がさらに容易に
なる。
【0041】また、上記対物レンズホルダ1に形成され
た貫通穴4の周りに対物レンズ2が埋め込まれる段部4
aを設け、その段部4aに感熱変形支持部材3の固定部3
aを固定したので、対物レンズ2が対物レンズホルダ1
の貫通穴4の段部4aに感熱変形支持部材3と共に埋め
込まれ、対物レンズホルダ1の貫通穴4から感熱変形支
持部材3や対物レンズ2が突出しないように、あるいは
突出量を少なくすることによって、対物レンズ調整機構
を薄くすることができる。
【0042】また、上記対物レンズ2の傾きと対物レン
ズ2の高さの調整が終了した後、対物レンズホルダ1の
貫通穴4の周りの段部4aの内壁面と対物レンズ2の外
壁面との間に形成された溝60に接着剤70を充填して
いるので、対物レンズ2を対物レンズホルダ1に強固か
つ容易に固定することができ、また、組立作業を容易に
自動化できる。
【0043】上記実施の形態の説明では、上記感熱変形
支持部材3の感熱変形部3c,3c,3cに加熱用レーザー
光により熱エネルギーを与えたが、熱エネルギーを与え
る手段はこれに限らず、ヒータ線を設けて電流によるジ
ュール熱を利用してもよく、また、電気ゴテを利用して
もよい。
【0044】また、上記感熱変形支持部材3を環状の固
定部3a,突起部3b,3b,3bおよび感熱変形円弧形状部
3c,3c,3cを一体に形成したが、感熱変形円弧形状部
毎に固定部を有する複数の感熱変形支持部材でもよいの
は勿論である。
【0045】また、上記感熱変形支持部材3により対物
レンズ2の周方向に略120間隔の3点を支持したが、
感熱変形支持形状部材で対物レンズの2点を支持し、他
の一点を静止支点で支持するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の対物レンズ調整機構は、感熱変形支持部材を、対物
レンズの外縁に沿うように略円弧形状に形成すると共
に、一端が対物レンズホルダに固定され、他端が対物レ
ンズを支持する片持ち構造としたので、対物レンズの周
りのスペースを有効に利用して、感熱変形支持部材のマ
ウントスペースを小さくでき、対物レンズ調整機構の設
置スペースを小さくできると共に、対物レンズの変位量
を大きくするための感熱変形支持部材の作動長を長く設
定できる。したがって、上記対物レンズの光軸の傾きを
容易に調整でき、この対物レンズ調整機構を用いた光ピ
ックアップ装置を小型化することができる。
【0047】また、請求項2の発明の対物レンズ調整機
構は、対物レンズの外縁近傍の周方向に略120度間隔
の3点を支持するので、変位量が略同一になるように感
熱変形支持部材を変形させることによって、対物レンズ
の光軸の傾きの調整に加えて、対物レンズの高さのみの
調整を行うことができ、フォーカス方向の組立誤差を補
正することができる。また、上記対物レンズの傾きと対
物レンズの高さとを同時に調整することができるから、
調整作業を簡略化でき、調整作業の自動化に有利にな
る。
【0048】また、請求項3の発明の対物レンズ調整機
構は、請求項2に記載の対物レンズ調整機構において、
上記感熱変形支持部材は、上記対物レンズホルダに固定
される環状の固定部と、上記環状の固定部の内周側に周
方向に略120度毎に設けられた突起部と、上記各突起
部から隣接する突起部に向けて上記環状の固定部の内周
に沿って夫々延びる感熱変形円弧形状部を備え、上記感
熱変形円弧形状部の先端が上記対物レンズを支持するの
で、取り扱い、組み立てが容易になる。
【0049】また、請求項4の発明の対物レンズ調整機
構は、請求項1乃至3のいずれか1つの対物レンズ調整
機構において、上記対物レンズのフランジ部を感熱変形
支持部材の他端により支持するので、対物レンズの球面
部を支持する場合に比べて対物レンズを支持しやすく、
支持位置が安定する。
【0050】また、請求項5の発明の対物レンズ調整機
構は、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の対物レン
ズ調整機構において、上記対物レンズホルダに形成され
た貫通穴の周囲に上記対物レンズが埋め込み可能な段部
を設けると共に、この段部に上記感熱変形支持部材を固
定したので、この対物レンズ調整機構を用いた光ピック
アップ装置を薄型化することができる。
【0051】また、請求項6の発明の対物レンズ調整機
構は、請求項5に記載の対物レンズ調整機構において、
上記段部の内壁面と上記対物レンズの外壁面との間に溝
を形成し、上記感熱変形部材で対物レンズの傾きを調整
した後、上記溝に接着剤を充填したので、対物レンズを
対物レンズホルダに容易に固定することができ、組立作
業を容易に自動化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の一実施形態の対物レンズ調
整機構の斜視図である。
【図2】 図2は上記対物レンズ調整機構の感熱変形支
持部材の正面図である。
【図3】 図3は上記対物レンズ調整機構の対物レンズ
と対物レンズホルダの部分の拡大斜視図である。
【図4】 図4は図3のA−A線断面図である。
【図5】 図5は図3のB方向からの矢視図である。
【図6】 図6(a)〜(d)は上記対物レンズ調整機構の対
物レンズの傾き調整方法の一例を示す図である。
【図7】 図7は従来の光ディスク装置の概略構成図で
ある。
【図8】 図8は従来の他の光ディスク装置の概略構成
図である。
【図9】 図9は上記光ディスク装置の光ピックアップ
の対物レンズ部分を示す上面図である。
【図10】 図10は従来の対物レンズ調整機構の斜視
図である。
【図11】 図11は感熱変形部の変位量を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…対物レンズホルダ、2…対物レンズ、3…感熱変形
支持部材、3a…固定部、3b…突起部、3c…感熱変形
部、4…貫通穴、4a…段部、13…ワイヤ、15…バ
ネベース、17…フォーカス駆動用コイル、18…ラジ
アル駆動用コイル、19…磁気回路、60…溝、70…
接着剤、80…接着剤ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−45084(JP,A) 特開 平8−161755(JP,A) 実開 平3−33396(JP,U) 実開 平5−21325(JP,U) 実開 平1−151421(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/08 - 7/22 G02B 7/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを、その対物レンズを保持す
    る対物レンズホルダに対して位置調整する対物レンズ調
    整機構において、 上記対物レンズと上記対物レンズホルダとの間に、上記
    対物レンズの外縁に沿うように略円弧形状に形成され
    て、一端が上記対物レンズホルダに固定される一方、他
    端が上記対物レンズを支持する片持ち構造の感熱変形支
    持部材を配置したことを特徴とする対物レンズ調整機
    構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の対物レンズ調整機構に
    おいて、上記感熱変形支持部材の他端は、上記対物レン
    ズの外縁近傍の周方向に略120度間隔の3点を支持す
    ることを特徴とする対物レンズ調整機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の対物レンズ調整機構に
    おいて、上記感熱変形支持部材は、上記対物レンズホル
    ダに固定される環状の固定部と、上記環状の固定部の内
    周側に周方向に略120度毎に設けられた突起部と、上
    記各突起部から隣接する突起部に向けて上記環状の固定
    部の内周に沿って夫々延びる感熱変形円弧形状部を備
    え、上記感熱変形円弧形状部の先端が上記対物レンズを
    支持することを特徴とする対物レンズ調整機構。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    対物レンズ調整機構において、上記対物レンズは球面部
    とフランジ部を有し、上記フランジ部を上記感熱変形支
    持部材の他端により支持することを特徴とする対物レン
    ズ調整機構。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
    対物レンズ調整機構において、上記対物レンズホルダに
    形成された貫通穴の周囲に上記対物レンズが埋め込み可
    能な段部を設けると共に、この段部に上記感熱変形支持
    部材を固定したことを特徴とする対物レンズ調整機構。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の対物レンズ調整機構に
    おいて、上記段部の内壁面と上記対物レンズの外壁面と
    の間に溝を形成し、上記感熱変形部材で対物レンズの傾
    きを調整した後、上記溝に接着剤を充填したことを特徴
    とする対物レンズ調整機構。
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