JP3214210B2 - 光学的情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体及びその製造方法

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JP3214210B2 JP02391894A JP2391894A JP3214210B2 JP 3214210 B2 JP3214210 B2 JP 3214210B2 JP 02391894 A JP02391894 A JP 02391894A JP 2391894 A JP2391894 A JP 2391894A JP 3214210 B2 JP3214210 B2 JP 3214210B2
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光線等の光学
的手段を用いて情報を高速かつ高密度に記録、再生する
光学的情報記録媒体及びその製造方法に関し、特に、相
変化型光ディスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光線を利用して高密度な情報の
再生あるいは記録を行う技術は公知であり、主に光ディ
スクとして実用化されている。
【0003】光ディスクは、再生専用型、追記型及び書
き換え型に大別される。再生専用型はコンパクトディス
クやレーザーディスクとして、また追記型や書き換え型
は文書ファイル、データファイル等として実用化されて
いる。
【0004】書き換え型光ディスクは、主に光磁気型と
相変化型に分類される。相変化型光ディスクは、レーザ
ー光線の照射によって、記録層がアモルファスと結晶と
の間(あるいは結晶とさらに異なる構造の結晶との間)
で可逆的に状態変化を起こすことを利用する。レーザー
光線の照射により、薄膜の屈折率あるいは消衰係数のう
ち少なくともいずれか一つが変化して、それによって信
号が記録される。この記録層の状態が変化した部分で
は、透過光あるいは反射光の振幅が変化し、その結果、
検出系に至る透過光量あるいは反射光量が変化する。こ
の光量の変化を検出して、信号を再生する。アモルファ
スと結晶との間で状態変化を起こす材料としては、T
e、Se、In、Sb等の合金が主に用いられている。
【0005】相変化型光ディスクは、基板上に誘電体
層、記録層、また反射層等を蒸着法、あるいはスパッタ
リング法により積層して製造する。蒸着法に比べてスパ
ッタリング法は、基板と層の密着性がよい、層厚や層の
組成の再現性が高い、大面積で均一性の高い層が得られ
る、などの長所を有するので、一般には、相変化型光デ
ィスクの製造にはスパッタリング法が使用されている。
このスパッタリング法においては、従来、一般に放電ガ
スとして安価なArガスが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
Arガスを利用したスパッタリングによる従来技術の形
成方法で製造された相変化型光ディスクには、繰り返し
オーバーライト動作に起因する劣化現象のために、記録
と消去のサイクルに限界があるという課題がある。この
劣化現象の一つが、繰り返しオーバーライト動作により
記録層の中にvoidが凝集・成長して、その結果、信
号振幅の低下やノイズの増加などの問題を引き起こすと
いう現象である。
【0007】上記のVoidの発生原因としては、次の
2点が考えられる。第1に、スパッタリングによる記録
層の形成工程中に記録層中に取り込まれたArが、次第
に析出・凝集することによって、Voidが発生する
(堀江、他 第3回相変化シンポジウム予稿集’91秋
P.7 参照)。第2に、スパッタリングによる誘電
体層の形成工程中に誘電体層に取り込まれたArが、繰
り返しオーバーライト動作により誘電体層から遊離して
記録層に混入することによって、Voidが発生する。
第2の点は、以下のようにさらに詳細に説明できる。相
変化型光ディスクでは、信号の記録・消去時に、記録層
の温度は記録層の融点である約600℃まで上昇する。
その結果、記録層に接する誘電体層も高温となり、その
ために誘電体層からArガスが遊離して記録層へ混入
し、凝集してVoidになる。
【0008】上記のような、スパッタリングによる形成
工程で放電ガスとして使用されるArガスに起因する記
録層中のVoidの生成現象、及びそれに起因する相変
化型光ディスクの特性劣化は、従来からよく知られてい
る現象である。しかし、その問題の本質的な解決策は、
これまで示されていない。Arガスのガス圧力などのス
パッタリング条件を変えても、特性改善に顕著な効果は
得られない。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、信号振幅の
低下やノイズの増加など、光学的情報記録媒体の特性劣
化の原因になる、繰り返しオーバーライト動作による相
変化型記録層中のvoidの凝集・成長の抑制が可能な
光学的情報記録媒体の製造方法を提供することである。
【0010】また、本発明の他の目的は、多数回の繰り
返しオーバーライト動作を行っても記録層中にVoid
が生成せず、結果として高信頼性化と長寿命化を達成で
きる光学的情報記録媒体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的情報記録
媒体の製造方法は、アモルファス相と結晶相との間で可
逆的に相変化を起こす記録層を基板上に備えた光学的情
報記録部材を製造する方法であって、該方法は、該記録
層をXeガス、Krガスの少なくとも一方を含む放電ガ
ス中におけるスパッタリングによって形成する工程を含
んでおり、そのことによって上記目的が達成される。
【0012】ある実施例では、前記放電ガスがさらにA
rガスを含む。他の実施例では、前記放電ガスがさらに
2ガスを含む。好ましくは、前記放電ガスがKrガス
とN2ガスとからなるガスであって、該放電ガスの全圧
に対する該N2ガスの分圧の比率が0.25〜10%で
ある。前記放電ガスがXeガスとN2ガスとからなるガ
スであって、該放電ガスの全圧に対する該N2ガスの分
圧の比率が0.25〜5%であってもよい。
【0013】ある実施例では、前記記録層がSbTe、
GeSbTe、GeSbTeSe、GeSbTePd、
TeGeSnAu、AgSbTe、GeTe、GaS
b、InSe、InSb、InSbTe、InSbSe
及びInSbTeAgからなるグループから選択された
合金を主成分とする。
【0014】本発明の光学的情報記録部材の製造方法
は、基板上に、第1の誘電体層、アモルファス相と結晶
相との間で可逆的に相変化を起こす相変化記録材料から
なる記録層及び第2の誘電体層が順に積層された光学的
情報記録媒体を製造する方法であって、該方法は、該第
1の誘電体層、該記録層及び該第2の誘電体層のうちの
少なくとも一つの選択された層を、Xeガス、Krガス
の少なくとも一方を含む放電ガス中におけるスパッタリ
ングによって形成する工程を含んでおり、そのことによ
って上記目的が達成される。
【0015】ある実施例では、前記第2の誘電体層の上
にさらに反射層を積層する工程を含む。他の実施例で
は、前記放電ガスがさらにArガスを含む。さらに他の
実施例では、前記放電ガスがさらにN2ガスを含む。好
ましくは、前記放電ガスの全圧に対する前記N2ガスの
分圧の比率が0.1〜10%である。
【0016】ある実施例では、前記記録層がSbTe、
GeSbTe、GeSbTeSe、GeSbTePd、
TeGeSnAu、AgSbTe、GeTe、GaS
b、InSe、InSb、InSbTe、InSbSe
及びInSbTeAgからなるグループから選択された
合金を主成分とする。
【0017】ある実施例では、前記第1及び第2の誘電
体層がSiO2、SiO、TiO2、MgO、Ta25
Al23、GeO2、Si34、BN、AlN、Si
C、ZnS、ZnSe、ZnTe及びPbSからなるグ
ループから選択された少なくとも一つの材料からなる。
【0018】ある実施例では、前記第1の誘電体層、前
記記録層及び前記第2の誘電体のうちの前記選択された
層以外の層を、Arガス中におけるスパッタリングによ
って形成する。
【0019】本発明の光学的情報記録部材は、基板上
に、第1の誘電体層、アモルファス相と結晶相との間で
可逆的に相変化を起こす相変化記録材料からなる記録層
及び第2の誘電体層が順に積層され、該第1の誘電体
層、該記録層及び該第2の誘電体層のうちの少なくとも
1層はArを含有していない構成となっており、そのこ
とによって上記目的が達成される。
【0020】ある実施例では、前記記録層がカルコゲン
合金の薄膜である。好ましくは、前記記録層がSbT
e、GeSbTe、GeSbTeSe、GeSbTeP
d、TeGeSnAu、AgSbTe、GeTe、Ga
Sb、InSe、InSb、InSbTe、InSbS
e及びInSbTeAgからなるグループから選択され
た合金を主成分とする。さらに好ましくは、前記記録層
がGeSbTeを主成分とする。
【0021】ある実施例では、前記第1及び第2の誘電
体層がSiO2、SiO、TiO2、MgO、Ta25
Al23、GeO2、Si34、BN、AlN、Si
C、ZnS、ZnSe、ZnTe及びPbSからなるグ
ループから選択された少なくとも一つの材料からなる。
好ましくは、前記第1及び第2の誘電体層がSiO2
ZnSとの混合物である。
【0022】ある実施例では、前記第2の誘電体層の上
にさらに反射層を備えている。
【0023】
【作用】相変化型の記録層を有する光学的情報記録媒体
では、100回程度以上の繰り返しオーバーライト動作
により記録消去特性が悪化するというサイクル劣化が生
じることが知られている。サイクル劣化の原因として、
(1)記録消去時に加熱、冷却を多数回繰り返すため
に、ディスク基板や保護層に熱的損傷が生じる、(2)
加熱、冷却の繰り返しによる保護層の脈動によって、記
録層材料がディスク回転方向のガイド溝に沿って移動す
る、(3)スッパタリングによる形成工程で放電ガスと
して使用されるArが、同工程中に記録層や誘電体層中
に混入し、記録層中にArのvoidが生成する、など
の理由が報告されている。
【0024】発明者らは、上記の劣化メカニズムのう
ち、記録層中のvoid生成による劣化に着目し、記録
層への放電ガスの混入が生じない形成方法を研究した。
また、誘電体層に混入した放電ガスの記録層への混入を
抑える形成方法を研究した。
【0025】まず最初に、スパッタリング工程における
Ar圧力などスパッタリング条件を変化させて形成を行
ったが、サイクル特性の大きな向上は認められなかっ
た。次に、放電ガスをArから他の希ガス元素(Kr、
Xe)に変えて記録層、誘電体層を形成したところ、記
録層や誘電体層への放電ガスの混入が実質的に抑制さ
れ、サイクル特性が大幅に向上することを見いだした。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例について説明する。
【0027】本発明による相変化型光ディスクの構造
を、図1に示す。基板1上には、第1の誘電体層2、記
録層3、第2の誘電体層4及び反射層5が、スパッタリ
ング法によって順次形成されている。さらに反射層5の
上には、反射層5に密着した透明な保護層6が設けられ
ている。基板1と第1の誘電体層2との間に、他の反射
層を設けてもよい。また、反射層5や保護層6を、必ず
しも有している必要はない。信号を記録層3に記録し、
または記録層3から再生もしくは消去するためのレーザ
ー光は、基板1の側から入射される。
【0028】基板1の材質としては、ガラス、石英、ポ
リカーボネートあるいはポリメチルメタクリレートを使
用できる。また、基板1は、平滑な平板でも、表面にト
ラッキングガイド用の溝状の凸凹があってもよい。
【0029】保護層6としては、樹脂を溶剤に溶かして
塗布・乾燥したものや、樹脂板を接着剤で接着したもの
などが使用できる。
【0030】記録層3の材料としては、アモルファス及
び結晶間の相変化をするTe、Se、Sb、In、Ge
等を主成分とするカルコゲン合金がよく知られており、
例えばSbTe系、GeSbTe系、GeSbTeSe
系、GeSbTePd系、TeGeSnAu系、AgS
bTe系、GeTe系、GaSb系、InSe系、In
Sb系、InSbTe系、InSbSe系、InSbT
eAg系等を使用できる。好ましくは、GeSbTe系
の使用が望ましい。
【0031】第1及び第2の誘電体層2、4としては、
SiO2、SiO、TiO2、MgO、Ta25、Al2
3、GeO2、Si34、BN、AlN、SiC、Zn
S、ZnSe、ZnTe、PbS等、あるいはこれらの
混合物が使用できる。好ましくは、SiO2とZnSと
の混合物の使用が望ましい。
【0032】反射層5としては、Au、Al、Cu、C
r、Ni、Ti等の金属材料を主成分とした材料、ある
いはこれらの混合物が使用できる。さらに、所定の波長
における反射率が大きな誘電体多層膜などを使用するこ
ともできる。
【0033】本発明の最も重要な特徴は、上記の記録層
3あるいは第1及び第2の誘電体層2、4をスパッタリ
ングによって形成する際に、Arより原子量の大きい希
ガス(Kr、Xe)を放電ガスとして用いることであ
る。また、ArとKrまたはXeとの混合ガスを用いて
も、サイクル特性の改善に効果がある。さらに、これら
の放電ガスとN2との混合ガスを用いると、サイクル特
性はさらに向上する。
【0034】なお、本発明によるサイクル特性の向上効
果は、上記に示した記録層3の材料のうち、GeSbT
e系を用いた場合に特に大きかった。
【0035】以下、具体的な実施例によって、本発明を
さらに詳細に説明する。(実施例1) 本発明の第1の実施例を、以下に説明す
る。本実施例では、記録層3の材料としてGeSbTe
系三元合金を用いた相変化型光ディスクについて、記録
層3のスパッタリングによる形成工程で使用される放電
ガスの種類を変え、それによる相変化型光ディスクのサ
イクル特性の変化を比較した。
【0036】まず、相変化型光ディスクの製造方法を説
明する。以下に述べるスパッタリングによる各層の形成
工程のフローチャートを、図2に示す。
【0037】基板1として、信号記録用トラックを持つ
直径130mmのポリカーボネート製基板を用いた。そ
の基板1上に、まず第1の誘電体層2の形成工程22と
して、厚さ1300オングストロームのZnS−SiO
2混合層を、スパッタパワー200WのRFスパッタリ
ングで形成した。次に、記録層3の形成工程23とし
て、厚さ250オングストロームのGe22Sb22Te56
層を、スパッタパワー50WのDCスパッタリングで形
成した。続いて、第2の誘電体層4の形成工程24とし
て、厚さ200オングストロームのZnS−SiO2
合層を、第1の誘電体層2の形成工程22と同じくスパ
ッタパワー200WのRFスパッタリングで形成した。
さらに、反射層5の形成工程25として、厚さ1500
オングストロームのAl層を、スパッタパワー400W
のDCスパッタリングにより形成した。最後に、保護層
6の形成工程26として、保護層5の上にポリカーボネ
ートの保護層6を設けた。なお、上記のスパッタリング
による各層の形成工程22〜25において、スパッタリ
ング中の基板温度は、特に設定しなかった。
【0038】上述のように、本実施例のスパッタリング
工程では、第1及び第2の誘電体層2、4であるZnS
−SiO2層の形成工程22、24、及び反射層5であ
るAl層の形成工程25では、放電ガスとしてArを用
いた。一方、記録層3であるGe22Sb22Te56層の形
成工程23では、放電ガスの種類とガス圧力を以下のよ
うに8通りに変化させて、それぞれの条件下で形成を行
った(括弧内の数字は、ガス圧力を表す);(1)Ar
(2mTorr)、(2)Ar(5mTorr)、(3)Kr
(2mTorr)、(4)Kr(5mTorr)、(5)Xe
(2mTorr)、(6)Xe(5mTorr)、(7)Ar
(1mTorr)及びKr(1mTorr)の混合ガ
ス、(8)Ar(1mTorr)及びXe(1mTor
r)の混合ガス。
【0039】本実施例では、記録層3のスパッタリング
による形成工程23における放電ガスの種類とガス圧力
のみを変え、第1及び第2の誘電体層2、4、反射層5
ならびに保護層6の形成工程22、24、25、26の
製造条件や各層の材料は全く同一にして、相変化型光デ
ィスクを製造した。
【0040】上記のように製造された相変化型光ディス
クの評価は、次の条件で行った。波長780nmのレー
ザー光を用い、記録装置の記録再生に用いる光学ヘッド
の対物レンズの開口数NAを0.55、線速10m/s
ec、記録パワー20mW、バイアスパワー10mWと
して、5MHzと3MHzの信号を交互に1ビームオー
バーライトで記録した。そして、5MHzの再生信号の
C/N比が初期の値より3dB低下する繰り返し回数
を、サイクル寿命とした。ここで、1ビームオーバーラ
イトとは、記録信号によって、レーザーパワーを記録レ
ベルと消去レベルの間で変調して、変調されたレーザ光
を信号トラック上に照射して、既に記録されている古い
信号を消去しながら新しい信号を記録する方法である。
記録レベルのレーザ光で照射された領域は、元の状態が
アモルファスか結晶かにかかわらず溶融し、その後に冷
却されてアモルファスとなる。消去レベルのレーザ光で
照射された領域は、結晶化温度以上に昇温するために、
元の状態にかかわらず結晶化して、新しい信号がオーバ
ーライトされる。
【0041】図3に、記録層3の形成工程23における
放電ガスの種類及びそのガス圧力と、相変化型光ディス
クのサイクル寿命との関係を示す。図3の縦軸のサイク
ル寿命は、リニアスケールで表されている。
【0042】図3に示されるように、記録層3のスパッ
タリングによる形成工程23の放電ガスとしてArを使
用する従来例では、ガス圧力の値にかかわらず、サイク
ル寿命は1x105回であった(図中では、従来レベル
として実線で示してある)。一方、放電ガスをKrある
いはXeに変えることによって、相変化型光ディスクの
サイクル寿命が10倍以上向上し、サイクル特性が大幅
に改善することがわかる。また、放電ガスとしてArと
Kr、またはArとXeとの混合ガスを用いても、Ar
単独の場合に比べてサイクル特性は5〜7倍に向上する
ことがわかる。
【0043】図4に、走査型電子顕微鏡(SEM)観察
により多数回オーバーライト動作後の記録層3の表面の
状態を示す。上段には、ガス圧力2mTorrのArを
用いて記録層3を形成した上記(1)の場合、下段には、
ガス圧力2mTorrのKrを用いて記録層3を形成し
た上記(3)の場合を示す。各々の形成条件について、1
回記録時及び1万回オーバーライト後の記録層表面を示
している。
【0044】1回記録時には、Ar、Krのいずれを放
電ガスとして記録層3を形成しても、記録層3の表面に
Voidは認められない。一方、1万回のオーバーライ
ト後には、Arを用いて形成した記録層3の表面にはV
oidが存在しているのに対して、Krを用いて形成し
た記録層3の表面には全くVoidが存在していない。
なお、図にはSEM観察の結果を示していないが、Xe
を用いて形成した場合の記録層3の表面にも、Krによ
り形成した場合と同様に、Voidは認められない。
【0045】スパッタリングの放電ガスを従来技術のA
rから本発明のようにKrあるいはXeに変えることに
より、サイクル特性が向上する原因としては、以下の点
が考えられる。Kr、XeはArより質量が大きいため
に、スパッタリングによる記録層3の形成工程23中に
記録層3中に取り込まれるガス量が少ない。その結果、
繰り返しオーバーライト動作によって記録層3中に発生
するvoidが少なくなる。
【0046】上記の考察の正しさを確認するために、ス
パッタパワー50WのDCスパッタリングによって、S
i基板表面に記録層材料であるGeSbTe層を形成し
たサンプルを製作し、GeSbTe層(本実施例の相変
化型光ディスクの記録層3に相当する)中に存在する放
電ガス量をラザフォード後方散乱分析法(RBS)で測
定した。なお、この場合も、形成時の基板温度は特に設
定しなかった。
【0047】測定の結果、ガス圧力2mTorrのAr
を用いてスパッタリングにより形成された記録層中のA
r量は0.60at%であり、放電ガスであるArが記
録層中に混入していることが確認された。それに対し
て、ガス圧力2mTorrのKrを用いてスパッタリン
グにより形成された記録層中のKr量は、0.10at
%以下(検出限界以下)であった。これは、放電ガスで
あるKrが記録層中に混入していないことを示してお
り、上記の考察を裏付ける結果である。(実施例2) 本発明の第2の実施例を、以下に説明す
る。
【0048】この実施例では、スパッタリングによる記
録層3の形成工程23における放電ガスとして、Kr及
びN2の混合ガス、またはXe及びN2の混合ガスを用い
て、相変化型光ディスクを作成した。より具体的に説明
すると、記録層3の形成工程23の放電ガスはKrまた
はXeを主成分とし、その中に混入するN2ガスの量を
変化させた。そのとき、放電ガスの全圧を2mTorr
一定とし、N2の量に応じてKrまたはXeの流量も変
化させた。N2の分圧は、Kr及びXeのそれぞれの場
合において、0、0.005、0.05、0.1及び
0.2mTorrとした。これは、全圧に対してN
2が、それぞれ0、0.25、2.5、5及び10%の
割合で添加されていることを意味する。なお、N2の分
圧が0mTorrとは、N2が添加されておらずKrま
たはXeが単独で使用されることを意味する。
【0049】本実施例の相変化型光ディスクと第1の実
施例の相変化型光ディスクとは、記録層3の形成工程2
3で使用する放電ガスの種類のみが異なっており、他の
製造条件、相変化型光ディスクの構造及び各層の材料組
成は同じである。
【0050】製造した相変化型光ディスクは、第1の実
施例と同じ方法で評価し、それぞれのディスクのサイク
ル寿命を測定した。
【0051】図5に、記録層3の形成工程23における
放電ガス中のN2ガスの分圧と相変化型光ディスクのサ
イクル寿命の関係を示す。図5の縦軸のサイクル寿命
は、リニアスケールで表されている。また、図中には、
Arを用いる従来技術によって製造された場合のサイク
ル寿命を、従来レベルとして破線によって示している。
【0052】図5から、KrにN2を混合した放電ガス
を用いて記録層3をスパッタリングにより形成した相変
化型光ディスクは、N2の分圧が0.005〜0.2m
Torr(全圧2mTorr)の各場合において、N2
を混合しないKrを放電ガスとして用いてスパッタリン
グにより形成した相変化型光ディスクより、サイクル寿
命がさらに改善されることがわかる。特に、N2の分圧
が0.05〜0.1mTorr(全圧2mTorr)の
ときに、サイクル寿命の改善効果が大きい。これは、全
圧に対してN2を2.5〜5%の範囲で添加した場合で
ある。
【0053】また、XeにN2を混合した放電ガスを用
いて記録層3をスパッタリングにより形成した相変化型
光ディスクは、N2の分圧が0.005〜0.1mTo
rr(全圧2mTorr)の場合に、N2を混合しない
Xeを放電ガスとして用いてスパッタリングにより形成
した相変化型光ディスクより、サイクル寿命がさらに改
善されることがわかる。特に、N2の分圧が0.05〜
0.1mTorr(全圧2mTorr)のときに、サイ
クル寿命の改善効果が大きい。これは、全圧に対してN
2を2.5〜5%の範囲で添加した場合である。
【0054】XeまたはKrにN2を微量添加した場合
にサイクル特性がさらに改善する原因として、例えば、
記録層3の材料とN2の化合物が記録層3中に生成・混
入することにより、サイクル中の記録層3の材料の移動
が抑制されることが考えられる。
【0055】なお、KrまたはXeにN2を混合する場
合、スパッタリング時のガス圧力を変化させても、N2
の分圧が上記の範囲内にあれば、KrまたはXeを単独
で用いる場合よりサイクル寿命は向上する。また、本実
施例では、放電ガスとして単独ガスのKrまたはXeに
2を添加した場合について示したが、Xe及びKrの
混合ガス、あるいはKr、Xe及びArの混合ガスにN
2を添加しても、同様なサイクル特性の向上が確認され
ている。(実施例3) 本発明の第3の実施例を、以下に説明す
る。本実施例では、記録層3の材料としてGeSbTe
系三元合金を用いた相変化型光ディスクについて、スパ
ッタリングによる第1及び第2の誘電体層2、4の形成
工程22、24で使用される放電ガスの種類を変え、そ
れによる相変化型光ディスクのサイクル特性の変化を比
較した。
【0056】Ge22Sb22Te56からなる記録層3のス
パッタリングによる形成工程23及びAlからなる反射
層5のスパッタリングによる形成工程25では、放電ガ
スとしてArを用いた。一方、ZnS−SiO2混合層
からなる第1及び第2の誘電体層2、4のスパッタリン
グによる形成工程22、24では、放電ガスの種類とガ
ス圧力を以下のように8通りに変化させて、それぞれの
条件下で形成を行った(括弧内の数字は、ガス圧力を表
す);(1)Ar(2mTorr)、(2)Ar(5mTor
r)、(3)Kr(2mTorr)、(4)Kr(5mTor
r)、(5)Xe(2mTorr)、(6)Xe(5mTor
r)、(7)Ar(1mTorr)及びKr(1mTor
r)の混合ガス、(8)Ar(1mTorr)及びXe
(1mTorr)の混合ガス。
【0057】本実施例では、スパッタリングによる第1
及び第2の誘電体層2、4の形成工程22、24におけ
る放電ガスの種類と圧力のみを変え、他の製造条件、相
変化型光ディスクの構造及び各層の材料は全く同一にし
て、相変化型光ディスクを製造した。
【0058】製造した相変化型光ディスクは、第1の実
施例と同じ方法で評価し、それぞれのディスクのサイク
ル寿命を測定した。
【0059】図6に、スパッタリングによる第1及び第
2の誘電体層2、4の形成工程22、24における放電
ガスの種類及びガス圧力と、相変化型光ディスクのサイ
クル寿命の関係を示す。図6の縦軸のサイクル寿命は、
リニアスケールで表されている。また、図中には、Ar
を用いる従来技術によって製造された場合のサイクル寿
命を、従来レベルとして破線によって示している。
【0060】図6から、スパッタリングによる第1及び
第2の誘電体層2、4の形成工程22、24の放電ガス
を、従来用いられているArからKrあるいはXeに変
えることによって、サイクル特性が3〜6倍改善される
ことがわかる。また、放電ガスとしてAr及びKr、ま
たはAr及びXeの混合ガスを用いても、Arガスを単
独で使用する従来技術の場合よりも、サイクル特性が向
上する。
【0061】放電ガスをArからKrあるいはXeに変
えることにより、サイクル特性が向上する原因として
は、以下の点が考えられる。Kr、XeはArより質量
が大きいために、スパッタリング中に第1及び第2の誘
電体層2、4中に取り込まれるガス量が少ない。その結
果、繰り返しオーバーライト動作によって第1及び第2
の誘電体層2、4から記録層3に混入する放電ガス量が
減少し、発生するvoidの数が少なくなる。
【0062】上記の考察の正しさを確認するために、ス
パッタパワー200WのRFスパッタリングによってS
i基板表面に誘電体層材料であるZnS−SiO2混合
層を形成したサンプルを製作し、ZnS−SiO2混合
層(本実施例の相変化型光ディスクの第1及び第2の誘
電体層2、4に相当する)中に存在する放電ガス量を、
ラザフォード後方散乱分析法(RBS)で測定した。な
お、この場合も、形成時の基板温度は特に設定しなかっ
た。
【0063】測定の結果、ガス圧力2mTorrのAr
を用いてスパッタリングにより形成された誘電体層中の
Ar量が0.58at%であったのに対して、ガス圧力
2mTorrのKrを用いてスパッタリングにより形成
された誘電体層中のKr量は0.20at%であった。
これは、放電ガスとしてKrを用いれば、Arを用いる
場合に比べて放電ガスの誘電体層中への混入が抑制され
ることを示しており、上記の考察を裏付ける結果であ
る。
【0064】なお、本実施例では、反射層5を有する相
変化型光ディスクに関する結果を示したが、反射層5を
有しない場合でも、本実施例と同様にサイクル特性が向
上することが確認されている。(実施例4) 本発明の第4の実施例を、以下に説明す
る。
【0065】この実施例では、スパッタリングによる第
1及び第2の誘電体層2、4の形成工程22、24の放
電ガスとして、Kr及びN2の混合ガス、またはXe及
びN2の混合ガスを用いて、相変化型光ディスクを製造
した。より具体的に説明すると、第1及び第2の誘電体
層2、4の形成工程22、24の放電ガスは、Krまた
はXeを主成分とし、その中に混入するN2ガスの量を
変化させた。そのとき、放電ガスの全圧を2mTorr
一定とし、N2の量に応じてKrまたはXeの流量も変
化させた。N2の分圧は、Kr及びXeのそれぞれの場
合において、0、0.002、0.05、0.1、0.
2mTorrとした。これは、全圧に対してN2が、そ
れぞれ0、0.1、2.5、5及び10%の割合で添加
されていることを意味する。なお、N2の分圧が0mT
orrとは、N2が添加されておらずKrまたはXeが
単独で使用されることを意味する。
【0066】本実施例の相変化型光ディスクと第3の実
施例の相変化型光ディスクとは、スパッタリングによる
第1及び第2の誘電体層2、4の形成工程22、24で
使用する放電ガスの種類のみが異なっており、他の製造
条件、相変化型光ディスクの構造及び各層の材料組成は
同じである。
【0067】製造した相変化型光ディスクは、実施例1
と同じ方法で評価し、それぞれのディスクのサイクル寿
命を測定した。
【0068】図7に、スパッタリングによる第1及び第
2の誘電体層2、4の形成工程22、24における放電
ガス中のN2ガスの分圧と、相変化型光ディスクのサイ
クル寿命の関係を示す。図7の縦軸のサイクル寿命は、
リニアスケールで表されている。また、図中には、Ar
を用いる従来技術によって製造された場合のサイクル寿
命を、従来レベルとして破線によって示している。
【0069】図7から、KrまたはXeにN2を混合し
た放電ガスを用いて第1及び第2の誘電体層2、4をス
パッタリングにより形成した相変化型光ディスクは、N
2の分圧が0.002〜0.2mTorr(全圧2mT
orr)の各場合について、N2を混合しないKrまた
はXeを放電ガスとして用いてスパッタリングにより形
成した相変化型光ディスクよりも、サイクル寿命がさら
に改善された。特に、KrまたはXeいずれが放電ガス
の主成分であっても、N2の分圧が0.05〜0.1m
Torr(分圧2mTorr)のときに、サイクル寿命
の改善効果が大きい。これは、全圧に対してN2を2.
5〜5%の範囲で添加した場合である。
【0070】XeまたはKrにN2を微量添加した場合
にサイクル特性がさらに改善する原因として、N2の混
入により第1及び第2の誘電体層2、4が機械的、化学
的に安定し、オーバーライト回数に大きく影響する誘電
体層強度の向上が実現することが考えられる。しかし、
2ガスの分圧が大きすぎると、第1及び第2の誘電体
層2、4へN2が過剰に添加され、結果として、層質の
脆化や界面吸着力の低下が起こると予想される。
【0071】なお、KrまたはXeにN2を混合する場
合、スパッタリング時のガス圧力を変化させても、N2
の分圧が上記の範囲内にあれば、サイクル寿命はKrま
たはXeを単独で用いる場合より向上した。
【0072】また、本実施例では、放電ガスとして単独
ガスのKrまたはXeにN2を添加した場合について示
したが、Xe及びKrの混合ガス、あるいはKr、Xe
及びArの混合ガスにN2を添加しても、同様なサイク
ル特性の向上が確認されている。(実施例5) 本発明の第5の実施例を、以下に説明す
る。
【0073】これまでに説明した第1〜第4の実施例で
は、記録層3、または第1及び第2の誘電体層2、4の
いずれかの形成工程における放電ガスを、従来技術のA
rからKrやXeを主成分とするガスに変更した。それ
に対して、本実施例では、記録層3、ならびに第1及び
第2の誘電体層2、4の形成工程22、23、24のい
ずれにおいても、KrまたはXeを放電ガスとして使用
し、相変化型光ディスクを製造した。さらに、記録層3
の形成工程23と第1及び第2の誘電体層2、4の形成
工程22、24とで使用する放電ガスの種類を変えて製
造した相変化型光ディスクと、同じ放電ガスを用いて両
方の層を形成した相変化型光ディスクとの間で、サイク
ル特性を比較した。
【0074】より具体的に説明すると、スパッタリング
による記録層3の形成工程23ではAr、第1及び第2
の誘電体層2、4の形成工程22、24ではKrまたは
Xeを用いる相変化型光ディスクと、記録層3ならびに
第1及び第2の誘電体層2、4のいずれの形成工程2
2、23、24でもKrまたはXeを用いる相変化型光
ディスクとを製造した。ガス圧力は、すべて2mTor
rとした。
【0075】本実施例の相変化型光ディスクの他の製造
条件、構造や各層の材料組成は、これまでに説明した他
の実施例の相変化型光ディスクと同一である。また、製
造した相変化型光ディスクは、第1の実施例と同じ方法
で評価し、それぞれのディスクのサイクル寿命を測定し
た。図8に、放電ガスの種類と相変化型光ディスクのサ
イクル寿命の関係を示す。図8の縦軸のサイクル寿命
は、リニアスケールで表されている。また、図中には、
Arを用いる従来技術によって製造された場合のサイク
ル寿命を、従来レベルとして破線によって示している。
【0076】図8において、第1及び第2の誘電体層
2、4及び記録層3の形成工程22、23、24の放電
ガスを、すべてArからKrあるいはXeに変えること
によって、サイクル特性が10倍以上改善されることが
わかる。一方、第1及び第2の誘電体層2、4の形成工
程22、24の放電ガスのみを、ArからKrまたはX
eに変えても、サイクル寿命は従来技術によるレベルの
5〜6倍に向上することがわかる。すなわち、記録層3
の形成工程23と第1及び第2の誘電体層2、4の形成
工程22、24とで使用する放電ガスの種類を変えて、
いずれかのみで形成時の放電ガスを従来技術から変えて
も、サイクル寿命の向上という本発明の効果が得られる
ことがわかる。
【0077】第1の誘電体層2の形成工程22、記録層
3の形成工程23ならびに第2の誘電体層4の形成工程
24を通じて同一の放電ガスを使用すれば、各工程間で
の放電ガス種類の変更作業が不要であり、各工程を連続
的に実施することができて、製造装置のランニングコス
トを低減することができる。一方、形成工程ごとに使用
する放電ガスの種類を変える場合には、各工程間でのガ
ス種類の切り替えの手間がかかるが、使用するKrやX
eの量を減らすことができる。この結果、KrやXeは
Arに比べて高価であるので、必要な材料費を低減する
ことができる。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、光学的情報記録媒体の
相変化型記録層または誘電体層をスパッタリングによっ
て形成する際に、KrまたはXeのうちの少なくとも1
種類のガスを放電ガスとして使用する。上記のガスに、
さらにArガスまたはN2ガスのうちの少なくとも1種
類のガスを混合してもよい。これらのガス中におけるス
パッタリングによって記録層または誘電体層を形成する
ことによって、各層中への放電ガスの混入が抑制され、
記録層中における放電ガスのVoidの生成が抑制させ
る。その結果、繰り返しオーバーライト動作によるサイ
クル劣化現象が抑制されて、相変化型記録層を有する光
学的情報記録媒体の長寿命化及び高信頼性化が達成され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における相変化型光ディスクの
構造図
【図2】本発明の実施例における相変化型光ディスクの
製造工程を表すフローチャート
【図3】本発明の第1の実施例における相変化型光ディ
スクのサイクル寿命を表す図
【図4】本発明の第1の実施例に従って製作された相変
化型光ディスクにおける、多数回オーバーライト動作後
の記録層表面の走査型電子顕微鏡(SEM)の模式図
【図5】本発明の第2の実施例における相変化型光ディ
スクのサイクル寿命を表す図
【図6】本発明の第3の実施例における相変化型光ディ
スクのサイクル寿命を表す図
【図7】本発明の第4の実施例における相変化型光ディ
スクのサイクル寿命を表す図
【図8】本発明の第5の実施例における相変化型光ディ
スクのサイクル寿命を表す図
【符号の説明】
1 基板 2 第1の誘電体層 3 記録層 4 第2の誘電体層 5 反射層 6 保護層 22 第1の誘電体層のスパッタリングによる形成工程 23 記録層のスパッタリングによる形成工程 24 第2の誘電体層のスパッタリングによる形成工程 25 反射層のスパッタリングによる形成工程 26 保護層の形成工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 憲一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山田 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−59964(JP,A) 特開 平4−247339(JP,A) 特開 平4−251453(JP,A) 特開 平7−93807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 - 7/26

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス相と結晶相との間で可逆的
    に相変化を起こす記録層を基板上に備えた光学的情報記
    録媒体を製造する方法であって、該方法は、該記録層を
    Xeガス、Krガスの少なくとも一方を含む放電ガス中
    におけるスパッタリングによって形成する工程を含む光
    学的情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記放電ガスがさらにArガスを含む請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記放電ガスがさらにN2ガスを含む請
    求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記放電ガスがKrガスとN2ガスとか
    らなるガスであって、該放電ガスの全圧に対する該N2
    ガスの分圧の比率が0.25〜10%である請求項3に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記放電ガスがXeガスとN2ガスとを
    含むガスであって、該放電ガスの全圧に対する該N2
    スの分圧の比率が0.25〜5%である請求項3に記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記記録層がSbTe、GeSbTe、
    GeSbTeSe、GeSbTePd、TeGeSnA
    u、AgSbTe、GeTe、GaSb、InSe、I
    nSb、InSbTe、InSbSe及びInSbTe
    Agからなるグループから選択された合金を主成分とす
    る請求項1に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に、第1の誘電体層、アモルファ
    ス相と結晶相との間で可逆的に相変化を起こす相変化記
    録材料からなる記録層及び第2の誘電体層が順に積層さ
    れた光学的情報記録媒体を製造する方法であって、該方
    法は、該第1の誘電体層、該記録層及び該第2の誘電体
    層のうちの少なくとも一つの選択された層を、Xeガ
    ス、Krガスの少なくとも一方を含む放電ガス中におけ
    るスパッタリングによって形成する工程を含む光学的情
    報記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の誘電体層の上にさらに反射層
    を積層する工程を含む請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記放電ガスがさらにArガスを含む請
    求項7に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記放電ガスがさらにN2ガスを含む
    請求項7に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記放電ガスの全圧に対する前記N2
    ガスの分圧の比率が0.1〜10%である請求項10に
    記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記記録層がSbTe、GeSbT
    e、GeSbTeSe、GeSbTePd、TeGeS
    nAu、AgSbTe、GeTe、GaSb、InS
    e、InSb、InSbTe、InSbSe及びInS
    bTeAgからなるグループから選択された合金を主成
    分とする請求項7に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第1及び第2の誘電体層がSiO
    2、SiO、TiO2、MgO、Ta25、Al23、G
    eO2、Si34、BN、AlN、SiC、ZnS、Z
    nSe、ZnTe及びPbSからなるグループから選択
    された少なくとも一つの材料からなる請求項7に記載の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の誘電体層、前記記録層及び
    前記第2の誘電体のうちの前記選択された層以外の層
    を、Arガス中におけるスパッタリングによって形成す
    る請求項7に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 基板上に、第1の誘電体層、アモルフ
    ァス相と結晶相との間で可逆的に相変化を起こす相変化
    記録材料からなる記録層及び第2の誘電体層が順に積層
    された光学的情報記録媒体であって、該第1の誘電体
    層、該記録層及び該第2の誘電体層のうちの少なくとも
    1層はArを含有していない光学的情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記記録層がカルコゲン合金の薄膜で
    ある請求項15に記載の光学的情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 前記記録層がSbTe、GeSbT
    e、GeSbTeSe、GeSbTePd、TeGeS
    nAu、AgSbTe、GeTe、GaSb、InS
    e、InSb、InSbTe、InSbSe及びInS
    bTeAgからなるグループから選択された合金を主成
    分とする請求項16に記載の光学的情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 前記記録層がGeSbTeを主成分と
    する請求項17に記載の光学的情報記録媒体。
  19. 【請求項19】 前記第1及び第2の誘電体層がSiO
    2、SiO、TiO2、MgO、Ta25、Al23、G
    eO2、Si34、BN、AlN、SiC、ZnS、Z
    nSe、ZnTe及びPbSからなるグループから選択
    された少なくとも一つの材料からなる請求項15に記載
    の光学的情報記録媒体。
  20. 【請求項20】 前記第1及び第2の誘電体層がSiO
    2とZnSとの混合物である請求項19に記載の光学的
    情報記録媒体。
  21. 【請求項21】 前記第2の誘電体層の上にさらに反射
    層を備える請求項15に記載の光学的情報記録媒体。
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