JP3213989B2 - 産業用ロボットにおける手先部の姿勢制御方法およびその装置 - Google Patents

産業用ロボットにおける手先部の姿勢制御方法およびその装置

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JP3213989B2 JP28183191A JP28183191A JP3213989B2 JP 3213989 B2 JP3213989 B2 JP 3213989B2 JP 28183191 A JP28183191 A JP 28183191A JP 28183191 A JP28183191 A JP 28183191A JP 3213989 B2 JP3213989 B2 JP 3213989B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は産業用ロボット(位置
制御、姿勢制御等のための複数の軸を有する装置を総称
する概念として使用される)における手先部の姿勢制御
方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、ある
程度の弾性を有する工具を産業用ロボットの手先部に保
持させた状態で作業を行なう場合に適用される手先部の
姿勢制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種作業を自動化する目的で産
業用ロボットが採用されており、遂行すべき作業の種類
に応じて産業用ロボットの手先部に作業工具を保持させ
ている。そして、作業の種類および作業対象ワークの種
類に応じて手先部の動作軌跡を生成し、しかも生成され
た動作軌跡上の各点において作業工具が作業に適した向
きになるように手首軸を制御して手先部の姿勢を制御す
るようにしている。したがって、適正な動作軌跡を生成
し、かつ動作軌跡上の各点に対応して適正な手先部の姿
勢制御を行なうことにより作業対象ワークに対する所期
の作業を遂行できる。例えば、作業工具としてみがき工
具を用い、金型等のみがき作業を行なう場合には、みが
き工具が金型等の表面に対して法線方向から当るように
制御することにより高品質のみがき作業を達成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、産業用ロボッ
トを用いて曲面のみがき作業を行なう場合には、産業用
ロボットの特異点の近傍において法線方向の変化量が僅
かであるにも拘らず産業用ロボットの何れかの軸が著し
い高速動作をしなければならない。そして、この高速動
作が産業用ロボットに許容できる範囲内であれば何ら不
都合は生じないが、許容できる範囲を越えている場合に
は、該当する軸が追従できないことになり、みがき工具
の先端が所期の軌跡から外れ、またはみがき工具の先端
が所期の移動速度に達せず、この結果、みがき精度が低
下してしまうという不都合がある。例えば、図10
(A)(B)に示すように、半径が100mmの球面をみ
がく場合であって、手先の位置を制御する軸が直動3軸
構成であるとともに、手先部の姿勢を制御する軸がz軸
回りの回転軸αとx軸回りの回転軸βとである場合に
は、曲面の法線方向を(xn,yn,zn)とすれば、 tanα=yn/xn tanβ=(xn2+yn21/2/zn となる。そして、球の中心から7mmだけ離れた平面と球
とが交差する部分をみがくべくみがき工具を移動させれ
ば、y方向へのみがき工具の移動に伴なって回転軸αの
角度は図11に示すように変化する。即ち、球の頂点に
最も近づく箇所で回転軸αの動作速度が最高になる。し
たがって、最高の動作速度が産業用ロボットに許容され
ていない場合には、みがき工具の先端が追従できないこ
とになり、所期の軌跡から外れ、または所期の移動速度
に達しないことになる。図11は7mm離れた軌跡に対応
するものであり、球の中心により近い平面と球が交差す
る部分をみがく場合には回転軸αの回転速度が増加する
のであるから、上記の不都合が一層顕著になる。
【0004】尚、以上には金型みがき装置についてのみ
具体的に説明したが、金型みがき装置以外の装置であっ
ても、同様の姿勢制御を行なわなければならない装置で
あれば同様の不都合が生じる。
【0005】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、特異点近傍における性能の低下を大巾に
抑制し、しかも良好な作業を達成できる、産業用ロボッ
トにおける手先部の姿勢制御方法およびその装置を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の産業用ロボットにおける手先部の姿勢
制御方法は、所定の作業を行うために最適の手先部の姿
勢制御を行うことにより産業用ロボットの加速度限界、
速度限界の何れかを越えると判別されたことに応答し
て、工具の、工具軸方向とほぼ直交する平面方向におけ
る弾性に基づいて定まる手先部の許容姿勢誤差範囲内で
産業用ロボットの駆動を変更する方法である。ここで、
駆動変更を行うことにより、産業用ロボットの各軸が減
速され、或いは加速されることになる。
【0007】請求項2の産業用ロボットにおける手先部
の姿勢制御方法は、産業用ロボットを減速した場合に、
加速度限界、速度限界の何れかを越えると判別されたこ
とに応答してこれらを越えないように各軸を制御すべく
目標軌跡を再度生成する方法である。請求項3の産業用
ロボットにおける手先部の姿勢制御装置は、所定の作業
を行うための手先部の動作軌跡を生成する動作軌跡生成
手段と、生成された動作軌跡に対応して手先部に保持さ
れる工具の向きを算出する工具方向算出手段と、工具の
向きに基づいて手先部の姿勢を制御する手首軸の角度を
算出するとともに、工具の向きおよび工具の、工具軸方
向とほぼ直交する平面方向における弾性に基づいて手先
部の姿勢を制御する手首軸の許容角度範囲を算出する手
首軸算出手段と、許容範囲内において産業用ロボットの
駆動を変更する変更手段と、許容角度範囲内において産
業用ロボットの加速度限界、速度限界の何れをも越えな
い手首軸の角度が存在するか否かを判別する角度判別手
段と、許容角度範囲内において上記何れの限界をも越え
ない手首軸の角度が存在しないと判別されたことに応答
して手先部の動作軌跡を再度生成すべく動作軌跡生成手
段を制御する制御手段とを含んでいる。
【0008】請求項1の産業用ロボットにおける手先部
の姿勢制御方法であれば、手先部の位置を制御するため
の軸および手先部の姿勢を制御するための軸を有すると
ともに、手先部に、工具軸方向とほぼ直交する平面方向
における弾性を有する工具を有する産業用ロボットの各
軸を動作させることにより所期の作業を行う場合に、所
定の作業を行うために最適の手先部の姿勢制御を行うべ
く手先部の動作軌跡を作成し、動作軌跡上の各点に対応
して手先部の姿勢制御指令値を生成する。そして、生成
した動作軌跡および姿勢制御指令値に基づく産業用ロボ
ットの各軸の動作が許容限界内であれば、そのまま産業
用ロボットを動作させることにより所期の作業を達成で
きる。逆に、産業用ロボットの何れかの軸の動作が許容
限界を越えることが分かった場合には、そのままでは所
期の作業を達成できない。しかし、この発明において
は、工具自体が、工具軸方向とほぼ直交する平面方向に
おける弾性を有しており、この弾性の範囲内において各
軸が目標とする軌跡を達成すべき動作に追従していなく
ても工具の先端部は目標とする軌跡に追従させることが
できるのであるから、工具の、工具軸方向とほぼ直交す
る平面方向における弾性に基づいて定まる手先部の許容
姿勢誤差範囲内で産業用ロボットの駆動を変更すること
により、全ての軸の動作を許容限界内に保持したままで
所期の作業を行うことができる。この結果、手先部に保
持された工具の先端の軌跡の精度を高めて作業対象ワー
クの仕上がりを向上できるとともに、産業用ロボットの
減速の程度を小さくして全体としての作業時間を短縮で
きる。
【0009】請求項2の産業用ロボットにおける手先部
の姿勢制御方法であれば、産業用ロボットを減速して
も、加速度限界、速度限界の何れかを越える場合に、こ
れらを越えないように各軸を制御すべく目標軌跡を再度
生成するのであるから、請求項1の方法によっては対処
できない場合であっても、産業用ロボットの全ての軸の
動作を許容範囲内に保持したままで所期の作業を行なう
ことができる。
【0010】請求項3の産業用ロボットにおける手先部
の姿勢制御装置であれば、手先部の位置を制御するため
の軸および手先部の姿勢を制御するための軸を有すると
ともに、手先部に、工具軸方向とほぼ直交する平面方向
における弾性を有する工具を有する産業用ロボットの各
軸を動作させることにより所期の作業を行う場合に、所
定の作業を行うために最適の手先部の姿勢制御を行うべ
く動作軌跡生成手段により手先部の動作軌跡を作成し、
動作軌跡上の各点に対応して手首軸算出手段により手先
部の姿勢制御指令値を生成する。そして、生成した動作
軌跡および姿勢制御指令値に基づく産業用ロボットの各
軸の動作が許容限界内であるか否かを角度判別手段によ
り判別する。この判別の結果、各軸の動作が許容限界内
であれば、動作軌跡および姿勢制御指令値に基づいてそ
のまま産業用ロボットを動作させることにより所期の作
業を達成できる。逆に、産業用ロボットの何れかの軸の
動作が許容限界を越えると判別された場合には、そのま
までは所期の作業を達成できない。しかし、この発明に
おいては、工具自体が、工具軸方向とほぼ直交する平面
方向における弾性を有しており、この弾性の範囲内にお
いて各軸が目標とする軌跡を達成すべき動作に追従して
いなくても工具の先端部は目標とする軌跡に追従させる
ことができるのであるから、工具の、工具軸方向とほぼ
直交する平面方向における弾性に基づいて定まる手先部
の許容姿勢誤差範囲内で変更手段により産業用ロボット
の駆動を変更することにより、全ての軸の動作を許容限
界内に保持したままで所期の作業を行うことができる。
この結果、手先部に保持された工具の先端の軌跡の精度
を高めて作業対象ワークの仕上がりを向上できるととも
に、産業用ロボットの減速の程度を小さくして全体とし
ての作業時間を短縮できる。また、減速手段により産業
用ロボットを減速しても、加速度限界、速度限界の何れ
かを越える場合に、これらを越えないように各軸を制御
すべく制御手段により動作軌跡生成手段を制御して目標
軌跡を再度生成するのであるから、産業用ロボットの駆
動の変更では対処できない場合であっても、産業用ロボ
ットの全ての軸の動作を許容範囲内に保持したままで所
期の作業を行うことができる。
【0011】例えば、手先部の姿勢を制御するための軸
を厳密に軌跡制御した場合の軌跡が図2に実線で示すと
おりである場合に、領域R1が工具許容誤差範囲に対応
する領域になるのであるから、図2に破線で示すよう
に、この領域R1から出ず、かつ特異点を含む可能な限
り広い範囲で該当する軸の軌跡を直線状に変更すること
により、該当する軸の動作が加速度限界、速度限界の何
れをも越えない状態にできる。この結果、工具先端の軌
跡の精度を高め、作業対象ワークの仕上がりを良好にで
きる。
【0012】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図7はこの発明の姿勢制御方法が適用される
産業用ロボットの構成を概略的に示す斜視図、図8は手
先部を詳細に示す斜視図であり、手先部1の位置を制御
するための互に直交する3つの直動軸(x軸2x,y軸
2yおよびz軸2z)を有しているとともに、手先部1
の姿勢を制御するための互に直交する2つの回転軸(z
軸回りに回転する手首軸αおよびx軸回りに回転する手
首軸β)を有している。尚、3はロボット・コントロー
ラであり、4は作業対象ワークを支承するパレットであ
る。また、この実施例においては、手先部1にみがき工
具5を支持させており、金型等の作業対象ワークの表面
のみがき作業を行なうようにしている。また、みがき工
具5としては、図9に示すようにそれ自体で弾性を有す
るものが用いられる。尚、みがき工具5の許容誤差がψ
で示されている。さらに、産業用ロボットの速度限界値
はモータの逆起電力、位置センサの応答性等に基づいて
定まり、加速度限界値はモータの最台出力トルクおよび
負荷慣性モーメントに基づいて定まる。
【0013】図1はこの発明の姿勢制御方法の一実施例
を示すフローチャートであり、ステップSP1において
みがき作業を行なうための手先部1の動作軌跡を生成
し、ステップSP2において手先部1の動作軌跡に対応
させて手首軸α,βの軌跡を算出する。そして、ステッ
プSP3において、算出された手首軸α,βの軌跡に基
づいて手首軸α,βの最高速度を抽出し、ステップSP
4において、抽出された最高速度が産業用ロボットに許
容されている速度限界値を越えるか否かを判別し、速度
限界値を越えないと判別された場合には、ステップSP
9において、生成された動作軌跡および算出された手首
軸α,βの軌跡に基づいてみがき作業を行なう。逆に、
ステップSP4において速度限界値を越えると判別され
た場合には、ステップSP5において、みがき工具5の
弾性に基づいて定まる手首軸の角度許容誤差範囲内で産
業用ロボットの軸の駆動を変更し、ステップSP6にお
いて、何れかの軸の速度が産業用ロボットに許容されて
いる速度限界値を越えるか否かを判別し、速度限界値を
越えないと判別された場合にはそのままステップSP9
の処理を行なう。逆に、ステップSP6において速度限
界値を越えると判別された場合には、ステップSP7に
おいて、全ての軸の速度が速度限界値を越えないように
するために、みがき作業を行なうための手先部1の動作
軌跡を再び生成し、ステップSP8において手先部1の
動作軌跡に対応させて手首軸α,βの軌跡を算出し、再
びステップSP3の処理を行なう。
【0014】さらに詳細に説明すると、弾性を有するこ
とによりみがき工具5が許容誤差ψを有する場合には、
図9に示すように頂角が2ψの円錐内において手先部1
の姿勢を任意に選択することによりみがき工具5を法線
方向からみがき対象ワークの該当点に押圧できる。した
がって、例えば、手首軸αのとり得る角度の範囲は α0±sin-1(ψ/β) (但し、α0は手首軸αの厳密解、βは手先部1が垂直
下向きの場合に0)となる。具体的には、許容誤差ψが
3°である場合には、図2に示す領域R1の範囲が手首
軸αのとり得る角度の範囲である。したがって、図2に
破線で示すように手首軸αの軌跡を設定すればみがき工
具を法線方向からみがき対象ワークに押圧でき、しかも
手首軸αの最高速度を、厳密な手先部1の姿勢制御を行
なう場合の最高速度の約1/3に設定でき、図示しない
駆動源の負荷を大巾に低減できる。逆に手首軸αの最高
速度を低下させる必要がなければ手先部1の移動速度を
大きく設定でき、みがき速度を向上できる。尚、ψ/β
>1の場合には、sin-1(ψ/β)は解を有していな
いことになるので、手首軸αは何ら制約を受けず任意の
角度をとり得る。また、上述のみがき工具5についてみ
れば、手先部1の姿勢を制御する手首軸の厳密解は常に
2通り存在し、手首軸αに関して互に180°をなして
いる。そして、各厳密解に対して手首軸αがとり得る角
度の範囲が存在するので手首軸αの角度の選択範囲が一
層広がることになる。
【0015】図3は半径が100mmの球の中心から3.
5mmだけ離れた平面と球とが交差する部分をみがくべく
みがき工具を移動させる場合における手首軸αがとり得
る角度の範囲を示す図であり、厳密な姿勢制御を行なっ
た場合に手首軸αの速度が最高になる点を含む所定範囲
(図3においてy=A2からy=A3の範囲)では全て
の手首軸αの角度が許容されることになる。したがっ
て、この場合には図3に破線で示すように手首軸αを制
御することが可能であり、この場合には手首軸αの角度
を一定に保持し続けることができる。
【0016】以上の説明から明らかなように、手先部1
の姿勢にある程度の誤差を許容することにより、速度が
最高となる特異点近傍におけるみがき装置の性能劣化を
大巾に抑制し、みがき装置の適用範囲を拡大できる。
【0017】
【実施例2】図4はこの発明の手先部の姿勢制御方法の
他の実施例を示すフローチャートであり、図1のフロー
チャートと異なる点は、産業用ロボットの速度限界を基
準とする代わりに産業用ロボットの加速度限界を基準と
している点のみである。したがって、この実施例の場合
にも、回転軸αの加速度が産業用ロボットの許容限界を
越えないように手先部1の姿勢にある程度の誤差を許容
することにより、速度が最高となる特異点近傍における
みがき装置の性能劣化を大巾に抑制し、みがき装置の適
用範囲を拡大できる。
【0018】
【実施例3】図5はこの発明の手先部の姿勢制御方法の
さらに他の実施例を示すフローチャートであり、図1の
フローチャートと異なる点は、ステップSP6におけ
る、何れかの軸の速度が産業用ロボットに許容されてい
る速度限界値を越えるか否かの判別処理、およびステッ
プSP7における、全ての軸の速度が速度限界値を越え
ないようにするために、みがき作業を行なうための手先
部1の動作軌跡を再び生成する処理に代えて、みがき工
具の許容誤差の限界を越えるか否かを判別するステップ
SP6およびみがき工具の方向誤差が許容誤差の限界を
越えないようにするために、みがき作業を行なうための
手先部1の動作軌跡を再び生成するステップSP7を採
用して点のみである。
【0019】したがって、この実施例の場合には、みが
き工具の方向誤差が許容誤差の限界を越えないように手
先部1の姿勢にある程度の誤差を許容することにより、
速度が最高となる特異点近傍におけるみがき装置の性能
劣化を大巾に抑制し、みがき装置の適用範囲を拡大でき
る。
【0020】
【実施例4】図6はこの発明の手先部の姿勢制御装置の
一実施例を示すブロック図であり、与えられたみがき条
件に基づいて手先部1の目標軌跡を生成する目標軌跡算
出部11と、算出された目標軌跡に基づいてみがき工具
の方向を算出する工具方向算出部12と、みがき工具の
方向に基づいて手首軸の角度許容範囲を算出する手首軸
角度許容範囲算出部13と、手首軸の角度を暫定的に設
定した場合における手首軸の最高速度、最高加速度の少
なくとも一方を抽出する最高速度・加速度抽出部14
と、抽出された最高速度、最高加速度と産業用ロボット
に許容される速度限界値、加速度限界値との大小を判別
する大小判別部15と、抽出された最高速度、最高加速
度の方が大きいと判別されたことに応答して、手首軸の
角度許容範囲内において産業用ロボットの軸の駆動を変
更して、駆動変更後の最高速度、最高加速度を最高速度
・加速度抽出部14に供給する駆動変更部16と、手首
軸の角度許容範囲の限界まで産業用ロボットの軸の駆動
を変更しても抽出された最高速度、最高加速度の方が大
きいと大小判別部15により判別されたことに応答し
て、最高速度、最高加速度が小さくなるように目標軌跡
の生成を再度行なわせるべく目標軌跡生成部11を動作
させる目標軌跡再生成制御部17と、抽出された最高速
度、最高加速度の方が小さいと判別されたことに応答し
て、産業用ロボットの全ての軸の位置を算出する位置算
出部18と、算出された位置に基づいて産業用ロボット
の駆動源であるモータを位置制御するモータ制御部19
とを有している。
【0021】上記構成の手先部の姿勢制御装置の作用は
次のとおりである。先ず、与えられたみがき条件に基づ
いて目標軌跡生成部11により手先部1の目標軌跡を生
成し、算出された目標軌跡に基づいて工具方向算出部1
2によりみがき工具の方向、即ち厳密に制御された場合
における手先部1の姿勢を算出し、みがき工具の方向に
基づいて手首軸角度許容範囲算出部13により手首軸の
角度許容範囲を算出する。
【0022】以上のように最初の設定が行なわれた後
は、手先部1の姿勢を厳密に制御した場合における手首
軸の最高速度、最高加速度の少なくとも一方を最高速度
・加速度抽出部14により抽出し、抽出された最高速
度、最高加速度と産業用ロボットに許容される速度限界
値、加速度限界値との大小を大小判別部15により判別
する。
【0023】大小判別部15による判別の結果、抽出さ
れた最高速度、最高加速度の方が大きいと判別された場
合には、手首軸の角度許容範囲内において駆動変更部1
6により産業用ロボットの軸の駆動を変更し、駆動変更
後の最高速度、最高加速度を減少させ、減少された最高
速度、最高加速度と産業用ロボットに許容される速度限
界値、加速度限界値との大小を大小判別部15により再
び判別する。そして、大小判別部15により最高速度、
最高加速度の方が大きいと再度判別された場合には、最
高速度、最高加速度が小さくなるように目標軌跡の生成
を再度行なわせるべく目標軌跡再生成制御部17により
目標軌跡生成部11を再び動作させる。逆に、大小判別
部15による判別の結果、最高速度、最高加速度の方が
小さいと判別された場合には、該当する目標軌跡および
手首軸の角度に基づいて位置算出部18により産業用ロ
ボットの全ての軸の位置を算出し、算出された位置に基
づいてモータ制御部19により産業用ロボットの駆動源
であるモータを位置制御する。したがって、産業用ロボ
ットの全ての軸が速度限界値、加速度限界値を越えない
状態でみがき動作を行なわせることができ、手先部1の
姿勢にある程度の誤差を許容することにより、速度が最
高となる特異点近傍におけるみがき装置の性能劣化を大
巾に抑制し、みがき装置の適用範囲を拡大できる。
【0024】まだ以上の場合において、各軸の最高速
度、最高加速度が産業用ロボットの速度限界値、加速度
限界値を越えないという条件を充足する手首軸の動作パ
ターンは一般的に複数存在するのであるから、動作パタ
ーンを最終的に決定するためには何らかの評価方法を用
いることが好ましい。この評価方法としては種々の方法
が知られておりかつ適用可能であるが、例えば、工具方
向が許容誤差範囲内であっても、その誤差が加工結果に
微妙に影響する場合には工具方向誤差が可能な限り小さ
くなる動作パターンを選択する方法、速度、加速度が限
界値より小さくても速度、加速度が大きいほどモータお
よびその制御系の応答性の影響を受けて工具先端の軌跡
精度に悪影響が生じる場合には速度、加速度が可能な限
り小さくなる動作パターンを選択する方法を採用すれば
よい。
【0025】尚、この発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば、みがき工具を用いるみがき装置
以外の装置であって特異点近傍において手首軸の速度、
加速度が著しく大きくなる装置に適用することが可能で
あるほか、異なる軸構成の産業用ロボットを用いた装置
に適用することが可能であり、その他、この発明の要旨
を変更しない範囲内において種々の設計変更を施すこと
が可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、手先部
に保持された工具の先端の軌跡の精度を高めて作業対象
ワークの仕上がりを向上できるとともに、産業用ロボッ
トの減速の程度を小さくして全体としての作業時間を短
縮できるという特有の効果を奏する。
【0027】請求項2の発明は、請求項1の方法によっ
ては対処できない場合であっても、産業用ロボットの全
ての軸の動作を許容範囲内に保持したままで所期の作業
を行なうことができるという特有の効果を奏する。請求
項3の発明は、手先部に保持された工具の先端の軌跡の
精度を高めて作業対象ワークの仕上がりを向上できると
ともに、産業用ロボットの減速の程度を小さくして全体
としての作業時間を短縮できるという特有の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の姿勢制御方法の一実施例を示すフロ
ーチャートである。
【図2】手先部の姿勢を制御するための軸を厳密に軌跡
制御した場合の軌跡と工具許容誤差範囲に対応する領域
R1とを示す図である。
【図3】半径が100mmの球の中心から3.5mmだけ離
れた平面と球とが交差する部分をみがくべくみがき工具
を移動させる場合における手首軸αがとり得る角度の範
囲を示す図である。
【図4】この発明の手先部の姿勢制御方法の他の実施例
を示すフローチャートである。
【図5】この発明の手先部の姿勢制御方法のさらに他の
実施例を示すフローチャートである。
【図6】この発明の手先部の姿勢制御装置の一実施例を
示すブロック図である。
【図7】この発明の姿勢制御方法が適用される産業用ロ
ボットの構成を概略的に示す斜視図である。
【図8】手先部を詳細に示す斜視図である。
【図9】みがき工具の許容誤差を説明する図である。
【図10】半径が100mmの球面に対するみがき工具の
状態を示す図である。
【図11】球の中心から7mmだけ離れた平面と球とが交
差する部分をみがくべくみがき工具を移動させた場合に
おける、y方向へのみがき工具の移動に伴なって変化す
る回転軸αの角度を示す図である。
【符号の説明】
1 手先部 2x,2y,2z 直動軸 5 みが
き工具 11 目標軌跡算出部 12 工具方向算出部 13 手首軸角度許容範囲算出部 15 大小判別部 16 最高速度・加速度減少部 17 目標軌跡再生
成制御部 α,β 手首軸

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手先部(1)の位置を制御するための軸
    (2x,2y,2z)および手先部(1)の姿勢を制御
    するための軸(α,β)を有するとともに、手先部
    (1)に、工具軸方向とほぼ直交する平面方向における
    弾性を有する工具(5)を有する産業用ロボットにおい
    て、所定の作業を行うために最適の手先部(1)の姿勢
    制御を行うことにより産業用ロボットの加速度限界、速
    度限界の何れかを越えると判別されたことに応答して、
    工具(5)の、工具軸方向とほぼ直交する平面方向にお
    ける弾性に基づいて定まる手先部(1)の許容姿勢誤差
    範囲内で産業用ロボットの駆動を変更することを特徴と
    する産業用ロボットにおける手先部の姿勢制御方法。
  2. 【請求項2】 産業用ロボットを減速した場合に、加速
    度限界、速度限界の何れかを越えると判別されたことに
    応答してこれらを越えないように各軸を制御すべく目標
    軌跡を再度生成する請求項1に記載の産業用ロボットに
    おける手先部の姿勢制御方法。
  3. 【請求項3】手先部(1)の位置を制御するための軸
    (2x,2y,2z)および手先部(1)の姿勢を制御
    するための軸(α,β)を有するとともに、手先部
    (1)に、工具軸方向とほぼ直交する平面方向における
    弾性を有する工具(5)を有する産業用ロボットにおい
    て、所定の作業を行うための手先部(1)の動作軌跡を
    生成する動作軌跡生成手段(11)と、生成された動作
    軌跡に対応して手先部(1)に保持される工具(5)の
    向きを算出する工具方向算出手段(12)と、工具
    (5)の向きに基づいて手先部(1)の姿勢を制御する
    手首軸(α,β)の角度を算出するとともに、工具
    (5)の向きおよび工具(5)の、工具軸方向とほぼ直
    交する平面方向における弾性に基づいて手先部(1)の
    姿勢を制御する手首軸(α,β)の許容角度範囲を算出
    する手首軸算出手段(13)と、許容範囲内において産
    業用ロボットの駆動を変更する変更手段(16)と、許
    容角度範囲内において産業用ロボットの加速度限界、速
    度限界の何れをも越えない手首軸(α,β)の角度が存
    在するか否かを判別する角度判別手段(15)と、許容
    角度範囲内において上記何れの限界をも越えない手首軸
    (α,β)の角度が存在しないと判別されたことに応答
    して手先部(1)の動作軌跡を再度生成すべく動作軌跡
    生成手段(11)を制御する制御手段(17)とを含む
    ことを特徴とする産業用ロボットにおける手先部の姿勢
    制御装置。
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