JP3154268B2 - ロボットの位置決め方法および位置決め装置 - Google Patents

ロボットの位置決め方法および位置決め装置

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JP3154268B2 JP24995494A JP24995494A JP3154268B2 JP 3154268 B2 JP3154268 B2 JP 3154268B2 JP 24995494 A JP24995494 A JP 24995494A JP 24995494 A JP24995494 A JP 24995494A JP 3154268 B2 JP3154268 B2 JP 3154268B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロボットの位置決め方法
および位置決め装置に関し、特に、位置と力の制御に基
づいて研削加工、バリ取り、曲面研磨などの力を伴う作
業を行う多自由度の力制御ロボットに適用されるロボッ
トの位置決め方法および位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットの位置決め方法とは、再生動作
(プレイバック動作)で目標経路に従って作業工具を移
動させるときの各教示点での移動(通過)の仕方をい
う。ロボットの位置決め方法に関し、従来の実用的な方
法は、例えば溶接作業を行う位置制御ロボット(プロセ
スロボット)で提案されたものがある。この位置制御ロ
ボットにおける位置決め方法では、各教示点ごとに、教
示点を通過するための条件を教示点通過時の位置決め監
視幅として設定する方法が採用される。教示点通過を判
断する基準となる位置決め監視幅は、例えば、「ナ
シ」、「ラフ」、「ファイン」と3段階に分けてユーザ
が任意に設定するように構成される。上記に対して力制
御ロボットでは、従来、実用的な位置決め方法は特に提
案されていなかった。
【0003】図4を参照して「ナシ」、「ラフ」、「フ
ァイン」の位置決め監視幅における再生動作の状態を説
明する。図4でAは「ナシ」の場合、Bは「ラフ」の場
合、Cは「ファイン」の場合を示し、71は通過しよう
とする教示点、72は通過経路を示している。図4のA
〜Cのそれぞれでは、作業工具が、前の教示点から教示
点71に向かって移動し、位置決め監視幅の条件が満た
された後に次の教示点に向かう移動状態が示される。
「ファイン」の場合には、教示点71を通過する時の監
視幅が狭く設定されるので、通過経路72では教示点7
1で一端停止してから次の教示点へ移動する。「ラフ」
の場合には、教示点71を通過する時の監視幅が広く設
定されるので、通過経路72では教示点71で停止せ
ず、教示点71の近傍を減速して通過し、次の教示点へ
向かって移動する。「ナシ」の場合には、位置決めのた
めの監視幅を特別に設定せず、教示点71の近傍を減速
することなく通過し、次の教示点に向かって移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】位置(姿勢を含む)と
力の制御に基づいて力を伴う作業を行う力制御ロボット
における位置決め方法として、前述した位置制御ロボッ
トで採用されていた従来の位置決め方法を適用すると、
次のような問題が生じる。
【0005】問題を説明する前に、まず力制御ロボット
の一例として研削ロボットの構成を説明する。図5に示
すように、研削ロボットは、多自由度機構を含むロボッ
ト本体81とロボット本体81の動作を制御するコント
ローラ82とからなり、ロボット本体81はアーム先部
の手首部83に6軸力センサ84を備え、力センサ84
の先に作業工具としてグラインダ85を設けている。グ
ラインダ85でワークを研削するとき、グラインダ85
に加わる力およびモーメントは力センサ84によって検
出される。またロボット本体81の各関節部には、ロボ
ット本体81を動作させるモータと、各関節部の動作量
を検出するエンコーダが配設される。各関節部に設けら
れたエンコーダの検出信号によって、作業動作中のグラ
インダ85の位置と姿勢を求めることができる。
【0006】コントローラ82には位置(姿勢を含む)
と力の制御を実行するアルゴリズムで実現される制御機
能部が含まれる。ロボット本体81はこの制御機能部に
よる制御に基づいて動作し、グラインダ85の位置と力
が制御される。グラインダ85の位置の制御で、グライ
ンダ85は、複数の教示点のそれぞれを、予め与えられ
た位置データに基づいて教示順序に従って移動する。そ
の際、位置フィードバック制御が行われる。移動の最中
にグラインダ85はワークに押し付けられ、ワークの各
部で所望の研削が行われるようにグラインダ85に対し
て力の制御が行われる。グラインダ85に関する力の制
御では、予め教示された力制御パラメータに基づいて制
御が行われると共に、力センサ84で得られる実際の力
に基づく力フィードバック制御が行われる。
【0007】上記の位置と力の制御では、仮想コンプラ
イアンス制御が採用されるものとする。仮想コンプライ
アンス制御は、図6に示すように、グラインダ85をワ
ーク86に押し付けた状態において、少なくとも押付け
方向に関して、手首部83とグラインダ85との間にあ
たかもばね87とダンパ88が設けられているようにソ
フトウェアによって実現する制御方式である。以下、ば
ね87を仮想ばねといい、ダンパ88を仮想ダンパとい
う。仮想コンプライアンス制御で、グラインダ85は、
研削作業を行うための目標経路89が与えられた状態に
おいて、この目標経路89に接近すべく、仮想ばね87
に設定されたばね力に応じた押付け力90でワーク86
に押し付けられる。このようなことから、研削ロボット
などの力制御ロボットでは、目標経路89を定める複数
の教示点の位置データ、力制御を行うための仮想ばね8
7等は、研削作業を行うにあたって重要なパラメータで
あり、それらの教示・設定は、力作業の状況を配慮して
適切に行われなければならない。
【0008】上記特性を有する研削ロボットに前述した
従来の位置決め方法を適用した場合の問題を、図7を参
照して説明する。図7は、凸状の溶接ビード91で接合
された2つの母材92,93において、当該溶接ビード
91を凹状に研削しようする状態を示す。94は研削の
目標経路である。目標経路94は、幾つかの教示点の位
置データを与え、その中間部を円弧補間することにより
決められる。図示例では、説明の便宜上両端と中間部の
3つの教示点P1,P2,P3が示される。グラインダ
85は、教示点P1,P2,P3の順序で目標経路94
に沿って研削を行いながら移動する。目標経路94に沿
って研削を行う場合、溶接ビード91が凸形状であるこ
とから、端部に位置する教示点P1,P3の研削では溶
接ビード91の研削量を少なくし、中央に位置する教示
点P2の研削では溶接ビード91の研削量を多くするこ
とが必要である。図7では、各教示点P1,P2,P3
で互いに等しい位置到達判定範囲95が設定されてい
る。この位置到達判定範囲95は、前述の監視幅に相当
するもので、研削を行う力制御ロボットでは、再生動作
で停止させることはないので、各教示点で「ラフ」に相
当するレベルでかつ比較的に小さい位置到達判定範囲が
共通に設定される。設定後、作業中に位置到達判定範囲
は一定に保持される。位置到達判定範囲95は、各教示
点を中心とする球体の範囲として設定される。グライン
ダ85による一定時間当たりの最大研削量は一定である
ので、以上のように各教示点で等しく設定された位置到
達判定範囲95に到達するためには、研削しようとする
量に応じてグラインダ85を移動させる速度を調整する
ことが必要となる。極端な例として、教示点P2は溶接
ビード91の盛り量が教示点P1,P3に比較して多い
ので、速度を遅くしまたは停止して研削を継続しなけれ
ばならない。
【0009】しかし、研削しようとする溶接ビード91
の量に応じてグラインダ85の移動速度を調整するため
には、グラインダ85を移動させながら移動先の溶接ビ
ード91の量を測定しなければならず、測定のための視
覚センサ等の特別な装置が必要となる。従って、装置構
成が複雑となり、コストが高くなるという問題を有す
る。
【0010】また研削しようとする溶接ビード量が大き
いときには、グラインダ85の移動速度を遅くしなけれ
ばならない。グラインダ85の移動速度を遅くすると、
グラインダの研削で溶接ビードに焼きが入り、その後の
研削作業において良好な研削を行うことができないとい
う問題を有する。
【0011】また図7では説明を簡単にするため各教示
点で等しい位置到達判定範囲95が設定された例を示し
たが、本質的な問題として、実際に溶接ビードの盛り量
を事前に知ることは困難であるので、溶接ビードの研削
作業で位置到達判定範囲を適切に設定することは困難で
あるという問題も存在する。
【0012】さらに、上記の位置到達判定範囲95は前
述の通り球体として設定されるので、これを大きくする
ことは、図7の上で奥行き方向の経路の精度を損なうこ
とになる。そのために、必要以上に大きな径の球体を設
定することができないという問題を有する。
【0013】本発明の目的は、上記の各問題に解決する
ために、位置と力の制御に基づき力作業を行う力制御ロ
ボットで、目標経路を決める複数の教示点のそれぞれで
のロボットの位置決めに関し、位置決め監視幅を利用し
て支障なく円滑に力作業を行えると共に、再生動作にて
目標経路の経路精度を高め、特別な装置を付加する必要
がなく、簡素な構造で安価に実現できるロボットの位置
決め方法および位置決め装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るロボットの
位置決め方法は、位置と力の制御で動作する多自由度の
ロボットに適用され、作業工具を複数の教示点で決まる
目標経路に沿って移動させることにより再生動作を行う
とき、教示点のそれぞれで前記作業工具の位置決めを判
定するロボットの位置決め方法であり、制御用座標系の
複数の軸方向のそれぞれに設定されたばね要素のばね定
数に応じて軸方向ごとに位置決め監視幅を設定する方法
である。
【0015】前記の方法において、好ましくは、位置決
め監視幅は、ばね定数が低いときには広く、ばね定数が
高いときには狭く設定される。
【0016】前記の方法において、好ましくは、作業工
具の押付け方向に対応する軸方向にはばね定数を低く
し、その他の軸方向にはばね定数を高くする。
【0017】前記の方法において、位置と力の制御は仮
想コンプライアンス制御であり、前記ばね要素は仮想ば
ねである。
【0018】本発明に係るロボットの位置決め装置は、
作業工具を備える多自由度のロボット本体と、位置と力
の制御に基づきロボット本体を動作させ作業工具に作業
を行わせる制御手段を備え、制御手段によって、複数の
教示点で決まる目標経路の各点に対応する制御用座標系
の各軸方向に制御上のばね要素が設定され、目標経路に
沿って作業工具を移動させるロボットにおいて、各軸方
向のばね要素のばね定数を取り出すばね定数選定手段
と、ばね定数選定手段で取り出されたばね定数に基づい
て、教示点に到達したか否かを判定する基準となる位置
決め監視幅を各軸方向について演算して位置到達判定範
囲を演算する位置到達判定範囲演算手段と、教示点の位
置目標値と位置現在値の差を求め、その差が、位置到達
判定範囲演算手段で演算された位置到達判定範囲の中に
含まれているかを判定する位置到達判定手段とを備え
る。
【0019】前記の構成において、好ましくは、各軸方
向の位置決め監視幅は、ばね定数に反比例させて演算さ
れる。
【0020】前記の構成において、好ましくは、制御手
段は仮想コンプライアンス制御を行う。
【0021】
【作用】本発明によるロボットの位置決め方法および位
置決め装置では、力制御ロボットの位置決めに関し、従
来の位置制御ロボットの位置決めで使用されていた位置
決め監視幅を利用する。複数の教示点のそれぞれで設定
される位置到達判定範囲は、各教示点に対応して設定さ
れた制御用座標系(直交座標系)の各軸方向に設定され
た位置決め監視幅によって決定される。各軸方向の位置
決め監視幅は、各軸方向に設定される制御用ばね要素の
ばね定数に応じて設定される。研削作業のための作業工
具の押付け方向に設定されるばね要素のばね定数は柔ら
かく設定され、それ以外の軸方向のばね要素のばね定数
は固く設定される。これによって、作業工具が目標経路
に沿って移動するとき、研削方向以外の方向の経路精度
を高くすることができる。また、各軸方向に設定される
位置決め監視幅で決まる楕円体形状の位置到達判定範囲
をワーク各部に応じて設定することにより、位置到達判
定範囲を利用して支障なく円滑に力作業を行うことが可
能となる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の好適実施例を添付図面に基
づいて説明する。
【0023】本発明が適用されるロボットの構成の基本
的な部分は、図5等で説明された従来のロボットの構成
と同じである。本実施例の説明において、「従来の技
術」の箇所で説明した要素と実質的に同一の要素には同
一の符号を用いている。仮想コンプライアンス制御に基
づき位置(姿勢を含む)と力を制御して力作業を行う力
制御ロボットであり、一例として、前述した通り多自由
度を有するロボット本体81と仮想コンプライアンス制
御を実行する制御機能部を内蔵するコントローラ11
(図2に示す)からなる研削ロボットである。本実施例
でも力制御ロボットの一例として研削ロボットを取り上
げて説明する。研削ロボットでは、ロボット本体81の
手首部83に力センサ84を備え、その先にグラインダ
85を取り付けている。本発明によるコントローラ11
は、さらに、後述する本発明に係る位置決め方法を実行
する制御機能部を内蔵する。
【0024】なお本実施例では、上記の仮想コンプライ
アンス制御の内容について関連事項を除いて詳述しな
い。ここでは参考文献として、例えば、計測自動制御学
会論文集、Vol.22, No.3(昭和61年3月)p.343-350
、特開平60−3010号公報、特開平61−790
5号公報を挙げる。
【0025】図1は、研削ロボットが研削しようとする
ワークの一例を示す。ワークは、2つの母材92,93
が凸状の溶接ビード91で接合されたものである。本実
施例の研削作業では、グラインダ85によって、凸状に
盛られた溶接ビード91を凹状に研削しようとするもの
である。本実施例によるグラインダ85は円板状の砥石
を備える。溶接ビード91を凹状に研削するための研削
作業において、グラインダ85を移動させるための目標
経路94は、研削作業開始前の教示作業で位置目標値と
して与えられた複数の教示点によって決められる。複数
の教示点の位置データは、例えばユーザにおける作業者
の教示作業での入力行為によって与えられる。この実施
例では、説明を簡単にするために3つの教示点P1,P
2,P3を示している。教示点P1,P3は目標経路9
4の両端の教示点であり、教示点P2は中間部の教示点
である。研削作業におけるグラインダ85の位置制御に
よれば、グラインダ85が目標経路94に沿って端から
端まで減速し過ぎることなく適切な速度で移動し、これ
を研削工程の単位として移動を繰り返す。グラインダ8
5の位置制御における移動速度は、グラインダ85の研
削能力に応じて適切に決定される。上記の移動におい
て、各教示点を通過するとき、以下に説明する方法で設
定された位置到達判定範囲内に入ることを条件に、位置
決めの条件が満たされたものとして次の教示点への移動
が行われる。位置到達判定範囲は、グラインダ85が位
置目標値である各教示点に到達したか否かを判定するた
めに設定された範囲である。
【0026】「従来の技術」の箇所で説明したように仮
想コンプライアンス制御で動作するグラインダ85は、
図1に示されるように、ロボット本体81の手首部83
に仮想ばね12で支持された状態で取り付けられている
と考えられる。仮想ばね12は、ソフトウェアで実現さ
れた制御上の要素としての仮想的なばね要素である。な
お図1では、力センサ84の図示は省略されている。グ
ラインダ85は、仮想ばね12で決まるばね力(弾性力
または剛性(スティフネス):例えば柔らかいばねまた
は固いばね等で、ばね定数で決まる)で溶接ビード91
に押し付けられ、この押付け状態で溶接ビード91を研
削しながら、目標経路94に沿って適切な速度で移動す
る。
【0027】図1では、便宜上、押付け方向(溶接ビー
ド91を研削する方向)に設定された仮想ばね12だけ
が示されている。しかし仮想コンプライアンス制御の上
では、仮想ばねは、ワークに設定された目標経路94の
各点で設定された座標系の各軸方向に設定される。図1
に示されるように、研削しようとする溶接ビード91で
設定された各教示点P1,P2,P3では制御に用いら
れる直交座標系(x,y,z)が設定される。この直交
座標系は、ワークの研削予定部に沿って設定された座標
系(ワーク座標系)である。この実施例の場合、目標経
路94の接線方向がx軸、図1の紙面に含まれかつx軸
に直交する方向がz軸、x軸およびz軸に直交する方向
(奥行き方向)がy軸になるように決められている。図
1で、上記の目標経路94はxz平面内に含まれてい
る。従って、目標経路94に沿って移動するグラインダ
85は、y軸方向に関してはずれることなく、xy平面
内に含まれる目標経路94に沿って移動する。z軸方向
は溶接ビード91が盛られている方向であり、これをグ
ラインダ85で目標経路94に対応する凹形状に研削す
るのであるから、上記の押付け方向に一致する。
【0028】z軸方向に設定される仮想ばね12は、グ
ラインダ85を溶接ビード91に押付け研削を行う方向
であるので、他の軸方向の仮想ばねに対して比較的に柔
らかいばねである。またx軸方向およびY軸方向に設定
される仮想ばねは、通常の位置制御の場合と同様な固い
ばねである。このようにx軸およびy軸の各方向に固い
仮想ばねを設定することにより、目標経路94に沿った
グラインダ85の移動に関してx軸方向とy軸方向には
高い経路精度を確保することができる。
【0029】上記の教示点P1,P2,P3のそれぞれ
では教示点を中心とする位置到達判定範囲13が設定さ
れる。この位置到達判定範囲13は、前述の直交座標系
の各軸方向に設定された位置決め監視幅に基づいて決定
される。各軸方向の位置決め監視幅は、各軸方向に設定
された前記仮想ばねのばね定数に対応して設定される。
その結果、位置到達判定範囲13はz軸方向が長軸とな
った楕円体の形状を有する。換言すれば、z軸方向には
柔らかいばね定数に反比例させて広い位置決め監視幅が
設定され、x軸方向およびy軸方向には固いばね定数に
反比例させて狭い位置決め監視幅が設定され、これによ
り楕円体の位置到達判定範囲13が設定される。図1に
おいて、13aは楕円体をxz平面で切った楕円形を示
し、13bは楕円体をxy平面で切った円形を示す。
【0030】本発明では、力を伴う作業の一例である研
削作業においてグラインダ85を目標経路94に沿うよ
うに適切な速度で繰り返し移動させるとき、目標経路9
4を決める位置目標値としての各教示点での位置決め
で、「従来の技術」の箇所で述べた位置決め監視幅を使
用する。この位置決め監視幅を、各教示点での制御用直
交座標系の各軸方向ごとに設定された仮想ばねのばね定
数に対応させて各軸方向ごとに設定される。その結果、
各教示点において楕円体の位置到達判定範囲13が設定
される。特に、x軸方向とy軸方向には、固いばね定数
で仮想ばねを設定し、かつ設定された仮想ばねのばね定
数に対応する狭い監視幅を設定したので、経路精度を高
めることができる。
【0031】位置決め方法を実施する制御機能部の構成
を図2を参照して説明する。この制御機能部はコントロ
ーラ11の中に含まれる。コントローラ11には、他
に、仮想コンプライアンス制御を実行する力制御演算部
14と、力制御演算前処理部15が含まれる。
【0032】位置目標値格納部16には教示点P1,P
2,P3の位置データが格納される。位置目標値格納部
16の位置データは、力制御演算部14で位置目標値と
して使用される。力制御パラメータ格納部17には各教
示点での研削における力目標値、仮想ダンパ、仮想ばね
等の力制御パラメータが格納される。位置データや力制
御パラメータの格納は作業者(ユーザ)の教示作業によ
って行われる。
【0033】位置目標値として使用される各教示点P
1,P2,P3の位置データは、位置目標値転送部18
によって下記の特定条件の下で順次に読み込まれ、力制
御演算前処理部15を経由して力制御演算部14に設定
される。力制御演算部14では、設定された教示点の位
置データを位置目標値として、グラインダ85を移動さ
せるための位置制御信号が生成される。位置目標として
設定された教示点に到達したことを条件に、次の教示点
に移動すべく、位置目標値転送部18は次の教示点の位
置データを位置目標値として読み込む。各教示点の間の
移動すべき経路は、直線補間や円弧補間によって演算さ
れる。力制御パラメータ格納部17に格納される各種の
パラメータは力制御演算前処理部15を経由して力制御
演算部14に設定される。
【0034】力制御演算前処理部15は、位置制御に必
要な位置データや力制御のための各種の力制御パラメー
タを、力制御演算部14と同期をとりながら力制御演算
部14に対して送給する機能を有する。力制御演算部1
4は、仮想コンプライアンス制御方式に従って必要な位
置と力の制御の演算を行い、生成された制御信号(速度
信号やトルク信号)をサーボ回路19を介してロボット
本体81のモータに与える。制御信号を与えられたロボ
ット本体81は所定の研削作業のための動作を行う。ロ
ボット本体81が動作するとき、各関節部に設けられた
エンコーダによって実際の位置の情報が得られ、また力
センサ84によってグラインダ85に加わる力(モーメ
ントを含む)の情報が得られる。位置の情報と力の情報
は、力制御演算部14に取り込まれる。力制御演算部1
4および力制御演算前処理部15は既に知られた内容で
あり、本実施例では詳細な説明を省略する。
【0035】次に位置決め方法を実施するための特徴的
構成部分を説明する。
【0036】ばね定数選定部20は、力制御パラメータ
格納部17から直交座標系(x,y,z)の各軸方向に
関して設定された仮想ばねのばね定数を取り出し、位置
到達判定演算部21に出力する。
【0037】位置到達判定演算部21では、ばね定数選
定部20から与えられた各軸方向のばね定数を用いて、
それぞれのばね定数を考慮した位置偏差を求める。
【0038】なお仮想ばねは、詳細には、図3に示す直
交座標系を考える場合、6軸の方向に設定される。すな
わち、制御的な観点で、仮想ばねは、並進3軸(x,
y,zの各軸について)と回転3軸(x,y,zの各軸
について)に分けて考えることができ、6軸の方向のそ
れぞれについて仮想ばねが設定される。
【0039】ここでは並進方向についてx,y,z軸方
向のそれぞれkx ,ky ,kz のばね定数が設定されて
いるとし、さらに位置到達判定範囲PAとすると、PA
は次式で求められる。
【0040】
【数1】PA2 =(kx 2 2 +ky 2 2 +kz 2
2 )/KG 2
【0041】上式でKG は通常の位置制御で用いる程度
のばね定数、x,y,zは、位置目標値格納部16から
取り込んだ位置目標値を原点とした時の実際に動作する
ロボット本体81のエンコーダから力制御演算部14お
よび力制御演算前処理部15を通して取り出された位置
の現在値(ロボット本体に関する実際の位置データ)と
の位置偏差である。位置監視判定部22は位置到達判定
演算部21で演算された位置到達判定範囲PAを取り込
んで、この値が監視レベル設定部23で予め設定した監
視レベルに入っているかを比較する。以上の構成によっ
て、位置監視判定部22では、位置の現在値が監視レベ
ルと比較して当該範囲に含まれるか否かを判定する。な
お、PAが監視レベルと等しい時のx,y,zの領域を
示すのが位置到達判定範囲である。上記差が位置到達判
定範囲内に含まれる場合には、教示点に到達したと判定
し、次の位置目標値に基づいて移動処理を行うべく位置
目標値転送部18に対して次の位置目標値(次の教示点
の位置データ)を転送するように指示する。位置目標値
転送部18は、位置到達判定演算部21からの指示を受
けて次の教示点の位置データを転送する。このように、
教示された経路に沿って研削が行われる。ここで、グラ
インダの作業能力や研削速度や研削量等によって1回の
作業で所定の目標経路94に達しない場合には、教示点
P2のz軸方向のばね定数をより固く設定し直して作業
を繰り返すことによって目標とする研削経路を仕上げ
る。また別の例として、1回の研削で目標形状に仕上げ
られない場合には、溶接ビード91の研削作業が進むに
従ってz軸方向(押付け方向)の仮想ばね12のばね定
数を次第に固くなるように、例えば当該教示点における
研削残量に応じて設定されるように制御することによ
り、このばね定数に応じて前述のz軸方向の位置決め監
視幅は研削作業が進むに従って狭くなり、所定の研削経
路94が達成されるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、位置と力の制御に基づき力作業を行う力制御ロボ
ットで、目標経路を決める複数の教示点のそれぞれでの
ロボットの位置決めに関し、各教示点での制御用座標系
の各軸方向に、各軸方向に設定されたばね要素のばね定
数に対応させて位置決め監視幅を設定し、これらの監視
幅に基づいて各教示点での位置到達判定範囲を定めるよ
うにしたため、押付け方向以外の経路精度を高めると共
に、位置決め監視幅を利用して支障なく円滑に力作業を
行え、再生動作にて目標経路の再生精度を高め、特別な
装置を付加する必要がなく、簡素な構造で安価に位置決
め方法と位置決め装置を実現できる。また位置決めを判
断する基準となる位置到達判定範囲を、制御用座標系に
おける各軸方向の条件を配慮して最適に設定できるた
め、位置到達判定範囲が適切でないことに起因する作業
工具の破損、作業工具の移動の停止、ワークの焼き入れ
をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロボットの位置決め方法を概念的
に説明するための図である。
【図2】本発明に係るロボットの位置決め方法を実施す
る装置の一例を示すブロック図である。
【図3】座標系における6軸方向を示す図である。
【図4】従来の位置制御ロボットにおける位置決め方法
を説明するための図である。
【図5】力制御ロボットの一例である研削ロボットの構
成を示す外観図である。
【図6】仮想コンプライアンス制御の作動状態を説明す
るための図である。
【図7】従来の位置決めを方法を力制御ロボットに適用
した場合の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
11 コントローラ 12 仮想ばね 13 位置到達判定範囲 14 力制御演算部 15 力制御演算前処理部 16 位置目標値格納部 17 力制御パラメータ格納部 20 ばね定数選定部 21 位置到達判定演算部 22 位置監視判定部 81 ロボット本体 85 グラインダ 91 溶接ビード 92,93 母材 94 目標経路 P1,P2,P3 教示点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 B25J 9/10 - 9/22

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置と力の制御で動作する多自由度のロ
    ボットに適用され、作業工具を複数の教示点で決まる目
    標経路に沿って移動させることにより再生動作を行うと
    き、前記教示点のそれぞれで前記作業工具の位置決めを
    判定するロボットの位置決め方法において、 制御用座標系の複数の軸方向のそれぞれに設定されたば
    ね要素のばね定数に応じて前記軸方向ごとに位置決め監
    視幅を設定したことを特徴とするロボットの位置決め方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロボットの位置決め方法
    において、前記位置決め監視幅は、ばね定数が低いとき
    には広く、ばね定数が高いときには狭く設定されること
    を特徴とするロボットの位置決め方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のロボットの位置
    決め方法において、前記作業工具の押付け方向に対応す
    る軸方向にはばね定数を低くし、その他の軸方向にはば
    ね定数を高くしたことを特徴とするロボットの位置決め
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のロボ
    ットの位置決め方法において、前記位置と力の制御は仮
    想コンプライアンス制御であり、前記ばね要素は仮想ば
    ねであることを特徴とするロボットの位置決め方法。
  5. 【請求項5】 作業工具を備える多自由度のロボット本
    体と、位置と力の制御に基づき前記ロボット本体を動作
    させ前記作業工具に作業を行わせる制御手段を備え、前
    記制御手段によって、複数の教示点で決まる目標経路の
    各点に対応する制御用座標系の各軸方向に制御上のばね
    要素が設定され、前記目標経路に沿って前記作業工具を
    移動させるロボットにおいて、 前記各軸方向の前記ばね要素のばね定数を取り出すばね
    定数選定手段と、 前記ばね定数選定手段で取り出された前記ばね定数に基
    づいて、前記教示点に到達したか否かを判定する基準と
    なる位置決め監視幅を前記各軸方向について演算して位
    置到達判定範囲を演算する位置到達判定範囲演算手段
    と、 前記教示点の位置目標値と位置現在値の差を求め、その
    差が、前記位置到達判定範囲演算手段で演算された前記
    位置到達判定範囲の中に含まれているかを判定する位置
    到達判定手段と、 を備えることを特徴とするロボットの位置決め装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のロボットの位置決め装置
    において、前記各軸方向の前記位置決め監視幅は、前記
    ばね定数に反比例させて演算されることを特徴とするロ
    ボットの位置決め装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のロボットの位置
    決め装置において、前記制御手段は仮想コンプライアン
    ス制御を行うことを特徴とするロボットの位置決め装
    置。
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