JP3213405B2 - 高屈折率媒質から低屈折率媒質へ全反射を生じる角度以下の入射角で入射する入射光を検出する光検出装置 - Google Patents

高屈折率媒質から低屈折率媒質へ全反射を生じる角度以下の入射角で入射する入射光を検出する光検出装置

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JP3213405B2 JP29249292A JP29249292A JP3213405B2 JP 3213405 B2 JP3213405 B2 JP 3213405B2 JP 29249292 A JP29249292 A JP 29249292A JP 29249292 A JP29249292 A JP 29249292A JP 3213405 B2 JP3213405 B2 JP 3213405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信、光集積回路、
光情報処理回路等に用いる高屈折率媒質から低屈折率媒
質へ全反射を生じる角度以下の入射角で入射する入射光
を検出する光検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における光検出装置の一例を図9に
基づいて説明する。図9は、Si基板によるpinフォ
トダイオードの断面を示すものであり、n層1と、i層
2と、p層3(受光部3)とからなっている。このSi
基板の表面にはSiO2 層4が形成され、その裏面には
裏面電極5が形成されている。また、このようなSi基
板の上部には高屈折率媒質6が形成されている。なお、
ここではコンタクト電極は省略している。
【0003】図9の右上部側から進行した光7a〜7
c、及び、同じ左上部から進行した光8a〜8cは受光
部3に検出され、これにより光電流が発生し、電気信号
に変換される。このようにしてSi基板上に作成した受
光部3は、Si基板が一般に平面状であることから、S
i基板と垂直方向の光に対して受光感度が最も大きく、
Si基板の垂線を中心に点対称的に垂線となす角度が大
きくなるほど(すなわち傾斜して入射するほど)受光感
度が小さくなるという対称な受光感度の角度依存性があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、Si基板
(以下、基板と呼ぶ)を傾ければその受光感度の角度依
存性が変化するため、基板を傾けて角度依存性を変化さ
せ基板の垂線に対して非対称な受光感度の角度依存性と
することもできるが、基板の配置に制約を受けたり、1
つの基板で複数の方向に対応できない等の欠点がある。
また、基板上の受光部分だけを基板に対して傾けて非対
称な受光感度の角度依存性とすることもできるが、基板
上で傾けられる受光面の角度は受光部3(以下、受光素
子と呼ぶ)の面積をある程度小さくしない限りは大きく
ても10数°であり、しかも、その傾斜により受光感度
もなだらかに変化することから、例えば、基板に対して
45°の同じ入射角で左右から入射した光を選択的に検
出することは難しい。
【0005】そこで、このようなことから従来において
は、基板上の受光素子に特定方向の光に対して受光感度
が大きくなるような非対称な受光感度の角度依存性をも
たせるために、基板とは別個に入射方向の前方にレン
ズ、回折格子、スリット、プリズム等の光学部品を設
け、これにより特定方向の光が受光素子に入射しやすい
ようにしている。例えば、スリットを用いた場合では、
基板上の受光素子の前方にナイフエッジによるスリット
を設け、受光素子はナイフエッジのない側の光を強く受
光し、これにより受光感度に非対称の角度依存性が現れ
る。
【0006】しかし、これら光学部品を受光素子用の基
板とは別個に設けると、部品点数が増え、その分、その
他の光学部品を設けるのが困難となるケースが多くな
る。例えば、スリットを設けることにより、受光素子上
にプリズムや回折格子を密着させることが困難となる。
【0007】また、基板上の導波光を検出する受光素子
の一例としては、「光集積ピックアップ用導波路型光検
出器」なるタイトルで10p-ZN-8,1991,秋季、第52回応
用物理学会学術講演会に本出願人により開示されている
ものがある。これは、導波光を効率良く受光素子に導く
ために、受光素子に近づく基板表面の形状をテーパー状
に形成し、これにより角度依存性をもたせている。もち
ろん、導波光の検出感度には、平面的な角度依存性があ
る。しかし、このようにテーパー状の基板は一般に薄膜
を積層、加工して作成するため、光学部品を受光素子と
一体で基板上に設けることは困難である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、基板上に形成された受光部と、この受光部を含む上
部に積層され基板面に対して平行な平行平面部と平行で
ないテーパー部とを有する低屈折率層と、この低屈折率
層の前記平行平面部及び前記テーパー部の上部に設けら
れた高屈折率媒質とよりなり、この高屈折率媒質から侵
入し前記低屈折率層の前記テーパー部を透過して前記基
板上の前記受光部に垂直でない特定方向から入射する入
射光のうち前記基板面に対する前記高屈折率媒質中での
光の入射角度をその高屈折率媒質及び前記低屈折率層の
屈折率の関係から決定される臨界角以上の大きな角度に
設定し、かつ、前記入射光のうち前記テーパー部に対す
る前記高屈折率媒質中の光の入射角度をその高屈折率媒
質及び前記低屈折率層の屈折率の関係から決定される臨
界角よりも小さな角度に設定した。
【0009】請求項2記載の発明では、基板上に形成さ
れた受光部と、この受光部を含む上部に積層され基板面
に対して平行な平行平面部と平行でないテーパー部とを
有する低屈折率層と、この低屈折率層の前記平行平面部
及び前記テーパー部の上部に設けられた高屈折率媒質
と、この高屈折率媒質の上部に設けられた低屈折率媒質
とよりなり、この低屈折率媒質から前記高屈折率媒質と
前記低屈折率媒質との接触面が前記基板と平行でない部
分に侵入し前記高屈折率媒質を介して前記低屈折率層の
前記テーパー部を透過して前記基板上の前記受光部に垂
直でない特定方向から入射する入射光のうち前記基板面
に対する前記高屈折率媒質中での光の入射角度をその高
屈折率媒質及び前記低屈折率層の屈折率の関係から決定
される臨界角以上の大きな角度に設定し、かつ、前記入
射光のうち前記テーパー部に対する前記高屈折率媒質中
の光の入射角度をその高屈折率媒質及び前記低屈折率層
の屈折率の関係から決定される臨界角よりも小さな角度
に設定した。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、高屈折率媒質と低屈折率層との間
に、少なくとも1層以上の中間層を設けた。
【0011】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明において、中間層のうちの少なくとも1層が高屈折
率物質から形成され、受光部が形成された基板面に対し
て、前記高屈折率物質からなる中間層と低屈折率層との
接触面、若しくは、前記高屈折率物質からなる中間層と
この下層のこれよりも小さい屈折率の物質からなる中間
層との接触面の一部又は全部を非平行なテーパー部に形
成し、前記受光部が形成された前記基板面に対して、前
記高屈折率物質からなる中間層と高屈折率媒質との接触
面、若しくは、前記高屈折率物質からなる中間層とこの
上層のこれと同程度の屈折率の物質からなる中間層との
接触面の一部又は全部を平行な平行平面部に形成した。
【0012】請求項5記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、高屈折率媒質と低屈折率層との間
に少なくとも1層以上の中間層を設け、この中間層のう
ちの少なくとも1層を導波層として設けた。
【0013】請求項6記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、高屈折率媒質と低屈折率層との間
に少なくとも1層以上の中間層を設け、この中間層のう
ちの少なくとも1層を導波層として設け、前記高屈折率
媒質を前記導波層への光結合用のプリズムとして形成
し、このプリズムから特定方向の入射光を侵入させるた
めの入射光結合手段を設け、この入射光結合手段により
前記プリズムを介して侵入した前記入射光を検出するた
めに前記プリズムの下面の基板表面にテーパー状をなす
光検出部を形成した。
【0014】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
発明において、プリズムを介して光検出部より導波層に
結合した導波光を検出する導波光検出手段を設け、この
導波光検出手段からの出力情報と光検出部により特定方
向の光から得られた出力情報とにより光結合効率を求め
る光結合効率検出手段を設けた。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明においては、受光部の周辺
にテーパー構造をもつ低屈折率層を形成したことによ
り、高屈折率媒質からの特定方向の入射光に対して非対
称な受光感度の角度依存性をもたせ、しかも、受光感度
を大きくとることが可能となる。
【0016】請求項2記載の発明においては、受光部の
周辺にテーパー構造をもつ低屈折率層、及び、基板に対
して非平行な高屈折率媒質と低屈折率媒質との接触面を
もっているため、低屈折率媒質からの特定方向の入射光
に対して非対称な受光感度の角度依存性をもたせること
が可能となる。
【0017】請求項3記載の発明においては、中間層を
設けたことにより、高屈折率媒質や基板の保護層として
の役割を果たすことが可能となる。
【0018】請求項4記載の発明においては、高屈折率
媒質からなる中間層の低屈折率層側の境界面の少なくと
も一部分に基板と平行でない部分を設けたことにより、
高屈折率媒質と中間層との境界面を基板に対して平行に
することが可能となる。
【0019】請求項5記載の発明においては、中間層の
少なくとも1層を導波層として用いたことにより、光学
部品を高密度に集積化させることが可能となる。
【0020】請求項6記載の発明においては、プリズム
の下面の基板上にテーパー構造をもつ光検出部を設けた
ことにより、プリズムの特定方向から入射した光を導波
層に結合させることなく直接に検出することが可能とな
る。
【0021】請求項7記載の発明においては、テーパー
構造をもった光検出部により検出された特定方向の光か
ら得られた出力情報と、導波光検出手段により検出され
た導波光から得られた出力情報とを用いてプリズムの光
結合効率を求めることができる。
【0022】
【実施例】請求項1記載の発明を図1に基づいて説明す
る。図1は、本装置の断面形状を示すものである。基板
としてのSi基板9には、下層側から、n層10と、i
層11と、p層12(以下、受光部12と呼ぶ)とが順
に形成され、これによりpinフォトダイオードを形成
している。この受光部12を含むSi基板9の上部には
低屈折率層13が形成されている。この低屈折率層13
には、Si基板9の基板面に対して平行な平行平面部1
3aと平行でないテーパー部13bとが形成されてい
る。この低屈折率層13の平行平面部13a及びテーパ
ー部13bの上部には高屈折率媒質14が設けられてい
る。Si基板9の裏面側には、裏面電極15が取付けら
れている。なお、低屈折率層13のテーパー形状は、異
なるエッチングレートをもつ多層膜をエッチングするこ
とにより、5°以上の角度であれば比較的容易に作製す
ることができる。
【0023】また、ここでは、以下のような条件に設定
した。第1の条件として、高屈折率媒質14から侵入し
低屈折率層13のテーパー部13bを透過してSi基板
9上の受光部12に垂直でない特定方向から入射する入
射光のうち、基板面に対する高屈折率媒質14中での光
の入射角度を、高屈折率媒質14及び低屈折率層13の
屈折率の関係から決定される臨界角以上の大きな角度に
設定した。また、第2の条件として、前記入射光のう
ち、テーパー部13bに対する高屈折率媒質14中の光
の入射角度を、その高屈折率媒質14及び低屈折率層1
3の屈折率の関係から決定される臨界角よりも小さな角
度に設定したものである。
【0024】このような構成において、まず、前記入射
光について説明する。図1中、右側から入射した光は入
射光16a,16b,16c,16dで示し、テーパー
部13bを透過した光は光線17b,17c,17dで
示す。その右側から入射した光のうち平行平面部13a
で反射した光を光線17aで示す。また、左側から入射
した光は入射光18a,18b,18c,18d,18
eで示し、入射光18a,18b,18cの平行平面部
13a及びテーパー部で反射した全反射光は光線19
a,19b,19cで示し、入射光18d,18eのi
層11に透過した光は光線19d,19eで示す。A1
〜A4は基板面に対する垂線を示し、B1,B2 はテーパ
ー部13bに対する垂線を示す。
【0025】次に、上述したような入射光のうち幾何学
的な光線を主体として説明する。テーパー構造をもつ低
屈折率層13は、実際には波長に比べて薄い場合があ
り、この場合には波動光学的な扱いをしなければならな
いが、本原理は、入射光の入射角が全反射の臨界角より
も大きいか小さいかで選択させることなので、基本的な
原理としてはこの幾何学的な説明で十分である。ただ
し、低屈折率層13が波長に対して十分薄い場合にはエ
バネセント波による電界強度が低屈折率層13の下層の
薄膜においても大きくなる場合があり、例えばこれが受
光部12のp層であれば光の吸収を生じ、全反射の臨界
角以上の入射光でも光電流が生じる。このため、受光部
12上での低屈折率層13の厚さを波長の少なくとも1
/4以上の厚さにしておくことにより、入射した光によ
る下層での電界強度が比較的小さくなるので、その下層
での吸収が小さくなり、臨界角と入射角との差によって
受光部12に受光感度の角度依存性をもたせることがで
きるようになる。また、受光部12上の低屈折率層13
の厚さが波長の1倍以上であれば、十分に大きいSN比
を得ることができる。さらに、波長の数倍程度の厚さで
そのSN比はほとんど変化しなくなり、バルクの場合と
同じ状態になる。
【0026】次に、本装置の基本的な動作原理(前述し
た2つの設定条件)について述べる。高屈折率媒質14
として、(株)オハラ製のLaSF(21)の高屈折率
フリントガラス(n=1.84491、632.8n
m)を用いたとする。なお、これと同様なガラスとし
て、保谷(株)のTaSF(9)のガラス(n=1.8
4493,632.8nm)を用いてもよい。また、テ
ーパー部13bをもつ低屈折率層13をSiONでプラ
ズマCVDにより基板温度300°で作製し、この屈折
率をn=1.453とする。この時、臨界角θは、 θ=sin~1(1.453/1.845)=51.95° となる。そして、今、高屈折率媒質14からSi基板9
へ55°の入射角で光線を入射させたとする。低屈折率
層13のテーパー部13bの角度θ1 は、11.31°
(tan~1(0.2)) とし、低屈折率層13のテーパー
でない平行平面部13aの膜厚は4μmとする。
【0027】まず、左側からSi基板9に入射した光線
が受光部12に吸収されない理由について説明する。左
側から入射した入射光のうち、テーパー部13bをもつ
低屈折率層13の平行平面部13aに入射した入射光1
8a,18bは、入射角θ2=55.0°の光線であ
り、これは臨界角θ=52.0°よりも大きいため、反
射角55.0°で全反射され、光線19a,19bとな
る。また、左側から入射した入射光のうち、テーパー部
13bに入射した入射光18cは、入射角θ3 =66.
3°の光線であり、これは臨界角θ=52.0°よりも
大きいため、反射角66.3°で全反射され、光線19
cとなる。基板に対して考えると、入射角は55°、反
射角は77.6になる。このように左側からSi基板9
に対して入射角55°で入射した光は、低屈折率層13
で全反射され、受光部12に吸収されるようなことはな
い。
【0028】これに対して、右側から入射した入射光の
うち、テーパー部13bをもつ低屈折率層13のテーパ
ーでない部分に入射した入射光16aは、入射角θ4
55.0°の光線であり、これは臨界角θ=52.0°
より大きいため、反射角55°で全反射され、光線17
aとなる。また、右側から入射した入射光のうち、テー
パー部13bに入射した入射光16b,16c,16d
は、入射角θ5 =43.7°の光線であり、これは臨界
角θ=52.0°よりも小さいため、出射角61.3°
で透過し、光線17b,17c,17dとなる。基板に
対して考えると、光線17b,17c,17dの入射角
は55°であり、これはテーパー部13bで屈折して、
今度は入射角θ6 で受光部12に入射して吸収され、こ
れにより光電流が流れる。
【0029】この場合、前述したように、実際には膜厚
が薄くなるほど幾何学的な光線とは異なるようになり、
テーパー部13bをもつ膜厚の薄い部分では、光線の入
射角が臨界角θより大きい全反射条件であるにもかかわ
らず、光線が低屈折率層13を透過し、下層のSi基板
9に吸収される。例えば、低屈折率層13のテーパー部
13bで膜厚の薄い光の波長の1/4以下である部分に
左側から入射した光線18d,18eは、光線19d,
19eとなってi層11に入射し吸収される。これは、
右側から入射した光線も同一であり、非対称の受光特性
が失われる。このようなことから、膜厚の薄い部分には
p層からなる受光部12を設けないか、又は、この受光
部12の面積を十分に小さくすることにより、余分な光
を必要な量まで低減することが必要である。
【0030】上述したように、受光部12の周辺にテー
パー構造をもつ低屈折率層13を形成したことにより、
高屈折率媒質14からの特定方向の入射光に対して非対
称な受光感度の角度依存性をもたせ、しかも、受光感度
を大きくとることができる。
【0031】また、低屈折率層13の膜厚の薄い部分に
受光部12を1つ以上設け、この出力情報と、非対称な
特性をもつ受光部12との出力情報とから、入射光の入
射特性を検出することができる。また、低屈折率層13
のテーパー部13bは1つの平面として説明したが、2
つ以上の異なる面方向をもつ平面又は曲面を用い、受光
部12を2つ以上設けることにより、2つ以上の方向の
光に対して選択的に検出することができる。さらに、受
光部12への入射角が大きいため、入射光の一部が表面
反射することにより受光感度が減少する場合には、受光
部12と低屈折率層13との間に反射防止層を少なくと
も1層以上設けることにより、反射していた光の多くを
受光部12に導くことができる。
【0032】次に、請求項2記載の発明の一実施例を図
2に基づいて説明する。なお、請求項1記載の発明(図
1参照)と同一部分についての説明は省略し、その同一
部分については同一符号を用いる。
【0033】図2は、Si基板9によるpinフォトダ
イオード上には、平行平面部13aとテーパー部13b
とをもつ低屈折率層13と、この低屈折率層13上に設
けられた平行平面部14aとテーパー部14b,14c
とを有する高屈折率媒質14と、この高屈折率媒質14
上に設けられた低屈折率媒質20とからなっている。こ
の場合、右側から入射した光は入射光21a,21bで
あり、高屈折率媒質14を透過した光は光線22a,2
2bであり、低屈折率層13を透過した光は光線22で
ある。また、左側から入射した光は入射光23a,23
bであり、高屈折率媒質14を透過した光は光線24
a,24bである。この場合、平行平面部14aへの垂
線はA1 で示し、テーパー部14b,14cへの垂線は
1,B2で示す。C1〜C4は基板面に対する垂線であ
り、D1 はテーパー部13bに対する垂線である。
θ1,θ2は高屈折率媒質14のテーパー部14b,14
cと低屈折率層13との間のなす角であり、θ3〜θ7
各々の入射角であり、θ8〜θ10 はそれぞれ屈折した屈
折角を示す。
【0034】また、低屈折率媒質20は空気からなり、
屈折率n=1.000とする。高屈折率媒質14は、高
屈折率フリントガラスからなり、屈折率n=1.895
とする。角度θ1,θ2はともに45°であるとし、平行
平面部14aの面は基板面に対して平行であるとする。
ここでの入射角θ5,θ7は63.68°とする。
【0035】このような構成において、まず、左側から
入射した光が受光部12に吸収されない理由について説
明する。左から入射した光線のうち、基板と平行でない
テーパー部14bに入射した光線23aは、入射角θ3
=18.68°の光線であり、これは屈折した屈折角θ
8 =10.00°の光線24aとなる。この光線24a
は基板に対しては入射角θ4 =55°の光線となるた
め、低屈折率層13に入射すると、テーパー部13bで
あってもなくてもこの層の境界部分で反射されてしま
い、これにより受光部12に吸収されてしまうことはな
い。
【0036】これに対して、右から入射した光線のう
ち、テーパー部14cに入射した光線21a,21b
は、入射角θ6 =18.68°の光線であり、これは屈
折した屈折角θ10=10.00°の光線22a,22b
となる。これら光線22a,22bは、基板に対して入
射角θ11=55°をもつ。光線22aの入射する部分
は、平行平面部13aであるため、低屈折率層13への
入射角θ11=55°は臨界角θ=52.0°よりも大き
いためこの部分で全反射される。光線22bの入射する
位置はテーパー部13bであるため、入射角θ12=4
3.7°であり、透過、屈折して与えられる角θ13=6
1.0°となり、受光部12に入射角θ14で入射し、こ
の受光部12に吸収され、これにより光電流が発生す
る。
【0037】また、左側から平行平面部14aに入射す
る光線23bは、入射角θ=63.68°であり、これ
は透過、屈折して与えられる角θ9 =29.0°で進行
し、これが低屈折率層13に入射すると、臨界角θより
も小さいため透過して受光部12に入射し、これにより
光電流が生じる。この場合、高屈折率媒質14からなる
光学部品と基板とが水平でなくても、入射する光線の入
射角によって容易に受光部12に光が透過するので、受
光部12に対する平行平面部14aの位置や面積を適切
に設定する必要がある。この部分に遮光層や反射層を設
けてもよい。
【0038】上述したように、受光部12の周辺にテー
パー構造をもつ低屈折率層13と、Si基板9に対して
非平行な部分をもつ高屈折率層14とを設けていること
により、低屈折率媒質20からの特定方向の入射光に対
して非対称な受光感度の角度依存性をもたせることがで
きる。
【0039】なお、高屈折率媒質14からなる光学部品
と低屈折率媒質20との境界が平行平面部14aのよう
な基板に対して水平な部分だけの場合には、テーパー部
分であるなしに関係なく、全ての光が臨界角θより小さ
くなり、低屈折率層13を透過してしまい、非対称な受
光感度の角度依存性をもった検出装置を作製できなくな
るため注意を要する。
【0040】次に、請求項3記載の発明の一実施例を図
3に基づいて説明する。なお、請求項1,2記載の発明
と同一部分についての説明は省略し、その同一部分につ
いては同一符号を用いる。
【0041】ここでは、高屈折率媒質14と低屈折率層
13との間に、少なくとも1層以上の中間層を設けたも
のである。すなわち、ここでの中間層とは、高屈折率中
間層25と、低屈折率中間層26との2層を設けたもの
である。この場合、右側から入射した光は入射光27で
あり、高屈折率中間層25を透過した光は光線28であ
り、低屈折率中間層26を透過した光は光線29であ
り、低屈折率層13を透過した光は光線30である。θ
1,θ2はそれぞれ入射角であり、θ3 は屈折角である。
また、高屈折率中間層25は高屈折率媒質14と同じ屈
折率n=1.895とし、低屈折率中間層26は低屈折
率層13と同じ屈折率n=1.453とする。右側から
の光の入射角はθ1 =55°とする。また、A1,A2
基板面に対する垂線を示し、B1 はテーパー部14bに
対する垂線を示す。
【0042】このような構成において、高屈折率中間層
25と低屈折率中間層26との境界面が基板面に対して
平行でない部分に右側から入射した入射光27は、P点
の位置では屈折率変化がないため高屈折率中間層25を
直進し、Q点の位置で入射角θ2 =43.7°で入射す
る光線28となり、これは高屈折率中間層25と低屈折
率中間層26とで与えられる臨界角よりも小さいため、
光線28は透過、屈折して屈折角θ3 で与えられる光線
29となり、R点となる位置に入射し、この位置では屈
折率が変化しないため、低屈折率層13を直進し光線3
0となり、受光部12に入射角θ4 で入射し、受光部1
2に吸収され、これにより光電流が生じる。一方、左側
から入射した図示しない光線は、高屈折率中間層25か
ら低屈折率中間層26への入射角が臨界角よりも大きく
なるため、光線は全反射してしまい、受光部12に吸収
されることはない。このため、受光部12は、非対称の
受光感度の角度依存性をもつことになる。
【0043】この場合、中間層の屈折率としては、高屈
折率媒質14又は低屈折率層13に等しい値でなくて
も、少なくとも1つの境界面で、低屈折率層13が与え
るテーパー角度の差により、入射光線の入射角が臨界角
に対して大小となることが必要となる。また、中間層
は、低屈折率中間層26又は高屈折率中間層25のどち
らか一方でもよいし、3層以上あってもよい。この場合
にも、少なくとも1層又は媒質の境界面で、低屈折率層
13が与えるテーパー角の差により、入射光線の入射角
が臨界角に対して大小となることが必要である。さら
に、中間層がそれぞれ十分に薄い場合には、多層からな
る中間層の屈折率を除々に変化させることにより全反射
を生じさせることもでき、この場合の透過率は増加す
る。
【0044】上述したように、高屈折率媒質14と低屈
折率層13との間に、高屈折率中間層25と、低屈折率
中間層26とを設けたことによって、高屈折率媒質14
やSi基板9の保護層としての役割も果たすことができ
る。
【0045】次に、請求項4記載の発明の一実施例を図
4に基づいて説明する。なお、請求項1〜3記載の発明
と同一部分についての説明は省略し、その同一部分につ
いては同一符号を用いる。
【0046】ここでは、前述した請求項3記載の実施例
中で述べた中間層のうちの少なくとも1層を高屈折率物
質から形成したものである。すなわち、高屈折率媒質1
4と低屈折率層13との間に、中間層として高屈折率物
質からなる高屈折率中間層31を設けた。また、ここで
は、受光部12が形成された基板面に対して、高屈折率
中間層31と低屈折率層13との接触面(若しくは、高
屈折率中間層31とこの下層のこれよりも小さい屈折率
の物質からなる中間層との接触面)の一部又は全部を非
平行なテーパー部13bに形成し、さらに、受光部12
が形成された基板面に対して、高屈折率中間層31と高
屈折率媒質14との接触面(若しくは、高屈折率中間層
31とこの上層のこれと同程度の屈折率の物質からなる
中間層との接触面)の一部又は全部を平行な平行平面部
14aに形成したものである。
【0047】高屈折率中間層31は、高屈折率媒質14
と同じ屈折率n=1.895とし、右からの入射光32
の入射角をθ1 =55°とする。また、高屈折率中間層
31と高屈折率媒質14との境界面は基板に平行である
とする。A1,A2は基板面に対する垂線であり、B1
テーパー部13bに対する垂線を示す。
【0048】このような構成において、右側から入射し
た光は入射光32であり、P点の位置では屈折率変化が
ないため高屈折率中間層31を直進し、光線33となっ
てQ点の位置に入射角θ2 =43.7°で入射する。こ
れは、高屈折率中間層31と低屈折率層13とで与えら
れる臨界角よりも小さいため、光線33は透過、屈折し
て屈折角θ3 で与えられる光線34となり、受光部12
にθ4 で与えられる入射角で入射して吸収され、これに
より光電流が生じる。一方、左側から入射した図示しな
い光線は、高屈折率中間層31から低屈折率層13への
入射角が臨界角よりも大きくなるため、光線は全反射し
てしまい受光部12に吸収されてしまうことはない。こ
のため、受光部12は非対称の受光感度の角度依存性を
もつことになる。
【0049】次に、請求項5記載の発明の一実施例を図
5に基づいて説明する。なお、請求項1〜4記載の発明
と同一部分についての説明は省略し、その同一部分につ
いては同一符号を用いる。
【0050】ここでは、高屈折率媒質14と低屈折率層
13との間に、わずかに屈折率の異なる2層からなる中
間層としての低屈折率中間層35,36を設けたもので
ある。この場合、低屈折率中間層36は導波層とされて
いる。37a,37bは導波光であり、Aはその導波光
37a.37bの進行方向Aを示すものである。右側か
ら入射した光は入射光38であり、この入射光38の低
屈折率中間層35への入射位置はP点であり、さらに、
低屈折率中間層36と低屈折率層13とを透過した光は
光線39である。この場合、低屈折率中間層35の屈折
率n=1.453とし、低屈折率中間層36の屈折率は
n=1.500とし、それぞれの厚さが2μmであると
する。高屈折率媒質14の屈折率はn=1.895と
し、右側からの光の入射角はθ1 =55°とする。この
場合、B1 はテーパー部14bに対する垂線を示すもの
である。
【0051】このような構成において、右側からP点の
位置に入射した光線38の基板に対する入射角はθ1
55°であるため、低屈折率中間層35に対するQ点で
の入射角は43.7°となり、屈折角が61.3°とな
って光線39として進行していく。この光線39が低屈
折率中間層36に入射するとR点での屈折角が58.2
°になり、約3.1°変化するが、低屈折率層13に入
射することにより反対方向に約3.1°変化し、直進し
た方向と同方向になり、受光部12に入射する。一方、
左側から入射した図示しない光線は、低屈折率中間層3
5と低屈折率中間層36との境界面で全反射を生じ、受
光部12に到達しない。このため、このような構造の中
間層は、受光部12の非対称な受光感度の角度依存性を
妨げるようなことはない。実際には、膜厚が薄いため波
動光学的な扱いをする必要があるが、この程度の厚さで
は、右側からのテーパー部14bへの光が受光部12に
透過し、左側からの光が全反射することに変わりはな
い。
【0052】この場合、低屈折率中間層36は、その上
下にある低屈折率中間層35と低屈折率層13よりもわ
ずかに屈折率が小さいことから導波層として機能する。
この導波層である低屈折率中間層36に、端面結合法に
より左側からHeNeレーザ光を結合させると、所定の
電界強度分布をもつ導波光37aが、矢印方向Aに進ん
でいき、テーパー形状に沿って導波光37bのように進
行していく。また、入射光38は細いレーザビーム光と
すると40のような電界強度分布で与えられ、その後、
光線39となって低屈折率中間層36の破線内付近で導
波光37bと重なるが、電子と異なり光の特性により互
いに影響することなく分離して、導波光37bは導波層
に沿って右に伝搬していき、光線39は受光部12に到
達して吸収される。このような光の交差は、微小面積内
に多くの機能を設けることを可能とし、高度な光集積回
路を作製することが可能である。
【0053】ただし、レーザビームが特異な条件のとき
に導波層に結合することがあるため、この時には低屈折
率中間層35,36の膜厚や入射角、屈折率等を変化さ
せたりすればよい。また、低屈折率層13の膜厚の薄い
部分41に受光部12とは別の受光部を設けることによ
り、この薄い部分41を光が透過して光が吸収され、こ
れにより導波光37bを検出することもできる。
【0054】上述したように、中間層の少なくとも1層
を導波層として用いたことによって、光学部品を高密度
に集積化させることができるようになる。
【0055】次に、請求項6記載の発明の一実施例を図
6及び図7に基づいて説明する。なお、請求項1〜5記
載の発明と同一部分についての説明は省略し、その同一
部分については同一符号を用いる。
【0056】ここでは、プリズム結合装置に応用した場
合の構成例を示すものである。すなわち、Si基板9上
には低屈折率層13が形成され、この低屈折率層13上
には中間層としての屈折率がわずかに異なる2層の低屈
折率中間層35,36が積層されている。低屈折率中間
層36は導波層として設けられている。この低屈折率中
間層35,36の一部はテーパー状に形成された光検出
部42となっている。低屈折率中間層35の一部表面に
は、導波光aを十分閉じ込めるための低屈折率層43が
形成されている。導波光aの進行方向であるSi基板9
の端部付近には、光情報処理手段44が設けられてい
る。また、光検出部42の上部には、高屈折率媒質から
なるプリズム45が設けられている。このプリズム45
に特定方向からの光線を導くために、入射光結合手段の
一部を構成する対物レンズ46が配置されている。さら
に、図7はプリズム45を除去した状態でのSi基板9
の上面図を示すものであり、受光部12には引出電極4
7が接続されており、受光部12は光ディスク55から
反射されたビーム48(光線51a,51bと同じ)が
入射できるように配置されている。ハッチング領域49
は、導波光aの伝搬する範囲を示すものである。
【0057】この場合、50a〜50cはプリズム45
に低屈折率媒質である空気中から入射するガウシアン分
布51をもつ光線であり、52a,52bは光線50a
〜50cが導波層に結合した後に反射した光線又は全反
射光に相当する光線であり、53a.53bは対物レン
ズ46を透過した光線であり、破線の54a,54bは
光ディスク55により反射された光であり、56a,5
6bは再び対物レンズ46を透過した光線である。
【0058】また、低屈折率中間層36は周囲よりも屈
折率が小さく導波層となり、プリズム45と低屈折率中
間層36と低屈折率層43とが、光線50a〜50cを
導波層へ結合するプリズム結合部を構成する。この時の
低屈折率中間層35の厚さは波長と比べて比較的小さい
ものとする。また、結合効率を大きくするため、ビーム
の基板への入射角度やプリズム45の屈折率、低屈折率
中間層35,36の屈折率や厚さを予め最適化してお
く。また、光線50aがプリズム45に入射する入射角
度θ1 は、反射による迷光を減少させるために90°に
しておく。
【0059】このような構成において、右側から基板に
入射する光線50a〜50cのうちテーパー状の光検出
部42に入射した光線50cは、受光部12に吸収さ
れ、引出電極47を介して電気回路に送られ、これによ
り光線50cの光強度の変化を検知することができる。
また、右側から基板に入射した光線50a〜50cのう
ちテーパー状の光検出部42以外の領域に入射した光線
50a,50bは、高NAの対物レンズ46で集光さ
れ、光線53a,53bとなって数μmの光スポットと
なり、光ディスク55の面上に照射される。この光ディ
スク55で反射された光線54a,54bは、再び対物
レンズ46を通過して光線56a,56bとなり、導波
層に入力結合又は全反射する。この時、導波層に結合し
た導波光aは、低屈折率層43がギャップ層の低屈折率
中間層35上に存在するため、出力結合することなく導
波層を伝搬していき、電界強度分布57をもつ導波光a
となる。この導波光aは光情報処理手段44に検出され
ることにより、光情報の処理がなされる。
【0060】上述したように、光検出部42の屈折率を
結合に必要な値よりも大きくしたことにより、光検出部
42に直接光線を入射させることができるが、この時は
光ディスク55で反射した光線56a,56bが再び戻
り光となって光検出部42に再び入射するため、図示し
ないLD(レーザダイオード)から直接入射した光の光
量を検出することが難しくなり、これによりLD光のパ
ワーコントロールが困難となり、別個にハーフミラーを
用意して図示しない前方PDを設けることが必要とな
る。そこで、本実施例では、前述したように光検出部4
2をテーパー状に形成したことにより、戻り光の影響を
受けないで、LDからの光線50cを直接検出できるよ
うになり、これにより図示しない前方PDとして作用さ
せることができ、また、1つの基板上に集積できること
から一層の小型化を図ることができる。
【0061】次に、請求項7記載の発明の一実施例を図
8に基づいて説明する。なお、請求項1〜6記載の発明
と同一部分についての説明は省略し、その同一部分につ
いては同一符号を用いる。
【0062】ここでは、前述した図6のプリズム結合装
置の構成に以下のような機構を付加させたものである。
すなわち、プリズム45を介して光検出部42より導波
層aに結合した導波光aを検出する導波光検出手段とし
ての導波光受光部58を設けた。この導波光受光部58
は引出電極59に接続され、基板の低屈折率層13を薄
く形成してなるテーパー部60に設けられている。ま
た、その導波光受光部58からの出力情報と、光検出部
42により特定方向の光から得られた出力情報とによ
り、光結合効率を求める図示しない光結合効率検出手段
が設けられている。この光結合効率検出手段は、光情報
処理手段44中に含まれている。
【0063】このような構成において、光ディスク55
からの反射光による光線56a,56bと同一方向から
の光はテーパー状をなす光検出部42を介して受光部1
2に検出される。また、低屈折率中間層36からなる導
波層内の導波光aは光情報処理手段44の方向に進行し
ていく途中でその一部の導波光aがテーパー部60に侵
入し導波光受光部58に検出される。これら検出した2
つの光を用いて、光結合効率検出手段により2つの光の
比を求め、光結合効率を算出することができる。これに
より、プリズム結合装置とLD、又は、光ディスク55
と対物レンズ46との位置関係を変化させて、プリズム
結合装置の結合効率を調整することができる。
【0064】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、基板上に形成さ
れた受光部と、この受光部を含む上部に積層され基板面
に対して平行な平行平面部と平行でないテーパー部とを
有する低屈折率層と、この低屈折率層の前記平行平面部
及び前記テーパー部の上部に設けられた高屈折率媒質と
よりなり、この高屈折率媒質から侵入し前記低屈折率層
の前記テーパー部を透過して前記基板上の前記受光部に
垂直でない特定方向から入射する入射光のうち前記基板
面に対する前記高屈折率媒質中での光の入射角度をその
高屈折率媒質及び前記低屈折率層の屈折率の関係から決
定される臨界角以上の大きな角度に設定し、かつ、前記
入射光のうち前記テーパー部に対する前記高屈折率媒質
中の光の入射角度をその高屈折率媒質及び前記低屈折率
層の屈折率の関係から決定される臨界角よりも小さな角
度に設定したので、高屈折率媒質からの特定方向の入射
光に対して非対称な受光感度の角度依存性をもたせ、し
かも、受光感度を大きくとることができるものである。
【0065】請求項2記載の発明は、基板上に形成され
た受光部と、この受光部を含む上部に積層され基板面に
対して平行な平行平面部と平行でないテーパー部とを有
する低屈折率層と、この低屈折率層の前記平行平面部及
び前記テーパー部の上部に設けられた高屈折率媒質と、
この高屈折率媒質の上部に設けられた低屈折率媒質とよ
りなり、この低屈折率媒質から前記高屈折率媒質と前記
低屈折率媒質との接触面が前記基板と平行でない部分に
侵入し前記高屈折率媒質を介して前記低屈折率層の前記
テーパー部を透過して前記基板上の前記受光部に垂直で
ない特定方向から入射する入射光のうち前記基板面に対
する前記高屈折率媒質中での光の入射角度をその高屈折
率媒質及び前記低屈折率層の屈折率の関係から決定され
る臨界角以上の大きな角度に設定し、かつ、前記入射光
のうち前記テーパー部に対する前記高屈折率媒質中の光
の入射角度をその高屈折率媒質及び前記低屈折率層の屈
折率の関係から決定される臨界角よりも小さな角度に設
定したので、低屈折率媒質からの特定方向の入射光に対
して非対称な受光感度の角度依存性をもたせることがで
きるものである。
【0066】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、高屈折率媒質と低屈折率層との間
に、少なくとも1層以上の中間層を設けたので、高屈折
率媒質や基板の保護層としての役割を果たすことができ
るものである。
【0067】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、中間層のうちの少なくとも1層が高屈折率
物質から形成され、受光部が形成された基板面に対し
て、前記高屈折率物質からなる中間層と低屈折率層との
接触面、若しくは、前記高屈折率物質からなる中間層と
この下層のこれよりも小さい屈折率の物質からなる中間
層との接触面の一部又は全部を非平行なテーパー部に形
成し、前記受光部が形成された前記基板面に対して、前
記高屈折率物質からなる中間層と高屈折率媒質との接触
面、若しくは、前記高屈折率物質からなる中間層とこの
上層のこれと同程度の屈折率の物質からなる中間層との
接触面の一部又は全部を平行な平行平面部に形成したの
で、高屈折率媒質と中間層との境界面を基板に対して平
行にすることができるものである。
【0068】請求項5記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、高屈折率媒質と低屈折率層との間に
少なくとも1層以上の中間層を設け、この中間層のうち
の少なくとも1層を導波層として設けたので、光学部品
を高密度に集積化させることができるものである。
【0069】請求項6記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、高屈折率媒質と低屈折率層との間に
少なくとも1層以上の中間層を設け、この中間層のうち
の少なくとも1層を導波層として設け、前記高屈折率媒
質を前記導波層への光結合用のプリズムとして形成し、
このプリズムから特定方向の入射光を侵入させるための
入射光結合手段を設け、この入射光結合手段により前記
プリズムを介して侵入した前記入射光を検出するために
前記プリズムの下面の基板表面にテーパー状をなす光検
出部を形成したので、プリズムの特定方向から入射した
光を導波層に結合させることなく直接に検出することが
できるものである。
【0070】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、プリズムを介して光検出部より導波層に結
合した導波光を検出する導波光検出手段を設け、この導
波光検出手段からの出力情報と光検出部により特定方向
の光から得られた出力情報とにより光結合効率を求める
光結合効率検出手段を設けたので、テーパー構造をもっ
た光検出部により検出された特定方向の光から得られた
出力情報と、導波光検出手段により検出された導波光か
ら得られた出力情報とを用いてプリズムの光結合効率を
求めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図2】請求項2記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図3】請求項3記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図4】請求項4記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図5】請求項5記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図6】請求項6記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図7】プリズムを取り除いた状態での基板形状を示す
平面図である。
【図8】請求項7記載の発明の一実施例である光検出装
置の構成を示す断面図である。
【図9】従来例である受光素子の形状を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
9 基板 12 受光部 13 低屈折率層 13a 平行平面部 13b テーパー部 14 高屈折率媒質 20 低屈折率媒質 25,26 中間層 31 高屈折率物質 35 中間層 36 中間層(導波層) 42 光検出部 45 プリズム 46 入射光結合手段 58 導波光検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/00 - 31/0392 H01L 31/08 - 31/119 H01L 27/14 - 27/148

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された受光部と、この受光
    部を含む上部に積層され基板面に対して平行な平行平面
    部と平行でないテーパー部とを有する低屈折率層と、こ
    の低屈折率層の前記平行平面部及び前記テーパー部の上
    部に設けられた高屈折率媒質とよりなり、この高屈折率
    媒質から侵入し前記低屈折率層の前記テーパー部を透過
    して前記基板上の前記受光部に垂直でない特定方向から
    入射する入射光のうち前記基板面に対する前記高屈折率
    媒質中での光の入射角度をその高屈折率媒質及び前記低
    屈折率層の屈折率の関係から決定される臨界角以上の大
    きな角度に設定し、かつ、前記入射光のうち前記テーパ
    ー部に対する前記高屈折率媒質中の光の入射角度をその
    高屈折率媒質及び前記低屈折率層の屈折率の関係から決
    定される臨界角よりも小さな角度に設定したことを特徴
    とする高屈折率媒質から低屈折率媒質へ全反射を生じる
    角度以下の入射角で入射する入射光を検出する光検出装
    置。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された受光部と、この受光
    部を含む上部に積層され基板面に対して平行な平行平面
    部と平行でないテーパー部とを有する低屈折率層と、こ
    の低屈折率層の前記平行平面部及び前記テーパー部の上
    部に設けられた高屈折率媒質と、この高屈折率媒質の上
    部に設けられた低屈折率媒質とよりなり、この低屈折率
    媒質から前記高屈折率媒質と前記低屈折率媒質との接触
    面が前記基板と平行でない部分に侵入し前記高屈折率媒
    質を介して前記低屈折率層の前記テーパー部を透過して
    前記基板上の前記受光部に垂直でない特定方向から入射
    する入射光のうち前記基板面に対する前記高屈折率媒質
    中での光の入射角度をその高屈折率媒質及び前記低屈折
    率層の屈折率の関係から決定される臨界角以上の大きな
    角度に設定し、かつ、前記入射光のうち前記テーパー部
    に対する前記高屈折率媒質中の光の入射角度をその高屈
    折率媒質及び前記低屈折率層の屈折率の関係から決定さ
    れる臨界角よりも小さな角度に設定したことを特徴とす
    高屈折率媒質から低屈折率媒質へ全反射を生じる角度
    以下の入射角で入射する入射光を検出する光検出装置。
  3. 【請求項3】 高屈折率媒質と低屈折率層との間に、少
    なくとも1層以上の中間層を設けたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の高屈折率媒質から低屈折 率媒質へ全
    反射を生じる角度以下の入射角で入射する入射光を検出
    する光検出装置。
  4. 【請求項4】 中間層のうちの少なくとも1層が高屈折
    率物質から形成され、受光部が形成された基板面に対し
    て、前記高屈折率物質からなる中間層と低屈折率層との
    接触面、若しくは、前記高屈折率物質からなる中間層と
    この下層のこれよりも小さい屈折率の物質からなる中間
    層との接触面の一部又は全部を非平行なテーパー部に形
    成し、前記受光部が形成された前記基板面に対して、前
    記高屈折率物質からなる中間層と高屈折率媒質との接触
    面、若しくは、前記高屈折率物質からなる中間層とこの
    上層のこれと同程度の屈折率の物質からなる中間層との
    接触面の一部又は全部を平行な平行平面部に形成したこ
    とを特徴とする請求項3記載の高屈折率媒質から低屈折
    率媒質へ全反射を生じる角度以下の入射角で入射する入
    射光を検出する光検出装置。
  5. 【請求項5】 高屈折率媒質と低屈折率層との間に少な
    くとも1層以上の中間層を設け、この中間層のうちの少
    なくとも1層を導波層として設けたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の高屈折率媒質から低屈折率媒質へ全
    反射を生じる角度以下の入射角で入射する入射光を検出
    する光検出装置。
  6. 【請求項6】 高屈折率媒質と低屈折率層との間に少な
    くとも1層以上の中間層を設け、この中間層のうちの少
    なくとも1層を導波層として設け、前記高屈折率媒質を
    前記導波層への光結合用のプリズムとして形成し、この
    プリズムから特定方向の入射光を侵入させるための入射
    光結合手段を設け、この入射光結合手段により前記プリ
    ズムを介して侵入した前記入射光を検出するために前記
    プリズムの下面の基板表面にテーパー状をなす光検出部
    を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の高屈
    折率媒質から低屈折率媒質へ全反射を生じる角度以下の
    入射角で入射する入射光を検出する光検出装置。
  7. 【請求項7】 プリズムを介して光検出部より導波層に
    結合した導波光を検出する導波光検出手段を設け、この
    導波光検出手段からの出力情報と光検出部により特定方
    向の光から得られた出力情報とにより光結合効率を求め
    る光結合効率検出手段を設けたことを特徴とする請求項
    6記載の高屈折率媒質から低屈折率媒質へ全反射を生じ
    る角度以下の入射角で入射する入射光を検出する光検出
    装置。
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