JP3213359B2 - 抗igf−iiモノクローナル抗体 - Google Patents
抗igf−iiモノクローナル抗体Info
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Description
因子II(以下IGF-IIと称す)に対するモノクローナル抗体
およびその製造法に関する。
ミノ酸からなるペプチドであり、血液中や骨組織等生体
内に広く存在していることが知られている。IGF-IIはヒ
トインスリン様成長因子I(以下IGF-Iと称する)とアミ
ノ酸レベルで高い相同性を有しており、それに伴いこれ
までに報告された抗IGF-I抗体或いは抗IGF-II抗体の中
には互いに交叉性を示すものが多く見られた(J. Clin.
Invest., 60, 646-657(1977), J. Clin. Endocrinol.
Metab., 50, 405-406 (1980), J. Clin. Invest., 68,1
321-1330 (1981)) 。
分析或いは生体内からIGF-IIを単離するためにはより特
異性の高い優れたモノクローナル抗体の創製が必要であ
る。
て特異性の高い複数の抗IGF-IIモノクローナル抗体を創
製する。これにより複数の抗体を組み合わせた酵素抗体
法などの開発を可能ならしめ、ひいてはIGF-IIの正確な
定量を可能にできるものと考える。またそのような有用
な抗体は、例えばIGF-IIのウエスタンブロッテイング分
析等の各種分析やIGF-IIの精製などにも利用することが
できる。
認識するが、ヒトインスリン様成長因子Iは認識しない
モノクロ−ナル抗体を提供することにある。更に、この
モノクロ−ナル抗体は、アミノ酸配列:(NH2 −)P
he−Arg−Pro−Ala−Ser−Arg−Va
l−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly
(−COOH)を認識するモノクロ−ナル抗体と、これ
とは認識特性が異なるモノクロ−ナル抗体である。本発
明は、アミノ酸配列:(NH2 −)Ala−Tyr−A
rg−Pro−Ser−Glu−Thr−Leu−Cy
s−Gly−Gly−Glu−Leu−Val−Asp
−Thr−Leu−Gln−Phe−Val−Cys−
Gly−Asp−Arg−Gly−Phe−Tyr−P
he−Ser−Arg−Pro−Ala−Ser−Ar
g−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg
−Gly−Ile−Leu−Glu−Glu−Cys−
Cys−Phe−Arg−Ser−Cys−Asp−L
eu−Ala−Leu−Leu−Glu−Thr−Ty
r−Cys−Ala−Thr−Pro−Ala−Lys
−Ser−Glu(−COOH)(ポリペプチドのアミ
ノ酸配列中(NH2 −)はポリペプチドのアミノ末端を
示し、(−COOH)はカルボキシ末端を示す。)で表
されるポリペプチド(以後、ポリペプチド−2と称す
る)を抗原としてほ乳類を免疫し、免疫されたほ乳類の
抗体産生細胞とミエローマ細胞とでハイブリドーマを製
し、ついで単クローン化したハイブリドーマを取捨選択
し、これを培養し、抗体を得てヒトインスリン様成長因
子IIを認識するが、ヒトインスリン様成長因子Iは認識
しないイムノグロブリンIgGに属するモノクローナル
抗体を製造する方法に関する。また、このモノクローナ
ル抗体に関する。上に示したアミノ酸配列はIGF-IIの43
番目のアミノ酸をロイシンに変換したものであり、この
ポリペプチドを抗原として複数のモノクローナル抗体を
得ることができる。
F-IIを認識しIGF-Iを認識しない、IgGクラスに属す
るモノクローナル抗体、例えば、2H11と付番したも
のは、アミノ酸配列:(NH2 −)Phe−Ser−A
rg−Pro−Ala−Ser−Arg−Val−Se
r−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly(−CO
OH)を認識することを特徴とするモノクローナル抗体
である。これとは認識特性が異なるが、IGF-IIを認識
し、IGF-Iを認識しないIgGクラスに属するモノクロ
ーナル抗体も得ることができ、例えば、2B11、ID
5またはID9と付番したものがある。これらの2つモ
ノクローナル抗体を組合わせることにより2抗体サンド
イッチ法によりIGF-II測定が可能となる。モノクロ−ナ
ル抗体2H11、2B11、ID5またはID9を得る
には、モノクロ−ナル抗体産生ハイブリド−マ2H1
1、ハイブリド−マ2B11、ハイブリド−マID5ま
たはハイブリド−マID9を用いればよい。上で述べた
ような製造法で得られるような動物の免疫法、抗体産生
細胞の取得、ハイブリドーマの取得法、単クローン化し
たハイブリドーマの取得法およびこれを培養してモノク
ローナル抗体を製造する方法には一般に用いられている
方法が利用できる(NATURE 256,495-497 (1975))。
的作成方法について詳細に説明する。 A.抗原の調製 抗原に用いるポリペプチド−2は丸本らの報告したIGF-
IIの製造法(J. gen. Virol. 68, 2599-2606(1987))をも
とに通常の部位特異的変異導入技術(Sambrook,J. et a
l. "Molecular Cloning" 2nd ed., vol. 2, 15.51〜15.
80 (1989)およびKunkel, T. A. et al. Methods in Enz
ymology 154, 367-382(1987))を用いて調製できる。
ウスまたはラットなどを用いてもよい。ただし、免疫計
画及びポリペプチド−2による感作濃度は十分な量抗原
刺激を受けたリンパ球が形成されるように設定されるべ
きである。例えばマウスに0.1mgのポリペプチド−2/
子牛血清アルブミン(以下BSAと称する)、コンジュ
ゲイトを2〜3週間間隔で合計4回皮下投与し、更に0.
1 mgを腹腔内投与して最終免疫する。そして最終免疫の
数日後に細胞融合のために脾臓細胞を取り出す。
細胞懸濁液を調製する。これらの脾臓細胞を適当なライ
ン化されたマウス骨髄腫細胞と適当な融合促進剤の使用
により、細胞融合させる。脾細胞対骨髄腫細胞の好まし
い比率は約20:1〜2:1(細胞数)の範囲であり、約108個
の脾臓細胞に対して約1 mlの融合媒体の使用が適当であ
る。融合媒体とは、細胞融合に用いる融合促進剤等を含
む細胞保持の為の溶液等を指す。ハイブリド−マを得る
ための細胞融合に用いいる骨髄細胞としては、マウス由
来P3 × 63 Ag8細胞、P3 × 63 Ag8 U1細胞、P3 × 63
653細胞、NS I細胞およびラット由来210 RCY Ag1.2.3
細胞などが使用できるが、実施例ではP3 ×63 Ag8 U1細
胞(Current Topics in Microbiology, 81, 1-7 (1978))
を用いた。細胞融合促進剤としては、ポリエチレングリ
コ−ル、ジメチルスルホキシドおよびL−アルギニン等
が上げられる。詳しくは、平均分子量1,000〜6,000程度
のポリエチレングリコ−ルなどが用いられるが、他の融
合促進剤も用いることができ、2つ以上の組み合わせで
用いることもできる。この融合促進剤を溶解する、媒体
は、蒸留水、リン酸緩衝生理食塩水および各種細胞培養
用培地等が上げられる。実施例では平均分子量約1,500
のポロエチレングリコ−ルを蒸留水にとかし融合媒体と
して用いた。更に、細胞融合装置を使用した電気融合法
(FEBS Lett., 147, 64-67 (1982))およびHVJ
(センダイウイルス)を用いた細胞融合法(Nature 25
6, 495-497(1975))等も用いることが出来る。
合の脾臓細胞、未融合のマウス骨髄腫細胞及び融合した
ハイブリド−マ細胞の混合物を、例えばHAT培地のご
とき未融合のマウス骨髄腫細胞を支持しないような選択
培地で希釈し、未融合の細胞を死滅させるに十分な時間
(約1週間)培養する。この選択培地中では未融合のマ
ウス骨髄細胞は死滅する。また未融合の脾臓細胞は非腫
瘍細胞なので、やはりある一定期間後(約1週間)には
死滅する。これに対して融合細胞はこの条件で選択培地
中で生存できる。
生する抗体の検出、確認はポリペプチド−2に対する抗
体について酵素免疫定量法(Enzyme Linked Immunosorbe
nt Assay; ELISA)により実施する。
細胞の選択 目的の抗体を産生するハイブリド−マ細胞を適当な方
法、例えば、限界希釈法でクローン化することにより達
成される。
ことができる。その第1の方法は、各ハイブリドーマ細
胞を一定期間適当な培地で培養することにより、その培
養上清からハイブリドーマ細胞の産生する抗体を得ると
いうものである。また第2の方法はハイブリドーマ細胞
をマウス腹腔内に注入し、一定時間後にその宿主マウス
の血液中及び腹水中からそのハイブリドーマ細胞が産生
する抗体を得るというものである。本発明におけるいず
れのハイブリドーマ細胞もこの2種類の抗体産生方法に
適している。
養液または腹水を精製サンプルとすることができる。例
えば腹水の場合、プロテインAカラムを用いたアフィニ
テイークロマトグラフィーにより精製し、限外ろ過膜で
濃縮できる。かくして今まで述べた本発明の製造法によ
りモノクローナル抗体2H11、2B11、ID5また
はID9などのヒトインスリン様成長因子IIを認識する
が、ヒトインスリン様成長因子Iは認識しないイムノグ
ロブリンIgGに属するモノクローナル抗体を得る。
る。 Mut-IGF-II-02 : (5')TTCTTCGAGGATACCTC(3') (17mer) 変異導入用 DNAオリゴマー Mut-IGF-II-02は DNA合成機
を用いて合成し、HPLC等で精製した。精製した DNAオリ
ゴマー (10 pmol)をT4ポリヌクレオチドキナーゼで 5'
末端をリン酸化し相補鎖の合成に用いた。
Aの調製 プラスミド pIGF002 (J. gen. Viol. 68, 2599-2606(19
87)、このプラスミドを保持した大腸菌を、Escherichia
coli K12 MC1061 IGF-002 として通商産業省工業技術
院微生物工業技術研究所へ寄託、受託番号:FERM BP-93
3)をEcoR IおよびSal Iの部分消化で約230 bpのIGF-II
遺伝子DNA断片を分離し、EcoR IおよびSal Iで切断した
pUC19に挿入した。得られたプラスミド pUCIGF-IIをEc
oR IおよびHind III で切断後、マングビーンヌクレア
ーゼ処理し、約230 bpのIGF-II遺伝子DNAを分離した。
この断片をSma I切断したプラスミド pUC119 に挿入
し、IGF-IIN末端をコードする領域がHind III側にある
プラスミド p119-IGF-II (14) とIGF-II遺伝子が逆向き
に組み込まれたプラスミドp119-IGF-II(24)を得、この
内 p119-IGF-II(14)を大腸菌 MV1184 株に保持させた。
この大腸菌を 2xYT 培地(アンピシリン、テトラサイク
リン、ストレプトマイシン含有)で培養し、培養液にヘ
ルパーファージ M13K07を感染させた(m.o.i. 2-10)。3
7℃で30分静置後カナマイシンを加え、一晩培養後遠心
分離し、上清を得た。このファージ液を大腸菌BW 313株
培養液(LB)に加え感染させた(m.o.i.2-10)。37℃で3
0分静置後カナマイシンを加えさらに 37 ℃で一晩培養
した。培養液を遠心分離し、上清に2.5 M NaCl/20 %ポ
リエチレングリコール6000溶液25 mlを加え室温で10分
静置後遠心分離し沈澱を得た。沈澱を 1mM EDTA/10mM T
ris・HCl (PH 8)緩衝液( 以下TE緩衝液と称す)5 mlに溶
解し、まずフェノール次いでフェノール/クロロホルム
/イソアミルアルコール(25:24:1)、最後にクロロホル
ム/イソアミルアルコール(24:1)の順で処理し、水層を
回収した。水層に3 M 酢酸ナトリウム(pH 8.0) 500 μ
lとイソプロピルアルコール 5 mlを加えて撹拌し、遠
心分離後得られた沈澱を70 %エタノールで洗浄後減圧乾
燥し、これをTE緩衝液に溶かしデオキシウリジンを含む
一本鎖DNA(以下 p119-IGF-II・ dUssDNA と略す)溶液
とした。
IIの作成 アニーリング緩衝液中、p119-IGF-II・dUssDNA0.02 pmol
と5'末端がリン酸化された変異導入用 DNAオリゴマーMu
t-IGF-II-02 1 pmolを混合し、65℃で15分、次いで37
℃で15分静置した。255 μlの伸長バッファ−(宝酒造
社、Mutan K kit)と E. coli DNAリガーゼ 60Uおよび
T4 DNA ポリメラ−ゼ 1U を加え、25℃で2時間静置し
た。0.2 M EDTA (pH 8.0) 3 μlを加え65℃で5分間静
置して反応を停止した。
0μlとこの DNA溶液3 μlを混合し、0 ℃で30分、次い
で42℃で45秒、最後に0℃で2分間静置後 2 × YT 培地
(アンピシリン、カナマイシン含有)1 mlを加え37℃で
一晩振とうした。遠心分離で上清を回収し、この内20
μlを大腸菌 MV 1184の培養液80μlと混合し、適当量を
LB寒天培地(アンピシリン含有)にひろげ、37℃で培養
した。単一コロニーを適当数取り、常法通りプラスミド
DNAを調製した後変異導入部位の塩基配列を確認し、変
異が導入されたIGF-II遺伝子が組み込まれたプラスミド
p119-M02-IGF-IIを得た。
pBM-M02-IGF-IIの調製 pFIGF II 120 (J. gen. Viol. 68, 2599 (1987))をEco
R Iで消化後 dNTPs存在下DNAポリメラ−ゼ (Klenow断
片) で平滑末端としアガロースゲル電気泳動で約10Kbp
のDNA断片を分離・抽出した。DEAEフィルターでDNA
を回収し、常法通り洗浄、乾燥後1 M Tris・HCl 200 μl
に溶解し細菌性アルカリフォスファタ−ゼ(宝酒造社
製、以下BAPと称す)処理を行ないベクターを得た。こ
れを適当量の TE 緩衝液に溶解しライゲーションサンプ
ルとした。変異が導入されたプラスミド p119-M02-IGF-
IIをそれぞれNco IおよびEco RIで消化後、dNTPs 存在
下DNAポリメラ−ゼ (Klenow断片) で平滑末端とした。
約220bp のDNA断片をアガロースゲル電気泳動で分離
・抽出し、DEAEフィルターでフラグメントを回収後、洗
浄次いで乾燥した。これを適当量のTE緩衝液に溶解しラ
イゲーションサンンプルとした。
ゲ−スを用いてライゲーションを行なった。この反応液
を用いて大腸菌 MC1061 株を形質転換した。培養液の一
部をアンピシリン含有LB寒天培地上にひろげ37 ℃で一
晩培養した。生成した単一コロニーの適当数を取り常法
に従いそのプラスミドDNAの塩基配列を分析・確認し、
目的とするプラスミド pBM-M02-IGF-IIを保持した大腸
菌を得た。pIGF 002より発現用組換え体ウイルス取得用
プラスミドpBM-M02-IGF-IIまでの構築過程を、図1およ
び図2に示す。
02の調製 カイコ核多角体病ウイルス (BmNPV T3株のウイルス DNA
(ATCC No. 40188))とpBM-M02-IGF-IIをモル比で1:100
になる様にし、下記の組成液IとIIを混合した。
細胞)培養用培地(10 %牛胎児血清を含む TC-10培地:
J.Invertebr.Pathol., 25, 363 (1975)) 4 mlに加え、B
m細胞に上記DNAを導入した。20時間後に新鮮な培地と交
換し、更に 5日間培養後、培地を回収した。これを遠心
して上清をとりプラークアッセイ法(J.Seric.Sci.Jp
n.,53, 547 (1984)) によりクローン化した組換えウイ
ルスを採取し、これをvIGF-II-M02とした。
ド-2融合蛋白質の発現 5令1日目のカイコに、発現用ウイルス vIGF-II-MO2懸
濁液0.5 ml/匹(107pfu)を経皮的に注射し、25℃で3
日間飼育後、多角体−ポリペプチド−2融合蛋白質発現
カイコを得た。
プチド−2融合蛋白質の回収 vIGF-II-M02を感染させ3日間飼育したカイコ120匹を80
0 mlの水に浸し、高速ホモジナイザーにて虫体を完全に
破砕した。次いでこのホモジネートを超音波処理し、二
重に重ねたガーゼを用いてろ過した。ろ液及びガーゼ洗
浄液約1,200ml を10,000 rpm にて20分間遠心し、得ら
れた沈澱を250 mlの2.5 M尿素溶液に懸濁後、上記条件
にて再度遠心して沈澱部分を回収した。これを150 mlの
1.0 M塩酸グアニジン溶液に懸濁し、同条件にて遠心し
て多角体−ポリペプチド−2融合蛋白質を含む不溶画分
を得た。次いでこの画分を360 mlの6.0 M塩酸グアニジ
ン溶液に懸濁し、氷冷下超音波処理して目的蛋白質を溶
解させた。この溶液に150 mlのエチルエーテルを加えて
激しく撹拌後、更に超音波処理した。これをテフロン製
遠心管を用いて遠心するとゲル状の濃緑色中間層をはさ
んで二相に分離するのでその下層のみを回収した。同一
の操作を更に二度繰り返し狭雑物を除去した。次いで、
同じ操作を150 mlのクロロホルムを用いて行い上層のみ
を回収した。このグアニジン溶液を 4℃にて 0.2 %ギ酸
に対して充分透析すると白色の不溶物を生じるのでこれ
を遠心操作(12,000 rpm、15分間)により除去し、遠心
上清を凍結乾燥して粗製の多角体−ポリペプチド−2融
合蛋白質を得た。
2融合蛋白質を50 mlの70 % ギ酸に溶解し、減圧下充分
脱気した後チッ素ガス置換した。これに固形臭化シアン
200 mgを加えて密封し、撹拌下室温にて24時間反応し
た。反応液を約15倍量の純水で稀釈した後凍結乾燥し、
得られた粉末をまず40 mlの10 M尿素に溶解した。これ
に20 mMの酢酸緩衝液(pH 4.0)を加えて尿素濃度を6.0
Mにし、更に酢酸にてpHを4.0に調整した。予め6.0 M尿
素を含む20 mM酢酸緩衝液(pH 4.0)にて充分に平衡化
しておいたSP−トヨパール650 Mカラム(東ソー社
製)(φ 2.5 × 6.0cm )に上記溶液を送液して目的物
質を吸着させ150ml の同上緩衝液にて充分に洗浄した後
同緩衝液150 mlと0.4 MNaClを含む同緩衝液150 ml
のNaCl直線濃度勾配で溶出した。溶出液はフラクシ
ョンコレクターにて16 mlずつ分画し、各フラクション
をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動で分析して目的
物質の溶出位置を確認したのち回収した。次いでこの溶
液のpHを約8.0に調整し、これに最終濃度が100 mMとな
るように2−メルカプトエタノールを加え、室温にて4
時間放置して還元した。透析膜としてスペクトラ/ポア
3(スペクトラム社製)を用い前記溶液を4℃で6.0 M
尿素と50 mM2−メルカプトエタノールを含む20 mM酢酸
緩衝液(pH 4.0)に対して充分透析した。予め同緩衝液
にて平衡化しておいたSP−トヨパールカラム(φ1.5
× 6.0 cm)にこの透析液を送液し、以後前記クロマト
グラフィーと全く同様の手順にて50 mM2−メルカプト
エタノール存在下、0から0.4 MのNaCl直線濃度勾配
で溶出して部分精製された還元型ポリペプチド画分を得
た。これを前記と同様の透析膜を用いて0.1 %ギ酸に対
して充分に透析し、透析液を凍結乾燥して粉末220 mgを
得た。前記凍結乾燥粉末に30 mlの6.0 M塩酸グアニジン
溶液を加え、減圧下30分間撹拌して溶解させた。撹拌下
これに150 mlの50 mM Tris・HCl 緩衝液(pH 8.4)をゆ
っくりと加え、減圧下更に約 1時間撹拌した後直ちに容
器の口をパラフィルムで覆い密封した。この蓋に注射針
で数個の穴をあけ、空気が徐々に入り込むようにして室
温にて3日間静置して空気酸化を行った。この溶液を限
外ろ過(ダイアフロメンブレンYM−5:アミコン社
製)にて約25 mlまで濃縮した。酸化型ポリペプチド−
2の最終精製は分取用HPLC(LC−8A:島津製作
所社製)を用いて実施した。以下にその条件を示す。
× 25 cm:資生堂社製) 流 速: 8.0 ml / 分 溶 出: 0.1 %トリフルオロ酢酸中20 %から55 %までの
アセトニトリルの直線濃度勾配(50分間) 検 出: 210 nm のUV吸収 クロマトグラフィーは3回繰り返して行い、保持時間約
24.0分の目的画分を集めて一括凍結乾燥した。これを再
度、同カラムを用いたHPLCにより最終精製した。そ
の条件を以下に示す。 [HPLC 2] カラム、流速及び検出条件:同上 溶 出: 0.1 %トリフルオロ酢酸中26 %から34 %までの
アセトニトリルの直線濃度勾配(40 分間) クロマトグラフィーは2回繰り返して行い、保持時間約
21.5分の主要ピーク画分を集めて一括凍結乾燥し、ポリ
ペプチド−2粉末を約10 mgを得た。
させたポリペプチドー2の3mgにpH 7.4 の0.1 Mリン酸
緩衝液0.5 mlに溶解したウシ血清アルブミン(BSA ) 2.5
mgを加え、更に20 mM グルタールアルデヒド0.5 mlを
加え、室温で30分間撹拌した。リン酸緩衝生理食塩液に
対して充分透析した後、遠心分離し、上清を IGF-II/BS
A コンジュゲートとした。
ド完全アジュバンド (FCA, DIFCO LABOLATORIES)と充分
乳化させ、BALB/c系雌マウス(日本チャールズリバー株
式会社、7ー8 週令)3匹に皮下投与して免疫した(抗原
100 μg/匹)。更に3週間後、ペプチド−2 0.3mgを等
容量のフロインド不完全アジュバンド(FICA, DIFCO LAB
OLARORIES) と充分乳化させ、皮下投与(抗原0.1mg/
匹)して追加免疫した。追加免疫は2週間毎に行ない、
各免疫の7日後に採血して血清中の抗体価を測定した。
最終免疫は、抗体価の高い2匹を選び、ペプチド−2/B
SAコンジュゲート0.1 mg含有生理食塩液(0.5 ml)を腹
腔内投与により行なった。最終免疫3日後に脾臓を摘出
して細胞融合に用いた。
40(日水製薬株式会社)で洗浄後、数箇所に割を入れ
た。スライドグラスのフロスト部分を用いて押しだした
脾細胞を Tris・NH4Cl溶液で洗浄して赤血球を除去
し、細胞融合用脾細胞を調整した。得られた脾細胞とマ
ウスミエローマ細胞 P 3×63 Ag 8U1を5:1(脾細胞:ミ
エローマ、細胞数)の割合で混合し、培地を充分除いた
後、1 mlの50%ポリエチレングリコール1500中で37℃に
て2分間インキュベートして細胞融合を行なった。この
細胞を血清無添加 PRMI 培地で洗浄し、HAT (1 × 10-4
M hypoxantine, 4 × 10-7 M aminopterin, 1.6 × 10
-5 M thymidine) 添加10 %牛胎児血清/PRMI 1640培地
に浮遊させた。更に105 cell/wellずつ添加し、37℃で7
% CO2の条件下で培養した。得られたハイブリドーマ2
H11、2B11、ID5およびID9を含むハイブリ
ドーマの集団は、更に次に述べる抗体価を測定し候補を
絞り、モノクローナル化を行った。
下記の酵素抗体法 (ELISA)手順に従って行なった。96穴
式平板プレート(バイオテック社製)の各ウエルに10
μg/mlのIGF-II含有25 mM炭酸バッファー(pH 9.0) 0.05
mlを加えて、4 ℃にて一晩静置し、抗原を吸着させ
た。各ウエルを0.05 % Tween 20/PBSで3回洗浄した後
0.5 % BSA/0.05 % Tween 20/PBS を0.1 mlずつ各ウエル
に注入し、37℃で 3時間静置した。各ウエルを0.05 % T
ween 20/PBSで3回洗浄し、0.5 % BSA/0.05 % Tween 20
/PBSで連続的に段階希釈した抗血清或いは培養上清を0.
05 ml/well加えて、29℃にて90分間静置して抗原抗体反
応を行なった。各ウエルを0.05 % Tween 20/PBSで3回
洗浄し、0.5 % BSA/0.05 % Tween 20/PBS で2000倍希釈
したホースラデッシュパーオキシダーゼ(HRP) 標識抗マ
ウスIgG ヤギ抗体(フナコシ社)を0.05 ml/well加え
て、29℃にて 1時間静置した。再度各ウエルを0.05 % T
ween 20/PBSで3回洗浄後、基質溶液 (ABTS,ZYMED)を0.
05 ml/well 加え、405 nmの吸収波長にて比色測定し
た。
7日後に培養上清の抗体価を ELISAで測定し、抗体産生
の認められたウエルの細胞を限界希釈法にて一次クロー
ニングを行なった。その後、二次クローニングによって
単クローンのハイブリドーマを得た。それぞれを、ハイ
ブリドーマ2H11、2B11、ID5またはID9と
名付けた。モノクローナル抗体2H11を産生するハイ
ブリドーマ2H11、モノクローナル抗体2B11を産
生するハイブリドーマ2B11、モノクローナル抗体I
D5を産生するハイブリドーマID5およびモノクロー
ナル抗体ID9を産生するハイブリドーマID9は通商
産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されてい
る(それぞれ受託番号:FERM BP−3275、受
託番号:FERMBP−3274、受託番号:FERM
BP−3276および受託番号:FERM BP−3
277)。
サブクラスの決定 実施例2で得られたハイブリドーマより産生されるモノ
クローナル抗体のサブクラスは ELISAにより決定した。
IGF-IIを ELISA用プレートに固相化し、ハイブリドーマ
培養上清を反応させ、更にマウスイムノグロブリンの各
クラスおよびサブクラス(IgG(Fc)、IgG1、
IgG2a、 IgG2b、 IgG3、 IgAおよびIg
M)に対する特異抗原の HRP標識抗体 (The Binding Si
te Limited) を反応させた。陰性対照試料としてミエロ
ーマ P3U1 の培養上清を同時に測定し、陰性対照試料の
2倍以上の吸光度を示す場合を陽性とした。その結果を
表−1に示す。得られた各モノクローナル抗体は、Ig
G1クラスに属する抗体であった。
製および精製 腹水型モノクローナル抗体を得るため、15から20週令の
BALB/c系マウス(日本チャールズリバー社)にプリスタ
ン (2,6,10,14-tetra-methyl-pentadecane, 和光純薬工
業社)0.5 ml を腹腔内投与し、約3週間後に確立した
ハイブリドーマ2H11、2B11、ID5またはID
9の 5 × 106細胞を腹腔内に移植した。2から3週間
後、貯留した腹水を採取した。この腹水をプロテインA
カラム (PROSEP-A‘ HIGH CAPACITY', BIOPROCESSING
社)を用いたアフィニテイ ークロマトグラフィーによっ
て精製した。各腹水20 mlを2倍容量の1.0 M Glycine・N
aOH/0.15 M NaCl (pH 8.0)で希釈し、これを PROSEP-A
カラム (φ 1.0 × 7.5 cm) に通して抗体を吸着させ、
カラムを約70 ml0.1 M Glycine・NaOH/0.15 M NaCl で洗
浄した後、抗体を0.1 Mクエン酸バッファー(pH 3.5)で
溶出した。各溶出液は限外ろ過膜 YM 30(アミコン社
製)で濃縮した後、4 ℃で PBSに対して充分透析した。
ここで得られた腹水型モノクローナル抗体2H11、2
B11、ID5またはID9を使用し、以後の実施例を
行なった。
対する反応特異性 実施例2に示したELISAに準じて、固定化抗原にIGF-II
(J.gen.Virol. 68, 2599 (1987))または組換えIGF-I
(東洋紡株式会社)を用い、実施例3に示した各精製モ
ノクローナル抗体を10 μg/mlの濃度から3倍ずつ段階
的に希釈して、抗原と反応させた。更に、HRP 標識抗マ
ウスIgGヤギ抗体を反応させた後、プレートの HRP活性
を測定した。陽性コントロールとしてIGF-Iに対して反
応交叉性が有ることが知られている市販の抗IGF-IIモノ
クローナル抗体(天野製薬)を用いた。但し、96穴平板
プレートはコースター社製を用いた。第3図に結果を示
した。モノクローナル抗体2H11、2B11、ID5
またはID9はIGF-IIと反応するが、IGF-Iとは全く反
応しない。市販のモノクローナル抗体(表中市販と表示
した。)は、IGF-IIおよびIGF-I両方に反応した。
製 IGF-IIのペプシンによる消化は Smithらの方法 (J. Bio
l. Chem., 264, 9314(1989)) にほぼ準拠して行った。1
00 μgのIGF-II粉末を250 μlの 0.01 N HClに溶かし、
これに 5μg のペプシン(シグマ社)を加え室温で48時
間反応させた。反応液中のペプチド断片はHPLCによ
り分離・精製し、各ペプチド断片を含む溶出液を凍結乾
燥した。
ム:カプセルパックC18 SG 120 ( φ4.6 × 250 mm、
資生堂社製) 溶媒A:0.1 % トリフルオロ酢酸含有水 溶媒B:0.1 % トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル 流速:1.00 ml/min 、 検出:UV 210 nm 溶出条件:0.1%トリフルオロ酢酸中5%から35%までのア
セトニトリル直線濃度勾配(90分) 本条件下での溶出パターンを第4図に示した。図に示し
たピーク1から4を各モノクローナル抗体のエピトープ
決定に使用した。各ピークに相当するペプチド断片が I
GF-IIのどこのアミノ酸配列に相当するのかはアミノ酸
配列分析(アプライドバイオシステムズ社、Protein Se
quencer 470A)およびアミノ酸組成分析により決定し
た。
す。
r-Arg-Arg-Ser-Arg-Gly(-COOH)
OOH)
による測定 実施例3にほぼ準拠して行った。上に示した各ペプチド
を96穴平板プレート上に固定し、これに1.1 μg/mlの
各抗体を加え抗原と反応させた。更に、これにHRP標識
抗マウス IgGヤギ抗体を反応させた後、プレート上のHR
P活性を測定した。表−2に吸光度(O. D. )の値と
して示した。また参考として、抗体として市販の抗IGF-
IIモノクローナル抗体(天野製薬)、抗原としてIGF-II
およびIGF-Iを実施例と同様に行ない表−2に合わせて
示してある。
の持つIGF-IIに対するエピトープが、IGF-IIの28番目の
Pheから41番目のGlyまでの配列部分にあることを示し
ている。本発明で得られた各モノクローナル抗体はIGF-
IIと反応し、IGF-Iとは反応しない。市販の抗IGF-IIモ
ノクローナル抗体(表中AMANO と表示)は、IGF-IIおよ
びIGF-I両方に反応する。
炭酸バッファー(pH9.5)に対して充分透析した。HRP(ベ
ーリンガーマンハイム社)4.0 mg を水1.0 mlに溶かし、
これに0.1 M過ヨウ素酸ナトリウム溶液0.2 mlを加えて
室温で20分間反応させた後、1 mM酢酸バッファー(pH 4.
4)に対し4℃一晩透析した。透析液(1.40 ml)に0.2 Mの
炭酸ナトリウム溶液を加えてpHを約9に調整し、この溶
液1.05 mlを抗体の透析液に加えて撹拌下室温で2時間
反応させた。反応液に水素化シアノホウ素ナトリウム5
mgを加え、室温で2時間静置して反応により形成され
たシッフ塩基を還元した。次いで0.2 M Tris・HCl/0.1 M
モノエタノールアミン1.0mlを加え、さらに室温で90分
静置した。反応液を 4℃でPBSに対して充分に透析し、
透析液を HRP標識抗体溶液とした。
同様である。まず96穴平板プレート(コースター社)上
に抗 IGF-II 抗体 (2B11) を固相化し、これに種々
の濃度のIGF-II、IGF-I(東洋紡株式会社)またはイン
スリン(シグマ社)を反応させ、更に上記に示したHRP
標識抗IGF-II抗体を反応させた後、プレート上のHRP活
性を測定した。結果を表−3に示した。得られたモノク
ローナル抗体は、IGF-IIと特異的に反応し、定量的に測
定ができた。
(J. Biochem., Vol. 92,1413-1424 (1982))に従って行
った。西洋ワサビペルオキシダーゼ(3.3 mg)を0.3 mlの
リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)の溶解し、これに0.
75 mgのN-(4-アセチルメルカプト無水コハク酸を75 μ
lのジメチルホルムアミドの溶解した溶液を加え、30℃
で1時間撹拌下、インキュベ−ションした。生成した沈
殿を遠心で除去し、上清を0.1 Mのリン酸ナトリウム緩
衝液(pH 6.0)を用いたSephadex G-25 カラム(1.0cm
×38cm)によりゲルろ過した。目的の蛋白質を含むフラ
クションを集め、ダイアフロ−メンブロンYM-30(アミ
コン社製)を用いた限外ろ過により濃縮し、マレイミド
標識HRPを得た。上記マレイミド標識HRPとIGF-IIを結合
させるために以下に示すような方法によりIGF-IIにチオ
−ル基を導入した。IGF-I(0.8 mg)を0.6 mlの0.1 Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)に溶かし、これに2.0
mgのS-アセチルメルカプト無水コハク酸を35 μlのジ
メチルホルムアミドに溶かした溶液を加え、30℃で30分
間インキュベーションした。この溶液に40 μlの0.
1M EDTA、200 μlの0.1M Tris・HCl (pH 7.0)と200 μ
lの1.0 Mヒドロキシアミン/塩酸を加え、室温で4分
間インキュベーションした。反応混合液を5 mM EDTAを
含む0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0)をもちい
たSephadex G-25カラム(1.0 cm×41 cm)によりゲル
ろ過した。目的の蛋白質を含むフラクションを集め、ダ
イアフローメンブランYM-5(アミコン社製)を用いた限
外ろ過により0.5 mlまで濃縮した。この溶液に上記マレ
イミド標識HRPを入れ、4℃で20分間インキュベート
後、70μlの0.1Mエチルマレイミドを加え、0.1Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)を用いた上記と同じカ
ラムによりゲルろ過した。目的の蛋白質を含むフラクシ
ョンを集め、ダイアフローメンブランYM-30を用いた限
外ろ過により濃縮した。約1 mlまで濃縮後、内液をPBS
標識IGF-II(1.1 ml)を得た。
96-穴マイクロプレート(コースター社製)の各ウエル
に各2.5 μg/mlの4種抗体(2H11、2B11、ID
5、ID9)のPBS混合溶液を0.05 ml加え、4℃にて一
晩静置した。各ウエルを0.05 % Tween 20/PBS で洗浄
し、0.1 ml の0.05 % BSA/0.02 % Tween 20/PBS を加
え、37℃にて3時間静置した。0.05 % Tween20/PBS に
て3回洗浄後、0.1 % PBS・0.02 % Tween 20/PBS にて10
0,000倍希釈した上記調製 HRP 標識IGF-IIを各ウエル当
たり 0.025 ml と種々の濃度のIGF-IIを 0.025 ml 加え
た。これを4℃で一晩インキュベ−ションし、各ウエル
を0.05 % Tween 20/PBS にて3回洗浄後、各ウエルのHR
P活性を測定した。結果を図−5に示した。得られたモ
ノクローナル抗体は、IGF-IIと特異的に反応し、定量的
に測定できた。
脂の調製 抗IGF-IIモノクローナル抗体2H11(4.5 ml)を5 ml
の0.25 M リン酸ナトリウム緩衝液(PH 8.0)に溶かし
た。この溶液に、予め100 mlの水で充分に洗浄しておい
た4 mlのFormyl-cellulofine(生化学工業社製)を加
え、室温にて2時間撹拌した。次いで、10 mg の水素
化ジアノホウ素ナトリウム粉末を加え、更に室温で3時
間撹拌した。ろ過後、抗体結合樹脂を100 mlの水で洗浄
した。得られた樹脂を10 mgの水素化シアノホウ素ナト
リウム粉末を加え、室温にて3時間静置した。ろ過後、
樹脂を100 ml 濃度水で洗浄して目的の抗体2H11結
合樹脂を得た。
来試料の調製 健常成人あるいは血糖降下症を併発した胃癌患者の血清
300 μlと1,200 μlの87.5 %エタノール/2 N 塩酸をポ
ロプロピレン容器中で混合した。混合液を室温で45分間
インキュベーションし、4℃で15,000 rpm にて10分
間遠心分離した。上清の1.2 mlを別の容器にとり、2 M
の炭酸水素アンモニウムで中和した。エタノールを減圧
下に留去した後、凍結乾燥した。凍結乾燥粉末を1 ml
の0.02% Tween 20 を含む PBS に溶かし、これに上記
の抗体(2H11)結合樹脂(50μl)を加えてボルテッ
クスミキサーにて室温で3時間インキュベーションし
た。IGF-IIの吸着した樹脂を1 M NaCl と0.04 % Twee
n 20を含むPBSで一度、次いで水で洗浄した。樹脂上の
抗原/抗体複合体から可溶化し回収するために、樹脂を
Laemmli サンプルバッファー(Nature, Vol. 227, 680-
685(1970))で処理した。目的の血清由来IGF-IIはこの上
清に溶けている。
産生腫瘍組織由来試料の調製 IGF-II産生腫瘍組織の塊(湿重量、156 mg)をポリプロ
ピレン容器に入れ、1.5 mlの70 % エタノール/2 N 塩
酸中でポリトロン(KINEMATICA社製)にてホモジナイズ
した。ホモジネートを室温で45分間インキュベーション
後、4℃、15,000 rpmで10分間遠心分離した。最終的
に、上記と全く同様の手順により目的の腫瘍組織由来IG
F-IIを得た。
リルアミドゲル電気泳動、膜転写、検出 標準IGF-II,IGF-I血清由来IGF-IIおよび腫瘍組織由来IG
F-IIをLaemmliのドデシル硫酸ナトリウム/ポリアクリ
ルアミド電気泳動(以後SDS-PAGEと略す)システム(Nat
ure, Vol. 227, 680-685(1970))に供した。SDS-PAGEは
2−メルカプトエタノールを用いずに、16 % のポリア
クリルアミドのスラブゲルを使って、25mA の定電流で
行った。電気泳動後、ゲル上の蛋白質を Mini Trans-Bl
ot 装置(バイオラッド社製)を用いて10 % メタノール
含有10 mM CAPS 緩衝液(pH 11)中、50 V 定電流にて
1時間通電することにより、PVDF膜("Pro Blott", A
pplied Biosystems 社製)に転写した。膜状の非特異
的結合は膜を5 % スキムミルクと0.05 % Tween 20 含
有PBS 中に4℃で16時間浸すことによりブロックした。
膜をまず1 μg/ml の抗体 2H11と0.05 % Tween 20
含有 PBS で次いで 5,000 倍に希釈したHRP結合抗
マウス IgG ヤギ IgG (Amarsham 社製)と0.05 % Tw
een 20含有同緩衝液でそれぞれ室温下、1時間処理し
た。膜上の IGF-IIの検出は ECL Western Blotting De
tectionKit (Amersham 社製)を用い、そのマニュアル
に従って行った。結果を図−6に示した。標準IGF-II、
血清由来IGF-IIは充分検出可能であったが、過剰量のIG
F-Iは検出されなかった。更に、これらの結果はこのシ
ステムが通常型のIGF-II(7.5 KD)のみならず、腫瘍によ
る血糖降下症患者でその存在が報告されている大分子量
型のIGF-II(Proc. Natl. Acad. Sci., USA 82, 3169-31
72(1985))の検出や分析に効果的であることを示してい
る。
の高い複数の抗ヒトIGF-IIモノクローナル抗体を創製
し、これら複数の抗体の組み合わせによりELISA 法が可
能となり、ひいてはヒトIGF-IIの正確な定量ができる。
またこのような有用な抗体は、ヒトIGF-II血中濃度測定
の為の診断薬、ヒトIGF-IIのウエスタンブロッティング
分析などの各種分析およびヒトIGF-IIの精製などにも利
用することができる。
の構築図である。
用プラスミドの構築図である。
ド断片のHPLC溶出図である。
る。
ッティング分析によるIGF-II検出結果である。
Claims (11)
- 【請求項1】アミノ酸配列:(NH2−)Phe−Se
r−Arg−Pro−Ala−Ser−Arg−Val
−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly
(−COOH)を認識することを特徴とするヒトインス
リン様成長因子IIを認識するが、ヒトインスリン様成長
因子Iは認識しないモノクローナル抗体。 - 【請求項2】アミノ酸配列:(NH2 −)Ala−Ty
r−Arg−Pro−Ser−Glu−Thr−Leu
−Cys−Gly−Gly−Glu−Leu−Val−
Asp−Thr−Leu−Gln−Phe−Val−C
ys−Gly−Asp−Arg−Gly−Phe−Ty
r−Phe−Ser−Arg−Pro−Ala−Ser
−Arg−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−
Arg−Gly−Ile−Leu−Glu−Glu−C
ys−Cys−Phe−Arg−Ser−Cys−As
p−Leu−Ala−Leu−Leu−Glu−Thr
−Tyr−Cys−Ala−Thr−Pro−Ala−
Lys−Ser−Glu(−COOH)で表されるポリ
ペプチドを抗原としてほ乳類を免疫し、免疫されたほ乳
類の抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマ
を製し、さらに単クローン化したハイブリドーマを選択
取得し、これを培養し、抗体を得ることを特徴とするイ
ムノグロブリンIgGに属し、ヒトインスリン様成長因
子IIを認識するが、ヒトインスリン様成長因子Iは認識
しないモノクローナル抗体の製造法。 - 【請求項3】アミノ酸配列:(NH2 −)Ala−Ty
r−Arg−Pro−Ser−Glu−Thr−Leu
−Cys−Gly−Gly−Glu−Leu−Val−
Asp−Thr−Leu−Gln−Phe−Val−C
ys−Gly−Asp−Arg−Gly−Phe−Ty
r−Phe−Ser−Arg−Pro−Ala−Ser
−Arg−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−
Arg−Gly−Ile−Leu−Glu−Glu−C
ys−Cys−Phe−Arg−Ser−Cys−As
p−Leu−Ala−Leu−Leu−Glu−Thr
−Tyr−Cys−Ala−Thr−Pro−Ala−
Lys−Ser−Glu(−COOH)で表されるポリ
ペプチドを抗原として得られ、ヒトインスリン様成長因
子IIを認識するが、ヒトインスリン様成長因子Iは認
識しないことを特徴とするモノクローナル抗体。 - 【請求項4】アミノ酸配列:(NH2 −)Ala−Ty
r−Arg−Pro−Ser−Glu−Thr−Leu
−Cys−Gly−Gly−Glu−Leu−Val−
Asp−Thr−Leu−Gln−Phe−Val−C
ys−Gly−Asp−Arg−Gly−Phe−Ty
r−Phe−Ser−Arg−Pro−Ala−Ser
−Arg−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−
Arg−Gly−Ile−Leu−Glu−Glu−C
ys−Cys−Phe−Arg−Ser−Cys−As
p−Leu−Ala−Leu−Leu−Glu−Thr
−Tyr−Cys−Ala−Thr−Pro−Ala−
Lys−Ser−Glu(−COOH)で表されるポリ
ペプチドを抗原としてほ乳類を免疫し、免疫されたほ乳
類の抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマ
を製し、さらに単クローン化したハイブリドーマであ
り、請求項1または請求項3記載のモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマ2H11。 - 【請求項5】アミノ酸配列:(NH2 −)Ala−Ty
r−Arg−Pro−Ser−Glu−Thr−Leu
−Cys−Gly−Gly−Glu−Leu−Val−
Asp−Thr−Leu−Gln−Phe−Val−C
ys−Gly−Asp−Arg−Gly−Phe−Ty
r−Phe−Ser−Arg−Pro−Ala−Ser
−Arg−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−
Arg−Gly−Ile−Leu−Glu−Glu−C
ys−Cys−Phe−Arg−Ser−Cys−As
p−Leu−Ala−Leu−Leu−Glu−Thr
−Tyr−Cys−Ala−Thr−Pro−Ala−
Lys−Ser−Glu(−COOH)で表されるポリ
ペプチドを抗原としてほ乳類を免疫し、免疫されたほ乳
類の抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマ
を製し、さらに単クローン化したハイブリドーマであ
り、請求項3記載のモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマ2B11、ハイブリドーマID5、またはハ
イブリドーマID9。 - 【請求項6】モノクローナル抗体2H11を産生するハ
イブリドーマ2H11(受託番号:FERM BP−3
275) - 【請求項7】モノクローナル抗体2B11を産生するハ
イブリドーマ2B11(受託番号:FERM BP−3
274) - 【請求項8】モノクローナル抗体ID5を産生するハイ
ブリドーマID5(受託番号:FERM BP−327
6) - 【請求項9】モノクローナル抗体ID9を産生するハイ
ブリドーマID9(受託番号:FERM BP−327
7) - 【請求項10】請求項1、請求項3、請求項4および請
求項5のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を用
いてヒトインスリン様成長因子IIを特異的に検出する免
疫化学的方法。 - 【請求項11】ハイブリドーマ2H11(受託番号:F
ERM BP−3275)、ハイブリドーマ2B11
(受託番号:FERM BP−3274)、ハイブリド
ーマID5(受託番号:FERM BP−3276)お
よびハイブリドーマID9(受託番号:FERM BP
−3277)から選ばれるハイブリドーマにより産生さ
れるモノクローナル抗体を用いてヒト成長因子IIを特
異的に検出する免疫化学的方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33104691A JP3213359B2 (ja) | 1990-12-21 | 1991-12-16 | 抗igf−iiモノクローナル抗体 |
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JP3-250138 | 1991-06-27 | ||
JP25013891 | 1991-06-27 | ||
JP2-418284 | 1991-06-27 | ||
JP33104691A JP3213359B2 (ja) | 1990-12-21 | 1991-12-16 | 抗igf−iiモノクローナル抗体 |
Publications (2)
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JPH05252987A JPH05252987A (ja) | 1993-10-05 |
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Family
ID=27333905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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EP1103814B1 (en) | 1998-07-31 | 2005-12-21 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method for assaying physiologically active component |
US20110165145A1 (en) * | 2008-05-09 | 2011-07-07 | Dransfield Daniel T | Igf-ii/igf-iie binding proteins |
JP2012505900A (ja) * | 2008-10-14 | 2012-03-08 | ダイアクス コーポレーション | 全身性強皮症に伴う肺線維症の治療および予防のためのigf−ii/igf−iie結合タンパク質の使用 |
-
1991
- 1991-12-16 JP JP33104691A patent/JP3213359B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
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DOMESTIC ANIMAL ENDOCRINOLOGY,Vol.5,No.4(1988)p.323−329 |
J.Gen.Virol,Vol.68 p.2599−2606(1987) |
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Publication number | Publication date |
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JPH05252987A (ja) | 1993-10-05 |
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