JP2012505900A - 全身性強皮症に伴う肺線維症の治療および予防のためのigf−ii/igf−iie結合タンパク質の使用 - Google Patents

全身性強皮症に伴う肺線維症の治療および予防のためのigf−ii/igf−iie結合タンパク質の使用 Download PDF

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Abstract

全身性強皮症に伴う肺線維症の治療または予防のための、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEと結合するタンパク質の使用方法を開示する。
【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2008年10月14日に出願された米国仮出願第61/105,229号の優先権を主張する。先の出願の開示は本出願の開示の一部である(および参照することにより本出願の開示に組み込まれる)とみなされる。
ポリペプチドのインスリン様増殖因子(IGF)ファミリーは、正常な増殖および発達において主な役割を果たす。IGFシステムの成分(IGF−IIなど)の変化した発現は多くの腫瘍タイプにおける悪性表現型の発現および維持に関与しており、このシステムを標的とする薬剤は抗癌治療薬としての可能性を有し得ることが示唆される。腫瘍により増大したIGF−II分泌に関わり得るいくつかの経路が同定されている;これらとしては、母系IGF−II対立遺伝子のゲノムインプリンティングの消失、父系対立遺伝子複製とのヘテロ結合性の消失、および/または転写性制御の消失が挙げられる。かかる増大した分泌により、特にIGF−IIに特異的に結合する受容体、IGF−I受容体(IGF−1RまたはIGF−IR)およびインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)は、腫瘍細胞内で典型的には、上方制御されるため、より大きな増殖、アポトーシスからの保護、および癌の転移能が可能となる。増大したIGF−II産生は、循環由来IGF−IIクリアランスの中心の役割を担うと思われるIGF−II受容体の第三の種類であるマンノース−6−リン酸受容体の下方制御によりさらに悪化する。IGF−IIの局所レベルは、腫瘍により分泌される特異的なIGF−II結合タンパク質の発現変化によっても、または腫瘍により産生された増大したプロテアーゼ活性の結果としても上昇し得る。
IGFシグナル伝達軸は癌の50%の病因に関係があるとされているが、IGFシグナル伝達軸を特異的に標的とする利用可能な治療薬は限られている(改善するための多くの研究努力が進行中ではある)。乳癌治療モデルにおけるEGF受容体アンタゴニストの有効性が、IGFシステムを介した耐性の急速な出現により限定されることが最近示されている。IGFシステムに干渉する治療薬の発見または開発は、ほとんどのIGF−I受容体が、IGF−IIとインスリンの両方と高親和性で結合するインスリン受容体のアイソフォームであるIR−Aとハイブリッド受容体を形成するように見える所見により複雑となっている。したがって、チロシンキナーゼ阻害剤または抗体によるIGF−IRの治療標的化はインスリンシグナル伝達も遮断して糖尿病を引き起こし得るものであり、最近の報告においてこれが実際に起こることが示されている。霊長類試験におけるIGF−IR低分子キナーゼアンタゴニストの毒性問題も報告されている。
正常な循環において、95%のIGF−IおよびIIが6つの高親和性IGF結合タンパク質(IGFBP)と結合している。主な血清結合タンパク質は、IGFBP−3であり、これは酸不安定(acid labile)タンパク質(ALS)と三量体複合体を形成する。通常は、IGF−IIは、pro−IGF−IIとして知られる156個のアミノ酸(aa)の前駆体タンパク質として合成される。タンパク質はEドメインとして知られる87個のaaのC末端領域を含み、したがって「IGF−IIE」と呼ばれる。本明細書において、アミノ酸1〜104を含む構築物は、Eドメインを包含し、「IGF−IIE」と呼ばれる。タンパク質分解過程は67個のaaの成熟IGF−IIポリペプチドを放出する。文献において、IGF−IIの「長い」または「大きい」形態とは、時折、Eドメインの一部のみが切断されている形態を指す。時折、この長いまたは大きい形態は、完全なEドメインではなくEドメインの一部のみを含み得るものであってもまた、IGF−IIEと呼ばれる。
多くの腫瘍において、主にゲノムレベルのインプリンティングの消失に起因する、増大したIGF−II産生、または遊離IGF−IIの増大した生物学的利用能を可能とする腫瘍により産生される増大したプロテアーゼ活性に起因する、低減レベルの結合タンパク質が存在する。最近のIGF IIマウスモデルにおいて、Apc+/Minマウスと交配したインプリンティング特性を消失した仔マウスでは非常に高まった腫瘍形成が示されている。多くの腫瘍はIGF−IIEを成熟7.5KDaタンパク質にプロセシングするための酵素的機構を欠き、主にIGF−IIEを分泌する。この長いIGF−IIリガンド(アミノ酸1〜104)は、カルボキシ末端での21個のアミノ酸の伸長およびトレオニン75位での不完全なグリコシル化を有すためにALSと結合できず、より多くの「遊離IGF−II」がIRまたはIGF−IRを活性化して腫瘍性増殖を増強し、一部の癌において低血糖症を引き起こす。
肺線維芽細胞はIGF−IIの主要源であるように見え、正常な肺線維芽細胞と比較して、全身性強皮症(SSc)肺由来の一次肺線維芽細胞におけるIGF−II RNAおよびタンパク質の発現は有意に増大する。さらに、一次SSc肺線維芽細胞は正常な肺線維芽細胞と比較して約4倍増大したIGF−II mRNAおよび2倍増大したIGF−IIタンパク質を有する。SSc肺線維芽細胞中のIGF−II mRNAは主にIGF−II遺伝子のP3プロモーターから発現し、IGF−IIはコラーゲンI型およびフィブロネクチン産生の用量依存的かつ時間依存的な増大を誘発する。IGF−IIは、ホスファチジルイノシトール−3(PI3)キナーゼおよびJun N末端キナーゼ(JNK)シグナル伝達カスケードの両方の活性化、および肺線維芽細胞中のAktリン酸化を引き起こし得る。PI3キナーゼおよびJNKの阻害剤はIGF−II誘発性のコラーゲンおよびフィブロネクチン産生を阻止し得る。SSc肺線維芽細胞へのIGF−IIの添加は、コラーゲン(例えば、コラーゲンI)およびフィブロネクチン産生を(例えば、用量依存的に)有意に増大できる一方、正常な肺線維芽細胞においては細胞外マトリックス(ECM)産生をごく僅かに改変するのみである。正常な肺線維芽細胞と比較して、SSc肺線維芽細胞は、10ng/ml以上のIGF−IIを外因的に添加した時にコラーゲンI型を、100ng/ml以上のIGF−IIを外因的に添加した時にフィブロネクチンを、統計的により多く産生し得る。
全身性強皮症に伴う肺線維症の特質である、増大したコラーゲンおよび/またはフィブロネクチンの産生は、IGF−IIおよび/またはあるいはIGF−IIE(長いIGF−II)と、IGF受容体、例えば、IGF−I受容体との相互作用を阻止することにより阻害され得る。
全身性強皮症(SSc)に伴う肺線維症の治療上の処置(例えば、免疫治療上の処置)は、治療薬(例えば、サイトカイン、抗体または抗体様部分)が肺線維芽細胞、例えば、SSc肺における肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣に対して高度に特異的であり得るため、免疫抑制剤および/または外科手術などの従来療法に勝る利点を提供できる。IGF−IIを標的とする治療薬は、このリガンドの作用を、IRの下方制御ならびに低血糖症および/もしくは糖尿病の潜在的リスクを引き起こさずにIGF−I受容体およびIR−Aの両方に対する結合を阻害することにより、阻止し得る。IGF−IIおよびIGF−IIEに特異的に結合する結合タンパク質、例えば、抗体の出現は、キナーゼアンタゴニストにより示される毒性の問題も緩和する。さらに、IGF−IIEのみを標的とし、IGF−IIは標的としない治療薬も価値がある。
したがって、本開示は、とりわけ、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法に関し、この方法はIGF IIおよび/またはIGF IIEと結合する単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を対象に投与することを含み、前記抗体はDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、およびDX−2655からなる群から選択される抗体と同一のエピトープと結合するか、またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、およびDX−2655からなる群から選択される抗体と結合について競合する。
いくつかの実施形態では、抗体はDX−2647と競合するか、またはDX−2647と同一のエピトープと結合する。
いくつかの実施形態では、抗体はM0064−F02と競合するか、またはM0064−F02と同一のエピトープと結合する。
いくつかの態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法を提供し、この方法は免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を対象に投与することを含み、ここで
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質がIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合する(例えば、およびそれらを阻害する)。
いくつかの実施形態では、重鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域はDX−2647由来であり、および/または軽鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域はDX−2647由来である。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はDX−2647の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はDX−2647の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖、および/またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖を含む(それぞれ)。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖、および/またはDX−2647の軽鎖を含む。
いくつかの態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法を提供し、この方法は免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を対象に投与することを含み、ここで
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列は、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質はIGF−IIEとは結合する(例えば、およびそれを阻害する)がIGF−IIとは結合しない。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖、および/またはM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖を含む(それぞれ)。
いくつかの態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法を提供し、この方法は以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を対象に投与することを含む:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる。
Figure 2012505900
いくつかの実施形態では、タンパク質は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含み、ここで
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインの由来の1つ、2つ、または3つ(例えば、3つ)のCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質は、IGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合する(例えば、およびそれらを阻害する)。
いくつかの実施形態では、重鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域はDX−2647由来でありおよび/または軽鎖可変ドメイン由来の1つ、2つ、もしくは3つ(例えば、3つ)のCDR領域はDX−2647由来である。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はDX−2647の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はDX−2647の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖、および/またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖を含む(それぞれ)。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖、および/またはDX−2647の軽鎖を含む。
本開示は、とりわけ、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法に関し、この方法はIGF IIおよび/またはIGF IIEと結合する単離タンパク質(例えば、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質)を対象に投与することを含み、例えば、ここでタンパク質のIGF IIおよび/またはIGF IIEへの結合は少なくとも10−1の親和性を特徴とする。
いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を第二治療薬と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質、例えば、本明細書に記載の別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、抗炎症剤(例えば、ステロイド)、細胞傷害性薬物、免疫抑制剤、コラーゲン合成阻害剤、またはエンドセリン受容体アンタゴニストである。例えば、高用量の経口コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、40〜80mg/日)などの経口コルチコステロイドを使用できる。シクロホスファミドなどの細胞傷害性薬物およびアザチオプリンなどの免疫抑制剤(シクロホスファミドは、免疫抑制剤でもある);またはピルフェニドンなどのコラーゲン合成阻害剤もしくはボセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストを第二薬として使用できる。好ましい実施形態では、第二薬は、シクロホスファミドまたはアザチオプリンである。好ましい実施形態では、第二薬は、低用量ステロイド;エポプロステノール;ボセンタン;またはイロプロスト(例えばエーロゾル化イロプロスト)と併用したシクロホスファミドである。いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を外科手術、例えば、肺移植と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二薬は、抗炎症剤、例えば、ステロイド(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン))、細胞傷害性薬物(例えば、シクロホスファミド)、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミドまたはアザチオプリン)、コラーゲン合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、またはエンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ボセンタン)などのSScに伴う肺線維症のための別の治療である。
いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、コラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生を基準値、例えば、治療前の対象のコラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%超低減する。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)含むこと;(c)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)含むこと;(d)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること;(e)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること;(f)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性とヒトIGF−IIE活性の両方を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性またはヒトIGF−IIE活性のいずれかを、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/もしくはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、ならびにIGF−IIおよびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびにM0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)(それぞれ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびにDX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)およびDX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する)肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子と物理的に結合しており、細胞表面上にIGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する細胞へとナノ粒子を誘導するために使用することができる。
他の態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法に関し、この方法は免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質を対象に投与することを含み、ここで
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、もしくはDX−2655の重鎖由来のCDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、もしくはDX−2655の軽鎖由来のCDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質は、IGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合し、かつIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を阻害する。
いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を第二治療薬と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質、例えば、本明細書に記載の別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、抗炎症剤(例えば、ステロイド)、細胞傷害性薬物、免疫抑制剤、コラーゲン合成阻害剤、またはエンドセリン受容体アンタゴニストである。例えば、高用量の経口コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、40〜80mg/日)を使用できる。シクロホスファミドなどの細胞傷害性薬物およびアザチオプリンなどの免疫抑制剤(シクロホスファミドは、免疫抑制剤でもある);ピルフェニドンなどのコラーゲン合成阻害剤もしくはボセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストを第二薬として使用できる。好ましい実施形態では、第二薬は、シクロホスファミドまたはアザチオプリンである。好ましい実施形態では、第二薬は、低用量ステロイド;エポプロステノール;ボセンタン;またはイロプロスト(例えばエーロゾル化イロプロスト)と併用したシクロホスファミドである。いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を外科手術、例えば、肺移植と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二薬は、抗炎症剤、例えば、ステロイド(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン))、細胞傷害性薬物(例えば、シクロホスファミド)、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミドまたはアザチオプリン)、コラーゲン合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、またはエンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ボセンタン)などのSScに伴う肺線維症のための別の治療である。
いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質はコラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生を基準値、例えば、対象の治療前のコラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%超低減する。
タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性とヒトIGF−IIE活性の両方を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性またはヒトIGF−IIE活性のいずれかを、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/もしくはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、ならびにIGF−IIおよびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(c)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびに重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)およびDX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)およびDX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する)肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子と物理的に結合しており、細胞表面上にIGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する細胞へとナノ粒子を誘導するために使用することができる。
別の態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法に関し、この方法は以下を含む単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を対象に投与することを含む:
(i)重鎖配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖のアミノ酸配列を含み、および/または軽鎖配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖のアミノ酸配列を含む(それぞれ)、重鎖配列および/または軽鎖配列、
(ii)重鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を含み、および/または軽鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列を含む(それぞれ)、重鎖可変ドメイン配列および/または軽鎖可変ドメイン配列、または
(iii)抗体M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖CDRの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)、および/または抗体M0080−G03もしくはM0073−C11の対応するCDRから選択される軽鎖CDRの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)(それぞれ)、
ならびに前記タンパク質はIGF−IIEと結合し、かつIGF−IIEを阻害するが、IGF−IIとは結合せず、阻害しない。
いくつかの実施形態では、タンパク質を第二治療薬と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質、例えば、本明細書に記載の別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、抗炎症剤(例えば、ステロイド)、細胞傷害性薬物、免疫抑制剤、コラーゲン合成阻害剤、またはエンドセリン受容体アンタゴニストである。例えば、高用量の経口コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、40〜80mg/日)を使用できる。シクロホスファミドなどの細胞傷害性薬物およびアザチオプリンなどの免疫抑制剤(シクロホスファミドは、免疫抑制剤でもある);ピルフェニドンなどのコラーゲン合成阻害剤またはボセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストを第二薬として使用できる。好ましい実施形態では、第二薬はシクロホスファミドまたはアザチオプリンである。好ましい実施形態では、第二薬は、低用量ステロイド;エポプロステノール;ボセンタン;またはイロプロスト(例えばエーロゾル化イロプロスト)と併用したシクロホスファミドである。いくつかの実施形態では、タンパク質を外科手術、例えば、肺移植と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二薬は、抗炎症剤、例えば、ステロイド(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン))、細胞傷害性薬物(例えば、シクロホスファミド)、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミドまたはアザチオプリン)、コラーゲン合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、またはエンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ボセンタン)などのSScに伴う肺線維症のための別の治療である。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、コラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生を、基準値、例えば、治療前の対象のコラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%超低減する。
タンパク質は、IGF−IIE、例えば、ヒトIGF−IIEと、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIE活性を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/またはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、およびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(c)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、(例えば、IGF−IIEを発現する)肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子と物理的に結合しており、細胞表面上にIGF−IIEを発現する細胞へとナノ粒子を誘導するために使用することができる。
いくつかの態様では、本開示は、以下を含む単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を特徴とする:
(i)重鎖配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖アミノ酸配列を含み、および/または軽鎖配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖アミノ酸配列を含む(それぞれ)、重鎖配列および/または軽鎖配列、
(ii)重鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を含み、および/または軽鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列を含む(それぞれ)、重鎖可変ドメイン配列および/または軽鎖可変ドメイン配列、または
(iii)抗体M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖CDRの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)、および/または抗体M0080−G03もしくはM0073−C11の対応するCDRから選択される軽鎖CDRの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)(それぞれ)。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、IGF−IIEと結合し、かつIGF−IIEを阻害するが、IGF−IIとは結合せず、阻害しない。
タンパク質は、IGF−IIE、例えば、ヒトIGF−IIEと、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiでヒトIGF−IIE活性を阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/またはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、およびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(c)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、(例えば、IGF−IIEを発現する)肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子と物理的に結合しており、細胞表面上にIGF−IIEを発現する細胞へとナノ粒子を誘導するために使用することができる。
他の態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法に関し、この方法は以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる単離タンパク質を対象に投与することを含む:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる。
Figure 2012505900
いくつかの実施形態では、タンパク質を第二治療薬と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質、例えば、本明細書に記載の別のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第二治療薬は、抗炎症剤(例えば、ステロイド)、細胞傷害性薬物、免疫抑制剤、コラーゲン合成阻害剤、またはエンドセリン受容体アンタゴニストである。例えば、高用量の経口コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、40〜80mg/日)を使用できる。シクロホスファミドなどの細胞傷害性薬物およびアザチオプリンなどの免疫抑制剤(シクロホスファミドは、免疫抑制剤でもある);ピルフェニドンなどのコラーゲン合成阻害剤またはボセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストを第二薬として使用できる。好ましい実施形態では、第二薬は、シクロホスファミドまたはアザチオプリンである。好ましい実施形態では、第二薬は、低用量ステロイド;エポプロステノール;ボセンタン;またはイロプロスト(例えばエーロゾル化イロプロスト)と併用したシクロホスファミドである。いくつかの実施形態では、タンパク質を外科手術、例えば、肺移植と併用して使用する。いくつかの実施形態では、第二薬は、抗炎症剤、例えば、ステロイド(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン))、細胞傷害性薬物(例えば、シクロホスファミド)、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミドまたはアザチオプリン)、コラーゲン合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、またはエンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ボセンタン)などのSScに伴う肺線維症のための別の治療である。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、コラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生を基準値、例えば、対象の治療前のコラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%超低減する。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(c)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性とヒトIGF−IIE活性の両方を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性またはヒトIGF−IIE活性のいずれかを、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/もしくはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、ならびにIGF−IIおよびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、および生殖系列M0064−F02からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびに重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびにDX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)およびDX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの実施形態では、タンパク質は、HCおよびLC可変ドメイン配列を有する。いくつかの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する)肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子と物理的に結合しており、細胞表面上にIGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する細胞へとナノ粒子を誘導するために使用することができる。
いくつかの態様では、本開示は、全身性強皮症に伴う肺線維症の治療および/または予防のために、本明細書において「IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質」と呼ばれるIGF−IIおよびIGF−IIEの両方またはいずれかと結合するタンパク質を使用する方法を提供する。これらのタンパク質は、結果的に例えば、IGF−1Rおよび/もしくはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)と結合するIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合するならびに/またはIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を阻害する抗体および抗体断片(例えば、霊長類抗体およびFab、特にヒト抗体およびFab)を含む。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEの過剰なまたは不適切な活性を特徴とする疾患、特にヒト疾患(全身性強皮症に伴う肺線維症など)の治療に使用できる。多くの場合において、タンパク質の毒性はないか許容できるほど低い。
1つの態様では、本開示は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と結合し、少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば、単離タンパク質)を使用する全身性強皮症に伴う肺線維症の治療および/または予防方法を特徴とする。例えば、タンパク質は、免疫グロブリン重鎖(HC)可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖(LC)可変ドメイン配列を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、結果的に例えば、IGF−1Rおよび/もしくはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)と結合するIGF−IIおよび/もしくはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と結合し、かつIGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEを阻害する。別の実施形態では、タンパク質は、IGF IIEのみと結合するおよび/またはIGF IIEのみを阻害するが、IGF−IIとは結果的に結合しない。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上含むこと;(c)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上含むこと;(d)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること;(e)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること;(f)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性とヒトIGF−IIE活性の両方を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−II活性またはヒトIGF−IIE活性のいずれかを、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/もしくはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、ならびにIGF−IIおよびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびに重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2647の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)およびDX−2647の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、DX−2655の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)およびDX−2655の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域(例えば、すべての霊長類フレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する)肺線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合し得る。
1つの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子と物理的に結合しており、細胞表面上にIGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する細胞へとナノ粒子を誘導するために使用することができる。
本明細書に記載の結合タンパク質は、(例えば、医薬上許容可能な担体を含む)医薬組成物として提供できる。組成物は、他のタンパク質種を少なくとも10、20、30、50、75、85、90、95、98、99、または99.9%含まないことができる。いくつかの実施形態では、結合タンパク質は、GMP(医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理規則)下で産生できる。いくつかの実施形態では、結合タンパク質は、医薬上許容可能な担体中、例えば、適切な緩衝液または賦形剤中に提供される。
別の態様では、本開示は、試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEを検出する方法を特徴とする。この方法は、試料をIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質)と接触させること;ならびに、タンパク質とIGF−IIおよび/またはIGF−IIEとの間の相互作用が存在する場合、それを検出することを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、検出可能な標識を含む。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、対象におけるIGF−IIおよび/またはIGF−IIEを検出するために使用することができる。この方法は、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質)を対象に投与すること;ならびに、対象においてタンパク質とIGF−IIおよび/またはIGF−IIEとの間の相互作用が存在する場合、それを検出することを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、検出可能な標識をさらに含む。例えば、検出は対象の画像化を含む。
別の態様では、本開示は、(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症の治療または予防方法において)IGF−IIおよび/またはIGF−IIE活性を調節する方法を特徴とする。この方法は、(例えば、ヒト対象において)IGF−IIおよび/またはIGF−IIEをIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質と接触させ、それによりIGF−IIおよび/またはIGF−IIE活性を調節することを含む。
別の態様では、本開示は、SScに伴う肺線維症を治療する方法を特徴とする。この方法は、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、対象におけるSScに伴う肺線維症を治療するのに十分な量で対象に投与することを含む。この方法は、SScに伴う肺線維症に対する療法、例えば、抗炎症剤、例えば、ステロイド、例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン))、細胞傷害性薬物(例えば、シクロホスファミド)、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミドまたはアザチオプリン)、コラーゲン合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ボセンタン(例えば、TRACLEER(登録商標)))または外科手術(例えば、肺移植)である第二療法を対象に提供することをさらに含むことができる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、対象(例えば、腫瘍を有するかまたは有することが疑われる対象)への薬剤の標的送達にとって、例えば、薬剤を対象の肺(例えば、肺線維芽細胞または線維芽細胞巣)へと指向させるのに有用である。例えば、作用因子(毒素、薬剤、または放射性核種(例えば、131I、90Y、177Lu)など)と結合したIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質)を、SScに伴う肺線維症を有するかまたは有することが疑われる対象に投与できる。
別の態様では、本開示は、対象を画像化する方法を特徴とする。この方法はIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質)を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IGF−IIまたはIGF−IIE活性を実質的に阻害しないものである。いくつかの実施形態では、タンパク質は、IGF−IIまたはIGF−IIE活性を実質的に阻害するものである。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、検出可能な標識(例えば、放射性核種またはMRI検出可能な標識)を含み得る。1つの実施形態では、対象はSScに伴う肺線維症を有するか、または有することが疑われる。この方法は、SScに伴う肺線維症の診断に有用である。
1つの態様では、本開示は、本明細書に記載の障害、例えば、SScに伴う肺線維症の治療のための薬剤の製造のための、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の使用を特徴とする。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細について、添付の図面および本明細書の下記において説明する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本明細書の説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
図1(A)および1(B)は、(下記の実施例8記載のように)M0064−F02 FabとIGF−IIとの複合体の結晶分析により決定されるポリペプチドフォールドを示す。らせんは巻き上がったリボン状の帯により、βシートは太い矢印により示す。 図2(A)および2(B)は、結合タンパク質BP2およびBP4と相互作用する抗体の1つのSPR親和性測定から得られた典型的プロファイルを示す。(A)はM0063−F02候補抗体データ、(B)はM0064−E04候補抗体データである。
定義
便宜上、本発明をさらに詳述する前に、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で使用する特定の用語をここに定義する。他の用語は本明細書の初出時に定義する。
本明細書において、Eドメインを包含するIGF−II前駆体タンパク質のアミノ酸1〜104を含む構築物は、「IGF−IIE」と呼ばれる。
単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、文脈において明確に別段の指摘がされない限り、複数形の指示対象を含む。
本明細書で使用する「アゴニスト」という用語は、タンパク質の生物活性を模倣するかまたは上方制御する(例えば、増強するかまたは補充する)薬剤を指すことを意味する。アゴニストは、野生型タンパク質であり得るか、または野生型タンパク質の少なくとも1つの生物活性を有するその誘導体であり得る。アゴニストは、遺伝子の発現を上方制御するかまたはタンパク質の少なくとも1つの生物活性を増大する化合物でもあり得る。アゴニストは、ポリペプチドと別の分子、例えば、標的ペプチドもしくは核酸との相互作用を増大する化合物でもあり得る。
本明細書で使用する「アンタゴニスト」は、タンパク質の少なくとも1つの生物活性を下方制御する(例えば、抑制するかまたは阻害する)薬剤を指すことを意味する。アンタゴニストは、タンパク質と別の分子(例えば、標的ペプチドまたは酵素基質)との間の相互作用を阻害するかまたは低減する化合物であり得る。アンタゴニストは、遺伝子発現を下方制御するかまたは発現タンパク質の存在量を低減する化合物でもあり得る。
「抗体」という用語は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン(可変領域)または免疫グロブリン可変ドメイン(可変領域)配列を含むタンパク質を指す。例えば、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書でVHと略す)、および軽(L)鎖可変領域(本明細書でVLと略す)を含むことができる。別の例では、抗体は2本の重(H)鎖可変領域および2本の軽(L)鎖可変領域を含む。「抗体」という用語は、抗体の抗原結合断片(例えば、単鎖抗体、FabおよびsFab断片、F(ab’)、Fd断片、Fv断片、scFv、およびドメイン抗体(dAb)断片(de Wildt et al., Eur J Immunol. 1996; 26(3):629−39.))ならびに完全抗体を包含する。抗体は、IgA、IgG、IgE、IgD、IgM(ならびにこれらのサブタイプ)の構造特性を有し得る。抗体は任意の供給源に由来し得るが、霊長類(ヒトおよび非ヒト霊長類)抗体および霊長類化抗体が好ましい。
VHおよびVL領域は、「フレームワーク領域」(「FR」)と呼ばれるより保存的な領域と共に散在する「相補性決定領域」(「CDR」)と呼ばれる超可変領域にさらに細分できる。フレームワーク領域およびCDRの範囲は定義されている(Kabat, E.A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242、およびChothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい)。本明細書ではKabat(カバット)の定義を使用する。各VHおよびVLは、典型的には、3つのCDRおよび4つのFRから構成され、これらはアミノ末端からカルボキシ末端へと、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順で配置している。
本明細書で使用する「免疫グロブリン可変ドメイン配列」とは、1つ以上のCDR領域が抗原結合部位に適した高次構造で配置されるように免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成できるアミノ酸配列を指す。例えば、配列は、天然可変ドメインのアミノ酸配列のすべてまたは一部を含み得る。例えば、配列は、1つ、2つ、または3つ以上のN末端またはC末端アミノ酸、内部アミノ酸を省き得るか、1つ以上の挿入または追加末端アミノ酸を含み得るか、他の改変を含み得る。1つの実施形態では、免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むポリペプチドは、別の免疫グロブリン可変ドメイン配列と結合して、抗原結合部位(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEと選択的に相互作用する構造)を形成できる。
抗体のVHまたはVL鎖は、重鎖または軽鎖定常領域のすべてまたは一部をさらに含み、それにより、免疫グロブリン重鎖または軽鎖をそれぞれ形成できる。1つの実施形態では、抗体は、2本の免疫グロブリン重鎖および2本の免疫グロブリン軽鎖の四量体であり、ここで、免疫グロブリン重鎖および軽鎖は、例えば、ジスルフィド結合によって相互に連結している。IgGの場合、重鎖定常領域は、3つの免疫グロブリンドメイン(CH1、CH2およびCH3)を含む。軽鎖定常領域は、CLドメインを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、典型的には、宿主組織または因子(免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および従来の補体系の第一成分(Clq)を含む)への抗体の結合を媒介する。免疫グロブリン軽鎖は、κ型またはλ型であり得る。1つの実施形態では、抗体は、グリコシル化されている。抗体は、抗体依存性細胞傷害性および/または補体媒介細胞傷害性にとって機能的であり得る。
抗体の1つ以上の領域はヒトであり得るか、事実上ヒトであり得る。例えば、1つ以上の可変領域はヒトであり得るか、事実上ヒトであり得る。例えば、1つ以上のCDRは、ヒトであり得る(例えば、HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3)。各軽鎖CDRはヒトであり得る。HC CDR3はヒトであり得る。1つ以上のフレームワーク領域は、ヒトであり得る(例えば、HCまたはLCのFR1、FR2、FR3、およびFR4)。例えば、Fc領域はヒトであり得る。1つの実施形態では、すべてのフレームワーク領域はヒトであり、例えば、ヒト体細胞(例えば、免疫グロブリンを産生する造血細胞または非造血細胞)由来である。1つの実施形態では、ヒト配列は(例えば、生殖系列核酸によってコードされる)生殖系列配列である。1つの実施形態では、選択されたFabのフレームワーク(FR)残基を、最も類似した霊長類生殖系列遺伝子(特に、ヒト生殖系列遺伝子)中の対応する残基のアミノ酸タイプに変換できる。1つ以上の定常領域はヒトであり得るか、事実上ヒトであり得る。例えば、少なくとも70、75、80、85、90、92、95、98、または100%の免疫グロブリン可変ドメイン、定常領域、定常ドメイン(CH1、CH2、CH3、CL1)、または完全抗体はヒトであり得るか、事実上ヒトであり得る。
抗体のすべてまたは一部は、免疫グロブリン遺伝子またはそのセグメントによってコードされ得る。例示的なヒト免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α(IgA1およびIgA2)、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに多数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。完全長の免疫グロブリン「軽鎖」(約25KDaまたは約214個のアミノ酸)はNH2末端において可変領域遺伝子によってコードされ(約110個のアミノ酸)、かつCOOH末端においてκまたはλ定常領域遺伝子によってコードされる。完全長の免疫グロブリン「重鎖」(約50KDaまたは約446個のアミノ酸)は、同様に、可変領域遺伝子によってコードされ(約116個のアミノ酸)、かつ他の上記の定常領域遺伝子の1つ、例えば、γ(約330個のアミノ酸をコードする)によってコードされる。HC CDR3が約3個のアミノ酸残基から35個超のアミノ酸残基まで異なるので、ヒトHCの長さは大きく変動する。
完全長抗体の「抗原結合断片」という用語は、目的の標的に特異的に結合する能力を保持した完全長抗体の1つ以上の断片を指す。完全長抗体の「抗原結合断片」という用語に包含される結合断片の例としては、(i)Fab断片(VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片);(ii)ヒンジ領域でジスルフィド結合により結合した2個のFab断片を含む二価断片であるF(ab’)断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546);ならびに(vi)機能性を保持する単離相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは、別々の遺伝子によりコードされるが、それらは、VLおよびVH領域が対合して単鎖Fv(scFv)として知られる一価分子を形成する単一タンパク質鎖としてそれらを作製することを可能にする合成リンカーにより、組換え方法を用いて結合できる。例えば、米国特許第5,260,203号、同第4,946,778号、および同第4,881,175号;Bird et al. (1988) Science 242:423−426;ならびにHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照されたい。
抗体断片は、当業者に既知である従来技術を含む任意の適切な技術を用いて得ることができる。「単一特異性抗体」という用語は、特定の標的(例えば、エピトープ)に対して単一の結合特異性および親和性を示す抗体を指す。この用語は「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」を含み、本明細書で使用する場合、抗体がどのように生成されたかを問わず、単一の分子組成物の抗体またはその断片の調製物を指す。
本明細書で使用する「結合親和性」とは、見かけ上の結合定数つまりKを指す。Kは、解離定数(K)の逆数である。結合タンパク質は、例えば、特定の標的分子(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE)に対する結合親和性が少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1であり得る。第二の標的と比較して第一の標的への結合タンパク質のより高い親和性の結合は、第二の標的への結合に対するK(またはK値)より高い第一の標的への結合に対するK(またはより小さいK値)によって示すことができる。かかる場合、結合タンパク質は、第二の標的(例えば、第二の高次構造のタンパク質もしくはその模倣物;または第二のタンパク質)と比較して第一の標的(例えば、第一の高次構造のタンパク質またはその模倣物)に対して特異性を有する。(例えば、特異性または他の比較における)結合親和性の相違は、少なくとも1.5、2、3、4、5、10、15、20、37.5、50、70、80、91、100、500、1000、10,000または10倍であり得る。
結合親和性は、平衡透析、平衡結合、ゲルろ過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(例えば、蛍光アッセイを使用する)を含む様々な方法により決定できる。結合親和性の例示的評価条件は、HBS−P緩衝液(10mMのHEPES pH7.4、150mMのNaCl、0.005%(v/v)界面活性剤P20)である。これらの技術を使用して、結合タンパク質(または標的)濃度の関数として、結合している結合タンパク質および遊離している結合タンパク質の濃度を測定できる。結合している結合タンパク質の濃度([結合])は、以下の式によって、遊離している結合タンパク質の濃度([遊離])および標的上の結合タンパク質の結合部位の濃度と関連付けられる:
[結合]=N・[遊離]/((1/K)+[遊離])
式中、(N)は標的分子当たりの結合部位数である。
しかしながら、Kは常に正確に決定する必要はない。なぜなら、時によっては、Kに比例する親和性の定量的測定値(例えば、ELISAまたはFACS分析などの方法を用いて決定する)を得れば十分であり、したがって、比較のため(より高い親和性が、例えば、2倍高いかどうかの決定など)に使用して、例えば、機能アッセイ(例えば、インビトロ(in vitro)またはインビボ(in vivo)アッセイ)における活性によって親和性の定性的測定値を得るか親和性の推定値を得ることができるからである。
「結合タンパク質」という用語は、標的分子と相互作用し得るタンパク質を指す。この用語を「リガンド」と互換可能に使用する。「IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質」とは、IGF−IIおよびIGF−IIEの両方と相互作用し得るタンパク質を指し、特にIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と選択的に相互作用するおよび/またはIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を選択的に阻害するタンパク質を含む。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は抗体である。同様に、「IGF−IIE結合タンパク質」とは、IGF−IIEのみと相互作用し得るタンパク質を指し、特に、IGF−IIEのみと選択的に相互作用するおよび/またはIGF−IIEのみを選択的に阻害するタンパク質を含む。
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。多数のフレームワークおよびCDRのアミノ酸残基が1つ以上の保存的置換を含むことが可能である。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、本明細書に記載の結合タンパク質と比較して、タンパク質機能に対する実質的な効果を有さない変異(例えば、少なくとも1、2、もしくは4個、ならびに/または15、10、5、もしくは3個未満)を有し得る(例えば、保存的または非必須アミノ酸置換)。特定の置換が容認できるかどうか、すなわち、結合活性などの生物学的特性に悪影響を及ぼさないかどうかについては、例えば、変異が保存的であるかどうかを評価することによって、またはBowie, et al. (1990) Science 247:1306−1310の方法によって予想できる。
生体ポリマーのモチーフ配列は、アミノ酸が異なり得る位置を含み得る。例えば、かかる文脈中の記号「X」は、一般に、任意のアミノ酸(例えば、20種の天然アミノ酸のいずれかまたは19種の非システインアミノ酸のいずれか)を指す。他の許容されるアミノ酸を、例えば、丸括弧および斜線を用いて示すこともできる。例えば、「(A/W/F/N/Q)」とは、アラニン、トリプトファン、フェニルアラニン、アスパラギン、およびグルタミン酸が、その特定の位置で許容されることを意味する。
「事実上ヒトの」免疫グロブリン可変領域とは、免疫グロブリン可変領域が正常なヒトで免疫原性応答を誘発しないように十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含む免疫グロブリン可変領域である。「事実上ヒト」抗体とは、抗体が正常なヒトで免疫原性応答を誘発しないように十分な数のヒトアミノ酸位置を含む抗体である。
「エピトープ」とは、結合タンパク質(例えば、Fabまたは完全長抗体などの抗体)によって結合される標的化合物上の部位を指す。標的化合物がタンパク質である場合、この部位は、完全にアミノ酸成分から構成されるか、完全にタンパク質のアミノ酸の化学修飾(例えば、グリコシル部分)から構成されるか、その組み合わせから構成され得る。重複エピトープは、少なくとも1つの共通のアミノ酸残基、グリコシル基、リン酸基、硫酸基、または他の分子の特徴を含む。
ある(第一)抗体は、別の(第二)抗体が結合する標的化合物上の同一部位と結合する場合、または例えば、第二抗体が結合する部位と重複する(例えばアミノ酸配列または他の分子の特性(例えば、グリコシル基、リン酸基、または硫酸基)に関して、例えば50%、60%、70%、80%、90%、または100%重複する)部位と結合する場合、第二抗体と「同一のエピトープと結合する」。
ある(第一)抗体は、第一抗体のエピトープに対する結合が別の(第二)抗体の該エピトープに対する結合量を(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、または100%超)低減する場合、第二抗体と「結合について競合する」。競合は、直接的(例えば、第一抗体が、第二抗体により結合されるエピトープと同一であるかまたは重複するエピトープと結合する)でもあり得、間接的(例えば、第一抗体のエピトープへの結合が、第二抗体の該エピトープへの結合能を低減する立体的な変化を標的化合物において引き起こす)でもあり得る。
2配列間の「相同性」または「配列同一性」(これらの用語は本明細書において互換可能に使用する)の計算を、以下のように行う。至適に比較できるように配列を整列させる(例えば、至適に整列するために第一および第二のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方にギャップを導入し、比較するために非相同配列を無視することができる)。ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4、およびフレームシフトギャップペナルティ5を使用したBlossum62スコアリング行列を有するGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して、至適なスコアとして至適な整列を決定する。次いで、対応するアミノ酸の位置またはヌクレオチドの位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列中の位置が第二の配列中の対応する位置と同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、その位置で分子は同一である(本明細書で使用する、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と互換可能である)。2配列間の同一率(%)は、配列が共有する同一の位置の数の関数である。
1つの好ましい実施形態では、比較のために整列させた基準配列の長さは、基準配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、よりさらに好ましくは少なくとも60%、よりさらに好ましくは少なくとも70%、80%、90%、92%、95%、97%、98%、または100%である。例えば、基準配列は、免疫グロブリン可変ドメイン配列の長さであり得る。
「ヒト化」免疫グロブリン可変領域は、免疫グロブリン可変領域が正常なヒトで免疫原性応答を誘発しないように十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含むように修飾された免疫グロブリン可変領域である。「ヒト化」免疫グロブリンの説明としては、例えば、米国特許第6,407,213号および米国特許第5,693,762号が挙げられる。
本明細書で使用する「低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または超高ストリンジェンシー条件下のハイブリッド形成」という用語は、ハイブリッド形成および洗浄の条件を説明する。ハイブリッド形成反応を実施するためのガイダンスは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1−6.3.6に見出すことができる。水性方法および非水性方法は、この参考文献に記載されており、いずれをも使用することができる。本明細書で参照する特異的ハイブリッド形成条件は以下のとおりである:(1)約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、続いて少なくとも50℃の0.2×SSC、0.1%SDS中で2回洗浄する低ストリンジェンシーハイブリッド形成条件(洗浄温度は、低ストリンジェンシー条件では55℃に上昇させることができる)、(2)約45℃での6×SSC、続いて60℃の0.2×SSC、0.1%SDSで1回以上洗浄する中ストリンジェンシーハイブリッド形成条件、(3)約45℃での6×SSC、続いて65℃の0.2×SSC、0.1%SDSで1回以上洗浄する高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件、および(4)65℃での0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS、続いて65℃の0.2×SSC、1%SDSで1回以上洗浄する超高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件。超高ストリンジェンシー条件(4)が好ましい条件であり、他で明記しない限り、これを使用すべきである。本開示には、低、中、高、または超高ストリンジェンシーで本明細書に記載の核酸またはその相補物(例えば、本明細書に記載の結合タンパク質をコードする核酸)とハイブリッド形成する核酸が含まれる。核酸は、基準核酸と同一の長さであり得るか、基準核酸の長さの30、20、または10%以内であり得る。核酸は、本明細書に記載の免疫グロブリン可変ドメイン配列をコードする領域に対応し得る。
「単離組成物」とは、単離組成物を得ることができる天然試料の少なくとも1つの成分の少なくとも90%から取り出された組成物を指す。人工的または天然に産生された組成物は、目的の種または種の集団が重量−重量ベースで少なくとも5、10、25、50、75、80、90、92、95、98、または99%の純度である場合、「少なくとも一定の純度の組成物」であり得る。
「調節因子」という用語は、調節をもたらす能力を有し得る、ポリペプチド、核酸、ポリマー、複合体、分子、低分子、化合物、種など(天然または非天然)、または細菌、植物、真菌、もしくは動物細胞もしくは動物組織などの生体物質からの抽出物を指す。調節因子を、機能特性、生物活性もしくは過程またはこれらの組み合わせについての(直接的または間接的な)阻害剤または活性化因子(例えば、アゴニスト、部分的アンタゴニスト、部分的アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト、抗菌剤、微生物感染または増殖の阻害剤など)としての潜在的活性をアッセイにおいて評価し得る。かかるアッセイでは、多数の調節因子を同時にスクリーニングし得る。調節因子の活性は既知、未知、または部分的に既知であり得る。
「必須」アミノ酸残基の変化が実質的な活性の消失に至るのに対して、「非必須」アミノ酸残基は、生物活性を消滅させずにまたはさらに好ましくは実質的に改変せずに、結合剤(例えば、抗体)の野生型配列から改変され得る残基である。
主題の方法により治療されるべき「患者」、「対象」または「宿主」とは、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを意味し得る。
対象における疾患の「予防」または対象における疾患を「予防する」という用語は、対象に薬物治療を供すること(例えば、薬剤投与)を指し、疾患の少なくとも1つの症状が予防されるように、すなわち、望ましくない容態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない容態)の発現から宿主を保護するように望ましくない容態の臨床的顕在化の前に投与することである。疾患の「予防」は「予防法」または「予防治療」とも呼び得る。
本明細書で使用する「実質的に同一」(または「実質的に相同」)という用語は、第一および第二のアミノ酸または核酸配列が類似の活性(例えば、結合活性、結合優先性、または生物活性)を有する(またはこれらを有するタンパク質をコードする)ように第二のアミノ酸または核酸配列と同一または等価な(例えば、類似の側鎖、例えば、保存的アミノ酸置換を有する)アミノ酸残基またはヌクレオチドを十分な数で含む第一のアミノ酸または核酸配列を指すために本明細書で使用する。抗体の場合、第二の抗体は、同一の抗原に対して同一の特異性を有し、少なくとも50%、少なくとも25%、または少なくとも10%の親和性を有する。
本明細書に開示の配列と類似または相同な(例えば、少なくとも約85%の配列同一性)配列も本出願の一部である。いくつかの実施形態では、配列同一性は、約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超え得る。さらに、核酸セグメントが選択的ハイブリッド形成条件下(例えば、高ストリンジェントなハイブリッド形成条件下)で鎖の相補物とハイブリッド形成する場合、実質的な同一性が存在する。核酸は、完全細胞、細胞溶解物、部分精製形態、または実質的に純粋な形態で存在し得る。
統計的有意性は当該技術分野で既知の任意の方法により決定できる。例示的な統計的検定としては、スチューデントT検定、マンホイットニーUのノンパラメトリック検定、およびウィルコクソンのノンパラメトリック統計検定が挙げられる。いくつかの統計的に有意な関係は0.05または0.02未満のP値を有する。特定の結合タンパク質は、(例えば、特異性または結合において)統計的有意差(例えば、P値<0.05または0.02)を示し得る。例えば、2つの状態間の識別可能な定性的または定量的差異を示す、「誘発する」、「阻害する」、「増強する」、「上昇する」、「増大する」、「低減する」などの用語は、2つの条件間の差異(例えば、統計的有意差)を指し得る。
「治療する」または「治療」という用語は、対象、例えば、患者、例えば、障害(例えば、本明細書に記載の障害)、障害症状または障害素因を有する患者に対する、障害、障害症状または障害素因を例えば、治癒する(cure)、治癒する(heal)、緩和する、軽減する、改変する、修復する、寛解する、改善する、または影響を及ぼすための、単独または1つ以上の他剤(例えば、第二薬)と併用した薬剤の適用または投与を指す。細胞の処置とは、細胞活性、例えば、内皮細胞が管または血管を形成する能力の低減を指す。低減とは活性の総除去を必ずしも要さないが、細胞活性または細胞数の低減、例えば、統計的に有意な低減である。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質
本開示は、SScに伴う肺線維症の治療(または予防)方法における、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)の両方またはいずれかと結合しかつ少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば、結合タンパク質)の使用を提供する。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、免疫グロブリン重鎖(HC)可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖(LC)可変ドメイン配列を含む。いくつかの例示的IGF−II/IGF−IIEおよびIGF−IIE結合タンパク質について本明細書に記載する。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、単離タンパク質であり得る(例えば、他のタンパク質を少なくとも70、80、90、95、または99%含まない)。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、IGF−IIおよびIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよびIGF−IIE)の両方をさらに阻害し得る。
1つの態様では、本開示は、IGF−IIおよびIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよびIGF−IIE)と結合しかつ少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば、単離タンパク質)を特徴とする。例えば、タンパク質は、免疫グロブリン重鎖(HC)可変ドメイン配列および/または免疫グロブリン軽鎖(LC)可変ドメイン配列を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、IGF−IIおよびIGF−IIE、例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと結合し、かつそれらを阻害する。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRもしくはヒトフレームワーク領域;(b)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)含むこと;(c)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)含むこと;(d)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること;(e)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインと少なくとも85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること;(f)前記タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合されるエピトープ、もしくはかかるエピトープと重複するエピトープと結合すること;ならびに(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域。
ある実施形態では、タンパク質は、IGF−IIの以下のエピトープまたはその断片と結合する:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。エピトープ断片は、本明細書に記載のタンパク質が特異的に結合するものである。
さらに特に、タンパク質はIGF−IIの以下の配列またはその断片と結合し得る:
Figure 2012505900
ここで太字ではない残基は保存的変異により置換されてもよい。
タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)と、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトIGF−IIおよびIGF−IIE活性を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、IGF−IIおよびIGF−IIEのみならず、IGF−I受容体(IGF−1R)活性および/またはインスリン受容体のアイソフォーム(IR−A)活性を調節し得る。タンパク質はIGF−1R、IR−A、ならびにIGF−IIおよびIGF−IIE活性を阻害し得る。ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対するタンパク質の親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は抗体であり得る。IGF−II/IGF−IIE結合抗体は、単一ポリペプチド(例えば、scFv)、または別個のポリペプチド(例えば、IgGまたはFab)上に含まれるHCおよびLC可変ドメイン配列を有し得る。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、DX−2647、およびDX−2655からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)ならびに重鎖CDRを1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fabであり得る。他の実施形態では、タンパク質は、Fab2’、scFv、ミニボディ、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメインを含むか、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメインを含むか、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、または99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIGF−IIおよびIGF−IIEに対する霊長類抗体の親和性は1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
ある実施形態では、タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEを発現する腫瘍細胞、例えば、結腸直腸細胞株SW1116(グレードA)、SW480(グレードB)、HT29、HT29、SW480、CaCO2、HCT116、SW620(すべてグレードC)、およびCOLO205(グレードD);乳癌細胞株MCF−7および4T1;子宮癌細胞株SKUT−1(中胚葉腫瘍)、横紋筋肉腫細胞株、ならびに肝細胞癌腫細胞株HepG2、HuH7およびHep3Bに対する結合能があり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、肺線維芽細胞または線維芽細胞巣と結合できる。
IGF−IIおよびIGF−IIE
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質が開発され得る例示的なIGF−IIおよびIGF−IIE配列としては、ヒトまたはマウスIGF−IIおよびIGF−IIEアミノ酸配列、これらの配列の1つと80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列、またはそれらの断片、例えば、シグナル配列またはプロドメインを有さない断片を含むことができる。ヒトおよびマウスIGF−IIおよびIGF−IIEアミノ酸配列、ならびにこれらをコードするmRNA配列を下に示す。
IGF−II
>インスリン様増殖因子II[ヒト、小細胞肺癌細胞株T3M−11、mRNA、1322nt](アクセッション番号S77035の一部)
Figure 2012505900
>インスリン様増殖因子II;IGF−II[Homo sapiens]。(アクセッション番号AAB34155の一部)
Figure 2012505900
>ハツカネズミ(Mus Musculus)インスリン様増殖因子2、mRNA(cDNAクローンMGC:60598 画像:30013295)、完全cds.(アクセッション番号BC053489の一部)
Figure 2012505900
>Igf2タンパク質[ハツカネズミ(Mus Musculus)]。(アクセッション番号AAH53489の一部)
Figure 2012505900
IGF−IIE
>インスリン様増殖因子II[ヒト、小細胞肺癌細胞株T3M−11、mRNA、1322nt](アクセッション番号S77035の一部)
Figure 2012505900
>インスリン様増殖因子II;IGF−II[Homo sapiens]。(アクセッション番号AAB34155)
Figure 2012505900
>ハツカネズミ(Mus Musculus)インスリン様増殖因子2、mRNA(cDNAクローンMGC:60598 画像:30013295)、完全cds.(アクセッション番号BC053489の一部)
Figure 2012505900
>Igf2タンパク質[ハツカネズミ(Mus Musculus)]。(アクセッション番号AAH53489)
Figure 2012505900
ディスプレイライブラリー
ディスプレイライブラリーは、実体のコレクションであり、各実体は、利用可能なポリペプチド成分ならびにポリペプチド成分をコードもしくは同定する回収可能な成分を含む。ポリペプチド成分は変化し、その結果、異なるアミノ酸配列が表現される。ポリペプチド成分は、任意の長さ(例えば、3個のアミノ酸〜300個超のアミノ酸)であり得る。ディスプレイライブラリーの実体は、複数のポリペプチド成分(例えば、sFabの2本のポリペプチド鎖)を含むことができる。1つの例示的な実施形態では、ディスプレイライブラリーを使用して、IGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合するタンパク質を同定できる。選択では、ライブラリーの各メンバーのポリペプチド成分を、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(またはそれらの断片)を用いて探索し、ポリペプチド成分がIGF−IIおよび/またはIGF−IIEと結合する場合、ディスプレイライブラリーメンバーを、典型的には、支持体上に保持することによって同定する。
保持されたディスプレイライブラリーメンバーを支持体から回収し、分析する。分析は、増幅およびその後の類似したまたは類似しない条件下での選択を含むことができる。例えば、ポジティブ選択とネガティブ選択を交互に行うことができる。分析は、詳細な特性決定のためのポリペプチド成分のアミノ酸配列決定およびポリペプチド成分の精製も含むことができる。
ディスプレイライブラリー用に様々な形式を使用できる。例としては、下記のものが挙げられる。
ファージディスプレイ:タンパク質成分は、典型的には、バクテリオファージ被覆タンパク質と共有結合している。結合は、被覆タンパク質に融合したタンパク質成分をコードする核酸の翻訳に由来する。結合には、可動性ペプチドリンカー、プロテアーゼ部位、または終止コドンの抑制の結果として組み込まれたアミノ酸が含まれ得る。ファージディスプレイは、例えば、米国特許第5,223,409号;Smith (1985) Science 228:1315−1317;WO92/18619号;WO91/17271号;WO92/20791号;WO92/15679号;WO93/01288号;WO92/01047号;WO92/09690号;WO90/02809号;de Haard et al. (1999) J.Biol. Chem 274:18218−30; Hoogenboom et al. (1998) Immunotechnology 4:1−20; Hoogenboom et al. (2000) Immunol Today 2:371−8 and Hoet et al. (2005) Nat Biotechnol. 23(3)344−8に記載されている。タンパク質成分を提示するバクテリオファージは、増殖させ、標準的なファージ調製方法(例えば増殖培地からのPEG沈殿法)を用いて採集することができる。各ディスプレイファージの選択後、選択したタンパク質成分をコードする核酸を、選択したファージを感染させた細胞またはファージ自体から増幅後に単離できる。各コロニーまたはプラークを選別し、核酸を単離し、配列決定することができる。
他のディスプレイ形式。他のディスプレイ形式としては、細胞ベースのディスプレイ(例えば、WO03/029456号を参照されたい)、タンパク質−核酸融合(例えば、米国特許第6,207,446号を参照されたい)、リボゾームディスプレイ(例えば、Mattheakis et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:9022およびHanes et al. (2000) Nat Biotechnol. 18:1287−92; Hanes et al. (2000) Methods Enzymol. 328:404−30;およびSchaffitzel et al. (1999) J Immunol Methods. 231(1−2):119−35を参照されたい)、および大腸菌(E.coli)周辺質ディスプレイ(J Immunol Methods. 2005 Nov 22;PMID: 16337958)が挙げられる。
足場。ディスプレイに有用な足場には、以下が含まれる:抗体(例えば、Fab断片、単鎖Fv分子(scFV)、単一ドメイン抗体、ラクダ抗体、およびラクダ化抗体);T細胞受容体;MHCタンパク質;細胞外ドメイン(例えば、フィブロネクチンIII型受容体、EGF反復);プロテアーゼ阻害剤(例えば、Kunitzドメイン、エコチン、BPTIなど);TPR反復;三葉構造;亜鉛フィンガードメイン;DNA結合タンパク質;特に、単量体DNA結合タンパク質;RNA結合タンパク質;酵素、例えば、プロテアーゼ(特に、不活化プロテアーゼ)、RNアーゼ;シャペロン(例えば、チオレドキシンおよび熱ショックタンパク質);細胞内シグナル伝達ドメイン(SH2およびSH3ドメインなど);直鎖および拘束ペプチド;ならびに直鎖ペプチド基質。ディスプレイライブラリーは、合成および/または天然の多様性を含み得る。例えば、米国特許第2004−0005709号を参照されたい。
ディスプレイ技術を使用して、標的の特定のエピトープと結合する結合タンパク質(例えば、抗体)を得ることもできる。これは、例えば、特定のエピトープを欠くかエピトープ内で例えばアラニンにて変異された競合非標的分子を用いることにより行うことができる。かかる非標的分子は、ディスプレイライブラリーを標的と結合させる時の競合分子として、または、例えば、標的特異的ではないディスプレイライブラリーメンバーを分離する洗浄液中で捕捉するための前溶出剤として、下記のネガティブ選択手順で使用できる。
反復選択。1つの好ましい実施形態では、ディスプレイライブラリー技術を反復様式で使用する。第一のディスプレイライブラリーを使用して、標的に対する結合タンパク質を1つ以上同定する。次いで、変異誘発法を用いてこれらの同定された結合タンパク質を変化させ、第二のディスプレイライブラリーを形成する。次いで、例えば、より高いストリンジェンシー、またはより高い競合性の結合および洗浄条件を用いることにより、親和性のより高い結合タンパク質を第二のライブラリーから選択する。
いくつかの実施形態では、変異誘発は、結合面の領域を標的とする。例えば、同定された結合タンパク質が抗体である場合、変異誘発は、本明細書に記載の重鎖または軽鎖のCDR領域に向けることができる。さらに、変異誘発は、CDR付近またはCDRに隣接したフレームワーク領域に向けることができる。抗体の場合、変異誘発は、例えば、正確な段階的改善を行うために1つまたは数個のCDRに限定することもできる。例示的な変異誘発技術としては、エラープローンPCR、組換え、DNAシャフリング、部位特異的変異誘発およびカセット変異誘発が挙げられる。
反復選択の1つの例では、本明細書に記載の方法を使用して、標的に対して少なくとも最小限の結合特異性または最小限の活性(例えば、1nM、10nM、または100nM未満の結合についての平衡解離定数)でIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合するタンパク質をディスプレイライブラリーから最初に同定する。最初に同定したタンパク質をコードする核酸配列を、変異の導入のための核酸鋳型として使用して、例えば、第一タンパク質と比較して増強された特性(例えば、結合親和性、反応速度、または安定性)を有する第二タンパク質を同定する。
オフレート選択。遅い解離速度は、特にポリペプチドとその標的との間の相互作用に関して高親和性と予想することができるため、本明細書に記載の方法を使用して、標的への結合相互作用のための所望の(例えば、低減した)速度論的解離速度を有する結合タンパク質を単離することができる。
ディスプレイライブラリーから解離の遅い結合タンパク質を選択するために、ライブラリーを、固定した標的と接触させる。次いで、固定した標的を、非特異的にまたは弱く結合した生体分子を除去する第一の溶液で洗浄する。次いで、結合した結合タンパク質を、飽和量の遊離標的または標的特異的高親和性競合モノクローナル抗体(すなわち、粒子に付着していない標的の複製物)を含む第二の溶液で溶離する。遊離標的は、標的から解離した生体分子と結合する。再結合は、より低い濃度の固定した標的と比較して、飽和量の遊離標的により効果的に阻止される。
第二の溶液は、実質的に生理的であるかストリンジェントである溶液条件を有し得る。典型的には、第二の溶液の溶液条件は、第一の溶液の溶液条件と同一である。第二の溶液の画分を、初期画分と後期画分とを区別するために、時間順序で採集する。後期画分は、初期画分中の生体分子よりも遅い速度で標的から解離する生体分子を含む。
さらに、長期間のインキュベーション後でさえも標的と結合し続けるディスプレイライブラリーメンバーを採集することも可能である。これらを、カオトロピック条件を用いて解離させるか、標的に付着させながら増幅させるかのいずれかを行うことができる。例えば、標的に結合したファージを、細菌細胞に接触させることができる。
特異性の選択またはスクリーニング。本明細書に記載のディスプレイライブラリースクリーニング方法は、非標的分子と結合するディスプレイライブラリーメンバーを廃棄する選択またはスクリーニング過程を含み得る。非標的分子の例としては、磁性ビーズ上のストレプトアビジン、ウシ血清アルブミンなどのブロッキング剤、脱脂牛乳、大豆タンパク質、任意の捕捉もしくは標的固定モノクローナル抗体、または標的を発現しない非形質移入細胞が挙げられる。
1つの実施形態では、いわゆる「ネガティブ選択」工程を使用して、標的分子と、関連する非標的分子と、関連するが別個の非標的分子とを識別する。ディスプレイライブラリーまたはそのプールを、非標的分子と接触させる。非標的と結合しない試料メンバーを採集して、標的分子への結合についての選択、またはその後のネガティブ選択に使用する。ネガティブ選択工程は、標的分子と結合するライブラリーメンバーの選択前に行うことも後に行うこともできる。
別の実施形態では、スクリーニング工程を使用する。ディスプレイライブラリーメンバーを標的分子との結合のために単離後、単離した各ライブラリーメンバーの非標的分子(例えば、上に挙げた非標的)に結合する能力について試験する。例えば、高処理ELISAスクリーニングを用いて、このデータを得ることができる。ELISAスクリーニングを用いて、各ライブラリーメンバーの標的への結合ならびに関連標的または標的のサブユニット(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE)に対する異種間の反応性についての定量的データを得ることもでき、異なる条件下(pH6またはpH7.5など)でも用いることができる。(例えば、コンピュータおよびソフトウェアを用いて)非標的結合データと標的結合データを比較して、標的に特異的に結合するライブラリーメンバーを同定する。
他の例示的発現ライブラリー
他のタイプのタンパク質のコレクション(例えば、発現ライブラリー)を用いて、特定の特性(例えば、IGF−IIおよびIGF−IIEとの結合能)を有するタンパク質(例えば、抗体のタンパク質アレイ、例えば、De Wildt et al. (2000) Nat. Biotechnol. 18:989−994を参照されたい)、λgt11ライブラリー、2ハイブリッドライブラリーなどを含む)を同定できる。
例示的ライブラリー
非ヒト霊長類を免疫化し、ファージ上にディスプレイできる霊長類抗体遺伝子を採集することが可能である(以下を参照されたい)。かかるライブラリーから、免疫化で使用した抗原と結合する抗体を選択できる。例えば、Vaccine. (2003) 22(2):257−67またはImmunogenetics. (2005) 57(10):730−8を参照されたい。したがって、チンパンジーもしくはマカクを免疫化し、IGF−IIおよびIGF−IIEと結合するならびにIGF−IIおよびIGF−IIEを阻害する霊長類抗体を選択もしくはスクリーニングする様々な手段を用いることにより、IGF−IIおよびIGF−IIEと結合するならびにIGF−IIおよびIGF−IIEを阻害する霊長類抗体を得ることができる。ヒト定常領域を有する霊長類化Fabのキメラを作製することもできる(Curr Opin Mol Ther. (2004) 6(6):675−83を参照されたい)。カニクイマカクザルおよびヒトの成分由来の遺伝子操作した霊長類化抗体は、ヒト抗体と構造的に識別不能である。したがって、霊長類化抗体は、ヒトにおいて有害反応を引き起こす可能性が低く、長期の常習的な治療に潜在的に適切となる。Curr Opin Investig Drugs. (2001) 2(5):635−8。
1つの例示的なライブラリーのタイプは、それぞれが免疫グロブリンドメイン(例えば、免疫グロブリン可変ドメイン)を含む多様なポリペプチドプールを提示する。目的のものは、ライブラリーメンバーが、霊長類または「霊長類化」(例えば、ヒト、非ヒト霊長類または「ヒト化」など)免疫グロブリンドメイン(例えば、免疫グロブリン可変ドメイン)を含むか、またはヒト定常領域を有するキメラ霊長類化Fabを含む、ディスプレイライブラリーである。ヒトまたはヒト化免疫グロブリンドメインライブラリーを使用して、例えば、ヒト抗原を認識するヒトまたは「ヒト化」抗体を同定し得る。抗体の定常領域およびフレームワーク領域がヒトであるため、これらの抗体は、ヒトに投与された時、それら抗体自体が抗原として認識され標的とされることを回避し得る。定常領域は、ヒト免疫系のエフェクター機能を動員するために至適化もされ得る。インビトロディスプレイ選択過程は、正常なヒト免疫系が自己抗原に対する抗体を生成できないという課題を克服する。
典型的な抗体ディスプレイライブラリーは、VHドメインおよびVLドメインを含むポリペプチドを提示する。「免疫グロブリンドメイン」とは、免疫グロブリン分子の可変または定常ドメイン由来のドメインを指す。免疫グロブリンドメインは、典型的には、約7つのβ鎖および保存されたジスルフィド結合から形成される2つのβ−シートを含む(例えば、A. F. Williams and A. N. Barclay, 1988, Ann. Rev. Immunol. 6:381−405を参照されたい)。ディスプレイライブラリーは、抗体をFab断片として(例えば、2本のポリペプチド鎖を用いて)または単鎖Fvとして(例えば、単ポリペプチド鎖を用いて)提示できる。他の形式も使用できる。
Fabおよび他の形式の場合、提示された抗体は、軽鎖および/または重鎖の一部として定常領域を1つ以上含むことができる。1つの実施形態では、例えば、Fabの場合、各鎖は1つの定常領域を含む。他の実施形態では、さらなる定常領域を提示する。
抗体ライブラリーは、いくつかの過程により構築できる(例えば、de Haard et al., 1999, J. Biol. Chem. 274:18218−30; Hoogenboom et al., 1998, Immunotechnology 4:1−20; Hoogenboom et al., 2000, Immunol. Today 21:371−378、およびHoet et al. (2005) Nat Biotechnol. 23(3)344−8を参照されたい)。さらに、各過程の要素を他の過程の要素と組み合わせることができる。これらの過程は、単一の免疫グロブリンドメイン(例えば、VHまたはVL)または複数の免疫グロブリンドメイン(例えば、VHおよびVL)に変異が導入されるように使用できる。変異は、例えば、1つ以上のCDR1、CDR2、CDR3、FR1、FR2、FR3、およびFR4の領域(重鎖および軽鎖可変ドメインのいずれかおよび両方のかかる領域を指す)中の免疫グロブリン可変ドメインに導入できる。この変異(1つまたは複数)は、所与の可変ドメインの全3つのCDR、または(例えば、重鎖可変ドメインの)CDR1およびCDR2に導入し得る。いかなる組み合わせも実行可能である。1つの過程では、CDRをコードする多様なオリゴヌクレオチドの核酸の対応する領域への挿入により抗体ライブラリーを構築する。オリゴヌクレオチドは、単量体ヌクレオチドまたはトリヌクレオチドを用いて合成できる。例えば、Knappik et al., 2000, J. Mol. Biol. 296:57−86は、オリゴヌクレオチドの許容のために操作した制限部位を有する鋳型とトリヌクレオチド合成とを用いてオリゴヌクレオチドをコードするCDRを構築する方法について記載している。
別の過程では、動物(例えば、齧歯類)をIGF−IIおよびIGF−IIEで免疫化する。この動物を任意に抗原で追加免疫してさらに応答を刺激する。次いで、この動物から脾臓細胞を単離し、VHおよび/またはVLドメインをコードする核酸を増幅し、ディスプレイライブラリー中の発現についてクローニングする。
さらに別の過程では、ナイーブ生殖系列免疫グロブリン遺伝子から増幅した核酸から抗体ライブラリーを構築する。増幅した核酸は、VHおよび/またはVLドメインをコードする核酸を含む。免疫グロブリンコード核酸の供給源を以下に記載する。増幅は、PCR(例えば、保存された定常領域にアニーリングするプライマーを使用)、または別の増幅方法を含むことができる。
免疫グロブリンドメインをコードする核酸は、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、マウス、ウサギ、ラクダ、または齧歯類の免疫細胞から得ることができる。1つの例では、細胞を特定の特性について選択する。様々な成熟期のB細胞を選択できる。別の例では、B細胞はナイーブである。
1つの実施形態では、蛍光活性化細胞選別器(FACS)を用いて、表面結合性IgM、IgD、またはIgG分子を発現するB細胞を選別する。さらに、IgGの異なるアイソタイプを発現するB細胞を単離できる。別の好ましい実施形態では、B細胞またはT細胞をインビトロで培養する。細胞は、例えば、支持細胞との培養により、またはマイトジェンもしくは他の調節試薬(CD40抗体、CD40リガンドもしくはCD20、酢酸ミリスチン酸ホルボール、細菌リポ多糖、コンカナバリンA、植物性血球凝集素、またはヤマゴボウマイトジェンなど)の添加によりインビトロで刺激できる。
別の実施形態では、細胞は、本明細書に記載の病態、例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症を有する対象から単離される。
1つの好ましい実施形態では、細胞は、体細胞超変異プログラムを活性化している。例えば、抗免疫グロブリン、抗CD40、および抗CD38抗体での処置により細胞を刺激して免疫グロブリン遺伝子の体細胞変異誘発を行うことができる、(例えば、Bergthorsdottir et al., 2001, J. Immunol. 166:2228を参照されたい)。別の実施形態では、細胞はナイーブである。
免疫グロブリン可変ドメインをコードする核酸は、以下の例示的方法により天然のレパートリーから単離できる。まず、RNAを免疫細胞から単離する。完全長(すなわち、キャッピングされた)mRNAを解離する(例えば子牛腸ホスファターゼでキャッピングされていないRNAの分解による)。次いで、タバコ酸ピロホスファターゼを用いてキャップを除去し、逆転写を用いてcDNAを産生する。
第一(アンチセンス)鎖の逆転写は、任意の適切なプライマーと任意の方法で行うことができる。例えば、de Haard et al., 1999, J. Biol. Chem. 274:18218−30を参照されたい。プライマー結合領域は、例えば、免疫グロブリンの異なるアイソタイプを逆転写するために異なる免疫グロブリン間で一定であり得る。プライマー結合領域は、免疫グロブリンの特定のアイソタイプに特異的でもあり得る。典型的には、プライマーは、少なくとも1つのCDRをコードする配列の3末端側である領域に特異的である。別の実施形態では、ポリdTプライマーを使用し得る(重鎖遺伝子にとって好ましいかもしれない)。
合成配列は、逆転写した鎖の3末端に連結できる。合成配列は、逆転写後のPCR増幅中の順方向プライマーの結合のためのプライマー結合部位として使用できる。合成配列の使用により、利用可能な多様性を完全に捕捉するために異なる順方向プライマーのプールを使用する必要性を回避できる。
次いで、可変ドメインコード遺伝子を、例えば、1回以上のラウンドを用いて増幅する。複数ラウンドを使用する場合、信頼性を高めるためにネスト化プライマーを使用できる。次いで、増幅した核酸を、ディスプレイライブラリーベクターにクローニングする。
二次スクリーニング方法
標的と結合する候補ライブラリーメンバーを選択後、各候補ライブラリーメンバーをさらに分析して、例えば、標的(例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE)の結合特性、または別のタンパク質、例えば、別のIGFタンパク質(IGF−Iなど)との結合をさらに特徴付けることができる。各候補ライブラリーメンバーは、1つ以上の二次スクリーニングアッセイに供することができる。アッセイは、結合特性、触媒特性、阻害特性、生理特性(例えば、細胞傷害性、腎臓クリアランス、免疫原性)、構造特性(例えば、安定性、高次構造、オリゴマー形成状態)または別の機能特性について行い得る。同一アッセイを異なる条件下で反復使用して、例えば、pH、イオン感受性、または温度感受性を決定することができる。
適切な場合、アッセイは、ディスプレイライブラリーメンバーを直接使用することもでき、選択されたポリペプチドをコードする核酸から産生された組換えポリペプチドを使用することもでき、選択されたポリペプチド配列に基づき合成された合成ペプチドを使用することもできる。選択されたFabの場合、Fabを評価することもでき、インタクトなIgGタンパク質として修飾および産生することもできる。結合特性のための例示的アッセイとしては、以下が挙げられる。
ELISA。結合タンパク質は、ELISAアッセイを用いて評価できる。例えば、各タンパク質を、底面が標的(例えば、限られた量の標的)で被覆されているマイクロタイタープレートに接触させる。プレートを緩衝液で洗浄して非特異的に結合したポリペプチドを除去する。次いで、プレート上の標的と結合した結合タンパク質の量を、結合タンパク質(例えば、結合タンパク質のタグまたは一定の部分)を認識できる抗体を用いてプレートを探索することにより決定する。抗体は、検出システム(例えば、適切な基質を与えた場合に比色産物を産生するアルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などの酵素)に連結する。
均一結合アッセイ。本明細書に記載の結合タンパク質の標的結合能は、均一アッセイを用いて分析できる(すなわち、アッセイの全成分を添加後、さらなる流体の操作を必要としない)。例えば、均一アッセイとして蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を使用できる(例えば、Lakowicz et al.の米国特許第5,631,169号;Stavrianopoulos, et al.の米国特許第4,868,103号を参照されたい)。第二の分子(例えば、標的)が第一の分子(例えば、画分中で同定された分子)に近接して存在する場合、その放出された蛍光エネルギーが第二の分子上の蛍光標識により吸収されることができるように第一の分子上のフルオロフォア標識を選択する。第二の分子上の蛍光標識は転移エネルギーに吸収時に蛍光を発する。標識間のエネルギー転移の効率は分子間距離に比例するため、分子間の空間的関係を評価できる。分子間で結合が生じる状況では、アッセイにおける「アクセプター」分子標識の蛍光放出は最大であるはずである。FRETによるモニタリングのために構成された結合事象は、標準的な蛍光定量検出法により、例えば、蛍光光度計を用いて、都合よく測定できる。第一または第二の結合分子の量を滴定することにより結合曲線を作成して平衡結合定数を推定できる。
均一アッセイの別の例は、ALPHASCREEN(商標)(Packard Bioscience, Meriden CT)である。ALPHASCREEN(商標)は2つの標識されたビーズを使用する。一方のビーズは、レーザーによって励起時に一重項酸素を生成する。他方のビーズは、一重項酸素が第一のビーズから拡散されてそれと衝突した場合に光シグナルを生成する。シグナルは、2つのビーズが近接している場合にのみ生成される。一方のビーズをディスプレイライブラリーメンバーに付着し、他方を標的に付着することができる。シグナルを測定して、結合の程度を決定する。
表面プラズモン共鳴(SPR)。結合タンパク質と標的との間の相互作用は、SPRを用いて分析できる。SPRつまり生体分子相互作用分析(BIA)は、いかなる反応体も標識せずに、生体特異的相互作用をリアルタイムで検出する。BIAチップの結合表面の質量(結合事象を示す)の変化により、表面付近の光の屈折率が変化する(表面プラズモン共鳴(SPR)の光学現象)。屈折度の変化により、検出可能なシグナルが生成され、これを生体分子間のリアルタイム反応の指標として測定する。SPRの使用方法については、例えば、米国特許第5,641,640号;Raether, 1988, Surface Plasmons Springer Verlag; Sjolander and Urbaniczky, 1991, Anal. Chem. 63:2338−2345; Szabo et al., 1995, Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699−705およびBIAcore International AB (Uppsala, Swedenに提供されているオンライン情報源に記載されている。
SPR由来の情報を使用して、標的への結合タンパク質の結合についての平衡解離定数(K)、および速度変数(KonおよびKoffを含む)の正確かつ定量的な測定値を得ることができる。かかるデータを使用して、異なる生体分子を比較することができる。例えば、発現ライブラリーから選択されたタンパク質を比較して、標的に対する親和性が高いまたはKoffが遅いタンパク質を同定できる。この情報は、構造活性関係(SAR)を展開するために使用することもできる。例えば、親タンパク質の成熟版の速度および平衡結合変数を、親タンパク質の変数と比較できる。特定の結合変数(例えば、高親和性および遅いKoff)と相関する所与の位置の変異型アミノ酸を同定できる。この情報は、構造モデリングと(例えば、相同モデリング、エネルギー最小化、またはX線結晶学またはNMRによる構造決定を用いて)組み合わせることができる。結果として、タンパク質とその標的との間の物理的相互作用を定式化することができ、これを使用して、他の設計過程を誘導することができる。
細胞アッセイ。細胞表面上に目的の標的を一過性または安定して発現し提示する細胞に対して結合する能力について、結合タンパク質をスクリーニングできる。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を蛍光標識し、アンタゴニスト抗体の存在下または非存在下でのIGF−IIおよび/またはIGF−IIEへの結合を、フローサイトメトリー(例えば、FACS装置)を用いた蛍光強度の変化により検出できる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を得るための他の例示的方法
ディスプレイライブラリーの使用の他に、他の方法を用いてIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、抗体)を得ることができる。例えば、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEタンパク質またはそれらの領域を、非ヒト動物(例えば、齧歯類)における抗原として使用できる。
1つの実施形態では、非ヒト動物は、少なくとも一部のヒト免疫グロブリン遺伝子を含む。例えば、ヒトIg遺伝子座の巨大断片を用いて、マウス抗体産生を欠損したマウス株を操作することが可能である。ハイブリドーマ技術を用いて、所望の特異性を有する遺伝子由来の抗原特異的モノクローナル抗体(Mab)を産生および選択し得る。例えば、XENOMOUSE(商標)、Green et al., 1994, Nat. Gen. 7:13−21;米国特許第2003−0070185号、WO96/34096号(1996年10月31日公開)、およびPCT出願番号PCT/US96/05928号(1996年4月29日出願)を参照されたい。
別の実施形態では、非ヒト動物からモノクローナル抗体を得、次いで、修飾、例えば、ヒト化または脱免疫化する。Winterは、ヒト化抗体を調製するために使用し得るCDRグラフティング法について記載している(英国特許第2188638A号(1987年3月26日出願);米国特許第5,225,539号)。特定のヒト抗体のすべてのCDRを少なくとも一部の非ヒトCDRと置換してもよいし、CDRの一部のみを非ヒトCDRと置換してもよい。要されるのは、所定の抗原へのヒト化抗体の結合に要される数のCDRを置換することのみである。
ヒト化抗体は、ヒトFv可変領域由来の等価な配列と結合する抗原に直接関与しないFv可変領域配列を置換することにより生成できる。ヒト化抗体の一般的な生成方法については、Morrison, S. L., 1985, Science 229:1202−1207により、Oi et al., 1986, BioTechniques 4:214により、およびQueen et al.、米国特許第5,585,089号、米国特許第5,693,761号および米国特許第5,693,762号により提供されている。それらの方法は、少なくとも1本の重鎖または軽鎖由来の免疫グロブリンFv可変領域のすべてまたは一部をコードする核酸配列の単離、操作、および発現を含む。かかる核酸の供給源は多く利用可能である。例えば、上記のように、所定の標的に対する抗体を産生するハイブリドーマから核酸を得ることができる。次いで、ヒト化抗体をコードする組換えDNAまたはその断片を、適切な発現ベクターにクローニングできる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の免疫原性の減少
免疫グロブリン IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、IgGまたはFab IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質)を、免疫原性を減少するように修飾し得る。対象が治療分子に対する免疫応答を生じる可能性が減少するので、免疫原性の減少は、治療薬としての使用を意図するIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質で望ましい。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の免疫原性の減少に有用な技術としては、潜在的なヒトT細胞エピトープの欠失/修飾およびCDRの外側の配列(例えば、フレームワークおよびFc)の「生殖系列化」が挙げられる。
IGF−II/IGF−IIE結合抗体は、ヒトT細胞エピトープの特異的欠失またはWO98/52976号およびWO00/34317号に開示の方法による「脱免疫化」により修飾し得る。簡単に述べると、抗体の重鎖および軽鎖可変領域をMHCクラスIIと結合するペプチドについて分析し、これらのペプチドが、潜在的T細胞エピトープを提示する(WO98/52976号およびWO00/34317号に定義)。潜在的なT細胞エピトープの検出のために、「ペプチドトレッディング(peptide threading)」と呼ばれるコンピュータモデリングアプローチを適用し、および加えてヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベースを、WO98/52976号およびWO00/34317号に記載のように、VHおよびVL配列中に存在するモチーフについて検索できる。これらのモチーフは、18個の主要MHCクラスII DRアロタイプのいずれかと結合することにより、潜在的なT細胞エピトープを構成する。検出された潜在的なT細胞エピトープは、可変領域中の少数のアミノ酸残基を置換することにより、または好ましくは単一アミノ酸の置換により排除が行われ得る。可能な保存的置換を行う限り、ヒト生殖系列抗体配列の位置に共通のアミノ酸を頻繁に使用し得るが、これに限らない。ヒト生殖系列配列については、Tomlinson, I.A. et al., 1992, J. Mol. Biol. 227:776−798; Cook, G. P. et al., 1995, Immunol. Today Vol. 16 (5): 237−242; Chothia, D. et al., 1992, J. Mol. Bio. 227:799−817に開示されている。V BASEディレクトリは、ヒト免疫グロブリン可変領域配列の包括的ディレクトリを提供している(Tomlinson, I.A. et al. MRC Centre for Protein Engineering, Cambridge, UKによって編纂されている)。脱免疫化の変化を同定後、VおよびVをコードする核酸を、変異誘発または他の合成方法(例えば、de novo合成、カセット置換など)により構築できる。変異誘発した可変配列は、任意に、ヒト定常領域(例えば、ヒトIgG1)またはκ定常領域と融合できる。
一部の場合、潜在的T細胞エピトープは、抗体機能にとって重要であることが知られているまたは予想される残基を含む。例えば、潜在的T細胞エピトープは、通常、CDRに偏っている。さらに、潜在的T細胞エピトープは、抗体の構造および結合に重要なフレームワーク残基で生じ得る。これらの潜在的エピトープの排除を行うための変更には、一部の場合、例えば、変化した鎖および変化していない鎖の作製および試験によるさらなる精査が必要となる。可能な場合、CDRと重複する潜在的T細胞エピトープを、CDRの外側の置換により排除した。一部の場合、CDR内の改変は唯一の選択肢であるので、置換を含む変異型および含まない変異型を試験すべきである。他の場合、潜在的T細胞エピトープの排除に必要な置換は、抗体結合にとって重要であり得るフレームワーク内の残基位置で行う。これらの場合、置換を含む変異型および含まない変異型を試験すべきである。したがって、一部の場合、重鎖および軽鎖可変領域を脱免疫化したいくつかの変異型を設計し、様々な重/軽鎖の組み合わせを試験して至適な脱免疫化抗体を同定した。次いで、脱免疫化の範囲(すなわち、可変領域に残る潜在的T細胞エピトープ数)と併せて異なる変異型の結合親和性を考慮することにより最終的な脱免疫化抗体を選択することができる。脱免疫化を用いて、任意の抗体、例えば、非ヒト配列を含む抗体(例えば、合成抗体)、マウス抗体、他の非ヒトモノクローナル抗体、またはディスプレイライブラリーから単離した抗体を修飾できる。
結合特性が実質的に保持される限り、フレームワーク領域の1つ以上の非生殖系列アミノ酸を、抗体の対応する生殖系列アミノ酸に戻すことによりIGF−II/IGF−IIE結合抗体を「生殖系列化」する。類似の方法を、定常領域(例えば、定常免疫グロブリンドメイン)中で使用することもできる。
IGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合する抗体(例えば、本明細書に記載の抗体)は、1つ以上の生殖系列配列にさらに類似する抗体の可変領域を作製するために修飾し得る。例えば、抗体は、基準生殖系列配列にさらに類似させるために、1、2、3、または4個以上のアミノ酸置換を、例えば、フレームワーク、CDR、または定常領域中に含むことができる。1つの例示的な生殖系列化方法は、単離抗体の配列に類似する(例えば、特定のデータベースで最も類似する)生殖系列配列を1つ以上同定することを含み得る。次いで、単離抗体を、漸進的に、または他の変異との組み合わせのいずれかにより(アミノ酸レベルで)変異させる。例えば、一部のまたはすべての可能な生殖系列変異をコードする配列を含む核酸ライブラリーを作製する。次いで、変異抗体を評価し、例えば、単離抗体と比較して1つ以上のさらなる生殖系列残基を有し、かつ依然として有用な(例えば、機能活性を有する)抗体を同定する。1つの実施形態では、単離抗体に、可能な限り多くの生殖系列残基を導入する。
1つの実施形態では、変異誘発を用いて、フレームワークおよび/または定常領域に1つ以上の生殖系列残基を置換または挿入する。例えば、生殖系列フレームワークおよび/または定常領域の残基は、修飾される非可変領域と類似する(例えば、最も類似する)生殖系列配列に由来し得る。変異誘発後、抗体の活性(例えば、結合または他の機能活性)を評価して、1つ以上の生殖系列残基が容認される(すなわち、活性を無効にしない)かどうかを決定できる。類似の変異誘発をフレームワーク領域中で実施できる。
生殖系列配列の選択は、異なる方法で実施できる。例えば、生殖系列配列が選択性または類似性について所定の基準(例えば、少なくとも一定の同一率、例えば、少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または99.5%同一)を満たす場合に生殖系列配列を選択できる。この選択は、少なくとも2、3、5、または10個の生殖系列配列を用いて実施できる。CDR1およびCDR2の場合、類似の生殖系列配列の同定は、1つのかかる配列の選択を含むことができる。CDR3の場合、類似の生殖系列配列の同定は、1つのかかる配列の選択を含むことができるが、アミノ末端部分およびカルボキシ末端部分に別々に関わる2つの生殖系列配列の使用を含み得る。他の実施形態では、1つまたは2つを超える生殖系列配列を使用して、例えば、コンセンサス配列を形成する。
1つの実施形態では、特定の基準可変ドメイン配列(例えば、本明細書に記載の配列)に関して、関連可変ドメイン配列は、基準CDR配列中の残基(ヒト生殖系列配列(すなわち、ヒト生殖系列核酸によってコードされるアミノ酸配列)中の対応する位置の残基と同一の残基)と同一ではないCDRアミノ酸位置の少なくとも30、40、50、60、70、80、90、95または100%を有する。
1つの実施形態では、特定の基準可変ドメイン配列(例えば、本明細書に記載の配列)に関して、関連可変ドメイン配列は、ヒト生殖系列配列(例えば、基準可変ドメイン配列と関連する生殖系列配列)由来のFR配列と同一のFR領域の少なくとも30、50、60、70、80、90または100%を有する。
したがって、所与の目的の抗体に対して類似の活性を有するが、1つ以上の生殖系列配列、特に1つ以上のヒト生殖系列配列により類似した抗体を単離することが可能である。例えば、抗体は、CDRの外側領域(例えば、フレームワーク領域)中の生殖系列配列と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または99.5%同一であり得る。さらに、抗体は、修飾される可変領域に類似する(例えば、最も類似する)生殖系列配列由来の生殖系列残基をCDR領域中に少なくとも1、2、3、4、または5個含むことができる。主な目的の生殖系列配列は、ヒト生殖系列配列である。抗体の活性(例えば、Kにより測定した結合活性)は、元の抗体の係数内、すなわち100、10、5、2、0.5、0.1、および0.001であり得る。
ヒト免疫グロブリン遺伝子の生殖系列配列は決定されており、いくつかの供給源(ワールドワイドウェブのimgt.cines.frで利用可能なinternational ImMunoGeneTics information system(登録商標)(IMGT)およびV BASEディレクトリ(Tomlinson, I.A. et al. MRC Centre for Protein Engineering, Cambridge, UKによって編纂され、ワールドワイドウェブのvbase.mrc−cpe.cam.ac.ukで利用可能)を含む)から利用可能である。
κについての例示的な生殖系列基準配列は、O12/O2、O18/O8、A20、A30、L14、L1、L15、L4/18a、L5/L19、L8、L23、L9、L24、L11、L12、O11/O1、A17、A1、A18、A2、A19/A3、A23、A27、A11、L2/L16、L6、L20、L25、B3、B2、A26/A10、およびA14を含む。例えば、Tomlinson et al., 1995, EMBO J. 14(18):4628−3を参照されたい。
HC可変ドメインの生殖系列基準配列は、特定の標準構造(例えば、H1およびH2超可変ループ中の1〜3つの構造)を有する配列に基づくことができる。Chothia et al., 1992, J. Mol. Biol. 227:799−817; Tomlinson et al., 1992, J. Mol. Biol. 227:776−798);およびTomlinson et al., 1995, EMBO J. 14(18):4628−38に記載のように、免疫グロブリン可変ドメインの超可変ループの標準構造は、その配列から推測できる。1〜3つの構造を有する例示的配列は、DP−1、DP−8、DP−12、DP−2、DP−25、DP−15、DP−7、DP−4、DP−31、DP−32、DP−33、DP−35、DP−40、7−2、hv3005、hv3005f3、DP−46、DP−47、DP−58、DP−49、DP−50、DP−51、DP−53、およびDP−54を含む。
タンパク質産生
標準的な組換え核酸法を使用して、IGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合するタンパク質を発現させることができる。一般に、タンパク質をコードする核酸配列を核酸発現ベクターにクローニングする。勿論、タンパク質が複数のポリペプチド鎖を含む場合、各鎖を、同一または異なる細胞中で発現する発現ベクター(例えば、同一または異なるベクター)にクローニングし得る。
抗体産生。いくつかの抗体(例えば、Fab)は、細菌細胞(例えば、大腸菌細胞)中で産生できる。例えば、Fabが、ディスプレイ実体とバクテリオファージタンパク質(またはその断片)との間の抑制可能な終止コドンを含むファージディスプレイベクター中の配列によりコードされる場合、ベクター核酸を、終止コドンを抑制できない細菌細胞に移入できる。この場合、Fabは遺伝子IIIタンパク質に融合せず、周辺質および/または培地に分泌される。
抗体は真核細胞中で産生することもできる。1つの実施形態では、抗体(例えば、scFv)を、ピキア属(Pichia)(例えば、Powers et al., 2001, J. Immunol. Methods. 251:123−35を参照されたい)、ハンセウラ属(Hanseula)、またはサッカロミセス属(Saccharomyces)などの酵母菌細胞中で発現させる。
1つの好ましい実施形態では、抗体を哺乳動物細胞中で産生する。クローン抗体またはその抗原結合断片を発現するために好ましい哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(例えば、Kaufman and Sharp, 1982, Mol. Biol. 159:601 621に記載のDHFR選択マーカーを使用したUrlaub and Chasin, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220に記載のdhfr−CHO細胞が挙げられる)、リンパ球細胞株、例えば、NS0骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞、HEK293T細胞(J. Immunol. Methods (2004) 289(1−2):65−80.)、およびトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)由来の細胞が挙げられる。例えば、細胞は、哺乳動物上皮細胞である。
組換え発現ベクターは、多様な免疫グロブリンドメインをコードする核酸配列の他に、宿主細胞中でベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)および選択マーカー遺伝子などの追加配列を保有し得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号および同第5,179,017号を参照されたい)。例えば、典型的には、選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞にG418、ハイグロマイシンまたはメトトレキサートなどの薬剤耐性を付与する。好ましい選択マーカー遺伝子としては、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅を有するdhfr宿主細胞用)およびneo遺伝子(G418選択用)が挙げられる。
抗体またはその抗原結合部分の組換え発現のための例示的なシステムでは、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターを、リン酸カルシウム媒介形質移入によりdhfrCHO細胞中に導入する。組換え発現ベクター内で、抗体の重鎖および軽鎖遺伝子を、エンハンサー/プロモーター調節因子(例えば、SV40、CMV、およびアデノウイルスなどに由来する、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節因子またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節因子など)にそれぞれ作動可能に連結して、遺伝子の高レベルの転写を駆動する。組換え発現ベクターはまた、メトトレキサート選択/増幅を用いることによりベクターを形質移入したCHO細胞の選択を可能とするDHFR遺伝子も保有する。選択された形質転換宿主細胞を培養して、抗体の重鎖および軽鎖を発現させ、培養培地からインタクトな抗体を回収する。標準的な分子生物学的技術を用いて、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞に形質移入を行い、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地から抗体を採集する。例えば、一部の抗体は、プロテインAまたはプロテインG結合マトリックスを用いた親和性クロマトグラフィーにより単離できる。
Fcドメインを含む抗体のために、抗体産生システムは、Fc領域がグリコシル化された抗体を産生し得る。例えば、IgG分子のFcドメインを、CH2ドメイン中のアスパラギン297位でグリコシル化する。アスパラギンは、二分岐型オリゴ糖による修飾のための部位である。グリコシル化は、Fcg受容体および補体C1qによって媒介されるエフェクター機能に必要であることが示されている(Burton and Woof, 1992, Adv. Immunol. 51:1−84; Jefferis et al., 1998, Immunol. Rev. 163:59−76)。1つの実施形態では、Fcドメインは、アスパラギン297位に対応する残基を適切にグリコシル化する哺乳動物発現システムで産生される。Fcドメインはまた、他の真核生物翻訳後修飾も含み得る。
抗体は、トランスジェニック動物によって産生することもできる。例えば、米国特許第5,849,992号には、トランスジェニック哺乳動物の乳腺中の抗体の発現方法について記載されている。乳汁特異的プロモーター、目的の抗体をコードする核酸、および分泌のためのシグナル配列を含む導入遺伝子を構築する。かかるトランスジェニック哺乳動物の雌により産生された乳汁は、そこで分泌される目的の抗体を含む。抗体は、乳汁から精製することもでき、一部の適用のために直接使用することもできる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の特性決定
結合タンパク質のEC50(有効濃度50%)値。一連の結合タンパク質または結合タンパク質群内で、より低いIC50値またはEC50値を有する結合タンパク質は、より高いIC50値またはEC50値を有する結合タンパク質よりもIGF−IIまたはIGF−IIEのさらに強力な阻害剤であるとみなされる。例示的な結合タンパク質は、例えば、IGF−IIまたはIGF−IIE活性阻害に関するインビトロアッセイで測定して、IGF−IIまたはIGF−IIEが2pM時に800nM、400nM、100nM、25nM、5nM、または1nM未満のIC50値を有する。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質はまた、IGF受容体I型(IGF−1RまたはIGF−IR)およびIR−A(インスリン受容体アイソフォームA)シグナル伝達事象上のIGF−II/IGF−IIE活性と関連させて特性決定することができる。
結合タンパク質は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対する選択性について評価することもできる。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEに対する効力についてアッセイして、IGF−IIパネルならびに各IGFについてのIC50値もしくはEC50値を決定することができる。1つの実施形態では、IGF−IIまたはIGF−IIEに対して低いIC50値またはEC50値を示し、試験パネル内の別のIGFに対してより高いIC50値またはEC50値を示す、例えば、少なくとも2倍、5倍、または10倍高い化合物は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIEに対して選択的であるとみなされる。
細胞ベースのアッセイにおいて、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質のIGF−IIおよび/またはIGF−IIE阻害能を評価できる。三次元コラーゲンマトリックス内部の腫瘍細胞の拡大を、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE過剰発現に応答して著しく増強することができる(Hotary et al., 2003 Cell 114:33−45)。このアッセイへのIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の添加を用いて、タンパク質の阻害特性および/または他の特性を決定できる。
ラット、マウス、またはサルにおける薬物動態学的研究を、血清中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEの半減期を決定するためにIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を使用して実施できる。同様に、結合タンパク質の治療薬としての使用、例えば、本明細書に記載の疾患または容態(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)を治療するための効果を、例えば、動物疾患モデルにてインビボで評価できる。
医薬組成物
IGF−IIおよび/またはIGF−IIE(例えば、ヒトIGF−IIおよび/またはIGF−IIE)の両方またはいずれかと結合し、例えば、少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば、結合タンパク質)を、SScに伴う肺線維症の治療(または予防)方法に使用できる。結合タンパク質は、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、本明細書に記載のIGF−IIおよびIGF−IIEへの結合が同定された抗体分子、他のポリペプチドまたはペプチド)を含む組成物(例えば、医薬上許容可能な組成物または医薬組成物)中に存在できる。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、医薬上許容可能な担体と共に処方できる。医薬組成物としては、治療組成物および診断組成物(例えば、インビボ画像化のための標識IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含む組成物)、ならびにSScに伴う肺線維症の治療(または予防)のための標識IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含む組成物が挙げられる。
医薬上許容可能な担体は、生理的に適合する任意およびすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。吸入および鼻腔内投与に適した担体も意図されるが、好ましくは、担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄、または表皮投与(例えば、注射または注入)に適している。投与経路に応じて、酸の作用および化合物を不活化し得る他の天然条件から化合物を保護するための材料でIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を被覆し得る。
医薬上許容可能な塩とは、親化合物の所望の生物活性を保持し、いかなる望ましくない毒性作用も与えない塩である(例えば、Berge, S.M., et al., 1977, J. Pharm. Sci. 66:1−19を参照されたい)。かかる塩の例としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、非毒性無機酸(塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸など)、ならびに非毒性有機酸(脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族スルホン酸、および芳香族スルホン酸など)に由来する酸付加塩が挙げられる。塩基付加塩としては、アルカリ土類金属(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)、ならびに非毒性有機アミン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなど)由来の塩基付加塩が挙げられる。
組成物は様々な形態であってよい。これらは、例えば、液体、半固体および固体投与形態(溶液(例えば、注射液および注入液)、分散液もしくは懸濁液、錠剤、丸剤、粉末剤、リポソームおよび坐剤など)を含む。形態は、意図する投与方法および治療への適用に応じ得る。ヒトへの抗体の投与のために使用される組成物に類似した組成物など、多数の組成物が注射液または注入液の形態である。例示的な投与方法は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。1つの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を静脈内注入または静脈内注射により投与する。別の好ましい実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を筋肉内注射または皮下注射により投与する。
本明細書で使用する「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、経腸および局所投与以外の投与方法を意味し、通常、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内への注射および注入が挙げられるが、これらに限定されない注射による。
組成物は、高濃度の薬剤に適した溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソーム、または他の規則正しい構造として処方できる。滅菌注射液は、上に列挙した成分の単独または組み合わせを含む適切な溶媒中に必要量の結合タンパク質を組み込んだ後、必要に応じてろ過滅菌することにより調製できる。一般に、基剤としての分散媒および上に列挙した必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルへ活性化合物を組み込むことにより分散液を調製する。滅菌注射液の調製用の滅菌粉末剤の場合、好ましい調製方法は、有効成分および事前にろ過滅菌したその溶液由来の任意のさらなる所望の成分の粉末が得られる真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合は必要な粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持できる。吸収を遅延化させる薬剤(例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチン)を組成物中に含めることにより、注射用組成物を長期吸収させることができる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、様々な方法により投与できるが、多数の適用において好ましい投与経路/投与方法は静脈内注射または静脈内注入である。例えば、治療的適用のため、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、約1〜100mg/mまたは7〜25mg/mの用量に到達させるために、30、20、10、5、または1mg/分未満の速度の静脈内注入により投与できる。投与経路および/または投与方法は、所望の結果に応じて異なる。ある実施形態では、活性化合物は、化合物を急速な放出から保護する担体を用いて調製し得る(徐放剤(インプラントを含む)およびマイクロカプセル化送達システムなど)。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性生体適合性ポリマーを使用できる。かかる製剤の多数の調製方法が利用可能である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson, ed., 1978, Marcel Dekker, Inc., New Yorkを参照されたい。
医薬組成物は、医療機器を使用して投与できる。例えば、1つの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は、機器(例えば、針無し皮下注射機器、ポンプ、またはインプラント)を使用して投与できる。
ある実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、インビボで確実に適切に分布されるように処方できる。例えば、血液脳関門(BBB)は、多数の高親水性化合物を排除する。本明細書に開示の治療化合物は、(所望の場合)BBBを確実に通過するように、例えば、リポソーム中に処方できる。リポソームの製造方法については、例えば、米国特許第4,522,811号;同第5,374,548号;ならびに同第5,399,331号を参照されたい。リポソームは、特定の細胞または臓器に選択的に輸送されて標的とした薬剤送達を増強する1つ以上の部分を含み得る(例えば、V.V. Ranade, 1989, J. Clin. Pharmacol. 29:685を参照されたい)。
投与計画は、至適な所望の応答(例えば、治療反応)が得られるように調節できる。例えば、治療状況の要件によって示されるように、単回ボーラスを投与してもよく、複数回に分割した用量を長期間投与してもよく、用量を比例的に減量もしくは増量してもよい。投与を容易にし、投与量を均一にするために、投与量単位形態で非経口組成物を処方することが特に有利である。本明細書で使用する場合、投与量単位形態とは、治療すべき対象への単回投与に適した物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と組み合わせて所望の治療効果が得られるように計算された所定量の活性化合物を含む。投与量単位形態の仕様は、(a)活性化合物の固有の特徴および達成すべき特定の治療効果、ならびに(b)個体の感受性の処置のためのかかる活性化合物の配合技術に固有の制限、によって影響を受け、これらに直接依存し得る。
本明細書に開示の結合タンパク質(例えば、抗体)の治療有効量または予防有効量の例示的範囲は0.1〜20mg/kg、さらに好ましくは1〜10mg/kgであるが、これらに限定されない。抗IGF−II/IGF−IIE抗体は、例えば、静脈内注入により、例えば、約1〜100mg/mまたは約5〜30mg/mの用量に到達するために、30、20、10、5、または1mg/分未満の速度で投与できる。抗体よりも小さな分子量の結合タンパク質では、適量は比例的に低値であり得る。投与量値は、緩和すべき容態の型および重症度に応じて変わり得る。特定の対象のための具体的な投与計画は、個体の必要性ならびに組成物の投与者もしくは投与監視者の専門的な判断により経時的に調整できる。
本明細書に開示の医薬組成物は、「治療有効量」または「予防有効量」の本明細書に開示のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含み得る。「治療有効量」とは、所望の治療成果を達成するために必要な投与量および期間で有効な量を指す。組成物の治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、および体重、ならびに個体の所望の応答を誘発するタンパク質の能力などの要因に応じて変わり得る。治療有効量はまた、組成物のいずれの毒性作用または有害作用よりも治療に有利な効果が勝る量である。
「治療有効投与量」は、好ましくは、測定可能な変数を(例えば、未治療対象と比較して、IgG抗体の循環レベルを統計的に有意な程度または少なくとも約20%、さらに好ましくは少なくとも約40%、よりさらに好ましくは少なくとも約60%、それよりさらに好ましくは少なくとも約80%)調節する。測定可能な変数(例えば、疾患関連変数)を調節する化合物の能力は、ヒトの障害および容態(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)における有効性を予想する動物モデルシステムで評価できる。あるいは、組成物の特性は、化合物のインビトロでの変数調節能力を検討することにより評価できる。
「予防有効量」とは、所望の予防成果を達成するために必要な投与量および期間で有効な量を指す。典型的には、予防用量は疾患の前または初期段階の対象に使用されるため、予防有効量は治療有効量より少ない。
安定化および保持
1つの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、循環、例えば、血液、血清、リンパ液、または他の組織でのその安定化および/または保持を、例えば、少なくとも1.5、2、5、10、または50倍改善する部分と物理的に結合する。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、ポリマー、例えば、実質的に非抗原性のポリマー(ポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドなど)と結合し得る。適切なポリマーの重量は大幅に変化する。約200〜約35,000(または約1,000〜約15,000、および2,000〜約12,500)の範囲の数平均分子量を有するポリマーを使用できる。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、水溶性ポリマー、例えば、親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンと結合できる。かかるポリマーの一覧としては、ポリアルキレンオキシドホモポリマー(ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールなど)、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマー(ブロックコポリマーの水溶性が維持される場合)が挙げられるが、これらに限定されない。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、担体タンパク質、例えば、血清アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)と結合することもできる。例えば、翻訳融合を使用して、担体タンパク質とIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質とを結合させることができる。
キット
本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、キット中に(例えば、キットの成分として)提供できる。例えば、キットは(a)IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質、例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含む組成物(例えば、医薬組成物)、および、任意に(b)情報資料を含む。情報資料は、本明細書に記載の方法および/または本明細書に記載の方法のためのIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の使用に関する説明資料、指示資料、販売資料または他の資料であり得る。
キットの情報資料は、その形態が限定されない。1つの実施形態では、情報資料は、化合物の産生、化合物の分子量、濃度、有効期限、バッチまたは産生部位情報などの情報を含むことができる。1つの実施形態では、情報資料は、障害および容態(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)を治療、予防、または診断するための結合タンパク質の使用に関する。
1つの実施形態では、情報資料は、本明細書に記載の方法を実施するために適切な方法、例えば、適切な用量、投与形態、または投与方法(例えば、本明細書に記載の用量、投与形態、または投与方法)でIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を投与するための使用説明書を含むことができる。別の実施形態では、情報資料は、適切な対象、例えば、ヒト、例えば、本明細書に記載の障害または容態(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)を有するかまたはそのリスクのあるヒトにIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を投与するための使用説明書を含むことができる。例えば、資料は、本明細書に記載の障害または容態(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)を有する患者にIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を投与するための使用説明書を含むことができる。キットの情報資料は、その形態が限定されない。多くの場合、情報資料(例えば、使用説明書)は印刷物として提供されるが、他の形式(コンピュータ媒体資料など)でも提供され得る。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、任意の形態(例えば、液体、乾燥形態または凍結乾燥形態)で提供できる。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は実質的に純粋および/または無菌であることが好ましい。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質が溶液で提供される場合、溶液は好ましくは水溶液であり、滅菌水溶液が好ましい。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質が乾燥形態として提供される場合、一般に、適切な溶媒の添加によって再構成する。溶媒(例えば、滅菌水または滅菌緩衝液)は任意にキット中に提供できる。
キットは、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含む組成物用の容器を1つ以上含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、組成物および情報資料用に別々の容器、仕切りまたは区画を含む。例えば、組成物を、瓶、バイアル、またはシリンジに含めることができ、情報資料を容器と関連させて含めることができる。他の実施形態では、キットの個別の要素を単一の非分割容器内に含める。例えば、組成物を、ラベルの形態で情報資料を添付した瓶、バイアルまたはシリンジ中に含める。いくつかの実施形態では、キットは、個別の容器を複数(例えば、パックで)含み、各容器は1つ以上の単位投与形態(例えば、本明細書に記載の投与形態)のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含む。例えば、キットは、複数のシリンジ、アンプル、ホイルパッケージ、またはブリスターパックを含み、それぞれが単一の単位用量のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を含む。キットの容器は、気密性、防水性(例えば、湿気または蒸発の変化を防止する)、および/または遮光性であり得る。
キットは、組成物の投与に適した機器、例えば、シリンジ、吸入器、点滴器(例えば、点眼器)、スワブ(例えば、綿棒または木製スワブ)、またはかかる送達機器のいずれかを任意に含む。1つの実施形態では、機器は、結合タンパク質を一定量投与するインプラント機器である。本開示は、例えば、本明細書に記載の成分の組み合わせによるキットの提供方法も特徴とする。
治療
IGF−II/IGF−IIEの両方と結合し、本明細書に記載および/または詳述の方法によって同定されるタンパク質は、特にヒト対象での治療および予防において有用である。これらの結合タンパク質は、様々な障害(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)を治療、予防、および/もしくは診断するために、対象に投与されるか、培養細胞(例えば、インビトロまたはエクスビボ(ex vivo))にさえも投与される。治療は、障害、障害症状または障害素因を緩和する、軽減する、改変する、修復する、寛解する、改善する、または影響を及ぼすために有効な量を投与することを含む。治療は、疾患または容態の発現の遅延化、例えば、発現の予防または悪化の予防も行い得る。
本明細書で使用する場合、障害の予防に有効な標的結合剤の量、つまり結合剤の予防有効量とは、単回または複数回用量を対象に投与した時、障害、例えば、本明細書に記載の障害(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症)の発現または再発を予防または遅延化するのに有効な標的結合剤、例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、本明細書に記載の抗IGF−II/IGF−IIE抗体)の量を指す。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質および他剤の投与方法は、「医薬組成物(Pharmaceutical Compositions)」にも記載されている。使用する分子の適切な投与量は、対象の年齢および体重ならびに使用する特定の薬剤に応じ得る。結合タンパク質は、例えば、天然または病理学的な作用因子とIGF−II/IGF−IIEとの間の望ましくない相互作用を阻害、低減するために競合薬として使用できる。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の用量は、患者におけるIGF−II/IGF−IIEの活性を特に疾患部位で90%、95%、99%、または99.9%阻止する上で十分な量であり得る。これは、疾患に応じて、0.1、1.0、3.0、6.0、または10.0mg/Kgを要し得る。これらの用量は、分子質量が150,000g/モル(2つの結合部位)であるIgGについては、5L血液量に対して、約18nM、180nM、540nM、1.08μM、および1.8μMの結合部位に相当する。
1つの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、細胞の活性、例えば、インビボ肺線維芽細胞の活性を阻害する(例えば、コラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生の少なくとも1つの活性を阻害するかまたは低減する)ために使用する。結合タンパク質は、これら自体でまたは薬物(例えば、細胞傷害性薬物、細胞傷害性酵素、または放射性同位体)と結合させることにより使用できる。この方法は、結合タンパク質単独または薬物(例えば、細胞傷害性薬物)と結合させた結合タンパク質を、かかる治療を必要とする対象に投与することを含む。例えば、IGF−II/IGF−IIEを実質的には阻害しないIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、毒素などの作用因子を含むナノ粒子をIGF−II/IGF−IIE関連細胞または組織、例えば、肺線維芽細胞またはSSc肺由来線維芽細胞巣に送達するために使用し得る。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、IGF−II/IGF−IIE発現細胞を認識し、肺に関連した(例えば、肺の近傍または肺と混じった)細胞、例えば、肺線維芽細胞、例えば、SSc肺由来線維芽細胞、または線維芽細胞巣と結合できるため、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、任意のかかる細胞を阻害する(例えば、少なくとも1つの活性を阻害するか、またはコラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生を低減する)ために用いて、線維症を阻害または低減できる。肺線維芽細胞の近傍または肺の線維芽細胞巣(例えば、SSc肺由来)のIGF−II/IGF−IIE活性の低減は、SScに伴う肺線維症の発現および/または進行、増殖因子の活性化などにおけるIGF−II/IGF−IIE活性に依存し得る細胞を間接的に阻害できる。
結合タンパク質は、薬物(例えば、任意の様々な細胞傷害性薬物および治療薬)をIGF−II/IGF−IIEが存在する細胞および組織に送達するために使用し得る。例示的な薬物としては、放射線放出化合物、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、生体タンパク質、ならびにそれらの混合物が挙げられる。細胞傷害性薬物は、細胞中で作用する細胞傷害性薬物(短距離放射体、例えば、短距離高エネルギーα放射体の毒素など)であり得る。
IGF−II/IGF−IIE発現細胞(特に、肺線維芽細胞またはSSc肺由来線維芽細胞巣)を標的にするために、プロドラッグシステムを使用できる。例えば、第一の結合タンパク質を、プロドラッグ活性化因子と近接した場合のみに活性化されるプロドラッグとコンジュゲートさせる。プロドラッグ活性化因子を、第二の結合タンパク質、好ましくは標的分子上の非競合部位と結合する第二の結合タンパク質にコンジュゲートさせる。2つの結合タンパク質が競合結合部位または非競合結合部位に結合するかどうかを、従来の競合結合アッセイにより決定できる。例示的薬剤プロドラッグ対については、Blakely et al., (1996) Cancer Research, 56:3287 3292に記載されている。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質はインビボで直接使用して、天然の補体依存性細胞傷害性(CDC)または抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を介して、抗原発現細胞を排除することができる。本明細書に記載の結合タンパク質は、IgG1、−2、もしくは−3由来のFc部分、または補体と結合するIgMの対応部分などの補体結合エフェクタードメインを含むことができる。1つの実施形態では、標的細胞集団は、本明細書に記載の結合剤および適切なエフェクター細胞にてエクスビボ処置する。この処置は、補体または補体を含む血清の添加によって補足できる。さらに、本明細書に記載の結合タンパク質で被覆した標的細胞の食作用を、補体タンパク質の結合により改善できる。別の実施形態では、標的(補体結合エフェクタードメインを含む結合タンパク質で被覆した細胞)を補体により溶解する。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の投与方法は、「医薬組成物(Pharmaceutical Compositions)」に記載されている。使用する分子の適切な投与量は、対象の年齢および体重ならびに使用する特定の薬物に応じる。結合タンパク質は、例えば、天然または病理学的な作用因子とIGF−II/IGF−IIE間の望ましくない相互作用を阻害または低減するために競合薬として使用できる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、高分子および低分子、例えば、遺伝子を遺伝子療法目的で内皮または上皮内細胞に送達して、IGF−II/IGF−IIE発現組織のみを標的とするために使用できる。結合タンパク質は、様々な細胞傷害性薬物(治療薬、放射線放出化合物、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、生体タンパク質、およびこれらの混合物を含む)を送達するために使用し得る。細胞傷害性薬物は、本明細書に記載のように、細胞内作用細胞傷害性薬物(短距離放射体、例えば、短距離高エネルギーα放射体など)であり得る。
ポリペプチド毒素の場合、組換え核酸技術を使用して、翻訳様式として結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合断片)および細胞毒素(またはそのポリペプチド成分)をコードする核酸を構築することができる。次いで、例えば、細胞中で組換え核酸を発現し、コードされた融合ポリペプチドを単離する。
あるいは、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、高エネルギー放射体(例えば、ある部位に局在した場合にいくつかの細胞が死滅する放射性同位体(131Iなど)、γ放射体)に結合体化できる。例えば、S.E. Order, “Analysis, Results, and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy”, Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy, R.W. Baldwin et al. (eds.), pp 303 316 (Academic Press 1985)を参照されたい。他の適切な放射性同位体としては、212Bi、213Bi、および211Atなどのa放射体、ならびに186Reおよび90Yなどのb放射体が挙げられる。さらに、177Luも造影剤および細胞傷害性薬物の両方として使用し得る。
131I、90Y、および177Luで標識した抗体を用いる放射免疫療法(RIT)が熱心に臨床的に調査されている。これら3つの核種の物理的特性は著しく異なるため、放射性核種の選択は、目的の組織に最大の線量を送達するために非常に重要である。90Yのより高いβエネルギー粒子は、嵩高い腫瘍に効果的であり得る。131Iの比較的低いエネルギーのβ粒子が理想的であるが、放射性ヨウ化分子のインビボ脱ハロゲン化は、主に抗体の内部移行に不利である。対照的に、177Luは0.2〜0.3mm範囲のみの低エネルギーβ粒子を有し、90Yと比較してはるかに低い線量を骨髄に送達する。さらに、(90Yと比較して)より長い物理的半減期のため、体滞留時間がより長い。結果として、比較的低い線量で、177Lu標識作用因子のより高い活性(より高いmCi量)を骨髄に投与できる。様々な癌の治療における177Lu標識抗体の使用を調査したいくつかの臨床研究が行われている。(Mulligan T et al., 1995, Clin. Canc. Res. 1: 1447−1454; Meredith RF, et al., 1996, J. Nucl. Med. 37:1491−1496; Alvarez RD, et al., 1997, Gynecol. Oncol. 65: 94−101)。
例示的疾患および容態
本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIE活性が関与する疾患もしくは容態(例えば、本明細書に記載の疾患もしくは容態)の治療、またはそれらに関連する1つ以上の症状の治療に有用である。いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、IGF−II/IGF−IIE結合IgGまたはFab)は、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE活性を阻害する。
かかる疾患および容態の例としては、全身性強皮症に伴う肺線維症が挙げられる。治療有効量のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、IGF−II/IGF−IIE活性が関与する障害を有するかまたは有することが疑われる対象へ投与し、それにより、その障害を治療する(例えば、障害の症状もしくは特徴を寛解もしくは改善する、または疾患進行を遅延化させる、安定化させるおよび/もしくは停止する)。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、治療有効量で投与する。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の治療有効量は、単回または複数回用量で対象へ投与した時、対象を治療する(例えば、対象の障害症状の少なくとも1つを、かかる治療を行わない場合に予期される程度を超えて治癒、緩和、軽減または改善する)のに有効な量である。組成物の治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、および体重、ならびに個体の所望の応答を誘発する化合物の能力などの要因に応じて変わり得る。治療有効量はまた、組成物のいずれの毒性作用または有害作用よりも治療に有利な効果が勝る。
治療有効量は、典型的には、対象へ単回または複数回用量で投与した時、対象を治療する(例えば、対象の障害症状の少なくとも1つを、かかる治療を行わない場合に予期される程度を超えて治癒、緩和、軽減または改善する)のに有効な化合物量で投与され得る。組成物の治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、および体重、ならびに個体の所望の応答を誘発する化合物の能力などの要因に応じて変わり得る。治療有効量ではまた、組成物のいずれの毒性または有害作用よりも治療に有利な効果が勝る。治療有効投与量は好ましくは、未治療対象と比較して測定可能なパラメータを好ましく調節する。測定可能なパラメータを阻害する化合物の能力は、ヒト障害における有効性を予想する動物モデルシステムで評価できる。
投与計画は、至適な所望の応答(例えば、治療反応)が得られるように調節できる。例えば、治療状況の要件によって示されるように、単回ボーラスを投与してもよく、複数回に分割した用量を長期間投与してもよく、用量を比例的に減量もしくは増量してもよい。投与を容易にし、投与量を均一にするために、投与量単位形態で非経口組成物を処方することが特に有利である。本明細書で使用する場合、投与量単位形態とは、治療すべき対象への単回投与に適した物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と組み合わせて所望の治療効果が得られるように計算された所定量の活性化合物を含む。
全身性強皮症に伴う肺線維症
線維症は、臓器または組織の正常な構成要素としての線維組織の形成ではなく、修復または反応過程としての、臓器または組織中の過剰な線維結合組織の形成または発現である。肺線維症は肺の瘢痕に関与する。徐々に、肺の気嚢が線維化組織に置き換えられる。瘢痕が形成される時、この組織はより厚くなり、血流中へ酸素を輸送する組織の能力の不可逆的な喪失を引き起こす。
強皮症は、皮膚または他の臓器の硬化または強皮を特徴とする慢性自己免疫疾患である。この疾患の全身性型である全身性強皮症(SSc)は、心臓、腎臓、肺、または腸管障害の結果、致死的となり得る。全身性強皮症における肺線維症は、高い罹患率および死亡率を伴う。少なくとも1/3のSSc患者が臨床的に有意な肺線維症を有し、最大70%のSSc患者において肺機能欠陥が明らかである。SScにおける肺線維症発現時からの10年生存率は約70%であり、多数の患者が進行性息切れ障害を経験する。慢性炎症は進行性肺損傷および増加性線維症を続発すると考えられる。
肺線維症の症状としては、例えば、息切れ(特に労作時)、慢性乾性咳および/もしくは短い空咳、疲労および脱力、胸部不快感、食欲喪失、ならびに急速な体重低下が挙げられる。未治療の個人は、気腫、肺感染、および心疾患を含む合併症を発症する。
世界中で約5百万人が肺線維症に罹患している。米国では、かかる患者は200,000人を超えている。典型的には、患者は診断時、40歳代および50歳代である。しかしながら、診断時年齢は7歳から80歳代の範囲に及んでいる。
肺線維症の原因およびリスク因子は、例えば、自己免疫障害、ウイルス感染、遺伝子的素因(例えば、SP−Cタンパク質の変異)、肺の微視的損傷、吸入環境および/もしくは職業汚染、喫煙、疾患(強皮症、関節リウマチ、狼瘡およびサルコイドーシスなど)、特定の薬剤、ならびに治療放射線と関連付けられている。
コラーゲンおよび/またはフィブロネクチン産生の増大は、全身性強皮症に伴う肺線維症の特徴である。活性コラーゲンおよび/またはフィブロネクチン合成部位である線維芽細胞巣(FF)は、肺線維症の病理学的特徴であり、重度の疾患において線維化反応が開始するおよび/または永続化する場所である。
コラーゲンは、動物における結合組織の主要タンパク質であり、哺乳動物において最も豊富なタンパク質であり、身体全体のタンパク質の含有量の約50%を成す。28種を超すコラーゲンが文献に記載されている。体内のコラーゲンの90%超はI、II、III、およびIV型である。
フィブロネクチンは、インテグリンと呼ばれる膜スパニング受容体タンパク質および細胞外マトリックス成分(コラーゲン、フィブリンおよび硫酸ヘパランなど)と結合する炭水化物を約5%含む高分子量細胞外マトリックスの糖タンパク質である。フィブロネクチンにはいくつかのアイソフォームがあり、すべて単一遺伝子の産物である。これらのアイソフォーム構造は、I、IIおよびIIIと呼ばれる、異なる長さおよびジスルフィド結合の有無を示す3つの種類の反復内領域から構成される。mRNA前駆体の代替的なスプライシングは、これら3種類の領域の組み合わせをもたらすが、可変領域ももたらす。
現在の治療としては、例えば、ある抗炎症剤(例えば、ステロイド)、細胞傷害性薬物、免疫抑制剤、コラーゲン合成阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニストおよび外科手術が挙げられる。例えば、高用量の経口コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、40〜80mg/日)は通常の治療法である。シクロホスファミドなどの細胞傷害性薬物およびアザチオプリンなどの免疫抑制剤(シクロホスファミドは、免疫抑制剤でもある)も使用されている。これらの薬剤を用いた臨床経験は約20%の患者が改善することを示唆する。コルチコステロイドに対する応答は、肺生検で炎症が多くかつ線維症が少なく認められた患者においてより優れている。ピルフェニドンなどのコラーゲン合成阻害剤およびボセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストも有効であり得る。高選択的な末期肺線維症患者のための肺移植が報告されている。特に、シクロホスファミドまたはアザチオプリンは、SScに伴う肺線維症の治療に使用できる。さらなる例として、シクロホスファミドのパルスを、しばしば低用量のステロイド;エポプロステノール、ボセンタンまたはイロプロスト(例えばエーロゾル化イロプロスト)と共に使用できる。
様々な肺(lung)機能検査(肺(pulmonary)機能検査とも呼ばれる)を用いて、肺障害の原因を決定し、人の肺機能を評価し、肺疾患治療の有効性をモニタリングできる。例えば、スパイロメトリーは、空気がどの程度およびどれだけ迅速に肺から移動し得るかを測定する。スパイロメトリーにより測定される一般的な肺機能値は、対象が可能な限り深く吸息した後に力を込めて呼息できる空気量を測定する努力肺活量(FVC);対象が1回の呼吸で力を込めて呼息できる空気量を測定する努力呼気肺活量(FEV)である。対象が呼息する空気量は1秒量(FEV1)、2秒量(FEV2)、または3秒量(FEV3)として測定し得る。FEV1をFVCで除したものも決定できる;呼息半ばの空気流(FVC)を測定する努力呼気流量25%〜75%;対象がどれだけ迅速に呼息できるかを測定するピーク呼気流量(PEF);対象が1分間に吸息および呼息できる空気の最大量を測定する最大換気量(MVV);対象が可能な限り深く吸息した後に対象がゆっくりと呼息できる空気量を測定する静的肺活量(SVC);対象が可能な限り深く吸息した後の対象の肺の空気量を測定する全肺気量(TLC);正常な呼息終了時の対象の肺の空気量を測定する機能的残気量(FRC);正常な呼息後の対象の肺の空気量(FRC)と対象が力を込めて呼息した後の量(RV)との間の相違を測定する呼気予備量(ERV)。気体拡散検査は、肺の気嚢(肺胞)を通過する一分間当たりの酸素および他の気体の量:対象の血流中酸素および二酸化炭素の量を決定する動脈血気体;ならびに、対象の肺が少量の一酸化炭素(CO)を血液中へどれだけよく移動させるかを測定する一酸化炭素拡散能(トランスファー因子、またはTFとも呼ばれる)を測定する。体幹プレチスモグラフィーは、対象の肺が保持できる空気の総量である全肺能力(TLC)、対象が可能な限り完全に呼息した後に対象の肺に残る空気量である残気量(RV)を測定するために使用し得る。喘息または喘鳴を引き起こし得る物質(アレルゲン)に対する対象の気道の応答を測定するために吸入投与試験を使用する。運動負荷試験は肺機能検査で発揮する効果を評価する。
本開示は、有効量のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、抗IGF−II/IGF−IIE IgGまたはFab)、例えば、本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を投与することにより、全身性強皮症に伴う肺線維症の症状の治療(例えば、線維芽細胞巣、息切れ、慢性咳嗽、疲労および脱力、胸部不快感、食欲喪失、ならびに/または急速な体重減少の低減または除去)方法、または全身性強皮症に伴う肺線維症の治療方法、または全身性強皮症に伴う肺線維症であると既に診断されている対象の無病生存期間の延長方法を提供する。いくつかの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、IGF−II/IGF−IIE活性を阻害する。
ある実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、単剤治療として投与される。他の実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、SScに伴う肺線維症を治療するための追加薬剤と併用投与される。
また、全身性強皮症に伴う肺線維症の発現リスクを有する対象へ有効量のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を投与することにより全身性強皮症に伴う肺線維症の発現リスクを予防または低減し、それにより対象の全身性強皮症に伴う肺線維症の発現リスクも低減する方法も提供する。例えば、方法は、例えば、SScに伴う肺線維症の症状を1つ以上示すまたはSScに伴う肺線維症の発現リスクのある対象(例えば、対象はSScと診断されているまたはその症状もしくはリスク因子を有している、または対象はSScに伴う肺線維症のリスク因子、例えば、自己免疫障害、ウイルス感染、遺伝子的素因(例えば、SP−Cタンパク質における変異)、肺の微視的損傷、吸入環境および/もしくは職業汚染、喫煙、疾患(強皮症、関節リウマチ、狼瘡およびサルコイドーシスなど)、特定の薬剤、ならびに治療的放射線を1つ以上有している)において、SScに伴う肺線維症またはその症状(例えば、線維芽細胞巣、息切れ、慢性咳嗽、疲労および脱力、胸部不快感、食欲喪失、急速な体重減少)の発現の遅延化および/または進行の緩慢化に使用できる。SSc素因は、自己免疫疾患の家族性素因を含む;COL1A2およびTGF−β1多型はSSCの重症度および発現に影響し得る;免疫応答の元のエピトープとしてサイトメガロウイルス(CMV)を示唆する限定的な証拠がある;ならびに有機溶媒および他の化学的薬剤が強皮症と関係している。
全身性強皮症に伴う肺線維症の治療の治療有効量の決定のためのガイダンスは、治療すべき全身性強皮症に伴う肺線維症のインビボモデルを参照することによって得ることができる。例えば、齧歯類の肺線維症モデルにおける治療有効量であるIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の量を使用して、治療有効量の用量の選択を導き得る。いくつかの齧歯類の肺線維症モデルが利用可能である(例えば、Moore and Hogaboam et al. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 294:L152−60 (2008)を参照されたい)。
併用療法
本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、抗IGF−II/IGF−IIE FabまたはIgG)は、IGF−II/IGF−IIE活性に関連する疾患または容態(例えば、本明細書に記載の疾患または容態)を治療するための1つ以上の他の療法と併用して投与できる。例えば、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、外科手術、IGF−II阻害剤、例えば、低分子阻害剤、別の抗IGF−II/IGF−IIE FabまたはIgG(例えば、本明細書に記載の別のFabまたはIgG)、別のIGF−II阻害剤、ペプチド阻害剤、または小分子阻害剤と共に治療的または予防的に使用できる。本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質との併用療法に使用できるIGF−II阻害剤の例としては、IGF−IおよびIGF−IIと交差反応する抗IGF−II抗体(例えば、WO2007118214号、WO2007070432号、欧州特許第1505075号、米国特許第20060165695号、WO2005028515号、WO2005027970号、WO2005018671号を参照されたい)、ならびにIGF−IIのみと反応する抗IGF−II抗体(例えば、WO2007118214号を参照されたい)が挙げられる。
1つ以上の低分子IGF−II/IGF−IIE阻害剤を、1つ以上の本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質と併用して使用できる。例えば、併用により、副作用が軽減するように低分子阻害剤の必要量をより少なくすることができる。
本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、全身性強皮症に伴う肺線維症を治療するための1つ以上の現在の療法(外科手術が挙げられるが、これに限定されない)と併用して投与できる。例えば、IGF−IIを阻害するかまたはIGF−II/IGF−IIE活性の下流事象を阻害するタンパク質は、SScに伴う肺線維症のための別の治療(外科手術または第二薬の投与など)と併用して使用することもできる。例えば、第二薬は、ある抗炎症剤(例えば、ステロイド)、細胞傷害性薬物、免疫抑制剤、コラーゲン合成阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニストまたは外科手術を含むことができる。例えば、高用量の経口コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、40〜80mg/日)は通常の治療である。シクロホスファミドなどの細胞傷害性薬物およびアザチオプリンなどの免疫抑制剤(シクロホスファミドは、免疫抑制剤でもある)も使用されている。ピルフェニドンなどのコラーゲン合成阻害剤およびボセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストも有効であり得る。高選択的な末期肺線維症患者のための肺移植が報告されている。特に、シクロホスファミドまたはアザチオプリンをSScに伴う肺線維症の治療に使用できる。さらなる例として、シクロホスファミドのパルスを、しばしば、低用量ステロイド;エポプロステノール、ボセンタンまたはイロプロスト(例えばエーロゾル化イロプロスト)と共に使用できる。
「併用」という用語は、同一患者を治療するための2つ以上の薬剤または療法の使用を指し、これらの薬剤または療法の使用または作用は時間的に重複する。これらの薬剤または療法は(例えば、患者に投与する単一製剤としてまたは同時投与する2つの別々の製剤として)同時投与することも、任意の順序で順次投与することもできる。順次投与は異なる時点で行われる投与である。1つの薬剤と別の薬剤との投与間隔は、数分、数時間、数日、または数週間であり得る。本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を使用して、別の療法の投与量を低減する、例えば、投与される別の薬剤関連の副作用を軽減する、例えば、抗VEGF抗体(ベバシズマブなど)の副作用を低減することもできる。あるいは、併用は、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の非存在下で使用するより少なくとも10、20、30、または50%低い投与量での第二薬の投与を含むことができる。
第二薬または療法は、SScに伴う肺線維症療法のための別の薬剤であることもできる。SScに伴う肺線維症のための別の治療の例としては、例えば、抗炎症剤、例えば、ステロイド(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン))、細胞傷害性薬物(例えば、シクロホスファミド)、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミドまたはアザチオプリン)、コラーゲン合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ボセンタン)および外科手術(例えば、肺移植)、ならびに本明細書に記載の他の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
併用療法は、他の療法の副作用を低減する薬剤を投与することを含み得る。薬剤はSScに伴う肺線維症治療の副作用を低減する薬剤であり得る。例えば、薬剤は、コルチコステロイドまたはシクロホスファミドであり得る。
診断での使用
IGF−II/IGF−IIEと結合し、本明細書に記載の方法により同定されたおよび/または本明細書で詳述したタンパク質は、インビトロおよびインビボ診断に有用である。本明細書に記載のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質(例えば、IGF−II/IGF−IIEと結合しIGF−II/IGF−IIEを阻害するタンパク質、またはIGF−II/IGF−IIEと結合するがIGF−II/IGF−IIEを阻害しないタンパク質)を、例えば、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEが活性な疾患または容態(例えば、本明細書に記載の疾患もしくは容態)の治療過程中、または本明細書に記載の疾患もしくは容態の診断において、例えば、インビボ画像化で使用できる。
1つの態様では、本開示は、インビトロまたはインビボで(例えば、対象のインビボ画像化で)IGF−IIおよび/またはIGF−IIEの存在を検出するための診断方法を提供する。この方法は、対象中または対象由来の試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEの局在化を含み得る。試料評価に関して、この方法は、例えば、(i)試料をIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質と接触させること;ならびに(ii)試料中のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質の位置を検出すること、を含み得る。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を使用して、試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIE発現の定性的または定量的レベルを決定することもできる。この方法は、基準試料(例えば、対照試料)を結合タンパク質と接触させ、基準試料の対応する評価を確定することも含み得る。対照試料または対照対象と比較した試料または対象における複合体形成の変化(例えば、統計的に有意な変化)は、試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEの存在を示し得る。1つの実施形態では、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、別のIGFタンパク質(IGF−Iなど)と交差反応しない。例えば、結合タンパク質はIGF−II/IGF−IIEと結合するよりも別のIGFタンパク質と5分の1〜10分の1で(またはさらに低く)結合する。例えば、結合タンパク質はIGF−II/IGF−IIEとは約10〜50pMのKDで結合できる一方、IGF−Iとは約10nMで結合する。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を検出可能な物質で直接または間接的に標識して、結合または非結合抗体の検出を容易にし得る。適切な検出可能な物質としては、様々な酵素、配合団、蛍光物質、発光物質および放射性物質が挙げられる。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質とIGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEとの間の複合体形成を、IGF−II/IGF−IIEと結合する結合タンパク質または結合しない結合タンパク質を評価することにより検出し得る。従来の検出アッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)または組織の免疫組織化学)を使用できる。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質をさらに標識することに加えて、検出可能な物質で標識した標準と非標識のIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質とを用いた競合免疫アッセイにより試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEの存在をアッセイできる。このアッセイの1つの例では、生体試料、標識標準、およびIGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を組み合わせて、非標識結合タンパク質と結合する標識標準の量を決定する。試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEの量は、IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質と結合する標識標準の量に反比例する。
フルオロフォア発色団で標識したタンパク質を調製することができる。抗体および他のタンパク質が最大約310nmの波長の光を吸収するため、310nm超、好ましくは400nm超の波長を実質的に吸収する蛍光部分を選択すべきである。様々な適切な蛍光剤および発色団について、Stryer,1968, Science 162:526 and Brand, L. et al.,1972, Annu. Rev. Biochem. 41:843 868により記載されている。米国特許第3,940,475号、同第4,289,747号、および同第4,376,110号に開示の手順などの従来の手順によって、タンパク質を蛍光発色団で標識できる。いくつかの上記の所望の特性を有する1つの蛍光剤群は、フルオレセインおよびローダミンを含むキサンチン系色素である。別の蛍光化合物群はナフチルアミンである。いったんフルオロフォアまたは発色団で標識されると、タンパク質を使用して、例えば、蛍光顕微鏡法(共焦点または逆重畳顕微鏡法など)を用いて、試料中のIGF−IIおよび/またはIGF−IIEの存在または位置を検出できる。
組織学的分析。本明細書に記載のタンパク質を使用して、免疫組織化学を実施できる。例えば、抗体の場合、標識(精製またはエピトープタグなど)を使用して抗体を合成することもできるし、例えば、標識または標識結合基とコンジュゲートさせることによって検出可能に標識することもできる。例えば、キレーターを抗体に付着させることができる。次いで、抗体を、組織学的調製物(例えば、顕微鏡スライド上に存在する組織の固定切片)と接触させる。結合のためのインキュベーション後、調製物を洗浄して、非結合抗体を除去する。次いで、調製物を、例えば、顕微鏡法を用いて分析し、抗体が調製物と結合したかどうかを同定する。
勿論、抗体(または他のポリペプチドまたはペプチド)は結合時に非標識であってもよい。結合および洗浄後、検出できるように抗体を標識する。
タンパク質アレイ。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、タンパク質アレイ上に固定することもできる。タンパク質アレイは、例えば、医学試料(単離細胞、血液、血清、生検など)をスクリーニングするために診断手段として使用できる。勿論、タンパク質アレイは、例えば、IGF−IIおよび/もしくはIGF−IIEまたは他の標的分子と結合する他の結合タンパク質を含むこともできる。
ポリペプチドアレイの産生方法については、例えば、De Wildt et al., 2000, Nat. Biotechnol. 18:989−994; Lueking et al., 1999, Anal. Biochem. 270:103−111; Ge, 2000, Nucleic Acids Res. 28, e3, I−VII; MacBeath and Schreiber, 2000, Science 289:1760−1763;WO01/40803号およびWO99/51773A1号に記載されている。アレイのためのポリペプチドは、例えば、市販のロボット装置(例えば、Genetic MicroSystemsまたはBioRoboticsから)を用いて、高速でスポットできる。アレイ基板は、例えば、ニトロセルロース、プラスチック、ガラス(例えば、表面改質ガラス)であり得る。アレイはまた、多孔質マトリックス(例えば、アクリルアミド、アガロース、または別のポリマー)を含むこともできる。
例えば、アレイは、例えば、上記De Wildtに記載のように抗体のアレイであり得る。タンパク質を産生する細胞を、整列させた形式でフィルター上で増殖させることができる。ポリペプチド産生を誘発し、発現したポリペプチドを、前記細胞の位置でフィルターに固定する。タンパク質アレイを標識標的と接触させて、標的の各固定化ポリペプチドへの結合の程度を決定できる。アレイの各アドレスでの結合の程度に関する情報は、プロファイルとして、例えば、コンピュータデータベースに保存できる。タンパク質アレイを複製物中で産生して、(例えば、標的および非標的の)結合プロファイルを比較するために使用することができる。
FACS(蛍光活性化細胞選別器)。IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質は、細胞、例えば、試料(例えば、患者試料)中の細胞を標識するために使用できる。結合タンパク質を、蛍光化合物に付着させる(または付着可能である)。次いで、蛍光活性化細胞選別器を用いて(例えば、Becton Dickinson Immunocytometry Systems, San Jose CAから販売されている選別器を用いて;米国特許第5,627,037号;同第5,030,002号;ならびに同第5,137,809号も参照されたい)細胞を選別できる。細胞が選別器を通過する時、レーザービームが蛍光化合物を励起して、その間検出器が通過した細胞を計数し、蛍光化合物が細胞に付着しているかどうかを蛍光の検出により決定する。各細胞に結合した標識の量を定量および分析して、試料を特性決定できる。
選別器は、細胞を偏向させ、結合タンパク質の結合した細胞を結合タンパク質の結合しなかった細胞から分離することもできる。分離した細胞は、培養および/または特性決定できる。
インビボ画像化。インビボでIGF−IIおよび/またはIGF−IIE発現組織の存在を検出する方法も特徴とする。この方法は、(i)対象(例えば、全身性強皮症に伴う肺線維症を例えば有する患者)に、検出可能なマーカーとコンジュゲートさせた抗IGF−II/IGF−IIE抗体を投与すること;(ii)対象を、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE発現組織または細胞に対する前記検出可能なマーカーを検出する手段に曝露すること、を含む。例えば、対象を、例えば、NMRまたは他の断層撮影方法により画像化する。
画像診断に有用な標識の例としては、放射標識(131I、111In、123I、99mTc、32P、125I、H、14C、および188Rhなど)、蛍光標識(フルオレセインおよびローダミンなど)、核磁気共鳴活性標識、陽電子放出断層撮影(「PET」)スキャナにより検出可能な陽電子放出同位体、化学発光体(ルシフェリンなど)、および酵素マーカー(ペルオキシダーゼまたはホスファターゼなど)が挙げられる。短距離放射体(短距離検出プローブにより検出可能な同位体など)も使用できる。タンパク質は、かかる試薬で標識できる;例えば、Wensel and Meares, 1983, Radioimmunoimaging and Radioimmunotherapy, Elsevier, New York for techniques relating to the radiolabeling of antibodies and D. Colcher et al., 1986, Meth. Enzymol. 121: 802 816を参照されたい。
結合タンパク質は、放射性同位体(14C、H、35S、125I、32P、131Iなど)で標識できる。放射性標識した結合タンパク質は、診断的検査(例えば、インビトロアッセイ)に使用できる。同位体標識した結合タンパク質の比活性は、放射性標識の半減期、同位体純度、および標識がどのように抗体に組み込まれたかに応じて異なる。
放射性標識された結合タンパク質の場合、結合タンパク質を患者に投与し、それを、結合タンパク質が応答する抗原を保有する細胞に局在化させ、例えば、γ線カメラまたは放出断層撮影を用いた放射性核種スキャニングなどの既知の技術を用いて、インビボで検出または「画像化」する。例えば、A.R. Bradwell et al., “Developments in Antibody Imaging”, Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy, R.W. Baldwin et al., (eds.), pp 65 85 (Academic Press 1985)を参照されたい。あるいは、放射標識が陽電子(例えば、11C、18F、15O、および13N)を放出する場合、Brookhaven National Laboratoryに存在する指定されたPet VIなどの陽電子放出横断断層撮影スキャナを使用できる。
MRI造影剤。核磁気共鳴(MRI)は、NMRを用いて生きている対象の内部特性を視覚化するものであり、予後診断、診断、治療、および外科手術に有用である。MRIは、明らかな便益のため、放射性トレーサー化合物なしで使用できる。一部のMRI技術について、EP−A−0 502 814にまとめられている。一般に、異なる環境における水プロトンの緩和時間定数T1およびT2に関する相違が造影に用いられる。しかしながら、これらの相違は、鮮明な高解像度の画像を得るには不十分であり得る。
これらの緩和時間定数の相違は、造影剤によって強調し得る。かかる造影剤の例としては、いくつかの磁性造影剤、常磁性造影剤(主にT1を改変する)および強磁性造影剤または超常磁性造影剤(主にT2応答を改変する)が挙げられる。キレート(例えば、EDTA、DTPAおよびNTAキレート)を使用して、一部の常磁性物質(例えば、Fe+3、Mn+2、Gd+3)を付着させる(そして毒性を減らす)ことができる。他の造影剤は、粒子(例えば、直径10mm未満〜約10nM)の形態であり得る。粒子は、強磁性、反強磁性、または超常磁性であり得る。粒子は、例えば、磁鉄鉱(Fe)、γ−Fe、フェライト、および遷移元素の他の磁性無機化合物を含み得る。磁性粒子は、非磁性造影剤を含むおよび非磁性造影剤を含まない1つ以上の磁性結晶を含み得る。非磁性物質は、合成または天然ポリマー(セファロース、デキストラン、デキストリン、デンプンなど)などを含み得る。
IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を、NMR活性19F原子を含む指示基または複数のかかる原子で標識でき、これは、(i)実質的にすべての天然に豊富なフッ素原子が19F同位体であり、したがって、実質的にすべてのフッ素含有化合物がNMR活性である;(ii)多数の化学的に活性なポリフッ素化化合物(トリフルオロ酢酸無水物など)が比較的安価で市販されている;ならびに(iii)ヘモグロビン代替物として酸素を運搬するために使用されるペルフルオロポリエーテルなど、多数のフッ素化化合物がヒトにおける使用において医学的に承認されているからである。かかるインキュベーション時間後、Pykett, 1982, Sci. Am. 246:78 88に記載の装置などの装置を用いて全身MRIを実行し、IGF−IIおよび/またはIGF−IIE発現組織を局在化させて、画像化する。
例証
本発明を下記の実施例によりさらに例証するが、下記の実施例は決して本発明を制限するものと解釈すべきではない。本出願を通して引用されたすべての文献、係属特許出願および公開特許の内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
ライブラリーからの抗IGF−II/IGF−IIE抗体の選択およびスクリーニング
Fabディスプレイファージをまず磁性ストレプトアビジンビーズと接触させるように配置し、ストレプトアビジンビーズと結合し得るものを枯渇させた。次いで、非結合ファージを、ストレプトアビジン磁性ビーズ上に固定されたビオチン化IGF−IIE(アミノ酸1〜104)と接触させるように配置した。非結合ファージを洗い流し、ファージを増殖させるために、結合ファージを大腸菌細胞とともに配置した。増殖したファージを、磁性ストレプトアビジンビーズと接触させるように配置し、さらに枯渇させるためにストレプトアビジンビーズ上に固定したビオチン化IGF−Iと接触させるように配置した。先のように、非結合ファージを、ストレプトアビジン磁性ビーズ上に固定されたビオチン化IGF−IIE(アミノ酸1〜104)と接触させるように配置した。非結合ファージを洗い流し、この全体過程をさらにもう1サイクル反復した。次いで、増殖したアウトプットファージ上で遺伝子III除去を実施した。次いで、IGF−IIE(アミノ酸1〜104)、IGF−II(アミノ酸1〜67)、IGF−Iおよびストレプトアビジンを標的として用いてsFab ELISAを実施した。次いで、IGF−IIEおよびIGF−IIとは結合するが、IGF−Iもしくはストレプトアビジンとは結合しないsFabを追求した。以下の材料および方法を用いて、IGF−IIまたはIGF−IIEにより刺激されるBA/F3細胞増殖に対する阻害についてsFabをスクリーニングした。
細胞培養および材料:
BA/F3細胞を完全培地(90%RPMI1640+10%FBS+10ng/ml IL−3+2mMのL−アラニル−グルタミン+1×Pen/Strep)中で培養した。6〜15継代の細胞を高処理細胞増殖アッセイ用に使用した。IGF−II(67aa)、IGF−IIE(104aa)をPBS中10μg/mlで−70℃に保った。IL−4をR&D SYSTEM、Cat番号404−MLから購入し、抗IGF−II抗体をR&D SYSTEM、Cat番号MAB292から購入した。中央値スケールの精製においてバッチ1およびバッチ2由来の34個のsFab(すべてPBS中)をスクリーニングした。
スクリーニング手順:
PBS中、IGF−IIを400ng/mlの濃度で;IGF−IIEを800ng/mlの濃度で;sFabを200μg/mlの濃度で調製した。25μlのIGF−IIまたはIGF−IIEを、96ウェルプレート中の25μlのsFabとともに、各sFabにつき三つずつ、総量50μl/ウェルで室温で30分間プレインキュベーションした。細胞を以下のとおり調製した。
○ 1100rpmで5分間遠心分離してBA/F3細胞を回収する。
○ 上清を除去し、細胞を20mlのPBS中に再懸濁する。
○ 10μlの細胞懸濁液を10μlのトリパンブルー溶液と混合して、10μlを血球計算器に乗せることにより細胞密度を計算し、細胞密度および生存率を計算する。
○ 細胞をPBS溶液から1100rpmで5分間遠心沈殿する。
○ 上清を除去し、IL−3を含まない培養培地に2×10細胞/mlで細胞を再懸濁する。
○ 細胞懸濁液を、調製した96ウェルプレートの各ウェルに25μl添加して、最終細胞密度を5×10細胞/ウェルとする。
○ IL−3を含まない培地中の200ng/mlのIL−4を各ウェルに25μl添加して、最終濃度を50ng/mlとする。
○ 総量は100μl/ウェルである。R&D由来の中和抗体50μg/mlを陽性対照として;非処理を陰性対照とした。sFabの最終濃度:50μg/ml(1μM)
○ プレートを37℃、5%COで72時間インキュベーションする。
MTSアッセイを以下のとおり実施した。
・ 20μlのCellTiter96Aqueous One Solution Reagentを各ウェルに添加する。
・ 37℃、5%COでさらに4時間インキュベーションする。
・ マイクロプレート分光光度計で波長490nmの吸収についてプレートを読み取る。
第一バッチ由来の2個のFabおよび第二バッチ由来の6個のFabがIGF−II刺激BA/F3細胞増殖およびIGF−IIE刺激BA/F3細胞増殖の両方に対して有意な阻害効果を示した。これら8個のFab、すなわちM0068−E03、M0072−C06、M0064−F02、M0072−G06、M0072−E03、M0070 H08、M0064−E04およびM0063−F02について、IC50決定のためにさらに評価した。
抗IGF−II/IGF−IIE FabのIC50決定
IGF−IIまたはIGF−IIEにより刺激されるBA/F3細胞増殖に対する阻害についての8個のsFabのIC50値を以下のとおり決定した。
細胞培養および材料:
BA/F3細胞を完全培地(90%RPMI1640+10%FBS+10ng/ml IL−3+2mMのL−アラニル−グルタミン+1×Pen/Strep)中で培養した。24継代の細胞を細胞増殖アッセイ用に使用した。IGF−II(67aa)、IGF−IIE(104aa)をPBS中、10μg/mlで−70℃に保った。IL−4をR&D SYSTEM、Cat番号404−MLから購入し、抗IGF−II抗体をR&D SYSTEM、Cat番号MAB292から購入した。実施例1の8個のsFabをPBS中で中規模の精製に供した。
手順:
・ PBS中、IGF−IIを400ng/mlの濃度で;IGF−IIEを800ng/mlの濃度で;sFabを200μg/mlの濃度で調製する。
・ 25μlのIGF−IIまたはIGF−IIEを、96ウェルプレート中の25μlの1:2連続希釈sFab(50μg/mlから0まで)とともに、各sFabの各用量につき三つずつプレインキュベーションし、総量50μl/ウェル中、室温で30分間インキュベーションする。
・ 細胞を調製する:
○ 1100rpmで5分間遠心分離してBA/F3細胞を回収する。
○ 上清を除去し、細胞を20mlのPBS中に再懸濁する。
○ 10μlの細胞懸濁液を10μlのトリパンブルー溶液と混合して、10μlを血球計算器に乗せることにより細胞密度を計算し、細胞密度および生存率を計算する。
○ 細胞をPBS溶液から1100rpmで5分間遠心沈殿する。
○ 上清を除去し、IL−3を含まない培養培地に2×10細胞/mlで細胞を再懸濁する。
○ 細胞懸濁液を、調製した96ウェルプレートの各ウェルに25μl添加して、最終細胞密度を5×10細胞/ウェルとする。
○ IL−3を含まない培地中の200ng/mlのIL−4を各ウェルに25μl添加して、最終濃度を50ng/mlとする。
○ 総量は100μl/ウェルである。
○ プレートを37℃、5%COで72時間インキュベーションする。
MTSアッセイ:
・ 20μlのCellTiter96Aqueous One Solution Reagentを各ウェルに添加する。
・ 37℃、5%COでさらに4時間インキュベーションする。
・ マイクロプレート分光光度計で波長490nmの吸収についてプレートを読み取る。
8個中6個のFabにおいて、表2に示すIC50値で、細胞増殖に対する用量依存的な抗IGF−II/IIE sFabの阻害効果が観察された。IGF−IIE刺激細胞増殖について、Fab 72E03はいくらか阻害を示したが、他のものによる阻害ほど有意ではなかった。72E03のIC50値は低効力のため計算しなかった。Fab 70H08は有意な阻害を示さなかった。
(表2)IGF−II刺激細胞増殖およびIGF−IIE刺激細胞増殖の両方に対して阻害効果を示した6個のFabのIC50値
Figure 2012505900
50μg/mlでのほとんどのsFabにおいて、IGF−I刺激細胞増殖に対する阻害効果が観察された。Neu−IGF−I抗体は強力な阻害を示した;Neu−IGF−II抗体および他のすべてのsFab(70H08を除く)も約30%の阻害を示した。
結論として、6個のsFab(M0072−G06、M0063−F02、M0064−F02、M0064−E0、M0068−E03およびM0072−C06)は、IGF−II刺激BaF3細胞増殖およびIGF−IIE刺激BaF3細胞増殖の両方に対して有意な阻害効果を示した。さらに、50μg/mlのM0070−H08を除いたすべての可溶性Fabが、IGF−I刺激細胞増殖に対して多かれ少かれ阻害(約30%)を示した。
抗IGF−II/IGF−IIE FabのDNAおよびアミノ酸配列
ヒトIGF−II/IGF−IIEの両方と結合する例示的なFabを上記のように同定し、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、およびM0072−G06と命名した。これらFab軽鎖可変領域(LV)、軽鎖定常領域(LC)、重鎖可変領域(HV)および重鎖定常領域(HC)のDNA配列を表3に示す。CDR領域をコードするDNA配列は太字で示す。
(表3)抗IGF−II/IGF−IIE FabのDNA配列
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
ヒトIGF−IIおよびIGF−IIEと結合し、かつヒトIGF−IIおよびIGF−IIEを阻害する例示的なFab LV、LC、HVおよびHC領域のアミノ酸配列(これらのDNA配列は表3に提示している)を表4に示す。CDR領域は太字で示す。
(表4)抗IGF−II/IGF−IIE Fabのアミノ酸配列
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
抗IGF−II/IGF−IIE IgGの生殖系列化および産生
2つのIgGを生殖系列化した。両方ともVK1_02 DPK9/02由来であった。M0064−E04は軽鎖固有で3つ、JK5内で1つ、全体で4つの変異を必要とし、M0064−F02は軽鎖固有で3つの変異を必要とし、JK1内では変異を必要としなかった。
生殖系列化において生成されたアミノ酸変異を下に示す。これらの変異はフレームワーク領域において行われた。
M0064−E04):
>VK1_O2 DPK9/O2
長さ=95;スコア=174ビット(442)、期待値=7e−48
同一性=86/95(90%)、陽性=89/95(93%)
Figure 2012505900
>JK5
長さ=12;スコア=24.3ビット(51)、期待値=4e−05
同一性=10/11(90%)、陽性=10/11(90%)
Figure 2012505900
M0064−F02−LV
>VK1_O2 DPK9/O2
長さ=95;スコア=178ビット(451)、期待値=6e−49
同一性=87/95(91%)、陽性=92/95(96%)
Figure 2012505900
>JK1
長さ=12;スコア=30.4ビット(67)、期待値=6e−07
同一性=12/12(100%)、陽性=12/12(100%)
Figure 2012505900
選択された抗IGF−II/IGF−IIE FabおよびIgGの親和性測定
(表5)SPR(Flexchip)によるFabの親和性測定(二回ずつ)
Figure 2012505900
- - - =2回目の親和性測定値を得ていない
(表6)SPR(Biacore)により測定されたIgGの親和性測定
Figure 2012505900
nM=E−09
pM=E−12
選択された抗IGF−II/IGF−IIE IgGのIC50決定
M0063−F02
本試験の目的は、IGF−IIもしくはIGF−IIE刺激BaF3細胞増殖に対する阻害のためのM0063−F02 IgGの大量産生およびIC50決定を試験することであった。
細胞培養および材料:
BAF3細胞を完全培地(90%RPMI1640+10%FBS+10ng/ml IL−3+2mMのL−アラニル−グルタミン+1×Pen/Strep)中で培養した。増殖アッセイ用に41継代の細胞を使用した。IGF−II(67aa)、IGF−IIE(104aa)をPBS中10μg/mlで−70℃に保った。IL−4をR&D SYSTEM、Cat番号404−MLから購入し、抗IGF−II抗体をR&D SYSTEM、Cat番号MAB292から購入した。抗IGF−IIM0063−F02は6.1mg/mlであった。Guava ViaCount試薬、Cat#4000−0041を購入した。
手順:
・ PBS中、IGF−IIを400ng/mlの濃度で;IGF−IIEを800ng/mlの濃度で;IgGを120μg/mlの濃度で調製する。
・ 25μlのIGF−IIまたはIGF−IIEを、96ウェルプレート中の25μlの連続希釈IgG(最終濃度30μg/mlから0まで)とともに、各用量につき三つずつ、総量50μl/ウェルで室温で30分間プレインキュベーションする。
・ 細胞を調製する:
○ 1100rpmで5分間遠心分離してBA/F3細胞を回収する。
○ 上清を除去し、細胞を20mlのPBS中に再懸濁する。
○ 10μlの細胞懸濁液を10μlのトリパンブルー溶液と混合して、10μlを血球計算器に乗せることにより細胞密度を計算し、細胞密度および生存率を計算する。
○ 細胞をPBS溶液から1100rpmで5分間遠心沈殿する。
○ 上清を除去し、IL−3を含まない培養培地に4×10細胞/mlで細胞を再懸濁する。
○ 細胞懸濁液を、調製した96ウェルプレートの各ウェルに25μl添加して、最終細胞密度1×10細胞/ウェルとする。
○ IL−3を含まない培地中の200ng/mlのIL−4を各ウェルに25μl添加して、最終濃度を50ng/mlとする。
○ 総量は100μl/ウェルである。
○ プレートを37℃、5%COで48時間インキュベーションする。
Guava ViaCountアッセイ:
・ 96ウェルプレートを遠心分離し、細胞を200μlのGuava ViaCount試薬に再懸濁し、5分間混合およびインキュベーションする。丸底96ウェルプレートに移す。
・ Guava ViaCount分析。
・ IC50をSigmaプロットにおいて下記の方程式を用いて計算する:
f=y0−((ax)/(IC50+x))。
M0063−F02 IgGはIGF−IIおよびIGF−IIE刺激BaF3増殖に対して用量依存的な阻害を示した。M0063−F02 IgGは、IGF−II刺激細胞増殖およびIGF−IIE刺激細胞増殖の両方をそれぞれ2および0.85nMのIC50値で阻害した。
M0064−E04 IgGおよびM0063−F02 IgG:
本試験の目的は、2つのIgG候補をIGF−IIまたはIGF−IIE刺激BaF3細胞増殖に対する阻害について試験し、IC50値を比較することであった。
細胞培養および材料:
BaF3細胞を完全培地(90%RPMI1640+10%FBS+10ng/ml IL−3+2mMのL−アラニル−グルタミン+1×Pen/Strep)中で培養した。22継代の細胞を増殖アッセイ用に使用した。
IGF−II(67aa)、IGF−IIE(104aa)をPBS中、10μg/mlで−70℃に保った。IL−4をR&D SYSTEM、Cat番号404−MLから購入し、抗IGF−II抗体をR&D SYSTEM、Cat番号MAB292から購入した。抗IGF−II抗体:R&D SYSTEM、Cat番号MAB292。
手順:
・ PBS中、IGF−IIを400ng/mlの濃度で;IGF−IIEを800ng/mlの濃度で;IgGを200μg/mlの濃度で調製する。
・ 25μlのIGF−IIまたはIGF−IIEを、96ウェルプレート中の25μlの1:2連続希釈IgG(50μg/mlから0まで)とともに、各用量につき三つずつプレインキュベーションし、総量50μl/ウェル中、室温で30分間インキュベーションする。
・ 細胞を調製する:
○ 1100rpmで5分間遠心分離してBA/F3細胞を回収する。
○ 上清を除去し、細胞を20mlのPBS中に再懸濁する。
○ 10μlの細胞懸濁液を10μlのトリパンブルー溶液と混合して、10μlを血球計算器に乗せることにより細胞密度を計算し、細胞密度および生存率を計算する。
○ 細胞をPBS溶液から1100rpmで5分間遠心沈殿する。
○ 上清を除去し、IL−3を含まない培養培地に2×10細胞/mlで細胞を再懸濁する。
○ 細胞懸濁液を、調製した96ウェルプレートの各ウェルに25μl添加して、最終細胞密度を5×10細胞/ウェルとする。
○ IL−3を含まない培地中の200ng/mlのIL−4を各ウェルに25μl添加して、最終濃度を50ng/mlとする。
○ 総量は100μl/ウェルである。
○ プレートを37℃、5%COで48時間インキュベーションする。
Guava ViaCountアッセイ
・ 96ウェルプレートの各ウェルを混合し、各ウェルから新しい96ウェルプレートに20μlの細胞試料を移し、180μlのGuava ViaCount試薬を各ウェルに添加し、5分間混合およびインキュベーションする。
・ Guava ViaCount分析。
両IgGが、IGF−II;IGF−IIE刺激BaF3増殖に対して用量依存的な阻害を示した。いずれのIgGもIGF−I刺激細胞増殖に対して有意な効果を示さなかった。M0063−F02 IgGはIGF−IIおよびIGF−IIE刺激細胞増殖の両方をそれぞれ約7nMおよび10nMのIC50値で阻害し、M0064−E04 IgGはIGF−IIおよびIGF−IIE刺激細胞増殖の両方をそれぞれ約19nMおよび130nMのIC50値で阻害した。
抗IGF−II/IGF−IIE結合タンパク質を用いたインビトロ試験
MCF−7細胞におけるIGF−1Rリン酸−アッセイ
本発明者らはMCF−7細胞株におけるIGF−IIおよび/またはIGF−IIE誘発性IGF−1Rリン酸化に対するM0063−F02 IgGの阻害効果を試験した。
MCF−7:乳癌細胞株細胞を、10%FBS、0.1mMのNEAA、1mMのピルビン酸Na、0.01mg/mlウシインスリンおよび1×Pen/Strepを有するMEM培地中で培養した。抗IGF−1R抗体をUpstate、Cat番号05−656から購入し、抗リン酸化IGF−IR抗体をCell Signaling、Cat#3024から購入した。MCF−7(P15)を6ウェルプレートにおける完全培地中、1×10細胞/ウェルで、37℃、5%CO2インキュベーターにて一晩培養した。次いで、この細胞を基礎MEM培地で6時間飢餓状態にさせ、バッチ内で以下のとおり処理した。
1. 処理なし。
2. 細胞を10nM IGF−IIで20分間処理した。
3. 細胞を10nM IGF−IIEで20分間処理した。
4. 細胞を40nM M0063−F02 IgGで30分間前処理後、IGF−II 10nMを20分間添加した。
5. 細胞を40nM M0063−F02 IgGで30分間前処理後、IGF−IIE 10nMを20分間添加した。
6. M0063−F02 40nMをIGF−II 10nMと30分間事前混合後、細胞に添加した。
7. M0063−F02 40nMをIGF−IIE 10nMと30分間事前混合後、細胞に添加した。
8. F02 40nM、IGF−II 10nMを細胞に同時添加し、20分間処理した。
9. M0063−F02 40nM、IGF−IIE 10nMを細胞に同時添加し、20分間処理した。
10. 細胞を40nMのA02 IgGで30分間前処理後、IGF−II 10nMを20分間添加した。
11. 細胞を40nMのA02 IgGで30分間前処理後、IGF−IIE 10nMを20分間添加した。
細胞を、1mMオルトバナジン酸ナトリウムを含む氷冷PBSで1回洗浄した。細胞をプロテアーゼ阻害剤カクテルと1mlのRIPA緩衝液で溶解し、氷上で10分間インキュベーションした。可溶化物を14,000rpmで10分間回転させて細胞残骸を取り除いた。細胞可溶化物を2μg/mlの抗IGF−1R抗体、20μlのアガロースビーズで4℃、一晩免疫沈殿し、免疫沈澱物を回収し、1mlのRIPA緩衝液で3回洗浄した。12μlの2×電気泳動試料緩衝液を添加した。
ウエスタンブロッティング:試料を70℃の湯浴で10分間熱した後、15ウェル4〜12%ビス−トリスゲルに乗せた。分解タンパク質を0.45μmのPVDF膜に移した。膜を5%BSA−PBST(0.05%Tween20)で室温で1時間ブロッキングし、3%BSA−PBS−T溶液で1:1000希釈した抗リン酸化IGF−1R Abを用いて一晩40℃でプロービングした。膜をPBSで3回洗浄した。続いて、ブロットを3%BSA−PBST溶液で1:5000希釈した抗ウサギ−IgG−HRPを用いて室温で1時間プロービングし、PBSで3回洗浄した。ブロットをSupersignal west Femto Maximum Sensitivity Substrate(Pierce 1859022&23)で展開させた。膜を5%BSA−PBST(0.05%Tween20)で室温で1時間ストリッピングおよびブロッキングした。3%BSA−PBS−T溶液で1:3000希釈した抗IGF−1R Abを用いて一晩40℃でプロービングした。膜をPBSで3回洗浄した。続いて、ブロットを3%BSA−PBST溶液で1:5000希釈した抗マウスIgG−HRPを用いて室温で1時間プロービングし、PBSで3回洗浄した。ブロットをSupersignal west Femto Maximum Sensitivity Substrate(Pierce 1859022&23)で展開させた。
予備結果により、無血清条件下におけるIGF−IIまたはIGF−IIEによるMCF−7細胞の刺激はIGF−1Rリン酸化を誘発したことが示された。40nMのM0063−F02 IgGは、MCF−7細胞においてIGF−IIおよびIGF−IIE誘発性IGF−1Rリン酸化の両方に対して阻害効果を示した。類似の阻害活性が3つの異なるプロトコールにおいて観察された:抗体との細胞とのプレインキュベーション;抗体とIGF−IIもしくはIGF−IIEとの事前混合、ならびにIGF−II/IIEと抗体との細胞への同時添加。IgG対照としてのA02は、IGF−IIまたはIGF−IIE誘発性IGF−1Rリン酸化に対して無効であることが示された。
IGF−1Rリン酸化アッセイにおけるM0064−E04とM0064−F02 IgGの比較
本発明者らはMCF−7細胞株におけるIGF−IIおよび/またはIGF−IIE誘発性IGF−1Rリン酸化に対するM0064−F02およびM0064−E04 IgGの相対的な阻害効果を試験した。
MCF−7:乳癌細胞株細胞を、10%FBS、0.1mMのNEAA、1mMのピルビン酸Na、0.01mg/mlウシインスリンおよび1×Pen/Strepを有するMEM培地中で培養した。抗IGF−1R抗体をUpstate、Cat番号05−656から購入し、抗リン酸化IGF−IR抗体をCell Signaling、Cat#3024から購入した。MCF−7(P20)細胞を回収して6ウェルプレートにおける完全培地中に1×10細胞/ウェルで播種し、37℃、5%COインキュベーターに一晩置いた。次いで、この細胞を基礎MEM培地で6時間飢餓状態にさせた。細胞をバッチ内で以下のとおり処理した。
・ 処理なし。
・ 細胞を10nM IGF−IIで20分間処理した。
・ 細胞をIGF−II 10nM+異なる用量のM0064−E04(40nMから0.16nMまで)で20分間処理した。
・ 細胞をIGF−II 10nM+異なる用量のM0064−F02(40nMから0.16nMまで)で20分間処理した。
・ 細胞をIGF−II 10nM+対照IgG A2 40nM(陰性対照として)で20分間処理した。
細胞を、1mMオルトバナジン酸ナトリウムを含む氷冷PBSで1回洗浄した。細胞をプロテアーゼ阻害剤カクテルと1mlのRIPA緩衝液で溶解し、氷上で10分間インキュベーションした。可溶化物を14,000rpmで10分間回転させて細胞残骸を取り除いた。細胞可溶化物を2μg/mlの抗IGF−1R抗体、20μlのアガロースビーズで4℃、一晩免疫沈殿し、免疫沈澱物を回収し、1mlのRIPA緩衝液で3回洗浄した。12μlの2×電気泳動試料緩衝液を添加した。
ウエスタンブロッティング:試料を70℃の湯浴で10分間熱した後、15ウェル4〜12%ビス−トリスゲルに乗せた。分解タンパク質を0.45μmのPVDF膜に移した。膜を5%BSA−PBST(0.05%Tween20)で室温で1時間ブロッキングし、3%BSA−PBS−T溶液で1:1000希釈した抗リン酸化IGF−1R Abを用いて一晩40℃でプロービングした。膜をPBSで3回洗浄した。続いて、ブロットを3%BSA−PBST溶液で1:5000希釈した抗ウサギ−IgG−HRPを用いて室温で1時間プロービングし、PBSで3回洗浄した。ブロットをSupersignal west Femto Maximum Sensitivity Substrate(Pierce 1859022&23)で展開させた。膜を5%BSA−PBST(0.05%Tween20)で室温で1時間ストリッピングおよびブロッキングし、3%BSA−PBS−T溶液で1:3000希釈した抗IGF−1R Abを用いて一晩40℃でプロービングした。膜をPBSで3回洗浄した。続いて、ブロットを3%BSA−PBST溶液で1:5000希釈した抗マウスIgG−HRPを用いて室温で1時間プロービングし、PBSで3回洗浄した。ブロットをSupersignal west Femto Maximum Sensitivity Substrate(Pierce 1859022&23)で展開させた。
予備結果により、無血清条件下におけるIGF−IIによるMCF−7細胞の刺激はIGF−1Rリン酸化を誘発したことが示された。M0064−E04およびM0064−F02 IgGは、MCF−7細胞中のIGF−II誘発性IGF−1Rリン酸化に対する用量依存的な阻害効果を示した。それら2つの抗体間で類似の阻害効力が観察された。IgG陰性対照としてのA02は、IGF−II誘発性IGF−1Rリン酸化に対して無効であることが示された。
結晶学およびエピトープマッピング
M0064−F02を伴うIGF−IIの結晶構造を決定して、抗体が結合するIGF2のエピトープ領域を特性決定した。Ca++またはLi++のいずれかを添加剤として、1〜10mg/mlのIGF−IIとM0064−F02 Fabをモル比2:1の中重量PEG条件(pH約5)下で用いて結晶を得た。
結晶化統計値は以下のとおりであった。
細胞:50.22 106.67 110.89 90.00 90.00 90.00
空間群:P2
原子数:4050(233個の水分子)
溶媒%:52.67
<B>原子モデル用:33.85
Sigma(B):9.21
解像度:49.21〜2.40
報告されたR因子:0.185
Rfree因子:0.261
可能なrefls最大数値:24010 実測値:22775
完成度:94.9%
相関因子:0.9254
pdb#1igfとの分子置換を用いてFab構造を分解し、pdb 2v5pを用いてIGF−II構造を分解した。
構造図を図1に描写する。Fab表面の1つ目の谷はIGF−IIへの結合にとって重要であると思われる。1つは残基Cys9からGly11を囲い込み、Cys9〜Cys47ジスルフィド結合を埋め込み、一隆起中に残基Phe48も埋め込む。2つ目の谷は、Tyr103Hバルジの反対側にあり、ここの残基は谷の上部に沿って並ぶが内部深くには見られない。谷は負電位であるが、この範囲に入って電荷を相殺する正電荷残基はない。2つのArg残基(37および38)があり、その側鎖は、Asp102Hならびにさらに埋め込まれたGlu106HおよびAsp99H残基に対して水素(H)結合もイオン性相互作用も生成しない空間内へと向いている。最も近接した接触は、Arg34のNイプシロンからVal35主鎖窒素までの4.4AおよびAsp102のカルボン酸基までの4.7Aと思われる。
Met57H残基は、ほぼ帯電した残基(Glu44、Glu45、Arg49)により3側面を覆われるように見えるが、これらの電荷はすべてMetからそれる方向に向いており、脂肪族炭素のみが結合表面に関わるように見え、これは無電荷のPhe48も含む。
Fab上の最も突出した特徴は、Tyr103Hにより生成されたフィンガーバルジである。スティックはIGF−II中に入った指のようにやや見えるが、2分子の表面間には依然として、より大きな残基(Trpなど)によりある程度埋め得る隙間または孔が残る。それはTyr59、Phe26、Leu17、Leu13、Val43、Val14でできたIGF−II表面上の疎水性ポケットである。
下表7はIGF−II配列の一部を示し、太字のアミノ酸は結晶学的試験を通して、Fab結合に関与すると示されたものである。
(表7)
Figure 2012505900
この一部配列を読むと、IGF−II由来の残基が結合表面に関わるということを理解することができ、これらの残基をT7、C9、G10、G11、L13、V14、L17、F26、P31、R34、V35、R37、S39、R40、G41、V43、E44、E45、C47、F48、R49、Y59と命名する。
重鎖(H)とIGF−II(D)との間に見られた水素結合(オングストローム距離2.60Å〜3.84Å)は以下のとおりである:
H:S53−D:E44
H:R59−D:C9
H:R59−D:C47
H:R59−D:T7
H:Y103−D:Y59
H:N31−D:R40
H:G56−D:R49
H:Y103−D:G10。
重鎖由来の結合表面に関わる残基は以下のとおりである:
S30、N31、I33、V50、I51、S52、S53、S54、G56、M57、T58、R59、D102、Y103、V104、G105、E106。
軽鎖(L)とIGF−II(D)との間に見られた水素結合(距離2.88Å〜3.52Å)は以下のとおりである:
L:Y33−D:D15
L:S92−D:G11
L:Y93−D:G11
L:Y93−D:E12。
軽鎖由来の結合表面に関わる残基:
S31、N32、Y33、S92、Y93、N94、S95、W97。
IGF−IIおよびIGF−IIEへのFabの結合についての、溶液中での親和性の測定値
競合SPR(BIACORE(登録商標))分析を使用して、
1)ファージディスプレイライブラリーから単離されたFab断片が、固定化完全長ヒトインスリン受容体A外部ドメイン(huIR−A ECD)に対するIGF−IIおよびIGF−IIEリガンドの結合を特異的に阻害したことを示し、かつ
2)これらFabについての溶液中での親和性を推定する。
方法
記載されている方法(J Struct Biol. 1999 Mar;125(1):11−8)のように、C末端mycエピトープタグと共に成熟タンパク質の残基1〜914を含むヒトIR−A ECDを、安定的に形質移入したLec8細胞(CHO−K1細胞由来のグリコシル化変異体)のバイオリアクター培養物から単離して精製した。
競合SPR(BIACORE(登録商標))を既に記載されている方法(Nieba et al., 1996)により部分的に大量輸送が制限された状態の条件下で実施した。huIR−A(−エクソン11)外部ドメインの約16,700の相対反応単位(RU)を、標準アミン化学によりBIACORE(登録商標)CM5チップセンサーと結合させた。被覆していないフローセル表面を参照として使用した。IGF−IIリガンドと固定化huIR−A ECDとの間の各結合/再生サイクルを30μl/分の一定流速のHBS−EP+ランニング緩衝液(10mMのHEPES、pH7.4、150mMのNaCl、3.4mMのEDTA、0.05%Tween20)中、25℃で実施した。表面の再生を30μlのクエン酸Na/NaCl(pH4.5)注入により達成した。はじめに、漸増量のIGF−II(またはIGF−IIE)リガンド(典型的には、0.5から8nMまで2倍増量)のHBS−EP+緩衝液を含む試料60μlを、固定化huIR−A ECD上に注入し、それら全体の結合反応(注入停止後5秒)を用いて標準結合曲線を確立した。Fab断片によるIGF−II結合の阻害を示して溶液中での親和性値(K)を得るため、IGF−II(またはIGF−IIE)リガンドを、一定の最終容量120μl中の異なる濃度のFab断片とともに、注入前少なくとも1時間、25℃でプレインキュベーションした。これら平衡混合物の試料60μlを、固定化huIR−A ECD上に注入し、huIR−A ECDへの遊離IGF−IIリガンドの結合により生じた全体の結合反応を、注入停止後5秒間記録した。Biacore T100 Evaluationソフトウェア(GE Healthcare)を用いて結合データを評価し、それによってこれら全体の結合反応を上記の標準曲線と共に用いて平衡(Req)溶液中の遊離IGF−IIリガンド濃度を得た。続いて、使用したFabの総濃度に対してこれらReq推定値をプロットし、得られた阻害曲線を使用して解離定数(K)を計算した。
結果:
(表8)Fabについての溶液中での親和性(KD)推定値(BIACORE(登録商標)T100)
Figure 2012505900
結果により、これらFabのほとんどが、huIR−A ECD受容体に対するIGF−IIおよびIGF−IIEの結合を阻害したことが示された。本明細書に示す2個のFab(M0080−G03およびM0073−C11)はIGF−IIE結合のみ阻害し、IGF−II結合は阻害しなかったことが観察され、これら2個のFabの結合はIGF−IIE特異的であることが示された。
結合タンパク質(BP2およびBP4)に対する抗IGFII(およびIGF−IIE)抗体競合アッセイ
IGF結合タンパク質(BP)は細胞上のIGF−IおよびIGF−II(およびIGF−IIE)作用を調節する上で主な役割を果たす。それらは、細胞上のIGF作用の向上または阻害のいずれかをもたらすことができる。IGF BP2はIGF−IよりもIGF−IIと優先的に結合し、多様な細胞により分泌される。同様に、IGF BP4はIGFのスカベンジャーとして作用し、IGF作用の阻害剤である。
この例において、BP2およびBP4と候補IgGとの相互作用、ならびにIGF−IIおよびIGF−IIEに対するそれら候補IgGの競合結合を調査した。
方法:
BIACORE(登録商標)T100およびプロテインGで被覆したCM5チップを使用して以下のアッセイを設定した。約1000RUのプロテインGを標準アミン化学不動化方法を用いてCM5チップ上に固定した。
全アッセイは以下の4つの試薬の3回の順次注入から構成された。
1)候補IgGをプロテインG上に10μg/ml、5μl/分で180秒間注入した。これにより典型的には、約3000RUのIgGが捕捉された。
2)次いで、IGF−IIリガンド(50nM)を5μl/分で90秒間注入した。これによりIGF−IIを捕捉抗体に結合させた。
3)次いで、BP2またはBP4(同様に50nMで)を30μl/分で90秒間注入した。BP注入時の有意な結合反応により、IGF−IIに対する候補抗体およびBPの非競合的な結合が示唆された。
4)プロテインGの表面は最終的に、30μl/分で60秒間注入した10mMグリシン(pH1.5)の注入により再生させた。
図2Aは候補抗体の1つについて得られた典型的な結合プロファイルを示す。M0063−F02はBP4に関して非競合的にIGFIIと結合するように見えた。
図2BはM0064−E04候補抗体についての競合結合データを示す。これらの結合結果を確認するために以下の対照を含んだ(図左下の説明文参照)。
1)IGF−II注入なし(BIACORE(登録商標)ランニング緩衝液のみを代わりに注入)。BP2/BP4が捕捉抗体と結合しないことを確認した。
2)IGF−IIを捕捉後、BP2またはBP4を注入しなかった。抗体から解離するIGF−IIのベースラインを確立した。
3)IGF−IIおよび/またはBP2/BP4がプロテインGまたはチップの表面のいずれとも有意に相互作用しないことを確認するための、IGF−IIと結合しない対照抗体(w02マウス抗体)。
下表は、BP2、BP4に関して、IGF−IIリガンドに対する候補抗体のこれらの競合結合結果の概要を示す。
(表9)スコアシステムスケール:
5=候補IgGはIGF−IIリガンドとの結合においてBPと強く競合する
0=候補IgGはIGF−IIリガンドとの結合においてBPと有意には競合しない
Figure 2012505900
要約:
IGFIIリガンド競合:
M0064−E04 IgGは、IGFIIリガンドとの結合においてBP2およびBP4と良好に競合する抗体であるように見える。M0064−F02およびM0072−E03は次に良好な2つの抗体である。
抗IGF−IIE FabのDNAおよびアミノ酸配列
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
例示的IGF II/IGF IIE阻害性結合タンパク質
DX−2647
DX−2647は、例示的なIGF II/IGF IIE阻害抗体である。DX−2647は、566A−M0064−F02親クローン由来の生殖系列である。DX−2647のDNAおよびアミノ酸配列は以下のとおりである。
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
軽鎖および重鎖のフレームワーク、CDRならびに定常領域配列は以下のとおりである。DX−2647由来の6つのCDRを含むタンパク質を、本明細書に記載の組成物および方法に使用できる。
Figure 2012505900
生殖系列LV−FR3領域と非生殖系列LV−FR3領域との間の相違を以下に示す。
Figure 2012505900
太字は、親566A−M0064−F02 Fabに見られた非生殖系列アミノ酸である。
DX−2655
DX−2655は、例示的なIGF II/IGF IIE阻害抗体である。DX−2655は、566A−M0064−E04親クローン由来の生殖系列である。DX−2655のDNAおよびアミノ酸配列は以下のとおりである。
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
生殖系列LV−FR3領域と非生殖系列LV−FR3領域との間の相違を以下に示す。
Figure 2012505900
太字は、親566A−M0064−E04 Fabに見られた非生殖系列アミノ酸である。
生殖系列LV−FR4領域と非生殖系列LV−FR4領域との間の相違を以下に示す。
Figure 2012505900
太字=M064−E04に見られた非生殖系列アミノ酸
参考文献
本出願を通して引用した文献参照、出願特許、公開または非公開特許出願ならびに以下の列挙を含むすべての引用した参考文献の内容は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書における任意の定義を含む本出願を優先する。
均等物
本発明のいくつかの実施形態が記載されている。それにも関わらず、本発明の真意および範囲から逸脱することなく様々な修正を行い得ることが理解される。したがって、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。
配列表
本出願は、EFS−Webによって提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2009年11月20日に作成された当該ASCIIコピーの名称はD2033712.txtであり、サイズが87,606バイトである。
関連出願への相互参照
本出願は、2008年10月14日に出願された米国仮出願第61/105,229号の優先権を主張する。先の出願の開示は本出願の開示の一部である(および参照することにより本出願の開示に組み込まれる)とみなされる。
いくつかの態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法を提供し、この方法は以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる単離タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)を対象に投与することを含む:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる。
Figure 2012505900
他の態様では、本開示は、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法に関し、この方法は以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる単離タンパク質を対象に投与することを含む:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる。
Figure 2012505900
本発明の1つ以上の実施形態の詳細について、添付の図面および本明細書の下記において説明する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本明細書の説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
[請求項1001]
IGF IIおよび/またはIGF IIEと結合する単離抗体を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法であって、
ここで、前記抗体が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、およびDX−2655からなる群から選択される抗体と同一のエピトープと結合するか、またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、およびDX−2655からなる群から選択される抗体と結合について競合する、
前記方法。
[請求項1002]
前記抗体がDX−2647と競合するか、またはDX−2647と同一のエピトープと結合する、請求項1001記載の方法。
[請求項1003]
前記抗体がM0064−F02と競合するか、またはM0064−F02と同一のエピトープと結合する、請求項1001記載の方法。
[請求項1004]
免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法であって、
ここで、
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質がIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合し、かつIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を阻害する、
前記方法。
[請求項1005]
前記重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来であり、および/または前記軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来である、請求項1004記載の方法。
[請求項1006]
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)、請求項1004記載の方法。
[請求項1007]
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1004記載の方法。
[請求項1008]
前記タンパク質が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖、ならびに/またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖を含む(それぞれ)、請求項1004記載の方法。
[請求項1009]
前記タンパク質がDX−2647の重鎖および/またはDX−2647の軽鎖を含む、請求項1004記載の方法。
[請求項1010]
免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法であって、
ここで、
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質がIGF−IIEと結合し、かつIGF−IIEを阻害するが、IGF−IIとは結合せず、阻害しない、
前記方法。
[請求項1011]
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)、請求項1010記載の方法。
[請求項1012]
前記タンパク質が、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖、および/またはM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖を含む(それぞれ)、請求項1010記載の方法。
[請求項1013]
以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる単離タンパク質を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。
[請求項1014]
前記タンパク質が、以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる、請求項1013記載の方法:
Figure 2012505900

[請求項1015]
前記タンパク質が、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含み、
ここで、
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
前記タンパク質がIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合し、かつIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を阻害する、
請求項1013記載の方法。
[請求項1016]
前記重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来であり、および/または前記軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来である、請求項1013記載の方法。
[請求項1017]
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)、請求項1013記載の方法。
[請求項1018]
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1013記載の方法。
[請求項1019]
前記タンパク質が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖、および/またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖を含む(それぞれ)、請求項1013記載の方法。
[請求項1020]
前記タンパク質がDX−2647の重鎖および/またはDX−2647の軽鎖を含む、請求項1013記載の方法。
ある実施形態では、タンパク質は、IGF−IIの以下のエピトープまたはその断片と結合する:
Figure 2012505900
Xは任意のアミノ酸である。エピトープ断片は、本明細書に記載のタンパク質が特異的に結合するものである。
さらに特に、タンパク質はIGF−IIの以下の配列またはその断片と結合し得る:
Figure 2012505900
ここで太字ではない残基は保存的変異により置換されてもよい。
IGF−II
>インスリン様増殖因子II[ヒト、小細胞肺癌細胞株T3M−11、mRNA、1322nt](アクセッション番号S77035の一部)
Figure 2012505900
>インスリン様増殖因子II;IGF−II[Homo sapiens]。(アクセッション番号AAB34155の一部)
Figure 2012505900
>ハツカネズミ(Mus Musculus)インスリン様増殖因子2、mRNA(cDNAクローンMGC:60598 画像:30013295)、完全cds.(アクセッション番号BC053489の一部)
Figure 2012505900
>Igf2タンパク質[ハツカネズミ(Mus Musculus)]。(アクセッション番号AAH53489の一部)
Figure 2012505900
IGF−IIE
>インスリン様増殖因子II[ヒト、小細胞肺癌細胞株T3M−11、mRNA、1322nt](アクセッション番号S77035の一部)
Figure 2012505900
>インスリン様増殖因子II;IGF−II[Homo sapiens]。(アクセッション番号AAB34155)
Figure 2012505900
>ハツカネズミ(Mus Musculus)インスリン様増殖因子2、mRNA(cDNAクローンMGC:60598 画像:30013295)、完全cds.(アクセッション番号BC053489の一部)
Figure 2012505900
>Igf2タンパク質[ハツカネズミ(Mus Musculus)]。(アクセッション番号AAH53489)
Figure 2012505900
(表3)抗IGF−II/IGF−IIE FabのDNA配列
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
(表4)抗IGF−II/IGF−IIE Fabのアミノ酸配列
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
生殖系列化において生成されたアミノ酸変異を下に示す。これらの変異はフレームワーク領域において行われた。
M0064−E04):
>VK1_O2 DPK9/O2
長さ=95;スコア=174ビット(442)、期待値=7e−48
同一性=86/95(90%)、陽性=89/95(93%)
Figure 2012505900
>JK5
長さ=12;スコア=24.3ビット(51)、期待値=4e−05
同一性=10/11(90%)、陽性=10/11(90%)
Figure 2012505900
M0064−F02−LV
>VK1_O2 DPK9/O2
長さ=95;スコア=178ビット(451)、期待値=6e−49
同一性=87/95(91%)、陽性=92/95(96%)
Figure 2012505900
>JK1
長さ=12;スコア=30.4ビット(67)、期待値=6e−07
同一性=12/12(100%)、陽性=12/12(100%)
Figure 2012505900
(表7)
Figure 2012505900
抗IGF−IIE FabのDNAおよびアミノ酸配列
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
例示的IGF II/IGF IIE阻害性結合タンパク質
DX−2647
DX−2647は、例示的なIGF II/IGF IIE阻害抗体である。DX−2647は、566A−M0064−F02親クローン由来の生殖系列である。DX−2647のDNAおよびアミノ酸配列は以下のとおりである。
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
軽鎖および重鎖のフレームワーク、CDRならびに定常領域配列は以下のとおりである。DX−2647由来の6つのCDRを含むタンパク質を、本明細書に記載の組成物および方法に使用できる。
Figure 2012505900
生殖系列LV−FR3領域と非生殖系列LV−FR3領域との間の相違を以下に示す。
Figure 2012505900
太字は、親566A−M0064−F02 Fabに見られた非生殖系列アミノ酸である。
DX−2655
DX−2655は、例示的なIGF II/IGF IIE阻害抗体である。DX−2655は、566A−M0064−E04親クローン由来の生殖系列である。DX−2655のDNAおよびアミノ酸配列は以下のとおりである。
Figure 2012505900
Figure 2012505900
Figure 2012505900
生殖系列LV−FR3領域と非生殖系列LV−FR3領域との間の相違を以下に示す。
Figure 2012505900
太字は、親566A−M0064−E04 Fabに見られた非生殖系列アミノ酸である。
生殖系列LV−FR4領域と非生殖系列LV−FR4領域との間の相違を以下に示す。
Figure 2012505900
太字=M064−E04に見られた非生殖系列アミノ酸

Claims (20)

  1. IGF IIおよび/またはIGF IIEと結合する単離抗体を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法であって、
    ここで、前記抗体が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、およびDX−2655からなる群から選択される抗体と同一のエピトープと結合するか、またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、およびDX−2655からなる群から選択される抗体と結合について競合する、
    前記方法。
  2. 前記抗体がDX−2647と競合するか、またはDX−2647と同一のエピトープと結合する、請求項1記載の方法。
  3. 前記抗体がM0064−F02と競合するか、またはM0064−F02と同一のエピトープと結合する、請求項1記載の方法。
  4. 免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法であって、
    ここで、
    前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み、ならびに/または
    前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
    前記タンパク質がIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合し、かつIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を阻害する、
    前記方法。
  5. 前記重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来であり、および/または前記軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来である、請求項4記載の方法。
  6. 前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)、請求項4記載の方法。
  7. 前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647の軽鎖可変ドメインを含む、請求項4記載の方法。
  8. 前記タンパク質が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖、ならびに/またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖を含む(それぞれ)、請求項4記載の方法。
  9. 前記タンパク質がDX−2647の重鎖および/またはDX−2647の軽鎖を含む、請求項4記載の方法。
  10. 免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む単離タンパク質を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法であって、
    ここで、
    前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み、ならびに/または
    前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
    前記タンパク質がIGF−IIEと結合し、かつIGF−IIEを阻害するが、IGF−IIとは結合せず、阻害しない、
    前記方法。
  11. 前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)、請求項10記載の方法。
  12. 前記タンパク質が、M0080−G03もしくはM0073−C11の重鎖、および/またはM0080−G03もしくはM0073−C11の軽鎖を含む(それぞれ)、請求項10記載の方法。
  13. 以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる単離タンパク質を対象に投与することを含む、対象における全身性強皮症に伴う肺線維症を治療または予防する方法:
    Figure 2012505900
    Xは任意のアミノ酸である。
  14. 前記タンパク質が、以下のコンセンサス配列またはその機能的断片と特異的に結合することができる、請求項13記載の方法:
    Figure 2012505900
  15. 前記タンパク質が、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含み、
    ここで、
    前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み、ならびに/または
    前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域を含み(それぞれ)、ならびに
    前記タンパク質がIGF−IIおよびIGF−IIEの両方と結合し、かつIGF−IIおよびIGF−IIEの両方を阻害する、
    請求項13記載の方法。
  16. 前記重鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来であり、および/または前記軽鎖可変ドメイン由来の3つのCDR領域がDX−2647由来である、請求項13記載の方法。
  17. 前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)、請求項13記載の方法。
  18. 前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列がDX−2647の重鎖可変ドメインを含み、および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列がDX−2647の軽鎖可変ドメインを含む、請求項13記載の方法。
  19. 前記タンパク質が、DX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の重鎖、および/またはDX−2647、M0033−E05、M0063−F02、M0064−E04、M0064−F02、M0068−E03、M0070−H08、M0072−C06、M0072−E03、M0072−G06、生殖系列M0064−E04、生殖系列M0064−F02、もしくはDX−2655の軽鎖を含む(それぞれ)、請求項13記載の方法。
  20. 前記タンパク質がDX−2647の重鎖および/またはDX−2647の軽鎖を含む、請求項13記載の方法。
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