JP3212976B2 - 液晶電気光学装置 - Google Patents

液晶電気光学装置

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利光 小沼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
等のスイッチング素子を有するアクティブ型の液晶電気
光学装置とその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表示装置として液晶電気光学装置
が注目されている。特にスイッチング素子を画素毎に有
するアクティブマトリクス型の装置が、コントラスト比
や速度の面で優れたものとしてしられている。
【0003】アクティブ型の装置は優れたものである
が、TFT等のアクティブ素子の凹凸によって配向欠陥
が発生することがあった。特に液晶材料として強誘電性
液晶を用いた場合アクティブ素子の存在により配向欠陥
が発生しやすく問題となっていた。その結果表示装置と
してのコントラスト比を低下させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スイッチン
グ素子を使用した液晶電気光学装置において液晶材料の
配向欠陥を減少させてコントラストの向上を図ることを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性基板
上にスイッチング素子を形成した後、前記基板をガラス
転移点以上に加熱して前記基板のスイッチング素子が形
成されている面を加圧プレスすることを特徴とするもの
である。
【0006】上記構成により、基板上のTFT素子など
による凹凸を実質的になくすことができ、ジグザグ欠陥
等の配向欠陥の発生を防止できる。特に液晶の配向状態
をツイスト配向(液晶分子が基板間で捻れた配向)では
なく、コントラスト比の高いユニフォーム配向(液晶分
子が基板間で一方向に配向していること)としたとき
に、配向欠陥なく良好に配向させることができ、コント
ラスト比を高くすることができる。
【0007】また、基板の凹部にTFTを形成する方法
として、平坦な基板上にTFT素子を作製後加圧プレス
して基板内に埋め込むので、高精度かつ複雑な技術が必
要となる、基板に凹部を各素子毎に設けその中にTFT
を作製する方法に比較して極めて容易に実施でき、生産
性が大幅に向上する。以下に実施例を示す。
【0008】
【実施例】図1に本実施例により作製した液晶表示装置
の構成を示す。セルの片方の基板112は透光性の熱可
塑性基板を使用した。本実施例ではポリエチレンテレフ
タレートを使用した。該基板上には画素電極114及び
アモルファスシリコンTFT115を用いたアクティブ
マトリクスを作製した。TFT115は基板の凹部に存
在している。他方の基板111は青板ガラスを使用し、
該基板には全面ITO膜113を形成した。ITO11
3上には配向膜116を塗布した。配向膜表面には一軸
配向処理を施した。2枚の基板間には液晶材料117が
挟持されている。
【0009】作製するにあたっては、基板112上には
初めにTFT素子を作製し、その後基板をガラス転移点
以上本実施例では150℃にし、TFTが形成されてい
る面を加圧プレスしてTFT素子を埋め込む。そのまま
の状態で室温まで冷却することで基板中にTFT素子を
埋設した。このことで、基板上に形成された素子による
凹凸は実質的になくなった。
【0010】しかる後、表示画素としてITOを形成し
た。表示画素の大きさは20μm×60μmとし、マト
リクスの規模は1920×480とした。
【0011】次に、配向膜材料116はポリイミド系の
樹脂、例えばLQ−5200(日立化成製)、LP−6
4(東レ製)、RN−305(日産化学製)等であり、
ここではLP−64を使用した。配向膜はn−メチル−
2−ピロリドン等の溶媒により希釈しスピンコート法に
より塗布した。ここでは液晶の配向をユニフォーム配向
とするためにスイッチング素子が形成されていない方の
基板のみに塗布した。塗布した基板は250〜300
℃、ここでは280℃で2. 5時間加熱し溶媒を乾燥さ
せ、塗膜をイミド化し硬化させた。硬化後の膜厚は30
0Åであった。
【0012】次に配向膜をラビングする。ラビングはレ
ーヨン、綿等の布が巻いてあるローラーで450〜90
0rpm、ここでは450rpmの回転数で一方向に擦
った。
【0013】次に該セルの間隔を一定にするためスペー
サー118として、配向膜が塗布されている側の基板に
は直径1. 5μmの真絲球(触媒化成製)を散布した。
また、他方の基板上には、該2枚の基板を固定するため
に、シール剤として基板の周辺に2液性のエポキシ系接
着剤をスクリーン印刷により印刷塗布し、その後2枚の
基板を接着固定した。
【0014】上記基板には液晶材料117を注入する。
液晶材料としてIso−SmA転移温度が71. 7℃の
強誘電性液晶を使用した。注入は、液晶セル及び液晶材
料を70℃とし真空下で行った。注入後、液晶セルは2
〜20℃/hr、ここでは3℃/hrの割合で徐冷し
た。
【0015】この液晶セルの配向状態を、偏光顕微鏡で
直交ニコル下で観察したところある回転角で消光位、即
ち片方の偏光板に入射した光が、他方の偏光板を透過せ
ず、あたかも光が遮断された状態が得られた。これは本
実施例ではTFT素子を有する側の基板上に配向膜を有
していない構成であるため、液晶材料がツイスト状態で
なくユニフォーム配向となっていることを示している。
【0016】加えて、配向膜の無いTFT素子を設けた
側の基板においては、TFT素子の凹凸がなく基板表面
が平滑であるため、ジグザグ欠陥等配向の不良な箇所は
見られず、ユニフォーム配向を極めて良好になさしめる
ことができた。
【0017】上記液晶セルの光学特性を測定するとコン
トラスト比100を得た。
【0018】
【発明の効果】本発明により、アクティブ型の液晶電気
光学装置において、ジグザグ欠陥等の配向欠陥の発生を
防止できた。
【0019】またスイッチング素子の存在による配向欠
陥の発生を防いで良好なユニフォーム配向をさせること
ができ、一層のコントラストの向上を図ることができ
た。
【0020】また、基板に凹部を各素子毎に設けその中
にTFTを作製する方法に比較して極めて容易に実施で
き、生産性を大幅に向上させることができた。
【0021】総じて本発明により、配向欠陥の発生を防
いで液晶電気光学装置のコントラストを大幅に向上させ
ることができた。
【0022】本発明は強誘電性液晶を使用した液晶電気
光学装置において特に有効であるが、他の種類の液晶に
対しても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による液晶セルの概略図を示す。
【符号の説明】
111 基板 112 基板 113 電極 114 電極 115 TFT 116 配向膜 117 液晶材料 118 スペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1368 G02F 1/1333

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の熱可塑性基板と、 前記基板に設けられたスイッチング素子と、 前記基板に設けられた画素電極と、前記基板に設けられた前記液晶材料を配向する手段と、 前記基板間に液晶材料とを有する液晶電気光学装置にお
    いて、 前記スイッチング素子は前記基板へ加圧により埋め込ま
    れている ことを特徴とする液晶電気光学装置。
  2. 【請求項2】 請求項において、前記配向する手段に
    より、前記液晶材料はユニフォーム配向されること特徴
    とする液晶電気光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記液晶材
    料は強誘電性液晶材料であることを特徴とする液晶電気
    光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至のいずれか一において、
    前記スイッチング素子はトランジスタであることを特徴
    とする液晶電気光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至のいずれか一において、
    前記基板はポリエチレンテレフタレートからなることを
    特徴とする液晶電気光学装置。
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