JP3212936U - 薄型光学フィルターおよびイメージセンサー - Google Patents

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中漢 呂
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Abstract

【課題】薄型化で、かつ高い抗折強度を有し、光学特性をも保つことができる薄型光学フィルター、および薄型光学フィルターを含むイメージセンサーを提供する。【解決手段】薄型光学フィルター1は、厚さが150μm以下であり、透明基板10と、粘着層20と、吸収型近赤外線フィルターガラス30とを含み、粘着層20が、透明基板10と吸収型近赤外線フィルターガラス30との間に形成されている。透明基板10の厚さは20〜50μmであり、粘着層20の厚さは0.1μm〜10μmであり、吸収型近赤外線フィルターガラス30の厚さは50μm〜100μmである。【選択図】図1

Description

本考案は、吸収型近赤外線フィルターに関し、特に、イメージセンサーに応用できる薄型光学フィルターに関する。
一般的に、ヒトの目で感じる可視光の波長の範囲は、約400nm〜700nmの間にある。不可視光は、波長700nm〜1200nmの赤外線、および波長10nm〜400nmの紫外線を含む。赤外線は、ヒトの視覚色に対しては影響を与えていないが、撮影装置、例えば、ビデオカメラ、カメラまたは携帯電話のカメラに対しては、そうではない。通常、撮影レンズは、レンズホルダーの内部に、複数の光学レンズ、フィルターおよびイメージセンサー素子、例えば、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化物半導体(CMOS)が設けられており、イメージセンサー素子の感度が高く、光波に対して感応する範囲の波長が350nm〜1200nmであるため、不可視光における赤外線を捕捉することができる。赤外線が画面表示に影響を及ぼすことを避けるために、イメージセンサー素子の前に、フィルターまたはフィルターレンズをさらに付けることにより、赤外線がイメージセンサー素子へ進入することを阻止し、画像の色収差現象を補正する必要がある。
近年、カメラ、携帯電話の薄型化または軽量化を目的として、近赤外線吸収ガラスの薄型化(例えば、150μm程度)が要求されている。通常、近赤外線吸収ガラスは、ガラス原料を溶融させ、清澄化、均一化してから、キャスト成形を行って、徐冷した後、切断、研磨およびポリシングを利用して特定な形状に加工することにより、得られる。しかしながら、近赤外線吸収ガラス自体の靱性が不十分であるため、薄型化の過程において、破断または欠陥などの現象が極めて発生しやすいので、加工に不利であり、抗折強度が不良であるなどの問題を引き起こす。
以上のような状況に鑑み、本考案は、薄型化であり、かつ高い抗折強度を有し、光学特性をも保つことができる薄型光学フィルター、および薄型光学フィルターの製造方法を提供することを目的とする。
本考案は、90%以上の全波長透過率および0.5kgf〜1.5kgfの抗折強度を有する透明基板と、透明基板の上に形成され、かつ粘度が200cps〜480cpsである粘着層と、粘着層の上に設けられ、かつ0.06kgf〜0.21kgfの抗折強度を有する吸収型近赤外線フィルターガラスとを含む薄型光学フィルターであって、粘着層は透明基板と吸収型近赤外線フィルターガラスとの間に位置し、薄型光学フィルターは全体の厚さが150μm以下であり、かつ抗折強度が1.94kgf〜5.21kgfである、薄型光学フィルターを提供する。
さらに、本考案は、レンズモジュールと、レンズモジュールの片側に設けられたイメージセンサー素子とを含むイメージセンサーであって、レンズモジュールはレンズとレンズの光透過経路に設けられた本考案に係る薄型光学フィルターとを含み、薄型光学フィルターはレンズとイメージセンサー素子との間に位置する、イメージセンサーを提供する。
本考案は、近赤外線吸収ガラスと高い抗折強度の透明基板とを粘着層を介して結合させることにより、結合した複合材料の抗折強度を向上させる。複合材料は、通常の研磨、ポリシング方法を利用することにより、その厚さを150μm以下に低下させるとともに、高い抗折強度を有させ、光学特性(例えば、波長680nm〜730nmにおける光透過率)を保つことができ、また、ゴーストが発生する問題はない。
本の薄型光学フィルターの構造模式図である。 本考案の薄型光学フィルターのもう一つの構造模式図である。 本考案の薄型光学フィルターの製造方法の工程を示す図である。 本考案の薄型光学フィルターの製造方法の工程を示す図である。 本考案の薄型光学フィルターの製造方法の工程を示す図である。 本考案の薄型光学フィルターの製造方法の工程を示す図である。 本考案の薄型光学フィルターの製造方法を示すフローチャートである。 本考案のイメージセンサーの構造模式図である。 本考案の薄型光学フィルターおよび単なるブルーガラスの分光透過率(T%)曲線を示す図である。 本考案の薄型光学フィルターおよび単なるブルーガラスの分光透過率(T%)曲線を示す図である。
本考案は、下記の詳しい説明と例示的な実施態様により、本考案を理解することができる。それらの説明および実施態様は、例示として本考案を説明するためのものであり、本考案を限定するためのものではない。
なお、本明細書に添付されている図面で表される構造、割合、サイズなどは、いずれも、明細書に開示されている内容に合わせて当業者に理解と読解をさせるためだけのものであり、本考案が実施される条件を限定するためのものではないので、いずれの構造の修飾、割合関係の変化またはサイズの調整も、本考案により生じる効果および達成される目的に影響を及ぼさない限り、本考案に開示されている技術内容の範囲内に含まれる。また、本明細書に用いられる「第一の」、「第二の」、「の上」および「一つの」などの用語は、単に陳述を明瞭にさせるための用語であり、本考案の実施範囲を限定するためのものではなく、その相対関係の変化または調整は、技術的内容を実際変更していない限り、本考案の実施範囲に含まれるものとする。
図1を参照し、本考案の一つの実施態様の薄型光学フィルター1は、厚さが150μm以下であり、透明基板10と粘着層20と吸収型近赤外線フィルターガラス30とを含む。粘着層20は、透明基板10と吸収型近赤外線フィルターガラス30との間に形成される。
本考案の一つの実施態様において、透明基板10の厚さは20〜50μmであり、粘着層20の厚さは0.1μm〜10μmであり、吸収型近赤外線フィルターガラス30の厚さは50μm〜100μmである。
本考案の一つの実施態様において、透明基板は、90%以上の全波長透過率および0.5kgf〜1.5kgfの抗折強度を有する。透明基板は、ガラス(例えば、白ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルカリ土類ケイ酸ガラス、石英ガラス、または無アルカリガラス)、ガラスセラミックス、晶体、透明プラスチック(例えば、光学プラスチック、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、プラスチックガラス、ナイロン、ABS、メチルペンテン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、NASおよびSANなどの熱可塑性ポリマー)から選ばれるものであり、好ましくは、非含水性あるいは非吸水性またはほぼ非吸水性のプラスチック、例えば、COC、COPおよび透明な電気光学セラミックスからなる群から選ばれるものを採用してもよい。
本考案の薄型光学フィルターにおいて、使用される吸収型近赤外線フィルターガラスの膨張係数は、使用される透明基板に依存する。好ましくは、吸収型近赤外線フィルターガラスの熱膨張係数(CTE)は、60×10-7/K〜70×10-7/Kであり、透明基板の熱膨張係数は、7.2×10-6/K〜30×10-6/Kである。また、吸収型近赤外線フィルターガラスは、0.06kgf〜0.21kgfの抗折強度を有する。
本考案の一つの実施態様において、吸収型近赤外線フィルターガラスの素材は、フルオロリン酸塩系赤外線フィルターガラス、またはリン酸塩系赤外線フィルターガラスである。
リン酸塩系赤外線フィルターガラスは、主にP25を含み、他の成分としては、例えば、Al23、CuO、SiO2、MgO、CaO、K2O、BaO、Li2O、Nb25、ZnOが挙げられる。一つの具体的な実施態様において、リン酸塩系赤外線フィルターガラスは主に40%〜75%のP25、10%〜28%のAl23および3%〜8.5%のCuOを含む。
フルオロリン酸塩系赤外線フィルターガラスは、金属フッ化物、例えば、AlF3、NaF、MgF2、CaF2、SrF2やBaF2をさらに含む。一つの具体的な実施態様において、フルオロリン酸塩系赤外線フィルターガラスは、P25と、CuOと、AlF3、NaF、MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2からなる群から選ばれる少なくとも一つのフッ化物とを含む。吸収型近赤外線フィルターガラスは、必要に応じて、切断、研磨、ポリシング、冷間加工などの加工プロセスによって処理される。
本考案の吸収型近赤外線フィルターガラスは、「ブルーガラス」と呼ばれてもよく、台湾特許公開第200920709号公報および台湾特許公開第201200485号公報に開示されているように、ブルーガラス自体の素材は、赤光の波長を吸収し、透過率が低いという特性を有する。
本考案において、粘着層は、架橋反応および/または重合反応により硬化する。粘着層は、ポリウレタン樹脂、ゾル−ゲル化合物、混合ポリマー、(有機および/または無機架橋された)シリコーン、フェノールアルデヒド樹脂、エポキシド、ポリアミド、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル(EVA)およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。さらに、粘着層として配合される化合物によって、形成される粘着層の粘度を200cps〜480cpsとし、また、本考案の透明基板および吸収型近赤外線フィルターガラスと組み合わせることにより、薄型光学フィルターは全体の厚さが150μm以下となり、かつ1.94kgf〜5.21kgfの抗折強度を有することに達する。
本考案の一つの実施態様において、粘着層は、紫外光の照射により硬化する紫外線硬化型水性接着剤(Ultraviolet Glue)である。
図2を参照し、本考案のもう一つの実施態様の薄型光学フィルター2は、透明基板10と、粘着層20と、吸収型近赤外線フィルターガラス30と、有機コート層12と、第一の多層フィルム構造14と、第二の多層フィルム構造16とを含む。透明基板10は、粘着層20と第二の多層フィルム構造16との間に設けられ、粘着層20は、透明基板10と吸収型近赤外線フィルターガラス30との間に設けられ、吸収型近赤外線フィルターガラス30は、粘着層20と有機コート層12との間に設けられ、有機コート層12は、吸収型近赤外線フィルターガラス30と第一の多層フィルム構造14との間に設けられている。
本考案において、有機コート層は、赤外線吸収特性を有する有機色素とポリマーとを混合して、吸収型近赤外線フィルターガラスの表面に成膜することにより、形成することができる。操作する際、溶媒にポリマーを溶解または分散させることによりコーティング液を調製し、その中に有機色素を添加し、コーティング液をそのまま吸収型近赤外線フィルターガラスの上に塗布した後、乾燥させ、有機コート層を形成することができる。塗布方法として、例えば、スピンコート法、グラビアロールコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、エアーナイフコート法、ブレードコート法、リバースロールコート法などの周知の塗布方法が挙げられる。一つの具体的な実施態様において、スピンコート法を利用して有機コート層を形成する。さらに、有機コート層の厚さは、好ましくは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは2μmである。
本考案の一つの具体的な実施態様において、有機コート層は、有機色素およびポリマーを有する。そのうち、有機色素は、アゾ化合物、ジインモニウム化合物、ジチオフェノール金属錯体、フタロシアニン系化合物、スクアリリウム系化合物およびシアニン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つである。さらに、異なる有機色素を選択することにより、異なる波長範囲の光放射を吸収することができる。有機コート層のポリマーは、溶解または分散された有機色素を保持できることが必要であるとともに、透明な材料であることも必要である。ポリマーの材料としては、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリウレタン、ポリエーテルおよびポリビニルブチラールからなる群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。また、好ましくは、架橋可能なポリマー(例えば、元々は架橋不可能なポリマーを、架橋可能な官能基を有するように変性することにより、架橋可能なポリマーとする)を選択して用いる。もう一つの具体的な実施態様において、有機コート層は、トルエンジイソシアネート(TDI)のような硬化剤をさらに含み、例えば、有機コート層の固形分含有量に基づいて、硬化劑の含有量が0.1wt%である。
有機コート層のコーティング液における有機溶媒の選択について、特に限定されていないが、上記有機色素および上記ポリマーを均一に溶解または分散させることができるものであればよく、適切な溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコールのようなアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびジアセトンアルコールなどのようなケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸ブチルのようなエステル系、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールのようなフッ化アルコール系、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような炭化水素系、ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびクロロホルムのような塩化炭化水素系を含む。これらの有機溶媒は、単独であるいは混合して使用することができる。
有機色素および上記ポリマーを均一に有機溶媒に溶解または分散させるために、加温下で撹拌、分散、粉砕などの方法を採用することができる。
コーティング液を塗布した後、硬化を行う。硬化方法としては、紫外光による硬化または熱風による硬化、加熱器による硬化やベーキングなど周知の硬化方法を採用することができる。硬化温度は、異なる溶媒に応じて調整することができる。一つの具体的な実施態様において、100℃〜140℃(±2℃)であることが好ましく、硬化温度は、良好な精度で±2℃の範囲内に温度をコントロールすることが好ましく、硬化時間は、コーティング液の溶媒またはその塗布量に応じて調整することができるが、一つの態様において、硬化時間は30分間である。
多層フィルム構造は、赤外線反射多層フィルム、紫外線−赤外線反射多層フィルムまたは反射防止多層フィルムであってもよい。作製において、異なる折射率、異なる層数および厚さを設定することにより、その分光透過率特性などの光学特性を調整することができる。例えば、高折射率の材料および低折射率の材料を利用して、交互に積層する。多層フィルム構造として、積層する層数は、通常、4〜50層であり、すなわち、第一の多層フィルム構造14または第二の多層フィルム構造16がそれぞれ10〜30層のフィルムを含む。赤外線反射多層フィルムまたは紫外線−赤外線反射多層フィルムとして、積層の厚さは0.2μm〜5μmであり、反射防止多層フィルムとして、積層の厚さは0.2μm〜5μmである。通常、第一の多層フィルム構造14および第二の多層フィルム構造16は、一方が厚く、もう一方が薄いという厚さを有するが、薄い層は反射防止多層フィルムであることが好ましい。よって、第一の多層フィルム構造14の厚さは、第二の多層フィルム構造16の厚さより大きくまたは小さくなってもよく、その厚さは、形成される性質、例えば、赤外線反射多層フィルム、紫外線−赤外線反射多層フィルムまたは反射防止多層フィルムの性質に応じて設定することができる。
一つの具体的な実施態様において、多層フィルム構造の実施形態は、気相成膜法により、有機コート層の上および/または吸収型近赤外線フィルターガラスの表面の上に形成される。気相成膜法としては、あらゆる周知のメッキ法、例えば、スパッタリング、イオン化蒸着、電子ビーム蒸着および化学蒸着などの各種の真空メッキ方法の一つまたはそれらの組み合わせを利用することができ、好ましくは、電子銃蒸着とイオン源補助メッキ法との組み合わせで成膜する。
一つの具体的な実施態様において、多層フィルムにおける各層のフィルムを形成する素材は、TiO2、SiO2、Y23、MgF2、Al23、Nb25、AlF3、Bi23、Gd23、LaF3、PbTe、Sb23、SiO、SiN、Ta2Os、ZnS、ZnSe、ZrO2およびNa3AlF6からなる群から選ばれる少なくとも一つである。一つの具体的な実施態様において、TiO2とSiO2を使用して交互に積層してなる。
前記の説明によれば、一つの具体的な実施態様において、第一の多層フィルム構造14は、赤外線反射多層フィルムまたは紫外線−赤外線反射多層フィルムであり、かつ、第二の多層フィルム構造16は、反射防止多層フィルムである。あるいは、第一の多層フィルム構造14は、反射防止多層フィルムであり、かつ、第二の多層フィルム構造16は、赤外線反射多層フィルムまたは紫外線−赤外線反射多層フィルムである。
上記の層以外、さらに、防湿層、帯電防止層、電磁波シート層、選択的吸収ろ過層、プライマー層または保護層、およびそれらの組み合わせを形成することができる。
本考案の薄型光学フィルターを得るために、本考案は、粘着層を透明基板と吸収型近赤外線フィルターガラスとの間に形成して、粘着層を介して透明基板と吸収型近赤外線フィルターガラスとを結合させ、複合材料とする工程、および複合材料における吸収型近赤外線フィルターガラスの厚さを薄肉化して、複合材料の全体の厚さを150μm以下とする工程を含む、薄型光学フィルターの製造方法をも提供する。例えば、複合材料における、吸収型近赤外線フィルターガラスと粘着層とが接触する表面と反対側にある吸収型近赤外線フィルターガラスの表面を研磨することにより、複合材料における吸収型近赤外線フィルターガラスの厚さを薄肉化させる。また、透明基板は、90%以上の全波長透過率および0.5kgf〜1.5kgfの抗折強度を有する。
図3A〜図3Eは、本考案の薄型光学フィルターの製造方法の工程を示す図である。まず、図3Aと図3Eの工程S1に示すように、粘着層を形成する材料20'を吸収型近赤外線フィルターガラス30の一部の表面の上に施し、続いて、図3Bと図3Eの工程S2に示すように、透明基板10を僅かに湾曲させて、その湾曲箇所を材料20'と接触させ、材料20'を吸収型近赤外線フィルターガラス30と透明基板10との間に置いて、その後、図3Cと図3Eの工程S3に示すように、透明基板10と材料20'との接触面積を少しずつ増加させる。最後に、図3Dと図3Eの工程S4に示すように、紫外光硬化材料20'を利用して粘着層20を形成する。粘着層20を介して透明基板10と吸収型近赤外線フィルターガラス30とを密接に結合させ、一つの複合材料となり、そして、吸収型近赤外線フィルターガラス30の粘着層20と接触していない表面を、通常の研磨、ポリシング方法を利用して処理することにより、複合材料の全体の厚さを150μm以下までに低下させ、本考案の薄型光学フィルターを作製する。
一つの具体的な実施態様において、本考案の製造方法で得られる薄型光学フィルターについて、透明基板の厚さは20μm〜50μmであり、粘着層の厚さは0.1μm〜10μmであり、吸収型近赤外線フィルターガラスの厚さは50μm〜100μmである。
図3Eの工程S5に示すように、本考案の薄型光学フィルターの製造方法によれば、中心波長(T50)が630nm〜680nmであり、かつ波長の範囲700〜725nmにおける平均透過率(Tavg)が8%より小さい有機コート層の材料を、スピンコート法により、吸収型近赤外線フィルターガラスの上に均一に塗布し、さらに有機コート層の材料を140℃(±2℃)で30分間加熱硬化することにより、厚さ2μmの有機コート層を形成することもできる。続いて、電子銃蒸着とイオン源補助メッキ法との組み合わせを利用して、有機コート層の上に第一の多層フィルム構造を形成し、透明基板の粘着層と接触していない表面の上に第二の多層フィルム構造を形成する。ここで、上記第一の多層フィルム構造は、TiO2およびSiO2を利用して10〜200nmの厚さで交替的に蒸着することにより得られた合計層数24層、かつ合計厚さ2600nmの第一の多層フィルムであり、上記第二の多層フィルム構造は、TiO2およびSiO2を利用して10〜200nmの厚さで交替的に蒸着することにより得られた合計層数18層、かつ合計厚さ2300nmの第二の多層フィルムである。
さらに、本考案は、イメージセンサーを提供する。図4に示すように、イメージセンサー4は、基板40と、レンズモジュール41と、イメージセンサー素子42と、外ケース体43とを含む。
レンズモジュール41は、内ケース体410と、内ケース体410に組み込まれたレンズ411と、本考案の薄型光学フィルター412とを含む。そのうち、薄型光学フィルター412は、レンズ411の光透過経路に設けられる。イメージセンサー素子42は、レンズモジュール41の片側に設けられ、例えば、ワイヤボンディングにより基板40に結合して電気接続することで、薄型光学フィルターをレンズとイメージセンサー素子との間に位置させる。
以下は、特定の具体的な実施例により、さらに本考案の効果を説明するが、本考案を限定するためのものではない。
まず、UV水性接着剤をブルーガラスの一部の表面上に施し、湾曲した透明基板(白ガラス)の湾曲箇所をUV水性接着剤と接触させ、UV水性接着剤をブルーガラスと白ガラスとの間に形成させた。続いて、白ガラスとUV水性接着剤との接触面積を少しずつ増加させ、最後に、紫外光によりUV水性接着剤を硬化させることで、UV水性接着剤を介して白ガラスとブルーガラスとを密接に結合させ、一つの複合材料とした。ブルーガラスのUV水性接着剤と接触していない表面を、通常の研磨、ポリシング方法を利用して処理することにより、複合材料の全体の厚さを150μm以下までに低下させ、本考案の薄型光学フィルターを作製した。
本実施例で得られた厚さ150μmの薄型光学フィルターにおいて、白ガラスの厚さは50μmであり、粘着層の厚さは10μmであり、ブルーガラスの厚さは90μmであった。また、厚さ120μmの薄型光学フィルターにおいて、白ガラスの厚さは50μmであり、粘着層の厚さは10μmであり、ブルーガラスの厚さは60μmであった。
〔試験例〕
本考案の薄型光学フィルターおよび単なるブルーガラスの分光透過率(T%)曲線
図5Aは、上記実施例で得られた150μmの本考案の薄型光学フィルターを用いた場合、および単に同じ厚さ(150μm)のブルーガラスを用いた場合に対して、異なる角度(0度および30度)での透過率を測定してデータを示す図である。図5Bは、上記実施例で得られた120μmの本考案の薄型光学フィルターを用いた場合、および単に同じ厚さ(120μm)のブルーガラスを用いた場合に対して、異なる角度(0度および30度)での透過率を測定してデータを示す図である。
図5Aおよび図5Bから、本考案の実施例の薄型光学フィルターとブルーガラスは、いずれも700nm〜725nmの間にある平均透過率を1%までに減少させることができることが分かる。ここで、図5Aおよび図5Bに示す図面は、薄型光学フィルターとブルーガラスの表面の上に、有機コート層、第一の多層フィルム構造、および第二の多層フィルム構造を形成することをさらに含む。
本考案の実施例の薄型光学フィルターの製造方法は、中心波長(T50)が630nm〜680nmであり、かつ波長範囲700nm〜725nmにおける平均透過率(Tavg)が8%より小さい有機コート層の材料を、スピンコート法により吸収型近赤外線フィルターガラスとブルーガラスの上に均一に塗布し、さらに有機コート層の材料を140℃(±2℃)で30分間加熱硬化することにより、厚さ2μmの有機コート層を形成し、続いて、電子銃蒸着とイオン源補助メッキ法との組み合わせを利用して、有機コート層の上に第一の多層フィルム構造を形成し、透明基板の上おとびブルーガラスのもう一つの表面上に第二の多層フィルム構造を形成し、ここで、上記第一の多層フィルム構造は、TiO2およびSiO2を利用して10〜200nmの厚さで交替的に蒸着することにより得られた合計層数24層、かつ合計厚さ2600nmの第一の多層フィルムであり、上記第二の多層フィルム構造は、TiO2およびSiO2を利用して10nm〜200nmの厚さで交替的に蒸着することにより得られた合計層数18層、かつ合計厚さ2300nmの第二の多層フィルムであることをさらに含む。
〔抗折強度試験〕
上記実施例で得られた150μmと120μmの本考案の薄型光学フィルターを、それぞれ寸法が7.2mm×6.6mmである試験片3枚に切断し、それらの試験片の抗折強度を測定した。また、対応して厚さが150μmと120μmであるブルーガラス3枚の抗折強度を測定し、下記表1と表2に記録した。抗折強度は、DIN 52292またはENTWURF DIN 52300に記載されているRing−on−Ring法(ROR)により測定することができる。
Figure 0003212936
Figure 0003212936
表1と表2に示す結果から、単にブルーガラスを使用した場合に比べて、本考案の実施例の薄型光学フィルターは、より好ましい抗折強度を有することが分かる。
これにより、本考案の薄型光学フィルターは、通常の周知の吸収型近赤外線フィルターの光学性質を有するとともに、より好ましい抗折強度をも有し、周知の吸収型近赤外線フィルターによる加工不可かつ抗折強度が劣るなどの問題を克服することができることがわかる。
上記の実施例は、本考案の原理およびその効果を例示的に説明するためだけのものであり、本考案を限定するためのものではない。本技術分野に習熟した者であれば、本考案の主旨を逸脱しない範囲において、上記の実施例を修飾と変更することができる。したがって、本考案の主張する権利範囲は、実用新案登録請求の範囲に基づいている。
1、2、412 薄型光学フィルター
10 透明基板
20 粘着層
20’ 材料
30 吸収型近赤外線フィルターガラス
12 有機コート層
14 第一の多層フィルム構造
16 第二の多層フィルム構造
4 イメージセンサー
40 基板
41 レンズモジュール
410 内ケース体
411 レンズ
42 イメージセンサー素子
43 外ケース体
S1〜S5 工程

Claims (16)

  1. 90%以上の全波長透過率および0.5kgf〜1.5kgfの抗折強度を有する透明基板と、
    前記透明基板の上に形成され、かつ粘度が200cps〜480cpsである粘着層と、
    前記粘着層の上に設けられ、かつ0.06kgf〜0.21kgfの抗折強度を有する吸収型近赤外線フィルターガラスと、
    を含み、
    前記粘着層は前記透明基板と前記吸収型近赤外線フィルターガラスとの間に位置し、
    前記薄型光学フィルターは全体の厚さが150μm以下であり、かつ抗折強度が1.94kgf〜5.21kgfである、薄型光学フィルター。
  2. 前記透明基板の厚さが20μm〜50μmであり、前記粘着層の厚さが0.1μm〜10μmであり、前記吸収型近赤外線フィルターガラスの厚さが50μm〜100μmである、請求項1に記載の薄型光学フィルター。
  3. 前記透明基板を形成する素材はガラスを含む、請求項1に記載の薄型光学フィルター。
  4. 前記吸収型近赤外線フィルターガラスは、フルオロリン酸塩系赤外線フィルターガラスまたはリン酸塩系赤外線フィルターガラスを含む、請求項1に記載の薄型光学フィルター。
  5. 前記粘着層は紫外線硬化型水性接着剤をさらに含む、請求項1に記載の薄型光学フィルター。
  6. 前記吸収型赤外線フィルターガラスの上に形成された有機コート層と、
    前記有機コート層の上に形成された第一の多層フィルム構造と、
    前記透明基板の上に形成された第二の多層フィルム構造と、
    をさらに含み、
    前記吸収型近赤外線フィルターガラスを前記粘着層と前記有機コート層との間に挟まさせ、前記有機コート層を前記吸収型近赤外線フィルターガラスと前記第一の多層フィルム構造との間に挟まさせ、前記透明基板を前記粘着層と前記第二の多層フィルム構造との間に挟まさせる、請求項1に記載の薄型光学フィルター。
  7. 前記有機コート層は、中心波長(T50)が630nm〜680nmであり、かつ波長範囲700nm〜725nmの平均透過率(Tavg)が8%より小さい、請求項6に記載の薄型光学フィルター。
  8. 前記第一の多層フィルム構造が赤外線反射多層フィルムまたは紫外線−赤外線反射多層フィルムであり、かつ、前記第二の多層フィルム構造が反射防止多層フィルムである、請求項6に記載の薄型光学フィルター。
  9. レンズモジュールと、
    前記レンズモジュールの片側に設けられたイメージセンサー素子と、
    を含み、
    前記レンズモジュールはレンズと前記レンズの光透過経路に設けられた請求項1に記載の薄型光学フィルターとを含み、
    前記薄型光学フィルターは前記レンズと前記イメージセンサー素子との間に位置する、イメージセンサー。
  10. 前記透明基板の厚さが20μm〜50μmであり、前記粘着層の厚さが0.1μm〜10μmであり、前記吸収型近赤外線フィルターガラスの厚さが50μm〜100μmである、請求項9に記載のイメージセンサー。
  11. 前記透明基板を形成する素材はガラスを含む、請求項9に記載のイメージセンサー。
  12. 前記吸収型近赤外線フィルターガラスは、フルオロリン酸塩系赤外線フィルターガラスまたはリン酸塩系赤外線フィルターガラスを含む、請求項9に記載のイメージセンサー。
  13. 前記粘着層は紫外線硬化型水性接着剤をさらに含む、請求項9に記載のイメージセンサー。
  14. 前記吸収型近赤外線フィルターガラスの上に形成された有機コート層と、
    前記有機コート層の上に形成された第一の多層フィルム構造と、
    前記透明基板の上に形成された第二の多層フィルム構造と、
    をさらに含み、
    前記吸収型近赤外線フィルターガラスを前記粘着層と前記有機コート層との間に挟まさせ、前記有機コート層を前記吸収型近赤外線フィルターガラスと前記第一の多層フィルム構造との間に挟まさせ、前記透明基板を前記粘着層と前記第二の多層フィルム構造との間に挟まさせる、請求項9に記載のイメージセンサー。
  15. 前記有機コート層は、中心波長(T50)が630nm〜680nmであり、かつ波長範囲700nm〜725nmの平均透過率(Tavg)が8%より小さい、請求項14に記載のイメージセンサー。
  16. 前記第一の多層フィルム構造が赤外線反射多層フィルムまたは紫外線−赤外線反射多層フィルムであり、かつ、前記第二の多層フィルム構造が反射防止多層フィルムである、請求項14に記載のイメージセンサー。
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