JP3212543B2 - 炭素短繊維の製造方法 - Google Patents

炭素短繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素短繊維の製造方
法に関するものである。更に詳しくは本発明は樹脂で結
合された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から得
られる、成形材の補強材、充填剤等として有用な所望の
繊維長分布を有する炭素短繊維の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】CFRPは比強度、比弾性率に優れてい
るため、航空、宇宙用途や野球バット、ゴルフシャフ
ト、テニスラケット等のスポーツ用具などに用いられて
いる。また、炭素繊維は機械的性質だけではなく導電性
や耐熱性といった機能も有しており、これらの機能を利
用して一般産業用途としても多用されるようになってき
た。炭素繊維を構造物に用いる場合、その要求特性によ
り形態も異なってくる。すなわち高強度、高剛性が必要
な場合は繊維が一方向に平行に並べられたプリプレグと
呼ばれる樹脂に含浸した材料や繊維を平織りや朱子織り
等の形態に施したものが使用される。また、従来の機械
部品への適用については樹脂中に様々な繊維長の短繊維
を充填させ、軽量化、導電性等を付与させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に炭素繊維はポリ
アクリロニトリル繊維を1000℃〜3000℃の高温
で焼成し、製造後は連続繊維として得られている。しか
し連続した炭素繊維を切断するには、繊維に収束剤によ
り表面処理を施し、短繊維化するのが通常であるが、一
般に3mm以下の繊維長にすることは困難であり、しかも
繊維の切断時に用いた収束剤等の表面処理剤の残存によ
り充填材として使用するとき、これらの表面処理剤が結
合材として作用し、これを取り除かなければ、充分な分
散状態が得られない。一方、表面処理を施さないで粉砕
するミルドファイバーはその製造コストが高い上に、繊
維が綿状に凝集し、充填材として用いた場合分散性が極
めて悪くなるという問題が存在する。さらに、ミルドフ
ァイバーにあっては、1mm以下の細かいものが得られる
が、繊維長が不揃いである。またウィスカーと呼ばれる
ものは一般にその繊維径が100μm未満のものであ
る。
【0004】従って、当該業界にあっては特に100μ
m〜3mmの範囲で且つ要求性能に応じた任意の繊維長の
整ったものの入手が困難であった。また、炭素繊維の製
造には高価な原料を高温で焼成するため相当なエネルギ
ーが消費されるにもかかわらず、得られた連続した長繊
維の炭素繊維を用途により、切断して使用することは、
炭素繊維の有する高強度、高剛性の特性をなくしてしま
い、且つ大きなエネルギーロスを生じる。一方、このよ
うな多大なエネルギーを費やして得られる炭素繊維及び
CFRPを廃棄した場合、炭素繊維は不燃性で、腐食し
ないため、現状では埋立処理に頼るしかなく環境問題を
引き起こしている。
【0005】上記の問題点に対し、CFRPの廃材を利
用する研究がなされている。例えば特開平4−3230
09号にはCFRPをマトリックス樹脂の分解点以上、
炭素繊維の分解点以下の温度で処理して、マトリックス
樹脂の分解物で一体化(結着)された炭素繊維塊を得て
いる。しかし、この炭素繊維塊はマトリックス樹脂の分
解物、即ち炭化物を含んでいるため、樹脂と複合した場
合、繊維と樹脂が直接濡れないため、繊維と樹脂との接
着強度が低かったり、分散性が低下したりして満足した
複合材が得られず、また切断などにより単繊維に分解で
きるとはあるが、上記100μm〜3mmの範囲で且つ要
求性能に応じた任意の繊維長の整ったものに切断できる
ものではない。
【0006】特開平6−99160号には破砕したCF
RPを、3〜18体積%の酸素濃度で、300〜600
℃で燃焼させないで処理し、マトリックスのプラスチッ
クを熱分解して炭素繊維を回収する方法が記載されてい
る。しかし破砕の目的は雰囲気ガスとの良好な接触のた
めであり、その破砕の程度も3〜50cmとあり、上記1
00μm〜3mmの範囲で且つ要求性能に応じた任意の繊
維長分布を有する炭素繊維を回収するものではない。ま
た、この方法では反応の進行により酸素濃度が下がるの
で、絶えず酸素を導入して酸素濃度を制御するとある。
特開平7−33904号はCFRPを乾留してプラスチ
ックを炭化物とした後、0.1〜25体積%の酸素濃度
で、300〜1000℃で燃焼させないで加熱し、炭化
物を酸化分解して炭素繊維を得ることを記載する。この
方法でもCFRPを予め破砕するのが良いとあるが、そ
れは酸化反応でCFRP中の炭素繊維の損耗を防ぐため
であり、またその破砕の程度も3〜10cm程度であり、
上記100μm〜3mmの範囲で且つ要求性能に応じた任
意の繊維長分布を有する炭素繊維を回収するものではな
い。また、この方法でも反応の進行により酸素濃度が下
がるので、絶えず酸素を導入して酸素濃度を制御すると
ある。
【0007】特開平7−118440号はCFRPを鱗
片状に破砕した後、実質的に非酸化性雰囲気下に300
〜1000℃で乾留して得られたマトリックス樹脂の熱
分解物により一体に結着された炭素繊維塊について記載
する。ここでも破砕は乾留の効率が良いためとあり、1
0mm程度である。しかし、この炭素繊維塊も上記特開平
4−323009号と同様、マトリックス樹脂の分解
物、即ち炭化物を含んでおり、また切断などにより単繊
維に分解できるとはあるが、上記100μm〜3mmの範
囲で且つ要求性能に応じた任意の繊維長の整ったものに
切断できるものではない。また、この方法では得られた
炭素繊維間に点接触(結合点)として炭化物が残存して
結合物を作っているため、外部応力を加えて解繊させる
ときに点接触に応力がかかり、繊維は折れやすい。
【0008】本発明の課題は、広い範囲にわたって要求
性能に応じた任意の繊維長の整った、即ち所望の繊維長
分布の炭素短繊維を提供することにあり、しかも原料と
してCFRP製造時に生じる廃材や廃CFRP製品を用
いることができ、環境保全にも優れた炭素短繊維の製法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂で結合さ
れた炭素繊維を100μm〜3mmの範囲の繊維状に粉砕
後、分級して繊維長を整え、各分級品の1種又は2種以
上を、粉砕物の分解ガスの充満下、350〜500℃で
加熱分解することを特徴とする所望の繊維長分布を有す
る炭素短繊維の製造方法に係る。本発明によれば、10
0μm〜3mmの範囲内で且つその範囲内で要求性能に応
じた任意の繊維長の整った、所望の繊維長分布を有する
炭素短繊維を製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では原料として例えば樹脂
で結合された炭素繊維を用いる。この結合剤の樹脂とし
ては、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ナイロン樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げる
ことができる。一例を挙げれば、パイプ状あるいは平板
状のエポキシ樹脂をマトリックスとするCFRPの廃材
を堅型粉砕機を用いて破砕し、粗粉砕した後、再度粉砕
機にかけ、スクリーン径1〜5mmを通すことにより粉砕
物を得る。
【0011】本発明では上記粉砕物を加熱分解するに際
して、スクリーンメッシュを変えることによって、ある
程度繊維長の整ったものとする。さらにこの粉砕物をふ
るい機等の分級機により、所望の長さに選別し、繊維長
を揃える。本発明では、粉砕物の繊維長は100μm〜
3mmの範囲内であって、特に加熱分解の前に予め分級す
るので平均繊維長の±50%の変動幅以内のものが得ら
れる。もちろん分級精度を上げることにより、さらに粒
度が揃ったものが得られるが、分級操作が複雑になり、
前記繊維長分布で充分に実用化に耐えることができる。
【0012】ここで、平均繊維長とは重量平均繊維長
(lw)であり、以下の式により求められる。 lw=ΣWi・li/Wi lw=Σα・Ni・li2/Σα・Ni・li lw=ΣNi・li2/ΣNi・li αはπr2ρ(2r=繊維の直径、ρ=密度)、Niは長さ
liの繊維の数である。
【0013】本発明の炭素短繊維を製造するための原料
としては、例えばCFRPのリサイクル品、CFRP製
造時に生じる廃材等が使用でき、環境保全に優れたもの
である。本発明では、このようにCFRPのリサイクル
品、CFRP製造時に生じる廃材を粉砕することによ
り、100μm〜3mmの範囲内で且つその範囲内で要求
性能に応じた任意の繊維長の整った、所望の繊維長分布
を有する粉砕物を得ることができる。本発明では粉砕物
を前もって分級することにより、繊維長の整ったものが
容易に得られ、一般にいわれる数平均繊維長lm/lwが
1.05〜1.50で1に近く単分散性を有する優れたも
のである。
【0014】一方、従来は連続した炭素繊維に収束剤に
より表面処理を施し、短繊維化しているが、一般に3mm
以下の繊維長にすることは困難であり、熟練を要し、か
つ繊維長の制御が困難であった。また表面処理を施さな
いで粉砕するミルドファイバーはその製造コストが高い
上に、繊維が綿状に凝集し、さらに1mm以下の細かいも
のが得られるが、繊維長が不揃いである。またウィスカ
ーと呼ばれるものは一般にその繊維径が100μm未満
のものである。
【0015】このように従来は特に100μm〜3mmの
範囲で且つ要求性能に応じた任意の繊維長の整ったもの
の入手が極めて困難であった。本発明は上記のようにC
FRPのリサイクル品、CFRP製造時に生じる廃材を
粉砕し、分級することにより、この問題点を一挙に解決
したものである。本発明では、この粉砕、分級され繊維
長の整えられた、各分級品の1種又は2種以上を、粉砕
物の分解ガスの充満下、350〜500℃で加熱分解す
ることにより所望の繊維長分布を有する炭素短繊維を得
ることができる。また、所望の繊維長/繊維径(アスペ
クト比)の繊維を作ることができる。
【0016】粉砕物の分解ガスの充満下に加熱すると
は、例えば粉砕物を密閉状態で加熱する方法、粉砕物を
容器中に高充填率で充填し加熱する方法等を挙げること
ができる。容器としては坩堝等を挙げることができ、高
充填率とは例えば50〜100容積%、好ましくは80
〜99容積%程度の充填率を挙げることができる。本発
明では、粉砕物の分解ガスの充満下に加熱分解させるた
め、何ら酸素ガスや空気、窒素ガス等を準備する必要も
なく、また酸素ガス濃度を絶えず制御する煩雑な操作も
必要がない。
【0017】本発明の加熱分解は350〜500℃の範
囲で行うのが好ましい。350℃未満では分解が遅く、
またマトリックス樹脂が残存する。500℃を越えると
炭素繊維の損耗が起こる。加熱分解時間は温度にも依存
するが、通常は1〜8時間、さらに好ましくは2〜5時
間程度である。
【0018】本発明で得られた炭素短繊維は100μm
〜3mmの範囲内で且つその範囲内で要求性能に応じた任
意の繊維長の整った、所望の繊維長分布を有するので、
そのまま各種の用途に用いることができる。本発明で得
られたる炭素短繊維は例えば充填剤、補強材、導電剤等
として用いることができる。充填材等として他の材料中
に混ぜる時には、材料との接着性を向上させるために、
エポキシ樹脂系サイジング処理、化学気相蒸着(CV
D)、電気メッキ、シランカップリング処理、酸化処理
等の表面処理を施してもよい。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。 実施例1 エポキシ樹脂で結合された炭素繊維を用いたCFRP製
野球バットを堅型粉砕機により粗粉砕し、スクリーン径
12mmを通した後、再度粉砕機にかけ、スクリーン径1
mmを通すことにより、エポキシ樹脂が付着した状態の繊
維状の炭素繊維が得られた。この粉砕物を250〜30
00メッシュのメッシュサイズの異なるふるい機で分級
して繊維長の揃った炭素繊維の各分級品を得た。各メッ
シュでの分級結果を以下の表1〜6に示す。次に、この
各分級品ごとに別々に坩堝に充填率80容積%で充填
し、電気炉を用い、400℃、5時間、粉砕物の分解ガ
スの充満下に加熱分解させ、250μm〜3mmの範囲内
の所望の繊維長分布を有する炭素短繊維を得た。
【0020】
【表1】250μmメッシュでの分級結果
【0021】
【表2】500μmメッシュでの分級結果
【0022】
【表3】750μmメッシュでの分級結果
【0023】
【表4】1000μmメッシュでの分級結果
【0024】
【表5】3000μmメッシュでの分級結果
【0025】
【表6】市販のミルドファイバーの繊維長分布
【0026】これらの結果から、各メッシュサイズのふ
るい機で分級した後、加熱処理して得られた炭素短繊維
の平均繊維長及び、平均繊維長の0.5〜1.5倍に入る
割合(%)を表7に示し、またその繊維長分布を図1〜
6にグラフ化した。
【0027】
【表7】
【0028】上記の結果から、本発明により製造された
炭素短繊維は、市販のミルドファイバーと比較して繊維
長分布にばらつきが少なく、しかも容易に所望の長さの
炭素繊維を得ることが可能である。
【0029】実施例2 実施例1の野球バットの代わりにエポキシ樹脂で結合さ
れた炭素繊維を用いたゴルフシャフトを用い、粉砕物を
るつぼに高充填(充填率85容積%)し、粉砕物の分解
ガスの充満下に、500℃、5時間の条件で、樹脂残存
物もなく繊維径も当初の7μmのままであった。また、
自燃分解前の繊維長が253μmであったものを、同条
件で自燃分解させても繊維長は変化せず、253μmの
ままであった。
【0030】比較例1 加熱温度を280℃にした以外は実施例2と同様に行っ
たところ、時間とともにエポキシ樹脂の分解が生じる
が、8時間の加熱でも炭素繊維中に樹脂の付着物が見ら
れ、繊維間を結着していた。 比較例2 加熱温度を600℃にした以外は実施例2と同様に行っ
たところ、約3.5時間で初期の樹脂含有量である30
%の重量減少となった。しかし、エポキシ樹脂に被覆さ
れていない部分の炭素繊維の直径が7μmであったもの
が、炭素繊維の酸化により6μm程度に減少していた。 比較例3 加熱温度を800℃にした以外は比較例2と同様に行っ
たところ、約2時間で初期の樹脂含有量である30%の
重量減少となった。しかし、エポキシ樹脂に被覆されて
いない部分の炭素繊維の直径が7μmであったものが、
炭素繊維の酸化により4μm程度に減少していた。
【0031】実施例3 実施例1で得られた炭素短繊維を用いて、マトリックス
樹脂にポリプロピレンを用いた樹脂ペレットを作成し
た。樹脂ペレット中の炭素繊維の含有量を20wt%に
設定した。また比較品として、同程度の繊維長を持つ市
販のカーボン繊維を用いて同条件でペレット化を行なっ
た。このペレットを用いてインジェクション成形により
平板の成形を行なった。得られた平板から短冊状の試験
片を切り出し、引張り及び曲げ試験を実施した。結果を
表8に示す。
【0032】
【表8】
【0033】上記の結果から本発明により得られる炭素
繊維を強化材とした成形品は、市販材料を用いたものよ
りも強度的に強く、物性値のバラツキも少ない結果が得
られた。この試験後の破断面をSEM観察したところ、
市販の炭素繊維は繊維が凝集しているのに対し、本発明
品は分散状態が良好であった。これは市販の炭素繊維が
短繊維状に切断するときにサイジング剤等により、繊維
間を収束させているため、成形後も分散状態が悪いため
と考えられる。一方、本発明品は樹脂で結合されてお
り、粉砕後に自燃分解により樹脂を分解させているた
め、繊維間の凝集もなく、成形品に用いたときにも良好
な分散状態となり、強度が高く、バラツキが少なくなっ
たと考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明の炭素短繊維の製造方法は樹脂で
結合された状態でCFRPを粉砕し、その後分級し、加
熱分解させることから、利用分野に応じて、要求特性に
自由に対応できる任意の繊維長を得ることが可能とな
る。しかも従来までの炭素短繊維の製造方法と全く異な
り、繊維を収束するためのサイジング剤やコーティング
剤を使用していないことから、他の材料中に強化材ある
いは充填材として用いた場合でも分散性が極めて良く、
得られる炭素繊維は数平均繊維長lm/lwが1.05〜
1.50で1に近く単分散性を有することから、物性値
のバラツキが小さく均質な成形品が得られる。また、従
来の炭素短繊維は連続した長繊維を切断あるいは粉砕し
て得られるため、原料や製造コストが大きいが、本発明
ではCFRP製品の廃棄物や工場から排出される廃材を
利用することにより得られるため、原材料の価格は安価
で、製造にかかわるエネルギーが低減され、安価であ
り、しかも環境保全に有効で産業上の利用価値は高い。
【0035】本発明では、CFRPのリサイクル品、C
FRP製造時に生じる廃材を粉砕することにより、10
0μm〜3mmの範囲内で且つその範囲内で要求性能に応
じた任意の繊維長の整った、所望の繊維長分布を有する
粉砕物を得ることができる。本発明ではこのように粉砕
物を前もって分級することにより、繊維長の整ったもの
が容易に得られ、一般にいわれる数平均繊維長lm/lw
が1.05〜1.50で1に近く単分散性を有する優れた
ものが得られる。一方、従来は連続した炭素繊維を一般
に3mm以下の繊維長にすることは困難であり、また表面
処理を施さないで粉砕するミルドファイバーはその製造
コストが高い上に、繊維が綿状に凝集し、さらに1mm以
下の細かいものが得られるが、繊維長が不揃いである。
また本発明では、粉砕物の分解ガスの充満下に加熱分解
させるため、何ら酸素ガスや空気、窒素ガス等を準備す
る必要もなく、また酸素ガス濃度を絶えず制御する煩雑
な操作も必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた炭素繊維の繊維長分布を示
すグラフ(250μmメッシュ分級品)である。
【図2】実施例1で得られた炭素繊維の繊維長分布を示
すグラフ(500μmメッシュ分級品)である。
【図3】実施例1で得られた炭素繊維の繊維長分布を示
すグラフ(750μmメッシュ分級品)である。
【図4】実施例1で得られた炭素繊維の繊維長分布を示
すグラフ(1000μmメッシュ分級品)である。
【図5】実施例1で得られた炭素繊維の繊維長分布を示
すグラフ(3000μmメッシュ分級品)である。
【図6】市販のミルドファイバーの繊維長分布を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 琢郎 京都府京都市伏見区桃山町養斉5−16 (56)参考文献 特開 平4−323009(JP,A) 特開 平7−118440(JP,A) 特開 平7−33904(JP,A) 特開 平6−99160(JP,A) 特開 平5−309753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 17/00 - 17/02 C08J 11/00 - 11/28 D01F 9/08 - 9/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂で結合された炭素繊維を100μm
    〜3mmの範囲の繊維状に粉砕後、分級して繊維長を整
    え、各分級品の1種又は2種以上を、粉砕物の分解ガス
    の充満下、350〜500℃で加熱分解することを特徴
    とする所望の繊維長分布を有する炭素短繊維の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 粉砕物を密閉状態で加熱分解する請求項
    1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉砕物を容器中に高充填率で充填し、そ
    れを加熱分解する請求項1に記載の製造方法。
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