JP3212230U - 靴下 - Google Patents
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Abstract
【課題】外反母趾等により損なわれた横アーチの矯正に役立てることが可能となる靴下を提供する。【解決手段】足裏の一部の部位が押圧されるように押圧部材12を設けた靴下1であって、前記部位は、足裏の第二中足骨頭および第三中足骨頭の少なくとも一方の部位である。【選択図】図1
Description
本考案は、足に履くための靴下に関する。
従来、健康の維持・増進に役立つ靴下が種々提案されている。例えば特許文献1においては、履き心地や健康面に配慮された指先減糸5本指付き靴下が提案されている。また特許文献2においては、土踏まずを効果的に刺激し、健康の維持・増進に貢献できるよう配慮された靴下が提案されている。
ところで従来、種々の原因により生じ得る外反母趾が問題となっている。例えば、変形性膝関節症を発症してO脚の度合が進行した人は、痛みから逃れるために脚を内側に回すように歩く傾向がある。脚を内側に回すと、それにつられて足も内側に回り、第一趾(母趾)に大きな荷重がかかるため、外反母趾を生じ易くなる。なお本願では、足の指(足指)を「趾」と表記することがある。
外反母趾が進行すると、母趾によって他の趾が横から押され、例えば図4に示すような浮き趾が生じることがある。このような浮き趾は、母趾に近い第二趾や第三趾(特に第二趾)において生じることが多い。本来、人の足の裏には、図5に示すような横アーチ(足裏における横方向のアーチ形状)が形成されているが、上述した浮き趾が生じると、図6に示すように、足裏の横アーチが損なわれることがある。このような状況になると、浮いた趾の付け根にタコが生じ易くなるだけでなく、歩行が困難となる等、様々な悪影響が問題となる。
本考案は上述した問題点に鑑み、外反母趾等により損なわれた横アーチの矯正に役立てることが可能となる靴下の提供を目的とする。
本考案に係る靴下は、足裏の一部の部位が押圧されるように押圧部材を設けた靴下であって、前記部位は、足裏の第二中足骨頭および第三中足骨頭の少なくとも一方の部位である構成とする。本構成によれば、外反母趾等により損なわれた横アーチの矯正に役立てることが可能となる。また上記構成としてより具体的には、前記押圧部材は、内側に設けられたクッション材である構成としてもよい。
また上記構成としてより具体的には、前記クッション材は、足裏の第二中足骨頭および第三中足骨頭の部位を押圧するように設けられており、上下方向に見た前記クッション材の中央位置は、足裏の第二中足骨頭と第三中足骨頭の間の部位に略一致する構成としてもよい。本構成によれば、第二中足骨頭と第三中足骨頭をバランス良く押圧することが容易となる。
また上記構成としてより具体的には、前記クッション材における足裏に対向する表面は、横方向のアーチ状となるように形成されている構成としてもよい。本構成によれば、足裏の横アーチを改善する効果を高めることが可能となる。
また上記構成において、前記クッション材は、横方向サイズが2〜4cmのウレタン材である構成としてもよい。また上記構成において、一部の趾を他の趾と別に収容するように形成された構成としてもよい。本構成によれば、靴下と使用者の足との位置関係が正しくなるように位置決めが容易となる。なお当該構成としてより具体的には、5本の趾それぞれを1本ずつ別々に収容するように形成された構成としてもよい。
本考案に係る靴下によれば、外反母趾等により損なわれた横アーチの矯正に役立てることが可能となる。
本考案の実施形態の一例について、各図面を参照しながら以下に説明する。なお、本願における前後方向(縦方向)および左右方向(横方向)は足裏面に平行な方向であって、前方は踵側から爪先側に向かう方向であり、横方向は縦方向と直交する方向である。また上下方向は、足裏面と直交する方向である。
図1は、本実施形態に係る靴下1(サンプル品)の裏返した状態の外観写真であり、図2は、斜め前方から見た靴下1のクッション材12近傍の外観写真である。本図に示すように靴下1は、靴下本体11の内側(使用者の足裏に面する側)の所定位置に、クッション材12が設けられている。クッション材12が設けられることにより、その箇所は他の箇所に比べて靴下1の厚みが増しており、立ち姿勢等をとる使用者の足裏が押圧されることになる。
本実施形態では、クッション材12は縫合によって靴下本体11へ取付られているが、クッション材12を靴下本体11へ設ける手段はこれに限られず、例えば接着剤等を用いて取付固定されても良い。また、靴下本体とクッション材が別々に用意されるのではなく、初めから一体化された状態で形成されても良い。
靴下本体11は、市販のいわゆる5本趾靴下であり、5本の趾それぞれを一本ずつ別々に収容する趾収容部11a〜11eを有している。クッション材12は、使用者の足裏の所定領域(後述する図3に示す領域P)と対向するように設けられており、この領域が適度に押圧される程度のクッション性を有している。本実施形態の例では、クッション材12の材質として耳たぶ程度の硬さのウレタンが適用されているが、本発明の主旨を逸脱しない限りその材質は特に限定されず、例えば適度なクッション性を有するスポンジやゴム等が適用されても良い。
図3は、靴下1を履いた使用者の足裏において、クッション材12がどの領域を押圧するかを示している。なお図3では、クッション材12に押圧される領域を理解容易とするため、足の骨の位置を表示している。
本図に示すように、クッション材12によって押圧される領域P(図3に点線枠で示す領域)は、足裏の第二中足骨頭Ba1と第三中足骨頭Bb1の間の部位を中心とした領域であって、第二中足骨頭Ba1と第三中足骨頭Bb1の部位を含む領域である。なお、第二中足骨頭Ba1は第二中足骨Baの前端部分に相当し、第三中足骨頭Bb1は、第三中足骨Bbの前端部分に相当する。領域Pと第二趾および第三趾の間の股との距離は1cm程度である。クッション材12は、使用者が靴下1を履いた状態で領域Pと対向する位置に設けられており、例えば使用者が立ったり歩いたりする際に領域Pを適度に(後述する浮き趾が改善される程度に)押圧する。
ここで、外反母趾等により第二趾や第三趾が浮き趾となるとその基節骨が立った状態となり、その趾の付け根部分が沈み込んで地面に打ち付けてしまいタコが出来易くなるとともに、足裏の横アーチが消失してしまう。このような状態の使用者が靴下1を履くと、第二趾や第三趾の付け根近傍(足裏の第二中足骨頭Ba1や第三中足骨頭Bb1の部位近傍)がクッション材12に押圧されることによって持ち上げられ、浮き趾が改善される。その結果、足裏の横アーチが改善されるとともに、趾の付け根部分にタコが出来易くなる状況も抑えられる。横アーチが改善されると足が床に接触する面積が増え、歩く時の蹴り出す力が強くなって、歩き方が安定するという効果も得られる。
なお、本実施形態に係る靴下1は、このような利点を効果的に享受することが出来るように、種々の工夫が施されている。まずクッション材12における領域P(使用者の足裏)に対向する表面は、図2に示すように、横方向のアーチ状となるように形成されている。このようにクッション材12は、足裏の正常な横アーチによりフィットするよう形成されており、足裏の横アーチを改善する効果が高まるよう工夫されている。
またクッション材12のサイズについては、第二趾や第三趾の付け根近傍を的確に持ち上げることが可能となるように、適切なサイズに設定されることが好ましい。通常、横方向のサイズは2〜4cm程度に、縦方向のサイズは1〜4cm程度にそれぞれ設定されることが望ましく、上下方向のサイズは、クッション材12のクッション性に応じて適切に設定されることが望ましい。本実施形態の例におけるクッション材12は、横方向のサイズが約3cmに、縦方向のサイズが約2.5cmに、上下方向のサイズが約2cmにそれぞれ設定されている。但し本発明の主旨を逸脱しない範囲において、クッション材12のサイズは任意に設定され得る。
また靴下1の形成に用いる靴下本体11としては、先述したとおり、いわゆる5本趾靴下(5本の趾それぞれを1本ずつ別々に収容する靴下)が採用されている(図1を参照)。そのため、趾収容部11a〜11eそれぞれに使用者の趾が正しく収容されると、靴下1と使用者の足との位置関係が正しくなるように位置決めされ、クッション材12を使用者の足裏の領域Pへ的確に対応させることが可能である。
上記の位置決めを極力確実に実現する観点からは、本実施形態のように5本趾靴下を採用することが望ましいが、これに限らず、一部の趾を他の趾と別に収容するように形成された各種の靴下を採用しても、ある程度の位置決めの効果を得ることが可能である。このような靴下の例としては、第一趾と第二趾を一緒に収容する趾収容部と、その他3本の趾を一緒に収容する趾収容部の、二つの趾収容部を有する靴下等が挙げられる。
なお、変形性膝関節症により外反母趾を生じた患者等については、本実施形態に係る靴下1を履くとともに、趾を鍛えるための筋トレ(趾でタオルを引き寄せることや、ペットボトルのキャップを趾で掴むこと等)を実行すれば、外反母趾や浮き趾の進行をより効果的に防ぐことが出来る。
出願人は変形性膝関節症の治療に関する研究の一環として、21人の変形性膝関節症の患者に対し、ヒアルロン酸を膝の関節に週1回注射するとともに、ペットボトルを趾で掴む筋トレを1日2回行ってもらうようにした。更にこの21人の患者のうち、10人の患者からなるAグループには本実施形態のものと同等の靴下を履いてもらい、残り11の患者からなるBグループには、偏平足を治す靴下(土踏まずに対応する位置にクッションを設けたもの)を履いてもらった。
この条件にて2週間を過ごしてもらった後、上記各グループの足部機能指数の改善度合を比べることとした。なお足部機能指数とは、家の中を歩く、家の外を歩く、1kmの距離を歩く、階段を上がる、階段を下る、つま先立ちを行う、椅子から立ち上がる、坂道を上る、および早く歩く、の各項目での痛みを10段階(全く痛くない場合を0点、全然できない場合を9点とし、痛みが大きいほど高い数値となる)で評価した点数の合計である。
その結果、足部機能指数は、Bグループの11人においては平均2.3点の改善に留まったが、Aグループの10人においては平均18.4点も改善された。このように、本実施形態に係る靴下1は、変形性膝関節症の治療において優れた効果を発揮することが明らかとなった。
以上に説明したとおり靴下1は、足裏の一部の部位が押圧されるようにクッション材12(押圧部材の一形態)を設けた靴下であって、前記部位は、足裏の第二中足骨頭および第三中足骨頭の部位となっている。そのため靴下1によれば、外反母趾等により損なわれた横アーチの矯正に役立てることが可能である。また、上下方向に見たクッション材12の中央位置は、足裏の第二中足骨頭と第三中足骨頭の間の部位に略一致している。そのためクッション材12は、第二中足骨頭と第三中足骨頭をバランス良く押圧しやすくなっている。
また靴下1では、足裏を押圧する押圧部材としてクッション性のあるクッション材12を用いてるため、使用者の足裏に出来るだけ違和感の無いようにすることが可能である。但し、押圧部材としてクッション性に乏しい部材を用いても、横アーチの矯正に役立てることは可能である。
なお、本実施形態に係る靴下1の変形例として、クッション材12が押圧する部位は、足裏の第二中足骨頭と第三中足骨頭の何れか一方の部位のみとしても良い。このように形成しても、第二趾或いは第三趾の浮き趾を改善させ、外反母趾等により損なわれた横アーチの矯正に役立てることが可能である。また、上述した第二中足骨頭の部位や第二中足骨頭の部位は、必ずしも厳密に解されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で緩やかに(例えば、その近傍の部位も含まれるように)解されるものである。
以上、本考案の実施形態について具体例を挙げて説明したが、本考案はその内容に限定されるものではない。本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において、様々な具体的形態により実施され得る。また本考案に係る靴下は、必ずしも靴を履く際に装着されるものには限らず、例えば屋内で靴を履かないときに装着されるものも含まれ得る。
本考案は、足に履くための靴下に利用可能である。
1 靴下
11 靴下本体
11a〜11e 趾収容部
12 クッション材(押圧部材)
Ba 第二中足骨
Ba1 第二中足骨頭
Bb 第三中足骨
Bb1 第三中足骨頭
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Claims (7)
- 足裏の一部の部位が押圧されるように押圧部材を設けた靴下であって、
前記部位は、足裏の第二中足骨頭および第三中足骨頭の少なくとも一方の部位であることを特徴とする靴下。 - 前記押圧部材は、内側に設けられたクッション材であることを特徴とする請求項1に記載の靴下。
- 前記クッション材は、足裏の第二中足骨頭および第三中足骨頭の部位を押圧するように設けられており、
上下方向に見た前記クッション材の中央位置は、足裏の第二中足骨頭と第三中足骨頭の間の部位に略一致することを特徴とする請求項2に記載の靴下。 - 前記クッション材における足裏に対向する表面は、横方向のアーチ状となるように形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の靴下。
- 前記クッション材は、横方向サイズが2〜4cmのウレタン材であることを特徴とする請求項2から請求項4の何れかに記載の靴下。
- 一部の趾を、他の趾と別に収容するように形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の靴下。
- 5本の趾それぞれを1本ずつ別々に収容するように形成されたことを特徴とする請求項6に記載の靴下。
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JP2017002734U JP3212230U (ja) | 2017-06-18 | 2017-06-18 | 靴下 |
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JP2020097798A (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 秀俊 尾花 | 靴下 |
JP2020109218A (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-16 | 株式会社山忠 | 靴下 |
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- 2017-06-18 JP JP2017002734U patent/JP3212230U/ja not_active Expired - Fee Related
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