JP3212212B2 - ダブルリンク式軸継手 - Google Patents

ダブルリンク式軸継手

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JP3212212B2
JP3212212B2 JP04391894A JP4391894A JP3212212B2 JP 3212212 B2 JP3212212 B2 JP 3212212B2 JP 04391894 A JP04391894 A JP 04391894A JP 4391894 A JP4391894 A JP 4391894A JP 3212212 B2 JP3212212 B2 JP 3212212B2
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秀浩 浅井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動軸に取り付けられ
る軸継手に関し、さらに詳しくは、駆動軸と被駆動軸と
の軸芯のずれを吸収して動力を伝達することのできるダ
ブルリンク式軸継手の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ダブルリンク式軸継手は、駆動軸に取り
付けられる軸継手の一種で、駆動軸と被駆動軸とが平行
を保った状態における軸芯のずれを吸収できることで知
られている。ダブルリンク式軸継手の典型例を図4ない
し図7により説明する。図4は組み立てた状態のダブル
リンク式軸継手の正面図、図5はそのAA矢視による断
面図、図6は図4のB部を示す部分拡大断面図、図7は
分解状態で示した斜視図で、1、3はエンドディスク、
2はセンターディスク、4a、4b、4c、4dはリンク、5は
ピンである。
【0003】ダブルリンク式軸継手は、軸S、S’に取
り付けられる2枚のエンドディスク1、3と、その中間
にはさまれるセンターディスク2と、センターディスク
2の両面で各エンドディスクと接続するそれぞれ2個の
リンク4a、4bならびに4c、4dと、このリンクを係止する
8本のピン5で構成される。なお、エンドディスクおよ
びセンターディスクは樹脂製としてもよいが、通常は金
属製である。
【0004】リンク4a、4bならびに4c、4dは両端をセン
ターディスク2とエンドディスク1、3のいずれかとピ
ンにより結合される。ここでその結合構造について、図
8、図9により説明する。図8は、3枚のディスクのピ
ン孔の位置を、同一方向、例えば図4の左側から見たと
して、同一平面に重ねて示した説明図、図9は図8上の
一部の点のみを示してリンクの動きを説明する説明図で
ある。
【0005】エンドディスク1、3ならびにセンターデ
ィスク2の各ピン孔は、図8に示すように、時計の文字
盤に例えると、各時刻の位置のうち、12時、3時、6
時、9時の4か所を除いた8か所の同じピッチ円上に設
けられる。右側のエンドディスク1には11時と7時の位
置に孔A1とB1が、センターディスク2には1時の位置に
孔A2、5時の位置に孔B2、2時の位置に孔C1、10時の位
置に孔D1が設けられる。さらに左側のエンドディスク3
には4時の位置に孔C2、8時の位置に孔D2が設けられ
る。そしてエンドディスク1とセンターディスク2の間
にはリンク4a、4bが、またエンドディスク3とセンター
ディスク2の間にはリンク4c、4dが挿入される。
【0006】リンク4aを例にとると、一端においてピン
がエンドディスク1側の孔A1に取り付けられ、他端はセ
ンターディスク側の孔A2に取り付けられる。したがっ
て、図9に示すようにいまエンドディスク1を基準と
し、孔A1、B1の位置が変わらないものとして、センター
ディスク側の孔はリンク長を半径とした円周状の軌跡上
をA2からA2' へ、B2からB2'への移動が可能である。リ
ンク4a、4bとリンク4c、4dとは基準状態で互いに直角を
なしているから、全体を組み合わせるとエンドディスク
1と3はあらゆる方向に相対変位が可能であり、継手全
体としてすべての方向のずれを許容してトルクを伝達で
きるのである。
【0007】図4でBで示したディスクとリンクの取り
付け部分の拡大断面を図6に示す。ピン5はセンターデ
ィスク2の孔に圧入されている。スラストカラー52を挿
入した上でリンク4がピン5に嵌合される。リンク4の
孔部分にはニードルベアリングなどのベアリング54が嵌
めこまれている。皿小ねじ53でピン5の頭部にワッシャ
55を取り付け、このワッシャ55にもう1枚のスラストカ
ラー52を取り付けたキャップを嵌めて取り付けを完了す
る。
【0008】ところで、このダブルリンク式軸継手を製
作し、組み立てる手順の一例はつぎのようになる。まず
エンドディスク1にピン5を2本、所定位置に圧入し、
ついでこれらのピンにリンク4a、4bを取り付ける。つづ
いて両面にピン5を2本ずつ圧入したセンターディスク
2をエンドディスク1に結合するのであるが、リンク4
a、4bはピン5のまわりに自由に回転できるのに対し
て、センターディスク2側の2本のピンの間隔は決まっ
てしまっているから、エンドディスク1は作業台に支持
されていても、回転自在の2枚のリンクを片手で押さえ
ながらリンク4a、4bの自由端側の孔間隔をピンの間隔と
一致させ、片手でセンターディスクを持ってこれを組み
付けるのはきわめて困難であった。さらに、その次の段
階でセンターディスク2の反対側の面にエンドディスク
3を取り付ける際にも、センターディスク2がエンドデ
ィスク1に対して自由に移動できるために、作業が困難
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解消して、組み立て作業がきわめて容易なダブ
ルリンク式軸継手を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、2枚のエンド
ディスクと、その中間にはさまれるセンターディスクと
の3枚のディスクのそれぞれの2枚の面間に、一端を片
側のディスクにピンで係止され、他端を他の側のディス
クにピンで係止された互いに平行する2枚のリンクを設
けてなるダブルリンク式軸継手において、前記3枚のデ
ィスクのリンクに接する4箇所の面のうち少なくとも向
き合わない2箇所の面の内径部分に段付き部を形成した
ことを特徴とするダブルリンク式軸継手であり、望まし
くは、両側の2枚のエンドディスクのリンクに接する面
の内径部分に段付き部を形成した前記のダブルリンク式
軸継手、あるいは片側エンドディスクのリンクに接する
面ならびにセンターディスクの片側の面の内径部分に段
付き部を形成した前記のダブルリンク式軸継手である。
【0011】
【作 用】本発明によれば、エンドデイスク1、3の内
側内径部分に段付き部11、31を設けたので、図2に示す
ようにリンクが上下に取り付けられた状態で、一端をピ
ンで固定された上方のリンク4aの他端が自重によって垂
れ下がることなく、この段付き部に載置される状態を限
度として拘束されるので、下方のリンク4bを片手で軽く
支持して孔間隔を保持し、残りの片手でセンターディス
ク2を把持して組み付けしてやれば容易に組み立てを行
うことができる。
【0012】なお、リンクの垂れ下がりを防止する手段
としては、こうした段付き部を設ける以外にもデイスク
面の適当な位置にピンを植えたり、突起を設けたりする
ことも考えられるが、いずれも複雑な機械加工や組み立
て手順を追加しなければならないという難点がある。そ
れに対して本発明のような段付き部であればディスクの
面や外径を加工する際に、同一工程内で処理が可能であ
る。
【0013】
【実施例】
実施例1 本発明の第1の実施例を図1に示す。この図は本実施例
のダブルリンク式軸継手のエンドディスクならびにセン
ターディスクのみを一部は断面で示す正面図である。従
来のものと同一部分については同じ符号を用いている
が、11はエンドディスク1の内径部分に設けられた段付
き部、31はエンドディスク3の内径部分に設けられた段
付き部で、これら段付き部の外径は、このダブルリンク
式軸継手の軸変位の許容値に影響しない範囲とする必要
があることは、いうまでもない。また、段付き部の突き
出し長ならびに肉厚は、リンク1個の自重の半分を支え
ればよいのであるからいずれもごくわずかでよい。寸法
の実例を挙げると、軸径 8mm、軸継手の外径22mmのもの
の場合、段付き部の外径10mm、すなわち段付き部の肉厚
は片側 1mm、突き出し長は 2mmである。
【0014】なお、図1の32は、エンドディスク3を駆
動軸に固定するためのセットねじのねじ孔であり、エン
ドディスク1、3に2か所ずつ設けられているが、一部
図示を省略している。この実施例においては、両側のエ
ンドディスク1と3は同一形状であり、部品としては同
じものが使用できるから、部品種類が増加することがな
いという利点がある。ただし、ダブルリンク式軸継手の
組み立て手順としては、両側のエンドディスク1、3に
対するリンクの取り付けを先行して行い、これらにセン
ターディスク2を組み着けて完成させるやり方となる。
図2はエンドディスク1にピン5、5を圧入し、2個の
リンク4a、4bを取り付けた状態を示す側面図で、上方の
リンク4aは一端をピン5に支持され、他端は段付き部11
上に載置されていて、それ以上垂れ下がらないでいるこ
とを示している。
【0015】なお、リンク4は、2つのピン孔を連結し
てトルクを伝達する機能があればよく、平面形状はとく
に限定されない。 実施例2 本発明の第2の実施例を図3に示す。この図も本実施例
のダブルリンク式軸継手のエンドディスクならびにセン
ターディスクのみを示す正面図である。従来のものと同
一部分については同じ符号を用いているが、11はエンド
ディスク1の内径部分に設けられた段付き部、21はセン
ターディスク2の内径部分に設けられた段付き部で、エ
ンドディスク3に段付き部を設ける代わりに、センター
ディスク2に段付き部を設けた点が第1の実施例との相
違であり、寸法その他の条件は第1の実施例と同様であ
る。
【0016】この実施例においては、両側のエンドディ
スク1と3は同一形状ではないから、部品としては同じ
ものが使用できない。また、ダブルリンク式軸継手の組
み立て手順としては、まず片側のエンドディスク1に対
するリンクの取り付けを行い、これらにセンターディス
ク2を組み着け、最後にセンターディスク2に残る片側
のエンドディスク3を組み着けて完成させるやり方とな
る。
【0017】なお、本発明の段付き部は、上記2実施例
に限ることなく、組み立て手順の如何によってはセンタ
ーディスク2の両面に設けることもできるし、また、組
み立て上必要でない面にまで段付き部を設けておくこと
も何ら支障はないので、リンクに接する3枚のディスク
の4箇所の面すべてに段付き部を設けておき、組み立て
手順を拘束しないようにすることも有意義である。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、段付き部を設けるとい
う簡単な手段により、コストを上昇させることなしに組
み立て段階において上下2枚のリンクのうち、上方のも
のをこの段付き部に拘束させ、押さえる必要がなく片手
が自由になり、作業能率が著しく向上するという、すぐ
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるダブルリンク式軸継手
の主要部を一部は断面で示す正面図である。
【図2】本発明の実施例による組み立て状態を示す側面
図である。
【図3】本発明の他の実施例におけるダブルリンク式軸
継手の主要部を一部は断面で示す正面図である。
【図4】従来の技術を示すダブルリンク式軸継手の正面
図である。
【図5】図4のAA矢視における断面図である。
【図6】図4のB部を示す部分拡大断面図である。
【図7】従来の技術を示すダブルリンク式軸継手を分解
状態で示す斜視図である。
【図8】本発明に係わるダブルリンク式軸継手の構造を
説明する説明図である。
【図9】図8の一部を抜き出した説明図である。
【符号の説明】
1、3 エンドディスク 2 センターディスク 4a、4b、4c、4d リンク 5 ピン 11、21、31 段付き部 32 ねじ孔 52 スラストカラー 53 皿小ねじ 54 ベアリング 55 ワッシャ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のエンドディスク(1、3)と、そ
    の中間にはさまれるセンターディスク(2)との3枚の
    ディスクのそれぞれの2枚の面間に、一端を片側のディ
    スクにピン(5)で係止され、他端を他の側のディスク
    にピン(5)で係止された互いに平行する2枚のリンク
    (4a、4b、4c、4d)を設けてなるダブルリンク式軸継手
    において、前記3枚のディスクのリンクに接する4箇所
    の面のうち少なくとも向き合わない2箇所の面の内径部
    分に段付き部(11、21、31)を形成したことを特徴とす
    るダブルリンク式軸継手。
  2. 【請求項2】 両側の2枚のエンドディスク(1、3)
    のリンクに接する面の内径部分に段付き部(11、31)を
    形成した請求項1に記載のダブルリンク式軸継手。
  3. 【請求項3】 片側のエンドディスク(1)のリンクに
    接する面ならびにセンターディスクの片側の面の内径部
    分に段付き部(11、21)を形成した請求項1に記載のダ
    ブルリンク式軸継手。
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