JP3211644B2 - 自動利得制御回路 - Google Patents

自動利得制御回路

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裕理 山本
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  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動利得制御(A
GC)回路に関し、ことにOFDM変調方式を用いた受
信機における自動利得制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に従来の自動利得制御回路(以下A
GC回路で表す)の構成を示す。図3において、1は可
変利得増幅器、2は可変利得増幅器1に接続されたA/
D変換器、3はA/D変換器2に接続された復号回路、
8は可変利得増幅器1に接続された検波器、9は検波器
に接続された低域ろ波器(以下LPFで表す)でその出
力は可変利得増幅器1の利得制御端子に接続されてい
る。
【0003】この従来例の動作を図3を参照して説明す
る。図3において、可変利得増幅器1の出力信号は検波
器8によって検波され、LPF9により直流電圧に変換
される。この直流電圧はA/D変換器2の入力電圧に対
応しており、可変利得増幅器1の利得制御端子に加えら
れて、可変利得増幅器1はこの直流電圧に応じて利得を
制御してA/D変換器2への平均入力信号レベルを一定
に保つ。このときA/D変換器2への平均入力信号レベ
ルはフェージング対策のために、通常は変化範囲の1/
2程度になるように制御される。
【0004】このように従来のAGC回路では、A/D
変換器2の入力電圧に応じて可変利得増幅器1の利得を
制御し、A/D変換器2の入力信号レベルを一定に保つ
ことによって、受信信号の直流変動によってA/D変換
器2の入力が飽和することなどの原因により通信品質が
劣化することを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
AGC回路では図3に示したように、検波器8およびL
PF9を必要とすること、直交周波数分割多重変調(以
下OFDM)方式に適用しようとした場合、A/D変換
器2への平均入力信号レベルがA/D変換器2の変換範
囲の1/2程度であるため、可変利得増幅器1の非直線
性およびA/D変換器2量子化歪みにより、送信データ
に対する受信データのビツト誤り率(以下BER:Bit
Error Rate)の劣化が生じるなどの問題があった。これ
はOFDM変調波はQPSK(Quadrature Phase Shift
Keying )変調波等とくらべてピーク値と平均値の差が
大きいことに起因する。
【0006】上述のごとく、従来のAGC回路をピーク
値と平均値の差が大きいOFDM変調波のA/D変換の
前段に用いると誤り率を充分に押さえきれないという問
題があった。
【0007】本発明はこの問題を解決するもので、比較
的小型な回路で構成でき、可変利得増幅器を適切に制御
して、OFDM変調波のBERの劣化を防ぐことのでき
る自動利得制御回路の実現を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の自動利得制御回路は、入力信号を可変な増
幅率で増幅する可変利得増幅手段と、前記可変利得増幅
手段の利得制御信号を発生させる利得制御信号発生手段
と、前記可変利得増幅手段の出力のアナログ信号をディ
ジタル信号に変換するA/D変換手段と、予め設定した
期間に前記A/D変換手段の出力ディジタル信号が予め
設定された値を越えた回数を計数する計数手段と、前記
計数手段の計数値が、前記計数手段に予め設定された電
圧レベル分布の値を越えたことを判定することによって
前記入力信号の信号レベルの平均値を計算する演算手段
とを備え、前記演算手段の演算結果に基づいて前記可変
利得増幅手段の利得制御信号を発生させる構成とした。
この構成により、平均信号レベルの計算に複雑な計算が
不要になりディジタル計数演算によって利得制御を行え
るため、帰還回路の検波器やLPFが省略でき回路構成
を一層簡単にでき、集積化に適し、前記可変利得増幅手
段の利得制御を正確かつ容易になる。
【0009】また上記目的を達成するため、本発明の自
動利得制御回路は、前記利得制御信号発生手段は前記可
変利得増幅手段の利得制御後の出力が前記A/D変換手
段の変換範囲の1/4以内となるような前記利得制御信
号を発生する構成とした。この構成により、可変利得増
幅器の非直線性およびA/D変換器の量子化歪みによる
劣化を防止することができる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態にかか
るAGC回路を添付図面を参照にして詳細に説明する。
【0015】(実施の形態1)図1は本発明の第1の実
施の形態にかかるAGC回路のブロック図である。図1
において、1は可変利得増幅器、2は可変利得増幅器1
に接続されたA/D変換器、3はA/D変換器2に接続
され復号処理を行う復号回路、4はA/D変換器2に接
続され平均信号レベルを求める演算回路、5は演算回路
に接続されたAGC信号発生器でその出力は可変利得増
幅器1の利得制御端子に接続されている。図3と同一の
構成ブロックには同一の符号を記して説明を省略する。
【0016】次に、上記構成によるAGC回路の動作を
説明する。まず、可変利得増幅器1によって増幅された
アナログ信号がA/D変換器2によってディジタル信号
に変換され、復号回路3と演算回路4に入力される。
【0017】復号回路3に入力された信号は、復号処理
が行われ、後段のブロックに送られる。演算回路4は入
力された信号を用いて、あらかじめ設定された期間に亙
って受信信号レベルを積分し、その平均値を求める演算
を行う。
【0018】AGC信号発生器5は信号レベルの平均値
に応じたAGC信号を発生し、可変利得増幅器1の利得
を制御する。可変利得増幅器1の利得はこのAGC信号
に応じて変化させA/D変換器2の入力レベルが一定と
なるように制御されることができる。
【0019】このように本実施形態によれば、A/D変
換後にディジタル的に積分して信号レベルの平均値を計
算し、この計算した平均値で可変利得増幅器1を制御し
ているので、ディジタル信号であるAGC信号で制御を
行うことができる。このため、検波器およびLPFが不
要になり、より小型に回路を構成でき、AGC信号をよ
り正確で容易に制御することができる。
【0020】なお、演算回路4およびAGC信号発生器
5のディジタル回路部を復号回路3と一体化することに
より、さらに小型に回路を構成することができる。
【0021】また、可変利得増幅器1の利得制御を、差
動増幅器等によりアナログ的に制御しても、複数の異な
る増幅率の増幅器を切替えてディジタル的に制御しても
同様な効果を得ることができる。
【0022】また、可変利得増幅器1の利得制御の方法
として、第1の方法として、計算によって求められたA
GC信号のレベルを計算し、1回の制御で所望の利得を
可変利得増幅器1に与える方法、第2の方法としては、
演算回路4によって求められた平均信号レベルがあらか
じめ設定された上限のレベルを上回ったとき可変利得増
幅器1の利得を1ステップ下げ、あらかじめ設定された
下限のレベルを下回ったとき可変利得増幅器1の利得を
1ステップ上げることにより、1回以上の制御によって
所望の利得を可変利得増幅器1に与える方法があるがい
ずれの方法によっても同様の効果が得られる。
【0023】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施形態について説明する。この実施形態の回路構成は図
1の場合と同様であるので説明は省略する。
【0024】この第2の実施形態の第1の実施形態との
違いは、AGC信号発生器5で発生するAGC信号によ
って、A/D変換器2への平均入力信号レベルの変動範
囲がA/D変換器2の変換範囲の1/4になるように可
変利得増幅器1が制御されるという点である。
【0025】図4はA/D変換器2の変換範囲を表す図
である。ここで範囲1はA/D変換器2の変換可能なす
べての範囲を示し、a[V]はその下限の電圧、d
[V]はその上限の電圧である。また範囲2はA/D変
換器2の変換可能な範囲の1/4の範囲すなわちA/D
変換器2への平均入力信号レベルの変動範囲で、b
[V]はその下限の電圧、c[V]はその上限の電圧で
ある。範囲1の中心の電圧と範囲2との中心の電圧は一
致する。
【0026】図5に、非直線増幅器のBERシミュレー
ション結果を示す図である。図5において減衰量0[d
B]というのはA/D変換器2への平均入力信号レベル
がA/D変換器2の変換範囲内にある場合に相当する。
したがって、図5に示すようにA/D変換器2への平均
入力信号レベルがA/D変換器2の変換範囲の1/4、
すなわち−12[dB]であればBERは非線形がまっ
たくない場合とほぼ等しくなり、可変利得増幅器1の非
直線性によるBERの劣化を防ぐことができることが分
かる。
【0027】図6は、電圧制限と量子化誤差のBERに
対する影響を示す図である。ここでも減衰量0[dB]
というのはA/D変換器への平均入力信号レベルがA/
D変換器の変換範囲内にある場合に相当する。したがっ
て図6から、A/D変換器への平均入力信号レベルがA
/D変換器の変換範囲の−12[dB]以下、すなわち
1/4以下であれば、BERはA/D変換器の量子化歪
みによる影響を受けないことが分かる。
【0028】以上のように、第2の実施形態によれば、
AGC信号発生器5で発生するAGC信号によって、A
/D変換器2への平均入力信号レベルの変動範囲をA/
D変換器2の変換範囲の1/4にとなるように可変利得
増幅器1を制御することにより、可変利得増幅器1の非
直線性の影響およびA/D変換器2の量子化歪みによる
BERの劣化を防ぐことができる。
【0029】(実施の形態3)図2は本発明にかかるA
GC回路の第3の実施形態を示すブロック図である。図
2において、1は可変利得増幅器、2は可変利得増幅器
1に接続されたA/D変換器、3はA/D変換器2に接
続され復号処理を行う復号回路、6はA/D変換器2に
接続されたカウンタ、7はカウンタ6に接続された演算
回路、5は演算回路7に接続されたAGC信号発生器で
その出力は可変利得増幅器1の利得制御端子に接続され
ている。理解しやすいように、図1および図3と同一機
能のブロックには同一の番号を記すようにした。
【0030】図2に示すように構成されたAGC回路の
動作を説明する。まず、可変利得増幅器1によって増幅
されたアナログ信号がA/D変換器2によってディジタ
ル信号に変換され、復号回路3とカウンタ6に入力され
る。復号回路3に入力された信号は、復号処理がなさ
れ、後段のブロックに送られる。
【0031】カウンタ6は、入力された信号を用いて、
あらかじめ設定された期間内に入力信号があらかじめ設
定されたレベルを越える回数を計数する。演算回路7は
カウンタ6の計数値である出力信号を用いて平均信号レ
ベルを算出する。この算出に当たり、OFDM信号がカ
イ2乗分布になっていることを利用する。
【0032】AGC信号発生器5は、平均信号レベルに
応じたAGC信号を発生し、可変利得増幅器1の利得を
制御する。可変利得増幅器1の利得はAGC信号に応じ
て変化し、A/D変換器2の入力レベルが一定になるよ
うに制御する。
【0033】図7は、棒グラフで表されるOFDM信号
の電圧レベルの分布と、曲線で表されるカイ2乗分布を
示す図である。図から分かるように、一般にOFDM信
号の電圧レベルの分布はカイ2乗分布と一致することが
知られている。このことから、ある特定のレベル範囲内
の信号の電力が分かれば、すべての信号レベルの分布を
求めることができる。
【0034】以上述べたように本実施の形態によれば、
A/D変換後の信号に対して、あらかじめ設定された期
間内にあるあらかじめ設定されたレベルを越える回数を
数えるカウンタと、平均信号レベルを算出する演算回路
を設けることにより、AGC信号をディジタル的に処理
して制御することができ、しかも、平均レベルを算出す
るのに複雑な演算を行う必要がなくなり回路が簡単に構
成できる。したがって、検波器およびLPFが不要で、
構成をより簡単にかつ小型に構成でき、しかもAGC信
号をより正確で容易に制御することができる。
【0035】なお、カウンタ6、演算回路7およびAG
C信号発生器5からなるディジタル回路部を復号回路3
と一体化することによって、さらに回路を小型にでき
る。
【0036】さらに、変調された信号にレファレンスに
なるようなある定められた送信レベルの定められた形式
の信号が含められている場合は、その信号の期間を用い
てより正確に可変利得増幅器1の利得を制御することが
できる。
【0037】また、演算回路7にカウント数と平均レベ
ルを対照した表を記憶した記憶装置を接続し、カウンタ
6で計数された回数からこの記憶装置に記憶された表を
用いて平均レベルのデータを取りだすことで平均レベル
を算出するようにしても良い。
【0038】また、演算回路7の動作として、カウンタ
6で計数された回数がある上限の一定値を越えたときに
可変利得増幅器1の利得を1ステップ下げ、ある下限の
一定値を下回ったとき可変利得増幅器1の利得を1ステ
ップ上げるようにAGC信号を制御する信号を出力する
ようにしても良い。
【0039】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施形態について説明する。この実施形態の回路構成は図
2の第3の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0040】この実施形態が第3の実施形態と異なるの
は、AGC信号発生器5で発生するAGC信号によっ
て、A/D変換器2への平均入力信号レベルがA/D変
換器2の変換範囲の1/4になるよう可変利得増幅器1
の利得が制御される点である。この際用いられる変換範
囲の考え方や、BER特性はすでに第2の実施形態に関
して図4〜図6で説明した通りであるのでここでは省略
する。
【0041】このように本実施の形態によれば、第3の
実施の形態の回路の利点に加え、AGC信号発生器5で
発生するAGC信号によって、A/D変換器2への平均
入力信号レベルがA/D変換器2の変換範囲の1/4に
なるよう可変利得増幅器1の利得が制御されているの
で、可変利得増幅器1の非直線性およびA/D変換器2
の量子化歪みによるBERの劣化を防ぐ利点がある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の第1の発明
では、A/D変換後に積分によって平均信号レベルを計
算する回路と、平均信号レベルの計算値に応じてAGC
信号を発生する回路を設けているので、ディジタル信号
によってAGC信号を制御でき、検波器やLPFが不要
になり、回路の小形化が実現でき、集積化に適し、AG
C信号を正確かつ容易に制御できる。
【0043】第2の発明では、A/D変換器への平均入
力信号レベルがA/D変換器の変換範囲の1/4になる
よう可変利得増幅器の利得を制御するAGC信号をAG
C信号発生回路で発生させるので、第1の発明の利点に
加え、可変利得増幅器の非直線性およびA/D変換器の
量子化歪みによるBERの劣化を防ぐことができる。
【0044】第3の発明では、A/D変換後に、予め設
定された期間に平均信号レベルが予め設定されたレベル
を越えた回数をカウントするカウンタとカウンタ出力か
ら平均信号レベルを計算する回路と、平均信号レベルの
計算値に応じてAGC信号を発生する回路を設けている
ので、平均信号レベルの計算に複雑な計算が不要にな
り、ディジタル信号によってAGC信号を制御でき、検
波器やLPFが不要になり、回路の小形化が実現でき、
集積化に適し、AGC信号を正確かつ容易に制御でき
る。
【0045】第4の発明では、A/D変換器への平均入
力信号レベルがA/D変換器の変換範囲の1/4になる
よう可変利得増幅器の利得を制御するAGC信号をAG
C信号発生回路で発生させるので、第3の発明の利点に
加え、可変利得増幅器の非直線性およびA/D変換器の
量子化歪みによるBERの劣化を防ぐことができるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる自動利得制御回
路のブロック図
【図2】本発明の他の実施の形態にかかる自動利得制御
回路のブロック図
【図3】従来の自動利得制御回路のブロック図
【図4】A/D変換器への平均入力信号レベルの範囲を
示す特性図
【図5】非線形増幅器のBER特性を示す特性図
【図6】電圧制限と量子化誤差のBER特性への影響を
示す特性図
【図7】OFDM信号の電圧分布を示す特性図
【符号の説明】
1 可変利得増幅器 2 A/D変換器 3 復号回路 4 演算回路 5 AGC信号発生器 6 カウンタ 7 演算回路 8 検波器 9 低域ろ波器(LPF)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 裕理 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 國枝 賢徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−113230(JP,A) 特開 平6−260861(JP,A) 特開 平4−255101(JP,A) 特開 平7−263986(JP,A) 特開 平3−254510(JP,A) 特開 平7−79124(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03G 1/00 - 3/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を可変な増幅率で増幅する可変
    利得増幅手段と、前記可変利得増幅手段の利得制御信号
    を発生させる利得制御信号発生手段と、前記可変利得増
    幅手段の出力のアナログ信号をディジタル信号に変換す
    るA/D変換手段と、予め設定した期間に前記A/D変
    換手段の出力ディジタル信号が予め設定された値を越え
    た回数を計数する計数手段と、前記計数手段の計数値
    が、前記計数手段に予め設定された電圧レベル分布の値
    を越えたことを判定することによって前記入力信号の信
    号レベルの平均値を計算する演算手段とを備え、前記演
    算手段の演算結果に基づいて前記可変利得増幅手段の利
    得制御信号を発生させることを特徴とする自動利得制御
    回路。
  2. 【請求項2】 前記電圧レベル分布の値が、カイ2乗分
    布の値であることを特徴とする請求項1記載の自動利得
    制御回路。
  3. 【請求項3】 前記利得制御信号発生手段は前記可変利
    得増幅手段の利得制御後の出力が前記A/D変換手段の
    変換範囲の1/4以内となるような前記利得制御信号を
    発生することを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の自動利得制御回路。
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