JP3211443B2 - アルコール検出装置 - Google Patents

アルコール検出装置

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JP3211443B2 JP36053592A JP36053592A JP3211443B2 JP 3211443 B2 JP3211443 B2 JP 3211443B2 JP 36053592 A JP36053592 A JP 36053592A JP 36053592 A JP36053592 A JP 36053592A JP 3211443 B2 JP3211443 B2 JP 3211443B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、飲酒者による
自動車の運転を防止するために用いられるアルコール検
出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車による交通事故は大きな社
会問題である。なかでも飲酒運転による事故は大事故と
なる可能性が高く、しかも一向に減少する傾向がみられ
ない。
【0003】従来、このような飲酒運転を防止するため
の装置としては、特公昭51−21698号公報および
米国特許第3855573号に記載されるように、管の
一端を吸引ポンプに連結し、他端を車室内の運転席近傍
に配置して開口し、ドライバの呼気の一部を吸引ポンプ
により管内に導入し、管の途中に設置したアルコール成
分検出素子の作動により、ドライバの呼気中のアルコー
ル濃度を判定して、自動車を走行不能にする装置があ
る。
【0004】しかしながら、上記従来技術では、実際に
ドライバの呼気中アルコール濃度を判定するにあたり、
幾つかの問題点があった。
【0005】第1の問題点は、ポンプにより吸入される
ガスは、ドライバの呼気ばかりではなく車室内の空気と
混合されることから、吸入されたガス中にドライバの呼
気が含まれているか否かを判断する必要があるが、上記
従来技術はこのような判定手段が設けられておらず、誤
判定の可能性がある点である。
【0006】この問題に対し、特公昭56−18898
号公報に記載されるように、管内に圧力センサを設置
し、管内の圧力変化を測定する技術が提案されている。
しかしながら、このような方法では、吸入口を塞ぐとい
ったごまかし行為に対しては有効であるが、ドライバが
吸入口に向かって呼気を吹出したかどうか判定するには
精度が足りず、また、例え高精度の圧力センサを用いた
としても、呼気の代わりに適当な風を送れば呼気と誤判
定する可能性がある。
【0007】また、特公昭56−18898号公報に記
載されるように、湿度および温度の変化により呼気を判
定する技術が開示されているが、吸入口近くに濡れた手
をかざすといったごまかし行為が容易に可能である。
【0008】第2の問題点は、吸入口に向かって呼気を
吹出す状態は、通常ドライバに依存するために、吹出量
や吹き出す方向などは一定ではなく、したがって吸入さ
れたガス中に含まれる呼気の割合が一定にならないため
に、アルコール濃度判定に誤差を生じる点である。ま
た、ドライバが決められた呼気量を再現性よく吹出すこ
とは実際上不可能である。
【0009】第3の問題点は、アルコール濃度の判定速
度の点である。すなわち、この種の装置は、自動車走行
直前に動作させるものであり、ドライバにとっては、こ
の判定時間が長くかかることは不快に感じることが多
く、できるかぎり迅速な判定が必要である。ところが、
現在知られているアルコール検出素子は、応答時間(ア
ルコールガスが素子に接触した後、素子の出力信号がア
ルコール濃度に応じた値になって安定するまでの時間)
について充分満足できるものがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記3つの
問題点を解決し、すなわち、ドライバの呼気の判定
吸入した呼気量の変動に対する補正および判定速度の
向上を図り、例えば飲酒者の自動車運転防止に好適なア
ルコール検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の発
明は、一方の開口部(第1の開口部)が被測定空間に向
けて設置され、前記開口部と連通する他方の開口部側に
吸引手段が設けられた吸入部と、この吸入部内に設けら
れ、吸入した被検出ガス中に人の呼気が含まれているか
否かを判定するための硫化物センサと、前記吸入部内に
設けられ、前記被検出ガス中に含まれる呼気の量を算定
するための湿度センサと、前記吸入部内に設けられ、前
記被検出ガス中に含まれるアルコールを検出するための
アルコールセンサと、前記硫化物センサの検出信号と前
記湿度センサの検出信号との比率から呼気の有無を判定
する呼気有無判定器と、前記アルコールセンサの検出信
号と前記湿度センサの検出信号との比率からアルコール
濃度を判定するアルコール濃度判定器と、を含み、前記
吸入部内を通過する被検出ガス中のアルコール濃度を検
出することを特徴としている。
【0012】上記発明において、硫化物センサは、吸入
部内を流れる空気中に含まれる硫化物成分を検出する装
置であり、具体的には、人の口臭の主成分であるメチル
メルカプタンの検出を目的とするものである。硫化物セ
ンサとしては、例えば、酸化錫などの酸化物半導体を用
いて、硫化物の酸化反応に伴う抵抗変化を生じるガス検
出器を用いる。
【0013】湿度センサは、吸入部内を流れる空気中に
含まれる水蒸気を検出し、吸入した呼気量の変動による
影響を補正するために用いる装置である。湿度センサと
しては、例えば、水の吸着に伴う高分子膜の容量変化を
生ずる湿度検出器を用いることができる。
【0014】アルコールセンサは、吸入部内を流れる空
気中に含まれるアルコール成分を検出する装置である。
アルコールセンサとしては、例えば、酸化錫などの酸化
物半導体を用いて、アルコールの酸化反応に伴う抵抗変
化を生じるガス検出器を用いることができる。
【0015】また、呼気有無判定器は、前記硫化物セン
サの検出信号の変化量(Δ硫化物)と前記湿度センサの
検出信号の変化量(Δ湿度)との比率(Δ硫化物/Δ湿
度)から呼気の有無を判定するものである。
【0016】また、アルコール濃度判定器は、前記アル
コールセンサの検出信号の変化量(Δアルコール)と前
記湿度センサの検出信号の変化量(Δ湿度)との比率
(Δアルコール/Δ湿度)からアルコール濃度を判定す
るものである。
【0017】本発明の第2の発明は、前記発明におい
て、アルコールセンサ、硫化物センサおよび湿度センサ
のガス応答時定数が同等であることを特徴とするアルコ
ール検出装置である。すなわち、アルコールセンサ、湿
度センサおよび硫化物センサの応答時定数が異なる場合
には、例えばセンサ素子の周囲にガスの拡散を遅延させ
る膜を装着して3つのセンサの時定数を同等にする。さ
らに、前記応答の時定数を同等にする効果を充分発揮さ
せるために、前記3つのセンサを近接させて設置し、吸
入された空気の接触を同時にすることが好適である。
【0018】本発明の第3の発明は、前記発明におい
て、前記3つのセンサと被測定空間(車室)に向けて設
置された第1の開口部との間に設置した三方バルブと、
第2の吸入部を構成する管の一端側が前記三方バルブに
連結され、この管の他端が運転席近傍でかつドライバの
呼気が吸入されにくい位置に設けられた第2の開口部を
備えた第2の吸入部とを付加することを特徴とするアル
コール検出装置である。前記三方バルブは、第1の開口
部からの吸入と第2の開口部からの吸入を切替えるため
の弁手段を有するバルブであり、第1の開口部および第
2の開口部と前記3つのセンサの間に設置される。ま
た、第1の開口部は、ドライバの呼気を吸入するための
もので、ドライバが運転姿勢で着座したときに、呼気の
吸入が容易な位置に設置され、例えば、ステアリングコ
ラム付近等が好適である。第2の開口部は、ドライバの
近傍の車室内の空気を吸入するためのもので、ドライバ
の呼気が吸入されにくい運転席近傍に設置され、例えば
運転席上部の天井付近等が好適である。
【0019】本発明のその他の構成としては、前記発明
において、アルコール濃度判定値に基づき、ランプある
いはブザーによる警告や、イグニッションインターロッ
クあるいはシフトレバーインターロックにより車両の走
行を不能にする装置を付加することを特徴とするアルコ
ール検出装置である。
【0020】
【作用】本発明において、硫化物センサは、前述した従
来の技術の第1の問題点であるドライバの呼気判定に関
して有効な手段である。すなわち、吸入部内に吸入した
空気(被測定ガス)中にドライバの呼気が存在している
かどうか判定するためには、人の呼気に特有の物質もし
くは特性を利用するのがよい。そこで、検討を行った結
果、人の呼気中に含まれる特有の物質としてはメチルメ
ルカプタンが好適であることがわかった。メチルメルカ
プタンは、硫化物の一種であり、口臭の主な成分であっ
て、低濃度でも不快な匂いがする。口内のメチルメルカ
プタンの濃度は、個人差や口内の状態によって違いがあ
るが、成人の多くは一定濃度以上常に存在することが知
られている。また、メチルメルカプタンは通常の空気中
にはごく低濃度存在するのみであり、もし高濃度に存在
すれば、大変に不快な匂いがするため、非常に例外的な
車室内環境であるといえる。したがって、メチルメルカ
プタンを測定可能な硫化物センサを用いることにより、
呼気であるかどうかの判定を精度よく行うことができ、
ごまかし行為も行いにくい。
【0021】本発明において、湿度センサは、前述した
従来技術の第2の問題点である被検出ガス中の呼気量の
変動による影響を補正するのに有効な手段である。この
吸入呼気量の変動による影響を補正するためには、呼気
量に比例する物質の濃度を測定するのがよいが、そのよ
うな物質としては水蒸気が好適であることが判った。人
の呼気中に含まれる水分量はほぼ一定であり、通常34
℃の飽和蒸気圧に相当する。したがって、図1に示すよ
うに、口内のアルコール濃度と、口内の(アルコール濃
度/水蒸気濃度)とは、比例関係にある。そして、この
比例関係は、呼気が空気中で希釈された場合でも変わら
ないと考えられるので、この比率、すなわちアルコール
センサの検出信号の変化量(Δアルコール)と湿度セン
サの検出信号の変化量(Δ湿度)との比率(Δアルコー
ル/Δ湿度)が測定できれば、口内のアルコール濃度
は、図1を用いて算定することができる。
【0022】図1に示す相関図の傾きは、口内の水蒸気
濃度の逆数に相当する。口内の水蒸気濃度として、例え
ば34℃における飽和水蒸気圧(39.9mmHgもし
くは52,500ppm)を採用すれば、前記傾きは1
/39.9(mmHg-1)もしくは1/52500(p
pm-1)となる。
【0023】このように、湿度センサを用いて水蒸気濃
度を測定し、アルコール濃度を被検出ガスのΔアルコー
ル/Δ湿度の関数として求めることにより、被検出ガス
中の呼気量の変動の影響を補正することが可能となる。
もちろん、湿度変化をもたらすものは呼気以外にも多く
あるが、硫化物センサにより呼気と判定されたガスのみ
対象とするため、濡れた手を吸入口にかざすといった行
為による誤判定は避けることができる。
【0024】本発明において、アルコールセンサ、硫化
物センサ、湿度センサの応答時定数を同等にすること
は、アルコール濃度および硫化物濃度の判定における判
定速度の向上および測定精度の向上に寄与しており、前
述した従来技術の第3の問題点に関して有効な手段であ
る。アルコール濃度の判定を例にすると、図2に示すよ
うに、呼気を含む被検出ガスを吸入して、アルコールセ
ンサおよび湿度センサがそれぞれガスに対応して一定値
に安定した時点Aで判定するより、2つのセンサの出力
変化の比を計算し、その比が一定になる時点Bで判定す
るほうがより迅速である。そして、このような方法を用
いて濃度判定を行うには、センサの応答時定数を同等に
することが好適である。同様のことは、硫化物の検出の
場合にも当てはまる。
【0025】本発明において、吸入用の開口部を2か所
設けたのは、開口部の位置の違いを利用して、ヘアトニ
ック等のアルコールを含むガスの影響や助手席の飲酒者
の影響を差し引くためである。ヘアトニックや香水の類
は、その成分中にアルコールを含むため、飲酒をしてい
ないドライバでも呼気アルコールとして誤検出されるこ
とが考えられる。そこで本発明では、第1の開口部から
入った空気の検出信号と、第2の開口部から入った空気
の検出信号の変化量を比較し、その差し引きによりヘア
トニック等の呼気以外に含まれるアルコールの影響をキ
ャンセルするものである。
【0026】すなわち、呼気の入りやすい位置に設けた
第1の開口部から空気が入った場合では、図3(A)の
ように、呼気のアルコールとヘアトニックなどのアルコ
ールのどちらに対してもセンサが応答し、出力は両者の
和としてあらわれる(曲線a参照)。それに対し、第2
の開口部から空気が入った場合では、図3(B)のよう
に、センサの出力はヘアトニックなどのアルコールに対
してあらわれる(曲線b参照)。この理由は、呼気はド
ライバが前方に吹き出すため、第1の開口部を介してそ
の大部分がセンサまで到達するため、第1および第2の
開口部の位置による呼気成分量の違いが大きく、一方ヘ
アトニックなどの場合には、ガスの自然拡散によってセ
ンサまで到達するため、第1および第2の開口部位置に
よるガス濃度の違いが小さいことによる。また、助手席
の飲酒者から発生するアルコールは、開口部までの距離
が長いため、ヘアトニックと同様に開口部位置による違
いが小さい。したがって、第1の開口部から吸入した空
気のアルコールセンサの検出信号量から第2の開口部か
らの吸入した空気のアルコールセンサの検出信号量を差
し引くことにより、真の呼気中アルコール成分に対する
センサ応答(ΔAc)を得ることができる。
【0027】本発明の検出装置によれば、約10〜1,
000ppmの呼気アルコールを検出することができ
る。ただし、呼気アルコールの濃度が1,000ppm
の場合には、通常、深いマヒ状態もしくは致死レベルに
あたり、実際にはほとんどない濃度である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例につき図面を参
照しながら説明する。
【0029】第1実施例 図4は、本実施例の配置関係を示す概略図である。
【0030】被検出ガス吸入部10は、吸入管12と吸
引ポンプ14とから構成されている。前記吸入管12
は、一端がステアリングコラム120のパイプ140に
固定され、他端がエンジンルーム100内に設けられた
ボックス状の取付部160の壁部に挿入支持されてい
る。そして、前記吸入管12の一端は、運転者の呼気が
効率よく収集できる位置に開口されたラッパ状の開口部
12aを有している。
【0031】前記吸引ポンプ14は、取付部160内に
設置され、この取付部160の壁に形成された排気口1
6を介して被検出ガスの排出が行われる。
【0032】また、前記吸入管12のほぼ中途部には、
センサ取付部20が構成され、アルコールセンサ22、
湿度センサ24および硫化物センサ26が所定の配置関
係で設置されている。
【0033】前記アルコールセンサ22は、吸入管12
内を流れる空気中に含まれるアルコール成分を検出する
センサであり、たとえば、酸化スズの半導体を用いたフ
ィガロ技研社製「TGS822」を使用することができ
る。
【0034】前記湿度センサ24は、吸入管12内を流
れる空気中に含まれる水蒸気を検出するセンサであり、
たとえば、ヴァイサラ製の容量変化型湿度センサを使用
することができる。
【0035】前記硫化物センサ26は、吸入管12内を
流れる空気中に含まれる硫化物成分を検出するセンサで
あり、本実施例では人の口臭の主成分であるメチルメル
カプタンの検出を目的としている。硫化物センサとして
は、たとえば、酸化スズの半導体を用いたフィガロ技研
製「TGS825」を使用することができる。
【0036】また、前記アルコールセンサ22、湿度セ
ンサ24および硫化物センサ26は、これらの応答の時
定数を同等にするために、これら3つの各センサ素子の
周囲にガスの拡散を遅延させる膜、たとえば多孔質セル
ロース膜(膜厚100μm、孔径0.1μm)を装着す
ることが好ましい。
【0037】さらに、前記各センサ22,24,26の
応答の時定数を同等にする効果を十分発揮させるために
は、これらセンサをできるだけ近接させて設置すること
が好ましい。
【0038】図5は、本実施例の検出装置の回路図であ
る。本実施例の検出回路は、アルコールセンサ22、湿
度センサ24および硫化物センサ26を含み、アルコー
ルセンサ22および湿度センサ24の検出信号はアルコ
ール濃度判定器30に向けて出力され、湿度センサ24
および硫化物センサ26の検出信号は呼気有無判定器4
0に向けて出力されるように構成されている。
【0039】前記アルコール濃度判定器30は、入力さ
れる検出信号に基づいてアルコール濃度を算出し、この
アルコール濃度を判定するように構成され、具体的には
除算器32、基準値設定回路36および比較回路34か
ら構成されている。
【0040】前記除算器34は、前記アルコールセンサ
22および湿度センサ24から出力される検出信号に基
づきアルコール濃度(Δアルコール)と水蒸気濃度(Δ
湿度)との比を求め、その演算値を比較回路34に向け
て出力する。
【0041】前記基準値設定回路36は、アルコール濃
度を設定するための基準値を与える回路である。たとえ
ば、飲酒運転レベルとしてアルコール濃度120ppm
を設定すると、その値に相当する電圧信号を出力するよ
うに構成されている。
【0042】前記比較回路34は、基準値設定回路36
の信号と除算器の信号との大小関係を、信号として表示
装置50に与えるよう構成されている。たとえば、基準
値設定回路36の電圧信号より除算器32の電圧信号の
方が大ならば、比較回路34はLレベルの電圧信号を出
力し、その逆ならばHレベルの電圧信号を出力する。
【0043】前記呼気有無判定器40は、入力される検
出信号に基づいて硫化物(メチルメルカプタン)濃度を
算出し、呼気の有無を判定するように構成され、具体的
には除算器42、基準値設定回路46および比較回路4
4から構成される。
【0044】前記除算器42は、前記湿度センサ24お
よび硫化物センサ26から出力される検出信号に基づ
き、硫化物濃度(Δ硫化物)と水蒸気(Δ湿度)との比
を求め、その演算値を比較回路44に向けて出力する。
【0045】前記基準値設定回路46は、呼気の有無を
判定するための基準値を与える回路である。たとえば、
基準値設定回路46では、呼気有無のレベルとしてメチ
ルメルカプタン濃度0.1ppmを設定すると、その値
に相当する電圧信号を出力するように構成されている。
【0046】前記比較回路44は、前記比較回路34と
同様に、基準値設定回路46の信号と除算器42の信号
との大小関係を、信号として表示装置50に与えるよう
構成されている。たとえば、基準値設定回路46の電圧
信号より除算器42の電圧信号の方が小ならば、比較回
路44はLレベルの電圧信号を出力し、その逆ならばH
レベルの電圧信号を出力する。
【0047】そして、前記表示装置50では、アルコー
ル濃度判定器30および呼気有無判定器40によって与
えられた信号から、アルコール検出装置の作動状況およ
びアルコール濃度判定結果をドライバに示す。
【0048】たとえば、呼気有無判定器40の電圧信号
がLレベルの場合、呼気の吹き込みを待つ測定待機状態
である旨を表示し、電圧信号がHレベルの場合、測定中
である旨を表示する。
【0049】また、呼気有無判定器40の電圧信号がH
レベルの場合、アルコール濃度判定器30の電圧信号が
Lレベルのとき飲酒運転レベルである旨を表示し、電圧
信号がHレベルのとき正常レベルである旨を表示する。
【0050】第2実施例 図6は、本発明の第2実施例を示す概略図である。な
お、前記第1実施例と実質的に同一の構成ならびに機能
を有する部材には同一の符号を付して、その詳細な説明
を省略する。
【0051】第2実施例において前記第1実施例と異な
る点は、開口部(第1の開口部)12aと異なる位置に
第2の開口部60aを設けた点にある。この第2の開口
部60aは吸入管60を介して、被検出ガス吸入部10
の吸入管12に接続されている。前記第2の開口部60
aは、ドライバの近傍でかつ呼気の吸入されにくい位置
に設置される。この例の場合、第2の開口部60aは、
ドライバのやや前方に位置するルーフヘッダ部に設けら
れ、前記吸入管60はルーフヘッダ部の天井内張内部か
ら右側フロントピラー内部を通り、インストルメントパ
ネル下方の内部を通って吸入管12のセンサ取付部20
と第1の開口部12aとの間に、三方バルブ62を介し
て接続されている。
【0052】図7は、第2実施例の検出装置の回路図で
ある。
【0053】この検出回路においては、三方バルブ62
の切り換えを制御するタイマーリレー64と、アルコー
ルセンサ22からの検出信号を記憶するメモリ回路66
と、このメモリ回路66からの信号が入力される減算器
68とを有する点で前記第1実施例と異なっている。
【0054】前記タイマーリレー64から出力される信
号により、所定の時期に三方バルブ62が切り換え制御
され、第1の開口部12aあるいは第2の開口部60a
から被検出ガスが選択的に吸入管12内に吸い込まれる
こととなる。そして、第1の開口部12aから吸い込ま
れた被検出ガスに対するアルコールセンサ22の検出信
号S1と、第2の開口部60aから吸い込まれた被検出
ガスに対するアルコールセンサ22の検出信号S2と
は、タイマーリレー64の信号により三方バルブ60の
開閉と同期してそれぞれ区別して記憶され、これらの検
出信号は減算器68に向けて出力される。減算器68に
おいては、前記アルコールセンサ22から出力される前
記検出信号S1と検出信号S2との差が求められ、その
演算値がアルコール濃度判定器30に向けて出力され
る。なお、アルコール濃度判定器30、呼気有無判定器
40および表示装置50の構成ならびに機能は、前記第
1実施例と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0055】本実施例によれば、第1の開口部12aか
ら吸入される被検出ガス中のアルコール分から、第2の
開口部60aから吸入される呼気以外のアルコール分、
たとえばヘアトニック,香水などの化粧品や薬剤中に含
まれるアルコールならびにドライバ以外の同乗者の呼気
中に含まれるアルコールを差し引くことにより、ドライ
バの呼気中に含まれるアルコールをより高い精度で検出
することができる。
【0056】さらに、本発明においては、アルコール濃
度判定値に基づき、ランプあるいはブザーによる警告
や、イグニッションインターロックあるいはシフトレバ
ーインターロックなどの手段により、車両の走行を不能
にする装置を付加することが望ましい。
【0057】イグニッションインターロック用の制御回
路の一例を図8に示す。この制御回路においては、アル
コール濃度判定器30および呼気有無判定器40からの
信号はAND回路70に向けて出力され、AND回路7
0からの信号は、リレー72に向けて出力される。そし
て、リレー72はイグニッション回路78駆動用の常開
のOKスイッチ74と接続され、リレー72の動作によ
りOKスイッチ74がON/OFF制御される。図8
中、76はメインスイッチを示し、80はバッテリを示
す。
【0058】このような回路においては、ドライバはメ
インスイッチ76をONしただけでは、イグニッション
回路78を作動させることができない。すなわち、アル
コール濃度判定器30および呼気有無判定器40からの
出力信号がともにHレベルの電圧であるとき(アルコー
ル濃度が所定値以下で、呼気がありと判定されたとき)
のみ、リレー72によりOKスイッチ74がONされ、
イグニッション回路78の作動が可能となり、自動車を
始動することができる。
【0059】また、シフトレバーインタロック用の制御
回路は、たとえば第9図に示すように、リレー72がシ
フトレバー電磁ロック回路84駆動用の常閉の電磁ロッ
クスイッチ82と接続されている。この回路において
は、ドライバは図示しないスイッチによりエンジン始動
は可能であるが、シフトレバーは電磁ロックスイッチ8
2の作動により固定され、動作不能の状態にある。そし
て、アルコール濃度判定器30および呼気有無判定器4
0の出力信号がともにHレベルであるときのみ、リレー
72により電磁ロックスイッチ82が開き、シフトレバ
ー電磁ロック回路84の作動が停止し、シフトレバーが
動作可能な状態となる。
【0060】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明はこれらに限定されることなく、発明の
要旨の範囲内で種々の改変が可能である。
【0061】本発明は車輌のみならず、たとえば飲酒の
自己管理に好適な携帯型アルコール検出装置にも適用で
きる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、ドライバの呼気の判
定、吸入した呼気量の変動に対する補正および判定速度
の向上を図り、被測定ガス中の呼気アルコールを高い精
度で検出し、例えば飲酒者の自動車運転防止に好適なア
ルコール検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】口内のアルコール濃度と、口内のアルコール濃
度/水蒸気濃度の相関関係を示す図である。
【図2】センサの応答曲線を示し、図2(a)はアルコ
ールセンサの応答曲線を示し、図2(b)は湿度センサ
の応答曲線を示し、図2(c)は(アルコールセンサの
応答変化)/(湿度センサの応答変化)を示す曲線であ
る。
【図3】アルコールセンサの応答曲線を示し、図3
(A)は第1の開口部から吸引された被検出ガスの応答
曲線を示し、図3(B)は第2の開口部から吸引された
被検出ガスの応答曲線を示す。
【図4】本発明の第1実施例を示す概略図である。
【図5】図4に示す検出装置の回路図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す概略図である。
【図7】図6に示す検出装置の回路図である。
【図8】イグニッションインターロックの制御回路図で
ある。
【図9】シフトレバーインターロックの制御回路図であ
る。
【符号の説明】
10 被検出ガス吸入部 12 吸入管 12a 開口部 20 センサ取付部 22 アルコールセンサ 24 湿度センサ 26 硫化物センサ 30 アルコール濃度判定器 40 呼気有無判定器 50 表示装置 60 吸入管 60a 開口部 62 三方バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−94128(JP,A) 特開 昭50−73340(JP,A) 特開 昭50−14034(JP,A) 特開 昭47−40994(JP,A) 特開 昭50−12725(JP,A) 特開 昭49−42186(JP,A) 特開 昭59−220421(JP,A) 特開 昭63−53120(JP,A) 特公 昭51−21698(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 10/00 A61B 5/08 B60K 28/00 B60Q 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の開口部(第1の開口部)が被測定
    空間に向けて設置され、前記開口部と連通する他方の開
    口部側に吸引手段が設けられた吸入部と、 この吸入部内に設けられ、吸入した被検出ガス中に人の
    呼気が含まれているか否かを判定するための硫化物セン
    サと、 前記吸入部内に設けられ、前記被検出ガス中に含まれる
    呼気の量を算定するための湿度センサと、 前記吸入部内に設けられ、前記被検出ガス中に含まれる
    アルコールを検出するためのアルコールセンサと、 前記硫化物センサの検出信号と前記湿度センサの検出信
    号との比率から呼気の有無を判定する呼気有無判定器
    と、 前記アルコールセンサの検出信号と前記湿度センサの検
    出信号との比率からアルコール濃度を判定するアルコー
    ル濃度判定器と、 を含み、前記吸入部内を通過する被検出ガス中のアルコ
    ール濃度を検出することを特徴とするアルコール検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記アルコールセン
    サ、前記硫化物センサおよび前記湿度センサの周囲にガ
    スの拡散を遅延させる膜を装着し、ガス応答時定数が同
    等になるようにしたことを特徴とするアルコール検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    アルコールセンサ、前記硫化物センサおよび前記湿度セ
    ンサと前記第1の開口部との間に設置した三方バルブ
    と、管の一端が前記三方バルブに連結され、管の他の一
    端が車室の運転席近傍でかつドライバの呼気が吸入され
    にくい位置に設置された第2の開口部を備えた第2の吸
    入部と、を付加することを特徴とするアルコール検出装
    置。
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