JP3211073U - ブラジャー - Google Patents
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Abstract
【課題】 乳房の横流れを抑える効果を向上させたブラジャーを提供する。【解決手段】 カップ1は、カップ上辺の肩紐連結部15の近傍と、カップの下湾曲縁17とを結ぶ略垂直かつ略直線状の接ぎ線(はぎせん)19によって、立体を構成する内側領域21と、立体を構成しない脇側領域23とに分けられる。内側領域21は3片の保形性の布12,13,14により構成され、脇側領域は同じく保形性の布11により構成される。カップ1を構成する布11〜14と、カップ台布3とを縫着する接ぎ線33は、左右の下端の一方から他方までにおいて、略横一文字に延びており、一対のカップ1の間において、乳房のバージスライン(輪郭線)に沿って上部まで湾曲してはいない。一対のカップ1それぞれの上カップ布12の内側端縁は、垂直線状であり、この垂直線状の接ぎ線35に沿って、上カップ布12の内側端縁同士が縫着されている。【選択図】 図1
Description
本考案は、ブラジャーに関し、特に、乳房の横流れ(横への広がり)を抑え、前方への膨らみを強調する技術に関する。
従来、この種の技術として、特許文献1に開示されるブラジャーが知られている。特許文献1の要約書に即すると、この従来技術によるブラジャーは、図6(特許文献1の図1)に示すように、左右一対のカップ各々において、伸縮性がないもしくは伸縮性の少ない生地からなる脇カップ表布12aが、カップ上辺20の肩紐連結部近傍とカップの下湾曲縁7略中央部とを結ぶ線(内側縁22;段落0014参照)から脇側の部分を構成し、該脇カップ表布12aの上尖端部23は肩紐5に連結してなり、更に、脇カップ裏打ち布12bが脇カップ表布12aと略同形状であって、その上尖端部25は肩紐5に連結してなり、該脇カップ裏打ち布12bが、他部分のカップ裏打ち布より厚地で構成されてなることを特徴とする。それにより、乳房を下側から持ち上げると共に、左右両側から前中心側に寄せる効果を奏し、乳房全体のボリュームアップを実現させて、且つ、乳房の形状をシャープに美しく見せ、更に、着用感にも優れたブラジャーを提供しようとしている。
しかし、この従来技術によるブラジャーは、左右のカップの間において、左右の下湾曲縁7のそれぞれが、乳房のバージスライン(輪郭線)に沿って上部まで湾曲している。すなわち、左右のカップが互いに分離するように構成されている。また、脇カップ布12は、上カップ布10、下カップ布11と共に、立体を構成するように形作られている。このため、乳房を左右両側から前中心側に寄せる効果、すなわち乳房の横流れを抑える効果が減殺される、という問題点があった。
本考案は上記の問題点に鑑みてなされたもので、乳房の横流れを抑える効果を向上させたブラジャーを提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本考案の一態様によるものは、ブラジャーであって、左右一対のカップの各々において、カップ上辺の肩紐連結部近傍とカップの下湾曲縁とを結ぶ略垂直線から脇側の部分を構成するカップサイド布と、前記略垂直線から内側の部分のうち、上辺に沿った略帯状の部分を構成する上カップ布と、前記内側の部分のうち、前記上カップ布の下側の略三角形部分を、脇側と内側とに略二分するように並び、かつ各々が略三角形状の脇側下カップ布及び内側下カップ布と、が縫着されている。前記一対のカップの一方の脇側、双方の下側から他方の脇側にわたって、前記一対のカップの各々を構成する前記4片の布よりも低伸縮性のカップ台布が、縫着されている。また、前記上カップ布、脇側下カップ布及び内側下カップ布は、互いに縫着される輪郭線が、縫着前において外方へ湾曲した形状であり、前記カップサイド布、上カップ布、及び脇側下カップ布の、前記略垂直線に沿って縫着される輪郭線が、縫着前において直線状である。さらに、前記一対のカップと前記カップ台とが縫着される線は、前記一対のカップの一方の下端から他方の下端までにおいて、略横一文字に延びており、前記左右一対のカップの前記上カップ布の垂直線状の内側端縁同士が、互いに縫着されている。
この構成によれば、左右一対のカップの各々を構成する4片の布のうち、カップサイド布を除いた他の3片の外方に湾曲する輪郭線同士が縫着されることにより、ドーム状の立体的なカップ形状が形成されている。カップサイド布と、これと縫着される他の2片の布は、直線状の輪郭線同士が縫着されるので、カップサイド布は、立体形状の形成に寄与せず、乳房を脇側から内側へ押して寄せる働き、すなわち、乳房の横流れを抑える働きをなす。低伸縮性のカップ台布が一対のカップの一方の脇側、双方の下側から他方の脇側にわたって縫着されているので、カップ全体が横に広がり難い。このため、カップサイド布が、乳房の横流れを効果的に抑えることが可能となる。一対のカップとカップ台とが縫着される線は、一対のカップの一方の下端から他方の下端までにおいて、略横一文字に延びており、左右のカップの間において、バージスラインに沿って上部まで湾曲していない。また、左右一対のカップの上カップ布の垂直な内側端縁同士が、互いに縫着されている。すなわち、左右のカップが、カップ台布により互いに分離されることなく、カップ布同士が垂直線状の互いの端縁に沿って縫着されることにより、つながっている。それにより、乳房の横流れがより効果的に抑えられる。
以上のように本考案によれば、乳房の横流れを抑える効果を向上させ、前方への膨らみを一層強調するブラジャーが実現する。
図1は、本考案の一実施の形態によるブラジャーを裏から、すなわち肌に接する側から見た構成を例示する図である。また、図2は、同ブラジャーの一部を裏から見た構成を例示する写真であり、裏布の一部はめくり返されている。このブラジャー101は、左右一対のカップ1、カップ台布3、左右の一対のベルト5、及び左右一対の肩紐7を有している。カップ1は、4領域に分割して配置された、保形性の布11,12,13,14を有している。保形性とは、ドーム状の立体形状を構成したときに、その形状を保持する性質である。布11,12,13,14には、例えば、厚手の不織布、厚手の綿シートなどが用いられ、それにより保形性とともに、優しい肌触り、及び吸湿性が得られる。
カップ1は、カップ上辺の肩紐連結部15の近傍と、カップの下湾曲縁17とを結ぶ略垂直かつ略直線状の接ぎ線(はぎせん)19によって、立体を構成する内側領域21と、立体を構成しない脇側領域23とに分けられる。脇側領域23には、カップサイド布11が配置される。内側領域21は、さらに3領域に分けられ、それぞれに上カップ布12、脇側下カップ布13、内側下カップ布14が配置されている。上カップ布12は、内側に向かって下方に湾曲するカップ1の上辺に沿った略帯状の部分を占める。脇側下カップ布13及び内側下カップ布14は、内側領域21のうち、上カップ布12の下側の略三角形部分を、脇側と内側とに略二分するように並んでおり、各々が略三角形状である。4片の布11,12,13,14は、接ぎ線19のほか、接ぎ線25、27に沿って、互いに縫い合わされている。4片の布11,12,13,14は、いずれも好ましくは厚手であり、互いに重ね合わせたり、折り返したりすることなく、互いに突き合わせた状態で、縫い合される。突き合わせを隠すために、接ぎ線19,25,27に沿って、テープ状の布29,30,31が、布11,12,13,14とともに縫い合わされる。
図3は、4片の布11,12,13,14の縫着前の輪郭形状を例示する平面図である。接ぎ線25に沿う上カップ布12の輪郭線は、上カップ布12の外方に湾曲している。同様に、接ぎ線25に沿う脇側下カップ布13及び内側下カップ布14の輪郭線は、いずれも外方に湾曲している。また、接ぎ線27に沿う脇側下カップ布13及び内側下カップ布14の輪郭線も、外方に湾曲している。このため、3片の上カップ布12、脇側下カップ布13及び内側下カップ布14は、互いに縫着されることにより、ドーム状の立体形状を形成する。これに対して、接ぎ線19に沿うカップサイド布11の輪郭線は、外側に湾曲せず、直線状である。また、接ぎ線19に沿う上カップ布12及び脇側下カップ布13の輪郭線も、同じく直線状である。すなわち、カップサイド布11は、ドーム状の立体形状を形成しない。このため、カップサイド布11は、乳房を脇から内側へ押して寄せる働きをなす。また、布片11,12,13,14は、保形性を有するので、乳房の形に順応して自在に形が変わることなく、乳房の形を整える効果が高い。
図1及び図2に戻って、一対のカップ1の一方の脇側、双方の下側から他方の脇側にわたって、カップ台布3が縫着されている。カップ台布3には、例えば縦横低伸縮性であるマーキゼットなどの、低伸縮性の布が用いられる。カップ台布3が低伸縮性であるため、カップサイド布11により乳房を内側へ寄せる効果が高められる。
カップ1を構成する4片の布11,12,13,14と、カップ台布3とを縫着する接ぎ線33は、左右の下端の一方から他方までにおいて、略横一文字に延びており、一対のカップ1の間において、乳房のバージスライン(輪郭線)に沿って上部まで湾曲してはいない。すなわち、カップ台布3は、一対のカップ1の間に割って入るように配置されてはおらず、一対のカップ1同士が、カップ台布3により分離されてはいない。さらに、一対のカップ1それぞれの上カップ布12の内側端縁は、垂直線状であり、垂直線状の接ぎ線35に沿って、上カップ布12の内側端縁同士が縫着されている。すなわち、左右のカップ1同士が、互いにつながっている。このため、カップサイド布11により乳房を内側へ寄せる効果が、さらに高められる。
図1及び図2に例示するように、一対のカップ1の裏側には、裏地としての裏布37が縫着されている。図2には、カップ1の布11,12,13,14が見えるように、裏布37の一部を裁断し、めくり返した状態を示している。裏布37には、保形性のない布が用いられる。このため裏布37は、一本の接ぎ線38に沿って縫着される2つの布片に分割されるのみで足りる。接ぎ線38は、一例として、一部が接ぎ線27と重なり、略その延長線に沿って、カップ1の上辺まで延びている。
カップ台布3の裏側にも、裏地としての裏布39が縫着されている。これらの布37,39には、例えば、肌ざわりの良いモダールが用いられる。裏布37は、一例として、パットを入れるポケットとしても機能するように、布11,12,13,14と自身との間には隙間が設けられる。パットはポケット口41から、裏布37と布11,12,13,14との間に、挿入することができる。裏布37と裏布39は、接ぎ線33に沿って、布片11,12,13,14及びカップ台布3とともに縫着されている。接ぎ線33にも、突き合わせを隠すために、それに沿うように、テープ状の布43が、布11,12,13,14、カップ台布3、裏布37,39とともに縫い合わされる。
左右一対のベルト5には、伸縮性の布が用いられる。また、裏地には、裏布45が縫着されている。裏布45には、裏布37,39と同様に、例えば、肌ざわりの良いモダールが用いられる。一対のベルト5の端部には、互いの着脱を可能にする留め具46が設けられる。左右一対の肩紐7の各々一端は、カップ1の最上端部の肩紐連結部15に連結され、他端はベルト5の上辺の一部に連結される。
図4は、ブラジャー101を表から見た構成を例示する図である。また、図5は、ブラジャー101の一部を表から見た構成を例示する写真である。カップ1及びカップ台布3の表側にも、表地としての表布47が縫着されている。一例として、表布47は、装飾性あるレース地49と、その裏に背景をなすように配置される背景布51とが、縫着されてなる。表布47も、裏布37と同様に保形性が無いので、左右各1本の接ぎ線53に沿って、接ぎ合わされている。接ぎ線53は、裏布37の接ぎ線38と重なり、さらにカップ台布3の領域にまで延びている。表布47は更に、接ぎ線33に沿って、布片11,12,13,14、カップ台布3、裏布37,39とともに、縫着されている。表布47はまた、接ぎ線35に沿って、裏布37、左右一対の布片12,14とともに、縫着されている。また、左右の一対のベルト5には、よく延びるように、ゴム71が縫い込まれていてもよい。
なお、ブラジャー101において、裏布37,39,45、及び表布47の無い形態としても、乳房を脇から寄せる効果は、同等に得られる。
1 カップ、 3 カップ台布、 5 ベルト、 7 肩紐、 11 カップサイド布、 12 上カップ布、 13 脇側下カップ布、 14 内側下カップ布、 15 肩紐連結部、 17 下湾曲縁、 19 接ぎ線、 21 内側領域、 23 脇側領域、 25,27 接ぎ線、 29,30,31 布、 33 接ぎ線、 35 接ぎ線、 37 裏布、 38 接ぎ線、 39 裏布、 41 ポケット口、 43 布、 45 裏布、 46 留め具、 47 表布、 49 レース地、 51 背景布、 53 接ぎ線、 71 ゴム、 ブラジャー 101。
Claims (1)
- 左右一対のカップの各々において、カップ上辺の肩紐連結部近傍とカップの下湾曲縁とを結ぶ略垂直線から脇側の部分を構成するカップサイド布と、前記略垂直線から内側の部分のうち、上辺に沿った略帯状の部分を構成する上カップ布と、前記内側の部分のうち、前記上カップ布の下側の略三角形部分を、脇側と内側とに略二分するように並び、かつ各々が略三角形状の脇側下カップ布及び内側下カップ布と、が縫着されており、
前記一対のカップの一方の脇側、双方の下側から他方の脇側にわたって、前記一対のカップの各々を構成する前記4片の布よりも低伸縮性のカップ台布が、縫着されており、
前記上カップ布、脇側下カップ布及び内側下カップ布は、互いに縫着される輪郭線が、縫着前において外方へ湾曲した形状であり、
前記カップサイド布、上カップ布、及び脇側下カップ布の、前記略垂直線に沿って縫着される輪郭線が、縫着前において直線状であり、
前記一対のカップと前記カップ台とが縫着される線は、前記一対のカップの一方の下端から他方の下端までにおいて、略横一文字に延びており、
前記左右一対のカップの前記上カップ布の垂直線状の内側端縁同士が、互いに縫着されているブラジャー。
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