JP3210979U - 鉢吊下げ具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な操作でありながら、様々な大きさ、形状、材質の植木鉢に対応させる鉢を吊下げて保持する鉢吊下げ具を提供する。【解決手段】鉢50を吊下げて保持する鉢吊下げ具10において、被係止物に係止される係止部20と、係止部20より下方向に延びて設けられる縦柱部21と、縦柱部21の下端から鉢50の外周に向かって延ばされる横柱部22と、横柱部22の端部から鉢50の側面に沿って下方向に延ばされる側柱部23と、側柱部23の所定の位置から鉢50の円周方向に延ばされ、鉢50の側面に当接される側当部30と、横柱部22にその中空部が嵌挿される筒部41、筒部41から側柱部23に沿って延ばされる挟爪部42、及び中空部の内面を横柱部22に押し付けて固定する押当部43、を備える挟持部40と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、植木鉢を吊下げた状態で保持する鉢吊下げ具に関する。
従来、植木鉢の大きさにとらわれず、大きな植木鉢から小さな植木鉢まで対応することを目的として、特開2004−121802号公報に、軸棒の下端部に植木鉢の外周に沿って曲線状に曲げられたr曲げ棒を設けるとともに、下方向に曲げられた曲げ棒を設けたパイプを軸棒に貫通させ、前記r曲げ棒と前記曲げ棒とで植木鉢の上端部の厚く構成された縁を掴む植木鉢吊り具が開示されている。
また、同じく植木鉢の大きさの変化に広範囲に対応することを目的として、特開平8−112176号公報に、下部縦杆に、位置調整及び植木鉢を挟む厚さ調整が自在となるように3本のねじを設けた固定具を備える鉢吊り金具が開示されている。
特開2004−121802号公報 特開平8−112176号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、パイプを軸棒に対して上下に移動させることで植木鉢の全体の大きさの変化には対応できるものの、曲げ棒と軸棒との距離が一定のため、植木鉢の上端部の縁の厚さや材質が変化すると対応が困難になるという課題があった。
また、特許文献2に開示されている技術では、固定具の位置等を調整することで様々な植木鉢に対応させることは可能であるものの、固定具を調整するためにはねじを3本操作する必要があり、植木鉢と鉢吊り金具との着脱に手間がかかるという課題があった。
本考案は、上記の点に鑑みなされたもので、簡単な操作でありながら、様々な大きさ、形状、材質の植木鉢に対応させることができる鉢吊下げ具を提供することを目的とする。
(1)本考案の鉢吊下げ具は、
鉢を吊下げて保持する鉢吊下げ具において、
被係止物に係止される係止部と、
前記係止部より下方向に延びて設けられる縦柱部と、
前記縦柱部の下端から前記鉢の外周に向かって延ばされる横柱部と、
前記横柱部の端部から前記鉢の側面に沿って下方向に延ばされる側柱部と、
前記側柱部の所定の位置から前記鉢の円周方向に延ばされ、前記鉢の側面に当接される側当部と、
前記横柱部にその中空部が嵌挿される筒部、前記筒部から前記側柱部に沿って延ばされる挟爪部、及び前記中空部の内面を前記横柱部に押し付けて固定する押当部、を備える挟持部と、
を備えることを特徴とする。
本考案の鉢吊下げ具によれば、鉢の上側を保持する挟持部が、鉢の外周方向に延ばされる横柱部に挿嵌されているため、挟持部を横柱部に沿って移動させることができる。このため、挟持部と側柱部との隙間を自在に変更することができ、鉢の上端部の縁の厚さや材質が異なっても対応させることができる。また、前記挟持部に対して鉢の下側を保持する側当部が、鉢の外側面に当接されるため、あらゆる鉢の高さに対応させることができる。これらにより、様々な大きさ、形状、及び材質の植木鉢に対応させることが可能となる。
(2)本考案の鉢吊下げ具の好ましい例は、
前記中空部が前記横柱部に遊嵌され、前記中空部の内面を前記横柱部に押し付けていないとき、
前記中空部と前記横柱部との遊び空間分前記筒部が傾き、前記挟爪部が前記側柱部に対して開閉することを特徴とする。
本考案の鉢吊下げ具の好ましい例によれば、中空部が横柱部に遊嵌されて中空部と横柱部との間に遊び空間ができる。このため、押当部を作用させずに中空部の内面を横柱部に対して押し付けていないとき、中空部と横柱部との遊び空間分ほど、中空部の内面と横柱部の外面とが相対的に動いて筒部が傾く。そして、筒部が傾くことによって、筒部に設けられた挟爪部が側柱部に対して開閉する。これにより、挟爪部を開いた状態で植木鉢の上端を挟み込み、そのまま押当部を横柱部に押し付けると、中空部の内面と横柱部の外面との傾きを戻そうとする力が働く。この作用によって、挟爪部が側柱部に対して閉じようとして、植木鉢の上端部の縁を強力に挟み込むことができる。
(3)本考案の鉢吊下げ具の好ましい例は、
前記側当部が、前記側柱部との接合部で折れ曲がった直線状のものであることを特徴とする。
本考案の鉢吊下げ具の好ましい例によれば、側当部が、側柱部との接合部で折れ曲がった直線状のものであるため、側当部が植木鉢の側面に対してその円の略接線方向に当接される。これにより、植木鉢の径が変わっても、必ず側当部の2点が植木鉢に当接され、挟持部と側柱部による植木鉢の上端の挟持とあわせて、3点で植木鉢を保持することができ、安定性に優れる。
以上、説明したように、本考案の鉢吊下げ具によれば、簡単な操作でありながら、様々な大きさ、形状、材質の植木鉢に対応させることができる。
本考案の一実施形態に係る鉢吊下げ具を説明する正面図である。 図1に示す鉢吊下げ具の拡大平面図である。 挟爪部の開閉を説明する図である。 本実施形態における側当部と植木鉢の側面との当接を説明する図である。 従来品における側当部と植木鉢の側面との当接を説明する図である。
以下、本考案の鉢吊下げ具10の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施形態の鉢吊下げ具10は、係止部20と、縦柱部21と、横柱部22と、側柱部23と、側当部30と、挟持部40とを備え、植木鉢(鉢)50をフェンスや手摺から吊下げた状態で保持する。なお、図3(A)(B)は、図1の円で囲った部分の拡大図である。
係止部20は、下側に向かって開口されたフック状のものであり、被係止物となるフェンスや手摺に引っ掛ける等して係止される。また、本実施形態の鉢吊下げ具10では、係止部20、縦柱部21、横柱部22、及び側柱部23は、1本の金属製の丸棒を曲げて加工される。もっとも、これに限られず、管材や角棒を採用することができ、また、材質に合成樹脂を用いてもよい。
縦柱部21は、係止部20より下方向に延びて設けられるもので、鉢50を吊下げる高さを決定するものである。なお、上述のように、縦柱部21は金属製の丸棒から構成されているため、比較的容易に曲げることができる。このため、縦柱部21を鉢50の直径にあわせて曲げて、係止部20が鉢50の中心線上の位置になるように調整することができる。
横柱部22は、縦柱部21の下端から鉢50の外周に向かって延ばされるもので、後述する挟持部40の中空部44が嵌挿される。この横柱部22は、縦柱部21から見て鉢50の外周に向かっていればよく、その角度までは厳密に規定されない。すなわち、本実施形態の鉢吊下げ具10のように、鉢50の外周に向かって斜め下方向に構成されてもよいし、水平方向、又は斜め上方向に向かって構成されてもよい。もっとも、鉢50を保持した状態で挟持部40がずれにくくするためには、本実施形態のように、縦柱部21の下端から斜め下方向に延ばされる態様が好ましい。
側柱部23は、横柱部22の端部から鉢50の外側面に沿って下方向に延ばされるもので、鉢50の上端の縁を前記挟持部40とともに挟み込んで保持するものである。本実施形態の鉢吊下げ具10では、側柱部23が、鉢50の側面の傾斜にあわせて鉢50の中心に向かって斜め下方向に構成されている。この側柱部23の角度であるが、鉢50の略逆円錐形となっている側面の角度にあわせることが好ましい。もっとも、上述のように縦柱部21が比較的容易に曲げることができるため、鉢50の種類によって縦柱部21の下半分を曲げて、側柱部23の角度を調整することができる。このため、厳密に側柱部23の角度を規定する必要はない。
側当部30は、側柱部23の下端に設けられる板状のもので、鉢50の円周方向に延ばされ、鉢50の側面に当接される。この側当部30は、側柱部23に溶接等の方法で接合されるのであるが、この接合部33で平面視略へ字状に曲げられ、曲げられた箇所からその端部までは略直線となっている。この側当部30が、接合部33から端部まで略直線となっている理由を以下に説明する。
図5(A)(B)に示す従来品の側当部130では(例えば、上記特許文献1に記載された「r曲げ棒」が挙げられる。)、その曲げが鉢50の外周に沿った曲線となっており、一つの曲率の部材では径の異なる鉢50に対応することが困難であるからである。詳しく説明すると、図5(A)に示す、径が小さい鉢50では、鉢50の側面の1点と側当部130とが当接箇所131となって当接される。このため横方向の安定性に欠け、外力によって図の矢印方向にぐらついてしまうのである。また、図5(B)に示す、径が大きい鉢50では、鉢50の側面の2点と側当部130とが当接箇所132となって当接される。この態様では、安定性はあるものの、側当部130の端部の角に鉢50の側面が当接され、側当部130と鉢50との接触面積が小さくなり、鉢50が変形又は破損しやすいという問題が発生する。
一方、本実施形態の鉢吊下げ具10に採用されている側当部30では、図4(A)(B)に示すように、径が小さな鉢50であっても大きな鉢50であっても、鉢50の側面の2点と側当部30とが当接箇所31,32となって当接され安定性に優れる。また、鉢50の側面は、側当部30の角ではなく面と当接されるため、鉢50と側当部30との接触面積が増え、鉢50の変形や破損といったことが起こりにくい。
図1ないし図3に戻り、挟持部40は筒部41と、挟爪部42と、押当部43とを備える。筒部41は、上述のように横柱部22に挿嵌されるもので、中空部44と、筒部41の外周部から前記中空部44まで貫通される雌ねじとを備える筒状部材である。この中空部44は、横柱部22に対して径が大きく構成されており、横柱部22に遊嵌されている。
挟爪部42は、筒部41の下側に溶接等の方法で接合される金属製の丸棒であり、上述の側柱部23に沿って設けられている。この挟爪部42と側柱部23とで鉢50の上端の縁を挟み込むのである。
押当部43は、中空部44の内面の一部を横柱部22に押し付けて固定するもので、本実施形態の鉢吊下げ具10では、筒部41の雌ねじに螺着される雄ねじで構成される。この押当部43を回動させることによって、中空部44の内面に押当部43の端部が突出し横柱部22に強く当接される。これにより、押当部43と反対側の中空部44の内面が横柱部22に押し付けられ固定されるのである。
ここで、図3(A)(B)を参照しながら、挟持部40の動作及び使用方法を説明する。先ず、図3(A)に示すように、押当部43を緩めた状態にしておく。すると、中空部44と横柱部22との遊び空間の分だけ、筒部41が横柱部22に対して相対的に傾斜して、挟爪部42が側柱部23に対して開く。この状態で、鉢50の上端部の縁を挟持部40と側柱部23とで挟み込む。
次に、図3(B)に示すように、押当部43を回動させて締め込んでいくと、押当部43の先端が中空部44の内面より突出し、中空部44の内面のうち押当部43と反対の側が横柱部22に押し付けられる。すると、図3(A)で横柱部22に対して傾斜していた筒部41が、横柱部22に沿った方向に戻ろうとする力が働き、挟爪部42が側柱部23との関係で閉じる方向に移動する。これにより、鉢50の上端部の縁を強力に挟み込むことができる。
また、挟爪部42及び側柱部23は、金属製の丸棒で構成されるため弾性を有している。さらに、鉢50の上端の縁を挟爪部42及び側柱部23で挟んでいるとき、鉢50の自重で挟爪部42を側柱部23に対して開こうとする力が働く。これらにより、常に押当部43の雄ねじと中空部44の雌ねじとのねじ山同士を押し付ける力が働く。このため、鉢吊下げ具10で鉢50を吊下げて保持しているときに、押当部43が緩みにくくなるという効果も得られる。
以上、説明したように、本実施形態の鉢吊下げ具10によれば、挟持部40が横柱部22に挿嵌され移動するため、鉢50の上部部の縁の厚さや形状が変わっても対応することができる。また、側当部30が、平面視略へ字状に曲げられた直線状の板であるため、鉢50の様々な径に対応させることができる。これらにより、一つの大きさの鉢吊下げ具10で、様々な大きさ、形状、及び材質の鉢50に対応させることが可能となる。例えば、陶磁器製、硬質合成樹脂製の鉢は勿論のこと、苗木等の販売時に仮に用いられる軟質合成樹脂製の鉢にも、本実施形態の鉢吊下げ具10は対応させることができる。
また、鉢50を吊下げるとき、挟持部40、及び側当部30の当接箇所31ふたつの合計3箇所で鉢50を保持することができ、外力が加わっても鉢50がぐらついたり落下することがない。また、鉢50の側面が側当部30と面で当接されるため、鉢50に局部的な力が加わりにくく、鉢50が変形又は破損することを防止できる。
また、挟持部40の中空部44が横柱部22に遊び空間を持って遊嵌されているとともに、押当部43で中空部44を横柱部22に押し当てることができる。これにより、前記遊び空間の分だけ挟持部40を側柱部23に対して開き、その後に押当部43を操作することで挟持部40を側柱部23に対して閉めることができ、鉢50の上端の縁を強力に挟み込むことができる。
さらに、縦柱部21は比較的容易に曲げることができるため、吊下げる鉢50の径や鉢50の側面の傾斜に併せて鉢吊下げ具10を調整することができる。
なお、上述の鉢吊下げ具は、本考案の例示であり、考案の趣旨を逸脱しない範囲においてその構成を適宜変更することができる。
10・・鉢吊下げ具、
20・・係止部、21・・縦柱部、22・・横柱部、23・・側柱部、
30,130・・側当部、31,32,131,132・・当接箇所、33・・接合部、
40・・挟持部、41・・筒部、42・・挟爪部、43・・押当部、44・・中空部
50・・植木鉢(鉢)、

Claims (3)

  1. 鉢を吊下げて保持する鉢吊下げ具において、
    被係止物に係止される係止部と、
    前記係止部より下方向に延びて設けられる縦柱部と、
    前記縦柱部の下端から前記鉢の外周に向かって延ばされる横柱部と、
    前記横柱部の端部から前記鉢の側面に沿って下方向に延ばされる側柱部と、
    前記側柱部の所定の位置から前記鉢の円周方向に延ばされ、前記鉢の側面に当接される側当部と、
    前記横柱部にその中空部が嵌挿される筒部、前記筒部から前記側柱部に沿って延ばされる挟爪部、及び前記中空部の内面を前記横柱部に押し付けて固定する押当部、を備える挟持部と、
    を備えることを特徴とする鉢吊下げ具。
  2. 前記中空部が前記横柱部に遊嵌され、前記中空部の内面を前記横柱部に押し付けていないとき、
    前記中空部と前記横柱部との遊び空間分前記筒部が傾き、前記挟爪部が前記側柱部に対して開閉することを特徴とする請求項1に記載の鉢吊下げ具。
  3. 前記側当部が、前記側柱部との接合部で折れ曲がった直線状のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉢吊下げ具。
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