JP3210842U - 鍵盤楽器用練習補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】楽譜を見ながら実際に鍵盤を弾いて練習でき、視覚的なおもしろみを有して飽きの来ない鍵盤楽器用練習補助具を提供する。【解決手段】本考案の鍵盤楽器用練習補助具1は、鍵盤3上に直接設置して演奏する楽曲に対応する打鍵位置と演奏手順を表示して使用する鍵盤楽器5用の練習補助具があって、使用する鍵盤楽器5の鍵盤3の白鍵7の大きさに合わせて所定幅間隔に罫線11が図示された白鍵表示部13と、使用する鍵盤楽器5の鍵盤3の黒鍵9の位置と大きさに合わせて形成される複数の黒鍵係合凹部15と、を備え、白鍵表示部13と黒鍵係合凹部15は、演奏する楽曲を、その旋律に合わせて細分化した演奏要素17を表示する単位シート19ごとに設けられており、当該複数の単位シート19を演奏の順番に合わせて束ねることによって形成されている。【選択図】 図1

Description

本考案は、鍵盤楽器の演奏を始める初心者が使用する鍵盤楽器用の練習補助具に係り、特に鍵盤上に直接設置して実際に鍵盤を指で弾きながら指の運びを視覚的に習得することができる鍵盤楽器用練習補助具に関するものである。
従来から下記の特許文献1〜3に示すように、鍵盤楽器の演奏を始める初心者が鍵盤の指の運びを覚えるために使用する鍵盤楽器用の練習補助具が種々提案されている。
このうち、特許文献1では鍵盤の平面形状を描いたシート上に鍵盤を弾く位置を順番に示す番号や歌詞を記し、更にこれらを結ぶ矢印線によって音の長さ等を表示するようにした楽譜表示フォームが開示されている。
また、特許文献2では鍵盤の幅間隔に等しい罫線をシート上に描き、罫線間のスペースに弾く順番を示す数字や文字、記号等を表示し、更に鍵盤を弾く長さ(時間)を色で表示したピアノ演奏用教習具が開示されている。
また、特許文献3では、互い違いに折り畳んで使用する長尺なシート上に鍵盤の位置を示す縦線と音の単位音長を示す細い横線とを印刷し、上記縦線上に演奏記号を表示すると共に、該演奏記号の近傍に音階文字を表示した鍵盤楽器練習用の楽譜が開示されている。
特開平9−218639号公報 実開平4−133270号公報 実開昭54−128561号公報
しかしながら、上記特許文献1では、楽譜を見ながら、この楽譜表示フォームを使用すれば、鍵盤を弾く指の運びを覚える練習になるが、実際の鍵盤を使用していないので現実味に欠け、特に鍵盤楽器を練習する人が幼児であれば、音が出ない楽譜表示フォームはおもしろみがないため直ぐに飽きてしまう。
また、上記特許文献2、3は鍵盤の後に立て掛けたり、取り付けて使用するものであるから、実際に鍵盤を弾きながら練習できるが、楽譜との併用ができないため、楽譜と鍵盤を弾く指の運びの習得ができない。また、これらの鍵盤楽器用の練習補助具はすべて形式的で、視覚的なおもしろみに欠け、幼児等に鍵盤の演奏に親しんでもらう工夫が足りない。
本考案はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、楽譜を見ながら実際に鍵盤を弾いて練習でき、幼児等に親しんでもらえる視覚的なおもしろさを有し、鍵盤楽器との一体性に優れた使い易い鍵盤楽器用練習補助具を提供することにある。
上記目的を達成すべく本考案の請求項1による鍵盤楽器用練習補助具は、鍵盤上に直接設置して演奏する楽曲に対応する打鍵位置と演奏手順を表示して使用する鍵盤楽器用の練習補助具であって、使用する鍵盤楽器の鍵盤の白鍵の大きさに合わせて所定幅間隔に罫線が図示された白鍵表示部と、使用する鍵盤楽器の鍵盤の黒鍵の位置と大きさに合わせて形成される複数の黒鍵係合凹部と、を備え、上記白鍵表示部と黒鍵係合凹部は、演奏する楽曲を、その旋律に合わせて細分化した演奏要素を表示する単位シートごとに設けられており、当該複数の単位シートを演奏の順番に合わせて束ねることによって形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記各単位シートの白鍵表示部には、その余白を使用して当該演奏要素の打鍵開始位置と、打鍵位置と、演奏手順とを示す案内表示が表示可能に構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記各単位シートの白鍵表示部には、その余白を使用して当該演奏要素の打鍵開始位置と、打鍵位置と、演奏手順とを示す案内表示が予め表示されていることを特徴とするものである。
また、請求項4による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項2または3記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記打鍵開始位置を示す案内表示は文字または図形であり、上記打鍵位置を示す案内表示は当該打鍵位置に対応した音階を示す文字または絵表示であり、上記演奏手順を示す案内表示は、数字または矢印のいずれか一方または双方であることを特徴とするものである。
また、請求項5による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1〜4のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記白鍵表示部の長さは、上記黒鍵係合凹部を当該鍵盤楽器の鍵盤における黒鍵と係合させた状態で、当該白鍵表示部の手前に当該鍵盤楽器の鍵盤における白鍵の打鍵部位が露出する長さに形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項6による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1〜5のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記黒鍵係合凹部の係合長さは、該黒鍵係合凹部に当該鍵盤楽器の鍵盤における黒鍵を係合させた状態で当該黒鍵の前端を含む少なくとも前端側の一部の範囲と係合する長さに形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1〜6のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記複数の単位シートは上記黒鍵係合凹部が形成されている辺を支点として一枚ずつ開閉できるように冊子状に綴じられることによって束ねられていることを特徴とするものである。
また、請求項8による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1〜6のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記複数の単位シートは上記黒鍵係合凹部が形成されている辺を支点として一枚ずつ開閉できるように連結具を介して連結されることによって束ねられていることを特徴とするものである。
また、請求項9による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1〜8のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記複数の単位シートが束ねられた鍵盤楽器用練習補助具には、上方から後方にかけて開いた単位シートを後傾姿勢で支持する支持スタンドが当該鍵盤楽器用練習補助具の一部として設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項10による鍵盤楽器用練習補助具は、請求項1〜8のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具において、上記複数の単位シートが束ねられた鍵盤楽器用練習補助具には、上方から後方にかけて開いた単位シートを後傾姿勢で支持する支持スタンドが当該鍵盤楽器用練習補助具の付属部品として設けられていることを特徴とするものである。
そして、上記手段によって以下のような効果が得られる。即ち、本考案による鍵盤楽器用練習補助具によると、鍵盤上に直接設置して使用する鍵盤楽器用の練習補助具であるから、実際に当該鍵盤楽器の鍵盤を弾いて、指先の感触や音を確かめながら演奏の練習を行うことができる。また、譜面台に楽譜を載せて、その楽譜を見ながら演奏の練習ができるから、楽譜の読み方も合わせて勉強することができる。
また、演奏する楽曲を、その旋律に合わせて細分化した演奏要素を表示した単位シートごとに当該楽曲の演奏を練習できるから特に初心者に分かり易い教材となる。
また、上記白鍵表示部に余白を設けて、その余白に当該演奏要素の打鍵開始位置と、打鍵位置と、演奏手順とを示す案内表示を表示できるようにした場合には、ユーザー自身や親、講師等が演奏する楽曲を自由に選択して、当該楽曲に対応した上記案内表示を直接、白鍵表示部の余白に書き込んだり、予め案内表示を描いておいたシール等を貼り付けることで、オリジナルの鍵盤楽器用練習補助具を作ることが可能になる。
また、上記案内表示が予め表示されている鍵盤楽器用練習補助具を使用する場合には、ユーザー自身や親、講師等が演奏したい楽曲が記載されている鍵盤楽器用練習補助具を選ぶだけで直ちに当該楽曲の演奏の練習を開始することができる。
また、上記打鍵開始位置を示す案内表示を文字または図形とし、上記打鍵位置を示す案内表示を当該打鍵位置に対応した音階を示す文字または絵表示とし、上記演奏手順を示す案内表示を数字または矢印のいずれか一方または双方とした場合には、当該鍵盤楽器を初めて演奏する幼児等でも親しみ易い、視覚的なおもしろさが加わって、当該鍵盤楽器の習熟が早まる。
また、白鍵表示部の長さが、黒鍵係合凹部を黒鍵に係合させた状態で、当該白鍵表示部の手前に白鍵の打鍵部位が露出する長さに形成されている場合には、鍵盤楽器用練習補助具が演奏の邪魔にならず、より鍵盤上に近い位置で使用できるから使い勝手が向上する。
また、黒鍵係合凹部の係合長さが、黒鍵係合凹部を黒鍵に係合させた状態で、黒鍵の前端を含む少なくとも前端側の一部の範囲と係合する長さに形成されている場合には、黒鍵係合凹部と黒鍵の係合状態が維持されるから、鍵盤楽器用練習補助具の演奏中の位置ずれが防止される。また、黒鍵の一部の範囲のみと係合するように黒鍵係合凹部の係合長さを設定した場合には、鍵盤楽器用練習補助具が必要以上に大きくならず、コンパクトで使い易い鍵盤楽器用練習補助具が提供できるようになる。
また、複数の単位シートが、黒鍵係合凹部が形成されている辺を支点として一枚ずつ開閉できるように冊子状に綴じて束ねた場合には、比較的構造が簡単でコンパクトで安価な鍵盤楽器用練習補助具が提供できるようになる。
また、複数の単位シートが、黒鍵係合凹部が形成されている辺を支点として一枚ずつ開閉できるように連結具を介して連結するようにした場合には、楽曲の長さによって使用する単位シートの数を適宜増減できる適用範囲の広い鍵盤楽器用練習補助具が提供できるようになる。
また、上方から後方にかけて開いた単位シートを後傾姿勢で支持する支持スタンドを、鍵盤楽器用練習補助具の一部として設けた場合には、演奏中、上方から後方にかけて開いた状態の単位シートの保持が容易になるから使い勝手が向上する。
また、上方から後方にかけて開いた単位シートを後傾姿勢で支持する支持スタンドを付属部品として設けた場合には、使用する鍵盤楽器の種類等によって演奏中、上方から後方にかけて開いた状態の単位シートの保持が困難な場合(例えばピアニカ等を使用する場合)に、支持スタンドを取り付けて使用し、不要の場合は支持スタンドを取り外すといった選択的な使い方が可能になる。
本考案の第1の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具の使用状態を示す平面図である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、単位シートを冊子状に束ねる手順の一例を示す説明図である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具を閉じた状態を示す斜視図(a)と、開いた状態を示す平面図(b)である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具の使用状態を示す斜視図である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具の使用状態を示す側面図である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具を使用して演奏の練習をしている様子を示す斜視図である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、演奏の手順を示す平面図である。 本考案の第1の実施の形態を示す図で、楽譜と絵表示の関係を示す説明図である。 本考案の第2の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具の展開状態を示す平面図である。 本考案の第3の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具の使用状態を示す斜視図である。 本考案の第3の実施の形態を示す図で、鍵盤楽器用練習補助具の使用状態を示す側面図である。 本考案の他の実施の形態を示す図で、単位シートを、連結具を使用して束ねる手順の一例を示す説明図である。
以下、図1〜図8に示す第1の実施の形態と、図9に示す第2の実施の形態と、図10及び図11に示す第3の実施の形態と、の三つの実施の形態を例にとって、本考案の鍵盤楽器用練習補助具の構成と、該鍵盤楽器用練習補助具を使用して行う演奏の手順と、について具体的に説明する。
また、他の実施の形態の説明の中で、単位シートの束ね方を異にする他の構成の鍵盤楽器用練習補助具について言及する。
〔第1の実施の形態〕(図1〜図8参照)
最初に、本発明の鍵盤楽器用練習補助具1の第1の実施の形態1Aについて説明する。
(1)鍵盤楽器用練習補助具の構成(図1〜図5参照)
本考案の鍵盤楽器用練習補助具1は、鍵盤3上に直接設置して演奏する楽曲に対応する打鍵位置と演奏手順を表示して使用する鍵盤楽器5用の練習補助具であって、使用する鍵盤楽器5の鍵盤3の白鍵7の大きさに合わせて所定の幅間隔に罫線11が図示された白鍵表示部13と、使用する鍵盤楽器5の鍵盤3の黒鍵9の位置と大きさに合わせて形成される複数の黒鍵係合凹部15と、を備え、上記白鍵表示部13と黒鍵係合凹部15は、演奏する楽曲を、その旋律に合わせて細分化した演奏要素17を表示する単位シート19ごとに設けられており、当該複数の単位シート19を演奏の順番に合わせて束ねることによって基本的に形成されている。
そして、本実施の形態では、鍵盤楽器5としてピアノ、オルガン5Aを例にとり、ピアノ、オルガン5Aの鍵盤3に対応した鍵盤楽器用練習補助具1Aが図示されている。また、単位シート19としては厚紙や合成樹脂シート等が採用可能である。
また、本実施の形態では、上記各単位シート19の白鍵表示部13に対して余白21が設けられており、当該単位シート19に表示される演奏要素17の打鍵開始位置を示す案内表示23と、打鍵位置を示す案内表示25と、演奏手順を示す案内表示27と、が予め表示されている。
上記打鍵開始位置を示す案内表示23としては、「スタート」、「はじめ」等の文字や丸、二重丸、三角、四角等を表す図形等が一例として採用でき、本実施の形態では星形の図形を、打鍵開始位置を示す案内表示23として使用している。
また、打鍵位置を表す案内表示25としては、音階を示す「ド」、「レ」、「ミ」等の文字や「ド」の音をイメージさせる「ドーナツ」、「レ」の音をイメージさせる「レモン」、「ミ」の音をイメージさせる「みかん」等を表した絵表示等が一例として採用でき、本実施の形態では、上述の絵表示を含む絵表示を、打鍵位置を表す案内表示25として使用している。
また、演奏手順を示す案内表示27としては、数字や矢印のいずれか一方または双方が採用でき、本実施の形態では白鍵表示部13の左下の余白21に当該単位シート19の演奏順を示す丸数字29を付し、上記打鍵位置を表す案内表示25の近傍に打鍵する順番を示す矢印31を付して、上記演奏手順を示す案内表示27として使用している。
また、白鍵表示部13の長さLは、黒鍵係合凹部15を当該鍵盤楽器5であるピアノ、オルガン5Aの鍵盤3における黒鍵9と係合させた状態で当該白鍵表示部13の手前に当該ピアノ、オルガン5Aの鍵盤3における白鍵7の打鍵部位7aが露出する長さに形成されている。
また、黒鍵係合凹部15の係合長さDは、該黒鍵係合凹部15に当該ピアノ、オルガン5Aの鍵盤3における黒鍵9を係合させた状態で当該黒鍵9の前端9aを含む少なくとも前端側の一部の範囲と係合する長さに形成されている。
また、上記複数の単位シート19は、図2に示すように上記黒鍵係合凹部15が形成されている辺33を支点として一枚ずつ開閉できるように冊子状に綴じられており、本実施の形態では一対の単位シート19、19を開いたとき、上面に来る単位シート19、19の内面に接着テープ35を貼り、すべての単位シート19を束ねた状態で外側から補強テープ37を貼って冊子状に綴じている。
尚、上記複数の単位シート19を冊子状に綴じる他の構成として、糸や金属製の線材等で綴じる線綴じや接着剤を使用して綴じる無線綴じを採用することが可能である。
そして、このようにして構成される本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aを使用する場合には、図4に示すようにピアノ、オルガン5Aの鍵盤3上において、黒鍵9の前端9aに黒鍵係合凹部15の底辺15aを当接させ、両者を係合させた状態でセットする。また、セットされた鍵盤楽器用練習補助具1Aの単位シート19を上方から後方にかけて開いた状態では、図5に示すように単位シート19の先端がピアノ、オルガン5Aの鍵盤3の黒鍵9の後端側の上面に当接することによって、乃至は、鍵盤3の背面から鉛直方向上方にかけて設けられている背面板39等に当接することによって、後傾姿勢で支持される。
(2)演奏の手順(図6〜図8参照)
次に、このようにして鍵盤3上にセットされた本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aを使用して行う演奏の手順について説明する。
尚、予め上記背面板39に備えられている譜面台41に楽譜43をセットしておく。ユーザUは、上記楽譜43と単位シート19を見ながら実際に鍵盤3を弾いて演奏を開始する。
最初に、演奏手順1番目の単位シート19を見て、該単位シート19に表示されている演奏要素17の案内表示23、25、27に従って、例えば右手で鍵盤3を弾く。当該演奏要素17の演奏が終了したら、例えば左手で演奏が終了した単位シート19を捲って、次に弾く演奏要素17が表示されている単位シート19を出す。尚、上記単位シート19を捲る作業は付き添っている人がいる場合には、当該付き添っている人が捲っても構わない。
次に、単位シート19ごとの演奏の手順について説明する。例えば図7(a)、(b)の順で演奏を行う場合には、図7(a)では最初に打鍵開始位置を示す案内表示23である星形の図形が表示されている位置の白鍵7を弾く。この白鍵7の音階は「ソ」であり、当該位置の白鍵表示部13には「ソ」の音を表す「ソフトクリーム」をイメージした絵表示が打鍵位置を示す案内表示25として表示されている。
また、当該位置には「ソフトクリーム」を表した絵表示がもう一つ表示されているから、もう一回、当該位置の白鍵7を弾く。次に、演奏手順を示す案内表示27である矢印31に従って、右に三つ移動して「ド」の音階の白鍵7を弾く。尚、当該位置の白鍵表示部13には、「ド」の音を表す「ドーナツ」をイメージした絵表示が打鍵位置の示す案内表示25として表示されている。
次に、当該演奏要素17が表示された単位シート19を捲って、図7(b)に示す演奏要素17が表示された単位シート19を出す。最初に打鍵開始位置を示す案内表示23である星形の図形が表示されている位置の白鍵7を弾く。この白鍵7の音階は「ラ」であり、当該位置の白鍵表示部13には「ラ」の音をイメージする「ライオン」を描いた絵表示が打鍵位置を示す案内表示25として表示されている。
次に、演奏手順を示す案内表示27である矢印31に従って、左に一つ移動して白鍵表示部13に「ソフトクリーム」の絵表示が描かれている当該位置の「ソ」の音階の白鍵7を弾く。同様に矢印31に従ってさらに左に一つ移動して白鍵表示部13に「ファイト」をイメージさせる絵表示が描かれている当該位置の「ファ」の音階の白鍵7を弾く。
また、上記演奏に際しては、図8(a)に示すように楽譜43を参照しながら演奏を行うことが望ましく、このようにすれば図8(b)に示すように、打鍵位置を示す案内表示25である絵表示と、楽譜に記載されている音符等と、実際に弾いている鍵盤3の音との関係を視覚と聴覚を通じて総合的に学習することが可能になる。
そして、このようにして構成される本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aによれば、楽譜43を見ながら実際に鍵盤3を弾いて当該鍵盤楽器5であるピアノ、オルガン5Aの演奏の練習を行うことが可能になる。また、本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aは、打鍵位置を示す案内表示25として絵表示を採用するなど、幼児等に親しんでもらえる視覚的なおもしろさを有し、鍵盤楽器5との一体性に優れた使い易い鍵盤楽器用練習補助具1が提供できるようになる。
〔第2の実施の形態〕(図9参照)
次に、本考案の鍵盤楽器用練習補助具1の第2の実施の形態1Bについて説明する。
本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Bは、上記第1の実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aにおいて、白鍵表示部13の余白21に予め表示されていた演奏要素17を示す案内表示23、25、27を省略し、基本的に罫線11のみが付された白鍵表示部13を使用するようにしたものである。
そして、本実施の形態では上記演奏要素17を示す案内表示23、25、27は鍵盤楽器用練習補助具1Bとは別にシール台紙45に貼付される形で用意されており、演奏したい楽曲に合わせて、必要な案内表示23、25、27を上記シール台紙45から剥がして白鍵表示部13の対応する位置の余白21に貼付して使用する。
尚、上述したシール台紙45に貼付されている案内表示23、25、27ではなく、直接、白鍵表示部13の対応する位置の余白21にペン等で案内表示23、25、27を描いて使用することも可能である。
そして、このようにして構成される本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Bを使用しても、上記第1の実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aを使用した場合と同じ手順で演奏の練習を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、ユーザ自身や親、講師等が演奏する楽曲を自由に選択して、当該楽曲に対応した案内表示23、25、27を直接、白鍵表示部13の余白21に表示することで、オリジナルの鍵盤楽器用練習補助具1Bを作ることが可能になる。
〔第3の実施の形態〕(図10及び図11参照)
次に、本考案の鍵盤楽器用練習補助具1の第3の実施の形態1Cについて説明する。
本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Cは、使用する鍵盤楽器5として図10に示すピアニカ5B等、鍵盤3の大きさが小さく、鍵盤3の背面に背面板39を有しない、小型の鍵盤楽器5に対応した鍵盤楽器用練習補助具1になっている。これに伴い、白鍵表示部13、黒鍵係合凹部15及び単位シート19のサイズは上述した第1の実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aよりも小さくなり、白鍵表示部13に描かれる罫線11の間隔も上記第1の実施の形態のものよりも狭くなる。
尚、本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Cのその他の構成については、上記第1の実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aと同様である。
また、本実施の形態では、上方から後方にかけて開いた単位シート19を後傾姿勢で支持する支持スタンド47が、図11に示すように当該鍵盤楽器用練習補助具1Cの一部として、あるいは付属部品として設けられている。尚、図示の実施の形態では台形状の支持スタンド47が描かれているが、このような形状に限らず、金属製線材を折り曲げて形成されるフレーム形状のものや合成樹脂等によって成形される衝立状のもの等、種々の形状、構造の支持スタンド47が採用可能である。
そして、このようにして構成される本実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Cを使用しても、上記第1の実施の形態による鍵盤楽器用練習補助具1Aを使用した場合と同じ手順で演奏の練習を行うことができ、上記第1の実施の形態と同様の作用、効果を享受することができる。
また、本実施の形態によれば、鍵盤3の背面に背面板39を有しない小型のピアニカ等の鍵盤楽器5に対しても使用することができ、ピアノ、オルガン5A等に対しては使用する場合には当該支持スタンド47を取り外すことによって対応できるようになる。
〔他の実施の形態〕
本発明の鍵盤楽器用練習補助具1は、上述した実施の形態のものに限定されず、その考案の要旨内での変更が可能である。
例えば、複数の単位シート19を、黒鍵係合凹部15が形成されている辺33を支点として一枚ずつ開閉できるように冊子状に束ねるのに際して、図12に示すようなリング状の連結具49を介して連結することによって束ねるようにすることも可能である。尚、連結具49としては、カレンダー等に使用されている金属製線材を方形波状に折り曲げ、この方形波状部分を対向させて歯型状に配列したものや金属製線材をコイルバネ状に巻き付けたもの等が他に採用可能である。
また、演奏要素17は、上述したものの他、例えば音の強弱や音と音の間隔あるいは音の長さ等を表す他の案内表示を白鍵表示部13の余白21に表示することも可能である。 この他、冊子状に単位シート19を束ねる場合、演奏開始の単位シート19を最下面に配置し、以下順次、演奏の順番に従って中間の単位シート19を配置し、最上面に演奏終了の単位シート19を配置するようにしてもよいし、これとは逆に最上面に演奏開始の単位シート19を配置し、以下順次、演奏の順番に従って中間の単位シート19を配置し、最下面に演奏終了の単位シート19を配置するようにしてもよい。
本考案の鍵盤楽器用練習補助具は、鍵盤楽器の馴染みのない初心者が鍵盤楽器に初めて触れて演奏の練習を行う場合等に利用でき、特に楽譜を見ながら実際の鍵盤を弾いて演奏の練習を行うことができ、視覚的なおもしろさを有して飽きの来ない鍵盤楽器用練習補助具を提供したい場合に利用可能性を有する。
1 鍵盤楽器用練習補助具
3 鍵盤
5 鍵盤楽器
5A ピアノ、オルガン
5B ピアニカ
7 白鍵
7a 打鍵部位
9 黒鍵
9a 前端
11 罫線
13 白鍵表示部
15 黒鍵係合凹部
15a 底辺
17 演奏要素
19 単位シート
21 余白
23 打鍵開始位置を示す案内表示
25 打鍵位置を示す案内表示
27 演奏手順を示す案内表示
29 丸数字
31 矢印
33 辺
35 接着テープ
37 補強テープ
39 背面板
41 譜面台
43 楽譜
45 シール台紙
47 支持スタンド
49 連結具
L (白鍵表示部の)長さ
D (黒鍵係合凹部の)係合長さ
U ユーザ

Claims (10)

  1. 鍵盤上に直接設置して演奏する楽曲に対応する打鍵位置と演奏手順を表示して使用する鍵盤楽器用の練習補助具であって、
    使用する鍵盤楽器の鍵盤の白鍵の大きさに合わせて所定幅間隔に罫線が図示された白鍵表示部と、
    使用する鍵盤楽器の鍵盤の黒鍵の位置と大きさに合わせて形成される複数の黒鍵係合凹部と、を備え、
    上記白鍵表示部と黒鍵係合凹部は、演奏する楽曲を、その旋律に合わせて細分化した演奏要素を表示する単位シートごとに設けられており、当該複数の単位シートを演奏の順番に合わせて束ねることによって形成されていることを特徴とする鍵盤楽器用練習補助具。
  2. 上記各単位シートの白鍵表示部には、その余白を使用して当該演奏要素の打鍵開始位置と、打鍵位置と、演奏手順とを示す案内表示が表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  3. 上記各単位シートの白鍵表示部には、その余白を使用して当該演奏要素の打鍵開始位置と、打鍵位置と、演奏手順とを示す案内表示が予め表示されていることを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  4. 上記打鍵開始位置を示す案内表示は文字または図形であり、上記打鍵位置を示す案内表示は当該打鍵位置に対応した音階を示す文字または絵表示であり、上記演奏手順を示す案内表示は、数字または矢印のいずれか一方または双方であることを特徴とする請求項2または3記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  5. 上記白鍵表示部の長さは、上記黒鍵係合凹部を当該鍵盤楽器の鍵盤における黒鍵と係合させた状態で、当該白鍵表示部の手前に当該鍵盤楽器の鍵盤における白鍵の打鍵部位が露出する長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  6. 上記黒鍵係合凹部の係合長さは、該黒鍵係合凹部に当該鍵盤楽器の鍵盤における黒鍵を係合させた状態で当該黒鍵の前端を含む少なくとも前端側の一部の範囲と係合する長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  7. 上記複数の単位シートは、上記黒鍵係合凹部が形成されている辺を支点として一枚ずつ開閉できるように冊子状に綴じられることによって束ねられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  8. 上記複数の単位シートは、上記黒鍵係合凹部が形成されている辺を支点として一枚ずつ開閉できるように連結具を介して連結されることによって束ねられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  9. 上記複数の単位シートが束ねられた鍵盤楽器用練習補助具には、上方から後方にかけて開いた単位シートを後傾姿勢で支持する支持スタンドが当該鍵盤楽器用練習補助具の一部として設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具。
  10. 上記複数の単位シートが束ねられた鍵盤楽器用練習補助具には、上方から後方にかけて開いた単位シートを後傾姿勢で支持する支持スタンドが当該鍵盤楽器用練習補助具の付属部品として設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鍵盤楽器用練習補助具。
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