JP3210543B2 - 全連続熱間圧延のシートバーの接合方法 - Google Patents

全連続熱間圧延のシートバーの接合方法

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JP3210543B2
JP3210543B2 JP10271395A JP10271395A JP3210543B2 JP 3210543 B2 JP3210543 B2 JP 3210543B2 JP 10271395 A JP10271395 A JP 10271395A JP 10271395 A JP10271395 A JP 10271395A JP 3210543 B2 JP3210543 B2 JP 3210543B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全連続熱間圧延を行う
際に、仕上げ圧延機の入側でシートバーを溶接により接
合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄板の熱間タンデム圧延では、製
鋼工程から送られてきた有限長さのスラブを粗圧延して
シートバーとし、このシートバーを多スタンドの熱間仕
上げ圧延機で圧延してコイルに捲き取ることにより所定
の寸法の薄板コイルにしている。しかし、仕上げ圧延に
おいて、シートバーが有限長さであることによるシート
バー先端の噛み込みおよびシートバー後端の尻抜け時の
非定常圧延が避けられないため、板の絞り込みなどの通
板不良発生防止の観点から、シートバーの先後端を通板
する際に通板速度を遅くしなければならず、生産性を阻
害する要因となっていた。その対策として、有限長さの
シートバーを粗圧延機と仕上げ圧延機の間で接合してエ
ンドレスの仕上げ圧延を行うことが検討されている。
【0003】特開平4−89110号公報には図9に示
すように、コイルボックス10、レベラー12、シャー
13、移動式誘導加熱接合装置15、仕上げ圧延機14
からなるプロセスが開示されている。即ち、仕上げ圧延
中のシートバー3−2の後端部とコイルボックス10か
ら捲き戻された粗圧延後のシートバー3−1の先端部を
それぞれシャー13で切断して平滑な合わせ面を形成
し、これらの合わせ面を突き合わせて、接合機15によ
りシートバーの移動に同期しながら、シートバーを接合
することによって仕上げ圧延機14で全連続圧延を行う
ものである。
【0004】この方式の特徴は、接合機として移動式誘
導加熱接合装置15を用いる点にある。即ち、シートバ
ーの合わせ面近傍の素材温度を融点近傍まで移動式誘導
加熱接合装置15で加熱した後、合わせ面を押し付けて
アップセット接合し、合わせ面の塑性変形に伴うバリの
除去を行って仕上げ圧延時の欠陥発生を防止した後、仕
上げ圧延を実施するものである。そのため、質量の大き
いシートバーを加熱した後、単位面積当たり2kgf/mm2
程度の強大なアップセット力を負荷するので、大型で複
雑な装置と多大の時間を要する上に、板厚程度に突き出
した上下面のバリをオンラインで短時間に除去しなけれ
ばならないという厳しい制約があり、そのため、ローラ
ーテーブルと接合機との干渉防止からローラーテーブル
の昇降式化を図らねばならず、設備コストおよび設備建
設期間の増加の問題があった。
【0005】特に、既設のミルを全連続圧延が可能なミ
ルに改造する場合には、シートバーの接合時間および冷
却時間を短縮して、既設の操業条件を極力変更しないこ
とが重要である。即ち、シートバーの長さは最大でも8
0m程度であり、仕上げ第1圧延機の圧延速度が90m
/min程度とすれば、50sec 程度で一本のシートバーを
圧延することになるから、接合時間を50sec 以内に収
めなければならない。50sec を超えると、圧延速度を
低下させるか、スラブ単重を増加させて搬送時間を増加
させねばならず、前者は圧延工程の生産性の低下を招
き、後者は製鋼工程の設備投資が必要であるから、何れ
もコスト増加につながるので、回避しなければならな
い。詳細に検討すると、シートバー接合のために許容さ
れるライン長は50m以下であり、純粋に溶接と冷却に
使用できる長さは更に限られる。そこで、ライン長を短
縮するために接合時間を短縮できる可能性の高い溶接方
法の適用が種々検討されてきた。
【0006】特開昭61−52904号公報には、先行
圧延材の後端と後行圧延材の先端とをアーク溶接により
突き合わせ溶接し、その際に溶接部の溶融深さと圧延材
の板厚の比を2/3以上に規定して、後続の仕上げ圧延
における溶接部からの板破断を防止する圧延材の接合に
関する方法が開示されている。仕上げ直前の圧延材の板
厚は通常30〜45mm程度であるから、この方法による
と、アーク溶接の溶融深さを最低でも20〜30mm確保
しなければならないが、そのための溶接条件は開示され
ていない。通常よく用いられる溶接電流が数百A程度の
低電流のアーク溶接方法によると(例えば溶接学会編
「溶接工学の基礎」第3章の溶接熱概論,昭和61年,
丸善株式会社発行)、アーク溶接による溶融部の側面形
状は半円または半楕円で近似される。特開昭61−52
904号公報においても図10に示すように、溶接部の
溶融深さD=20〜30mm、溶融幅w=2.7D=54
〜81mmに相当する溶接部の側面が開示されている。
【0007】このような溶接方法においては、短時間に
溶接を完了し必要強度を得るという観点からは、以下に
説明するような致命的な問題があった。基本的には合わ
せ面の表面近傍のみを溶融して接合するのが理想である
が、この開示例では溶融体積が極めて大きいので、この
ような溶融体積を確保するには通常、単位溶接長さ当た
りの入熱量を増加させねばならず、そのため溶接速度が
著しく低下して、溶接時間の増加が避けられない。ま
た、接合強度は溶融部が凝固・冷却することによって得
られるから、溶融部の熱をできるだけ早く溶融部から外
に移動させる必要がある。開示例のアーク溶接方法では
溶融部の熱の移動は主に母材中への熱拡散により行われ
る。図3はシートバーの接合部側面の状況を模式的に示
したものである。このような状況においては、伝熱学的
な検討から、式(1),(2)の関係が成立することが
知られている(例えば、溶接学会編「溶接工学の基礎」
参照)。
【数1】
【0008】式(1)は溶接条件が定まった際の溶融幅
と溶融深さの関係式である。式(2)は溶融幅が与えら
れた場合の、溶融幅中央部の温度の時間変化を示す。こ
こに、Tc は(注目する温度が最も高い)溶接中央部の
温度、eは常用対数の底、πは円周率、wは溶融部の
幅、tは溶接終了からの時間、kは熱拡散率(=λ/ρ
・c)、qは溶接機1台当たりの入熱量、λは熱伝導
度、ρは密度、cは比熱、hは溶融深さ、Tm は材料の
溶融温度、To はシートバーの初期温度、vは溶接速度
である。
【0009】入熱量を実用化されている最大規模クラス
の溶接機の1台当たりの出力に相当するq=45kWと
し、連続化時の最も一般的な操業条件として、To =1
000℃、材料を普通鋼とすれば、Tc とtの関係に及
ぼすwの影響は図4のようになる。これから溶融部の幅
wが大きくなるほど、溶接中央部の温度Tc がある温度
以下になるのに要する溶接終了後の経過時間tは長くな
ることがわかる。全連続熱間圧延時に仕上げ圧延機の1
号スタンド入側の圧延速度は90mpm 程度であり、既設
ミル改造においてシートバー接合に利用できるライン長
はたかだか50m程度が限度である。そのうち、シート
バーを突き合わせて溶接するのに20m利用すると、冷
却に利用できるライン長は30m以下であり、この距離
をシートバーが進行するのに要する時間は約20sec と
なる。
【0010】一方、圧延時に溶接部が板破断しないため
には、溶接の入熱のため高温で柔らかい溶接部を冷却し
て硬くすることにより、溶接部の強度を確保しなければ
ならない。即ち、溶接部が破断しない程度に、溶接中央
部の温度は低下している必要がある。図5は変形抵抗に
及ぼす素材温度の影響の一例を示す。一般に多スタンド
連続熱間圧延においては、圧延速度が大であるので、材
料が圧延機を通過する時間が短く、材料温度の低下はあ
まり大きくない。そのため、溶接部の局部的な高温状態
も仕上げ圧延後段まで保たれる。他方、仕上げ圧延の後
段圧延機間のシートバーに作用する圧延方向の張力は最
大5kgf/mm2 に達する。シートバーが板破断しないため
には、溶接部の変形抵抗を5kgf/mm2 以上確保する必要
があり、図5から溶接部を概略1250℃以下に冷却し
なければならないことがわかる。また、図4から溶融幅
が大きい程、冷却時間が増加し、例えば、溶融幅が20
mm以上であれば20sec 後でも凝固温度1500℃に達
せず、凝固しないことがわかる。即ち、圧延時に板破断
が発生し、完全連続圧延は実施できない。
【0011】また、特開昭61−52904号公報に開
示の方法では、溶融深さを板厚の2/3以上に規定して
いるので、通常のシートバー厚さであれば溶融深さは2
0〜30mm以上となる。このように大きな溶融深さを得
るためには、従来技術では、突き合わせ面に開先加工を
施して、大容積の空間を溶接材で満たす必要がある。し
かし、その場合は、溶融幅が極端に大きくなるので、凝
固・冷却に長時間を要して、溶接時間が著しく増加す
る。
【0012】以上の結果から、特開昭61−52904
号公報に開示の方法では、溶融幅が少なくとも20mm以
上に達するので、所定の強度を得るための冷却時間の増
加が避けられない。また、溶融深さの確保のために溶接
時間が増加するので、接合機のライン長が増加してコス
ト高となったり、最悪の場合には接合機が圧延ラインの
中に納まらない致命的な問題があった。
【0013】また、特開平5−245509号公報に
は、図11に示すように、先行圧延材の後端と後行圧延
材の先端とをアーク溶接法により突き合わせ溶接し、そ
の際に開先線を跨いで両端部でアーク9を発生させて溶
融接合を行い、開先部分の溶け落ち発生を防止する熱間
鋼材の突き合わせ接合方法が開示されている。しかし、
この方法においても、溶融深さに比して、アークの発生
箇所が2倍になることによる溶融幅の増加のため、特開
昭61−52904号公報に開示の方法に比べて、冷却
時間が更に増加するという致命的な欠点があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
熱間仕上げ圧延機の入側で、シートバーの突き合わせ溶
接を行うに際して、既設ミルの改造に適するようにする
ためには、接合のために必要なライン長を50m程度以
下に短縮する必要があった。そのためには、先行および
後行のシートバーを20秒以下の短時間で接合する必要
がある。更に、そのためには、仕上げ圧延で板破断しな
いために必要な溶接面積を明らかにして、仕上げ圧延機
入側で溶接部に必要強度が発現する溶融部の形状を明確
にすること、およびその溶融形状を満足する溶接方法の
開発が重要な課題となっていた。
【0015】そこで、これらの条件を総合的に満足する
溶接技術を開発するために、理論解析および種々の溶接
試験、圧延試験を実施して、溶融幅、溶融深さ、溶接位
置を規定することにより、短時間で接合でき、しかも仕
上げ圧延で板破断がない溶接条件を見い出した。また、
種々の溶接方法の適用を検討した結果、溶接機1台当た
りの溶接電力が20kW以上の高密度エネルギー溶接条件
で最適な溶接が可能であることを知見して、本発明をな
したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融幅、溶融
深さ、溶接位置を規定することによって、仕上げ圧延で
板破断しない接合強度を確保しながら、高速溶接と冷却
時間短縮を図るものであり、その際の溶接条件および溶
接方法の提供を目的とする。
【0017】即ち本発明は、粗圧延後のシートバーの先
端部を先行する仕上げ圧延中のシートバーの後端部に溶
接して連続的に圧延する全連続熱間圧延のシートバーの
接合方法において、仕上げ圧延時に板破断が発生しない
ようにするために、板両端部近傍の片側当たり板幅の少
なくとも10%以上の合わせ面を溶融深さを板厚の30
%以上とし、接合に必要な時間を20秒以下にするため
に、シートバーの温度が500℃〜1300℃の条件下
で溶接部の板厚方向平均の溶融幅を10mm以下にする
共に、一台当たりの出力が20kW以上で、少なくとも1
台以上のアーク溶接機、レーザー溶接機、電子ビーム溶
接機のいずれかにより溶接することを特徴とする。
【0018】
【作用】以下、本発明の作用を説明する。まず、接合面
積に関する限定理由を以下に示す。図1は本発明の方法
による溶接部の斜視図で、Dは溶融深さ、wは溶融幅、
lは端部接合長さ、hはシートバーの板厚、bはシート
バーの板幅である。ここに、端部溶接長さlは溶融深さ
D>0.3hの条件を満足する溶接部の長さである。発
明者らは、接合部の溶融深さ、板幅方向の溶接長さを変
えて、種々の板厚、板幅のシートバーを溶接し、仕上げ
圧延する実験を行い、この結果を図2に整理した。
【0019】図2は、縦軸に溶融深さDを板厚hで除し
た無次元溶融深さD/h、横軸に端部溶接長さを板幅で
除した無次元溶接長さl/bをとり、仕上げ圧延で板破
断が発生した場合は×、板破断が生じなかった場合は○
で示した。図の斜線部の領域は仕上げ圧延において板破
断がない条件である。この領域はD≧0.3h、l≧
0.1bであることがわかる。このlは図1に示したよ
うに、端部接合長さであるが、通常溶接作業では板幅端
が常にD>0.3hの条件を満足するわけではなく、数
cm程度はこの条件を満たさない部分が生じることがあ
る。図2の実験データはこのようなばらつきがある場合
の安全側のデータを採用している。即ち、図2の板破断
なしの領域では、全データ板破断なしであったが、この
領域外では、ほとんどが板破断したが、板破断しなかっ
た場合もあったのである。従って、このデータを板幅近
傍がD≧0.3h、l≧0.1bの条件を満たしていれ
ば、板破断はないと解釈できる。
【0020】なお、板幅端が厳密にD≧0.3hを満た
している場合と満たしていない場合を比較すると、板幅
近傍がD≧0.3h、l≧0.1bの条件を同じように
満たしていても、板幅端が厳密にD≧0.3hを満たし
ている場合の方が、板破断しにくいことの方が多かっ
た。これは、板幅端がD≧0.3hを満たしていない場
合には、圧延進行とともにこの部分が口を開くような変
形をし、破断に至る起点になることがあるからである。
【0021】次に、シートバーの温度が溶融深さに及ぼ
す影響について説明する。溶融深さとシートバーの温度
の間にはほぼ直線関係があり、シートバー温度が大なる
程、溶融深さは増加する。例えば、20kW以上の大電流
アーク溶接の場合は、シートバーの温度が常温の場合に
は溶融深さが7〜9mm程度であるが、500℃では30
%程度、1000℃で70%程度増加する結果が得られ
ている。従って、必要な溶融深さ(D≧0.3h)を確
保することは、常温の場合は不可能である。温度が50
0℃であればシートバー厚さが30mm程度の場合には溶
融深さが10mm程度になりD≧0.3hが満たされる。
また、900℃以上であれば、同様に溶融深さ10〜1
5mm程度になり、通常の板厚30〜45mmの場合にもD
≧0.3hが満たされるようになる。即ち、シートバー
の温度は500℃以上、望ましくは900℃以上が必要
である。また、上限を1300℃にしたのは、これ以上
にすると、通常の加熱炉の能力限界を超えるからであ
る。
【0022】また、溶融部の形状に関する限定理由を以
下に示す。図3,図4は先に述べたように、溶融深さ、
板幅方向の溶接長さを変えて、種々の板厚、板幅のシー
トバーを接合し、仕上げ圧延した実験においてその結果
を整理したものである。図3は溶融部のパスライン方向
の側面図で、シートバー3−1,3−2の突き合わせ面
を溶接し、溶融部の形状を長方形で近似した場合の、溶
融深さをD、溶融幅をw、溶接前のシートバーの温度を
o 、溶融部の温度をTc で示したものである。図4
は、縦軸に溶融部の温度Tc 、横軸に溶接終了からの冷
却時間をとり、シートバー板厚方向の平均溶融幅wをパ
ラメータとして示す。
【0023】一方、仕上げ圧延機の後段圧延機間のシー
トバーに作用する圧延方向の張力は最大5kg/mm2 に達
する。シートバーが接合部において破断しないために
は、溶接接合部の変形抵抗を5kg/mm2 以上とすること
が必要である。図5は溶接部の変形抵抗の温度変化を示
したものである。5kg/mm2 以上を確保するためには、
溶接部の温度を1250℃に20sec 以内で冷却する必
要があり、このためには図4からわかるようにシートバ
ーの板厚方向の平均溶融幅はw=10mm以下でなければ
ならないことがわかる。このため、本発明では冷却速度
を速くする条件として、シートバー板厚方向の平均溶融
幅を10mm以下としている。なお、20秒以内とするの
は前述のとおり操業性を確保するためである。
【0024】次に、溶融幅10mm以下を達成するための
溶接方法について説明する。これが可能な溶接法とし
て、アーク溶接法、レーザー溶接法および電子ビーム溶
接法を選択した。図6〜図8は、それぞれこれら3つの
溶接法の場合について、これら溶接法で達成可能な溶接
条件(溶融幅および溶融深さ)と、現在必要としている
溶接条件(溶融幅および溶融深さ)の関係を示したもの
である。横軸に溶融幅w、縦軸に溶融深さDをとった同
図中で、左上から右下への斜線で示した範囲は必要とし
ている溶接条件を示している。右上から左下への斜線で
示した範囲は、出力20kW以上の溶接電力で溶接速度な
どの溶接条件を変化させて求めたシートバーの溶接接合
可能な範囲を示している。従って、これらの両斜線範囲
が重なる領域が各溶接法で本目的のために実施可能な条
件であることになる。図6はアーク溶接方法の場合であ
り、4mm〜10mmの広い溶融幅で溶接でき、溶け込み深
さも30mm程度までとれる。図7はレーザー溶接法で、
溶接深さを40mm程度まで深くでき、溶接幅は3mm以下
で冷却が速い、図8は電子ビーム溶接法で、溶接深さを
レーザー以上に大きくでき、溶接幅も狭くなる特徴があ
る。
【0025】アーク溶接法、レーザー溶接法、電子ビー
ム溶接法の何れの方法においても、溶接電力を1台当た
り20kW以上にすると、本発明の溶接条件を満足する。
本発明では、溶接機1台当たりの出力が20kW以上であ
るアーク溶接法、レーザー溶接法、電子ビーム溶接法の
何れかの溶接法を用いることが好ましい。
【0026】本発明の方式であれば、溶接してから十分
な接合強度を発現する温度まで冷却するまでの時間を2
0秒以下にできるので、既設のミルを改造することによ
って完全連続圧延を行うことができるようになる。
【0027】
【実施例】本発明の一実施例を図1と表1〜表3を用い
て説明する。予め表1のガスシールドアーク溶接法でシ
ートバーの端部溶接長さl=110mmの間を溶接した。
溶接した材料を圧延せずに溶接部の側面を観察した結
果、溶融幅は溶接ワイヤーの直径d=4mmφの5割増し
のw=6mm程度で、溶融深さはD=20mmと溶融幅の比
が3.3程度とかなり大になった。この溶接では、シー
トバーの突き合わせおよびクランプなどの溶接の前準備
に要する時間が8sec 、溶接に要する時間が8sec 、圧
延に必要な強度を発現するに必要な冷却時間が5sec で
所要時間は計21sec であった。即ちシートバーの送り
速度を90mpm とすると、ライン長に換算して31.5
m程度で、既設ミルの改造において許容されるライン長
50mに比して小さく、無理のない設備スペースに納ま
った。
【0028】また、予め表2の炭酸ガスレーザー溶接法
でシートバーの端部溶接長さl=110mmの間を溶接し
た。溶接した材料を圧延せずに溶接部の側面を観察した
結果、溶融幅はw=2mm程度で、溶融深さはD=20mm
と溶融幅の比が10程度とかなり大になった。この溶接
では、シートバーの突き合わせおよびクランプなどの溶
接の前準備に要する時間が8sec 、溶接に要する時間が
7sec 、圧延に必要な強度を発現するに必要な冷却時間
が1sec で所要時間は計16sec であった。即ちシート
バーの送り速度を90mpm とすると、ライン長に換算し
て24m程度で、既設ミルの改造において許容されるラ
イン長50mに比して小さく、無理のない設備スペース
に納まった。
【0029】更に、予め表3の電子ビーム溶接法でシー
トバーの端部溶接長さl=110mmの間を溶接した。溶
接した材料を圧延せずに溶接部の側面を観察した結果、
溶融幅はw=2mm程度で、溶融深さはD=20mmと溶融
幅の比が10程度とかなり大になった。この溶接では、
シートバーの突き合わせおよびクランプ等の溶接の前準
備に要する時間が8sec 、溶接に要する時間が7sec 、
圧延に必要な強度を発現するに必要な冷却時間が1sec
で所要時間は計16sec 、即ちシートバーの送り速度を
90mpm とすると、ライン長に換算して24m程度で、
既設ミルの改造において許容されるライン長50mに比
して小さく、無理のない設備スペースに納まった。
【0030】また、何れの方法においても、溶接部の凝
固時間が短いため、溶接中および冷却時の振動の影響を
受けず、溶接欠陥が従来法に比べて格段に減少し、接合
強度が向上した。更に、従来法に比べコイルボックスを
仕上げ圧延機に近付けることが可能になり、その分シー
トバーの温度低下を緩和できたので、エネルギーコスト
が低減できた。
【0031】以上の方法で、図2の斜線部の条件になる
ように溶接したシートバーを、6スタンドの仕上げ圧延
機で2mmまで圧延した結果、溶接部で板破断することも
なく圧延することができた。即ち、先行のシートバーの
後端部と後行のシートバーの先端部は強固に接合され、
仕上げ圧延中にシートバーの板破断は発生せず、本発明
が有効であることが判明した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上に述べたように構成しか
つ作用せしめることにより、全連続熱間圧延を行う際
に、仕上げ圧延機の入側においてシートバーを接合する
のに顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における溶接状況を示す模式
図。
【図2】本発明の仕上げ圧延で板破断がない溶接条件
(端部溶接長さと溶接深さの関係)を示す図。
【図3】溶融部の側面状況を示す模式図。
【図4】溶融部の温度変化を示す図。
【図5】溶接部の変形抵抗と溶接部の温度の関係を示す
図。
【図6】本発明の溶接条件(溶融深さと溶融幅)とアー
ク溶接法における溶接能力(溶融深さと溶融幅)の関係
を示す図。
【図7】レーザー溶接法を採用した場合の溶接条件と溶
接能力の関係図。
【図8】電子ビーム溶接法を採用した場合の溶接条件と
溶接能力の関係図。
【図9】従来技術によるシートバー接合ラインの一例を
示す概略図。
【図10】従来技術によるアーク溶接方法の例を示す
図。
【図11】同じく、従来技術によるアーク溶接方法の例
を示す図。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 3 シートバー 3−1 後行のシートバー 3−2 先行のシートバー 6 溶接ワイヤー 8 シールドガス 9 溶接アーク 10 コイルボックス 11 ピンチロール 12 レベラー 13 クロップシャー 14 熱間仕上げ圧延機 15 移動式接合機 16 ルーパー 17 デスケーリング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 浩衛 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 都島 貞雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭61−52904(JP,A) 特開 昭58−112601(JP,A) 特開 昭59−209405(JP,A) 特開 昭57−109504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/26 B21B 15/00 B23K 15/00 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗圧延後のシートバーの先端部を、先行
    する仕上げ圧延中のシートバーの後端部に走行しつつ溶
    接して連続的に圧延する全連続熱間圧延のシートバーの
    接合方法において、シートバーの温度が500℃〜13
    00℃で、前記粗圧延後のシートバーの先端部の合わせ
    面と、前記先行する仕上げ圧延中のシートバーの後端部
    の合わせ面を突き合わせて、一台当たりの出力が20kW
    以上で、少なくとも1台以上のアーク溶接機、レーザー
    溶接機、電子ビーム溶接機のいずれかにより、シートバ
    ーの板両端部近傍の片側当たり、シートバー幅の10%
    以上の合わせ面を、溶融深さがシートバー厚の30%以
    上とし、溶接部のシートバー厚方向平均の溶融幅を10
    mm以下として溶接することを特徴とする全連続熱間圧延
    のシートバーの接合方法。
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