JP3209585B2 - アミド化合物を有効成分として含有する害虫忌避剤 - Google Patents
アミド化合物を有効成分として含有する害虫忌避剤Info
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Description
効果及び駆除効果に優れるアミド化合物、特に天然物由
来のテルペニル基を有するアミド化合物を有効成分とし
て含有する害虫忌避剤に関する。
利用する試みは古くから続けられており、数多くの天然
物が利用されてきた。最近では、生物の生活と植物の精
油との関わりが知られるようになってきており、植物の
成分中に含まれている種々のテルペノイドが、ある特定
の昆虫に対し忌避性を示すことが明らかにされつつあ
る。例えば、モノテルペノイドであるメントール、シト
ロネラールは蚊に対し忌避性を示し、リナロール、ゲラ
ニオール、メントールなどはゴキブリに対し忌避性を示
すとの報告がある(特開昭53−86021号公報、及
び稲塚新一:日本農薬学会誌,7(2),145(19
82)参照)。一方、近年、蚊、ゴキブリ等の衛生害虫
に対する忌避剤として、DEET(N,N−ジエチル−
m−トルアミド)が市販されており、広く利用されてい
る。
Tは、効力的には対象害虫種が限られ、残効性が短い
等、必ずしも満足し得るものではなく、また、安全面で
の疑惑がもたれるようになっている。そこで、自然界に
広く分布している前記したような生理活性天然物に注目
が注がれている。これら生理活性天然物が忌避物質とし
ての確立が期待される条件としては、望ましくは(1)
適用箇所に制限がないこと、(2)人畜に対して毒性が
極めて低いこと、(3)有効期間が長いこと、及び
(4)少量で効果があること等である。
で、種々の衛生害虫及び不快害虫に対してDEETと同
等もしくはそれ以上の高い活性の忌避効果あるいはさら
に駆除効果を有する生理活性化合物を見い出すことにあ
る。さらに本発明の目的は、忌避効果の持続性の維持と
低濃度での活性保持を兼ね備えた害虫忌避剤を提供する
ことにある。
生理活性化合物について鋭意研究した結果、下記一般式
(A)
トラールからなる群から選ばれたモノテルペニルアルデ
ヒドのアルデヒド基を除いた残基であるモノテルペニル
基、R2及びR3は共にメチル基、エチル基又はプロピル
基である。)で表されるアミド化合物が、DEET以上
の高い活性と幅広い種々の害虫に対する忌避効果及び駆
除効果とを有し、かつ残効性が高いこと、さらに、人体
に塗布した場合に皮膚への浸透性が低く、持続効果の高
いことを見い出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。すなわち、本発明によれば、上記一般式(A)のア
ミド化合物を有効成分として含有することを特徴とする
害虫忌避剤が提供される。上記一般式(A)において、
特にR2及びR3が共にメチル基、エチル基又はプロピル
基であるアミド化合物が低濃度においても害虫忌避効果
及び駆除効果に優れ、活性持続効果が高いので有利であ
る。
の持続性との関係については、テルペノイドのうち、蚊
やゴキブリに忌避性を示すものとしてはメントール、リ
ナロール、ペリラアルデヒドなどのテルペンアルコール
あるいはアルデヒド体があり、今回これらの化合物から
アミド基を持つ化合物に変換することにより、活性及び
持続性をより高くすることができた。しかし、テルペニ
ルアミド化合物の中でも忌避活性及び駆除活性並びにそ
れらの持続性にはそれぞれのテルペン骨格の相違により
強弱が認められた。すなわち、実際に人間の皮膚に塗布
して行う二次スクリーニング試験で優れた活性及び持続
性を示したのはリモネン骨格を基本とする化合物であっ
た。また、DEETと本発明の化合物において構造的に
共通な部位としてはアミド基とエチル基を有しているこ
とであり、この類似化合物であるN,N−ジエチルジア
ミドやN,N−ジエチル[2−(プロポキシカルボニ
ル)エチル]カルボキシアミドなども同様に高い忌避活
性を示すことから、この共通の構造部位が忌避性及び駆
除性に深い関わりを持っているものと考えられる。
虫としては、例えば蚊、蠅、ゴキブリ、ダニなどを挙げ
ることができ、本発明のアミド化合物を有効成分として
適当な担体に含有せしめることにより、害虫忌避剤とし
て用いることができる。また、本発明のアミド化合物
は、所望により塗膜形成剤、保湿剤、pH調整剤、防錆
剤、乳化剤、分散剤、展着剤、安定剤、溶剤、酸化防止
剤、噴射剤、揮散調整剤などを添加して、油剤、乳剤、
水和剤、噴霧剤、エアゾール剤、燻煙剤、塗布剤、電気
蒸散剤、粉剤、粒剤などの形態で使用することができ
る。
ド化合物の合成方法及び各種効力試験を示して本発明に
ついてさらに具体的に説明する。合成方法:まず、本発
明に係るアミド化合物の一般的な合成方法について概説
すると、出発物質であるモノテルペニルアルデヒドから
調製したモノテルペニルニトリル類を加水分解してカル
ボン酸を合成し、これをクロリド化によって酸クロリド
を誘導する。次いで、この酸クロリドとアルキルアミン
またはジアルキルアミンとの縮合反応によって目的とす
るモノテルペニルアミド化合物を合成する。なお、本発
明に係るアミド化合物は、上記反応経路に従って合成さ
れたものに限らず、他の可能な反応経路により合成され
たものも本発明の範囲内にあり、また反応条件なども当
業者であれば試験を行うことによって適宜適切な条件を
設定できる。
合成の全体的な反応経路図を図1に示す。 (1)下記一般式(1)で示されるミルテニルアミド
アミド
アミド
ニトリル類[1b](−)−6,6−ジメチルビシクロ
[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−カルボニトリル
(略称ミルテニルニトリル)、[2b](−)−4−イ
ソプロペニル−1−シクロヘキセン−1−カルボニトリ
ル(略称ペリラニトリル)、及び[3b]3,7−ジメ
チル−2,6−オクタジエンニトリル(略称シトラニト
リル)は、それぞれ対応するアルデヒド体[1a]ミル
テナール、[2a]ペリラアルデヒド、及び[3a]シ
トラールをジメチルヒドラジンとヨウ化メチルとのβ−
脱離反応によりニトリル化し、加水分解することによっ
て容易に合成できる。このようにして得られた3種類の
テルペニルニトリル類[1b]〜[3b]をKOH−メ
タノール溶液を用いて加水分解を行い、それぞれ対応す
るカルボン酸[1c](−)−6,6−ジメチルビシク
ロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸、
[2c](−)−4−イソプロペニル−1−シクロヘキ
セン−1−カルボン酸、及び[3c]3,7−ジメチル
−2,6−オクタジエン酸へ誘導する。合成したそれぞ
れのカルボン酸を塩化チオニルによりクロリド化を行
い、反応性に富む酸クロリド体とした後、それぞれのア
ルキルアミン又はジアルキルアミン類(R=−CH3,
−C2H5,−C3H7)との縮合反応を行い、それぞれ対
応する縮合生成物A〜Iへ導いた。これら生成物の化学
構造については、IR及び1H−NMRスペクトルを測
定し、得られたそれぞれの特徴あるスペクトルデータか
ら確認した。なお、図1に示すR1基[1]〜[3]は
前記したアミド化合物(1)〜(3)に対応しており、
本明細書中で言うテルペニル基(出発物質であるテルペ
ニルアルデヒドからアルデヒド基を除いた残基を意味す
る)を示している。
示す。 モノテルペニルニトリル[1b]〜[3b]の合成: [1b](−)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.
1]ヘプト−2−エン−2−カルボニトリルの合成: ミルテナール0.2モルとN,N−ジメチルヒドラジン
0.2モルの混合物を乾燥ベンゼン300mLに溶解し
た後、理論量の水が得られるまで加熱還流した。反応液
を冷却後、ヨウ化メチル0.2モルを加え、4時間加熱
還流した。次いで、0.1M NaOH−メタノール溶
液を200mL加えて加水分解を行った。反応終了後、
常法のとおり操作し、減圧蒸留して(−)−6,6−ジ
メチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−
カルボニトリルを収率70%で得た。生成物の構造は、
赤外吸収スペクトル(日本分光工業製、IR−810型
使用)、核磁気共鳴スペクトル(日本電子工業製、JN
M−MH−100使用)により確認し、また、化合物の
純度については、ガスクロマトグラフィー(Yanac
o株式会社製、G−3800,OV−17,ガラスカラ
ムφ3mm×2.5m)によって測定した(以下の生成
物についても同様)。その結果、得られた化合物の沸点
は72〜76℃/5mmHg、屈折率nD 20=1.43
91、密度d4 20=0.9889、比旋光度[α]W 20=
−47°(原液)であった。なお、屈折率及び比旋光度
はそれぞれ(株)アタゴ製アッベ屈折計2T型及び
(株)アタゴ製AA−5型旋光度計を用いて測定した。
−シクロヘキセン−1−カルボニトリルの合成: ペリラアルデヒドを用いる以外は上記[1b]のニトリ
ル化反応と同じ操作により、(−)−4−イソプロペニ
ル−1−シクロヘキセン−1−カルボニトリルを収率6
2%で得た。得られた化合物の沸点は85〜93℃/7
mmHg、屈折nD 20=1.4940、密度d4 20=0.
9724、比旋光度[α]W 20=−89°(原液)であ
った。
タジエンニトリルの合成: シトラールを用いる以外は上記[1b]のニトリル化反
応と同じ操作により、3,7−ジメチル−2,6−オク
タジエンニトリルを収率80%で得た。得られた化合物
の沸点は69〜71℃/5mmHg、屈折率nD 20=
1.4753、密度d4 20=0.8530であった。
c]の合成: [1c](−)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.
1]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成: 攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300mLの四
つ口フラスコに前記[1b]の(−)−6,6−ジメチ
ルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−カル
ボニトリル0.066モルとメタノール70mLの混合
溶液をとり、0.4M KOH−メタノール溶液100
mLを加えた後、20時間加熱還流した。反応終了後、
常法通り操作し、次いで減圧下に蒸留し、(−)−6,
6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン
−2−カルボン酸を収率74%で得た。得られた化合物
の融点は45〜46℃、比旋光度[α]W 20=−31.
2°(溶液濃度c=1g/1mLエタノール)であった
−シクロヘキセン−1−カルボン酸の合成: (−)−4−イソプロペニル−1−シクロヘキセン−1
−カルボニトリルから上記[1c]の加水分解反応と同
じ操作により、(−)−4−イソプロペニル−1−シク
ロヘキセン−1−カルボン酸を収率76%で得た。得ら
れた化合物の融点は118〜119℃、比旋光度[α]
W 20=−80.6°(溶液濃度c=1g/1mLエタノ
ール)であった。
タジエン酸の合成: 3,7−ジメチル−2,6−オクタジエンニトリルから
上記[1c]の加水分解反応と同じ操作により、3,7
−ジメチル−2,6−オクタジエン酸を収率56%で得
た。得られた化合物の沸点は60〜61℃/3mmH
g、屈折率nD 20=1.4753、密度d4 20=0.97
03であった。
成: ミルテニルアミドの合成: (1)化合物A: 攪拌機、塩化カルシウム管及び滴下漏斗を備えた50m
Lの四つ口フラスコに(−)−6,6−ジメチルビシク
ロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸
0.006モルとHPMA(ヘキサメチルホスホル(ト
ル)アミド(アミド系溶媒)0.3mLをとり、内温−
20℃以下で塩化チオニルを0.86g(0.007モ
ル)滴下後、0.5時間攪拌した。次いで、減圧下、塩
化チオニルを留去し、33%ジメチルアミン水溶液1.
0mLを滴下した後、室温で1.5時間攪拌した。反応
終了後、常法の通り操作し、得られた粗反応油を減圧下
に蒸留して(−)−N,N−ジメチル−6,6−ジメチ
ルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−カル
ボキサミドを83%の収率で得た。
mLを用いる以外は上記(1)の縮合反応と同じ操作に
より、(−)−N,N−ジエチル−6,6−ジメチルビ
シクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−カルボキ
サミドを81%の収率で得た。 (3)化合物C: ジメチルアミンに代えてジプロピルアミン及びトリエチ
ルアミン1mLを用いる以外は上記(1)の縮合反応と
同じ操作により、(−)−N,N−ジプロピル−6,6
−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−
2−カルボキサミドを78%の収率で得た。
ト−2−エン−2−カルボン酸に代えて、出発物質とし
て(−)−4−イソプロペニル−1−シクロヘキセン−
1−カルボン酸を用いる以外は前記(1),(2)及び
(3)の縮合反応と同じ操作により、それぞれ対応する
N,N−ジメチルアミド化合物D、N,N−ジエチルア
ミド化合物E及びN,N−ジプロピルアミド化合物Fを
得た。
ト−2−エン−2−カルボン酸に代えて、出発物質とし
て3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン酸を用いる
以外は前記(1),(2)及び(3)の縮合反応と同じ
操作により、それぞれ対応するN,N−ジメチルアミド
化合物G、N,N−ジエチルアミド化合物H及びN,N
−ジプロピルアミド化合物Iを得た。
ペニルアミド化合物の物理定数及び収率を表1に、また
スペクトルデータを表2に示す。
25〜1650cm-1付近でのカルボニルの吸収、1H
−NMRスペクトルでは三置換オレフィンプロトン、第
三アミドに由来するメチレン、メチルプロトン、アリル
メチル及びgem−CH3などの特徴ある吸収により構
造を確認した。
剤型への調剤例についての数例を示す。
ついて忌避効果及び駆除効果について各種の効力試験を
行ったので、以下に示す。
ラアミドのN,N−ジメチルアミド化合物D、N,N−
ジエチルアミド化合物E及びN,N−ジプロピルアミド
化合物F)の忌避効果を試験した。また、比較のために
ペリラアルデヒド及びDEETについても試験した。試
験方法は次の通りである。 試験方法: 図2に示す30cm×40cm×高さ30cmの金網ケ
ージ1にヒトスジシマカ雌成虫約300匹を放ち、その
中に供試剤3を所定量塗布した被験者の腕2をスリーブ
4を通して差し入れ、経時的に3分間当たりの刺咬数
(匹)をカウントした。薬剤処理量は2g/m2とし、
薬剤塗布は被験者の1本の腕に5×5cmの区域2カ所
にエタノールで希釈した薬液(2.5%W/V)を1カ
所につき0.2mL塗布した。1回の試験は4人の被験
者で行った。一人の被験者につき2本の腕4カ所に塗布
された薬剤処理区域のうち、供試虫による刺咬が激しく
認められた処理区域については、その時点で試験継続を
打ち切った。
平均)を下記表3に示す。
モノテルペニルアミド化合物(ペリラアミド)は、その
出発物質であるペリラアルデヒドに比べて極めて高い忌
避活性を有し、また、DEETと比較しても忌避剤とし
ての活性及び持続性に優れていることがわかる。また、
本発明のモノテルペニルアミド化合物の中でも、アミド
基の修飾基がジプロピル基に比べてジメチル基及びジエ
チル基の方が忌避活性に優れていることがわかる。
ド),E(ペリラアミド)及びH(シトラアミド)(い
ずれもN,N−ジエチルアミド化合物)の忌避効果を試
験した。また、比較のためにDEETについても試験し
た。なお、試験方法は前記試験例1と同様に行った。
モノテルペニルアミド化合物は、DEETと比較して忌
避剤としての活性及び持続性に極めて優れていることが
わかる。
E(ペリラアミド)及びH(シトラアミド)(いずれも
N,N−ジエチルアミド化合物)の忌避効果を試験し
た。また、比較のためにDEETについても試験した。 試験方法: 各供試剤を薬剤処理量が0.1,0.5,2.0g/m
2となるように所定濃度に希釈したアセトン溶液(0.
039,0.192,0.77%W/V)をろ紙(東洋
ろ紙5A,7cmφ)に1mL塗布し、1時間風乾し
た。その後、図3に示すように、成虫飼育ケージ5(3
0×30×40cmのステンレス製16メッシュ編みカ
ゴ)に供試虫約600匹を入れ、その中に各供試剤処理
ろ紙6及び無処理のろ紙7を吊した。ろ紙を吊してから
10分後に各ろ紙に止まっている供試虫の個体数を数
え、次式により忌避率を求めた。
モノテルペニルアミド化合物は、DEETと比較してイ
エバエに対する忌避剤としての活性に優れており、低濃
度においても忌避効果が優れていることがわかる。
ミド),E(ペリラアミド)及びH(シトラアミド)
(いずれもN,N−ジエチルアミド化合物)の忌避効果
を試験した。また、比較のためにDEETについても試
験した。 試験方法: 図4に示すように、20×20cmのアクリルボックス
8内に、チャバネゴキブリ雄雌各10匹と共にベニヤ板
を十字に組んだシェルター9(1×2cm)、餌(固型
飼料)を入れた容器10及び水を入れた容器11を配置
して1日おいたものを準備し、図に示すようにアクリル
ボックス内の一隅に所定量供試剤を塗布した7×7cm
のろ紙12(処理区)を、別の一隅に無処理のろ紙13
(無処理区)を設置した。
ように所定濃度に希釈したアセトン溶液(1.23%W
/V)2mLを直径12.5cmの東洋ろ紙No.5A
に塗布し、1時間風乾し7×7cmに切ったものを用い
た。その後、処理区及び無処理区の両ろ紙上に置いた木
製シェルターに止まっている供試虫の個体数を経時的に
数えた。シェルターに止まっている個体は毎日振り落と
し、処理区と無処理区の位置を入れ換えた。繰り返しは
3回行い、各区の平均個体数を求め、次式により忌避率
を求めた。餌場、水場にいる個体数は計算から除外し
た。
モノテルペニルアミド化合物は、DEETと比較してチ
ャバネゴキブリに対する忌避剤としての活性及び持続性
に優れていることがわかる。
ミド),E(ペリラアミド)及びH(シトラアミド)
(いずれもN,N−ジエチルアミド化合物)の殺虫効果
を試験した。また、比較のためにDEETについても試
験した。 試験方法:ガラス板強制接触法 供試剤を薬剤処理量が2g/m2になるように所定濃度
に希釈したアセトン溶液(2%W/V)1mLを塗布・
風乾した10×10cmのガラス板を用いた。別に、内
壁にワセリンを塗り、チャバネゴキブリ雌成虫を10匹
入れた直径9cmの腰高シャーレを用意した。腰高シャ
ーレを逆さに伏せて供試虫をガラス板に24時間強制的
に接触させた後、死亡虫数を観察した。繰り返しは3回
実施した。
はチャバネゴキブリに対して殺虫活性を有さないのに対
し、本発明のモノテルペニルアミド化合物はチャバネゴ
キブリに対する殺虫剤としての活性に優れていることが
わかる。
物B(ミルテニルアミド),E(ペリラアミド)及びH
(シトラアミド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化
合物)の殺ダニ効果を試験した。また、比較のためにD
EETについても試験した。 試験方法:クリップ法 各供試剤を薬剤処理量が1g/m2となるよう所定濃度
に希釈したアセトン溶液(0.67%W/V)2mLを
直径12.5cmの東洋ろ紙No.5Aに塗布し1時間
風乾後二つ折りにし、その内側へ供試ダニを入れてクリ
ップにて封じた。24時間後にクリップを開き、死亡率
を調査し、次式により補正死亡率を算出した(3反
復)。
する。)
に比べて本発明のモノテルペニルアミド化合物はケナガ
コナダニ及びコナヒョウヒダニに対する殺ダニ剤として
の活性に極めて優れていることがわかる。
物B(ミルテニルアミド),E(ペリラアミド)及びH
(シトラアミド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化
合物)の増殖抑制効果を試験した。また、比較のために
DEETについても試験した。 試験方法:培地混入法 粉末飼料100gに対し各供試剤のアセトン溶液(0.
1%W/V)10mLを加え、アセトンを蒸散しながら
混合して薬剤濃度が100ppmとなるようにした。こ
れを順次粉末飼料にて2倍に希釈し、各々50,25,
12.5,6.25ppmとなるように調整した。これ
らの処理粉末中にダニを300匹/gとなるように投入
し、至適条件下(ケナガコナダニでは湿度85%、コナ
ヒョウヒダニでは湿度75%、温度はいずれも27℃)
に保存し、所定日数(ケナガコナダニでは4週間、コナ
ヒョウヒダニでは6週間)経過後、培地中の生ダニ数を
調査し、下記式により増殖抑制率を算出した。各濃度段
階における増殖抑制率の結果から90%増殖抑制濃度
(IC90)を算出した。
明のモノテルペニルアミド化合物はケナガコナダニ及び
コナヒョウヒダニに対する殺ダニ剤としての活性及び持
続性に極めて優れていることがわかる。
物B(ミルテニルアミド),E(ペリラアミド)及びH
(シトラアミド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化
合物)のダニ忌避効果を試験した。また、比較のために
DEETについても試験した。 試験方法: ダニ密度が10,000匹/gの培地を直径7cmのシ
ャーレに1gとり、ダニが安定するまで3時間置いた。
一方、各供試剤を薬剤処理量が1g/m2となるよう所
定濃度に希釈したアセトン溶液(0.67%W/V)2
mLを直径12.5cmの東洋ろ紙No.5Aに塗布し
て1時間風乾し、4×4cmに切ったものを上記培地上
に置き、その上に2.5×2.5cmに切った黒紙をの
せて24時間後に這い上ったダニ数を数えた。また、各
供試剤を塗布しないろ紙を用いた無処理区も設け、下記
式により忌避率を算出した。
Tに比べて本発明のモノテルペニルアミド化合物はケナ
ガコナダニ及びコナヒョウヒダニに対するダニ忌避剤と
しての活性に優れていることがわかる。
合物E(ペリラアミド)の処理量が5g/m2となるよ
うに、食堂(約6畳)の2部屋を用い、1部屋は床面に
処理し、もう1部屋は無処理区として、経時的なゴキブ
リの生息状況を調べた。その結果を下記表11に示す。
はゴキブリの生息密度の低下が顕著であった。
り有効成分(化合物E−ペリラアミド)の量が0.1m
gになるように処理し、もう1本の腕は無処理の状態で
3時間屋外で過した後の蚊等の吸血・刺咬性害虫による
刺咬数を調べた。被験者は5人で実施した。その結果を
下記表12に示す。
の化合物は吸血阻止効果が高く、実用性が十分に認めら
れた。
ータルリリースエアゾール剤で1本処理し、もう1部屋
は無処理区とし、経時的なゴキブリの生息状況を調べ
た。その結果を下記表13に示す。
はゴキブリの生息密度の低下が長期間にわたって顕著で
あった。
アミド化合物は、幅広い種々の害虫に対して従来市販さ
れているDEET以上の高い忌避活性、殺虫活性及び殺
ダニ活性を有し、かつ、残効性が高い。さらに、皮膚へ
の浸透性が低く、従ってDEETより安全性においても
有利であると考えられる。したがって、本発明に係るテ
ルペニルアミド化合物を害虫忌避剤の有効成分として用
いることにより、蚊、蠅、ゴキブリ、ダニ等の幅広い種
々の害虫に対して優れた忌避効果を発揮する。
全体的な反応経路図である。
て示す概略構成図である。
概略構成図である。
置の概略平面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(A) 【化1】 (式中、R1はミルテナール、ペリラアルデヒド及びシ
トラールからなる群から選ばれたモノテルペニルアルデ
ヒドのアルデヒド基を除いた残基であるモノテルペニル
基、R2及びR3は共にメチル基、エチル基又はプロピル
基である。)で表されるアミド化合物を有効成分として
含有することを特徴とする害虫忌避剤。
Priority Applications (1)
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JP28812292A JP3209585B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | アミド化合物を有効成分として含有する害虫忌避剤 |
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