JP3209563B2 - アミド化合物並びにそれを用いた害虫忌避剤 - Google Patents
アミド化合物並びにそれを用いた害虫忌避剤Info
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Description
効果及び駆除効果に優れる新規なアミド化合物、特に天
然物由来のテルペニル基を有するアミド化合物、並びに
それらを含有する害虫忌避剤に関する。
利用する試みは古くから続けられており、数多くの天然
物が利用されてきた。最近では、生物の生活と植物の精
油との関わりが知られるようになってきており、植物の
成分中に含まれている種々のテルペノイドが、ある特定
の昆虫に対し忌避性を示すことが明らかにされつつあ
る。例えば、モノテルペノイドであるメントール、シト
ロネラールは蚊に対し忌避性を示し、リナロール、ゲラ
ニオール、メントールなどはゴキブリに対し忌避性を示
すとの報告がある(特開昭53−86021号公報、及
び稲塚新一:日本農薬学会誌,7(2),145(19
82)参照)。一方、近年、蚊、ゴキブリ等の衛生害虫
に対する忌避剤として、DEET(N,N−ジエチル−
m−トルアミド)が市販されており、広く利用されてい
る。
Tは、効力的には対象害虫種が限られ、残効性が短い
等、必ずしも満足し得るものではなく、また、安全面で
の疑惑がもたれるようになっている。そこで、自然界に
広く分布している前記したような生理活性天然物に注目
が注がれている。これら生理活性天然物が忌避物質とし
ての確立が期待される条件としては、望ましくは(1)
適用箇所に制限がないこと、(2)人畜に対して毒性が
極めて低いこと、(3)有効期間が長いこと、及び
(4)少量で効果があること等である。
で、種々の衛生害虫及び不快害虫に対してDEETと同
等もしくはそれ以上の高い活性の忌避効果あるいはさら
に駆除効果を有する生理活性化合物を見い出すことにあ
る。さらに本発明の目的は、忌避効果の持続性の維持と
低濃度での活性保持を兼ね備えた害虫忌避剤を提供する
ことにある。
に、本発明によれば、下記一般式(A)
ンフォレン・アルデヒド及びβ−カンフォレン・アルデ
ヒドからなる群から選ばれたモノテルペニルアルデヒド
のアルデヒド基を除いた残基であるモノテルペニル基、
R 2 及びR 3 は共にメチル基、エチル基又はプロピル基で
ある。)で表されるアミド化合物が提供される。
−アール、α−カンフォレン・アルデヒド及びβ−カン
フォレン・アルデヒドからなる群から選ばれたモノテル
ペニルアルデヒドのアルデヒド基を除いた残基であるモ
ノテルペニル基、 R 2 及びR 3 は共にメチル基、エチル基
又はプロピル基である。)で表されるアミド化合物を有
効成分として含有することを特徴とする害虫忌避剤が提
供される。
ついて鋭意研究した結果、上記一般式(A)で表される
アミド化合物が、DEET以上の高い活性と幅広い種々
の害虫に対する忌避効果及び駆除効果とを有し、かつ残
効性が高いこと、さらに、人体に塗布した場合に皮膚へ
の浸透性が低く、持続効果の高いことを見い出し、本発
明を完成するに至ったものである。上記一般式(A)に
おいて、特にR2及びR3 が共にメチル基、エチル基又
はプロピル基であるアミド化合物が低濃度においても害
虫忌避効果及び駆除効果に優れ、活性持続効果が高いの
で有利である。
の持続性との関係については、テルペノイドのうち、蚊
やゴキブリに忌避性を示すものとしてはメントール、シ
トロネラール、リナロールなどのテルペンアルコールあ
るいはアルデヒド体があり、今回これらの化合物からア
ミド基を持つ化合物に変換することにより、活性及び持
続性をより高くすることができた。しかし、テルペニル
アミド化合物の中でも忌避活性及び駆除活性並びにそれ
らの持続性にはそれぞれのテルペン骨格の相違により強
弱が認められた。すなわち、実際に人間の皮膚に塗布し
て行う二次スクリーニング試験で優れた活性及び持続性
を示したのはリモネン骨格を基本とする化合物であっ
た。また、DEETと本発明の化合物において構造的に
共通な部位としてはアミド基とエチル基を有しているこ
とであり、この類似化合物であるN,N−ジエチルジア
ミドやN,N−ジエチル[2−(プロポキシカルボニ
ル)エチル]カルボキシアミドなども同様に高い忌避活
性を示すことから、この共通の構造部位が忌避性及び駆
除性に深い関わりを持っているものと考えられる。
虫としては、例えば蚊、蠅、ゴキブリ、ダニなどを挙げ
ることができ、本発明のアミド化合物を有効成分として
適当な担体に含有せしめることにより、害虫忌避剤や、
殺虫剤、殺ダニ剤等の害虫駆除剤として用いることがで
きる。また、本発明のアミド化合物は、所望により塗膜
形成剤、保湿剤、pH調整剤、防錆剤、乳化剤、分散
剤、展着剤、安定剤、溶剤、酸化防止剤、噴射剤、揮散
調整剤などを添加して、油剤、乳剤、水和剤、噴霧剤、
エアゾール剤、燻煙剤、塗布剤、電気蒸散剤、粉剤、粒
剤などの形態で使用することができる。
び各種効力試験を示して本発明についてさらに具体的に
説明する。合成方法:まず、本発明に係るアミド化合物
の一般的な合成方法について概説すると、出発物質であ
るモノテルペニルアルデヒドあるいはカンファーオキシ
ムから調製したモノテルペニルニトリル類を加水分解し
てカルボン酸を合成し、これをクロリド化によって酸ク
ロリドを誘導する。次いで、この酸クロリドとアルキル
アミンまたはジアルキルアミンとの縮合反応によって目
的とするモノテルペニルアミド化合物を合成する。な
お、本発明に係るアミド化合物は、上記反応経路に従っ
て合成されたものに限らず、他の可能な反応経路により
合成されたものも本発明の範囲内にあり、また反応条件
なども当業者であれば試験を行うことによって適宜適切
な条件を設定できる。
合成の全体的な反応経路図を図1に示す。 (1)下記一般式(1)で示されるシトロネリルアミド
−メンテン−9−アミド
ンフォレンアミド
ンフォレンアミド
ニトリル類[1b](−)−3,7−ジメチル−2−オ
クテンニトリル(略称シトロネリルニトリル)及び[2
b](+)−1−p−メンテン−9−ニトリルは、それ
ぞれ対応するアルデヒド体[1a]シトロネラール及び
[2a]1−p−メンテン−9−アールをジメチルヒド
ラジンとヨウ化メチルとのβ−脱離反応によりニトリル
化し、加水分解することによって容易に合成できる。一
方、[3b]α−カンフォレンニトリル及び[4b]β
−カンフォレンニトリルは、d−カンファーをピリジン
中ヒドロキシルアミンと反応させて得られるカンファー
オキシムをそれぞれ25%硫酸(または蟻酸)、濃塩酸
で処理して容易に合成できる。
ルニトリル類[1b]〜[4b]をKOH−メタノール
溶液を用いて加水分解を行い、それぞれ対応するカルボ
ン酸[1c](+)−3,7−ジメチル−2−オクテン
酸、[2c](+)−1−p−メンテン−9−イル=酢
酸、[3c](+)−α−カンフォレン酸及び[4c]
β−カンフォレン酸へ誘導する。合成したそれぞれのカ
ルボン酸を塩化チオニルによりクロリド化を行い、反応
性に富む酸クロリド体とした後、それぞれのアルキルア
ミン又はジアルキルアミン類(R=−CH3,−C
2H5,−C3H7)との縮合反応を行い、それぞれ対応す
る縮合生成物A〜Lへ導いた。これら生成物の化学構造
については、IR及び1H−NMRスペクトルを測定
し、得られたそれぞれの特徴あるスペクトルデータから
確認した。なお、図1に示すR1基[1]〜[4]は前
記したアミド化合物(1)〜(4)に対応しており、本
明細書中で言うテルペニル基(出発物質であるテルペニ
ルアルデヒドからアルデヒド基を除いた残基を意味す
る)を示している。
示す。 モノテルペニルニトリル[1b]〜[4b]の合成: [1b](−)−3,7−ジメチル−2−オクテンニト
リルの合成: シトロネラール0.2モルとN,N−ジメチルヒドラジ
ン0.2モルの混合物を乾燥ベンゼン300mLに溶解
した後、理論量の水が得られるまで加熱還流した。反応
液を冷却後、ヨウ化メチル0.2モルを加え、4時間加
熱還流した。次いで、0.1M NaOH−メタノール
溶液を200mL加えて加水分解を行った。反応終了
後、常法のとおり操作し、減圧蒸留して(−)−3,7
−ジメチル−2−オクテンニトリルを収率80%で得
た。生成物の構造は、赤外吸収スペクトル(日本分光工
業製、IR−810型使用)、核磁気共鳴スペクトル
(日本電子工業製、JNM−MH−100使用)により
確認し、また、化合物の純度については、ガスクロマト
グラフィー(Yanaco株式会社製、G−3800,
OV−17,ガラスカラムφ3mm×2.5m)によっ
て測定した(以下の生成物についても同様)。その結
果、沸点は60〜63℃/5mmHg、屈折率nD 20=
1.4490、密度d4 20=0.8560、比旋光度
[α]W 20=−7.7°(原液)であった。なお、屈折
率及び比旋光度はそれぞれ(株)アタゴ製アッベ屈折計
2T型及び(株)アタゴ製AA−5型旋光度計を用いて
測定した。
ニトリルの合成: 1−p−メンテン−9−アールを用いる以外は上記[1
b]のニトリル化反応と同じ操作により、(+)−1−
p−メンテン−9−ニトリルを収率71%で得た。得ら
れた化合物の沸点は116〜118℃/10mmHg、
屈折率nD 20=1.5021、密度d4 20=1.012
4、比旋光度[α]W 20=+108.6°(原液)であ
った。
ルの合成: (+)−カンファー100gに1M NaOH−エタノ
ール溶液1000mL中ヒドロキシルアミン塩酸塩20
0gを100℃で24時間反応させて(+)−カンファ
ーオキシムを収率92%で得、次いでこれを、25%硫
酸300mLを用いて100℃で30分処理してα−カ
ンフォレンニトリルを収率95%で得た。得られた化合
物の沸点は51〜52℃/1mmHg、屈折率nD 20 =
1.4674、密度d4 20=0.8552、比旋光度
[α]W 20=+4.8°(原液)であった。
成: 25%硫酸に代えて濃塩酸200mLを用いる以外は上
記[3b]のオキシム化反応及びニトリル化反応と同じ
操作により、β−カンフォレンニトリルを収率85%で
得た。得られた化合物の沸点は80〜82℃/5mmH
g、屈折率nD 20=1.4672、密度d4 20=0.82
11であった。
c]の合成: [1c](+)−3,7−ジメチル−2−オクテン酸の
合成: 攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300mLの四
つ口フラスコに前記[1b]の(−)−3,7−ジメチ
ル−2−オクテンニトリル10g(0.066モル)と
メタノール70mLの混合溶液をとり、0.4M KO
H−メタノール溶液100mLを加えた後、20時間加
熱還流した。反応終了後、常法通り操作し、次いで減圧
下に蒸留し、(+)−3,7−ジメチル−2−オクテン
酸を収率89%で得た。得られた化合物の沸点は91〜
92℃/2mmHg、屈折率nD 20=1.4651、密
度d4 20=0.9308、比旋光度[α]W 20=+5.5
°(原液)であった。
イル=酢酸の合成: (+)−1−p−メンテン−9−ニトリルから上記[1
c]の加水分解反応と同じ操作により、(+)−1−p
−メンテン−9−イル=酢酸を収率78%で得た。得ら
れた化合物の沸点は81〜83℃/4mmHg、屈折率
nD 20=1.4814、密度d4 20=0.9164、比旋
光度[α]W 20=+86°(原液)であった。
成: (+)−α−カンフォレンニトリルから上記[1c]の
加水分解反応と同じ操作により、(+)−α−カンフォ
レン酸を収率80%で得た。得られた化合物の沸点は9
6℃/3mmHg、屈折率nD 20=1.4701、密度
d4 20=0.8980、比旋光度[α]W 20=+10.0
°(原液)であった。
反応と同じ操作により、β−カンフォレン酸を収率82
%で得た。得られた化合物の沸点は160℃/11mm
Hg、屈折率nD 20=1.4712、密度d4 20=1.0
156であった。
成: シトロネリルアミドの合成: (1)化合物A: 攪拌機、塩化カルシウム管及び滴下漏斗を備えた50m
Lの四つ口フラスコに(+)−3,7−ジメチル−2−
オクテン酸1.0g(0.006モル)とHPMA(ヘ
キサメチルホスホル(トル)アミド(アミド系溶媒)
0.3mLをとり、内温−20℃以下で塩化チオニルを
0.86g(0.007モル)滴下後、0.5時間攪拌
した。次いで、減圧下、塩化チオニルを留去し、33%
ジメチルアミン水溶液1.0mLを滴下した後、室温で
1.5時間攪拌した。反応終了後、常法の通り操作し、
得られた粗反応油を減圧下に蒸留して(−)−N,N−
ジメチル−3,7−ジメチル−6−オクタエンアミドを
63%の収率で得た。
mLを用いる以外は上記(1)の縮合反応と同じ操作に
より、(−)−N,N−ジエチル−3,7−ジメチル−
6−オクタエンアミドを72%の収率で得た。 (3)化合物C: ジメチルアミンに代えてジプロピルアミン及びトリエチ
ルアミン1mLを用いる以外は上記(1)の縮合反応と
同じ操作により、(−)−N,N−ジプロピル−3,7
−ジメチル−6−オクタエンアミドを85%の収率で得
た。
出発物質として(+)−1−p−メンテン−9−イル=
酢酸を用いる以外は前記(1),(2)及び(3)の縮
合反応と同じ操作により、それぞれ対応するN,N−ジ
メチルアミド化合物D、N,N−ジエチルアミド化合物
E及びN,N−ジプロピルアミド化合物Fを得た。
出発物質として(+)−α−カンフォレン酸を用いる以
外は前記(1),(2)及び(3)の縮合反応と同じ操
作により、それぞれ対応するN,N−ジメチルアミド化
合物G、N,N−ジエチルアミド化合物H及びN,N−
ジプロピルアミド化合物Iを得た。
出発物質としてβ−カンフォレン酸を用いる以外は前記
(1),(2)及び(3)の縮合反応と同じ操作によ
り、それぞれ対応するN,N−ジメチルアミド化合物
J、N,N−ジエチルアミド化合物K及びN,N−ジプ
ロピルアミド化合物Lを得た。
ルペニルアミド化合物の物理定数及び収率を表1に、ま
たスペクトルデータを表2に示す。
25〜1650cm-1付近でのカルボニルの吸収、1H
−NMRスペクトルでは三置換オレフィンプロトン、第
三アミドに由来するメチレン、メチルプロトン、アリル
メチル及びgem−CH3などの特徴ある吸収により構
造を確認した。
型への調剤例についての数例を示す。
ついて忌避効果及び駆除効果について各種の効力試験を
行ったので、以下に示す。 試験例1 ヒトスジシマカに対して前記化合物B(シトロネリルア
ミド),E(1−p−メンテン−9−アミド),H(α
−カンフォレンアミド),及びK(β−カンフォレンア
ミド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化合物)の忌
避効果を試験した。また、比較のためにDEETについ
ても試験した。試験方法は次の通りである。 試験方法: 図2に示す30cm×40cm×高さ30cmの金網ケ
ージ1にヒトスジシマカ雌成虫約300匹を放ち、その
中に供試剤3を所定量塗布した被験者の腕2をスリーブ
4を通して差し入れ、経時的に3分間当たりの刺咬数
(匹)をカウントした。薬剤処理量は2g/m2とし、
薬剤塗布は被験者の1本の腕に5×5cmの区域2カ所
にエタノールで希釈した薬液(2.5%W/V)を1カ
所につき0.2mL塗布した。1回の試験は4人の被験
者で行った。一人の被験者につき2本の腕4カ所に塗布
された薬剤処理区域のうち、供試虫による刺咬が激しく
認められた処理区域については、その時点で試験継続を
打ち切った。
平均)を下記表3に示す。
モノテルペニルアミド化合物は、DEETと比較して忌
避剤としての活性及び持続性に極めて優れていることが
わかる。
ド),E(1−p−メンテン−9−アミド),H(α−
カンフォレンアミド),及びK(β−カンフォレンアミ
ド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化合物)の忌避
効果を試験した。また、比較のためにDEETについて
も試験した。 試験方法: 各供試剤を薬剤処理量が0.1,0.5,2.0g/m
2となるように所定濃度に希釈したアセトン溶液(0.
039,0.192,0.77%W/V)をろ紙(東洋
ろ紙5A,7cmφ)に1mL塗布し、1時間風乾し
た。その後、図3に示すように、成虫飼育ケージ5(3
0×30×40cmのステンレス製16メッシュ編みカ
ゴ)に供試虫約600匹を入れ、その中に各供試剤処理
ろ紙6及び無処理のろ紙7を吊した。ろ紙を吊してから
10分後に各ろ紙に止まっている供試虫の個体数を数
え、次式により忌避率を求めた。
モノテルペニルアミド化合物は、DEETと比較してイ
エバエに対する忌避剤としての活性に優れており、低濃
度においても忌避効果が優れていることがわかる。
アミド),E(1−p−メンテン−9−アミド),H
(α−カンフォレンアミド),及びK(β−カンフォレ
ンアミド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化合物)
の忌避効果を試験した。また、比較のためにDEETに
ついても試験した。 試験方法: 図4に示すように、20×20cmのアクリルボックス
8内に、チャバネゴキブリ雄雌各10匹と共にベニヤ板
を十字に組んだシェルター9(1×2cm)、餌(固型
飼料)を入れた容器10及び水を入れた容器11を配置
して1日おいたものを準備し、図に示すようにアクリル
ボックス内の一隅に所定量供試剤を塗布した7×7cm
のろ紙12(処理区)を、別の一隅に無処理のろ紙13
(無処理区)を設置した。
ように所定濃度に希釈したアセトン溶液(1.23%W
/V)2mLを直径12.5cmの東洋ろ紙No.5A
に塗布し、1時間風乾し7×7cmに切ったものを用い
た。その後、処理区及び無処理区の両ろ紙上に置いた木
製シェルターに止まっている供試虫の個体数を経時的に
数えた。シェルターに止まっている個体は毎日振り落と
し、処理区と無処理区の位置を入れ換えた。繰り返しは
3回行い、各区の平均個体数を求め、次式により忌避率
を求めた。餌場、水場にいる個体数は計算から除外し
た。
モノテルペニルアミド化合物は、DEETと比較してチ
ャバネゴキブリに対する忌避剤としての活性及び持続性
に優れていることがわかる。
アミド),E(1−p−メンテン−9−アミド),H
(α−カンフォレンアミド),及びK(β−カンフォレ
ンアミド)(いずれもN,N−ジエチルアミド化合物)
の殺虫効果を試験した。また、比較のためにDEETに
ついても試験した。 試験方法:ガラス板強制接触法 供試剤を薬剤処理量が2g/m2になるように所定濃度
に希釈したアセトン溶液(2%W/V)1mLを塗布・
風乾した10×10cmのガラス板を用いた。別に、内
壁にワセリンを塗り、チャバネゴキブリ雌成虫を10匹
入れた直径9cmの腰高シャーレを用意した。腰高シャ
ーレを逆さに伏せて供試虫をガラス板に24時間強制的
に接触させた後、死亡虫数を観察した。繰り返しは3回
実施した。
はチャバネゴキブリに対して殺虫活性を有さないのに対
し、本発明のモノテルペニルアミド化合物はチャバネゴ
キブリに対する殺虫剤としての活性に優れていることが
わかる。
物B(シトロネリルアミド),E(1−p−メンテン−
9−アミド),H(α−カンフォレンアミド),及びK
(β−カンフォレンアミド)(いずれもN,N−ジエチ
ルアミド化合物)の殺ダニ効果を試験した。また、比較
のためにDEETについても試験した。 試験方法:クリップ法 各供試剤を薬剤処理量が1g/m2となるよう所定濃度
に希釈したアセトン溶液(0.67%W/V)2mLを
直径12.5cmの東洋ろ紙No.5Aに塗布し1時間
風乾後二つ折りにし、その内側へ供試ダニを入れてクリ
ップにて封じた。24時間後にクリップを開き、死亡率
を調査し、次式により補正死亡率を算出した(3反
復)。
する。)
に比べて本発明のモノテルペニルアミド化合物はケナガ
コナダニ及びコナヒョウヒダニに対する殺ダニ剤として
の活性に極めて優れていることがわかる。
物B(シトロネリルアミド),E(1−p−メンテン−
9−アミド),H(α−カンフォレンアミド),及びK
(β−カンフォレンアミド)(いずれもN,N−ジエチ
ルアミド化合物)の増殖抑制効果を試験した。また、比
較のためにDEETについても試験した。試験方法:培
地混入法 粉末飼料100gに対し各供試剤のアセトン溶液(0.
1%W/V)10mLを加え、アセトンを蒸散しながら
混合して薬剤濃度が100ppmとなるようにした。こ
れを順次粉末飼料にて2倍に希釈し、各々50,25,
12.5,6.25ppmとなるように調整した。これ
らの処理粉末中にダニを300匹/gとなるように投入
し、至適条件下(ケナガコナダニでは湿度85%、コナ
ヒョウヒダニでは湿度75%、温度はいずれも27℃)
に保存し、所定日数(ケナガコナダニでは4週間、コナ
ヒョウヒダニでは6週間)経過後、培地中の生ダニ数を
調査し、下記式により増殖抑制率を算出した。各濃度段
階における増殖抑制率の結果から90%増殖抑制濃度
(IC90)を算出した。
明のモノテルペニルアミド化合物はケナガコナダニ及び
コナヒョウヒダニに対する殺ダニ剤としての活性及び持
続性に極めて優れていることがわかる。
物B(シトロネリルアミド),E(1−p−メンテン−
9−アミド),H(α−カンフォレンアミド),及びK
(β−カンフォレンアミド)(いずれもN,N−ジエチ
ルアミド化合物)のダニ忌避効果を試験した。また、比
較のためにDEETについても試験した。 試験方法: ダニ密度が10,000匹/gの培地を直径7cmのシ
ャーレに1gとり、ダニが安定するまで3時間置いた。
一方、各供試剤を薬剤処理量が1g/m2となるよう所
定濃度に希釈したアセトン溶液(0.67%W/V)2
mLを直径12.5cmの東洋ろ紙No.5Aに塗布し
て1時間風乾し、4×4cmに切ったものを上記培地上
に置き、その上に2.5×2.5cmに切った黒紙をの
せて24時間後に這い上ったダニ数を数えた。また、各
供試剤を塗布しないろ紙を用いた無処理区も設け、下記
式により忌避率を算出した。
に比べて本発明のモノテルペニルアミド化合物はケナガ
コナダニ及びコナヒョウヒダニに対するダニ忌避剤とし
ての活性に優れていることがわかる。
アミド化合物は、幅広い種々の害虫に対して従来市販さ
れているDEET以上の高い忌避活性、殺虫活性及び殺
ダニ活性を有し、かつ、残効性が高い。さらに、皮膚へ
の浸透性が低く、従ってDEETより安全性においても
有利であると考えられる。したがって、本発明に係るテ
ルペニルアミド化合物を害虫忌避剤、殺虫剤、殺ダニ剤
等の有効成分として用いることにより、蚊、蠅、ゴキブ
リ、ダニ等の幅広い種々の害虫に対して優れた忌避効果
及び駆除効果を発揮する。
な反応経路図である。
概略構成図である。
概略構成図である。
置の概略平面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(A) 【化1】 (式中、R1 は1−p−メンテン−9−アール、α−カ
ンフォレン・アルデヒド及びβ−カンフォレン・アルデ
ヒドからなる群から選ばれたモノテルペニルアルデヒド
のアルデヒド基を除いた残基であるモノテルペニル基、
R2及びR3は共にメチル基、エチル基又はプロピル基で
ある。)で表されるアミド化合物。 - 【請求項2】 下記一般式(A) 【化2】 (式中、R1はシトロネラール、1−p−メンテン−9
−アール、α−カンフォレン・アルデヒド及びβ−カン
フォレン・アルデヒドからなる群から選ばれたモノテル
ペニルアルデヒドのアルデヒド基を除いた残基であるモ
ノテルペニル基、R2及びR3は共にメチル基、エチル基
又はプロピル基である。)で表されるアミド化合物を有
効成分として含有することを特徴とする害虫忌避剤。
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JP09735592A Expired - Fee Related JP3209563B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | アミド化合物並びにそれを用いた害虫忌避剤 |
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- 1992-03-25 JP JP09735592A patent/JP3209563B2/ja not_active Expired - Fee Related
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