JP3208904U - 鉄筋支持具 - Google Patents

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崇裕 逸木
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Abstract

【課題】従来のスペーサと同様に、所定の間隔で配置して鉄筋の要所を支持し、コンクリート打設時に必要なカブリ厚を維持することができ、汎用性に優れるだけでなく、長尺状に連結して容易に持ち運ぶことができ、搬送性、取扱い性に優れると共に、施工前に現場に運び込まれる鉄筋を仮置きする際に、鉄筋の下に敷いて輪木(枕木)としても使用することができる多様性、多機能性に優れる鉄筋支持具を提供する。【解決手段】複数の設置面3a〜3cと各々の設置面から離間して対向配置され鉄筋を支持する鉄筋支持部4a〜4cとを有する支持具本体2と、支持具本体内側の中央部に配設された支持具補強管2aと、少なくとも支持具本体の内壁と支持具補強管の外壁との間に架設され支持具補強管を固定する支持具補強部8と、支持具補強管の一端部に形成された雄型連結部5と他端部に形成された雌型連結部6と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、各種鉄筋コンクリート構造物を構築する際に施工現場で用いられ、施工前は長尺状に連結し、現場に運び込まれる鉄筋の下に敷いて輪木(枕木)として使用することができ、配筋時には分割し、所定の間隔で配置して鉄筋を支持し、コンクリートのカブリ厚を一定に保つスペーサとして使用することができる鉄筋支持具に関する。
従来、各種鉄筋コンクリート構造物を構築する施工現場においては、現場に運び込まれた鉄筋を仮置きする際に、鉄筋が地面と直接接触して汚れないように、鉄筋と直交させて木製や合成樹脂製の輪木(枕木)を敷いている。
一方、配筋時には、コンクリート打設時のカブリ厚を一定に保つために、鉄筋の要所を支持するコンクリート製や合成樹脂製の各種スペーサ(鉄筋支持具)が用いられている。
例えば(特許文献1)や(特許文献2)等には、1つで異なる2種以上のコンクリートのカブリ厚に対応することが可能なスペーサが開示されている。
特開2014−111860号公報 特開2005−307513号公報
(1)(特許文献1)、(特許文献2)のスペーサは、いずれも複数の鉄筋支持部を有しており、各々の鉄筋支持部と対向配置された設置面を選択することにより、設置面から鉄筋支持部までの距離を変化させ、異なるカブリ厚に対応できるものである。しかし、これらは独立してバラバラに持ち運ばれるため、紛失し易く、種類の異なるスペーサが混在している場合には、必要なスペーサの選別に手間がかかり、搬送性、取扱い性に欠けるという課題を有している。
(2)また、スペーサとしての機能しかないため、施工前の現場に鉄筋を仮置きする際には、別途、輪木を用意しなければならず、省資源性、汎用性に欠けるという課題を有している。
本考案は上記従来の課題を解決するもので、従来のスペーサと同様に、所定の間隔で配置して鉄筋の要所を支持し、コンクリート打設時に必要なカブリ厚を維持することができ、汎用性に優れるだけでなく、長尺状に連結して容易に持ち運ぶことができ、搬送性、取扱い性に優れると共に、施工前に現場に運び込まれる鉄筋を仮置きする際に、鉄筋の下に敷いて輪木(枕木)としても使用することができる多様性、多機能性に優れる鉄筋支持具の提供を目的とする。
課題を解決するための手段及びそれによって得られる作用、効果
上記従来の課題を解決するために本考案の鉄筋支持具は、以下の構成を有している。
本考案の請求項1に記載の鉄筋支持具は、(a)複数の設置面と、各々の前記設置面から離間して対向配置され鉄筋を支持する鉄筋支持部と、を有する支持具本体と、(b)前記支持具本体内側の中央部に配設された支持具補強管と、(c)少なくとも前記支持具本体の内壁と前記支持具補強管の外壁との間に架設され前記支持具補強管を固定する支持具補強部と、(d)前記支持具補強管の一端部に形成された雄型連結部と、(e)前記支持具補強管の他端部に形成された雌型連結部と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)支持具本体が、複数の設置面と、各々の設置面から離間して対向配置され鉄筋を支持する鉄筋支持部と、を有するので、いずれかの設置面を下にして設置するだけで対向配置された鉄筋支持部で鉄筋を確実に支持して、略一定のカブリ厚を確保することができ、施工性、鉄筋支持の確実性、安定性に優れる。
(2)支持具本体内側の中央部に配設された支持具補強管と、少なくとも支持具本体の内壁と支持具補強管の外壁との間に架設され支持具補強管を固定する支持具補強部を有することにより、座屈強度を高めることができるので、鉄筋上の落下物や外力等によって鉄筋支持具が変形したり、破損したりせず、鉄筋を確実に支持して所定のカブリ厚を維持することができ、耐久性、カブリ厚の安定性に優れる。
(3)支持具補強管の一端部に形成された雄型連結部と、支持具補強管の他端部に形成された雌型連結部を有するので、複数の鉄筋支持具同士を雄型連結部と雌型連結部で長尺状に連結することができ、持ち運びが容易で、搬送性、取扱い性に優れる。
(4)複数の鉄筋支持具同士を雄型連結部と雌型連結部で長尺状に連結することにより、施工前の鉄筋を仮置きする際の輪木(枕木)として使用することができ、別途、輪木(枕木)を用意する必要がなく、多様性、多機能性、省資源性に優れる。
ここで、鉄筋支持具の材料としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ABS,フッ素樹脂,塩素化ポリエーテル樹脂等の耐アルカリ性の合成樹脂やこれらと無機充填剤との組成物等が用いられる。合成樹脂若しくはその組成物を原料としたものは射出成形等で大量生産でき、量産性に優れると共に、施工性、取扱い性に優れるので好ましい。
設置面は接触面積を確保することができ、設置安定性に優れる平面状に形成することが好ましいが、支持用突起を設けたり、表面に凹凸を形成したりしてもよい。また、鉄筋支持部は平面の一部に鉄筋を支持するために円弧状等に湾曲した凹部(曲面)を形成してもよいし、鉄筋支持部全体を円弧状等に湾曲させてもよい。鉄筋支持部の曲率は適宜、選択することができ、複数の鉄筋支持部の曲率は同一でもよいし、異なっていてもよい。
各々の設置面から対向配置される鉄筋支持部までの距離は同じでもよいし、異なっていてもよい。これらの距離が全て同じ場合、設置面を気にすることなく短時間で鉄筋支持具を設置することができる。カブリ厚に応じて、寸法形状の異なる複数種類の鉄筋支持具を用意する場合、同じ寸法形状の鉄筋支持具同士を連結しておけば、施工時に鉄筋支持具を順次、切り離して設置することができ、寸法形状の異なる鉄筋支持具が混入することがなく、施工性に優れる。1つの鉄筋支持具の中で、各々の設置面から対向配置される鉄筋支持部までの距離がそれぞれ異なる場合、設置面を選択することにより、鉄筋支持部までの距離に応じて様々なカブリ厚に対応することができ、汎用性に優れる。このとき、設置面等にカブリ厚を識別するための数字、記号、文字等を記載したり、刻印したりすることにより、間違えることなく必要なカブリ厚を維持することができる。
支持具本体の設置面及び鉄筋支持部の肉厚は1.5mm〜4mmが好ましい。設置面及び鉄筋支持部の肉厚が1.5mmより薄くなるにつれ、外力による変形や破損が発生し易くなる傾向があり、4mmより厚くなるにつれ、重量が増加して取扱い性、省資源性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
支持具本体の設置面及び鉄筋支持部の幅は25mm〜60mmが好ましい。設置面及び鉄筋支持部の幅が25mmより狭くなるにつれ、接地面積及び鉄筋の支持面積が低下して自立安定性及び鉄筋の支持安定性が低下し易くなる傾向があり、60mmより厚くなるにつれ、重量及び外形寸法が増大して取扱い性、省資源性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
支持具補強管の断面形状は適宜、選択することができ、多角形状でも円形状でもよいが、特に円形状のものは成型し易く、耐久性、形状安定性にも優れ、好ましい。
支持具補強部は少なくとも支持具本体の内壁と支持具補強管の外壁との間に架設され支持具補強管を支持具本体内側の中央部に固定できるものであればよく、断面形状、太さ、数、配置等は適宜、選択することができる。尚、支持具補強部を支持具補強管の外周に放射状に配置することにより、支持具補強管の支持安定性に優れると共に、設置面や鉄筋支持部の変形や破損を効果的に防ぐことができ、形状安定性、堅牢性を向上させることができる。
雄型連結部と雌型連結部は複数の鉄筋支持具同士を着脱自在に連結できるものであればよい。例えば、雌型連結部に雄型連結部を挿通して嵌着するだけでもよいし、雌型連結部に雄型連結部を挿通した後、支持具本体を回転させ、突起同士を係合させる等して固定してもよい。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の鉄筋支持具であって、各々の前記設置面から対向配置される前記鉄筋支持部までの距離がそれぞれ異なる構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用、効果に加え、以下のような作用が得られる。
(1)各々の設置面から対向配置される鉄筋支持部までの距離がそれぞれ異なるので、設置面を選択するだけでカブリ厚を変更して鉄筋を確実に支持することができ、1つの鉄筋支持具で複数のカブリ厚に対応することが可能で、汎用性、鉄筋支持の確実性、安定性に優れる。
ここで、設置面及び鉄筋支持部の数は適宜、選択することができるが、2箇所〜4箇所が好ましい。設置面及び鉄筋支持部の数が1箇所では異なるカブリ厚に対応することができず汎用性に欠けるので好ましくない。設置面及び鉄筋支持部の数が4箇所より多くなるにつれ、鉄筋支持具が大型化し、形状も複雑化して量産性、取扱い性で低下し易くなる傾向があり好ましくない。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の鉄筋支持具であって、前記雄型連結部の外周に形成された外周突起部と、前記雌型連結部の内周に形成された係合部と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用、効果に加え、以下のような作用が得られる。
(1)雄型連結部の外周に形成された外周突起部と、雌型連結部の内周に形成された係合部と、を有するので、一の鉄筋支持具の雄型連結部を他の鉄筋支持具の雌型連結部に差込み、外周突起部を係合部に係合させることにより、鉄筋支持具同士を強固に連結することができ、外力等が加わっても鉄筋支持具が簡単に抜けることがなく、固定安定性、取扱い性、搬送性に優れる。
ここで、外周突起部と係合部は、互いに係合して引張りによる引抜きを防止できるものであればよい。例えば、雄型連結部及び雌型連結部に対し、外周突起部及び係合部を断続的に同位相で形成すれば、位相をずらした状態で雄型連結部を雌型連結部に差込み、支持具本体を回転させて位相を一致させることにより、外周突起部と係合部を係合させることができる。外周突起部及び係合部の数やピッチ等は、適宜、選択することができる。尚、外周突起部及び係合部は断続的に形成する代わりに、雄螺子状及び雌螺子状に形成し、螺合によって係合させることもできる。
請求項4に記載の考案は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の鉄筋支持具であって、前記支持具本体が、複数の前記設置面と前記鉄筋支持部が連設されて形成された外周壁部を有し、前記支持具補強部が、前記外周壁部の内側で各々の前記設置面から対向する前記鉄筋支持部まで前記支持具補強管を貫通するように一直線状に配設された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項で得られる作用、効果に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持具本体が、複数の設置面と鉄筋支持部が連設されて形成された外周壁部を有し、支持具補強部が、外周壁部の内側で各々の設置面から対向する鉄筋支持部まで支持具補強管を貫通するように一直線状に配設されることにより、支持具本体の剛性を高め、支持する鉄筋の荷重による変形や破損を確実に防止することができ、耐久性、鉄筋支持の安定性に優れる。
(2)支持具本体が、複数の設置面と鉄筋支持部が連設されて形成された外周壁部を有し、支持具補強部が、外周壁部の内側で各々の設置面から対向する鉄筋支持部まで支持具補強管を貫通するように一直線状に配設されるので、コンクリートの打設時に、外周壁部と支持具補強部との隙間や支持具補強管と支持具補強部との隙間にコンクリートを充填してコンクリートと鉄筋支持具を一体化することができ、鉄筋支持具の浮き上がりや位置ずれを防止することができ、鉄筋固定の確実性、カブリ厚の安定性に優れる。
ここで、支持具補強部は外周壁部の内側で各々の設置面から対向する鉄筋支持部まで支持具補強管を貫通するように一直線状に配設されていればよく、その形状、数、配置等は、適宜、選択することができるが、放射状に配置したものが好適に用いられる。特に、支持具補強部の一端を鉄筋支持部の凹部(曲面)の最下部と連結した場合、鉄筋支持部の変形を効果的に防ぐことができ、形状安定性、耐久性に優れる。また、支持具補強部を放射状に配置することにより、支持具補強部と外周壁部との隙間を大きくしてコンクリートの流動性を確保することができ、空気溜まりの発生を防ぐことが可能で、コンクリートの充填性に優れる。
請求項5に記載の考案は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の鉄筋支持具であって、前記支持具本体が、前記設置面に形成された標示部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項で得られる作用、効果に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持具本体が、設置面に形成された標示部を備えることにより、各々の設置面に対するカブリ厚を標示することができるので、各々の設置面から鉄筋支持部までの距離が異なる場合でも、要求されるカブリ厚に対応した正しい設置面を選択して鉄筋支持具を設置することができ、必要なカブリ厚を維持することが可能で、施工性、カブリ厚の信頼性に優れる。
ここで、標示部は、数字、記号、文字等により、各々の設置面に対するカブリ厚を標示できるものであればよい。標示部は鉄筋支持具の成型時に同時に形成してもよいし、成型後に追加加工してもよい。例えば、刻印や印刷等によって形成してもよい。
実施の形態1の鉄筋支持具を示す正面側模式斜視図 実施の形態1の鉄筋支持具を示す背面側模式斜視図 実施の形態1の鉄筋支持具を示す模式側面図 実施の形態1の鉄筋支持具の使用状態を示す模式側面図 実施の形態1の鉄筋支持具を連結した状態を示す模式正面図
以下、本考案を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、本考案の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の鉄筋支持具を示す正面側模式斜視図であり、図2は実施の形態1の鉄筋支持具を示す背面側模式斜視図であり、図3は実施の形態1の鉄筋支持具を示す模式側面図である。
図1乃至図3中、1はポリプロピレン等の合成樹脂で形成された実施の形態1の鉄筋支持具、2は3箇所の平面状の設置面3a〜3cと各々の設置面3a〜3cから離間して対向配置され鉄筋を支持する円弧状に湾曲した凹部からなる3箇所の鉄筋支持部4a〜4cを有する鉄筋支持具1の支持具本体、2aは支持具本体2内側の略中央部に配設された支持具補強管、5は支持具補強管2aの一端部に形成された円筒状の雄型連結部、6は支持具補強管2aの他端部に形成された円筒状の雌型連結部、7は3箇所の設置面3a〜3cと鉄筋支持部4a〜4cが連設されて形成された支持具本体2の外周壁部、8は外周壁部7の内側に放射状に配置され各々の設置面3a〜3cから対向する鉄筋支持部4a〜4cまで支持具補強管2aを貫通するように一直線状に配設された支持具本体2の3本の支持具補強部である。
図1及び図3中、5aは雄型連結部5の外周に雄螺子状に形成された外周突起部であり、図2中、6aは雌型連結部6の内周に形成された雌螺子状の係合部である。
図1及び図2中、9は設置面3a〜3cに刻印された数字により各々の設置面3a〜3c対するカブリ厚を標示する支持具本体2の標示部である。
図3中、h1〜h3は各々の設置面3a〜3cから対向配置される鉄筋支持部4a〜4cまでの距離(カブリ厚)である。
以上のように構成された実施の形態1の鉄筋支持具の使用方法について説明する。
まず、鉄筋支持具を配筋時のカブリ厚の調整に使用する場合について説明する。
図4は実施の形態1の鉄筋支持具の第1の使用状態を示す模式側面図である。
図4中、10は鉄筋支持具1の鉄筋支持部4aで支持された鉄筋10aと、鉄筋10aに直交して配置された鉄筋10bにより網目状に配筋されたベース筋である。
鉄筋支持具1で鉄筋10aの要所を支持することにより、必要なカブリ厚を維持することができる。
尚、図3に示したように、各々の設置面3a〜3cから鉄筋支持部4a〜4cまでの距離h1〜h3が異なるので、設置面3a〜3cを選択することにより、3種類のカブリ厚に対応することができる。このとき、図1及び図2に示したように、各々の設置面3a〜3cにカブリ厚を標示する標示部9が形成されているので、必要なカブリ厚に対応した設置面3a〜3cを確実に選択して鉄筋支持具1を正しく設置することができる。
本実施の形態では、設置面3a〜3c及び鉄筋支持部4a〜4cを3箇所ずつ形成したが、これらは2箇所ずつ或いは4箇所ずつ形成してもよい。
また、本実施の形態では、鉄筋支持部4a〜4c全体を円弧状に湾曲させたが、少なくとも一部に鉄筋を支持するために円弧状等に湾曲した凹部(曲面)を形成すればよい。尚、各々の鉄筋支持部4a〜4cの曲率は、鉄筋10aの直径やカブリ厚等に応じて、適宜、選択することができる。
支持具補強部8が外周壁部7の内側で各々の設置面3a〜3cから対向する鉄筋支持部4a〜4cまで支持具補強管2aを貫通するように一直線状に配設されることにより、支持具本体の剛性を高め、支持する鉄筋の荷重による変形や破損を確実に防止できる。特に、本実施の形態のように、支持具補強部8を放射状に配置し、一端を鉄筋支持部4a〜4cの凹部(曲面)の最下部と連結した場合、鉄筋支持部4a〜4cの変形を効果的に防ぐことができ、形状安定性、耐久性に優れる。また、支持具補強部8と外周壁部7との隙間を大きくしてコンクリートの流動性を確保することができ、空気溜まりの発生を防ぐことが可能で、コンクリートの充填性に優れる。尚、支持具補強部8の形状、数、配置等は、適宜、選択することができる。また、支持具補強部8は少なくとも支持具本体2の内壁(外周壁部7)と支持具補強管2aの外壁との間に架設されて支持具補強管2aを保持できればよく、支持具補強管2aの内側を貫通する部分は省略してもよい。
本実施の形態では、各々の設置面3a〜3cの裏面側にカブリ厚を示す数字を刻印して標示部9を形成したが、標示部9は設置面3a〜3cの表面側やその他の場所に形成してもよい。また、数字以外の記号や文字等を用いてもよく、標示方法も適宜、選択することができる。例えば、シール等を貼着してもよいし、印刷等で形成してもよい。
次に、鉄筋支持具を配筋前の鉄筋の仮置き時の輪木(枕木)に使用する場合について説明する。
図5は実施の形態1の鉄筋支持具を連結した状態を示す模式正面図である。
図5中、1Aは複数の鉄筋支持具1同士を雄型連結部5と雌型連結部6で長尺状に連結して形成された輪木(枕木)である。
図1及び図2に示したように、鉄筋支持具1が雄型連結部5及び雌型連結部6を有することにより、複数の鉄筋支持具1同士を容易に連結することができ、鉄筋を仮置きする際の輪木(枕木)1Aとして使用することができる。特に、雄型連結部5の外周突起部5aが雄螺子状に形成され、雌型連結部6の係合部6a(図2参照)が雌螺子状に形成されていることにより、鉄筋支持具1同士を強固に連結することができる。
雄型連結部5の外周突起部5a及び雌型連結部6の係合部6aの形状はこれに限定されるものではなく、互いに係合して引張りによる引抜きを防止できるものであればよい。尚、雄型連結部5を雌型連結部6に差込んで嵌合させるだけで、外周突起部5a及び係合部6aを省略してもよい。
以上のように、本考案の実施の形態1における鉄筋支持具は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)支持具本体が、複数の設置面と、各々の設置面から離間して対向配置され鉄筋を支持する鉄筋支持部と、を有するので、いずれかの設置面を下にしてコンクリート面に設置するだけで対向配置された鉄筋支持部で鉄筋を確実に支持して、略一定のカブリ厚を確保することができ、施工性、鉄筋支持の確実性、安定性に優れる。
(2)支持具本体内側の中央部に配設された支持具補強管と、少なくとも支持具本体の内壁と支持具補強管の外壁との間に架設され支持具補強管を固定する支持具補強部を有することにより、座屈強度を高めることができるので、鉄筋上の落下物や外力等によって鉄筋支持具が変形したり、破損したりせず、鉄筋を確実に支持して所定のカブリ厚を維持することができ、耐久性、カブリ厚の安定性に優れる。
(3)支持具補強管の一端部に形成された雄型連結部と、支持具補強管の他端部に形成された雌型連結部を有するので、複数の鉄筋支持具同士を雄型連結部と雌型連結部で長尺状に連結することができ、持ち運びが容易で、搬送性、取扱い性に優れる。
(4)複数の鉄筋支持具同士を雄型連結部と雌型連結部で長尺状に連結することにより、施工前の鉄筋を仮置きする際の輪木(枕木)として使用することができ、別途、輪木(枕木)を用意する必要がなく、多様性、多機能性、省資源性に優れる。
(5)各々の設置面から対向配置される鉄筋支持部までの距離がそれぞれ異なるので、設置面を選択するだけでカブリ厚を変更して鉄筋を確実に支持することができ、1つの鉄筋支持具で複数のカブリ厚に対応することが可能で、汎用性、鉄筋支持の確実性、安定性に優れる。
(6)雄型連結部の外周に形成された外周突起部と、雌型連結部の内周に形成された係合部と、を有するので、一の鉄筋支持具の雄型連結部を他の鉄筋支持具の雌型連結部に差込み、外周突起部を係合部に係合させることにより、鉄筋支持具同士を強固に連結することができ、外力等が加わっても鉄筋支持具が簡単に抜けることがなく、固定安定性、取扱い性、搬送性に優れる。
(7)支持具本体が、複数の設置面と鉄筋支持部が連設されて形成された外周壁部を有し、支持具補強部が、外周壁部の内側で各々の設置面から対向する鉄筋支持部まで支持具補強管を貫通するように一直線状に配設されることにより、支持具本体の剛性を高め、支持する鉄筋の荷重による変形や破損を確実に防止することができ、耐久性、鉄筋支持の安定性に優れる。
(8)支持具本体が、複数の設置面と鉄筋支持部が連設されて形成された外周壁部を有し、支持具補強部が、外周壁部の内側で各々の設置面から対向する鉄筋支持部まで支持具補強管を貫通するように一直線状に配設されるので、コンクリートの打設時に、外周壁部と支持具補強部との隙間や支持具補強管と支持具補強部との隙間にコンクリートを充填してコンクリートと鉄筋支持具を一体化することができ、鉄筋支持具の浮き上がりや位置ずれを防止することができ、鉄筋固定の確実性、カブリ厚の安定性に優れる。
(9)支持具本体が、設置面に形成された標示部を備えることにより、各々の設置面に対するカブリ厚を標示することができるので、各々の設置面から鉄筋支持部までの距離が異なる場合でも、要求されるカブリ厚に対応した正しい設置面を選択して鉄筋支持具を設置することができ、必要なカブリ厚を維持することが可能で、施工性、カブリ厚の信頼性に優れる。
本考案は、従来のスペーサと同様に、所定の間隔で配置して鉄筋の要所を支持し、コンクリート打設時に必要なカブリ厚を維持することができ、汎用性に優れるだけでなく、長尺状に連結して容易に持ち運ぶことができ、搬送性、取扱い性に優れると共に、施工前に現場に運び込まれる鉄筋を仮置きする際に、鉄筋の下に敷いて輪木(枕木)としても使用することができる多様性、多機能性に優れる鉄筋支持具の提供を行うことができ、省資源性、施工性の向上に貢献することができる。
1 鉄筋支持具
1A 輪木(枕木)
2 支持具本体
2a 支持具補強管
3a〜3c 設置面
4a〜4c 鉄筋支持部
5 雄型連結部
5a 外周突起部
6 雌型連結部
6a 係合部
7 外周壁部
8 支持具補強部
9 標示部
10 ベース筋
10a 鉄筋
10b 鉄筋

Claims (5)

  1. (a)複数の設置面と、各々の前記設置面から離間して対向配置され鉄筋を支持する鉄筋支持部と、を有する支持具本体と、(b)前記支持具本体内側の中央部に配設された支持具補強管と、(c)少なくとも前記支持具本体の内壁と前記支持具補強管の外壁との間に架設され前記支持具補強管を固定する支持具補強部と、(d)前記支持具補強管の一端部に形成された雄型連結部と、(e)前記支持具補強管の他端部に形成された雌型連結部と、を備えたことを特徴とする鉄筋支持具。
  2. 各々の前記設置面から対向配置される前記鉄筋支持部までの距離がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋支持具。
  3. 前記雄型連結部の外周に形成された外周突起部と、前記雌型連結部の内周に形成された係合部と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋支持具。
  4. 前記支持具本体が、複数の前記設置面と前記鉄筋支持部が連設されて形成された外周壁部を有し、前記支持具補強部が、前記外周壁部の内側で各々の前記設置面から対向する前記鉄筋支持部まで前記支持具補強管を貫通するように一直線状に配設されたことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の鉄筋支持具。
  5. 前記支持具本体が、前記設置面に形成された標示部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の鉄筋支持具。
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JP2020172807A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 メークス株式会社 鉄筋コンクリート用スペーサー及びレベル指標体
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