JP3208261B2 - アーク溶接ロボット - Google Patents

アーク溶接ロボット

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JP3208261B2
JP3208261B2 JP27044094A JP27044094A JP3208261B2 JP 3208261 B2 JP3208261 B2 JP 3208261B2 JP 27044094 A JP27044094 A JP 27044094A JP 27044094 A JP27044094 A JP 27044094A JP 3208261 B2 JP3208261 B2 JP 3208261B2
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恭秀 永浜
和伸 古城
正之 重吉
透 高濱
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接ノズルとワークと
の接触状態を解除して溶接ノズルを通常動作に復帰させ
るアーク溶接ロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車や船舶、その他の設備機器等を製
造する際には、金属製の部品同士を溶接により接合する
ことが多く、大量生産により同一の溶接手順が繰り返し
て行われる場合、通常、アーク溶接ロボットが使用され
るようになっている。
【0003】上記のアーク溶接ロボットは、一般にアー
ク電流やアーク電圧を用いてアーク倣いを行うことによ
って、ワークの組み立て誤差や加工誤差を補正しながら
ワーク同士の接合部となる溶接線に沿って溶接するよう
になっているが、アーク倣い機能に異常を生じたり、溶
接中に飛散するスパッタが溶接ノズルに多量に付着した
り、アーク倣いの能力を上回るワークの加工誤差、組み
立て誤差等によって、溶接ノズルがワークに接触するこ
とがある。
【0004】溶接ノズルがワークに接触した状態で溶接
ノズルの移動動作を継続させると、トーチの変形、
ロボットの手首に負担がかかることによる減速機部分の
位置ズレ、モータのオーバーヒート等のアーク溶接ロ
ボットにとって重大な故障が生じる原因になる。
【0005】従って、従来のアーク溶接ロボットは、溶
接ノズルに印加されたワークに対する電圧の変化を基に
してワークとの接触の有無を検知するノズル接触検知機
能を有しており(実開昭58−111172号公報)、
この機能により溶接ノズルがワークに接触したことを検
知したときに、溶接ノズルの移動を停止させて重大な故
障の発生を防止するようになっている。そして、移動が
停止されると、ロボット先端がオペレータの操作により
インチングされ、溶接ノズルがワークに接触しない方向
に移動された後、リセットボタンやスタートボタンが押
圧されることによって、溶接ノズルが通常動作に復帰さ
れるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアーク溶接ロボットでは、オペレータに大きな負担
がかかるにも拘らず、ワークに接触して停止してから再
び復帰するまでの全ての復帰操作をオペレータが実施し
ているという問題がある。この理由は、ノズル接触検知
機能がワークとの接触の有無を検知するだけであり、溶
接ノズルの回避方向を示すものではないため、オペレー
タが自己の経験に基づいて回避方向を決定しながら復帰
操作を行わねばならないと考えられていたからである。
また、従来のアーク溶接ロボットでは、たとえ軽微な接
触であっても、オペレータが復帰操作を完了するまで溶
接ノズルを停止させるため、生産ライン全体の生産性を
低下させることになるという問題もある。
【0007】従って、本発明は、軽微な接触状態を自動
で解除してオペレータの負担を軽減すると共に、停止期
間を短縮化して生産性を向上させることができるアーク
溶接ロボットを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、アーク溶接ロボットは、溶接線を挟んで溶接ノズル
を左右方向にウィービングさせながら溶接電流または溶
接電圧を測定し、これら測定値が左右方向で一致するよ
うに溶接ノズルのウィービングを補正するアーク倣いに
より溶接するものであり、下記の特徴を有している。
【0009】即ち、請求項1のアーク溶接ロボットは、
上記溶接ノズルとワークとの接触を検知する接触検知手
段と、上記接触を検知したときに、上記溶接ノズルの位
置から接触方向が左右方向の何れであるかを求め、該接
触方向とは反対方向のウィービングの補正となるように
アーク倣いにオフセットを付加して前記溶接ノズルのウ
ィービングを継続させる制御手段とを有していることを
特徴としている。また、請求項2のアーク溶接ロボット
は、請求項1の制御手段が、上記オフセットを定期的に
リセットすることを特徴としている。
【0010】また、請求項3のアーク溶接ロボットは、
請求項1または2の上記制御手段が、上記オフセットを
付加した後に、上記接触方向と同一方向で接触が所定回
数検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶接
を中止することを特徴としている。請求項4のアーク溶
接ロボットは、請求項1または2の上記制御手段が、上
記オフセットを付加した後の所定時間内に、上記接触方
向と同一方向で接触が検知されたときに、上記溶接ノズ
ルを停止させて溶接を中止することを特徴としている。
【0011】また、請求項5のアーク溶接ロボットは、
請求項1または2の上記制御手段が、上記オフセットを
付加した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向
で接触が検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させ
て溶接を中止することを特徴としている。請求項6のア
ーク溶接ロボットは、請求項1または2の上記制御手段
が、上記オフセットを付加した後の所定時間内に、上記
接触方向とは反対方向で接触が検知されたときに、上記
溶接ノズルを上記溶接線方向に対して上下方向またはエ
キステンション方向に位置変更させることを特徴として
いる。
【0012】また、請求項7のアーク溶接ロボットは、
請求項1または2の上記制御手段が、上記オフセットを
付加した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向
で接触が検知されたときに、上記溶接線方向に対して上
下方向またはエキステンション方向の補正となるよう
に、上記アーク倣いの上下倣いまたはエキステンション
倣いにオフセットを付加することを特徴としている。
【0013】また、請求項8のアーク溶接ロボットは、
上記溶接ノズルとワークとの接触を検知する接触検知手
段と、上記接触を検知したときに、上記溶接ノズルの位
置から接触方向が左右方向の何れであるかを求め、該接
触方向とは反対方向のウィービングの補正となるように
アーク倣いにオフセットを付加すると共に、上記溶接ノ
ズルを上記溶接線方向に対して上下方向またはエキステ
ンション方向に位置変更させて前記溶接ノズルのウィー
ビングを継続させる制御手段とを有していることを特徴
としている。請求項9のアーク溶接ロボットは、請求項
8の上記制御手段が、上記オフセットおよび位置変更を
定期的にリセットすることを特徴としている。
【0014】また、請求項10のアーク溶接ロボット
は、上記溶接ノズルとワークとの接触を検知する接触検
知手段と、上記接触を検知したときに、上記溶接ノズル
の位置から接触方向が左右方向の何れであるかを求め、
該接触方向とは反対方向のウィービングの補正となるよ
うにアーク倣いにオフセットを付加すると共に、上記溶
接線方向に対して上下方向またはエキステンション方向
の補正となるように、上記アーク倣いの上下倣いまたは
エキステンション倣いにオフセットを付加して前記溶接
ノズルのウィービングを継続させる制御手段とを有して
いることを特徴としている。請求項11のアーク溶接ロ
ボットは、請求項9の上記制御手段が、上記両オフセッ
トを定期的にリセットすることを特徴としている。
【0015】また、請求項12のアーク溶接ロボット
は、請求項8または9の上記制御手段が、上記オフセッ
トを付加した後に、上記接触方向と同一方向で接触が所
定回数検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて
溶接を中止することを特徴としている。請求項13のア
ーク溶接ロボットは、請求項8または9の上記制御手段
が、上記オフセットを付加した後の所定時間内に、上記
接触方向と同一方向で接触が検知されたときに、上記溶
接ノズルを停止させて溶接を中止することを特徴として
いる。また、請求項14のアーク溶接ロボットは、請求
項8または9の上記制御手段が、上記オフセットを付加
した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向で接
触が検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶
接を中止することを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1の構成によれば、従来、オペレータに
より行われていた接触状態からの回避動作および溶接へ
の復帰動作をアーク溶接ロボットにより行わせて溶接ノ
ズルを通常の動作に復帰させることができるため、オペ
レータの負担を軽減させることが可能になっていると共
に、溶接ノズルが接触してから復帰するまでの停止時間
がオペレータを介在させない分短縮されるため、生産性
を向上させることが可能になっている。
【0017】また、請求項2、請求項9および請求項1
1の構成によれば、周期的にリセットすることにより、
いわば回避シーケンスによる誤検知のための暴走を防ぐ
ことができる。また、請求項3および請求項12の構成
によれば、回避動作に回数制限を設けることによりロボ
ットに負担のかかりそうな場合に中断する安全処置が得
られる。また、請求項4および請求項13の構成によれ
ば、時間制限を設けることによりロボットに負担のかか
りそうな場合に中断する安全処置が得られる。
【0018】また、請求項5および請求項14の構成に
よれば、反対側に所定時間内に接触したときに、左右方
向の修正では無理と判断して中止する安全処置が得られ
る。請求項6の構成によれば、左右が所定時間内に接触
する場合にエキステンション方向に回避したり、同様の
目的でアーク倣いのエキステンション倣いにオフセット
を設ける請求項7の構成によれば、例えば溶け落ちぎみ
の所を通過する際、とりあえずこの方向で通過したり、
アーク倣いの不調を一時的にカバーできる。また、請求
項8および請求項10の構成によれば、左右方向で接触
を検知した場合、上下についても先ず修正して様子をみ
ることにより早く回避することができる。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図3を用いて
説明する。本実施例に係るアーク溶接ロボットは、自動
車や船舶、その他の設備機器等を製造する際に使用され
るようになっている。例えば図1に示すように、開先Y
の断面形状となるようにワーク8・8同士を溶接する下
向すみ肉溶接に適用した場合について説明すると、アー
ク溶接ロボット4は、先端部に図示しない溶接ワイヤを
備えた溶接ノズル1と、この溶接ノズル1を支持する溶
接トーチ7と、溶接トーチ7を介して溶接ノズル1を上
下(Z)方向、左右(X)方向、および前後(Y)方向
の任意の方向および任意の角度に移動させる図示しない
移動手段とを有しており、溶接ワイヤの先端部をワーク
8・8同士が接合される溶接線9に沿わせて移動させる
ことにより溶接するようになっている。
【0020】上記の溶接ノズル1は、図2にも示すよう
に、水平単純振りのウィービングパターン(サインカー
ブ)でもって移動されるようになっており、ウィービン
グパターンの移動による溶接ノズル1とワーク8との距
離の変化が溶接電流を変化させることを利用してアーク
倣いにより補正されながら移動されるようになってい
る。尚、アーク倣いの一回当たりの補正量は、一般的に
0.1〜0.2mm程度である。また、アーク倣いは、
溶接電源の特性やウィービングの速さ、溶接材料により
溶接電圧を使用した方が良い場合もあるが、溶接電流を
使用するのが一般的である。
【0021】上記のアーク倣いには、種々の方法があ
り、代表的な方法として溶接線9を挟んで左側の溶接電
流の最大値と最小値との差である電流差と溶接線9を挟
んで右側の電流差とを比較する方法の他、単純に左側の
ピーク電流と右側のピーク電流とを比較する方法、左半
分となる制御点b0 〜a0 間の溶接電流の積分値または
平均値と、右半分となる制御点a0 〜b0 間の溶接電流
の積分値または平均値とを比較する方法等がある。
【0022】また、溶接ノズル1には、ワークに対して
所定の電圧が印加されており、この印加電圧の変化は、
図示しないロボット本体側に設けられたノズル接触検知
装置により検出されるようになっている。即ち、ノズル
接触検知装置は、溶接ノズル1がワークに接触したとき
に流れる電流により電流リレーを作動させて溶接ノズル
1のワークへの接触を検知し、接触検知信号をアーク溶
接ロボット4の作動を制御する制御装置に出力するよう
になっている。
【0023】上記の制御装置は、オペレータによるティ
ーチングによって、アーク溶接ロボット4の作動手順を
命令コードにより記憶している。命令コードには、例え
ば溶接トーチ7をエアカット教示点を基に移動させるエ
アカットコードや、アークを発生させるアークオンコー
ド、溶接内容を示す溶接データコード等が存在してい
る。
【0024】上記の構成において、アーク溶接ロボット
4の動作について説明する。先ず、オペレータが溶接ノ
ズル1の移動手順を設定するため、制御装置に命令コー
ドをデータ入力してティーチングすることになる。
【0025】上記のティーチングが完了し、図示しない
作動ボタンが押圧されると、命令コードが順番に読み出
され、エアカット教示点から溶接開始点に溶接ノズル1
を移動させた後、水平単純振りのウィービングパターン
(サインカーブ)でもって溶接ノズル1を移動させなが
ら溶接することになる。尚、ウィービングパターンは、
一般的にサインカーブであるが、三角波、のこぎり波、
螺旋形、円弧状等のパターンでも代用することが可能で
ある。また、アーク溶接ロボット4は、制御周期が20
ms〜30ms程度であり、図2のようにサインカーブ
といっても、制御点“・”からなる多角形である。一般
的には、系の時定数よりも細かく制御するので、ほぼサ
インカーブ状の滑らかな波形となる。
【0026】上記の溶接ノズル1のウィービングパター
ンの移動が開始されると、制御手段は、溶接電流を測定
してアーク倣いを行うことになる。例えばアーク倣いが
溶接電流の最大値と最小値との差を取って比較する方法
であるとすると、例えば溶接ノズル1が正しい溶接線9
上を振り分けてウィービングしている場合には、図3の
左半分に示すように、左側の電流差(Il1 −Il2
と右側の電流差(Ir1 −Ir2 )とが同等になる判定
結果が得られることになる。但し、Il1 (左端:左側
の電流のピーク)、Il2 (左から右端までの電流の最
小値)、Ir1(右端:右側の電流のピーク)、Ir2
(右から左端までの電流の最小値)のことである。一
方、溶接ノズル1が溶接線9に対して左側にずれている
場合には、図3の右半分に示すように、左端の溶接電流
(Il1 )が右端の溶接電流(Ir1 )よりも大きくな
るため、(Il1 −Il2 )>(Ir1 −Ir2 )の判
定結果が得られることになり、制御装置は、両電流差が
一致するように溶接ノズル1のウィービングを右方向に
補正することになる。
【0027】また、制御装置は、ノズル接触検知装置か
らの接触検知信号の入力の有無を監視している。そし
て、溶接ノズル1がワーク8に接触し、溶接ノズル1お
よびワーク8間に流れる電流によりノズル接触検知装置
の電流リレーが作動して接触検知信号を出力すると、こ
の接触検知信号を受け取った制御装置は、予め決まった
シーケンスで回避動作を実行することになる。
【0028】即ち、図2に示すように、制御点a0 〜a
3 間において溶接ノズル1とワーク8との接触が検知さ
れたとすると、制御手段は、右側において溶接ノズル1
がワーク8に接触したと認識し、溶接ノズル1を左側に
補正するオフセット量をアーク倣いに加える処理を行う
ことになる。具体的には、例えば右側の電流差(Il1
−Il2 )と左側の電流差(Ir1 −Ir2 )とを比較
するアーク倣いにおいては、右側の電流差(Il1 −I
2 )と左側の電流差(Ir1 −Ir2 +Ia)とを比
較するように、Iaというオフセット量を右側の電流差
に付加することによって、アーク倣いの判定基準を本来
よりも右寄りに設定させて左方向に補正量が加えられる
ようにする。
【0029】尚、上記の処理によるオフセット量の付加
は、アーク溶接の実行中維持されるようになっていても
良いし、例えばウィービングの10周期等のように周期
時間を限定して定期的にリセットされるようになってい
ても良い。さらに、定期的にリセットするか否かの判断
をワーク8の種類や溶接条件に応じてプログラムにより
選択させるようになっていても良い。
【0030】次に、接触方向が右側であると認識し、オ
フセット量Iaを右側の電流差(Ir1 −Ir2 )に付
加することにより左方向にアーク倣いの補正量を加えた
にも拘らず、接触方向と同一方向である右側での接触状
態が解除されない場合、或いは予め決めた所定回数(例
えば3回等)繰り返しても右側接触が解除されない場合
には、オフセット量Iaをアーク倣いに加える回避動作
によっては接触状態を解除することができないと判断
し、溶接ノズル1を停止させて溶接を中止すると共に、
警報等を発することによりオペレータに対して異常を報
知することになる。尚、オフセット量Iaの付加を定期
的にリセットさせている場合には、リセット毎に接触の
カウント数もリセットさせることが望ましい。
【0031】また、接触方向が右側であると認識するこ
とによって、アーク倣いの判断基準に左側への補正を加
えるようにした結果、反対方側である左側において接触
を検知した場合には、アーク倣いの左右方向の判定基準
を補正することによる回避動作によっては接触状態を解
除することができないと判断し、溶接ノズル1を停止さ
せて溶接を中止すると共に、警報等を発することにより
オペレータに対して異常を報知することになる。
【0032】尚、本実施例においては、制御点a1 、a
2 、a3 で接触を検知したときに接触方向が右側である
と認識する一方、制御点b1 、b2 、b3 で接触を検知
したときに接触方向が左側であると認識するようになっ
ているが、さらに、制御点a0 で接触を検知したときに
制御点a1 側の右側で接触したと認識し、制御点b0
接触を検知したときに制御点b1 側の左側で接触したと
認識するようになっていても良い。
【0033】また、上記の制御点は、あくまで制御の目
標位置であり、制御遅れがある場合には、制御遅れ分を
考慮した接触方向の認識が望ましい。例えば制御周期が
30ms、制御遅れが60msであったとすると、制御
点a2 に目標位置が達した時、ロボット先端は、まだ制
御点a0 に存在することになるため、接触を検知した時
点の制御点a2 から2つ前の制御点a0 に読み変えた
後、この制御点a0 における接触方向を認識するように
なっていることが望ましい。
【0034】このように、本実施例のアーク溶接ロボッ
ト4は、溶接線9を挟んで溶接ノズル1を左右方向にウ
ィービングさせながら溶接電流または溶接電圧を測定
し、これら測定値が左右方向で一致するように溶接ノズ
ル1のウィービングを補正するアーク倣いにより溶接す
るものであって、溶接ノズル1とワーク8との接触を検
知する接触検知手段(ノズル接触検知装置)と、接触を
検知したときに、溶接ノズル1の位置から接触方向が左
右方向の何れであるかを求め、該接触方向とは反対方向
のウィービングの補正となるようにアーク倣いにオフセ
ットを付加する制御手段(制御装置)とを有している構
成である。
【0035】これにより、従来、オペレータにより行わ
れていた接触状態からの回避動作および溶接への復帰動
作をアーク溶接ロボットにより行わせて溶接ノズル1を
通常の動作に復帰させることができるため、オペレータ
の負担を軽減させることが可能になっていると共に、溶
接ノズル1が接触してから復帰するまでの停止時間がオ
ペレータを介在させない分短縮されるため、生産性を向
上させることが可能になっている。
【0036】尚、本実施例においては、アーク倣いの左
右方向の判定基準をオフセットにより補正する回避動作
によって接触状態を解除するようになっているが、これ
に限定されることはなく、例えば溶接線9方向に対して
上下方向(エキステンション方向)である上またはエキ
ステンションの伸び方向を回避方向として溶接ノズル1
を移動させて位置変更させる回避動作により接触状態が
解除されるようになっていても良い。
【0037】或いは、例えば図3に示すように、(Il
1 +Il2 +Ir1 +Ir2 )/4の最大値と最小値と
の平均値を設定値(本来の溶接電流)と比較し、検出値
の方が大きい場合に、上方向またはエキステンションの
伸び方向に補正するアーク倣いの上下倣いまたはエキス
テンション倣いにオフセットを付加するようになってい
ても良い。尚、この場合、縮みぎみと判断するオフセッ
トであるので、オフセット量の符号はマイナスとなる。
【0038】また、例えば接触方向が右側であると認識
した場合には、アーク倣いの左右方向の判断基準を左側
に補正するようにオフセット量を加算すると同時に、上
下倣いのエキステンション方向または上下方向の判断基
準を伸びる方向に補正するようにマイナスのオフセット
量を加算したり、上下方向またはエキステンション方向
に位置変更するようになっていても良い。そして、この
場合には、溶接ノズル1の接触状態をより容易に解除す
ることが可能になる。
【0039】また、アーク倣いの左右方向のオフセット
量および上下倣いのオフセット量の付加について時間制
限を設け、定期的に両オフセット量や位置変更をリセッ
トするようになっていても良い。さらに、アーク倣いの
左右方向および上下倣い(エキステンション倣い)にオ
フセット量を付加して回避動作を所定回数繰り返しても
接触が検知される場合や、この回避動作により他方側に
おいて接触が検知される場合には、オフセット量をアー
ク倣いおよび上下倣い(エキステンション倣い)に加え
る回避動作によっては接触状態を解除することができな
いと判断し、溶接ノズル1を停止させて溶接を中止する
と共に、警報等を発することによりオペレータに対して
異常を報知するようになっていても良い。
【0040】尚、上下倣いおよびエキステンション倣い
については、前述したように、最小、最大の4点の平均
値をとる他、ウィービングの1周期を積分したり、一定
ピッチで検出して平均値をとり、これを設定された電流
値と比較するのも良い。さらに、溶接電圧の特性等によ
り溶接電流の代わりに溶接電流を利用するようになって
いても良い。さらに、左右のウィービングのどの位置で
接触したかを判断し、中心に近い時に接触したときのオ
フセット量や修正量を中心から遠い時に接触したときよ
りも大きくしたり、中心からその距離に比例するように
するのも効果がある。このことは、上下エキステンショ
ンについても同様である。
【0041】
【発明の効果】請求項1の本発明は、以上のように、溶
接線を挟んで溶接ノズルを左右方向にウィービングさせ
ながら溶接電流または溶接電圧を測定し、これら測定値
が左右方向で一致するように溶接ノズルのウィービング
を補正するアーク倣いにより溶接するアーク溶接ロボッ
トであって、上記溶接ノズルとワークとの接触を検知す
る接触検知手段と、上記接触を検知したときに、上記溶
接ノズルの位置から接触方向が左右方向の何れであるか
を求め、該接触方向とは反対方向のウィービングの補正
となるようにアーク倣いにオフセットを付加して前記溶
接ノズルのウィービングを継続させる制御手段とを有し
ている構成である。
【0042】これにより、従来、オペレータにより行わ
れていた接触状態からの回避動作および溶接への復帰動
作をアーク溶接ロボットにより行わせて溶接アークを中
断することなく溶接ノズルを通常の動作に復帰させるこ
とができるため、オペレータの負担を軽減させることが
可能であると共に、アーク倣いにおける上下倣いの修正
範囲をオーバーして結果的に溶接ノズルのワークとの接
触が起きた場合に、本発明の制御によりアーク倣いの修
正に加えて、さらに修正が加えられることになり、本来
のアーク倣い修正可能範囲を越えたワークの誤差に対応
できる。また、溶接ノズルが接触してから復帰するまで
の停止時間がオペレータを介在させない分短縮されるた
め、生産性を向上させることが可能であるという効果を
奏する。
【0043】また、請求項2、請求項9、請求項11の
ように、周期的にリセットすることにより、いわば回避
シーケンスによる誤検知のための暴走を防ぎ、請求項
3、請求項12のように回避動作に回数制限や、請求項
4、請求項13のように時間制限を設けることにより、
ロボットに負担のかかりそうな場合に中断する安全処置
が得られる。
【0044】さらに、請求項5、請求項14のように反
対側に所定時間内に接触すれば、左右方向の修正では無
理と判断して中止する安全処置が得られ、また、請求項
6のように左右が所定時間内に接触する場合にエキステ
ンション方向に回避したり、同様の目的でアーク倣いの
エキステンション倣いにオフセットを設ける請求項7で
は、例えば溶け落ちぎみの所を通過する際、とりあえず
この方向で通過したり、アーク倣いの不調を一時的にカ
バーするなどの効果がある。また、請求項8、請求項1
0のように左右方向で接触を検知した場合、上下につい
ても先ず修正して様子をみる方法も早く回避する方法と
して有効である。尚、以上の各種方式を組み合わせるこ
とにより、より知能的な回避方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接ノズルがウィービングする状態を示す説明
図である。
【図2】ウィービングパターンを示す説明図である。
【図3】ウィービングにより得られる溶接電流の説明図
である。
【符号の説明】
1 溶接ノズル 4 アーク溶接ロボット 7 溶接トーチ 8 ワーク 9 溶接線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B25J 19/06 B25J 19/06 (72)発明者 重吉 正之 愛知県豊橋市三弥町字中原1番地2 株 式会社神戸製鋼所 豊橋FA・ロボット センター内 (72)発明者 高濱 透 愛知県豊橋市三弥町字中原1番地2 株 式会社神戸製鋼所 豊橋FA・ロボット センター内 (56)参考文献 特開 平4−284973(JP,A) 特開 昭59−209483(JP,A) 特開 平6−55271(JP,A) 実開 昭58−111172(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/127 B23K 9/12 B25J 9/10 B25J 13/08 B25J 19/06

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接線を挟んで溶接ノズルを左右方向に
    ウィービングさせながら溶接電流または溶接電圧を測定
    し、これら測定値が左右方向で一致するように溶接ノズ
    ルのウィービングを補正するアーク倣いにより溶接する
    アーク溶接ロボットであって、 上記溶接ノズルとワークとの接触を検知する接触検知手
    段と、 上記接触を検知したときに、上記溶接ノズルの位置から
    接触方向が左右方向の何れであるかを求め、該接触方向
    とは反対方向のウィービングの補正となるようにアーク
    倣いにオフセットを付加して上記溶接ノズルのウィービ
    ングを継続させる制御手段とを有していることを特徴と
    するアーク溶接ロボット。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記オフセットを定期
    的にリセットすることを特徴とする請求項1記載のアー
    ク溶接ロボット。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、上記オフセットを付加
    した後に、上記接触方向と同一方向で接触が所定回数検
    知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶接を中
    止することを特徴とする請求項1または2記載のアーク
    溶接ロボット。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記オフセットを付加
    した後の所定時間内に、上記接触方向と同一方向で接触
    が検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶接
    を中止することを特徴とする請求項1または2記載のア
    ーク溶接ロボット。
  5. 【請求項5】 上記制御手段は、上記オフセットを付加
    した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向で接
    触が検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶
    接を中止することを特徴とする請求項1または2記載の
    アーク溶接ロボット。
  6. 【請求項6】 上記制御手段は、上記オフセットを付加
    した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向で接
    触が検知されたときに、上記溶接ノズルを上記溶接線方
    向に対して上下方向またはエキステンション方向に位置
    変更させることを特徴とする請求項1または2記載のア
    ーク溶接ロボット。
  7. 【請求項7】 上記制御手段は、上記オフセットを付加
    した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向で接
    触が検知されたときに、上記溶接線方向に対して上下方
    向またはエキステンション方向の補正となるように、上
    記アーク倣いの上下倣いまたはエキステンション倣いに
    オフセットを付加することを特徴とする請求項1または
    2記載のアーク溶接ロボット。
  8. 【請求項8】 溶接線を挟んで溶接ノズルを左右方向に
    ウィービングさせながら溶接電流または溶接電圧を測定
    し、これら測定値が左右方向で一致するように溶接ノズ
    ルのウィービングを補正するアーク倣いにより溶接する
    アーク溶接ロボットであって、上記溶接ノズルとワーク
    との接触を検知する接触検知手段と、上記接触を検知し
    たときに、上記溶接ノズルの位置から接触方向が左右方
    向の何れであるかを求め、該接触方向とは反対方向のウ
    ィービングの補正となるようにアーク倣いにオフセット
    を付加すると共に、上記溶接ノズルを上記溶接線方向に
    対して上下方向またはエキステンション方向に位置変更
    させて前記溶接ノズルのウィービングを継続させる制御
    手段とを有していることを特徴とするアーク溶接ロボッ
    ト。
  9. 【請求項9】 上記制御手段は、上記オフセットおよび
    位置変更を定期的にリセットすることを特徴とする請求
    項8記載のアーク溶接ロボット。
  10. 【請求項10】 溶接線を挟んで溶接ノズルを左右方向
    にウィービングさせながら溶接電流または溶接電圧を測
    定し、これら測定値が左右方向で一致するように溶接ノ
    ズルのウィービングを補正するアーク倣いにより溶接す
    るアーク溶接ロボットであって、上記溶接ノズルとワー
    クとの接触を検知する接触検知手段と、上記接触を検知
    したときに、上記溶接ノズルの位置から接触方向が左右
    方向の何れであるかを求め、該接触方向とは反対方向の
    ウィービングの補正となるようにアーク倣いにオフセッ
    トを付加すると共に、上記溶接線方向に対して上下方向
    またはエキステンション方向の補正となるように、上記
    アーク倣いの上下倣いまたはエキステンション倣いにオ
    フセットを付加して前記溶接ノズルのウィービングを継
    続させる制御手段とを有していることを特徴とするアー
    ク溶接ロボット。
  11. 【請求項11】 上記制御手段は、上記両オフセットを
    定期的にリセットすることを特徴とする請求項9記載の
    アーク溶接ロボット。
  12. 【請求項12】 上記制御手段は、上記オフセットを付
    加した後に、上記接触方向と同一方向で接触が所定回数
    検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶接を
    中止することを特徴とする請求項8または9記載のアー
    ク溶接ロボット。
  13. 【請求項13】 上記制御手段は、上記オフセットを付
    加した後の所定時間内に、上記接触方向と同一方向で接
    触が検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて溶
    接を中止することを特徴とする請求項8または9記載の
    アーク溶接ロボット。
  14. 【請求項14】 上記制御手段は、上記オフセットを付
    加した後の所定時間内に、上記接触方向とは反対方向で
    接触が検知されたときに、上記溶接ノズルを停止させて
    溶接を中止することを特徴とする請求項8または9記載
    のアーク溶接ロボット。
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