JP3207252B2 - 白色防錆顔料およびその製造方法 - Google Patents

白色防錆顔料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の腐食を防止する
ために用いる無公害の白色防錆顔料の製造方法に関す
る。さらに言えば、次亜リン酸ナトリウムを製造する際
に廃出する副生物を原料とした亜リン酸系複合化合物を
有効成分とする白色防錆顔料の製造方法に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、防錆顔料は、鉛丹、シアナミド
鉛、鉛酸カルシウムなどの鉛塩系、塩基性クロム酸亜鉛
カリ、四塩基性クロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウム
などのクロム酸塩系のものが主として用いられてきた。
しかしながら、これらの防錆顔料は金属に対して優れた
錆び止め性を発揮するものの、毒性面から近年の環境問
題上、次第にその使用が規制されるに至っている。
【0003】これらに代わる無公害型の防錆顔料とし
て、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウムなどの
金属リン酸塩系、トリポリリン酸アルミニウムなどの縮
合リン酸塩系、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、亜
リン酸アルミニウムなどの亜リン酸塩系、モリブデン酸
亜鉛、その他各種の無公害、無毒の防錆顔料が開発され
実用されている。ところが、残念ながらこれら無公害型
と称する防錆顔料には、クロム酸塩系や鉛塩系に匹敵す
る程の防錆力を有するものはない。
【0004】他方、亜リン酸塩系の改良された防錆顔料
が優れた防錆力を有するものとして提案されている。例
えば、特開昭50−50297 号公報には塩基性亜リン亜鉛が
開示され、更にこれを改良するものとして特開昭58−19
4725号公報にはヒドロキシ亜リン酸亜鉛錯体が開示され
ている。特開昭55−185027号公報には亜リン酸亜鉛と亜
鉛華との反応生成物を、特開昭56−180316号公報や特開
昭58−232676号公報には亜リン酸亜鉛カリウム系の防錆
顔料が開示されている。また、特開平3−111457号公報
には亜リン酸亜鉛カルシウム系、特開平3−285808号公
報には板状亜リン酸カルシウム系の防錆顔料が開示され
ている。
【0005】ところで、無電解めっき液の還元剤として
用いられる次亜リン酸ナトリウムは、その製造の際に分
散助剤として消石灰を用いると亜リン酸カルシウムを主
成分とする副生物を廃出する。この副生物は、遊離の消
石灰も比較的多く含有するものであるため、これまで工
業的に有利な有効利用がなされていなかった。しかし、
亜リン酸塩系の白色防錆顔料が注目されてきたことか
ら、前述した特開平3−285808号公報ではこの副生物に
正亜リン酸カルシウムとなるように亜リン酸およびカル
シウム化合物を加えてメカノケミカル的に反応させて防
錆顔料とすることを開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平3−
285808号公報が開示している製法は、前述のようにメカ
ノケミカル的により反応させるために長時間の反応操作
が必要であり、且つそれに伴うエネルギーの消費が大き
くなる問題点がある。そのうえ、得られる亜リン酸カル
シウムは一次粒子が10μm を越すような大きな板状結晶
粒子であり、また次亜リン酸ナトリウムの副生物中にも
ともと含有する亜リン酸カルシウムとメカノケミカル的
反応によって生ずる亜リン酸カルシウムとは不均質であ
って、顔料特性として必ずしも満足されるものではな
い。特に防錆力は不十分で改良の余地が残されている。
【0007】本発明は、次亜リン酸ナトリウムの副生物
を防錆顔料の有効原料として再利用することにつき鋭意
研究を重ねた結果開発されたもので、その目的とすると
ころは、優れたすぐれた防食性を有する白色防錆顔料の
工業的な製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による白色防錆顔料の製造方法は、次亜リン
酸ナトリウムを製造する際に副生する亜リン酸カルシウ
ム主組成の固形物スラリーにリン酸または/および亜リ
ン酸を作用させて反応系を酸性スラリーに転化させる第
1工程、次いで得られた酸性スラリーと亜鉛化合物をア
ルカリ側へ中和反応させる第2工程とを行って、亜リン
酸カルシウムおよびリンのオキシ酸亜鉛カルシウムを主
組成とする白色防錆顔料を得ることを構成上の特徴とす
る。
【0009】本発明に係る白色防錆顔料は、次亜リン酸
ソーダの副生物を加工して得られるものであることから
単一組成の化合物ではなく、前記のように亜リン酸カル
シウムおよびリンのオキシ酸亜鉛カルシウムを主組成と
するものである。ここにリンのオキシ酸亜鉛カルシウム
とは、亜鉛とカルシウムとが互いに固溶した亜リン酸亜
鉛カルシウムまたは/およびリン酸亜鉛カルシウムを言
い、また主組成とは、上記原料事情および後述する製造
条件においては、上記化合物のほかに(亜)リン酸カル
シウム、(亜)リン酸亜鉛、次亜リン酸カルシウムまた
は酸化亜鉛が含有されたものを包括して指す。
【0010】さらに本発明に係る白色防錆顔料は、亜リ
ン酸またはリン酸の一部をキレート能のある有機ホスホ
ン酸で置換したものであってもよく、この置換により防
錆力がより改善された好ましいものとすることができ
る。使用する有機ホスホン酸としては、例えばアミノア
ルキレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラアルキレ
ンホスホン酸、アルキルメタン−1−ヒドロキシ−1,
1−ジホスホン酸または2−ヒドロキシホスホノ酢酸な
どが代表的なものとして挙げられる。
【0011】このうちアミノアルキレンホスホン酸とし
ては、例えばニトリロトリスメチレンホスホン酸、ニト
リロトリスエチレンホスホン酸、ニトリロトリスプロピ
レンホスホン酸、ニトリロジエチルメチレンホスホン
酸、ニトリロプロピルビスメチレンホスホン酸等が、エ
チレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸としては、
例えばエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エ
チレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラプロピレンホスホン酸等が、アルキルメタ
ン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸としては、
例えばメタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン
酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、
プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等が
挙げられ、それらは1種又は2種以上であってもよい。
【0012】かかるキレート能を有するホスホン酸の置
換量は、その種類や顔料の物性および後記する顔料の調
製法等によって異なるが、全リンのオキシ酸量の約2割
以内の量でよく、これより多くなっても効果の上昇は余
り望めず経済的でなくなる。
【0013】なお、本発明に係る白色防錆顔料は、必要
に応じ分散性改善のため高級脂肪酸またはその誘導体、
界面活性剤、酸性リン酸アルキルエステルまたはその金
属塩等で表面処理したものであってもよい。
【0014】上記の組成を有する白色防錆顔料を得るた
めの本発明による製造方法は、次亜リン酸ナトリウムを
製造する際に副生する亜リン酸カルシウム主組成の固形
物スラリーにリン酸または/および亜リン酸(以下「リ
ン酸等」という)を作用させて反応系を酸性スラリーに
転化させる第1工程、次いで得られた酸性スラリーと亜
鉛化合物とをアルカリ側へ中和反応させる第2工程から
なることを構成上の特徴とする。
【0015】第1工程は酸性化工程で、次亜リン酸ナト
リウムの製造時に廃出する副生物を原料とする。この副
生物は、次亜リン酸ソーダの製造において助剤として用
いる消石灰が反応して副生する亜リン酸カルシウムを主
組成とする固形物スラリーであるが、このほかにその性
質上遊離の消石灰がかなり存在し、一部炭酸化されて生
ずる炭酸カルシウム、次亜リン酸カルシウム、リン酸カ
ルシウム等が若干含有されている。酸性スラリーの調製
は、前記の固形物スラリーを好ましくはコロイドミル、
ホモジナイザー、ビーズミルのような強力剪断分散機で
微細化し、ついでリン酸等を作用させることによってお
こなわれる。
【0016】すなわち、副生物の原料スラリーは遊離の
消石灰を含有する強アルカリであるが、これを化学的当
量においてリン酸等で中和するのではなしに、それより
も過剰のリン酸等を反応させて酸性化スラリーに転化さ
せることがこの工程の重要な条件となる。酸性化したス
ラリーのpHは、多くの場合4以下、好ましくは3以下
にすればよい。この酸性スラリー化処理により、遊離の
消石灰や炭酸カルシウムがリンのオキシ酸カルシウム塩
に転換するとともに、酸の過剰量に従ってカルシウム塩
が溶解しイオン化する。
【0017】この工程において実質的に溶解させること
は、多量のリン酸等の消費を必要とするため余り経済的
ではないが、必要であれば溶解しても特に差支えない。
しかし、概して酸性化の下限は遊離消石灰を完全に中和
転換させたときの固形分量の1/3になるまでの量でよ
い。なお、リン酸等は必要によりその一部として酸性リ
ン酸エステルまたは酸性亜リン酸エステルを用いてもよ
い。
【0018】第2工程は、上記で得られた酸性スラリー
と亜鉛化合物とを反応させてアルカリ側へ中和処理させ
る段階である。
【0019】亜鉛化合物としては、酸化亜鉛(亜鉛
華)、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛または硝
酸亜鉛等を挙げることができるが、酸化亜鉛(亜鉛華)
を使用することが経済的である。なお、硝酸亜鉛を用い
る場合は水酸化アルカリのようなアルカリ剤を併用する
ことは当然である。したがって、通常は亜鉛化合物もス
ラリーとして使用するが、この場合には前記と同様に予
め分散機で強力剪断処理を施して微細化スラリーを調製
しておくことが望ましい。この工程における酸性化スラ
リー(A液)と亜鉛化合物のスラリーまたは溶液(B
液)との反応態様は、A液にB液を添加する方法、B液
にA液を添加する方法あるいはA,B両液を同時混合す
る方法のいずれであってもよい。
【0020】上記の第1工程または第2工程において、
必要に応じて有機ホスホン酸を存在させることができ
る。有機ホスホン酸の添加手段としては、例えば第1工
程の酸性化に際してリン酸等と併用する方法、亜鉛化合
物のスラリー化に際して添加する方法、あるいは第2工
程の反応に際して添加する方法などがあるが、これら転
化の時点および方法は特に限定する必要はない。なお、
有機ホスホン酸は前述のホスホン酸のほかにアルカリ金
属塩またはアンモニウム塩の水溶液として用いることが
できる。また、両工程とも常温または加温下の撹拌しな
がらおこなうが、加温撹拌条件を採ることが好ましい。
【0021】第2工程での反応が終了したら、高くても
pH10前後、好ましくはpH7〜9におけるアルカリ
で熟成処理をおこない、引き続き常法により固液分離、
水洗分離、乾燥および粉砕の各処理を施して製品とす
る。この場合、反応終了後の後処理として分散性を改善
させるために高級脂肪酸またはその誘導体、界面活性
剤、酸性リン酸アルキルエステルまたはその金属塩、シ
ランカップリング剤等で表面処理してもよい。
【0022】このようにして製造された亜リン酸亜鉛ア
ルカリ金属塩および亜リン酸亜鉛アルカリ金属塩組成物
は、通常の塗料に用いられる油性または水性のビヒクル
に分散させて防錆顔料組成物として使用される。また、
リン酸亜鉛、塩基性亜リン酸亜鉛、縮合リン酸アルミニ
ウム、モルブデン酸の金属塩などの防錆顔料と併用する
こともできる。
【0023】
【作用】本発明に係る白色防錆顔料は、亜リン酸カルシ
ウムおよびリンのオキシ酸亜鉛カルシウムを主成分とし
ているため、無公害、低毒性に加えて優れた防錆力を発
揮するために機能する。かかる特性の白色防錆顔料は、
次亜リン酸ナトリウムの製造時に副生する亜リン酸カル
シウム主組成の固形物をリン酸等で酸性スラリーとし、
次いで亜鉛化合物で中和処理することにより効率よく製
造される。
【0024】この反応機構の詳細は複雑で不明である
が、該副生固形物をリン酸等で酸性化することにより遊
離アルカリの消石灰や炭酸カルシウムが(亜)リン酸カ
ルシウムを生成し、これが酸性(亜)リン酸カルシウム
へと転換する過程で溶解してCa2+およびPO 4 3-また
は/およびHPO 3 2-が多量に反応系内に存在するよう
になる。ついで、この系と亜鉛化合物とを混合すると亜
鉛化合物の溶解が反応律速となって中和反応が進行し、
反応系内のZn2+およびCa2+とHPO 6 2-または/お
よびPO 4 3-との共沈反応によって特異な亜リン酸亜鉛
カルシウムの微結晶粒子を生成させるものと推定され
る。
【0025】なお、リン酸等の一部をキレート能を有す
る有機ホスホン酸や酸性(亜)リン酸アルキルエステル
で置換した場合にも、これらはカルシウム塩または亜鉛
塩となって沈澱して基本的には上記と同様の生成機構に
なるものと推測される。そして、得られる白色沈澱物は
粉末X線や化学分析等の分析手段によって上記化合物が
固定され鉄鋼やアルミニウム系金属に対して優れた防食
・防錆力を発揮するために有効機能する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0027】実施例1 次亜リン酸ナトリウムの製造の際に副生した表1に示す
組成の残滓 100重量部に水 500重量部を添加分散させた
のち、コロイドミルに通して微細化スラリーを調製し
た。このスラリーに40重量%亜リン酸60.0重量部を添加
し、60分間撹拌を続けて反応させ酸性スラリー(pH1
以下)を得た。次いで、この酸性スラリーに予め調製し
た20重量%の酸化亜鉛スラリーをスラリーpHが 8.0に
安定になるまで添加したのち、50℃に加温して2時間撹
拌を継続した。生成した沈澱物を濾過し、さらに水洗し
て得られた濾過ケーキを 110℃で4時間乾燥したのち粉
砕して白色粉末(試料1)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 実施例1で用いたと同じ次亜リン酸ソーダの残滓スラリ
ーに75重量%リン酸31.5重量部を添加し、60分間撹拌を
続けて反応させ酸性スラリーを得た。この酸性スラリー
に実施例1と同じ酸化亜鉛スラリーでスラリーpHが
8.0に安定になるまで添加したのち、50℃に加温して2
時間撹拌を継続した。以下、実施例1と同一の後処理を
施して白色粉末(試料2)を得た。
【0030】実施例3 実施例1において、40重量%亜リン酸の代わりに40重量
%亜リン酸と50重量%リン酸による混合比3:2の混合
液45.0重量部を添加した以外は実施例1と全く同様の処
理操作を施して白色粉末(試料3)を得た。
【0031】実施例4 実施例1において、40重量%亜リン酸の代わりに40%亜
リン酸 340重量部と40重量%エタン−1−ヒドロキシ−
1、1−ジホスホン酸(EHDP) 7.5重量部の混合液
を用いた以外は同様の処理操作を施して白色粉末(試料
4)を得た。
【0032】実施例5 実施例1において、40重量%亜リン酸の代わりに40重量
%亜リン酸34重量部と40重量%ニトリロトリスメチレン
ホスホン酸(NTP)液 7.5重量部の混合液を用いた以
外は全く同様の処理操作を施して白色粉末(試料5)を
得た。
【0033】実施例6 実施例2において,75重量%リン酸の代わりに75重量%
リン酸25.0重量部と50重量%EHDP液 7.5重量部の混
合液を添加した以外は全く同様の処理操作を施して白色
粉末(試料6)を得た。
【0034】実施例7 実施例2において、75重量%リン酸の代わりに75重量%
リン酸25.0重量部と50重量%NTP液 7.5重量部の混合
液を用いた以外は、全く同様にして白色粉末(試料7)
を得た。
【0035】比較例1 実施例1で用いたと同じ次亜リン酸ソーダ残滓 100重量
部、結晶亜リン酸13.5重量部および水100mlを磁製ボ
ールミルに入れ8時間湿式粉砕を施した。得られたスラ
リーを濾過および水洗いして 110℃で24時間乾燥したの
ち粉砕して白色粉末(試料8)を得た。
【0036】比較例2 酸化亜鉛87重量部、炭酸カルシウム 100重量部を水750m
l に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを撹
拌しながら40重量%亜リン酸 410重量部を1時間かけて
添加し、引き続き磁製ボールミルを用いて6時間湿式粉
砕を施した。ついで、スラリーを濾過し、沈澱物を 110
℃で24時間乾燥したのち粉砕して白色粉末(試料9)を
得た。
【0037】〔防錆能の評価〕実施例と比較例で得た各
白色粉末および市販の無公害型防錆顔料を対象とし、下
記の条件により防錆試験をおこなった。得られた防錆能
評価結果を表2に示した。なお、表2に表示したブラン
クとは防錆顔料を含有しないワニスを用いた塗装鋼板で
ある。
【0038】(1) 防錆塗料の調製 各防錆顔料5部とアルキッド系水性ワニス〔大日本イン
キ工業(株)製、ウォーダーゾルCD−520〕112 部
をペイントシェーカーにて塗料化し、試験防錆塗料を調
製した。 (2) 塗装鋼板の調製 上記の防錆試験塗料 100部に対し1部のドライヤー(5
%ナフテン酸コバルトドライヤーWタイプ:20%ナフテ
ン酸鉛ドライヤーWタイプ=1:1)を配合し、 250×
350×1.6 の日本テストパネル製、鉄板 SS400(旧SS4
1) に乾燥塗装膜厚が20〜30μm になるようにバーコー
ターにて塗布し、室温で1週間乾燥させて塗装鋼板を得
た。ついで、乾燥塗装鋼板を70×150 の大きさに切断し
て1枚当たり6枚の試験鋼板を得た。
【0039】(3) 防錆試験 (2) で調製した塗装鋼板をクロスカットして塩水噴霧試
験機にセットし、防錆試験をおこなった。 (4) 防錆能評価の判定 塩水噴霧試験 400時間における結果を下記5段階評価法
により評価し、防錆顔料の防錆効果を判定した。 評価5:クロスカット部以外の錆発生が全くなく、ブリ
スターもない。 評価4:クロスカット部から片側2mm以内に錆が発生。
ブリスターはない。 評価3:クロスカット部から片側6mm以内に錆および部
分的にブリスターが発生。 評価2:クロスカット部から片側12mm以内に錆および部
分的にブリスターが発生。 評価1:鋼板全面に錆およびブリスリーが発生。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明に係る白色防錆顔料は、亜リン酸
カルシウムとリンのオキシ酸亜鉛カルシウムを主成分と
する特殊な組成を有しており、従来の無公害白色防錆顔
料に比べて著しく改善された防錆能力を発揮する。した
がって、各種金属類の無公害腐食防止用の塗料顔料とし
て極めて有用である。また、本発明の製造方法によれ
ば、従来有効利用がなされていなかった次亜リン酸ソー
ダの副生残滓を防錆顔料成分として工業的に有利に活用
することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 金吾 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本 化学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 横山 棯 東京都板橋区坂下3丁目36番5号 東邦 顔料工業株式会社研究部内 (56)参考文献 特開 平3−111457(JP,A) 特開 昭60−124660(JP,A) 特開 平5−339004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/00 - 3/12 C01B 25/163 C23F 11/00 C09D 5/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次亜リン酸ナトリウムを製造する際に副
    生する亜リン酸カルシウム主組成の固形物スラリーにリ
    ン酸または/および亜リン酸を作用させて反応系を酸性
    スラリーに転化させる第1工程、次いで得られた酸性ス
    ラリーと亜鉛化合物をアルカリ側へ中和反応させる第2
    工程とを行って、亜リン酸カルシウムおよびリンのオキ
    シ酸亜鉛カルシウムを主組成とする白色防錆顔料を得る
    ことを特徴とする白色防錆顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 ート能を有する有機ホスホン酸また
    はその塩を第1工程または/および第2工程に存在させ
    ことを特徴とする請求項記載の白色防錆顔料の製造
    方法。
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FR3008985B1 (fr) * 2013-07-26 2016-08-26 Soc Now Des Couleurs Zinciques Composition comportant une phase organique continue et une emulsion inverse incorporant un principe actif et destinee a recouvrir une surface metallique et procede d'elaboration de ladite composition

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