JP3218400B2 - 防錆顔料 - Google Patents
防錆顔料Info
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- JP3218400B2 JP3218400B2 JP21648891A JP21648891A JP3218400B2 JP 3218400 B2 JP3218400 B2 JP 3218400B2 JP 21648891 A JP21648891 A JP 21648891A JP 21648891 A JP21648891 A JP 21648891A JP 3218400 B2 JP3218400 B2 JP 3218400B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、りん酸塩系の白色無公
害防錆顔料に関する。更に言えば、アパタイトのカチオ
ンをZn2+等の金属イオンとイオン交換させてアパタイ
ト中の金属イオン以外の金属イオンを担持させてなるこ
とを特徴とする防錆顔料に関するものである。
害防錆顔料に関する。更に言えば、アパタイトのカチオ
ンをZn2+等の金属イオンとイオン交換させてアパタイ
ト中の金属イオン以外の金属イオンを担持させてなるこ
とを特徴とする防錆顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防錆顔料として、最も代表的なも
のとして鉛丹あるいはジンククロメートが広範囲に使用
されている。
のとして鉛丹あるいはジンククロメートが広範囲に使用
されている。
【0003】これ等の防錆顔料は、極めて優れた防錆力
を示すが、着色顔料であることや、その組成中における
鉛、クロムなどの金属成分に毒性が認められているため
に、最近、その使用の制限が厳しくなるにつれ、これに
対する新しい低毒性のあるいは無公害性の白色防錆顔料
が開発され、かつ使用されている。
を示すが、着色顔料であることや、その組成中における
鉛、クロムなどの金属成分に毒性が認められているため
に、最近、その使用の制限が厳しくなるにつれ、これに
対する新しい低毒性のあるいは無公害性の白色防錆顔料
が開発され、かつ使用されている。
【0004】これまでに無公害防錆顔料として (a)金属縮合リン酸塩系、例えば、縮合リン酸アルミ
ニウム、(b)金属リン酸塩系、例えば、リン酸ケイ
素、リン酸チタニウム、(c)金属亜リン酸塩系、例え
ば、亜リン酸亜鉛、バリウム塩、マグネシウム塩、マン
ガン塩、(d)金属次亜リン酸塩系、例えば、次亜リン
酸カルシウム又は次亜リン酸鉄、および(e)金属モリ
ブデン酸塩、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩など数多く
の提案がされている。
ニウム、(b)金属リン酸塩系、例えば、リン酸ケイ
素、リン酸チタニウム、(c)金属亜リン酸塩系、例え
ば、亜リン酸亜鉛、バリウム塩、マグネシウム塩、マン
ガン塩、(d)金属次亜リン酸塩系、例えば、次亜リン
酸カルシウム又は次亜リン酸鉄、および(e)金属モリ
ブデン酸塩、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩など数多く
の提案がされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の無公害白色防錆顔料は、防錆力が鉛系、クロメート系
の防錆顔料よりも優れていると言える程決定的なもので
はなく、いずれも一長一短である。
の無公害白色防錆顔料は、防錆力が鉛系、クロメート系
の防錆顔料よりも優れていると言える程決定的なもので
はなく、いずれも一長一短である。
【0006】従って、これらの白色防錆顔料は、必要な
防錆性を得るために、多くの場合、他の防錆顔料等と2
〜3種複合して使用されているのが現状である。
防錆性を得るために、多くの場合、他の防錆顔料等と2
〜3種複合して使用されているのが現状である。
【0007】他方、アパタイトは生体骨組織と親和性が
良好であるうえに新生骨に対する誘導性や骨組織との接
合性に優れた機能を発揮するためのバイオアクティブな
素材として注目されている。
良好であるうえに新生骨に対する誘導性や骨組織との接
合性に優れた機能を発揮するためのバイオアクティブな
素材として注目されている。
【0008】また、アパタイトのうちヒドロキシ系の粒
子は、核酸、蛋白質などの有用有機物を効率良く吸着す
るための微量成分の分離操作の分野で応用面が広がりつ
つある。
子は、核酸、蛋白質などの有用有機物を効率良く吸着す
るための微量成分の分離操作の分野で応用面が広がりつ
つある。
【0009】このように、アパタイトはバイオセラミッ
クスとして注目されているが、その金属置換体について
は前記公報の他には余り用途開発がなされておらず、こ
れまで防錆作用については全く開発または示唆されたも
のはない。
クスとして注目されているが、その金属置換体について
は前記公報の他には余り用途開発がなされておらず、こ
れまで防錆作用については全く開発または示唆されたも
のはない。
【0010】本発明者らは叙上事実に鑑み、従来の防錆
顔料と全く異なった白色無公害防錆顔料の開発につき鋭
意研究していたところ、驚くべきことにアパタイトの金
属置換体が優れた防錆作用を有することを知見し、本発
明を完成するに至った。
顔料と全く異なった白色無公害防錆顔料の開発につき鋭
意研究していたところ、驚くべきことにアパタイトの金
属置換体が優れた防錆作用を有することを知見し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明はアパタイト構造を有す
るりん酸塩系の無公害白色防錆顔料を提供することを目
的とする。
るりん酸塩系の無公害白色防錆顔料を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る防錆顔料は、次の一般式; Me(0.5m+1.5n) (X)m (PO4 )n [式中、MeはCa,Mg又はBa、XはOH,F,N
O3 又はNO2 、m,nは係数を表わす。]で表わされ
るアパタイトのカチオンを、Zn2+,Ce2+,Pb2+,
Sn2+,Ni2+又はCu2+から選ばれた1種又は2種以
上の金属イオンとイオン交換して該金属イオンをアパタ
イト中に担持してなることを構成上の特徴とするもので
ある。
る防錆顔料は、次の一般式; Me(0.5m+1.5n) (X)m (PO4 )n [式中、MeはCa,Mg又はBa、XはOH,F,N
O3 又はNO2 、m,nは係数を表わす。]で表わされ
るアパタイトのカチオンを、Zn2+,Ce2+,Pb2+,
Sn2+,Ni2+又はCu2+から選ばれた1種又は2種以
上の金属イオンとイオン交換して該金属イオンをアパタ
イト中に担持してなることを構成上の特徴とするもので
ある。
【0013】通常、アパタイトと称する場合、代表的に
は、一般式Ca(0.5m+1.5n) (OH)m ・(PO4 )n
で表わされる特徴的な結晶構造をもつものであって、特
にm=2、n=6の 3Ca3 (PO4 )2 ・Ca(O
H)2 で表わされる三塩基性リン酸カルシウムのヒドロ
キシアパタイトであるが、本発明におけるアパタイトと
は、上記一般式で表わされ、且つモル比Me/Pが1.
4〜1.8の組成のアパタイト結晶構造をもつ難溶性の
塩基性リン酸塩をいう。
は、一般式Ca(0.5m+1.5n) (OH)m ・(PO4 )n
で表わされる特徴的な結晶構造をもつものであって、特
にm=2、n=6の 3Ca3 (PO4 )2 ・Ca(O
H)2 で表わされる三塩基性リン酸カルシウムのヒドロ
キシアパタイトであるが、本発明におけるアパタイトと
は、上記一般式で表わされ、且つモル比Me/Pが1.
4〜1.8の組成のアパタイト結晶構造をもつ難溶性の
塩基性リン酸塩をいう。
【0014】上記アパタイトのうち、本発明では、特に
カルシウムヒドロオキシアパタイトが好ましい。
カルシウムヒドロオキシアパタイトが好ましい。
【0015】このようなアパタイトは、表面活性である
ため、他のカチオンやアニオンを吸着または反応担持し
易いうえ、その結晶構造中のCa2+等のカチオンおよび
OH- 等のアニオンが共にイオン交換能を有する代表的
な無機イオン交換体の一つである。
ため、他のカチオンやアニオンを吸着または反応担持し
易いうえ、その結晶構造中のCa2+等のカチオンおよび
OH- 等のアニオンが共にイオン交換能を有する代表的
な無機イオン交換体の一つである。
【0016】この様なアパタイトは合成品が品質上好ま
しいけれども、天然品であっても差し仕えない。なお、
合成品の製造履歴は特に限定する必要はない。
しいけれども、天然品であっても差し仕えない。なお、
合成品の製造履歴は特に限定する必要はない。
【0017】アパタイトは、多くの場合、微粉末状であ
りその平均粒子径は大きくても5μmまでの範囲がよ
い。また、アパタイトの一次粒子は種々の形状が知られ
ているが、いずれも限定することなく適用できる。
りその平均粒子径は大きくても5μmまでの範囲がよ
い。また、アパタイトの一次粒子は種々の形状が知られ
ているが、いずれも限定することなく適用できる。
【0018】本発明は係るアパタイトのカチオンを他の
金属イオンとイオン交換させてアパタイト中に他の金属
イオンを担持させてなるものであるが、そのイオン交換
量はアパタイト結晶構造を破壊しない量を限度とする。
ここでアパタイト結晶構造を破壊しないとは、X線回析
により、アパタイト結晶構造のみが同定され、例えば、
りん酸亜鉛の如き他の金属りん酸塩の結晶構造が明確に
同定されない状態のものを意味する。
金属イオンとイオン交換させてアパタイト中に他の金属
イオンを担持させてなるものであるが、そのイオン交換
量はアパタイト結晶構造を破壊しない量を限度とする。
ここでアパタイト結晶構造を破壊しないとは、X線回析
により、アパタイト結晶構造のみが同定され、例えば、
りん酸亜鉛の如き他の金属りん酸塩の結晶構造が明確に
同定されない状態のものを意味する。
【0019】このような金属イオン交換量は、アパタイ
トの物性、イオン交換条件、金属イオンの種類等によっ
て一様ではないが、酸化物換算で、アパタイト中に多く
とも15wt%、好ましくは0.5〜10wt%の範囲
にある。
トの物性、イオン交換条件、金属イオンの種類等によっ
て一様ではないが、酸化物換算で、アパタイト中に多く
とも15wt%、好ましくは0.5〜10wt%の範囲
にある。
【0020】アパタイトのカチオンと交換すべき他の金
属イオンとしては、Zn2+,Ce2+,Pb2+,Sn2+,
Ni2+又はCu2+から選ばれた1種又は2種以上のもの
であり、特に、Zn2+又は/及びCe2+が好ましい。な
お、後記するイオン交換処理において、用いる金属塩に
よっては、アパタイト中OH- の一部が例えばNO3 -,
NO2 -などにアニオン交換して、金属イオンと同時に、
アニオンも同時に担持する。
属イオンとしては、Zn2+,Ce2+,Pb2+,Sn2+,
Ni2+又はCu2+から選ばれた1種又は2種以上のもの
であり、特に、Zn2+又は/及びCe2+が好ましい。な
お、後記するイオン交換処理において、用いる金属塩に
よっては、アパタイト中OH- の一部が例えばNO3 -,
NO2 -などにアニオン交換して、金属イオンと同時に、
アニオンも同時に担持する。
【0021】係るイオン交換アパタイトは、次のように
して容易に得ることができる。
して容易に得ることができる。
【0022】即ち、アパタイトスラリーと上記金属塩の
水溶液とを常温ないし加温においてイオン交換が行われ
るに必要な時間にわたり保持して混合撹拌することによ
り行われる。適用できる金属塩としては、上記金属の硝
酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩などであるが、好ましくは、硝
酸塩又は亜硝酸塩である。
水溶液とを常温ないし加温においてイオン交換が行われ
るに必要な時間にわたり保持して混合撹拌することによ
り行われる。適用できる金属塩としては、上記金属の硝
酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩などであるが、好ましくは、硝
酸塩又は亜硝酸塩である。
【0023】本発明に係る防錆顔料は、粉体の分散性あ
るいは塗料ビヒクルとの親和性を考慮して必要に応じ高
級脂肪酸若しくはその誘導体、酸性リン酸エステル若し
くはその誘導体、ロジン酸若しくはその誘導体又はシラ
ンカップリング剤から選ばれた1種又は2種以上で表面
処理されたものであってもよい。
るいは塗料ビヒクルとの親和性を考慮して必要に応じ高
級脂肪酸若しくはその誘導体、酸性リン酸エステル若し
くはその誘導体、ロジン酸若しくはその誘導体又はシラ
ンカップリング剤から選ばれた1種又は2種以上で表面
処理されたものであってもよい。
【0024】高級脂肪酸若しくはその誘導体としては、
例えば、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸若しくはそれらの金属塩又はアミド等、酸性
リン酸エステル若しくはその誘導体としては、例えば、
モノメチルアシドホスフェート、ジメチルアシドホスフ
ェート、ジエチルアシドホスフェート、メチルエチルア
シドホスフェート、n−またはイソ−プロピルアシドホ
スフェート、n−またはイソ−ブチルアシドホスフェー
ト等、ロジン酸若しくはその誘導体としては、例えば、
ロジン酸、天然ロジンまたはその金属塩又はアミド等、
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリク
ロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン等であるが、それらは上記に限定されるものではな
い。
例えば、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸若しくはそれらの金属塩又はアミド等、酸性
リン酸エステル若しくはその誘導体としては、例えば、
モノメチルアシドホスフェート、ジメチルアシドホスフ
ェート、ジエチルアシドホスフェート、メチルエチルア
シドホスフェート、n−またはイソ−プロピルアシドホ
スフェート、n−またはイソ−ブチルアシドホスフェー
ト等、ロジン酸若しくはその誘導体としては、例えば、
ロジン酸、天然ロジンまたはその金属塩又はアミド等、
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリク
ロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン等であるが、それらは上記に限定されるものではな
い。
【0025】また、本発明は上述のアパタイトの単独使
用で十分な防錆作用を発揮するものであるが、更に、キ
レート能を有する有機リン化合物を含有させるのが防錆
効果上より好ましい。
用で十分な防錆作用を発揮するものであるが、更に、キ
レート能を有する有機リン化合物を含有させるのが防錆
効果上より好ましい。
【0026】キレート能を有する有機化合物としては一
般式 Rm N[(CH2 )n P(O)(OZ)2 ]3-n (I) [式中、Rは低級アルキル基、mは0〜3、n=1〜
2、Zは水素、アルカリ金属又はアンモニウム基を表わ
す]で表わされるアミノアルキレンホスホン酸若しくは
その塩、一般式
般式 Rm N[(CH2 )n P(O)(OZ)2 ]3-n (I) [式中、Rは低級アルキル基、mは0〜3、n=1〜
2、Zは水素、アルカリ金属又はアンモニウム基を表わ
す]で表わされるアミノアルキレンホスホン酸若しくは
その塩、一般式
【0027】
【化1】 [式中、nは1〜3の整数、Zは前式と同義である]で
表わされるエチレンジアミンテトラアルキレンホスホン
酸若しくはその塩、一般式
表わされるエチレンジアミンテトラアルキレンホスホン
酸若しくはその塩、一般式
【0028】
【化2】 [式中、Rは水素原子又は低級アルキル基、Zは前式と
同義である]で表わされるアルキルメタン−1−ヒドロ
キシ−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩、および一
般式
同義である]で表わされるアルキルメタン−1−ヒドロ
キシ−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩、および一
般式
【0029】
【化3】 で表わされる2−ヒドロキシホスホノ酢酸若しくはその
塩である。
塩である。
【0030】上記一般式(I)、(II)、(II
I)、(IV)で表わされる化合物のうち、(I)式の
化合物としては、例えば、ニトリロトリスメチレンホス
ホン酸、ニトリロトリスエチレンホスホン酸、ニトリロ
トリスプロピレンホスホン酸、ニトリロジエチルメチレ
ンホスホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホスホン
酸等であり、(II)式中の化合物としては、例えば、
エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミン
テトラプロピレンホスホン酸、(III)式の化合物と
しては、例えば、メタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジ
ホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホス
ホン酸、プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホ
ン酸、(IV)式の化合物で2−ヒドロキシホスホノ酢
酸及びそれ等の塩としては、上記化合物のナトリウム、
カリウム、カルシウム又はアンモニウム基で一部又は全
部中和されたものがあげられる。
I)、(IV)で表わされる化合物のうち、(I)式の
化合物としては、例えば、ニトリロトリスメチレンホス
ホン酸、ニトリロトリスエチレンホスホン酸、ニトリロ
トリスプロピレンホスホン酸、ニトリロジエチルメチレ
ンホスホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホスホン
酸等であり、(II)式中の化合物としては、例えば、
エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミン
テトラプロピレンホスホン酸、(III)式の化合物と
しては、例えば、メタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジ
ホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホス
ホン酸、プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホ
ン酸、(IV)式の化合物で2−ヒドロキシホスホノ酢
酸及びそれ等の塩としては、上記化合物のナトリウム、
カリウム、カルシウム又はアンモニウム基で一部又は全
部中和されたものがあげられる。
【0031】なお、上記有機リン化合物の使用の際、必
要に応じ亜鉛華を併用することができる。
要に応じ亜鉛華を併用することができる。
【0032】これらの有機リン化合物を含有させる方法
には、湿式法と乾式法が考えられる。湿式法としては、
例えばイオン交換したアパタイトスラリーにキレート能
を有する前記有機リン化合物を滴下混合する。更に表面
処理する場合は、オレイン酸ナトリウムのような高級脂
肪酸塩などの表面処理剤を添加混合する。
には、湿式法と乾式法が考えられる。湿式法としては、
例えばイオン交換したアパタイトスラリーにキレート能
を有する前記有機リン化合物を滴下混合する。更に表面
処理する場合は、オレイン酸ナトリウムのような高級脂
肪酸塩などの表面処理剤を添加混合する。
【0033】乾式法としては、例えばイオン交換したア
パタイトにキレート能を有する前記有機リン化合物や表
面処理剤を添加して、それらが均一になる様に強力セン
断力による混合方法があげられる。
パタイトにキレート能を有する前記有機リン化合物や表
面処理剤を添加して、それらが均一になる様に強力セン
断力による混合方法があげられる。
【0034】本発明に係る防錆顔料は、上記のいずれの
態様でも差支えないが、工業的には乾式法で行う方法が
好ましい。
態様でも差支えないが、工業的には乾式法で行う方法が
好ましい。
【0035】なお、キレート能を有する有機リン化合物
の量はこれを含有する防錆顔料が好ましく塗料化する限
り特に限定されるものではないが、多くの場合、アパタ
イトに対して多くとも20重量%まで、好ましくは2〜
15wt%である。
の量はこれを含有する防錆顔料が好ましく塗料化する限
り特に限定されるものではないが、多くの場合、アパタ
イトに対して多くとも20重量%まで、好ましくは2〜
15wt%である。
【0036】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
的に説明する。
【0037】実施例1 消石灰スラリーとリン酸とにより生成したカルシウムヒ
ドロオキシアパタイトスラリー(10wt%)[日本化
学工業(株)製;商品名「スーパータイト」]1000
重量部に硝酸亜鉛水溶液(10wt%)100重量部を
添加して加温下6時間混合した。次いでステアリン酸ナ
トリウムを少量添加混合後、濾過分離、水洗して、さら
に、乾燥および粉砕してZn置換アパタイト粉末を得
た。
ドロオキシアパタイトスラリー(10wt%)[日本化
学工業(株)製;商品名「スーパータイト」]1000
重量部に硝酸亜鉛水溶液(10wt%)100重量部を
添加して加温下6時間混合した。次いでステアリン酸ナ
トリウムを少量添加混合後、濾過分離、水洗して、さら
に、乾燥および粉砕してZn置換アパタイト粉末を得
た。
【0038】この白色粉末は、平均粒子径0.58μm
であり、X線回析による結晶は、アパタイトのみの結晶
構造のものであった。
であり、X線回析による結晶は、アパタイトのみの結晶
構造のものであった。
【0039】実施例2 実施例1において、硝酸亜鉛水溶液の代りに、亜硝酸亜
鉛水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の条件と操作
により、Zn置換アパタイト粉末を得た。
鉛水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の条件と操作
により、Zn置換アパタイト粉末を得た。
【0040】この白色粉末は平均粒子径0.52μmで
あり、X線回析による結晶はアパタイトのみの結晶構造
のものであった。
あり、X線回析による結晶はアパタイトのみの結晶構造
のものであった。
【0041】実施例3 実施例1において、硝酸亜鉛水溶液の代りに硝酸セリウ
ム水溶液(10wt%)を用いた以外は、実施例1と同
様の操作と条件にて、Ce置換アパタイト粉末を得た。
ム水溶液(10wt%)を用いた以外は、実施例1と同
様の操作と条件にて、Ce置換アパタイト粉末を得た。
【0042】この白色粉末は平均粒子径0.51μm、
X線回析ではアパタイト結晶構造のみのものであった。
X線回析ではアパタイト結晶構造のみのものであった。
【0043】実施例4 実施例1で得られた、Zn置換アパタイト100重量部
に、50wt%のニトリロトリスエチレンホスホン酸6
重量部および亜鉛華5重量部をヘンシェルミキサーにて
10分間混合して防錆顔料を得た。
に、50wt%のニトリロトリスエチレンホスホン酸6
重量部および亜鉛華5重量部をヘンシェルミキサーにて
10分間混合して防錆顔料を得た。
【0044】実施例5 実施例2で得られたZn置換アパタイト100重量部に
60wt%のメタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホス
ホン酸5重量部および亜鉛華5重量部をヘンシェルミキ
サーにて10分間混合して防錆顔料を得た。
60wt%のメタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホス
ホン酸5重量部および亜鉛華5重量部をヘンシェルミキ
サーにて10分間混合して防錆顔料を得た。
【0045】実施例6 実施例3で得られたCe置換アパタイト100重量部に
2−ヒドロキシホスホノ酢酸7重量部および亜鉛華5重
量部をヘンシェルミキサーにて10分間混合して防錆顔
料を得た。
2−ヒドロキシホスホノ酢酸7重量部および亜鉛華5重
量部をヘンシェルミキサーにて10分間混合して防錆顔
料を得た。
【0046】試験例 次に、得られた防錆顔料の防錆能力を調べた。各々の防
錆顔料の塗料化方法と防錆試験方法は下記の通りであ
る。
錆顔料の塗料化方法と防錆試験方法は下記の通りであ
る。
【0047】<塗料化方法>下記の配合組成の配合原料
とガラスビーズ[東芝硝子(株)製GB603]100
gを200mlのマヨネーズビンに入れ、ペイントシェ
ーカーを用いて1時間分散させて塗料化した。
とガラスビーズ[東芝硝子(株)製GB603]100
gを200mlのマヨネーズビンに入れ、ペイントシェ
ーカーを用いて1時間分散させて塗料化した。
【0048】 防錆顔料 3.0重量部 二酸化チタン(ルチル型) 12.0重量部 沈降性硫酸バリウム 32.0重量部 ビヒクル(注1) 40.0重量部 ミネラルスプリット 12.0重量部 ドライヤー(注2) 1.0重量部 但し 注1 ベッコゾール1334[大日本インキ化学
(株)]不揮発分50%、中油アルキッド樹脂 注2 液状ドライヤー(JIS K−5691、1種
A)
(株)]不揮発分50%、中油アルキッド樹脂 注2 液状ドライヤー(JIS K−5691、1種
A)
【0049】<防錆試験>上記の方法で製造した塗料を
冷間圧延鋼板[日本テストパネル工業(株)製JIS
G3141、SPCC−SB,1.0×70×150m
m]にバーコーターを用いて1回塗りし、乾燥後の膜厚
が15μmになるようにする。この後、上塗りをするこ
となく、5%食塩水によるJIS K5400の塩水噴
霧試験[スガ試験機(株)製、塩水噴霧試験機ST−I
SO−2を使用]を行うことにより防錆能力の性能評価
をした。
冷間圧延鋼板[日本テストパネル工業(株)製JIS
G3141、SPCC−SB,1.0×70×150m
m]にバーコーターを用いて1回塗りし、乾燥後の膜厚
が15μmになるようにする。この後、上塗りをするこ
となく、5%食塩水によるJIS K5400の塩水噴
霧試験[スガ試験機(株)製、塩水噴霧試験機ST−I
SO−2を使用]を行うことにより防錆能力の性能評価
をした。
【0050】防錆試験の結果は表1の通りである。
【0051】
【表1】 ──────────────────────────── 試料 評価 試料 評価 実施例1 4 比較例1 3.5 実施例2 4 比較例2 2 実施例3 4 ブランク 1 実施例4 5 実施例5 5 実施例6 5 ──────────────────────────── (注) 1)比較例1:トリポリりん酸二水素アルミニウム系防
錆顔料市販品 2)比較例2:りん酸亜鉛系防錆顔料市販品 3)ブランク:防錆顔料を含有しないものを示す。 4)評 価:性能の評価は試験片の状態を観察し、下
記の基準によって行った。 1 錆の発生率が100% 2 錆の発生率が 75% 3 錆の発生率が 50% 4 錆の発生率が 25% 5 ふけや錆の発生が無いもの
錆顔料市販品 2)比較例2:りん酸亜鉛系防錆顔料市販品 3)ブランク:防錆顔料を含有しないものを示す。 4)評 価:性能の評価は試験片の状態を観察し、下
記の基準によって行った。 1 錆の発生率が100% 2 錆の発生率が 75% 3 錆の発生率が 50% 4 錆の発生率が 25% 5 ふけや錆の発生が無いもの
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、十分な防錆作用を示す
無公害性の白色防錆顔料であるため、極めて産業上利用
価値の高いものである。
無公害性の白色防錆顔料であるため、極めて産業上利用
価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−180270(JP,A) 特開 昭55−42297(JP,A) 特開 平4−214772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 25/32 C09C 1/00
Claims (3)
- 【請求項1】 次の一般式; Me(0.5m+1.5n) (X)m (PO4 )n [式中、MeはCa,Mg又はBa、XはOH,F,N
O3 又はNO2 、m,nは係数を表わす。]で表わされ
るアパタイトのカチオンを、Zn2+,Ce2+,Pb2+,
Sn2+,Ni2+又はCu2+から選ばれた1種又は2種以
上の金属イオンとイオン交換して該金属イオンをアパタ
イト中に担持してなることを特徴とする防錆顔料。 - 【請求項2】 キレート能を有する有機りん化合物を更
に含有する請求項1に記載の防錆顔料。 - 【請求項3】 高級脂肪酸もしくはその誘導体、酸性り
ん酸エステルもしくはその誘導体、ロジン酸もしくはそ
の誘導体又はシランカップリングから選ばれた1種又は
2種以上の表面処理剤で表面処理してなる請求項1又は
2に記載の防錆顔料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21648891A JP3218400B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 防錆顔料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21648891A JP3218400B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 防錆顔料 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543211A JPH0543211A (ja) | 1993-02-23 |
JP3218400B2 true JP3218400B2 (ja) | 2001-10-15 |
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ID=16689220
Family Applications (1)
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JP21648891A Expired - Fee Related JP3218400B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 防錆顔料 |
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JP (1) | JP3218400B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3859731B2 (ja) * | 1997-07-31 | 2006-12-20 | 日本化学工業株式会社 | 防錆顔料組成物およびこれを含有する防錆塗料 |
-
1991
- 1991-08-02 JP JP21648891A patent/JP3218400B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0543211A (ja) | 1993-02-23 |
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