JP3865907B2 - 防錆顔料組成物およびこれを含有する防錆塗料 - Google Patents

防錆顔料組成物およびこれを含有する防錆塗料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、金属の腐食を防止するために有用な、無公害型の白色系防錆顔料組成物及びこれを含有する防錆塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
防錆顔料として、鉛丹、亜酸化鉛、シアナミド鉛、鉛酸カルシウム、塩基性硫酸鉛などの鉛塩系、塩基性クロム酸亜鉛カリウム、四塩基性クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウム、クロム酸ストロンチウムなどのクロム酸塩系のものが主に用いられてきた。しかしながら、これらの防錆顔料は金属に対して優れた錆止め性能を発揮するものの、健康障害や環境保全上の問題から次第にその使用が規制されるに至っている。
【0003】
これらに代わる無公害型の防錆顔料として、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウム、リン酸チタン、リン酸シリカなどのリン酸塩系、トリポリリン酸アルミニウムなどの縮合リン酸塩系、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、亜リン酸ストロンチウム、亜リン酸アルミニウムなどの亜リン酸塩系、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛等の無公害型の防錆顔料が開発され一部実用化に至っている。しかしながら、クロム塩系又は鉛塩系顔料に匹敵しうるものでないため一層強力な防錆力を有する顔料が要望され、例えば塩基性亜リン酸亜鉛(特開昭50−50297号公報)、ヒドロキシ亜リン酸亜鉛錯体(特開昭58−194725号公報)、亜リン酸亜鉛と亜鉛華との反応生成物による防錆顔料(特開昭57−109862号公報)、亜リン酸亜鉛カリウム系の防錆顔料(特開昭58−84109号公報、特開昭59−20466号公報)、亜リン酸亜鉛カルシウム系(特開平3−111457号公報)、板状亜リン酸カルシウム系(特開平3−285808号公報)、縮合リン酸塩と亜鉛化合物および/またはホウ酸塩化合物の表面を化学修飾した防錆顔料(特開平2−151664号公報)、亜リン酸亜鉛又は/及び亜リン酸カルシウムにキレート能を有する有機リン化合物を含有させた防錆顔料(特開平6−93478号公報)、酸化亜鉛にキレート能を有する有機ホスホン酸で反応処理した防錆顔料及びこの防錆顔料とリン酸塩系または亜リン酸塩系の白色防錆顔料との混合物からなる防錆顔料(特開平6−122986号公報)等の無公害型白色防錆顔料が提案されている。
【0004】
ハイドロタルサイトは、マグネシウムとアルミニウムの含水塩基性炭酸塩鉱物として、広く知られており、腐食源となる塩素イオンを捕捉することから、防錆顔料として、或いは、塗料組成物として用いて、防錆性能を向上させる方法が提案されている。塗料組成物としては、例えば、Mg4 Al2(OH)12CO3・3H2 O、Mg4 Al2(OH)16CO3・4H2 O又はMg4 Al2(OH)16CO3 ・5H2 Oのいずれかの組成を有するハイドロタルサイトを、塗料100重量部に対して0.5〜20重量部含有させた塗料組成物(特開昭59−70463号公報)、塗料用樹脂100重量に対して、焼成ハイドロタルサイト0.5〜30重量部を含有させた防食塗料(特開昭61−66767号公報)、塗膜形成成分に、下記一般式(3)
【化3】
〔(Mg2+)y1(M2 2+)Y21-x3+( OH)2n- X/n・mH2 O (3)
(式中、M2 2+ はZn、Cd、Pb、Ca及びSrより群から選ばれた2価金属の少なくとも1種を、M3+は3価金属を、An-はn価のアニオンを示し、x、y1、y2及びmは夫々下記の条件を満足する正数である。0<x≦0.5、0.5≦y1+y2<1、0≦m<2)で表されるハイドロタルサイト系固溶体を含有させた塗料組成物(特開昭62−70463号公報)、マトリックスの樹脂固形分100重量部に対して、下記一般式(4)
【化4】
〔M2+ 1-x1 3+ x( OH)2x+〔An- x/n・mH2 O〕x- (4)
(式中、M2+は二価金属、M1 3+ +は三価金属、An-はn価アニオンであり、xは0<x<0.33の範囲にある。)で表されるハイドロタルサイト類化合物粉末を1〜100重量部含有する塗料組成物等が提案され、また、An-アニオンの種類としては、I-、OH-、HCO3 -、 CO3 2-、CrO4 2-、(COO)2 -、 〔Fe(CN)64-、 Cl-、NO3 -、 クエン酸イオン、サリチル酸イオン等が提案されている。
【0005】
一方、防錆顔料の面から見ると、特開平5−306124号公報には、下記一般式(5)
【化5】
〔(Mg2+)y( M1 2+)z1-x(M2 3+)x(OH)z・(An-)x/n・ mH2 O (5)
(式中、M1 はZn、Pb、Ca及びSrからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、M2 はAl及びFeの少なくとも1種以上の3価金属元素、An-は、n価のアニオンであり、xは、0<x≦0.5、zは0≦z<0.5、0.5≦y+z<1、0≦m<2)で表される固溶体を主成分とし、前記An-の少なくとも一部がMoO4 2-、WO4 2- 及びNO2 -からなる群から選ばれた少なくとも1種である防錆顔料が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハイドルタルサイト類を防錆顔料として用いた場合には、塗料安定性が悪くなる傾向があり、好ましい防錆性能が得られにくい欠点がある。一方、その他の無公害型の防錆顔料においても、ある程度の効果が期待できるけれど、特に、自動車や電気器具等の塗装に用いられる電着塗料用およびPCM塗料用の無公害型の防錆顔料は、緊急の必要があるにも拘わらず、クロム酸塩や鉛塩の防錆機能に代わるもが実用化されていない。
一方、これら防錆顔料を含有する塗料の面からみると、環境上の問題から、従来の溶剤系塗料に代わって、水性塗料への転換が要請されており、より防錆力を発揮する無公害型防錆塗料の開発が望まれている。
【0007】
本発明者らは、前記事実に鑑み、無公害型の防錆顔料について鋭意研究を重ねた結果、防錆顔料と亜硝酸イオンを含有するハイドロタルサイト類とを主組成とする防錆顔料組成物が、塗料安定性にも優れ、極めて優れた防錆性能を発揮することを知見し本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、無公害で優れた防錆性能を有する防錆顔料およびこれを含有する防錆塗料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供しようとする防錆顔料組成物は、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、又はAlの1種又は2種以上から選ばれたリンのオキシ酸金属塩である防錆顔料と、下記一般式(1)
【化6】
Mgb−aAl(OH)2b・(NO・tHO (1)
(式中、aは0<a、bは2a≦b、tは0<tを示す。)で表されるハイドロタルサイト類を主組成とすることを特徴とする防錆顔料組成物であって、ハイドロタルサイト類は、顔料組成物中0.5〜20重量%の範囲で含有することを構成上の特徴とする。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。防錆顔料としては、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn又はAlの1種又は2種以上から選ばれたリンのオキシ金属塩が挙げられる。
【0010】
リンのオキシ金属塩としては、例えば亜リン酸金属塩、リン酸金属塩及び/又はポリリン酸金属塩であって、亜リン酸金属塩としては、例えば亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸ストロンチウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛カルシウム、亜リン酸亜鉛カリウム等が挙げられる。リン酸塩としては、例えば、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛マグネシウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛カリウム、リン酸亜鉛カリウム、ポリリン酸カルシウム、ポリリン酸マグネシウム、ポリリン酸亜鉛及びポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの化合物は、正塩、塩基性塩又は複塩のいずれであってもよく、また、含水又は無水物のいずれであってもよい。また、これらの防錆顔料は1種又は2種以上で用いられる。
【0011】
ハイドロタルサイト類は、上記一般式(1)で表される代表的な無機アニオン交換体で、一般式(1)中、aは0<a、bは2a≦b、tは0<tを示す。かかるハイドロタルサイト類の物性等には限定はなく、用途により比表面積や平均2次粒子径等を限定したものを用いても差し支えない。ハイドロタルサイト類の製造方法としては、公知の製造方法に従えばよく、例えば、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭47−32198号公報、特公昭56−29893号公報等の公報において、マグネシウム源として、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、亜硝酸マグネシウム等と、亜硝酸源として、亜硝酸ソーダ、亜硝酸カリウム等を与える成分とを上記の方法に従って反応を行えばよい。なお、所望により得られた固溶体を例えば水性溶体中で更に加熱処理することにより30m2/g以下の比表面積及び2μm以下の平均2次粒子径を有するハイドロタルサイト類を得ることができる。
【0012】
ハイドロタルサイト類の含有量は、顔料組成物中、0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは3〜7重量%である。この理由は、0.5重量%より小さくなると、防錆性能が劣る傾向があるためである。一方、20重量%より大きくなっても、その効果が飽和するばかりでなく、特に水性塗料とした場合、塗膜の性能、耐水性及び塗料安定性が悪くなる傾向があり、原料自体も高価なこともあって経済的でない。
【0013】
本発明の防錆顔料組成物を得るには、上記割合に各成分を配合し、均一な組成配合となるように湿式法或いは乾式法による強力な剪断力が作用する機械的手段にて調製される。湿式法は、ボールミル、ディスパーミル、ホモジナイザー、振動ミル、サンドグラインドミル、アトライターおよび強力撹拌機等の装置にて操作される。一方、乾式法では、ハイスピードミキサー、スーパーミキサー、ターボスフェアミキサー、ナウターミキサーおよびリボンブレンダー等の装置を用いることができる。なお、これら均一配合操作は、例示した機械的手段に限定されるものではない。また、所望によりジェットミル等で粉砕処理して粒度調整を行っても差し支えない。
【0014】
本発明では、上記した白色系の防錆顔料を所望により酸性リン酸エステル又は/及びキレート能を有するホスホン酸、又はその誘導体から選ばれた有機リン酸化合物で表面処理したものであったりも差し支えない。
酸性リン酸エステルとしては、例えばメチルアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、メチルエチルアシッドホスフェート、正−またはイソープロピルアシッドホスフェート、正−またはイソ−ジプロピルアシッドホスフェート、メチルブチルアシッドホスフェート、エチルブチルアシッドホスフェート、プロピルブチルアシッドホスフェート、正−またはイソ−オクチルアシッドホスフェート、正−またはイソ−ジオクチルアシッドホスフェート、正−デシルアシッドホスフェート、正−ジデシルアシッドホスフェート、正−ラウリルアシッドホスフェート、正−ジラウリルアシッドホスフェート、正−またはイソ−セシルアシッドホスフェート、正−またはイソ−ジセシルアシッドホスフェート、正−ステアリルアシッドホスフェート、正−またはイソ−ジステアリルアシッドホスフェート、アリルアシッドホスフェート、ジアリルアシッドホスフェートなどが挙げれ、これら化合物のMg、Ca、Sr、Ba、Zn又はAlから選ばれた1種又は2以上の金属塩、アミン塩等が挙げられる。
【0015】
キレート能を有するホスホン酸の化合物としては、例えばアミノアルキレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸、アルキルメタンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン酸又は、2ーヒドロキシホスホノ酢酸などが代表的な化合物として挙げられる。このうちアミノアルキレンホスホン酸としては、例えば、ニトリロトリスチレンホスホン酸、ニトリロトリスプロピレンホスホン酸、ニトリロジエチルメチレンホスホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホスホン酸等が挙げられる。エチレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸としては、例えば、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホン酸等が挙げられる。アルキレンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン酸としては、例えば、メタンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン酸、エタンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン酸、プロパンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン酸等が挙げられ、これら化合物のMg、Ca、Sr、Ba、Zn又はAlから選ばれた1種又は2以上の金属塩であってもよいが、これら化合物に限定されるものではない。
また、上記の酸性リン酸エステルとキレート能を有するホスホン酸の化合物を1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リンのオキシ酸金属塩に対する酸性リン酸エステル又は/およびキレート能を有するホスホン酸の配合量は、用いる化合物の物性や種類等によって一様ではないが、通常0.1〜30重量%、好ましくは、1〜10重量%である。
【0016】
また、該顔料組成物を塗料化した場合に、良好な塗膜特性を与える目的で、所望により、酸化亜鉛と併用してもよい。この場合、酸化亜鉛の含有量は、顔料組成物中、10〜60重量%の範囲で含有させればよい。更に、酸化亜鉛は、上記の酸性リン酸エステル又は/及びキレート能を有するホスホン酸、又はその誘導体から選ばれた有機リン酸化合物、或いは、白色不溶性の微細な金属酸化物、含水酸化物、シリカ、金属シリケートで表面処理されたものであっても差し支えない。
【0017】
また、その他の成分として、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料、ハイドロカルマイト、亜硝酸ソーダ、亜硝酸カルシウム等の亜硝酸金属塩及びその他助剤成分と併用してもよい。
なお、本発明の防錆顔料組成物は、必要に応じて分散性を改善する目的で高級脂肪酸またはその誘導体、界面活性剤、シランカップリング剤でさらに表面処理したものであってもよい。
【0018】
本発明の防錆塗料は、上記の白色系の防錆顔料とハイドロタルサイトを主組成とする防錆顔料を塗料ビヒクルに含有させてなるものである。塗料ビヒクルとは、顔料を分散させる媒体を言う。即ち、塗膜形成成分である重合油、天然または合成樹脂、繊維素やゴムの誘導体等の高分子物質やそれらを溶剤に溶解させたものである。
【0019】
本発明で用いる塗膜ビヒクル樹脂としては、例えばフェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、グアナジン樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ケイ素樹脂、含フッ素樹脂等が挙げられ、これらは必要に応じ、混合系または変性された樹脂であっても差し支えない。また、希釈剤としては、水、アルコール類、ケトン類、ベンゼン類、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類、液化パラフィンの如き脂肪族炭化水素類など、一般的に塗料で用いられている溶剤が適用できる。
【0020】
塗料ビヒクルに対する本発明の防錆顔料の配合量は、通常0.3〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは5〜15重量%である。配合量が0.3重量%より小さくなると防錆力が低くなり、30重量%より大きくなると、塗料粘性が高くなり、好ましい塗料特性が得られなくなる。
【0021】
本発明に係る防錆塗料は、刷毛やローラー塗り、スプレー塗装、静電気塗装、粉体塗装、ロールコーター、カーテンフローコーター、ディッピング塗装や電着塗装等に供することができる。
【0022】
【作用】
本発明に係る防錆顔料組成物は、白色系の無公害型の防錆顔料と、塩素イオンを捕捉しうるハイドロタルサイト類を主組成とすることから、無公害、低毒性に加えて優れた防錆力を有し、顔料特性はもちろんこれを塗料化した場合の塗料の安定性にも優れている。
本発明の防錆顔料組成物の強力な防錆機構については、未だ解明に至ってないが、おそらくハイドロタルサイトの強力な陰イオン交換能による塩素イオン等の腐食因子の捕捉、更にはMgの塩基として或いは犠牲電極としての作用、亜硝酸イオンのクロム酸の如きの不動態形成作用と、防錆顔料が本来持つ防錆作用とが相俟って強力な防錆性能を発揮すると考えられる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例において詳細に説明するが本発明は、これらに限定されるものではない。
<ハイドロタルサイト類化合物>
表1に示す組成のハイドロタルサイト類を調製した。
【0024】
【表1】
Figure 0003865907
【0025】
実施例1〜4
ハイドロタルサイト類(試料A)と表2に示した種類の無公害型防錆顔料を表2に示した割合で配合し、ハイスピードミキサーを2000rpmで、5分間操作して、各防錆顔料組成物を調製した。
比較例1〜4
ハイドロタルサイト類を添加しない、防錆顔料組成物を調製した。
比較例5
ハイドロタルサイト類のみの防錆顔料組成物を調製した。
【0026】
【表2】
Figure 0003865907
━┛
【0027】
<一次防錆性能の評価>
上記で得られた防錆顔料1gを水道水100mlに加え、400〜500rpmのスターラーで5分間撹拌した後、7日間静置し、濾過した。次いで脱脂および研磨したSPCC−SD鋼板に濾液5mlをそれぞれスポットした。
実施例1〜4と同様な操作でSPCC−SD鋼板の防錆性能の評価は、濾液のスポット後、経時的な鋼板表面の視覚観察により評価し、その結果を表3に示した。
なお、表中の記号は以下のことを示す。
◎: 錆の発生が全くない。
○: 全面積の10%以下で錆が発生
△: 全面積の10%以上で錆が発生
×: 全面積で錆が発生。
【0028】
【表3】
Figure 0003865907
【0033】
実施例1〜、比較例1〜で得た防錆顔料組成物を対象として、塗料を作成し、塗料分散性および防錆性能を評価した。その結果を表7に示す。なお、防錆顔料を配合していない塗料をブランク試料(比較例)とした。
(1)防錆塗料の調製
表6に示す組成の主剤に硬化剤を添加して、ペイントコンディショナー法にて常乾型エポキシ樹脂塗料を調製した。
【0034】
【表4】
Figure 0003865907
【0035】
(2)塗装鋼板の調製
上記の防錆塗料を70×150×0.7mmの日本テストパネル製、SPCC−SD鋼板に乾燥塗装厚膜が30〜35μmになるようにバーコーターにて塗布し、25℃、湿度60%の恒温恒湿器で1時間乾燥させて塗装鋼板を得た。
(3)塗料分散性の評価
(1)で調製した塗料をJIS K5101に準ずるグラインドゲージにて防錆顔料の分散度合を評価した。その結果を表6に示した。
良:10μm以下の分散
可:10〜50μmの分散
不可:50μm以上の分散
(4)防錆試験
(2)で調製した塗装鋼板を裏面および端面を3M社スコッチブランドテープでマスキングした後、クロスカットして塩水噴霧試験機にセットし、防錆試験を行った。
(5)防錆性能の評価
塩水噴霧試験400時間に於ける結果を下記の5段階評価法により評価し、防錆顔料の防錆効果を判定した。
評価5:クロスカット部以外の錆発生が全くなく、ブリスターもない。
評価4:クロスカット部から片側2mm以内に錆が発生、ブリスターもない。
評価3:クロスカット部から片側6mm以内に錆及び部分的にブリスターが発生。
評価2:クロスカット部から片側12mm以内に錆および部分的にブリスターが発生。
評価1:鋼板全体に錆およびブリスターが発生。
【0036】
【表5】
Figure 0003865907
【0037】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の防錆顔料組成物は、白色系の防錆顔料と亜硝酸イオンを含有するハイドロタルサイト類を主組成とすることから無公害で優れた防錆力を発揮し、安定した顔料特性を有するだけでなく、塗料安定性にも優れる。
従って、各種金属の防食用の防錆顔料として、また該顔料組成物を含有する塗料は防錆塗料として有用である。

Claims (2)

  1. Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、又はAlの1種又は2種以上から選ばれたリンのオキシ酸金属塩である防錆顔料と、下記一般式(1)
    Figure 0003865907
    (式中、aは0<a、bは2a≦b、tは0<tを示す。)で表されるハイドロタルサイト類を主組成とすることを特徴とする防錆顔料組成物であって、ハイドロタルサイト類は、顔料組成物中0.5〜20重量%の範囲で含有するものである防錆顔料組成物
  2. 請求項1記載の防錆顔料組成物を含有することを特徴とする防錆塗料。
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