JP3206659B2 - ログペーパー切断装置の寸法不良品分別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ログペーパー切断
装置の寸法不良品分別装置に関する。ログペーパーとは
ペーパーを丸太状に巻取ったものであり、これを所定の
長さに切断するとトイレットペーパーやキッチンロール
ペーパーとなる。一般に抄紙機で抄紙されたペーパーは
幅広で、そのまま大径（直径約2 〜4m）に巻取機で巻取
られる。この大径のロール紙を小径（トイレットペーパ
ーであればφ100 〜φ120 キッチンロールペーパーであ
れば約φ110 〜φ130 等）に巻返し、小径で長尺になっ
たものが、前記ログペーパーである。このログペーパー
を100 〜114mm間隔で切断してトイレットペーパーにし
たり、約220mm 〜230mm 間隔で切断してキッチンロール
ペーパーに仕上げるのがログペーパー切断装置である。

【０００２】

【従来の技術】従来のログペーパー切断装置として、特
開平４−２０９１５６号公報記載のものがあるが、その
基本構造を図５に基づき説明する。101 は２枚の丸鋸
で、アーム102 の先端に回転自在に取付けられ、モータ
ー等で高速で自転するようになっている。アーム102 は
軸103 のまわりで回転自在であり、モーター等により回
転するようになっている。このため、丸鋸101 は自転し
ながら公転することになる。そして、公転しながら自転
する丸鋸101 によりログペーパーＲを切断し、トイレッ
トペーパー等の製品を得ている。この際、ログペーパー
Ｒの長さ方向両端部の端面を整えるために、両端部を切
断して除去しており、この切断された端部をトリムと称
している。

【０００３】従来、ログペーパー搬送台上のログペーパ
ーＲから切断した製品を製品包装機へ搬送しているが、
ログペーパーＲから切断したトリムについては、搬送過
程で自然に落下させて分離するためのトリム落下装置を
採用している。この際、ログペーパーＲからトリムを切
断するタイミングと搬送台の搬送速度から、搬送台上の
トリムが落下位置に到達するタイミングが決まることを
利用して、トリムのみを選択して落下させるように制御
している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記従来例
はつぎの問題がある。ログペーパーを切断する際に、各
種の要因により、切断長さが規定寸法から外れる不良品
が現出することがあり、このような寸法不良品は、良品
から分離する必要がある。この際、トリムと同様に、寸
法不良品についても搬送過程で分別除去し、工程の簡略
化を図ることが望ましいが、従来のトリム落下装置は、
トリムのみを落下させる機能を有するものであり、切断
寸法不良品を分別除去することはできなかった。

【０００５】本発明はかかる事情に鑑み、ログペーパー
を切断する際に発生するトリムだけでなく、全ての寸法
不良品をログペーパー搬送過程で自動的に判別して分別
除去し、寸法不良品を良品から分別する工程の簡略化を
図ることができるログペーパー切断装置の寸法不良品分
別装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１のログペーパー
切断装置の寸法不良品分別装置は、ログペーパーから切
断された搬送台上の製品の外形寸法が規定寸法から外れ
る不良品およびトリムであるか否かを自動的に判別する
判別装置と、該判別装置による寸法不良品判別出力に基
ずいて寸法不良品を搬送台上から落下させる落下装置と
からなり、前記落下装置は、前記搬送台の一部に設けら
れた欠落部に搬送されてくる製品に対して、側方から接
触・離間自在に設けられた支持部と、前記寸法不良品判
別出力に基ずいて該支持部を寸法不良品から離間させた
状態に制御して寸法不良品を落下可能とする制御装置
と、前記欠落部の上方に配設され、下方へのエアの噴射
が制御されるエアノズルを備えることを特徴とする。

【０００７】請求項１の発明によれば、判別装置と落下
装置とを備えており、ログペーパーから切断された製品
が搬送台により搬送される過程で寸法不良品を自動的に
判別して分別除去することができるので、工程の簡略化
を図ることができる。また、トリムだけでなく規定寸法
より短い切断品についても寸法不良品として判別し、落
下させるように制御することができるので、完全な良品
のみを分別することができる。さらに、搬送台の一部に
設けられた欠落部に搬送されてくる製品に対して側方か
ら接触・離間自在に設けられた支持部を寸法不良品判別
出力に基ずいて寸法不良品から離間させた状態に制御す
ることにより、寸法不良品を落下させるので、簡単な構
成で寸法不良品を分別除去すことができ、下方へのエア
の噴射が制御されるエアノズルを欠落部の上方に配設し
ているので、不良品を強制的に落下させることができ、
不良品を瞬時に確実に落下させることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図１は本発明の一実施形態に係わる
寸法不良品分別装置を備えたログペーパー切断装置の側
面図である。

【０００９】図１において、アーム11は、その中心部に
水平方向に設けられた軸12がモーター等により回転する
ことにより、垂直面内で回転自在になっている。このア
ーム11の両端（先端）にそれぞれ回転自在に水平方向に
保持された軸13に２枚の丸鋸14が取り付けられており、
上記軸13がモーター等により高速回転することにより、
２枚の丸鋸14がそれぞれ垂直面内で高速で回転（自転）
自在になっている。したがって、２枚の丸鋸14は、それ
ぞれアーム11により回転（公転）しながら垂直面内で自
転することになる。この丸鋸１４でログペーパーをカッ
トする部分をカッティング部という。

【００１０】そして、搬送台10上に並列に載置された２
本ログペーパーＲが水平方向に搬送されて丸鋸14の下方
でクランパー（図示せず）によりクランプされた状態
で、前述したように公転しながら自転する丸鋸14により
一定長さの製品（トイレットペーパーなど）Ｐに切断さ
れる動作が、順次に繰り返されるように制御される。こ
の際、ログペーパーＲの長さ方向両端部も、端面を整え
るために切断され、トリムが生じる。

【００１１】上記したようにログペーパーＲから切断さ
れたトリムや製品Ｐをカッティング部より良品包装機へ
搬送する途中に、寸法不良品分別装置が設けられてい
る。この寸法不良品分別装置は、製品Ｐの外形寸法が規
定寸法から外れる不良品（トリムおよび小さすぎる切断
品、大きすぎる切断品をいう）であるか否かを自動的に
判別する判別装置20と、不良品を落下させる落下装置30
からなる。

【００１２】図２は判別部Ａと落下部Ｂの拡大平面図で
ある。図３は判別部Ａと落下部Ｂの拡大側面図である。
図４は落下装置30の正面図である。

【００１３】図２〜図４において、搬送台10は、２本の
ログペーパーＲを平行に搬送するように構成されてお
り、それに続いて、カッティング部の先には、不良品分
別装置のベルトコンベヤ１１が設けられている。このベ
ルトコンベア11、11は同じ高さで平行に２列設けられて
いる。各ベルトコンベア11は、それぞれ紐状の２本のベ
ルト12a 、12b が水平方向に一定距離をあけて同じ高さ
で平行に走行するようにプーリ13により駆動される構成
を有し、該２本のベルト12a 、12b 上にトリムや製品Ｐ
の底面の両端部を載置して搬送する。そして、落下部Ｂ
を構成する部分については、各ベルトコンベア11の２本
のベルト12a 、12b のうち、一方のベルト12aが欠落さ
れて、落下部Ｂの前後位置でプーリ13にかけられてい
る。ただし、他方のベルト12b は不良品判別箇所Ａから
落下部Ｂを通過して連続的に走行するようにプーリ13に
かけられている。

【００１４】判別装置20は、各ベルトコンベア11の判別
部Ａの上方に配設され、下方を搬送中のトリムや製品Ｐ
を工業用テレビカメラで撮像してパターン認識を行い、
被写体の外形寸法不良を判別する画像認識処理装置21
と、判別部Ａの下方に設置され、搬送中のトリムや製品
Ｐを照明する例えば陰極線管フラット照明装置22からな
る。

【００１５】落下装置30は、各ベルトコンベア11により
搬送されてくるトリムや製品Ｐに対して、各ベルトコン
ベア11の一部に形成された落下部Ｂの側方から接触・離
間自在に設けられた支持棒31と、前記判別装置Ａの判別
出力に基ずいて該支持棒31を寸法不良品から離間させた
状態に制御して寸法不良品を落下可能とする制御装置32
とからなる。本例では、制御装置32としてエアシリンダ
321 を用いている。このエアシリンダ321 のピストン32
2 の先端には支持部固定板323 を取り付け、この支持部
固定板323 の先端に例えば細長い円柱状の前記支持棒31
を搬送方向に沿って固定しており、この支持棒31により
トリムや製品Ｐの外周面の側部に接触した状態で支持す
ることが可能になっている。そして、上記支持部31は、
落下部の側方で搬送方向に沿って左右両サイドに配設さ
れている。

【００１６】なお、落下装置30のには、追加して、下方
に向けてエアの噴射が制御されるエアノズル33を落下部
Ｂの上方に配設しておき、寸法不良品を落下させる時に
エアノズル33からエアを噴射させ、確実に落下させるよ
うにするとよい。

【００１７】上記構成のログペーパー切断装置において
は、搬送台10上に並列に載置された２本ログペーパーＲ
が水平方向に押し出されて丸鋸14の下方でクランパによ
りクランプされた状態で、前述したように公転しながら
自転する丸鋸14により一定長さに切断される動作が、順
次に繰り返される。この際、ログペーパーＲの長さ方向
両端部も端面を整えるために切断される。そして、トリ
ムや製品Ｐが２組のベルトコンベア11、11により搬送さ
れ、判別部Ａを経て落下部Ｂに向かう。すなわち、判別
部Ａでは２本のベルト12a ，12b でトリムや製品Ｐが支
持されて運ばれ、落下部Ｂでは一方のベルト12b と支持
棒31でトリムや製品Ｐを支持した状態で運ぶことにな
る。

【００１８】判別部Ａで判別装置20により寸法不良と判
別された不良品が落下部Ｂに搬送されてきた場合には、
該判別判別出力に基ずいて制御装置32が支持棒31を不良
品から離間させるように制御する。これにより、寸法不
良品は落下部Ｂにおいて１本のベルト12b のみに接触し
た状態となるので支持棒31が引いた方へ重力により落下
していく。同時に、上方のエアノズル33から不良品にエ
アを噴射するので、不良品を強制的に落下させることが
でき、不良品を瞬時に確実に落下させることができる。
この後、支持棒31は元の位置に復帰するように制御され
る。これに対して、落下部Ｂに良品が搬送されてきた場
合には、良品の一方をベルト12b で支持し、他方を支持
棒31で支持するので、安定した状態で運ばれ、さらに出
側の２本のベルト12a 、12bにより良品包装機の方向に
搬送される。

【００１９】なお、前記判別装置20は、ログペーパーＲ
から切断された規定寸法外のトリムの外、寸足らずの製
品と寸余りの製品についても、ベルトコンベア11により
搬送される過程で寸法不良品として判別することが可能
であり、該トリムの外、全ての不良品が落下部Ｂで落下
させるように制御することができる。このようにすれ
ば、従来使用していたトリム落下位置を省略することが
可能になる。

【００２０】なお、前記判別装置20として、市販の画像
認識処理装置（例えばオムロン株式会社の視覚センサＦ
１５０）を採用することができるが、画像認識処理装置
21に限らず、他の手段による外形寸法不良判別を行うこ
とも可能である。例えば光ビーム照射用の発光素子と受
光素子を製品の搬送経路を挟むように対向させたフォト
カプラを搬送方向に沿って規定寸法をあけて２組配置し
ておく。そして、製品の搬送に際して、第１組のフォト
カプラの光結合が遮断された後、搬送方向先端側の第２
組のフォトカプラの光結合が遮断されると同時に前記第
１組のフォトカプラで再び光結合が発生した場合には良
品と判定し、前記第２組のフォトカプラの光結合が遮断
されるタイミングと前記第１組のフォトカプラで再び光
結合が発生するタイミングとが許容時間以上ずれた場合
には不良品と判定するようにしてもよい。

【００２１】また、上記実施形態では、製品の外形寸法
の不良を判別したが、製品の外形形状についても良否判
別を行う場合には、前記画像認識処理装置によるパター
ン認識処理を用いて外形形状の良否判別を行うことが可
能である。また、上記実施形態の寸法不良品装置は、ロ
グペーパー切断装置と一体になっていないので、既設の
ログペーパー切断装置にも設置可能である。

【００２２】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、判別装置と落
下装置とを備えており、ログペーパーから切断された製
品が搬送台により搬送される過程で寸法不良品を自動的
に判別して分別除去することができるので、工程の簡略
化を図ることができる。また、トリムだけでなく規定寸
法より短い切断品についても寸法不良品として判別し、
落下させるように制御することができるので、完全な良
品のみを分別することができる。さらに、搬送台の一部
に設けられた欠落部に搬送されてくる製品に対して側方
から接触・離間自在に設けられた支持部を寸法不良品判
別出力に基ずいて寸法不良品から離間させた状態に制御
することにより、寸法不良品を落下させるので、簡単な
構成で寸法不良品を分別除去すことができ、下方へのエ
アの噴射が制御されるエアノズルを欠落部の上方に配設
しているので、不良品を強制的に落下させることがで
き、不良品を瞬時に確実に落下させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係わる寸法不良品分別
装置を備えたログペーパー切断装置の側面図である。

【図２】判別部Ａと落下部Ｂの拡大平面図である。

【図３】判別部Ａと落下部Ｂの拡大側面図である。

【図４】落下装置30の正面図である。

【図５】従来のログペーパー切断装置の一例について基
本構造を示す説明図である。

【符号の説明】

10 搬送台 11 ベルトコンベア 12a 、12b ベルト 13 プーリ 20 判別装置 21 画像撮像装置 22 照明装置 30 落下装置 31 支持棒 32 制御装置 312 エアシリンダ 322 ピストン 323 支持部固定板 33 エアノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−232794（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−191180（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−172598（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B26D 1/00 - 7/34

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ログペーパーから切断された搬送台上の製
   品の外形寸法が、規定寸法から外れる不良品およびトリ
   ムであるか否かを自動的に判別する判別装置と、 該判別装置による寸法不良品判別出力に基ずいて寸法不
   良品を搬送台上から落下させる落下装置とからなり、 前記落下装置は、前 記搬送台の一部に設けられた欠落部に搬送されてくる
   製品に対して、側方から接触・離間自在に設けられた支
   持部と、前 記寸法不良品判別出力に基ずいて該支持部を寸法不良
   品から離間させた状態に制御して寸法不良品を落下可能
   とする制御装置と、前 記欠落部の上方に配設され、下方へのエアの噴射が制
   御されるエアノズルを備えることを特徴とするログペー
   パー切断装置の寸法不良品分別装置。