JP3206539B2 - 形状測定方法および測定装置 - Google Patents

形状測定方法および測定装置

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JP3206539B2
JP3206539B2 JP04242798A JP4242798A JP3206539B2 JP 3206539 B2 JP3206539 B2 JP 3206539B2 JP 04242798 A JP04242798 A JP 04242798A JP 4242798 A JP4242798 A JP 4242798A JP 3206539 B2 JP3206539 B2 JP 3206539B2
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健 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触針プローブによ
り表面形状や三次元形状を測定する形状測定方法および
形状測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平5−264214号公報に記載さ
れているように、触針を振動させ、その接触時間の割合
(DUTY比)を測定することにより、測定面の表面形
状の測定を行なう方法が知られている。
【0003】このように触針を振動させてDUTY比を
測定する方法は、表面状態により同じ位置を測定しても
DUTY比にばらつきが生じる。また、接触信号にノイ
ズがのり、測定したDUTY比の値が実際のDUTY比
の値と著しく異なる値になることがある。測定にあたっ
ても、DUTY比を完全に一定にするのは困難であり、
測定したDUTY比がばらつきを持っているため、数回
の測定値からの平均化が必要となり、さらに、触針の位
置制御を行ないながら、DUTY比のあわせ込みを行な
うよう測定を繰り返すため、測定に時間がかかるという
問題もある。DUTY比に関しても、0%から100%
までのすべての範囲を用いて測定を行なって距離を算出
する方法は、測定値のばらつきが大きくなり、特に、D
UTY比の範囲の両端の0%と100%の付近では誤差
が大きくなる。
【0004】この触針を用いて、細径の穴の形状を測定
する場合は、穴の周縁に触針を当てないように、触針を
穴に挿入するのが困難である。また、穴測定では、触針
を挿入した位置から測定するため、穴の長手方向の位置
が分からない。穴の長手方向の絶対位置(Z座標)を知
る必要があるという問題もある。また、穴の内壁に異物
がある場合、導通信号が検出されないと、触針が壁面に
接触していないと判断してしまい、触針を壁面におさえ
つけてしまう。触針は、細くて折れやすいから、触針が
折れるという事態に至ることもある。
【0005】形状を測定する穴が丸穴の場合には、中心
出しが要求される。中心出しによって、正確な内径を測
定することができるからである。しかしながら、従来の
方法では、中心出しについての考慮はなく、自動で穴全
体の形状の測定を行なうことは困難である。さらに、触
針を穴に挿入したまま、測定対象を回転させようとした
場合、穴位置が測定対象の外形の中心に位置していない
ものについては、測定対象を回転させることができない
ため、穴形状の3次元測定が困難であるという問題があ
る。
【0006】また、測定対象の表面状態によってDUT
Y比がばらつくため、DUTY比を一定範囲に入れるこ
とができないため、自動化した連続測定が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、接触信号に乗るノイズを除
去し、かつ、バラツキの少ないDUTY比の測定値が得
られ、高精度で測定を行なうことができ、穴の3次元形
状の測定も可能とし、触針を折ることもなく、測定でき
る表面形状測定方法および測定装置を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、触針を測定対象面の近傍において前記測定対象面に
対して角度をなす方向に一定振幅で振動させ、前記触針
と前記測定対象面との接触状態を電気的導通により検出
して、検出された検出信号の周期に対する導通時間の比
率から、前記触針の振動中心と前記測定対象面との間の
距離を算出しながら形状を測定する形状測定方法におい
て、前記検出信号の周期が触針の駆動信号の周期に対し
て所定の割合で外れた場合の前記検出信号の周期および
前記導通時間を除き、前記比率から測定面の形状を測定
することを特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の形状測定方法において、前記検出信号より所定の周期
ごとに反転する振動周期信号を作成し、前記振動周期信
号の‘H’レベルまたは‘L’レベルの時間を測定して
前記検出信号の周期を得ることを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の形状測定方法において、前記検出信号を反転する反転
検出信号を作成し、前記検出信号および前記反転検出信
号の‘H’レベルまたは‘L’レベルの時間から導通時
間及び非導通時間を測定し、前記導通時間および前記非
導通時間の和より前記検出信号の周期を得ることを特徴
とするものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、触針を測定対象
面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす方
向に一定振幅で振動させ、前記触針と前記測定対象面と
の接触状態を電気的導通により検出して、検出された検
出信号の周期に対する導通時間の比率から、前記触針の
振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出しながら
形状を測定する形状測定方法において、前記比率と前記
距離との関係のデータを30〜70%の範囲の測定値を
使用して記憶し、測定された前記比率と前記データに基
づき、前記比率が一定の範囲内におさまるように前記触
針の前記測定対象面に対する相対移動を行ない、前記触
針の振動中心と前記測定対象面との間の距離を測定する
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載の発明は、触針を測定対象
面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす方
向に一定振幅で振動させ、前記触針と前記測定対象面と
の接触状態を電気的導通により検出して、検出された検
出信号の周期に対する導通時間の比率から、前記触針の
振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出しながら
形状を測定する形状測定方法において、前記比率と前記
距離との関係のデータを記憶し、測定された前記比率と
前記データに基づき、前記比率が一定の範囲内におさま
るように前記触針の前記測定対象面に対する相対移動を
行なって、前記触針の振動中心と前記測定対象面との間
の距離を測定し、前記比率が45〜55%の範囲になら
ない場合は、触針の位置を移動して再度測定することを
特徴とするものである。
【0013】請求項6に記載の発明は、触針を測定対象
面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす方
向に一定振幅で振動させ、前記触針と前記測定対象面と
の接触状態を電気的導通により検出して、検出された検
出信号の周期に対する導通時間の比率から、前記触針の
振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出しながら
形状を測定する形状測定方法において、前記比率と前記
距離との関係のデータを記憶し、測定された前記比率と
前記データに基づき、前記比率が一定の範囲内におさま
るように前記触針の前記測定対象面に対する相対移動を
行なって、前記触針の振動中心と前記測定対象面との間
の距離を測定し、前記触針の導通時間が所定値以上ある
いは所定値以下になる場合、または、前記比率の測定に
おいて複数回の比率測定値の標準偏差が所定値以上にな
る場合、または、所定回数以上の前記触針の測定対象に
対する相対移動を行なった場合は、前記触針の振動また
は前記触針の測定対象に対する相対移動を停止すること
を特徴とするものである。
【0014】請求項7に記載の発明は、触針を穴内面の
近傍において前記穴内面に対して角度をなす方向に一定
振幅で振動させ、前記触針と前記穴内面との接触状態を
電気的導通により検出して、検出された検出信号の周期
に対する導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前
記穴内面との間の距離を算出しながら穴内面の形状を測
定する穴内面の形状測定方法において、先ず穴内面を穴
の中心軸方向に前記触針を相対移動して形状を測定する
第1の工程と、穴内面の位置が前記第1の工程の測定位
置と穴の中心に対向する位置で前記中心軸方向に前記触
針を相対移動し形状を測定する第2の工程とを、穴内面
の周方向に前記触針を相対移動しながら繰り返すことを
特徴とするものである。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の形状測定方法において、穴の特定断面内の特定の方向
に触針を相対移動して移動の第1の中央位置を求め、前
記第1の中央位置を中心に前記特定の方向と直角の方向
に前記触針を相対移動して移動の第2の中央位置を求
め、前記第2の中央位置を前記穴の特定断面内の穴の中
心位置とすることを特徴とするものである。
【0016】請求項9に記載の発明は、触針を測定対象
面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす方
向に一定振幅で振動させ、前記触針と前記測定対象面と
の接触状態を電気的導通により検出して、検出された検
出信号の周期に対する導通時間の比率から、前記触針の
振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出しながら
形状を測定する形状測定方法において、設計形状を記憶
し、測定基準点の設計値座標と測定しようとする点の設
計値座標との値から前記触針と前記測定対象の接触位置
を計算し、この位置を所定値以上の距離通過しても接触
信号を検知しないときは、前記触針の測定対象に対する
相対移動を停止することを特徴とするものである。
【0017】請求項10に記載の発明は、触針を測定対
象面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす
方向に一定振幅で振動させる振動手段、前記触針と前記
測定対象面との接触状態を電気的導通により検出する電
気的導通検出手段、検出された検出信号の周期に対する
導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
象面との間の距離を算出する演算手段とを有する形状測
定装置において、前記演算手段は、前記検出信号の周期
が触針の駆動信号の周期に対して所定の割合で外れた場
合の前記検出信号の周期および前記導通時間を除く弁別
除去手段を有することを特徴とするものである。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の形状測定装置において、前記演算手段は、前記検
出信号より所定の周期ごとに反転する振動周期信号を作
成し、前記振動周期信号の‘H’レベルまたは‘L’レ
ベルの時間を測定して前記検出信号の周期を測定する周
期測定手段を有することを特徴とするものである。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項10に
記載の形状測定装置において、前記演算手段は、前記検
出信号を反転する反転検出信号を作成し、前記検出信号
および前記反転検出信号の‘H’レベルまたは‘L’レ
ベルの時間から導通時間及び非導通時間を測定し、前記
導通時間および前記非導通時間の和を前記検出信号の周
期とする周期測定手段を有することを特徴とするもので
ある。
【0020】請求項13に記載の発明は、触針を測定対
象面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす
方向に一定振幅で振動させる振動手段、前記触針と前記
測定対象面との接触状態を電気的導通により検出する電
気的導通検出手段、検出された検出信号の周期に対する
導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
象面との間の距離を算出する演算手段とを有する形状測
定装置において、前記触針の導通時間が所定の値以上あ
るいは所定値以下になる場合、または、所定回数以上の
前記触針の測定対象に対する相対移動を行なった場合
は、前記触針の振動または前記触針の測定対象に対する
相対移動を停止する制御手段を有することを特徴とする
ものである。
【0021】請求項14に記載の発明は、触針を測定対
象面の近傍において前記測定対象面に対して角度をなす
方向に一定振幅で振動させる振動手段、前記触針と前記
測定対象面との接触状態を電気的導通により検出する電
気的導通検出手段、検出された検出信号の周期に対する
導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
象面との間の距離を算出する演算手段とを有する形状測
定装置において、設計形状を記憶し、測定基準点の設計
値座標と測定しようとする点の設計値座標との値から前
記触針と前記測定対象の接触位置を計算し、この位置を
所定値以上の距離通過しても接触信号を検知しないとき
は、前記触針の測定対象に対する相対移動を停止する制
御手段を有することを特徴とするものである。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の表面形状測定装
置の実施の形態の一例の構成図である。図中、1は触
針、2はピエゾ素子、3はZ軸ステージ、4は測定物、
5はθ軸ステージ、6はX軸ステージ、7はY軸ステー
ジ、8はレーザスキャンマイクロメータのヘッド部、9
はヘッド駆動ステージ、10は除振台、11はステージ
用ドライバ、12はデコーダ、13はコンピュータ、1
4は接触信号処理部、15,16はカウンタ部、17は
ファンクションジェネレータ、18はピエゾドライバ、
19はビデオカメラ、20は画像モニタである。
【0029】触針1は、ピエゾ素子2によって一定方
向、例えば、X軸方向に振動される。触針1の位置は、
Z軸ステージ3によってZ軸方向(上下方向)に移動可
能である。触針1によって形状が測定される測定物4
は、θ軸ステージ5,X軸ステージ6,Y軸ステージ7
によりθ軸方向(回転方向),X軸方向(左右方向),
Y軸方向(前後方向)に移動可能である。また、測定物
4のX軸方向の幅は、レーザスキャンマイクロメータの
ヘッド部8により測定される。レーザスキャンマイクロ
メータのヘッド部8は、ヘッド駆動ステージ9によりZ
軸方向に移動可能である。Z軸ステージ3,Y軸ステー
ジ7,Z軸ステージ9は、除振台10により支持されて
いる。
【0030】各ステージは、ステージ用ドライバ11で
駆動され、各ステージの位置は、それぞれのステージに
設けられたエンコーダで検出され、デコーダ12でデコ
ードされる。ステージ用ドライバ11はコンピュータ1
3で制御され、デコーダ12の出力はコンピュータ13
に入力される。各入出力は、I/Oポートに接続されて
いる。
【0031】触針1の接触信号は、接触信号処理部14
で処理され、カウンタ部15で基準クロックがカウント
されることによって、振動周期や導通時間がデジタル値
に変換される。レーザスキャンマイクロメータのヘッド
部8の出力は、測定物4の幅に対応した信号であり、こ
の信号により、カウンタ部16で基準クロックがカウン
トされることによって、測定物4の位置と幅がデジタル
値に変換される。カウンタ部15,16の出力は、コン
ピュータ13のI/Oポートに接続されている。
【0032】触針1を駆動するピエゾ素子2は、ファン
クションジェネレータ17の出力信号によりピエゾドラ
イバ18を駆動する。駆動信号の波形は、コンピュータ
13からの指令によって、ファンクションジェネレータ
17で設定される。
【0033】なお、ステージ用ドライバ11、デコーダ
12、接触信号処理部14、カウンタ部15,16、フ
ァンクションジェネレータ17、ピエゾドライバ18等
をコンピュータ13の外部に設けるようにしたが、適
宜、コンピュータ13内にハードとして搭載したり、あ
るいは、ソフトで信号処理や信号作成を行なうようにし
てもよい。
【0034】触針1と測定物2との状況は、ビデオカメ
ラ19で撮像され、画像モニタ20に表示される。ビデ
オカメラ19としては、CCDカメラを用いることがで
きる。画像信号をコンピュータ13に取り込んで画像処
理をするようにしてもよい。
【0035】図2は、DUTY比の測定方法の説明図で
ある。図2(A)は、接触信号であり、触針が振動させ
られて測定物に接触している期間は、触針と測定物との
間に電流が流れ、この期間が‘H’レベルとなる信号が
得られる。接触しない期間は‘L’レベルであり、この
ようにして、カウンタ部で測定をできるように接触の状
態がTTLレベルで出力される。したがって、測定物の
少なくとも表面は導電体であることが必要である。
【0036】図2(B)は、振動周期信号であり、
‘H’レベルとなる期間と‘L’レベルとなる期間は、
振動周期に等しい。すなわち、接触信号の立ち上がりの
たびに交互に反転する信号である。図2(C)は、間引
き接触信号であり、接触信号と振動周期信号のANDに
より作成され、接触信号が1つおきに間引かれた振動で
あるが、振動周期信号が‘H’レベルのときの接触信号
が選択される。なお、‘H’レベルと‘L’レベルの関
係を逆にして、触針が測定物の表面に接触している期間
が‘L’レベルとなるような信号処理をしてもよい。
【0037】図2(B)の振動周期信号と、図2(C)
の間引き接触信号の‘H’レベルの間、基準パルスをカ
ウントする。カウントされる基準パルスを図2(D),
(E)び示す。振動周期信号の‘H’レベルの間にカウ
ントした基準パルスの計数値をNa とし、間引き接触信
号の‘H’レベルの間にカウントした基準パルスの計数
値をNb とすれば、DUTY比は、 DUTY比(%)=(Nb /Na )×100 で計算される。なお、‘L’レベルの間をカウントする
ようにしてもよい。
【0038】カウンタは、基準クロックの周期を、例え
ば1μsecに設定することで、振動周期が60Hzの
場合、DUTY比の測定の分解能が0.006%(位置
にして0.06μm相当)になり、測定に十分な分解能
を得ることができる。
【0039】なお、振動周期の測定には、振動周期信号
の作成を必ずしも必要とするものではない。図2(A)
の接触信号と、これを反転させた反転接触信号を作成
し、それぞれの‘H’レベルの期間を同様に基準クロッ
クを用いてカウントする。接触信号の‘H’レベルの期
間は導通時間であり、反転接触信号の‘H’レベルの期
間は非導通時間である。そして、その和は振動周期とな
るから、これにより振動周期を測定することもできる。
両信号の‘H’レベルの期間を測定する代わりに、両信
号の‘L’レベルの期間を測定してもよい。
【0040】図3は、ノイズについての説明図である。
図3(A)はノイズが乗っていない場合の接触信号の一
例である。ノイズが問題とならない場合は、図2で説明
した測定方法のように検出した接触信号からDUTY比
を測定すればよい。しかし、測定物や触針の表面状態
や、接触抵抗により、接触信号にノイズが乗る場合があ
る。図2(A)で説明したように、触針が測定物の表面
に接触している期間が‘H’レベルとなった信号であ
り、その周期はT0 である。この接触信号に、図3
(B)に示すように、短いパルスのノイズaが乗った場
合に、このノイズaを接触信号の開始と判断すると、振
動周期はT0 より長いT1 となり、DUTY比に誤差を
生じる。また、図3(C)に示すように、触針の接触期
間において、不接触が生じるなど、ノイズbにより、
‘L’レベルとなる期間が生じると、これを接触信号の
終了と判断して、振動周期は、T0 より短いT2 となっ
てしまう。したがって、接触信号にノイズが乗る場合に
は、ノイズの影響を受けない測定方法を考慮しなければ
ならない。
【0041】触針を振動させる方法によるDUTY比の
測定においては、振動周期信号は、本来、触針の駆動周
波数と一致するため、その周期は一定である筈である
が、機械的な振動であるため、接触信号から得られた振
動周期信号の周期にはバラツキを生じる。間引き接触信
号にも、バラツキが生じる。このバラツキの平均化のた
めに数回(例えば、10回程度)測定し、その平均値を
用いる。しかし、単純にDUTY比を計算したのでは、
これらのノイズにより、平均化してもその標準偏差は大
きくなる。
【0042】そこで、本発明では、各DUTYを測定に
する際、振動周期信号の個々の周期が本来、触針の振動
周波数で計算される理論値から一定以上(例えば、1周
期の1%以上)の割合でずれた場合には、ずれた周期の
ところは平均を求める計算には用いないようにする。ま
た、個々の間引き接触信号うち、接触時間の値が十分に
小さいもの(例えば、1周期の5%以下)は平均を求め
る計算に用いないようにする。あるいは、間引き接触信
号の個々の導通時間を検出し、その平均値から一定以上
(例えば、±5%以上)離れた部分を除いてあらためて
平均値を計算する。これにより、振動周期信号と間引き
接触信号において、ノイズが乗ったために、実際の振動
周期や接触時間と異なった部分の影響を抑えることがで
きる。
【0043】また、DUTY比の平均値は、標準偏差が
一定以下(例えば、1%以下)になる場合のみ用い、標
準偏差が大きい場合は、再度測定を行ない、それでも標
準偏差が大きい場合は、測定不能と判断するようにして
もよい。
【0044】内径の測定方法を図4に示す。図中、図1
と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。図
は、測定物4に設けられた穴の断面を示しており、穴の
直径はDである。触針1の半径Rはあらかじめ測定され
た値である。Oは測定内径の中央位置である。
【0045】測定物が載置されたステージをX軸方向に
Lだけ移動させて、穴のエッジEと触針との位置関係を
近づけて、触針1を破線で示したPの位置とする。移動
量Lは、エンコーダの出力から検出できる。触針がPに
あるときを基準として、触針1を図1で説明したファン
クションジェネレータの出力により、例えば、サイン関
数でX軸方向に振動させてDUTY比を求めた結果の線
図を図5に示す。横軸は、Pの位置からステージを移動
させた値であり、移動させた位置とDUTY比との関係
は、0%と100%近くでは、バラツキが大きくなる。
そのため、中央の30%から70%の範囲での直線関係
の傾きから、DUTY比と位置の補正係数を求めてお
く。そして、DUTY比が50%付近(例えば、45%
から55%の範囲)までステージ移動する。内径を測定
している場合には、左右のエッジへの移動量は、触針の
半径分少なくなる。そのため、その分を足し込み、さら
に、DUTY比が50%の場合の位置の値との差の分を
補正係数を用いて計算した補正量を足し込み、エッジヘ
の移動量として、内径の値を得ることができる。
【0046】図1で説明した表面形状測定装置を用い
て、穴の開いた測定物をのせて、穴内部の形状の測定を
行なう様子を説明する。穴の開いた測定物の一例は、光
ファイバに対して保護層を塗布するダイスである。穴に
対して測定装置のステージは、図6に示すように、中心
軸をZ軸とし、前後方向をY軸、左右方向をX軸とす
る。また、Z軸周りの回転をθ軸とした配置となる。触
針は、この例ではX軸方向に振動させたが、これに限ら
れるものではない。触針をX軸方向に振動させたことに
よって、X方向の位置測定ができるが、分解能を上げる
ため、触針による測定範囲は、振動の大きさ分(例え
ば、10μm程度)である。そのため、内径が数百μm
程度の穴の場合、右エッジと左エッジを測定するため、
内径方向(X軸の+側方向と−側方向)になんども往復
させて測定を行なうようにすると、ステージによる測定
物の移動のための時間と、測定面の検知に必要な時間と
がかかる。
【0047】そのため、一方のエッジについて長手方向
に測定し、ついで、他方のエッジについて長手方向に測
定を行なうようにする。図7は、測定手順の一例のフロ
ーチャートである。測定が開始されると、まず、各部の
初期設定が行なわれ(S1)、ついで、穴の深さ方向で
ある長手方向の基準位置の設定を行なう(S2)。θ軸
ステージは、基準角度位置にセットされて(S3)、触
針が穴に挿入され、中心出しが行なわれる。Z軸ステー
ジが、測定開始位置にセットされ(S5)、その位置の
左エッジの移動量が測定される(S6)。移動量の測定
は、上述したように、触針の半径を足し込み、さらに、
補正係数を用いて計算した補正量を足し込んで計算さ
れ、半径が測定される。次に、S7からS5へループし
て、Z軸ステージを所定量移動させ、同様に半径の測定
を行ない、長さ方向の測定が終了していなければ、これ
を繰り返す。左エッジの長さ方向について、所定量ずつ
のZ軸ステージの移動による測定が終了すると(S
7)、触針を取り出し(S8)、穴の中心位置に再度挿
入する(S9)。触針を取り出すことなく、Z軸ステー
ジとX軸ステージを移動させて、触針を中心位置に移動
させてもよい。ついで、S5〜S7と同様にして、S1
0〜S12で右エッジの半径の測定が行なわれ、右エッ
ジの長さ方向についての測定が終了すると(S12)、
S3へ戻り、Z軸ステージが所定量回転されて、S4〜
S12において、同様の半径測定が行なわれる。各回転
位置における長さ方向の半径測定が終了して(S1
2)、フローが終了する。
【0048】測定物の穴に触針を挿入することは、細径
穴に細径の触針を入れる場合には、挿入過程で触針が接
触により折れないようにする必要がある。図1で説明し
た表面形状測定装置では、測定物の外形の中央に穴があ
る場合に適応させて、レーザスキャンマイクロメータ
(LSM)を設けている。LSMは、測定物や触針のエ
ッジのX軸方向の位置を求めることができ、その結果か
ら中央位置を決定することができる。触針1を測定物の
穴に挿入する場合、まず、LSMによって、穴のX方向
の中央位置を求めた後、ヘッド駆動ステージ9によりL
SMのヘッド部8をZ方向に移動させ、同様にして触針
の中央位置を求める。求めた触針の中央位置に対して、
測定物の穴の中央位置を合致させるようにX軸ステージ
6を移動させる。また、Y方向については、穴と触針を
同時に観測できるように配置した顕微鏡の光学系を備え
たビデオカメラ19で撮像した画像が表示された画像モ
ニタ20から、触針のY軸方向の中央位置と穴のY軸方
向の中央位置とが合致するように、Y軸ステージを移動
させる。この移動により穴の内壁と触針が接触せずに挿
入させることができる。
【0049】図8は、X軸方向における穴と触針の中央
位置を合致させるための方法の説明図である。測定物4
の外形の両側のX軸方向の座標位置をLSMで測定し、
その差からX軸方向の長さを算出する。この長さの1/
2の値と一方の座標位置から測定物4の外形の中央位置
の座標C4 を求める。測定物の穴4aは、測定物の中心
を中心として形成されていることを前提としているか
ら、座標C4 は、穴4aの中央位置のX軸方向の座標で
ある。同様にして、測定物4の上方にある触針1の外形
の中央位置の座標C1 を求める。触針1の外形の測定
は、この例では、触針1の支持部で測定したが、触針の
先端部の球形をした測定物との接触部1aで測定するよ
うにしてもよい。測定物4の外形の中央位置の座標C4
と触針1の外形の中央位置の座標C1 との差に基づいて
X軸ステージを移動させることによって、測定物4の穴
4aの中央位置と触針1の中央位置とを合致させること
ができる。
【0050】上述したように、測定物の外形の中央に穴
がある場合、例えば、測定物の外形が円形でその中心に
穴の中心が一致して設けられている場合や、測定物の外
形が長方形でその中心に穴の中心が一致して設けられて
いる場合など、測定物の外形が、穴の中心に対して点対
称の形状である場合は、穴の中心をθステージの回転中
心にほぼ一致させておけば、穴に触針を挿入しながら測
定物をθステージで回転させても、触針が穴の内壁に接
触しにくい。穴が円形であれば、さらに、触針が穴の内
壁に接触しにくくなり、測定物を回転させて測定を行な
う方法の場合に、測定物を回転させる際に、触針を穴に
挿入したまま回転でき、測定時間の短縮化が図れる。
【0051】図9は、θ軸ステージに載置された測定物
を回転させた場合の触針の接触状態の模式図である。図
中、1は触針、4は測定物、4aは穴、5はθ軸ステー
ジ、Rはθ軸ステージの回転中心である。触針1は図示
しないZ軸ステージにより支持されている。
【0052】図9(A)は、外形が円形の測定物4の中
心に円形の穴が設けられており、穴の中心をθステージ
5の回転中心Rに一致させて測定物4をθステージ5に
取り付けた場合である。このように、測定物4の外形が
円形であり、その中心位置に穴4aがある場合、触針1
を挿入したままθ軸ステージ5を回転させても、触針1
が穴4aの内壁に接触しにくい。
【0053】これに対し、図9(B)のように、外形が
長方形の測定物4の中心からずれて穴4aが設けられ、
測定物の中心をθ軸ステージ5の回転中心Rに一致させ
てセットした場合には、触針1を挿入したままθ軸ステ
ージ5を回転させて測定物4を回転させると、わずかな
角度の回転でも、触針1は穴4aの内壁に接触してしま
う。そのため、自動測定で触針1を穴4aの内壁に接触
させながら、測定物4を回転させるようとするには、以
下のような方式で回転させることができる。すなわち、
小さな角度だけ測定物を回転させ、接触の検知を行な
う。そして、接触があった場合には、接触がない位置ま
で回転角度を戻した後、触針をXY方向へ移動させて中
心出しを行ない、できるだけ穴の中心と触針中心を一致
させるようにする。再度小さな角度づつ測定物を動か
し、接触の検知を行なうようにして、これを繰り返せ
ば、測定対象物を回転させることはできる。しかし、測
定物の穴の中心が回転ステージの中心から離れて回転ス
テージにセットされた測定物の場合には、測定物の穴の
中心が回転ステージの中心から離れる値が多いほど、測
定物を少し回転させただけでも、触針は穴の内壁にすぐ
に接触し、その都度、中心出しが必要になり、時間がか
かるという問題がある。
【0054】図10は、上述した測定物を回転させる方
法に代わるもので、触針の振動方向を変える方法の説明
図である。図中、1は触針、2’は励振機構、3はZ軸
ステージ、4aは穴、Rはθ軸ステージの回転中心であ
る。図10(A)は、触針1の支持機構を上から見た構
成図である。Z軸ステージ3に昇降可能に支持されたヘ
ッド部分は、模式的に図示したように、一方向と、それ
に直角な方向のそれぞれの方向に、触針1を振動させる
ことができる2つのピエゾ素子からなる励振機構2’を
備えており、触針1は、2つのピエゾ素子による励振を
合成した振動をするよう構成されている。
【0055】図10(B)に示すように、穴4aの中心
がθ軸ステージの中心Rから外れた位置にある場合、穴
4aの周方向の形状を測定する場合に、触針1をX方向
1およびY方向のいずれかの方向に選択的に振動させ
る。上述したように、励振機構2’には、2つのピエゾ
素子が設けられているから、その一方を選択して励振さ
せるようにすれば、触針1は、X方向またはY方向のい
ずれかの方向に振動させることができる。したがって、
測定する穴4aの周方向の位置に応じて、振動方向を選
択することによって、測定物を回転させることなく、精
度よく周方向の形状を測定できる。
【0056】触針1は、2つのピエゾ素子の一方を選択
的に励振させて、触針1を、X方向またはY方向のいず
れかの方向に振動させるようにすることに限られない。
2つのピエゾ素子のうちの一方のピエゾ素子の励振に対
して、他方のピエゾ素子の励振を同相または逆相で励振
し、励振の振幅を調整することで、触針1を任意の方向
に振動させることができる。この場合、図10のX軸方
向に対する振動方向の角度をαとし、振動振幅Aを一定
にするためには、 X軸方向の励振を、Acosα Y軸方向の励振を、Asinα となるような励振を行なえばよい。また、測定位置にお
いて、振動方向を変化させて、最小の距離を測定するよ
うにすれば、測定点の接線に対する法線方向で振動させ
たことになり、より高精度の測定を行なうことができ
る。
【0057】触針1の振動方向は、上述した2方向から
の励振を与えるものに限られない。励振機構を触針の中
心軸を中心として回転させて、触針の振動方向を変える
ようにしてもよい。もちろん、触針も回転させてよい。
励振機構は、ピエゾ素子に限られない。電磁力や静電力
を用いる励振機構を採用してもよい。
【0058】図11は、測定位置限界の説明図である。
穴の上端を検出するには、一方のエッジ(図では左方の
エッジ)位置を長手方向の上方に向けて細かいピッチで
測定していき、DUTY比が0%以上にならない長手方
向位置を上端とする。ただし、測定時には、設計形状を
あらかじめ記憶しておいて、測定対象の設計値から計算
される位置にオフセット分の移動量を含めた触針の絶対
値の移動限界を設ける。そして、設計値座標に対する測
定対象の位置を決め、触針と前記測定対象の距離が限界
値以下になつたとき、触針の測定対象に対する相対移動
を停止する。
【0059】また、連続して測定を行なう場合は、前回
の位置から今回の位置までの変化量に対して移動限界を
設けるようにしてもよい。そして、ステージの移動に対
して、これらの限界値を超えないように制御を行なう。
限界値を考慮した制御を行なわないと、表面状態などの
影響により接触信号が検出されない場合に、触針が測定
物の表面に接触していないとの判断で、ステージの移動
が行なわれる。このような移動が行なわれると、触針が
測定物の表面に押さえつけられて折れることがある。上
述した限界値を設けてステージの制御を行ないことによ
って、触針を保護することができる。この限界値は、X
軸ステージの制御に対して設けることに限られず、他の
ステージの制御に対しても限界値を設けて、それに対応
した制御を行なうようにするのがよい。
【0060】図11に示すような移動限界で停止を行な
った場合、その位置のデータの測定をスキップするのみ
で、図7のフロー示す一連の測定は、引き続き行なうこ
とができる。このようにすると、すべてのデータはそろ
わないが、全体測定を支障なく行なうことができる。
【0061】X軸方向、Y軸方向の両エッジ位置を測定
し、その移動量から計算される、中心位置が触針の中心
位置と合致するようにX軸ステージとY軸ステージを移
動させることによって、中心出しを行なう。内径の測定
を行なう場合、穴の中心位置と触針の中心位置がずれる
と、測定径が実際の内径より小さく出てしまうため、こ
の中心出しをすることが必要である。図12に示すよう
に、まず、X軸ステージを移動させて、穴4aの左右の
エッジを検出し、その中央位置P点に触針1を位置させ
る。ついで、Y軸ステージを移動させて穴4aの前後方
向のエッジ位置を検出する。Y軸方向のエッジ位置を検
出する場合は、触針1の振動方向と平行な面を測定する
ため、DUTY比を安定して測定することが困難であ
る。このため、X軸方向で行なっているエッジ検出方法
とは異なり、Y軸ステージの移動ステップをX軸方向の
場合の1/2のステップで、DUTY比100%の位置
から0%の位置まで移動させて、穴4aの前後のエッジ
位置を検出し、その中央位置Q点に触針1を位置させ
る。これによって、触針1を穴4aの中央に位置させる
ことができ、中心出しができる。
【0062】測定物の穴に触針を挿入する時、穴が上端
側より下端側が小さい場合や、測定物の取り付けの傾き
により穴中心位置に触針の中心位置がこないことがある
ため、長手方向に例えば最大200μmピッチでZ軸ス
テージを移動させ、DUTY比をチェックする。途中で
触針が接触した場合、接触しない位置まで触針を戻し、
中心出しを再度行ない挿入し直す。θ軸ステージで測定
物を大きく回転させる時も同様に、上端から少し(例え
ば1mm程)挿入した状態で小さいピッチ(例えば5°
ピッチ)でDUTY比をチェックしながら回転させ、穴
と回転ステージの中心軸の軸ずれにより、触針が穴内壁
に接触した場合、接触しない位置まで回転を戻し、中心
出しを再度行ない回転し直し、最終的な角度まで回転さ
せるようにする。
【0063】上述した実施の形態における触針の先端部
の測定部1aの形状を図13(A)に示すように球形の
ものを用いたが、これに限られるものではなく、触針の
基部より大きい外径で、かつ、該基部と同心の円周部分
を有する形状のものであればよい。例えば、図13
(B)に示すように、円錐台形状の測定部1aを用いて
もよい。
【0064】上述した実施の形態では、単一の触針を用
いる方法を説明した。図14(A)に、単一の触針を用
いる場合の検出回路の一例を示す。触針1と測定物4は
導体であり、電源Eから負荷抵抗Rを通して電圧を供給
する。測定物4の穴に挿入された触針1がピエゾ素子2
により駆動されて振動し、触針1が測定物4の穴の内壁
に接触している間、電流が流れ、負荷抵抗Rの電圧降下
が出力として取り出され、図2で説明したような出力が
得られる。
【0065】本発明の触針を用いた測定は、このような
単一の触針を用いたものに限られない。例えば、199
5年度精密工学会秋季大会講演会講演論文集、第291
〜292頁に記載されているような、ツインプローブ式
のものを用いることもできる。図14(B)はツインプ
ローブ式の検出回路の一例を示す。2本の触針1間に電
源Eから負荷抵抗Rを通して電圧を供給し、2本の触針
1をピエゾ素子2によって、同時に振動駆動させる。触
針1が、測定物4の穴の内壁に接触しない場合は、2本
の触針同士が接触することはなく、電流は流れない。一
方の触針が測定物4の穴の内壁に接触すると、接触する
期間に対応して、他方の触針が一方の触針に接触して、
触針間に電流が流れる。この電流を負荷抵抗Rの電圧降
下として取り出し、出力を得る。この出力も図2で説明
したと同様のものとなる。測定物が絶縁体の場合に、単
一の触針を用いる方法では、測定物に導電体の被膜を施
すなどの必要があるが、ツインプローブ式では、絶縁体
のまま、形状測定ができる利点がある。
【0066】
【発明の効果】請求項l〜3および10〜12に記載の
発明によれば、検出信号の周期が触針の駆動信号の周期
に対して所定の割合で外れた場合の検出信号の周期およ
び導通時間を除いて、振動周期と導通時間との比率を測
定するから、ノイズ成分の影響を除去し、バラツキの少
なくして、正確なDUTY比の測定ができる。
【0067】請求項4〜6に記載の発明によれば、測定
への位置制御とDUTY比の測定を繰り返すための測定
に時間がかからず、また、DUTY比のバラツキが大き
く精度が悪くなる両端の0%、100%付近で測定を行
なわないため、精度の高い測定を行なうことができる。
【0068】請求項6,9,13,14に記載の発明に
よれば、測定物の表面状態が悪い場合、触針の位置が設
計形状から大きく外れた場合に、触針を折るような事故
を防止して、測定をスキップすることができる。
【0069】請求項7,8に記載の発明によれば、断面
が円である穴の内径の両端の3次元位置測定が可能であ
り、また、測定する穴に触針を接触させずに挿入でき
る。
【0070】
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面形状測定装置の実施の形態の一例
の構成図である。
【図2】DUTY比の測定方法の説明図である。
【図3】ノイズの影響についての説明図である。
【図4】穴の内径の測定方法の説明図である。
【図5】DUTY比と位置の関係を求めた結果の線図で
ある。
【図6】穴形状と装置の座標の説明図である。
【図7】測定手順の一例のフローチャートである。
【図8】穴形状へ触針を挿入する説明図である。
【図9】θ軸ステージに載置された測定物を回転させた
場合の触針の接触状態の模式図である。
【図10】触針の振動方向を変える方法の説明図であ
る。
【図11】穴の上端位置の検出方法の説明図である。
【図12】内径の中心出しの説明図である。
【図13】触針の先端部の説明図である。
【図14】触針を用いた検出回路の説明図である。
【符号の説明】
1…触針、2…ピエゾ素子、3…Z軸ステージ、4…測
定物、5…θ軸ステージ、6…X軸ステージ、7…Y軸
ステージ、8…レーザスキャンマイクロメータのヘッド
部、9…ヘッド駆動ステージ、10…除振台、11…ス
テージ用ドライバ、12…デコーダ、13…コンピュー
タ、14…接触信号処理部、15,16…カウンタ部、
17…ファンクションジェネレータ、18…ピエゾドラ
イバ、19…ビデオカメラ、20…画像モニタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−264214(JP,A) 特開 平8−285512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00 - 7/34 102 G01B 21/00 - 21/32

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触針を測定対象面の近傍において前記測
    定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せ、前記触針と前記測定対象面との接触状態を電気的導
    通により検出して、検出された検出信号の周期に対する
    導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
    象面との間の距離を算出しながら形状を測定する形状測
    定方法において、前記検出信号の周期が触針の駆動信号
    の周期に対して所定の割合で外れた場合の前記検出信号
    の周期および前記導通時間を除き、前記比率から測定面
    の形状を測定することを特徴とする形状測定方法。
  2. 【請求項2】 前記検出信号より所定の周期ごとに反転
    する振動周期信号を作成し、前記振動周期信号の‘H’
    レベルまたは‘L’レベルの時間を測定して前記検出信
    号の周期を得ることを特徴とする請求項1に記載の形状
    測定方法。
  3. 【請求項3】 前記検出信号を反転する反転検出信号を
    作成し、前記検出信号および前記反転検出信号の‘H’
    レベルまたは‘L’レベルの時間から導通時間及び非導
    通時間を測定し、前記導通時間および前記非導通時間の
    和より前記検出信号の周期を得ることを特徴とする請求
    項1に記載の形状測定方法。
  4. 【請求項4】 触針を測定対象面の近傍において前記測
    定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せ、前記触針と前記測定対象面との接触状態を電気的導
    通により検出して、検出された検出信号の周期に対する
    導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
    象面との間の距離を算出しながら形状を測定する形状測
    定方法において、前記比率と前記距離との関係のデータ
    を30〜70%の範囲の測定値を使用して記憶し、測定
    された前記比率と前記データに基づき、前記比率が一定
    の範囲内におさまるように前記触針の前記測定対象面に
    対する相対移動を行ない、前記触針の振動中心と前記測
    定対象面との間の距離を測定することを特徴とする形状
    測定方法。
  5. 【請求項5】 触針を測定対象面の近傍において前記測
    定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せ、前記触針と前記測定対象面との接触状態を電気的導
    通により検出して、検出された検出信号の周期に対する
    導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
    象面との間の距離を算出しながら形状を測定する形状測
    定方法において、前記比率と前記距離との関係のデータ
    を記憶し、測定された前記比率と前記データに基づき、
    前記比率が一定の範囲内におさまるように前記触針の前
    記測定対象面に対する相対移動を行なって、前記触針の
    振動中心と前記測定対象面との間の距離を測定し、前記
    比率が45〜55%の範囲にならない場合は、触針の位
    置を移動して再度測定することを特徴とする形状測定方
    法。
  6. 【請求項6】 触針を測定対象面の近傍において前記測
    定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せ、前記触針と前記測定対象面との接触状態を電気的導
    通により検出して、検出された検出信号の周期に対する
    導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
    象面との間の距離を算出しながら形状を測定する形状測
    定方法において、前記比率と前記距離との関係のデータ
    を記憶し、測定された前記比率と前記データに基づき、
    前記比率が一定の範囲内におさまるように前記触針の前
    記測定対象面に対する相対移動を行なって、前記触針の
    振動中心と前記測定対象面との間の距離を測定し、前記
    触針の導通時間が所定値以上あるいは所定値以下になる
    場合、または、前記比率の測定において複数回の比率測
    定値の標準偏差が所定値以上になる場合、または、所定
    回数以上の前記触針の測定対象に対する相対移動を行な
    った場合は、前記触針の振動または前記触針の測定対象
    に対する相対移動を停止することを特徴とする形状測定
    方法。
  7. 【請求項7】 触針を穴内面の近傍において前記穴内面
    に対して角度をなす方向に一定振幅で振動させ、前記触
    針と前記穴内面との接触状態を電気的導通により検出し
    て、検出された検出信号の周期に対する導通時間の比率
    から、前記触針の振動中心と前記穴内面との間の距離を
    算出しながら穴内面の形状を測定する穴内面の形状測定
    方法において、先ず穴内面を穴の中心軸方向に前記触針
    を相対移動して形状を測定する第1の工程と、穴内面の
    位置が前記第1の工程の測定位置と穴の中心に対向する
    位置で前記中心軸方向に前記触針を相対移動し形状を測
    定する第2の工程とを、穴内面の周方向に前記触針を相
    対移動しながら繰り返すことを特徴とする形状測定方
    法。
  8. 【請求項8】 穴の特定断面内の特定の方向に触針を相
    対移動して移動の第1の中央位置を求め、前記第1の中
    央位置を中心に前記特定の方向と直角の方向に前記触針
    を相対移動して移動の第2の中央位置を求め、前記第2
    の中央位置を前記穴の特定断面内の穴の中心位置とする
    ことを特徴とする請求項7に記載の形状測定方法。
  9. 【請求項9】 触針を測定対象面の近傍において前記測
    定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せ、前記触針と前記測定対象面との接触状態を電気的導
    通により検出して、検出された検出信号の周期に対する
    導通時間の比率から、前記触針の振動中心と前記測定対
    象面との間の距離を算出しながら形状を測定する形状測
    定方法において、設計形状を記憶し、測定基準点の設計
    値座標と測定しようとする点の設計値座標との値から前
    記触針と前記測定対象の接触位置を計算し、この位置を
    所定値以上の距離通過しても接触信号を検知しないとき
    は、前記触針の測定対象に対する相対移動を停止するこ
    とを特徴とする形状測定方法。
  10. 【請求項10】 触針を測定対象面の近傍において前記
    測定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せる振動手段、前記触針と前記測定対象面との接触状態
    を電気的導通により検出する電気的導通検出手段、検出
    された検出信号の周期に対する導通時間の比率から、前
    記触針の振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出
    する演算手段とを有する形状測定装置において、前記演
    算手段は、前記検出信号の周期が触針の駆動信号の周期
    に対して所定の割合で外れた場合の前記検出信号の周期
    および前記導通時間を除く弁別除去手段を有することを
    特徴とする形状測定装置。
  11. 【請求項11】 前記演算手段は、前記検出信号より所
    定の周期ごとに反転する振動周期信号を作成し、前記振
    動周期信号の‘H’レベルまたは‘L’レベルの時間を
    測定して前記検出信号の周期を測定する周期測定手段を
    有することを特徴とする請求項10に記載の形状測定装
    置。
  12. 【請求項12】 前記演算手段は、前記検出信号を反転
    する反転検出信号を作成し、前記検出信号および前記反
    転検出信号の‘H’レベルまたは‘L’レベルの時間か
    ら導通時間及び非導通時間を測定し、前記導通時間およ
    び前記非導通時間の和を前記検出信号の周期とする周期
    測定手段を有することを特徴とする請求項10に記載の
    形状測定装置。
  13. 【請求項13】 触針を測定対象面の近傍において前記
    測定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せる振動手段、前記触針と前記測定対象面との接触状態
    を電気的導通により検出する電気的導通検出手段、検出
    された検出信号の周期に対する導通時間の比率から、前
    記触針の振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出
    する演算手段とを有する形状測定装置において、前記触
    針の導通時間が所定の値以上あるいは所定値以下になる
    場合、または、所定回数以上の前記触針の測定対象に対
    する相対移動を行なった場合は、前記触針の振動または
    前記触針の測定対象に対する相対移動を停止する制御手
    段を有することを特徴とする形状測定装置。
  14. 【請求項14】 触針を測定対象面の近傍において前記
    測定対象面に対して角度をなす方向に一定振幅で振動さ
    せる振動手段、前記触針と前記測定対象面との接触状態
    を電気的導通により検出する電気的導通検出手段、検出
    された検出信号の周期に対する導通時間の比率から、前
    記触針の振動中心と前記測定対象面との間の距離を算出
    する演算手段とを有する形状測定装置において、設計形
    状を記憶し、測定基準点の設計値座標と測定しようとす
    る点の設計値座標との値から前記触針と前記測定対象の
    接触位置を計算し、この位置を所定値以上の距離通過し
    ても接触信号を検知しないときは、前記触針の測定対象
    に対する相対移動を停止する制御手段を有することを特
    徴とする形状測定装置。
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