JP3206353B2 - 連続鋳造の鋳造初期制御方法 - Google Patents

連続鋳造の鋳造初期制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に小断面鋳片の連続
鋳造の操業開始に際して、鋳型への溶融金属の注入開始
からダミーバーの引き抜き開始を経て鋳型内の溶融金属
の目標レベル達成までの溶湯レベルの上昇速度が大きい
鋳造初期の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法は、上下に開口を有する筒形
の鋳型に溶融金属を注入し、鋳型の水冷された内壁に接
触せしめて冷却し、外側を凝固シェルにて被覆された鋳
片を得て、これを鋳型の下側開口部から連続的に引き抜
きつつ更に冷却し、内側にまで凝固が進行した後に所定
の寸法に切断して、製品鋳片を得る方法である。
【0003】このような連続鋳造法の実施に際しては、
鋳型からの溶融金属の溢出、ブレークアウトの発生等、
安定操業を阻害する各種の不都合を未然に防止し、生産
能率の向上を図ると共に、鋳型内部での冷却,凝固状態
を安定化させ、製品鋳片の品質向上を図るべく、鋳型内
部に注入した溶融金属のレベルを予め定めた目標レベル
に維持する湯面レベル制御が行われている。この湯面レ
ベル制御は、鋳型へ溶融金属を注入するための浸漬ノズ
ルに、スライディングノズル,ストッパ装置等の開度調
節が可能な流量制御装置を配する一方、鋳型内部に滞留
する溶融金属のレベルを検出し、この検出レベルと目標
レベルとの偏差を解消すべく流量制御装置の開度を調節
して、鋳型への注湯量を増減する手順により行われてい
る。
【0004】この溶湯レベル制御の実施に際しては、操
業中に上下に変動する溶湯レベルを高精度に検出するこ
とが必要であり、このため従来から、鋳型の上側に溶湯
表面に臨ませて配され、溶湯表面との間の相対距離を検
出するようになしたレベル計が良く使用されている。特
に、溶湯表面に臨ませたコイルに高周波電流を通電し、
これにより溶湯表面に誘起される渦電流をコイルまたは
別途設けた検出用コイルのインピーダンス変化に応じて
溶湯レベルを求める渦流レベル計が広く用いられてい
る。
【0005】そして、鋳型の下側開口部にダミーバーを
装着して下側開口部を閉塞した後、ダミーバーのヘッド
部を疑似底とする鋳型の内部にタンディッシュから溶融
金属の供給を開始し、鋳型内部の溶湯レベルが所定の引
き抜きレベルに到達するのを待ってダミーバーを引き抜
くことにより、連続鋳造が開始される。引き抜きの開始
に伴って鋳型内部の溶融金属は、外側を凝固シェルによ
り被覆された鋳片としてダミーバーと共に引き抜かれ、
その後、適正な厚さの凝固シェルを有する鋳片が連続的
に引き抜かれる通常操業に移行する。
【0006】ところで、ダミーバーの引き抜きに際して
は、鋳型内部での鋳片の凝固状態を適正に保つことが重
要であり、不十分な凝固下にて引き抜きが開始された場
合、鋳型から引き抜かれる鋳片の外側を覆う凝固シェル
の厚さが不足していることから、凝固シェルが鋳型から
の引き抜き中に破壊されて内部の溶融金属が漏れ出すブ
レークアウトを招来する問題があり、逆に過剰な凝固下
にて引き抜きが開始された場合、引き抜き初期の鋳片に
多くの表面疵及び内部疵が発生し、製品歩留りの低下を
招来する問題がある。
【0007】鋳型内部での鋳片の凝固程度は、鋳型への
注湯状態に依存することから、前述した問題点を解消す
るためには、鋳型への注湯を開始した後、引き抜きレベ
ルへの到達までの間の注湯状態を最適化することが必要
である。渦流レベル計の検出範囲は狭いので、渦流レベ
ル計の検出範囲に溶湯レベルが達するまでは、作業者が
湯面を監視しながら流量制御装置の開度を調節し、そし
て、渦流レベル計の検出範囲に溶湯レベルが入ったこと
を確認した後は、流量制御装置の自動モードに切り換え
る制御方法が知られている。この制御方法は、作業者に
高度な熟練を要求する上、確実性に乏しいという難点が
ある。
【0008】そこで従来から、鋳型への溶融金属注入開
始からダミーバーの引き抜き開始までの間の注湯状態の
最適化を自動的に行わせることを目的とした連続鋳造の
初期制御方法が種々提案されている。これらの方法は、
基本的には、引き抜きレベルへの到達までの間の溶湯レ
ベルの変化を連続的に検出し、この変化態様を適正化す
べく流量制御装置の開度を制御する手順により行われ
る。
【0009】このような従来例の一つとして特公平5-7
1340号公報に開示された方法がある。この方法では、鋳
型の上下方向に設けた複数の熱電対等の測温器の測温結
果を溶湯レベルの上昇速度の演算に用い、この演算結果
から渦流レベル計の検出範囲に達するまでの時間を予想
し、予想時間を適正化すべく流量制御装置の開度を決定
して、この開度を渦流レベル計の検出範囲に溶湯レベル
が達するまで維持し、この後は、渦流レベル計による検
出レベルに基づいて流量制御装置の開度制御を実施し、
引き抜きレベルへの到達までの時間を調整する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
特公平5-71340号公報に開示された方法では、渦流レベ
ル計にて溶湯レベルが検出された後に、ダミーバーの引
き抜き開始指令を発するので、小断面鋳片を鋳造する場
合には、引き抜きの開始タイミングが遅すぎて、鋳型の
上面から溶融金属がオーバーフローするという問題があ
る。また、すべての測温器にて溶融金属温度を検出した
後に、流量制御装置の開度の絞り込みを行っているが、
小断面鋳片を鋳造する場合には溶湯レベルの上昇速度が
極めて速くなるので、これでは流量制御装置の開度制御
が溶湯レベルの上昇速度に追いつかずに鋳型の上面から
溶融金属がオーバーフローするという問題もある。
【0011】渦流レベル計における較正(実際の溶湯レ
ベルとレベル計との値を合わせる処理)には、引き抜き
開始後に行われ溶湯レベルを検出範囲の所定の定常レベ
ルに安定させた状態で行う基準較正と、溶湯レベルが検
出範囲よりもはるかに下方に位置する状態で較正する無
限大較正(無限大キャリブレーション)とがある。基準
較正の場合には定常レベルまでに長時間を要するし、無
限大較正の場合には注入ノズルと渦流レベル計との距離
が近くて小断面鋳片のときに、注入ノズル内に溶融金属
がある場合とない場合とで渦流レベル計の検出特性が変
化してしまって正確な溶湯レベルの検出が行えない。
【0012】以上のような理由により、鋳造対象が小断
面鋳片の場合、特公平5-71340号公報に開示された方法
では、連続鋳造の初期に制御遅れが生じて溶湯レベルを
高精度に制御できず、引き抜き初期の鋳片品質の低下を
招くという難点がある。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、小断面鋳片の連続鋳造初期における高精度の制
御を自動化でき、引き抜き初期における鋳片品質の向上
を図ることができる連続鋳造の鋳造初期制御方法を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る連続鋳造の
鋳造初期制御方法は、ダミーバーにより下部を閉塞され
た鋳型の内部に開度調節が可能な注入手段にて溶融金属
を注入し、前記鋳型内の溶湯レベルが所定のレベルに到
達した時点で前記ダミーバーの引き抜きを開始する連続
鋳造の鋳造初期制御方法において、前記鋳型の上方に配
置され、前記鋳型内の溶湯レベルを検出するレベル計
と、該レベル計の検出可能範囲よりも下方位置で前記鋳
型の溶湯レベル変化方向に配され、溶湯レベルを検知す
べく前記鋳型内の温度を測定する複数の測温器とを設
け、該測温器の測温結果に基づいて、前記レベル計の較
正,前記ダミーバーの引き抜き開始タイミングの決定及
び前記注入手段の開度制御を行い、溶湯レベルが前記レ
ベル計の検出可能範囲に到達した後は前記レベル計の検
出結果に基づく定値制御により溶湯レベルを制御するこ
とを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明では、レベル計の検出範囲外における鋳
型内の溶湯レベルを鋳型の深さ方向に配置した複数の測
温器にて検出し、その検出結果に基づいて、レベル計の
較正とダミーバーの引き抜き開始タイミングの決定と注
入手段の開度制御とを自動的に行い、その後、溶湯レベ
ルがレベル計の検出範囲内に達すると、レベル計の検出
結果によるPID制御等の定値制御へ自動的に移行す
る。本発明では、測温器の測温結果により、連続鋳造の
初期の自動制御を行うので、小断面鋳片を連続鋳造する
場合にも、制御遅れは生じず、定常レベルまでの溶湯レ
ベル制御を安定して行える。
【0016】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて具体的に説明する。
【0017】図1は、本発明の制御方法を実施するため
の装置の構成図であり、図中1は図示しない取鍋から溶
融金属としての溶鋼2が供給されるタンディッシュであ
る。タンディッシュ1の下方の適長離隔した位置には、
上下に開口を有する鋳型3が配設されている。鋳型3の
内部には、タンディッシュ1の底面にその上端を開口さ
せた浸漬ノズル4が延設され、タンディッシュ1内の溶
鋼2は、浸漬ノズル4を介して鋳型3に注入されるよう
になしてある。タンディッシュ1には重量センサ16が取
り付けられており、重量センサ16にて検出されたタンデ
ィッシュ1内の溶鋼2の重量結果がCPU20に出力され
る。
【0018】浸漬ノズル4の中途には、これの長手方向
と略直交する面内でのゲート板50の移動により浸漬ノズ
ル4を開閉して、鋳型3への溶鋼の注入量を調節するス
ライディングノズル5が固設してある。ゲート板50は、
浸漬ノズル4の内側断面に相当する開口を略中央に有す
る平板であり、油圧シリンダを用いてなる開閉シリンダ
6の出力ロッドの先端に連結されている。而して、スラ
イディングノズル5における開度調節は、開閉シリンダ
6の出力ロッドの進退動作によりゲート板50を移動せし
めて行われる。鋳型3への溶鋼注入量に対応するスライ
ディングノズル5の開度は、開閉シリンダ6に付設され
た開度検出器60により、開閉シリンダ6の出力ロッドの
進退位置を媒介として検出され、開度制御部14及びCP
U20へ出力される。
【0019】鋳型3の上側には、内部の溶鋼2の表面に
臨ませて、鋳型3内の溶鋼2の湯面レベルを計測する渦
流式のレベル計7が設けられている。レベル計7にて計
測されたレベル信号は、レベル計増幅器8にて増幅され
た後にCPU20へ出力される。
【0020】鋳型3の内壁にはその上下方向に並設し
て、測温器としての4個の熱電対9a,9b, 9c, 9dが埋め
込まれている。最深部の熱電対9aは鋳型3の上面から深
さ550mmの位置に配置されており、また、最浅部の熱電
対9dは鋳型3の上面から深さ100 mmの位置に配置されて
いる。残りの2個の熱電対9b, 9cは、それぞれ鋳型3の
上面から深さ350 mm,170 mmの位置に配置されている。
これらの4個の熱電対の中で最浅部に位置する熱電対9d
のみがレベル計7の検出範囲内に配置されている。これ
らの各熱電対9a, 9b, 9c, 9dの検出信号は、熱電対増幅
器10にて増幅された後にCPU20へ出力される。なお、
後述する制御動作では、同一高さの複数点における最高
温度の検出信号を用いる。
【0021】図1は、操業開始時の状態を示している。
連続鋳造設備の操業は、鋳型3の下側開口部にダミーバ
ー11を装着した後、スライディングノズル5を開放し
て、ダミーバー11のヘッド部11a を疑似底とする鋳型3
の内部に、タンディッシュ1内の溶鋼2を注入して開始
される。ダミーバー11は、鋳型3の下方に延設され、鋳
片引き抜き用のピンチロール12,12間に挾持させてあ
り、ロールモータ13からの伝動によるピンチロール12,
12の回転に応じて下向きに引き抜かれる構成となってい
る。このときダミーバー11のヘッド部11a には、初期に
注入された溶鋼2が凝固して係合し、また鋳型3内部の
溶鋼2は、鋳型3の水冷内壁との接触により、外側を凝
固シェルにより被覆された鋳片となっており、この鋳片
はダミーバー11の引き抜きに伴って下方に引き抜かれ、
これ以降は、適正な厚さの凝固シェルを有する鋳片が連
続的に引き抜かれる通常操業に移行する。
【0022】CPU20は、レベル計増幅器8からレベル
計7での溶鋼レベル検出結果と、熱電対増幅器10から各
熱電対9a, 9b, 9c, 9dでの熱電対温度とを入力すると共
に、開度検出器60により検出されるスライディングノズ
ル5のノズル開度と、重量センサ16にて検出されるタン
ディッシュ1内の溶鋼2の重量値とを入力する。
【0023】そして、CPU20は、これらの入力に基づ
いてスライディングノズル5のノズル開度を決定し、そ
の開度指令を開度制御部14に出力する。開度制御部14
は、CPU20から与えられる開度指令と、開度検出器60
から与えられる現状のノズル開度との偏差を求め、この
偏差を解消すべく開閉シリンダ6に動作指令を発し、開
閉シリンダ6の出力ロッドを進退動作せしめて、スライ
ディングノズル5の開度調節を行う公知のサーボ制御部
である。而して、CPU20からの開度指令に応じた開度
制御部14の動作により、スライディングノズル5の開度
が調節され、鋳型3への溶鋼注入量が増減される。
【0024】また、CPU20は、熱電対増幅器10から入
力された各熱電対9a,9b,9c,9dでの熱電対温度に基づ
き、所定の熱電対(例えば後述する動作例の場合には熱
電対9c)が溶鋼2の温度を検出し始めたタイミングによ
り、ダミーバー11の引き抜き開始タイミングを決定して
引き抜き開始指令を、ピンチロール12,12の駆動源とな
るロールモータ13の動作を制御する引き抜き制御部15へ
出力する。而して、CPU20からの引き抜き開始指令に
応じた引き抜き制御部15の動作により、ロールモータ13
が駆動され、ピンチロール12,12が所定の回転速度にて
回転せしめられて引き抜きが開始される。なお、通常操
業中におけるCPU20からの動作指令は、速度の変更指
令も含んでいる。
【0025】次に、動作について説明する。図2は本発
明の制御方法の手順を示すフローチャート、図3は本発
明の制御方法におけるタンディッシュ1内の溶鋼2の重
量,スライディングノズル5の開度,鋳型3内の溶鋼レ
ベル及び引き抜き速度の経時変化を示すグラフである。
【0026】まず、自動開始の各種の条件判定を行う
(ステップS1)。この条件判定には、制御モード判
定,熱電対の良否判定,自動開始準備完了判定,自動開
始判定が含まれる。自動開始の各種の条件が満たされる
と、スライディングノズル5を定周波数の正弦波にてイ
ンチングさせて待機状態とする(ステップS2)。但
し、この時のスライディングノズル5は最大開度が第1
開度となるようにインチングさせる。この状態のとき
に、図示しない取鍋から溶鋼がタンディッシュ1に供給
される。
【0027】取鍋開孔信号を出力させる(ステップS
3)。タンディッシュ1内の溶鋼重量が所定量に達した
後に所定時間が経過しても、最深部に位置する熱電対9a
にて溶鋼2の温度を検出しない場合には、スライディン
グノズル5の開口度が小さいと判断して、スライディン
グノズル5の開度を補正して大きくしてインチングを続
ける。
【0028】熱電対9aにて溶鋼2の温度を検出すると、
第1開度より少し開度を小さくした所定の第2開度にス
ライディングノズル5の開度を変更し、開放状態とする
と共に、レベル計7の無限大キャリブレーションを行う
(ステップS4)。熱電対9aにて溶鋼2の温度を検出し
た後に所定時間が経過しても、これより上方に位置した
熱電対9bにて溶鋼2の温度を検出しない場合には、ステ
ップS3と同様に、スライディングノズル5の開度を補
正する。
【0029】熱電対9bにて溶鋼2の温度を検出すると、
第2開度より少し開度を小さくした所定の第3開度にス
ライディングノズル5の開度を変更する(ステップS
5)。熱電対9bにて溶鋼2の温度を検出した後に所定時
間が経過しても、これより上方に位置した熱電対9cにて
溶鋼2の温度を検出しない場合には、ステップS3,S
4と同様に、スライディングノズル5の開度を補正す
る。
【0030】熱電対9cにて溶鋼2の温度を検出すると、
第3開度より少し開度を小さくした所定の第4開度にス
ライディングノズル5の開度を変更すると共に、CPU
20から引き抜き制御部15に引き抜き開始指令を出力し
て、ピンチロール12を回転させて、ダミーバー11の引き
抜きを開始する(ステップS6)。熱電対9cにて溶鋼2
の温度を検出した後に所定時間が経過しても、これより
上方の最浅部に位置した熱電対9dにて溶鋼2の温度を検
出しない場合には、ステップS3,S4,S5と同様
に、スライディングノズル5の開度を補正する。
【0031】熱電対9dにて溶鋼2の温度を検出すると、
レベル計7の正常判定を行った後に、このレベル計7の
検出結果による制御に移行してバンプレス制御を行う
(ステップS7)。ここで、レベル計7の正常判定と
は、レベル計7の較正が終了しているか、レベル計7か
ら異常信号が出力されていないか、レベル計7の値が所
定範囲内にはいっているかを判定することである。ま
た、バンプレス制御とは、あるレベル上昇速度になるよ
うに、PID制御の目標溶鋼レベルを除々に変化させて
いき、定常レベル(最終的なPID制御の目標溶鋼レベ
ル)にまで円滑に移行できるようにする制御である。
【0032】バンプレス制御を終了した後に、レベル計
7の検出結果によるPIDの定値制御に移行して、この
定値制御を継続する(ステップS8)。このPIDの定
値制御を開始して所定時間が経過すれば、本発明に基づ
く初期の制御方法は終了する。
【0033】以上のようにして連続鋳造初期の自動制御
を行って小断面鋳片を鋳造した場合の実績結果(スライ
ディングノズル5の開度,鋳型3内の溶鋼レベル,引き
抜き速度及び熱電対9a, 9b, 9cの検出温度の経時変化)
を表すグラフを図4に示す。また、比較例として、手動
による制御を行って小断面鋳片を鋳造した場合の同様の
実績結果を表すグラフを図5に示す。図4,図5に示す
溶鋼レベルを比較すると、本発明例(図4)では、熱電
対の検出結果に基づくスライディングノズル5の開度の
調節によって、溶鋼レベルの上昇速度を抑制することが
実現されている。また、レベル計7の検出範囲に溶鋼レ
ベルが達した瞬間より直ちにレベル計7の検出結果に基
づく制御を行えるので、定常レベルまで安定した溶鋼レ
ベルの制御を行い得る。従って、手動制御に比較してよ
り早くレベル計7による定値制御をすることが可能とな
り、引き抜かれる鋳片の品質の向上を図れる。
【0034】なお、上述の実施例では、タンディッシュ
1から鋳型3への溶鋼2の注入量を調節する流量調節装
置として、浸漬ノズル4の中途に配したスライディング
ノズル5を用いたが、タンディッシュ1内の浸漬ノズル
4の開口端をストッパ棒により開閉する構成としたスト
ッパ装置等、他の流量調節装置を用いるようにしても良
い。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の制御方法では、鋳
型の深さ方向に配置した複数の測温器にてレベル計の検
出範囲外における鋳型内の溶湯レベルを検出し、その検
出結果に基づいて、レベル計の較正とダミーバーの引き
抜き開始タイミングの決定と注入手段の開度制御とを自
動的に行い、その後、溶湯レベルがレベル計の検出範囲
内に達すると、レベル計の検出結果による定値制御へ自
動的に移行するようにしたので、小断面鋳片を連続鋳造
する場合にも、レベル計の検出結果に基づく制御に遅れ
が生じず、小断面鋳片の連続鋳造初期における高精度の
制御を自動的に行うことが可能となり、引き抜き初期に
おける鋳片品質の向上も図ることができる等、本発明は
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造の鋳造初期制御方法を実施す
るための装置の構成図である。
【図2】本発明の連続鋳造の鋳造初期制御方法の実施手
順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の連続鋳造の鋳造初期制御方法における
タンディッシュ内の溶鋼の重量,スライディングノズル
の開度,鋳型内の溶鋼レベル及び引き抜き速度の経時変
化を示すグラフである。
【図4】本発明の連続鋳造の鋳造初期制御方法を実施し
た場合の実績結果を示すグラフである。
【図5】本発明の比較例としての手動による制御方法を
実施した場合の実績結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 タンディッシュ 2 溶鋼 3 鋳型 4 浸漬ノズル 5 スライディングノズル 6 開閉シリンダ 7 レベル計 9a, 9b, 9c, 9d 熱電対 11 ダミーバー 12 ピンチローラ 14 開度制御部 15 引き抜き制御部 16 重量センサ 20 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 毅志 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−254361(JP,A) 特開 昭62−270264(JP,A) 特開 平1−170568(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/18 B22D 11/08 B22D 11/16 104

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダミーバーにより下部を閉塞された鋳型
    の内部に開度調節が可能な注入手段にて溶融金属を注入
    し、前記鋳型内の溶湯レベルが所定のレベルに到達した
    時点で前記ダミーバーの引き抜きを開始する連続鋳造の
    鋳造初期制御方法において、前記鋳型の上方に配置さ
    れ、前記鋳型内の溶湯レベルを検出するレベル計と、該
    レベル計の検出可能範囲よりも下方位置で前記鋳型の溶
    湯レベル変化方向に配され、溶湯レベルを検知すべく前
    記鋳型内の温度を測定する複数の測温器とを設け、該測
    温器の測温結果に基づいて、前記レベル計の較正,前記
    ダミーバーの引き抜き開始タイミングの決定及び前記注
    入手段の開度制御を行い、溶湯レベルが前記レベル計の
    検出可能範囲に到達した後は前記レベル計の検出結果に
    基づく定値制御により溶湯レベルを制御することを特徴
    とする連続鋳造の鋳造初期制御方法。
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